特許第5917571号(P5917571)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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5917571二次圧縮リミッタを備えた多層静的ガスケット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917571
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】二次圧縮リミッタを備えた多層静的ガスケット
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/08 20060101AFI20160428BHJP
   F02F 11/00 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   F16J15/08 P
   F02F11/00 L
【請求項の数】20
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-552599(P2013-552599)
(86)(22)【出願日】2012年2月1日
(65)【公表番号】特表2014-505847(P2014-505847A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】US2012023494
(87)【国際公開番号】WO2012106436
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2014年12月12日
(31)【優先権主張番号】61/438,361
(32)【優先日】2011年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599058372
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 高志
(72)【発明者】
【氏名】クーラー,フベルト
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−065807(JP,A)
【文献】 特表2009−543987(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0327540(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0096401(US,A1)
【文献】 米国特許第05927724(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00 − 15/56
F02F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッドとエンジンブロックとの間において気体/流体密閉封止を確立するための多層金属静的シリンダヘッドガスケットであって、
燃焼室と位置合わせするように構成された開口部と、前記開口部のまわりに封止を形成するように構成された環状封止ビードとを有する機能層の対を備え、前記環状封止ビードは圧縮されていない軸方向の高さを有し、前記多層金属静的シリンダヘッドガスケットは、
前記機能層から別個の材料片から形成された一次圧縮リミッタを含み、前記封止ビードがシリンダヘッドとエンジンブロックとの間で完全に平坦にされるのを防ぐために、前記一次圧縮リミッタは、前記開口部のまわりを少なくとも部分的に延在し、
前記機能層の対は、前記一次圧縮リミッタから径方向に外方向に間隔を置かれた二次圧縮リミッタを形成する入れ子の突起を有し、前記二次圧縮リミッタは、前記環状封止ビードの前記軸方向の高さ未満の、圧縮されていない軸方向の高さを有し、前記一次圧縮リミッタは、前記入れ子の突起から径方向に内方向に終端する、多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項2】
前記一次圧縮リミッタは、前記機能層の対間に配置される、請求項1に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項3】
前記一次圧縮リミッタは、前記環状封止ビードを横切って延在する、請求項2に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項4】
前記環状封止ビードは、互いから遠ざかるように延在する鏡映関係で構成されたフルビードである、請求項3に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項5】
前記環状封止ビードは、互いに向かって延在する鏡映関係で構成されたフルビードである、請求項3に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項6】
前記一次圧縮リミッタは、前記機能層の対から外方向に配置される、請求項1に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項7】
前記一次圧縮リミッタは、前記環状封止ビードと前記開口部との間に封じ込められる、請求項6に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項8】
