(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
潤滑粘度の油と、少なくとも1つのポリ(イソブチレン)(PIB)ポリマーブロック(ブロックA)および少なくとも1つのポリ(ビニル芳香族)(PVA)ポリマーブロック(ブロックB)を0.96のブロックA/(ブロックA+B)のモル比で含むブロックコポリマーとを含む潤滑組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、潤滑組成物における使用のための、PVAポリマーとPIBとのブロックコポリマーを提供する。本発明のコポリマーは、PIBのブロック「A」とPVAのブロック「B」とを含む。
【0017】
ブロックB PVAは、特定の用途の必要性に基づいて選択することができるが、一実施形態では、ブロックBのPVAは、スチレンのモノマーを含むことができる。PVAはまた、置換スチレン、例えばメチルスチレン、アルファ−ハロスチレン、低級アルキル置換スチレン、例えばアルファ−メチルスチレン、アルファ−エチルスチレン、パラ−tert−ブチルスチレンおよびパラ−低級アルコキシスチレンなどから構成され得る。ジビニルベンゼンなどの二官能性のビニル芳香族モノマーが、少量で存在していてもよい。架橋および星型ポリマーを調製するために、二(およびこれより高次の)官能性のモノマーを使用することができ、ポリマー組成物の最大5%までの量で使用することができる。一実施形態では、ポリマーは、多官能性のビニル芳香族モノマーを含まない(または実質的に含まない)。
【0018】
ブロックA PIBは、ブロックBに油溶性を与えつつ、クリーンに脱重合することができる。ブロックB PVAは、剪断安定性、良好な低温特性、および潤滑調合物への増粘を与えることができ、望ましくはクリーンに脱重合することができる。したがって、コポリマーに存在するブロックAおよびブロックBの量は、潤滑流体の必要性に基づいて減らすことができる。好ましくは、ブロックA/(ブロックA+B)のモル比は、0.5から0.97であるが、0.7から0.95、または0.75から0.9でもあり得る。本明細書において用いられるとき、句「ブロックA/(ブロックA+B)のモル比」は、ブロックAにおける繰り返し単位のモルを(ブロックA+ブロックB)における繰り返し単位の合計で割った比を意味する。
【0019】
本発明の種々の実施形態では、ブロックポリマーの構造は、線状、分枝状、または星型であり得、ブロックは、規則性の、ランダムな、逐次的、テーパード、または交互的な順序で配置され得る。ブロックコポリマーは、ジブロックABコポリマーまたはトリブロックABAもしくはBABコポリマーのいずれかであり得る。一実施形態では、コポリマーは、線状の規則性コポリマーであり得る。別の実施形態では、コポリマーは、ジブロック逐次ブロックコポリマーまたはジブロック星型コポリマーであり得る。本明細書において用いられるとき、用語「逐次ブロックコポリマー」は、コポリマーが、各々が均一である、すなわち単一のモノマーからできている、別個のブロック(AおよびB)からなることを意味する。逐次ブロックコポリマーの例としては、A−BまたはB−A−B構造を有するものが挙げられる。
【0020】
本発明のPIBブロックは、いくつかの実施形態では、少量のジエンを含むことができる。コポリマーにおけるブロックAの含量に関しては、ジエン含量は、10モル%未満、または5モル%未満、または2モル%未満で存在することができる。好適なジエンとしては、例えば、1,4−ブタジエンまたはイソプレンが挙げられる。いくつかの実施形態では、ブロックAは、ジエンを実質的に含まない、または完全に含まない。本明細書において用いられるとき、用語「ジエンを実質的に含まない」は、ポリマーが、不純物レベル以下で、典型的には、ポリマーの1モル%未満、ポリマーの0.05モル%以下、またはポリマーの0.01モル%以下、またはポリマーの0モル%で、ジエン由来の単位を含有することを意味する。ブロックコポリマーがジエンを含む場合、ジエンは、分枝状であっても線状であってもよく、コポリマーは、水素化されていても、水素化されていなくてもよい。
【0021】
一実施形態では、ブロックAのイソブチレンモノマーおよびブロックBのビニル芳香族モノマーの一方または両方が、アシル基、またはハロ−、アルコキシ−、カルボキシ−、ヒドロキシ−、スルホニル−、ニトロ−、ニトロソ−、およびヒドロカルビル−置換基(ここで、ヒドロカルビル基は、典型的には、1から12個の炭素原子を有する)を含めた基を用いて官能化されていてよい。
【0022】
別の実施形態では、ブロックAのイソブチレンモノマーおよびブロックBのビニル芳香族モノマーの一方または両方が、エチレン性不飽和アシル化剤を用いてグラフト化されていてよい。グラフト化は、例えば、2011年1月13日に公開されたPriceらのWO/2011/005739に教示されている通り、PVA−PIB骨格上のビニル炭素をハロゲン化(例えば臭素化)し、次いで、ハロゲン化されたビニル炭素を、カルボン酸またはその誘導体と、活性化剤の存在下で反応させることによって行うことができる。
