【文献】
鈴木 康紀,予測誤差のばらつきを考慮した系統全域におけるアンサンブル平均日射量予測に関する一検討,電気学会研究会資料,日本,社団法人電気学会,2011年12月 7日,第31〜36ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0015】
==構成==
本発明の実施形態に係る発電量予測システム1000の全体構成を
図1に示す。
【0016】
本実施形態では、日射量を用いて太陽光発電設備300の発電量を予測する場合を例示するが、風速を用いて風力発電設備の発電量を予測する場合であっても同様である。
【0017】
発電量予測システム1000は、発電量予測装置100と気象情報装置200と太陽光発電設備300とが、ネットワーク500を介して通信可能に接続されて構成される。
【0018】
気象情報装置200は、様々な気象情報を提供するコンピュータである。例えば、気象情報装置200は、GSMを用いて作成された気象予報データ(以下、GSMデータとも記す)を提供する。
【0019】
GSMデータは、一辺20kmのメッシュ上の各格子点における各種気象データを数値的に算出したものである。気象庁は、1時間間隔で84時間先、3時間間隔で264時間先までのGSMデータを配信している。このGSMデータには、日射量や風速、風向、雲量等の各種気象データの予測値が含まれている。
【0020】
気象情報装置200から送信された日差量の予測値は、発電量予測装置100によって取得され、日射量マップ401として管理される。日射量マップ401は、
図4及び
図5に示すように、太陽光発電設備300の周辺の地域を複数の区域に区画してなる各区域の日射量の予測値を、日時情報と対応付けて記録した情報である。
【0021】
図4に示す例では、太陽光発電設備300の周辺の80km四方の地域が、東西方向及び南北方向にそれぞれ20kmごとに合計16個の区域に区画されている様子が視覚的に表現されている。例えば20km四方の各区域の中心に、GSMの格子点がそれぞれ存在する。
【0022】
20km四方の各区域は、東西方向における位置を「-A1」〜「A2」のラベルで特定され、南北方向における位置を「-B2」〜「B1」のラベルで特定される。なお
図4には80km四方の領域を示したが、日射量マップ401には、
図4に示した地域以外の地域の日射量の予測値も含まれている。
【0023】
図5には、各日時の日射量マップ401を数値で表現した日射量マップテーブル400(気象データテーブル)を示す。
【0024】
図5に示すように、日射量マップテーブル400は、「予測対象日時」欄と、「予測時点」欄と、「日射量の予測値」欄を有する。
【0025】
「予測対象日時」欄には、いつの日射量を予測したものであるかを示す日時情報が記載されている。「予測時点」欄には、気象情報装置200が予測値を提供した日時が記載されている。「日射量の予測値」欄には、各区域における日射量の予測値が記載されている。
【0026】
例えば、
図5には、2014年12月1日9時に気象情報装置200によって提供された、2014年12月1日10時から2014年12月4日21時までの84時間先までの毎時の各区域の日射量の予測値が記載されている。
【0027】
気象情報装置200は、1時間ごとにGSMデータを送信するため、
図5には、1時間後の2014年12月1日10時に気象情報装置200によって提供された、2014年12月1日11時から2014年12月4日22時までの84時間先までの毎時の各区域の日射量の予測値も記載されている。このようにして、発電量予測装置100は、気象情報装置200から日射量の予測値が送信される1時間ごとに日射量マップテーブル400を更新する。
【0028】
従って、本実施形態に係る日射量マップテーブル400には、ある予測対象日時の日射量の予測値が最大で84記載されている場合がある。例えば、現在時刻から84時間後の日射量の予測値は1個であるが、現在時刻から83時間後の予測値は2個(直近に発表された83時間後の予測値と、直近の発表の1時間前に発表された84時間後の予測値)である。そして現在時刻から1時間後の日射量の予測値は84個である。
【0029】
気象予報の予測精度は、予報時間(予測した時刻から予測対象時刻までの時間)が短いほど高精度であると考えられるため、本実施形態では、ある予測対象日時が与えられた場合に、予報時間が最短の予測値(つまり最新の予測値)を用いることにする。
【0030】
図1に戻って、太陽光発電設備300は、太陽光エネルギー(自然エネルギー)を利用して発電を行う発電設備である。太陽光発電設備300は、例えば1メガワット以上の発電が可能な、いわゆるメガソーラーである。