シリンダヘッドとエンジンブロックとの間において気体/流体密閉封止を確立するための多層金属静的シリンダヘッドガスケットであって、
燃焼室と位置合わせするように構成された開口部と、前記開口部のまわりに封止を形成するように構成された環状封止ビードとを有する機能層の対と、
前記機能層から別個の材料片から形成された一次圧縮リミッタとを含み、前記封止ビードがシリンダヘッドとエンジンブロックとの間で完全に平坦にされるのを防ぐために、前記一次圧縮リミッタは、前記開口部のまわりを少なくとも部分的に延在し、
前記機能層の対は、前記一次圧縮リミッタから径方向に外方向に間隔を置かれた二次圧縮リミッタを形成する入れ子の突起を有し、
前記一次圧縮リミッタは、前記機能層の対から外方向に配置され、
前記一次圧縮リミッタは、前記環状封止ビードと前記開口部との間に封じ込められ、
前記機能層の対は、前記環状封止ビードから径方向に内方向に鏡映関係で構成されたハーフビードを有し、前記一次圧縮リミッタは、前記ハーフビードの1つの上になる、多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項9】
前記ハーフビードは、互いから遠ざかるように延在する、請求項8に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項10】
前記一次圧縮リミッタは1つの方向を向き、前記入れ子の突起は前記1つの方向の反対の方向に向かって突出する、請求項8に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項11】
前記一次圧縮リミッタと前記環状封止ビードのうちの1つとに当接する距離層をさらに含む、請求項10に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項12】
燃焼室と位置合わせするように構成された開口部を有する他の機能層をさらに含み、前記他の機能層は、前記距離層の上になり、前記距離層に当接する、請求項11に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項13】
前記他の機能層は前記開口部に近接するハーフビードを有する、請求項12に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項14】
前記一次圧縮リミッタは、前記環状封止ビードを横切って延在する、請求項6に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項15】
前記一次圧縮リミッタは、前記二次圧縮リミッタと前記開口部との間に封じ込められる、請求項14に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項16】
前記一次圧縮リミッタは1つの方向を向き、前記入れ子の突起は前記1つの方向の反対の方向に向かって突出する、請求項15に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項17】
前記一次圧縮リミッタと前記環状封止ビードのうちの1つとに当接する距離層をさらに含む、請求項16に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項18】
燃焼室と位置合わせするように構成された開口部を有する他の機能層をさらに含み、前記他の機能層は、前記距離層の上になり、前記距離層に当接する、請求項17に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項19】
前記他の機能層は、前記距離層に向かって延在するフルビードを有する、請求項18に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【請求項20】
前記入れ子の突起は、前記一次圧縮リミッタに向かって突出する、請求項15に記載の多層金属静的シリンダヘッドガスケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2011年2月1日に提出された米国仮出願連続番号第61/438,361号の恩恵を主張するものであり、その全体をここに引用により援用する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
1.技術分野
この発明は、一般に、ともにクランプされる2つの部材間の気体/流体密閉封止を確立するように用いられる種類の静的ガスケットに関し、特定的には、シリンダヘッドガスケットのような多層静的ガスケットに関する。
【0003】
2.関連技術
シリンダヘッドおよびエンジンブロックのような、ともにクランプされる2つの部材間の気体/流体密閉封止を確立する際には、多層を有する静的なシリンダヘッドガスケットを用いることが一般的である。一般に、時に機能層とも呼ばれる多層ガスケットの層の少なくとも1つは、気体/流体密閉封止を確立することを容易にするために、封止ビードを有する。それらの層のうち、時に距離層とも呼ばれる別の層は、機能層の封止ビードを圧縮することによって気体/流体密閉封止を確立しようとして、機能層と当接するように構成される。残念ながら、シリンダヘッドをエンジンブロックに固定している間、または使用の際の高負荷中において、ガスケットの過剰圧縮を通して、締結具に近接した周辺の領域のような、ガスケットの封止ビードまたは他の領域に、損傷が生じる場合がある。封止ビードが過剰圧縮され、完全に平坦にされると、封止される部材間に十分に高い圧縮封止圧力をかけるその能力を失うことに加えて、クランプ中および/または使用中などにおいて、疲労クラックが封止ビードの領域において結果として生じ得る。疲労クラックは、究極的には、静的ガスケットが気体/流体密閉封止を確立および/または維持する能力を低下させ、それによって、エンジンの寿命を減じ、性能を損なう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