【0023】
アシル化されたポリマーは、アミンまたはポリアミンを用いて、さらに官能化されていてよい。一実施形態では、アミンは、カーボン堆積制御または燃料節約のための芳香族アミンを含む。一実施形態では、アミンは、許容され得るカーボン堆積および/またはスラッジ処理のための脂肪族アミンであり得る。
【0024】
コポリマーの重量平均分子量は、1000から1,000,000、または5,000から500,000、または10,000から250,000、または50,000から175,000であり得る。様々な実施形態では、コポリマーの多分散度は、典型的には、1から1.6未満、または1から1.55、または1から1.4、または1.01から1.2の範囲である。
【0025】
本発明のコポリマーは、当業者に公知の任意の方式で生成することができる。例えばGeorge Odianによる「Principles of Polymerization」(第3版、356ページ)に教示されている通りの、例えば、リビングカチオン重合は、他の方法に比べて比較的多量のビニル芳香族由来の単位、例えばスチレンを有する生成物を得るための迅速かつカスタマイズ可能な経路を提供することができる。制御された方式でPIBブロックに新しい官能性を導入する方法を提供することができる別の技術は、例えばKrzysztof Matyjaszewski編の「Handbook of Radical Polymerization」(523ページ)に教示されている通りのATRP重合であり得、ATRP重合は、より少量のビニル芳香族由来の単位を含むコポリマーを提供することができる。本発明者らは、PIB−PVAブロックコポリマーを生成するための様々なプロセスを使用することによって、コポリマーのPVA含量を制御して、これにより、様々の分解度を示すブロックコポリマーを付与することができることを発見した。
【0026】
潤滑粘度の油
該組成物は、潤滑粘度の油を含む。こうした油として、天然および合成油、水素化分解、水素化、および水素化仕上げ(hydrofinishing)から得られる油、未精製油、精製油、および再精製油、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
未精製油は、一般にさらなる精製処理を行わずに(またはほとんど行わずに)、天然または合成源から直接得られるものである。精製油は、1つ以上の特性を改善するために1つ以上の精製ステップにおいてさらに処理されていること以外は、未精製油と同様である。精製技術は、当技術分野で公知であり、溶媒抽出、二次蒸留、酸または塩基抽出、濾過、浸出などが挙げられる。
【0028】
再精製油は、再生油または再処理(reprocessed)油としても公知であり、精製油を得るために用いられるのと同様のプロセスによって得られ、使用済みの添加剤および油分解生成物の除去を対象とする技術によって、さらに処理されることが多い。
【0029】
本発明の潤滑剤を作製するのに有用である天然油としては、動物油、植物油(例えば、ヒマシ油、ラード油)、鉱油系潤滑油、例えば、液化石油、およびパラフィン系、ナフテン系、またはパラフィン系−ナフテン系混合型の溶媒処理もしくは酸処理された鉱油系潤滑油、ならびに石炭またはケツ岩に由来する油、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0030】
合成潤滑油が有用であり、炭化水素油、例えば、重合および共重合オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレンイソブチレンコポリマー);ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン)、およびこれらの混合物;アルキル−ベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ−(2−エチルヘキシル)−ベンゼン);ポリフェニル(例えば、ビフェニル、ターフェニル、アルキル化ポリフェニル);アルキル化ジフェニルエーテルおよびアルキル化ジフェニルスルフィド、ならびにこれらの誘導体、類似体、および相同体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
他の合成潤滑油としては、リン含有酸の液状エステル(例えば、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、およびデカンホスホン酸のジエチルエステル)、ならびにポリマー性テトラヒドロフランが挙げられる。合成油は、フィッシャー−トロプシュ反応によって生成することができ、典型的には、水素化異性化されたフィッシャー−トロプシュ炭化水素またはワックスであり得る。一実施形態では、油は、フィッシャー−トロプシュ・GTL(gas−to−liquid)合成手順ならびに他のGTL油によって調製することができる。
【0032】