【0031】
また太陽光発電設備300は、所定時間ごとの発電量の実績値を提供する。本実施形態では、太陽光発電設備300は毎日1時間ごとの発電量の実績値をネットワーク500を通じて提供する。
【0032】
太陽光発電設備300によって1時間ごとに提供される発電量の実績値を、日時情報と対応付けて記録した発電量実績値テーブル410を
図6に示す。発電量実績値テーブル410は、発電量予測装置100に記憶される。
【0033】
図1に戻って、発電量予測装置100は、気象情報装置200及び太陽光発電設備300から上記GSMデータや発電量の実績値を取得して、予測対象時点における太陽光発電設備300の発電量の予測値を算出するコンピュータである。
【0034】
発電量予測装置100のハードウェア構成の一例を
図2に示す。
【0035】
発電量予測装置100は、CPU(Central Processing Unit)110、メモリ120、通信装置130、記憶装置140、入力装置150、出力装置160及び記録媒体読取装置170を有して構成される。
【0036】
CPU110は発電量予測装置100の全体の制御を司るもので、記憶装置140に記憶される本実施形態に係る各種の動作を行うためのコードから構成される制御プログラム600をメモリ120に読み出して実行することにより、発電量予測装置100としての各種機能を実現する。
【0037】
例えば、詳細は後述するが、CPU110により制御プログラム600が実行され、メモリ120や通信装置130、記憶装置140等のハードウェア機器と協働することにより、気象データ記憶部、実績値記憶部、予測対象日時受付部、気象データ平均値算出部、発電量予測値算出部などが実現される。
【0038】
メモリ120は例えば半導体記憶装置により構成することができる。
【0039】
入力装置150は、オペレータ等による発電量予測装置100へのデータ入力等のために用いられる装置でありユーザインタフェースとして機能する。入力装置150としては例えばキーボードやマウス、マイク等を用いることができる。
【0040】
出力装置160は、情報を外部に出力するための装置でありユーザインタフェースとして機能する。出力装置160としては例えばディスプレイやプリンタ、スピーカ等を用いることができる。
【0041】
記憶装置140は、例えばハードディスク装置や半導体記憶装置等により構成することができる。記憶装置140は、各種プログラムやデータ、テーブル等を記憶するための物理的な記憶領域を提供する装置である。本実施形態では、
図3に示すように、記憶装置140には制御プログラム600、日射量マップテーブル400、発電量実績値テーブル410が記憶されている。
【0042】
発電量予測装置100は、所定時間毎(本実施形態では1時間毎)に気象情報装置200から各種気象データを取得して、これらの気象データを記憶装置140に記憶する。例えば発電量予測装置100は、気象情報装置200からGSMデータを取得して、日射量マップ401を記憶装置140内の日射量マップテーブル400に記憶する。
【0043】
また発電量予測装置100は、所定時間毎(本実施形態では1時間毎)に太陽光発電設備300から発電量の実績値を取得して、発電量実績値テーブル410に記録する。
【0044】
記憶装置140は、発電量予測装置100に内蔵されている形態とすることもできるし、外付されている形態とすることもできる。
【0045】
なお、制御プログラム600、日射量マップテーブル400、発電量実績値テーブル410は、記録媒体読取装置170を用いて、記録媒体(各種の光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリ等)800から記憶装置140に読み出すことで、発電量予測装置100に格納されるようにすることもできるし、通信装置130を介して通信可能に接続される他のコンピュータ(不図示)から取得することで、発電量予測装置100に格納されるようにすることもできる。また後者の場合には、発電量予測装置100は記憶装置140を備えずに、上記他のコンピュータに記憶されている上記のプログラムやテーブル等の各種データを用いて発電量予測装置100としての機能を実現する形態も可能である。
【0046】
あるいは、発電量予測装置100は、制御プログラム600、日射量マップテーブル400、発電量実績値テーブル410を用いて実現される発電量予測装置100としての機能を、通信可能に接続された他のコンピュータに提供する形態とすることも可能である。