シリンダヘッドとエンジンブロックとの間において気体/流体密閉封止を確立するための多層金属静的シリンダヘッドガスケットは、燃焼室と位置合わせするように構成された開口部と、開口部のまわりに封止を形成するように構成された環状封止ビードとを有する機能層の対を含む。ガスケットは、さらに、機能層から別個の材料片から形成された一次圧縮リミッタを含む。一次圧縮リミッタは、開口部のまわりを少なくとも部分的に延在して、封止ビードがシリンダヘッドとエンジンブロックとの間で完全に平坦にされるのを防ぐ。機能層の対は、一次圧縮リミッタから径方向に外方向に間隔を置かれた二次圧縮リミッタを形成する入れ子の突起を有する。
【0005】
図面の簡単な説明
この発明に従って構築された多層ガスケットのこれらの、ならびに他の局面、特徴、および利点は、以下の現在好ましい実施例および最良の形態の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、ならびに添付の図面との関連で考慮すると、より容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】この発明の1つの局面に従って構築された多層ガスケットの平面図である。
図2図1の線2−2に概ね沿ってとられた径方向断面側面図である。
図2A】多層ガスケットがシリンダヘッドとエンジンブロックとの間に組付けられるのを示す、図2と同様の図である。
図3】この発明の他の局面に従って構築された多層シリンダヘッドガスケットの、図2と同様の図である。
図4】この発明のさらに他の局面に従って構築された多層シリンダヘッドガスケットの径方向断面図を示す。
図5】この発明のさらに他の局面に従って構築された多層シリンダヘッドガスケットの径方向断面図を示す。
図6】この発明のさらに他の局面に従って構築された多層シリンダヘッドガスケットの径方向断面図を示す。
図6A】多層ガスケットがシリンダヘッドとエンジンブロックとの間に組付けられるのを示す、図6と同様の図である。
図7】この発明のさらなる局面に従って構築された多層シリンダヘッドガスケットの径方向断面図を示す。
図7A】多層ガスケットがシリンダヘッドとエンジンブロックとの間に組付けられるのを示す、図7と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
現在好ましい実施例の詳細な説明
図面をより詳細に参照して、図1は、以下ガスケットと呼ばれる、この発明の1つの局面に従って構築される多層静的ガスケット10を示す。示されたガスケット10は、シリンダヘッドガスケットであり、3つの機能層12、14、16として図2において一実施例に従って例として示される複数の機能層と、距離層18とを有する。図2に示されるように、少なくとも機能層12、14の対は、距離層18の一方の側20の上になるように配置され、他の距離層16は、距離層18の対向する側22の上になるように示されている。したがって、距離層18は、機能層12、14の対と他の機能層16との間に挟まれる。機能層12、14、16は、各々、距離層18における開口部26と少なくとも部分的に位置合わせするようにサイズ決めされた開口部24を有し、それぞれの開口部24および26は、各々、シリンダライナ31を介して形成されると示されるシリンダボア28と少なくとも部分的に位置合わせするように、軸方向に互いと整列して配置される。機能層12、14の対は、各々、互いから鏡映関係で機能層12および14の面から外方向に延在する圧縮封止フルビード30を有することにより、シリンダボア28のまわりに気密封止を確立することを容易にし、他の機能層16も、距離層18から外方向に遠ざかるように延在するフルビード30を有する。さらに、32で概ね示される、ストッパとも呼ばれる第1の一次圧縮リミッタが、距離層18に形成される。一次圧縮リミッタ32は、シリンダヘッド33をエンジンブロック34に固定したときに、フルビード30が完全に平坦にされることを防止する(図2A)。一次圧縮リミッタ32に加えて、36で概ね示される、二次ストッパとも呼ばれる二次圧縮リミッタが、機能層12、14の対に形成される。二次圧縮リミッタ36は、機能層12、14のそれぞれの面から軸方向に外方向に、距離層18から遠ざかるように延在する、入れ子のビード38の対として形成される。したがって、燃焼室28のまわりに気体/流体密閉封止を確立することを容易にするフルビード30は、完全に軸方向に圧縮または平坦にされない状態のままであることが保証され、機能層の残りの部分に関して距離層18に抗して概ね一定の高い封止圧力を維持し、それによって、シリンダボア28の周囲のまわりに気体/流体密閉封止を与える。加えて、入れ子の二次圧縮リミッタ36は、設置中および使用中において疲労クラックの形成を防止することによって、機能層12、14、16および距離層18の時期尚早の疲労を防ぐ。
【0008】