潤滑粘度の油は、米国石油協会(American Petroleum Institute)(API)の「Base Oil Interchangeability Guidelines」に明記されている通りに定義することもできる。5つの基油グループは、以下の通りである:グループI(硫黄含量>0.03重量%、かつ/または<90重量%飽和分、粘度指数80〜120);グループII(硫黄含量≦0.03重量%、かつ≧90重量%飽和分、粘度指数80〜120);グループIII(硫黄含量≦0.03重量%、かつ≧90重量%飽和分、粘度指数≧120);グループIV(すべてのポリアルファオレフィン(PAO));ならびにグループV(グループI、II、III、またはIVに含まれないすべての他のもの)。潤滑粘度の油は、APIグループI、グループII、グループIII、グループIV、グループVの油、またはこれらの混合物を含む。多くの場合、潤滑粘度の油は、APIグループI、グループII、グループIII、グループIVの油、またはこれらの混合物である。あるいは、潤滑粘度の油は、多くの場合、APIグループI、グループII、グループIIIの油、またはこれらの混合物である。
【0033】
潤滑剤組成物は、濃縮物および/または完全に調合された潤滑剤の形態であり得る。本発明のポリマーが、濃縮物(これは、追加の油と組み合わされて、全体または部分的に、完成した潤滑剤を形成することができる)の形態である場合、ポリマーと、潤滑粘度の油および/または希釈油との比としては、重量で1:99から99:1、または重量で80:20から10:90の範囲が含まれる。
【0034】
他の性能添加剤
該組成物は、他の性能添加剤を場合により含む。他の性能添加剤は、金属不活性化剤、従来の清浄剤(当技術分野で公知であるプロセスによって調製される清浄剤)、分散剤、粘度調整剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、腐食防止剤、分散性粘度調整剤、極圧添加剤、抗スカッフィング剤、酸化防止剤、消泡剤、抗乳化剤、流動点降下剤、シール膨張剤、およびこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む。典型的には、完全に調合された潤滑油は、これらの性能添加剤のうちの1つ以上を含有する。
【0035】
分散剤
分散剤は、多くの場合、無灰系分散剤として公知である。なぜなら、これらの分散剤は、潤滑油組成物に混合する前に、灰形成金属を含有せず、また、潤滑剤およびポリマー分散剤に添加する場合に、通常はいかなる灰形成金属も与えないからである。無灰系分散剤は、比較的高分子量の炭化水素鎖に結合する極性基を特徴とする。典型的な無灰分散剤としては、N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドが挙げられる。N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドの例としては、数平均分子量が350から5000または500から3000の範囲のPIB置換基を伴うPIBスクシンイミドが挙げられる。スクシンイミド分散剤およびその調製は、例えば、米国特許第4,234,435号に開示されている。スクシンイミド分散剤は、典型的には、ポリアミン、典型的にはポリ(エチレンアミン)または芳香族ポリアミン、例えばアミノジフェニルアミン(ADPA)から形成されるイミドである。
【0036】
一実施形態では、本発明は、350から5000または500から3000の範囲の数平均分子量を有するPIBから得られる少なくとも1種のPIBスクシンイミド分散剤をさらに含む。PIBスクシンイミドは、単独で、または他の分散剤と組み合わせて使用することができる。
【0037】
一実施形態では、本発明は、亜鉛によるPIBスクシンイミド複合体を形成するための、PIBコハク酸無水物と、アミンと、酸化亜鉛とから得られる少なくとも1種の分散剤をさらに含む。亜鉛によるPIBスクシンイミド複合体は、単独で、または組み合わせて使用することができる。
【0038】
別のクラスの無灰分散剤は、Mannich塩基である。Mannich分散剤は、アルキルフェノールと、アルデヒド(特にホルムアルデヒド)およびアミン(特にポリアルキレンポリアミン)との反応生成物である。該アルキル基は、典型的には、少なくとも30個の炭素原子を含有する。
【0039】
分散剤は、種々の剤のいずれかとの反応による従来の方法によって後処理することもできる。これらの中でも、ホウ素、尿素、チオ尿素、ジメルカプトチアジアゾール、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換コハク酸無水物、無水マレイン酸、ニトリル、エポキシド、リン化合物、および/または金属化合物である。
【0040】
分散剤は、潤滑組成物の0重量%から20重量%、または0.1重量%から15重量%、または0.1重量%から10重量%、または1重量%から6重量%、または7重量%から12重量%で存在することができる。
【0041】
清浄剤