【0047】
==処理の流れ==
次に、
図7〜
図9を参照しながら、本実施形態に係る発電量予測装置100が、上記日射量マップテーブル400や発電量実績値テーブル410を参照しながら、太陽光発電設備300の発電量の予測値を求める際の処理の流れを説明する。
【0048】
まず発電量予測装置100は、気象情報装置200及び太陽光発電設備300から、日射量の予測値及び発電量の実績値を取得して、それぞれ、日射量マップテーブル400及び発電量実績値テーブル410に記憶する(S1000)。上述したように発電量予測装置100は、1時間ごとに日射量の予測値及び発電量の実績値を取得して、日射量マップテーブル400及び発電量実績値テーブル410を更新している。
【0049】
そして発電量予測装置100は、入力装置150を通じて、太陽光発電設備300の発電量の予測対象日時を指定する情報を受け付ける(S1010)。例えば、現在時刻が2014年9月16日9時であるとして、発電量予測装置100は、50時間先の2014年9月18日11時を予測対象日時として受け付ける。
【0050】
そうすると発電量予測装置100は、予測対象日時の日射量マップ401を参照し、予測対象日時における、太陽光発電設備300が設置されている区域(以下、設置区域とも記す)の日射量の予測値を取得する。設置区域は、
図4に示す例では「A0,B0」で特定される区域である。
【0051】
また上述したように、発電量予測装置100は、予報時間が最短の予測値(すなわち最新の予測値)を用いる。最新の予測値は、現在時刻である2014年9月16日9時に気象情報装置200によって提供された予測値である。
【0052】
そして発電量予測装置100は、この日射量の予測値と、太陽光発電設備300の発電量を日射量から算出するための所定の算出式と、を用いて、50時間後の2014年9月18日11時の時点での太陽光発電設備300の発電量の予測値を算出する(S1020)。
【0053】
なお、日射量から太陽光発電設備300の発電量を算出するための上記所定の算出式は、例えば「JIS C8907」等に記載されている。
【0054】
このようにして算出された発電量の予測値が、例えば14.4MW(メガワット)であったとする。
【0055】
そうすると、発電量予測装置100は、日射量マップテーブル400を参照し、過去の複数の日射量マップ401のうちの、予測対象日時が同一月(9月)である日射量マップ401の中から、太陽光発電設備300が設置されている設置区域(A0,B0)における、予測時間及び予測対象時刻が同一(それぞれ50時間先、11時)の日射量の予測値と、上記の所定の算出式と、から算出される発電量が、14.4MWに対して差分が所定値以下(ここでは一例として±0.5MW以下)であるような日射量マップ401を抽出する(S1030)。
【0056】
そのような日射量マップ401が抽出される様子を、
図8に示す。
図8に示すテーブルの「日時」欄には、抽出された日射量マップ401のそれぞれの日時(以下、所定日時とも記す)が記載されている。
【0057】
図8において、設置区域(A0,B0)における日射量の予測値から算出した発電量は、(A)欄に表示されている。(A)欄に示されている発電量は、14.4MW±0.5MW(メガワット)の範囲内にある。
【0058】
このようにして抽出された所定日時の日射量マップ401には、予測対象日時(2014年9月18日11時)の気象条件と類似の気象条件であった時の過去の日射量の予測値が記録されている可能性が高い。
【0059】
そこで、発電量予測装置100は、抽出した日射量マップ401のそれぞれについて、上記所定日時を含む候補期間(詳細は以下に説明する)内の平均日射量から、上記所定の算出式を用いて、候補期間ごとに発電量の試算値を算出する(S1040)。
【0060】
候補期間の例を
図9に示す。
図9には、候補期間として、予測対象時点(所定日時)±1時間(予測対象時点(所定日時)を挟んだ前後1時間の合計2時間)の場合、予測対象時点(所定日時)±2時間(予測対象時点(所定日時)を挟んだ前後2時間の合計4時間)の場合が例示されている。
【0061】
なお候補期間の長さは、上記以外にも任意に定めることができる。また候補期間は、予測対象時点(所定日時)そのもの(すなわち、時間幅が0)でもよい。
【0062】
また本実施形態では、候補期間は、予測対象時点(所定日時)を中心として前後に同一時間を有するものとするが、予測対象時点(所定日時)を中心とする期間でなくてもよい。例えば、6時間の長さを有する候補期間の場合、予測対象時点(所定日時)の4時間前から2時間先までの6時間としてもよい。