機能層12、14、16は、例えばばね鋼のような復元力のある金属から構築され、例えば、約0.1〜0.3mmの厚みを有して与えることが可能である。機能層12、14の対は、図2に示されるように、二次圧縮リミッタ36を除いて、互いに対面する概ね鏡映の輪郭を有して構築され、各々は、シリンダボア28に近接するように前述のフルビード30を有し、ハーフビード40が、互いに鏡映関係で、シリンダ室28に隣接する外周に延在するように形成される。ハーフビード40は、別のものから、間隔を置かれた関係で、軸方向に遠ざかるように延在するとして示される。したがって、フルビード30は、シリンダボア28に関して、ハーフビード40から径方向に外方向に形成され、二次圧縮リミッタ36も、シリンダボア28に関して、フルビード30から径方向に外方向に形成されている。
【0009】
距離層18は、例えば冷間圧延鋼またはステンレス鋼のような相対的に剛性の金属材料から構築することが可能である。距離層18は、平坦な平面シートとして構築することが可能であり、または、それは、燃焼室28のまわりに軸方向に外方向に延在する隆起した一次圧縮リミッタ32を有して形成することが可能である。
【0010】
距離層18に形成された一次圧縮リミッタ32に加えて、環状の第2の一次圧縮リミッタ32’が、第1の一次圧縮リミッタ32の軸方向にずれている表面によって形成された環状の凹部内において、機能層12、14間から外方向に配置することが可能である。第1の一次圧縮リミッタ32は、機能層16のうちの1つのハーフビード40の隆起した表面と当接するように構成されるとして示され、一方、第2の一次圧縮リミッタ32’は、距離層18と当接する機能層14として示される、機能層の対のうちの1つのハーフビード40の隆起した表面と当接するように構成されるとして示される。第2の一次圧縮リミッタ32’は、距離層18から1片の別個の材料から構築され、フルビード30と開口部24との間に全体的に封じ込められ、したがって、フルビード30を越えて開口部24内に延在しない。
【0011】
二次圧縮リミッタ36は、フルビード30の少なくとも一部のまわりにおいて、一次圧縮リミッタ32、32’およびフルビード30から径方向に外方向に延在するように形成される。図1に最もよく示されるように、二次圧縮リミッタ36は、近接する燃焼室28間の限られた空間のため、燃焼室28のまわりを完全には延在しない。一連の燃焼室における端部燃焼室28のまわりに延在する二次圧縮リミッタ36は、例として、約275〜315度の間で延在するように示される、部分的な円周長さのまわりに、途切れずに延在する。対照的に、端部燃焼室間に形成される中間燃焼室のまわりに延在する二次圧縮リミッタ36は、途切れたセグメントで形成され、セグメントの対が、各中間燃焼室28のまわりを、燃焼室28の対向する側部において延在する。示されるように、二次圧縮リミッタ36の対の各セグメントは、例として、約75〜110度の間で延在する。もちろん、空間が許す場合、燃焼室28のまわりを完全に延在するように二次圧縮リミッタ36を形成することができるかもしれないが、これは、エンジンブロック34のサイズを増大することを必要とし、なぜならば、近接する燃焼室間に、より多くの空間が必要であろうからである。
【0012】
例として概ねステップ状であるとして示される、入れ子の二次圧縮リミッタ36は、時期尚早の疲労クラッキングの危険性を低減する、機能層12、14、16の過剰圧縮の防止に加えて、当接する機能層12および14を互いに関して設置することを容易にする。したがって、組立てはより容易になり、したがって、より経済的である。二次圧縮リミッタ36の軸方向の高さは、好ましくは近接するフルビード30全体の高さ未満で、第2の一次圧縮リミッタ32’の反対に、軸方向に延在し、それによって、フルビード30は、組立ての間において確実に弾性的に変形される。したがって、フルビード30によって形成された封止は、十分な塑性変形またはクラッキングの点に過剰圧縮されず、完成されることが保証される。
【0013】
図3には、この発明の別の局面に従って構築された別の多層ガスケット110が示され、そこでは、上に用いられるのと同じ参照番号を、100だけずらして、ガスケット110の同様の特徴を示すために用いる。上に記載されたガスケット10のように、ガスケット110は、気体/流体密閉封止を燃焼室128のまわりに形成するように燃焼室128のまわりに延在するフルビード130を有する機能層112および114の対を、他の機能層116とともに含み、距離層118は、当接する機能層112、114の対と機能層116との間に挟まれている。さらに、距離層118は、一次圧縮リミッタ132が、そこに、上記のような補助的一次圧縮リミッタ132’とともに、形成される。さらに、機能層112、114の対は、それぞれのフルビード130から径方向に外方向に、入れ子の二次圧縮リミッタ136を有する。注目すべき差異は、機能層112、114、116の構成にある。先に記載された機能層12、14、16とは対照的に、機能層112、114、116は、ハーフビードを燃焼室128に隣接するようには有さず、機能層112、114、116の主本体を形成するよう用いられる材料のシートと概ね共面で延在する。したがって、フルビード130および二次圧縮リミッタ136以外は、機能層112、114、116は平面である。他の点では、ガスケット110は上に論じられたガスケット10と同じであり、したがって、これ以上の論考は必要ではない。
【0014】