潤滑剤組成物は、他の公知の中性または過塩基性の清浄剤を場合によりさらに含む。好適な清浄剤基質としては、フェネート、硫黄含有フェネート、スルホネート、サリキサレート(salixarate)、サリチレート、カルボン酸、リンの酸(phosphorus acid)、モノ−および/もしくはジ−チオリン酸、アルキルフェノール、硫黄カップリングアルキルフェノール化合物、またはサリゲニンが挙げられる。種々の過塩基性の清浄剤およびその調製法は、WO2004/096957を含めた多数の特許公開およびその中に引用された参考文献に、より詳細に記載されている。
【0042】
清浄剤は、0重量%から10重量%、または0.1重量%から8重量%、または1重量%から4重量%、または4超から8重量%で存在することができる。
【0043】
酸化防止剤
酸化防止剤化合物は、公知であり、例えば、硫化オレフィン、ジアリールアミン、ヒンダードフェノール、モリブデン化合物(ジチオカルバミン酸モリブデンなど)、およびこれらの混合物が挙げられる。酸化防止剤化合物は、単独で、または組み合わせて使用することができる。酸化防止剤は、潤滑組成物の0重量%から20重量%、または0.1重量%から10重量%、または1重量%から5重量%、いくつかの場合には1.5重量%から3.0重量%の範囲で存在することができる。
【0044】
ヒンダードフェノール酸化防止剤は、多くの場合、立体障害基として、第2級ブチルおよび/または第3級ブチル基を含有する。フェノール基は、多くの場合、第2の芳香族基に連結しているヒドロカルビル基および/または橋かけ基でさらに置換されている。適切なヒンダードフェノール酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−エチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−プロピル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールもしくは4−ブチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、または4−ドデシル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールが挙げられる。一実施形態では、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、エステルであり、例えば、Ciba社のIrganox(商標)L−135を挙げることができる。好適なエステル含有ヒンダードフェノール酸化防止剤化学の、より詳細な説明は、米国特許第6,559,105号に見られる。
【0045】
ジアリールアミン酸化防止剤は、1つ以上の窒素原子を含有することができる。アリール基が、2つの窒素原子の間にあることもできるし、1つの窒素原子が、該窒素原子に結合した2つのアリール基を有することもできる。ジアリールアミン酸化防止剤におけるアリール基の置換基としては、脂肪族炭化水素基、例えば1から30個の炭素原子を有するアルキル、ヒドロキシ基、ハロゲンラジカル、カルボン酸もしくはエステル基、またはニトロ基を挙げることができる。好ましくは、アリール基は、置換または非置換のフェニルまたはナフチルであり得る。1つまたは両方のアリール基が置換されていてよく、例えばモノアルキル化ジフェニルアミン、ジアルキル化ジフェニルアミン、またはモノ−およびジ−アルキル化ジフェニルアミンの混合物であり得る。用いることができるジアリールアミンの好適な例としては、限定はされないが、ジフェニルアミンおよびアルキル化ジフェニルアミン、フェニル−ナフチルアミンおよびアルキル化フェニル−ナフチルアミン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0046】
酸化防止剤として用いることができるジチオカルバミン酸モリブデンの好適な例としては、R.T.Vanderbilt Co.,Ltd.からMolyvan 822(商標)およびMolyvan(商標)A、ならびに、旭電化工業(株)からAdeka Sakura−Lube(商標)S−100、S−165、およびS−600などの商品名で販売されている市販材料、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0047】
粘度調整剤
本発明のポリマーは、粘度調整剤として働くことができるが、他のタイプの追加の粘度調整剤が存在していてもよい。こうした粘度調整剤は、周知の材料であり、水素化スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンコポリマー、水素化スチレン−イソプレンポリマー、水素化ラジカルイソプレンポリマー、ポリ(メタ)アクリレート(多くの場合、ポリアルキルメタクリレート)、ポリアルキルスチレン、ポリオレフィン、および無水マレイン酸−スチレンコポリマーのエステル、またはこれらの混合物が挙げられる。こうした追加の粘度調整剤は、潤滑組成物の0重量%から15重量%、または0.1重量%から10重量%、または1重量%から5重量%、または、いくつかの場合には0.5重量%から2重量%を含めた範囲で存在することができる。
【0048】
摩耗防止剤