【0063】
そして発電量予測装置100は、これらの複数の候補期間の中から、後述する方法により選出した一つの候補期間を、所定期間と定める。所定期間については後述する。
【0064】
このように、候補期間は、太陽光発電設備300の設置区域における予測対象日時の気象データの時間平均値を求める際の時間幅である所定期間の候補として事前に定められている期間をいう。
【0065】
そして発電量予測装置100は、
図8に示すように、抽出された日射量マップ401のそれぞれについて、かつ、複数の候補期間のそれぞれについて、候補期間内の平均日射量から、上記所定の算出式を用いて、発電量の試算値を算出する(S1040)。
【0066】
このようにして算出される発電量の試算値は、
図8の(B)欄に示されている。
図8において「0」「±1」「±2」「±3」と記載されている欄は、各候補期間の時間幅(期間の長さ)を表している。つまり、「0」は、時間幅が0(抽出された日射量マップ401の日時(所定日時)そのもの)を表し、「±1」は、時間幅が2時間(抽出された日射量マップ401の日時(所定日時)を中心とした前後1時間)を表し、「±2」は、時間幅が4時間(抽出された日射量マップ401の日時(所定日時)を中心とした前後2時間)を表している。
【0067】
そしてそれぞれの候補期間内の平均日射量から算出された発電量の試算値が
図8に示すテーブルの(B)欄に記載されている。
【0068】
次に、発電量予測装置100は、上述のようにして抽出された日射量マップ401で特定される日時(所定日時)ごとに算出された各候補期間の発電量の試算値と、これらの各日時の発電量の実績値と、の差分をそれぞれ算出する。発電量の実績値は、
図8の(C)欄に記載されている。差分は、
図8には記載されていない。
【0069】
そして発電量予測装置100は、候補期間ごとに、これらの差分の平均値を求める(S1050)。候補期間ごとに求めた差分の平均値は、
図8のテーブルの(D)欄に記載されている。
【0070】
そして発電量予測装置100は、これらの平均値が最小となる候補期間を、所定期間と定める(S1060)。
図8に示す例では、「±2」で特定される候補期間が、所定期間となる。
【0071】
このようにして、発電量予測装置100は、抽出した日射量マップ401で特定される各日時における候補期間ごとに算出した発電量の試算値と、これらの各日時の発電量の実績値と、の近似の度合いが最も高い候補期間を所定期間として定める。
【0072】
そして発電量予測装置100は、予測対象日時(2014年9月18日11時)を挟んで前後2時間以内の日射量の予測値(本実施形態では、予測対象日時での値、予測対象日時±1時間での値、予測対象日時±2時間での値の合計5個)の平均値を求める。なお、この平均値を求める際に用いられる5個の日射量の予測値は、いずれも、50時間先の日射量の予測値として気象情報装置200から取得したものである。
【0073】
そして発電量予測装置100は、上記日射量の予測値の平均値と、上記所定の算出式によって、発電量の予測値を算出する(S1070)。
【0074】
このように、発電量の予測値と実績値との近似の度合いが高くなるような所定期間を求め、予測対象日時を含む所定期間の平均日射量を用いて発電量の予測値を算出することにより、実績値との乖離が小さな発電量の予測値を算出することが可能となる。
【0075】
なお発電量予測装置100は、
図8の(B)に示したように、抽出された日射量マップ401のそれぞれについて、かつ、複数の候補期間のそれぞれについて、候補期間内の平均日射量から、所定の算出式を用いて発電量の試算値を算出しているが、この時、候補期間ごとに算出した上記試算値のばらつきを考慮することにより、試算値の信頼性を推定することも可能である。
【0076】
例えば、長時間にわたって快晴が続いた日や、長時間にわたって曇が続いた日には、候補期間内の長さを変えても、日射量の平均値はそれほど大きく異ならないため、発電量の試算値のばらつきは小さくなる。このように、発電量の試算値のばらつきが小さい場合は、試算値の信頼性は高いと言える。
【0077】
逆に、候補期間ごとの試算値のばらつきが大きい場合は、変わりやすい天気であったことが想定され、このような場合は、雲の到来時刻が予報と僅かに異なるだけで、日射量が大きく変わるため、発電量の試算値の信頼性は高いとは言えない。
【0078】
このように、発電量予測装置100は、日射量の予測値の信頼性を推定することも可能である。
【0079】