図4には、この発明の別の局面に従って構築された別の多層ガスケット210が示され、そこでは、上に用いられるのと同じ参照番号を、200だけずらして、ガスケット210の同様の特徴を示すために用いる。上に記載されたガスケット10、110のように、ガスケット210は、フルビード230を有する機能層212、214の対を含み、距離層218は、機能層212、214の対と別の機能層216との間に挟まれている。さらに、積み重ねられた、当接する機能層212および214の対は、それらの鏡映のフルビード230から径方向に外方向に、入れ子の二次圧縮リミッタ236を有する。注目すべき差異は、距離層218および一次圧縮リミッタ232’の構成にある。先に記載された距離層18、118とは対照的に、距離層218は、対向する側部が平面であるように、平坦である。さらに、一次圧縮リミッタ232’は、機能層212、214、216における開口部224、226から、および距離層218における開口部226から、径方向に外方向に、フルビード230を越えて概ね同一面上に延在するが、二次圧縮リミッタ236から径方向に内方向に終端する。他の点では、ガスケット210は上に論じられたガスケット110と同じであり、したがって、これ以上の論考は必要ではない。
【0015】
図5には、この発明の別の局面に従って構築された別の多層ガスケット310が示され、そこでは、上に用いられるのと同じ参照番号を、300だけずらして、ガスケット310の同様の特徴を示すために用いる。上に記載されたガスケット10、110、210のように、ガスケット310は、フルビード330を有する機能層312、314の対を含み、距離層318は、機能層312、314の当接する対と機能層316との間に挟まれている。さらに、積み重ねられた、機能層312および314の対は、それらの鏡映のフルビード330から径方向に外方向に、入れ子の二次圧縮リミッタ336を有する。注目すべき差異は、二次圧縮リミッタ336および機能層316の構成にある。先に記載された二次圧縮リミッタとは対照的に、入れ子の二次圧縮リミッタ336は、先の実施例におけるように、距離層から軸方向に遠ざかるのではなく、軸方向に距離層318に向かって延在し、一次圧縮リミッタ332’に向かって突出する。さらに、機能層316は、先の実施例におけるように、軸方向に遠ざかるのではなく、軸方向に距離層318に向かって延在するフルビード330を有する。他の点では、ガスケット310は上に論じられたガスケット210と同じであり、したがって、これ以上の論考は必要ではない。
【0016】
図6には、この発明の別の局面に従って構築された別の多層ガスケット410が示され、そこでは、上に用いられるのと同じ参照番号を、400だけずらして、ガスケット410の同様の特徴を示すために用いる。上に記載されたガスケット10、110、210、310のように、ガスケット410は、フルビード430を有する機能層412、414の対を含む。フルビード430は、軸方向に互いの方を向いていないピークを有する鏡映関係で示される。さらに、一次圧縮リミッタ432’は機能層412と414との間に配置され、機能層412と414との間において挟まれた関係で、機能層412、414における開口部424から概ね同一面上に、径方向に外方向にフルビード430を横切って延在する。一次圧縮リミッタ432’は、入れ子の二次圧縮リミッタ436の手前で停止する。したがって、一次圧縮リミッタ432’の領域においては、機能層412および414は互いに当接しない。しかしながら、先の実施例と異なり、それは、機能層412、414の対間に挟まれた距離層を含まない。むしろ、機能層412、414の対は、存在する唯一の機能層であり、機能層412、414の対は、一次圧縮リミッタ432’およびフルビード430の両方から径方向に外方向に入れ子の二次圧縮リミッタ436を有する。図6Aに示されるように、入れ子の二次圧縮リミッタ436は、シリンダヘッド33とエンジンブロック34との間においてガスケット410を組付けたときにフルビード430が完全に平坦になるのを防ぐ。
【0017】
図7には、この発明の別の局面に従って構築された別の多層ガスケット510が示され、そこでは、上に用いられるのと同じ参照番号を、500だけずらして、ガスケット510の同様の特徴を示すために用いる。上に記載されたガスケット10、110、210、310、410のように、ガスケット510は、フルビード530を有する機能層512、514の対を含む。さらに、一次圧縮リミッタ532’が、ガスケット410でのように、機能層512、514間に挟まれた関係で配置される。しかしながら、先のガスケット410のフルビード430とは異なり、フルビード530は、それらのピークが一次圧縮リミッタ532’と当接するように、軸方向に互いに向かって延在する。他の点では、ガスケット510は、入れ子の二次圧縮リミッタ536を有することを含み、上に論じられたガスケット410と同じであり、したがって、これ以上、論考は必要ではない。図7Aに示されるように、入れ子の二次圧縮リミッタ536は、シリンダヘッド33とエンジンブロック34との間においてガスケット510を組付けたときにフルビード530が完全に平坦になるのを防ぐ。
【0018】
明らかに、この発明の多くの変更例および変形例が上記の教示に照らして可能である。したがって、添付の特許請求の範囲およびこの出願に関係する任意の許可された請求項の範囲内で、この発明は、上記に記載され説明された以外の態様で実施されてもよいことが理解されるべきである。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図7A