潤滑剤組成物は、少なくとも1種の他の摩耗防止剤を場合によりさらに含む。摩耗防止剤は、潤滑組成物の0重量%から15重量%、または0.1重量%から10重量%、または1重量%から8重量%、または、いくつかの場合には0.5重量%から2重量%を含めた範囲で存在することができる。好適な摩耗防止剤の例としては、リン酸エステル、硫化オレフィン、硫黄含有無灰摩耗防止添加剤および金属ジヒドロカルビルジチオホスフェート(ジアルキルジチオリン酸亜鉛など)、チオカルバメート含有化合物、例えばチオカルバメートエステル、チオカルバメートアミド、チオカルバミン酸エーテル、アルキレンカップリングチオカルバメート、およびビス(S−アルキルジチオカルバミル)ジスルフィドが挙げられる。
【0049】
ジチオカルバメート含有化合物は、ジチオカルバメートの酸または塩を、不飽和化合物と反応させることによって調製することができる。ジチオカルバメート含有化合物はまた、アミン、二硫化炭素、および不飽和化合物を同時に反応させることによって調製することもできる。一般に、この反応は、25℃から125℃の温度で起こる。米国特許第4,758,362号および第4,997,969号は、ジチオカルバメート化合物およびこれを作製する方法を記載している。
【0050】
硫化されて硫化オレフィンを形成することができる好適なオレフィンの例としては、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、ヘキサン、ヘプテン、オクタン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ウンデシル、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン(octadecenene)、ノナデセン(nonodecene)、エイコセン、またはこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン(octadecenene)、ノナデセン(nonodecene)、エイコセン、またはこれらの混合物、ならびにこれらの二量体、三量体、および四量体が、特に有用なオレフィンである。あるいは、オレフィンは、1,3−ブタジエンなどのジエンとブチルアクリレートなどの不飽和エステルとのDiels−Alder付加物であり得る。
【0051】
別のクラスの硫化オレフィンとしては、脂肪酸およびそのエステルが挙げられる。脂肪酸は、多くの場合、植物油または動物油から得られ;典型的には、4から22個の炭素原子を含有する。好適な脂肪酸およびそのエステルの例としては、トリグリセリド、オレイン酸、リノール酸、パルミトレイン酸、またはこれらの混合物が挙げられる。多くの場合、脂肪酸は、ラード油、トール油、ラッカセイ油、ダイズ油、綿実油、ヒマワリ種子油、またはこれらの混合物から得られる。一実施形態では、脂肪酸および/またはエステルは、オレフィンと混合される。
【0052】
代替の実施形態では、無灰摩耗防止剤は、ポリオールと脂肪族カルボン酸(多くの場合、12から24個の炭素原子を含有する酸)とのモノエステルであり得る。多くの場合、ポリオールと脂肪族カルボン酸とのモノエステルは、ヒマワリ油などとの混合物の形態であり、これは、摩擦調整剤混合物中に、該混合物の5から95、または他の実施形態では10から90、または20から85、または20から80重量パーセントで存在することができる。該エステルを形成する脂肪族カルボン酸(特にモノカルボン酸)は、12から24または14から20個の炭素原子を典型的には含有する酸である。カルボン酸の例としては、ドデカン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ベヘン酸、およびオレイン酸が挙げられる。
【0053】
ポリオールとしては、ジオール、トリオール、および、より多数のアルコール性OH基を有するアルコールが挙げられる。多価アルコールとしては、ジ−、トリ−、およびテトラ−エチレングリコールを含めたエチレングリコール;ジ−、トリ−、およびテトラ−プロピレングリコールを含めたプロピレングリコール;グリセロール;ブタンジオール;ヘキサンジオール;ソルビトール;アラビトール;マンニトール;スクロース;フルクトース;グルコース;シクロヘキサンジオール;エリスリトール;ならびにジ−およびトリペンタエリスリトールを含めたペンタエリスリトールが挙げられる。多くの場合、ポリオールは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、またはジペンタエリスリトールである。
【0054】
「モノオレイン酸グリセロール」として公知の市販されているモノエステルは、60±5重量パーセントの化学種モノオレイン酸グリセロールを、35±5パーセントのジオレイン酸グリセロール、ならびに5パーセント未満のトリオレエートおよびオレイン酸と併せて含むと考えられる。上記のモノエステルの量は、任意のこうした混合物中に存在するポリオールモノエステルの実際の修正された量に基づいて算出される。
【0055】
抗スカッフィング剤