以上、本実施形態に係る発電量予測装置100、発電量予測装置100の制御方法及び制御プログラム600について説明したが、本実施形態によれば、太陽光発電設備300の設置区域における予測対象日時を含む所定期間内の日射量の予測値の平均値を用いて発電量の予測値が算出されるので、上空の雲の到来時刻が予報からずれることによって実際の日射量が予報値から外れたとしても、太陽光発電設備300の発電量の予測値が実際の発電量から大きく乖離しないようにすることが可能になる。つまり、自然エネルギーを利用して発電を行う発電設備の発電量の予測値と実際の発電量との乖離を抑制することが可能になる。
【0080】
またこのとき、発電量予測装置100は、所定期間の長さを定めるために事前に候補として定められている複数の候補期間について、それぞれ、過去の所定日時を含む候補期間内の日射量の予測値の平均値と、太陽光発電設備300の発電量を日射量から求めるための所定の算出式と、を用いて、上記所定日時における太陽光発電設備300の発電量の試算値を求め、上記所定日時における試算値と、上記所定日時における発電量の実績値と、の近似の度合いが最も高い候補期間を、所定期間として定めるようにしている。
【0081】
このような態様によって、発電量の予測値と実績値との近似の度合いが高くなるような所定期間を過去のデータから特定し、この所定期間内の平均日射量を用いて発電量の予測値を算出することにより、実績値との乖離がより小さな発電量の予測値を算出することが可能となる。
【0082】
さらにまたこの時、発電量予測装置100は、過去の複数の日射量マップ401の中から、太陽光発電設備300の設置区域における日射量の予測値と所定の算出式とから算出される発電量が、予測対象日時における設置区域の日射量の予測値と所定の算出式とから算出される発電量に対して、差分が所定値以下であるような日射量マップを抽出し、抽出した日射量マップ401の日時を、所定日時として定めるようにしている。
【0083】
このような態様によって、予測対象日時に予想される発電量と同程度(差分が所定値以下)の発電量であった過去の日時を特定し、これらの日時における発電量の予測値と実績値との近似の度合いを基に所定期間を定めることが可能になるため、実績値との乖離がより小さな発電量の予測値を算出可能な所定期間を定めることが可能となる。
【0084】
あるいは、発電量予測装置100は、過去の複数の日射量マップ401のうちの予測対象日時と同一月の日射量マップ401の中から、太陽光発電設備300の設置区域における日射量の予測値と所定の算出式とから算出される発電量が、予測対象日時における設置区域の日射量の予測値と所定の算出式とから算出される発電量に対して、差分が所定値以下であるような日射量マップを抽出し、抽出した日射量マップ401の日時を、所定日時として定めるようにしてもよい。
【0085】
このような態様によっても、予測対象日時に予想される発電量と同程度(差分が所定値以下)の発電量であった過去の日時を特定し、これらの日時における発電量の予測値と実績値との近似の度合いを基に所定期間を定めることが可能になる。特に、予測対象日時と同一月の過去の日射量マップ401を用いることにより、予測対象日時の気象条件と類似の気象条件であった過去の日射量の予測値を用いて所定期間を定めることが可能となるため、発電量の実績値との乖離がより小さな予測値を算出することが可能となる。
【0086】
また発電量予測装置100は、上記の所定日時が複数ある場合には、所定日時毎に、所定日時における前記候補期間ごとの上記試算値と、所定日時における発電量の実績値との差分を前記候補期間ごとに求め、差分の平均値が最小となる候補期間を、所定期間として定めるようにしている。
【0087】
このような態様によって、実績値との乖離がさらに小さな発電量の予測値を算出可能な所定期間を定めることが可能となる。
【0088】
なお上述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【解決手段】自然エネルギーを利用する発電設備の発電量の予測値を求める発電量予測装置であって、前記発電設備の設置区域における気象データの所定時間毎の予測値を、日時情報と対応付けて記録した気象データテーブルを記憶する気象データ記憶部と、前記発電設備の発電量の予測対象日時を指定する情報を受け付ける予測対象日時受付部と、前記気象データテーブルを参照し、前記予測対象日時を含む所定期間内の前記気象データの予測値の平均値を算出する気象データ平均値算出部と、前記平均値と、前記発電設備の発電量を前記気象データから算出するための所定の算出式と、を用いて、前記発電設備の発電量の予測値を算出する発電量予測値算出部と、を備える。