潤滑剤組成物は、抗スカッフィング剤を含有することもできる。抗スカッフィング剤化合物は、接着摩耗を減少させると考えられ、多くの場合、硫黄含有化合物である。典型的には、硫黄含有化合物としては、有機スルフィドおよびポリスルフィド、例えば、ジベンジルジスルフィド、ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、ジ−tert−ブチルポリスルフィド、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、硫化Diels−Alder付加物、アルキルスルフェニルN’N−ジアルキルジチオカルバメート、ポリアミンと多塩基酸エステルとの反応生成物、2,3−ジブロモプロポキシイソ酪酸のクロロブチルエステル、ジアルキルジチオカルバミン酸のアセトキシメチルエステル、およびキサントゲン酸のアシルオキシアルキルエーテル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
極圧添加剤
油に可溶性である極圧添加(EP)剤としては、硫黄−およびクロロ硫黄−含有EP剤、塩素化炭化水素EP剤、およびリンEP剤が挙げられる。こうしたEP剤の例としては、塩素化ワックス;有機スルフィドおよびポリスルフィド、例えば、ジベンジルジスルフィド、ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、および硫化Diels−Alder付加物;ホスホ硫化(phosphosulfurized)炭化水素、例えば硫化リンとテルペンチンまたはオレイン酸メチルとの反応生成物;リンエステル、例えば、二炭化水素および三炭化水素亜ホスフィット、例えば、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジシクロヘキシル、亜リン酸ペンチルフェニル;亜リン酸ジペンチルフェニル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸ジステアリル、およびポリプロピレン置換フェノールホスフィット;金属チオカルバメート、例えば、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛およびヘプチルフェノール二酸バリウム;ホスホロジチオ酸の亜鉛塩;アルキルおよびジアルキルリン酸のアミン塩(例えば、ジアルキルジチオリン酸とプロピレンオキシドとの反応生成物のアミン塩を含む);ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
他の添加剤
腐食防止剤などの他の性能添加剤としては、米国出願US05/038319(2004年10月25日に出願、記名された発明者としてMcAteeおよびBoyer)の第5から第8段落に記載されているもの、オクタン酸オクチルアミン、ドデセニルコハク酸または無水物および脂肪酸(オレイン酸など)とポリアミンとの縮合生成物が挙げられる。一実施形態では、腐食防止剤としては、Synalox(登録商標)腐食防止剤が挙げられる。Synalox腐食防止剤は、典型的には、プロピレンオキシドのホモポリマーまたはコポリマーである。Synalox(登録商標)腐食防止剤は、The Dow Chemical Companyによって発行された、Form No.118−01453−0702 AMSの製品パンフレットに、より詳細に記載されている。この製品パンフレットは、「SYNALOX Lublicants,High−performance Polyglycols for Demanding Applications」というタイトルである。
【0058】
潤滑剤組成物には、ベンゾトリアゾールの誘導体、ジメルカプトチアジアゾール誘導体、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、2−アルキルジチオベンゾイミダゾール、または2−アルキルジチオベンゾチアゾールを含めた金属不活性化剤;アクリル酸エチルと2−エチルヘキシルアクリレートと場合により酢酸ビニルとのコポリマーを含めた消泡剤;リン酸トリアルキル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、および(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ポリマーを含めた抗乳化剤;無水マレイン酸−スチレンのエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、またはポリアクリルアミドを含めた流動点降下剤;ならびに脂肪アルキル成分、例えば脂肪酸誘導体、例えば、アミン、エステル、エポキシド、脂肪イミダゾリン、カルボン酸とポリアルキレン−ポリアミンとの縮合生成物およびアルキルリン酸のアミン塩などを含めた摩擦調整剤も使用することができる。脂肪アルキルは、一般に、典型的には直鎖の、場合により不飽和の、C
10からC
22アルキルを意味する。摩擦調整剤は、潤滑組成物の0重量%から10重量%または0.1重量%から8重量%または1重量%から5重量%を含めた範囲で存在することができる。
【0059】
産業的用途
本発明のコポリマーは、あらゆる潤滑剤組成物に好適である。このポリマーは、粘度調整剤および/または分散性粘度調整剤(多くの場合、DVMとも呼ばれる)として使用することができる。
【0060】
一実施形態では、本発明のポリマーは、許容され得る粘度調整性能、許容され得る分散性性能、ならびに許容され得るカーボン堆積およびスラッジ処理のうちの少なくとも1つを提供する。本発明のポリマーが、エンジン油潤滑剤組成物に用いられる場合、該ポリマーは、典型的には、許容され得る燃料節約性能または許容され得るカーボン堆積およびスラッジ処理をさらに提供する。
【0061】
潤滑剤の例としては、2ストロークまたは4ストローク内燃機関用のエンジン油、歯車油、自動変速機油、油圧油、タービン油、金属加工流体、または循環油が挙げられる。
【0062】
一実施形態では、内燃機関は、ディーゼル燃料エンジン、ガソリン燃料エンジン、天然ガス燃料エンジン、またはガソリン/アルコール混合燃料エンジンであり得る。一実施形態では、内燃機関は、ディーゼル燃料エンジンであり、別の実施形態ではガソリン燃料エンジンである。
【0063】
内燃機関は、2ストロークまたは4ストロークエンジンであり得る。好適な内燃機関としては、船舶ディーゼルエンジン、航空ピストンエンジン、軽負荷ディーゼルエンジン、ならびに自動車およびトラックエンジンが挙げられる。
【0064】
内燃機関のための潤滑剤組成物は、硫黄、リン、または硫酸灰分(ASTM D−874)含量にかかわらず、いかなるエンジン潤滑剤にも好適であり得る。エンジン油潤滑剤の硫黄含量は、0.01重量%から1重量%、または0.01重量%から0.8重量%、または0.01重量%から0.5重量%、または0.01重量%から0.3重量%であり得る。同様に、エンジン油は、いかなる硫黄含量も有さなくてよい。エンジン油のリン含量は、0.01重量%から0.2重量%、または0.01重量%から0.1重量%、または0.01重量%から0.085重量%、または0.01重量%から0.06重量%、または0.01重量%から0.055重量%、または0.01重量%から0.05重量%であり得る。同様に、エンジン油は、いかなるリンも含有しなくてよい。総硫酸灰分含量は、0.01重量%から2重量%、または0.01重量%から1.5重量%、または0.01重量%から1.1重量%、または0.01重量%から1重量%、または0.01重量%から0.8重量%、または0.01重量%から0.5重量%であり得る。同様に、エンジン油は、いかなる硫酸灰分含量も含まなくてよく、または実質的に含まなくてよい。
【0065】
一実施形態では、潤滑組成物は、エンジン油である。ここで、潤滑組成物は、(i)0.5重量%またはそれ以下の硫黄含量、(ii)0.1重量%またはそれ以下のリン含量、および(iii)1.5重量%またはそれ以下の硫酸灰分含量を有する。
【0066】
一実施形態では、潤滑組成物は、2ストロークまたは4ストローク船舶ディーゼル内燃機関に適している。一実施形態では、船舶ディーゼル燃焼機関は、2ストロークエンジンである。本発明のポリマーは、0.01から20重量%、または0.05から10重量%、または0.1から5重量%で、船舶ディーゼル潤滑組成物に添加することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、好適な潤滑組成物は、表1aおよび1bに示した通りの範囲で、活性物質ベースで存在する添加剤を含む。
【0069】
【表1b】
以下の実施例は、本発明の例示を提供する。これらの実施例は、非網羅的であり、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0070】
実施例1−リビングカチオン重合
下の反応図に従って、塩化クミル開始剤とTiCl
4プロモーターとを用いるリビングカチオン重合を介して、PS−PIBコポリマーを調製した。得られたコポリマーは、約19.4モル%のスチレンおよび80.6モル%のイソブチレンを有し、13900のMw、11200のMn、および1.23の多分散度を有した。
【0071】
【化1】
実施例2−ATRP重合
下のスキーム図に従って、高ビニリデン5000Mn PIBから、ATRPマクロ開始剤へのヒドロホウ素化変換、および最終的にスチレン−b−イソブチレンへの変換によって、PS−PIBコポリマーを調製した。得られたコポリマーは、約4.7モル%のスチレンおよび95.3モル%のイソブチレンを有し、10600のMw、および8600のMnを有した。
【化2】
【0072】
実施例3−熱重量分析(TGA)
PS−PIBコポリマーの熱分解の種類、速度、および程度を決定するために、TGAを使用して、実施例1および2のプロセスに従って生成された生成物を、PIB(Mw 37,000、約40〜50%の高反応性PIB)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)(Mw 130,000、約29モル%のスチレン)、およびOCP(Mw 130,000)のサンプルと比較した。
【0073】
方法:(1)窒素中での熱分解−高分解能、感度1.0、傾斜10℃/分、分析:5から550℃、空気に切り替え、傾斜10℃/分、分析:5から600℃、(2)285℃で等温−傾斜30℃/分(285℃まで)、空気に切り替え、1440分間の等温。
【0074】
結果:(1)1〜4%のポリマーが残存している温度に基づいて(表1)、両方のPS−PIB生成物(順位2および3)が、PIB(順位1)に近い性能を示す。両方のPS−PIBコポリマーが、OCP(順位5)およびSBR(順位4)よりもかなり良好な働きをする。ATRP経路を介して合成されたPS−PIB(順位2)は、リビングカチオン重合を介して合成されたコポリマー(順位3)よりも性能が良好であった。無機残留物に基づいて(表2)、本発明のコポリマーは、第2位と、第4位タイであった。PIBは一般に、クリーンに分解することが公知であり、ATRPコポリマーの、より低いスチレン含量が、リビングカチオンコポリマーとの性能の違いの主要因であることが推測された。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
(2)直噴式ターボ(turbocharged direct injection)(TDI)エンジンの第2ランドリング温度での該ポリマーの挙動を模倣するために等温実験を設計した。表3でわかる通り、性能が最も良好であるのは、ここでもPIBであり、本発明の両方のコポリマーが、非常に近い値でその後に続いていた。より低いスチレン含量のATRPコポリマーはここでもリビングカチオンコポリマーよりも性能が良好であった。
【0077】
【表3】
本明細書において用いられるとき、用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」は、当業者に周知である通常の意味で用いられる。具体的には、該基は、分子の残部に直接結合した炭素原子を有し、かつ、主として炭化水素の性質を有する基を指す。ヒドロカルビル基の例としては、以下が挙げられる:
(i)脂肪族である炭化水素置換基(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環式(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)置換基、ならびに芳香族−、脂肪族−、および脂環式−置換芳香族置換基、ならびに、環が分子の別の部分によって完成されている(例えば、2個の置換基が共に環を形成する)環状置換基;
(ii)置換炭化水素置換基、すなわち、非炭化水素基(これは、本発明の文脈では、置換基の主となる炭化水素の性質を変更しない)を含有する置換基(例えば、ハロ(特にクロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルホキシ);
(iii)ヘテロ置換基、すなわち、主となる炭化水素の性質を有しながら、本発明の文脈では、環または鎖内の炭素以外を含有し、それ以外は炭素原子から構成される置換基。ヘテロ原子としては、硫黄、酸素、窒素が挙げられ、ピリジル、フリル、チエニル、およびイミダゾリルとしての置換基が包含される。ヒドロカルビル基内の10個の炭素原子ごとに、一般に、2個以下、好ましくは1個以下の非炭化水素置換基が存在し;典型的には、ヒドロカルビル基には非炭化水素置換基は存在しない。
【0078】
上記の材料のいくつかは、最終調合物において相互作用する場合があり、その結果、最終調合物の成分が、最初に添加されたものとは異なっていてよいことが公知である。それによって形成される生成物(本発明の潤滑剤組成物をその目的とする用途で用いる際に形成される生成物を含む)は、簡単な記載が可能でないこともある。しかし、すべてのこうした変更および反応生成物は、本発明の範囲内に含まれ;本発明は、上記の成分を混合することによって調製される潤滑剤組成物を包含する。
【0079】
上で言及した文書の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。実施例または他に明確に示される場合を除いて、材料の量、反応条件、分子量、炭素原子数などの量を特定する本記載におけるすべての数量は、単語「約」によって修飾されるものと理解されたい。別段示さない限り、本明細書で言及する各化学物質または組成物は、市販等級の材料であり、これには、異性体、副生成物、誘導体、および市販等級において存在すると通常理解される他のこうした材料が含有されていてよいと解釈されるべきである。しかし、各化学成分の量は、別段示さない限り、市販の材料中に慣習的に存在し得る、あらゆる溶媒または希釈油を除いて提示されている。本明細書に記した量、範囲、および比の上限および下限は、独立に組み合わされてよいことを理解されたい。同様に、本発明の各要素についての範囲および量は、他のいずれかの要素の範囲および量と共に使用することができる。
【0080】
本発明を、その好ましい実施形態に関して説明してきたが、本明細書を読めば、当業者には、その種々の変更が明らかとなるであろうことが理解される。したがって、本明細書に開示されている発明は、こうした変更を、添付の特許請求の範囲内にあるものとして包含するものとすることを理解されたい。