【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、脂質と複合化された活性化合物を製造する新しい方法と、例えば、被験体の疾患を治療するために、被験体を治療する際に複合体を使用する方法とに関する。複合体相互作用は、イオン性または親油性であり得る。本発明のすべての実施形態では、複合体形成は、水性媒体内で行われる。いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1つの活性剤、例えば、ポリエン抗生物質と、免疫抑制剤、例えば、タクロリムス、あるいはタキサンまたはタキサン誘導体と、1つ以上の脂質とを含む、複合体を含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1つの活性化合物、例えば、ポリエン抗生物質と、1つ以上の脂質とを含む、複合体を含む組成物を製造するステップと、組成物を被験体に投与するステップとを含む、方法を含む。ある実施形態では、被験体は、哺乳類である。ある好ましい実施形態では、被験体は、ヒトである。
【0016】
本発明の目的は、少なくとも1つの活性成分と、少なくとも1つの脂質、例えば、有機溶媒を使用せずに形成されるリン脂質とを含む、脂質製剤または脂質複合体を提供することである。
【0017】
本発明による、脂質複合体内に含まれるリン脂質の量は、最終組成物または複合体のいかなる特定の量または百分率(例えば、重量)にも制限されない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリン脂質の割合は、最終脂質複合体(例えば、市販形態)の約5重量%と約98重量%との間である。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1つのリン脂質の量は、脂質複合体の10重量%と90重量%との間である。
【0018】
ある実施形態では、本発明による脂質製剤系は、約4.0と約8.0との間のpHを有する。いくつかの好ましい実施形態では、pHは、約4.5と約7.5との間である。
【0019】
本発明の脂質製剤は、任意の特定の使用または用途に制限されない。例えば、薬学的活性成分を含む、本発明による活性成分の脂質製剤は、異なる医薬用途に使用可能である。また、本発明の水性系は、例えば、活性成分を含む複合体の制御として使用するために、非装填脂質複合体(例えば、いかなるカプセル化した活性成分をも含まない)の製剤に使用可能である。
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1つの抗癌剤と、1つ以上の脂質とを含む、複合体を含む組成物を含む。抗癌剤の例は、ドセタキセル、パクリタキセル、エピルビシン、エンドキシフェン等を含むが、それらに限定されない。
【0021】
例として、本発明のリポソーム系内にタクロリムスをカプセル化または封入することが可能であって、そのような医薬品は、例えば、免疫抑制剤として、または皮膚感染の治療のために使用される。そのような医薬品は、注射または経口使用に特に好適である。さらに、既知の活性成分は、癌、肝臓疾患、腎臓疾患、AIDS、細菌、真菌、およびウイルス感染の治療のためのものである。
【0022】
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1つの免疫抑制剤と、1つ以上の脂質とを含む、複合体を含む組成物を含む。免疫抑制剤の例は、タクロリムスおよびサクロリムスを含むが、それらに限定されない。
【0023】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物のポリエン抗生物質は、デオキシコール酸塩を含むまたは含まない、アムホテリシンBであるが、一方、いくつかの好ましい実施形態では、デオキシコール酸アムホテリシンBは、ファンギゾン(Fungizone)(登録商標)抗生物質である。いくつかの実施形態では、デオキシコール酸アムホテリシンBは、アムホテリシンBおよびデオキシコール酸ナトリウムから製造される。
【0024】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物の1つ以上の脂質は、コレステロール、硫酸コレステリルおよびその塩(例えば、ナトリウム塩)、コレステリルヘミスクシナート、コハク酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、コレステロールのポリエチレングリコール誘導体(コレステロール−PEG)、コプロスタノール、コレスタノール、コレスタン、コール酸、コルチゾール、コルチコステロン、ヒドロコルチゾン、またはカルシフェロールのうちの1つ以上を含むが、一方、いくつかの実施形態では、1つ以上の脂質は、ステロールを含む。ある実施形態では、ステロールは、β−シトステロール、スチグマステロール、スチグマスタノール、ラノステロール、α−スピナステロール、ラソステロール、カンプエステロール、またはこれらの混合物である。
【0025】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物の1つ以上の脂質は、鎖長約C
4−C
34を有する脂肪酸のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸鎖は、不飽和であるが、一方、いくつかの実施形態では、脂肪酸鎖のうちの1つ以上は、飽和である。いくつかの実施形態では、脂肪酸のうちの1つ以上は、塩の形態であるが、一方、いくつかの実施形態では、脂肪酸のうちの1つ以上は、酸の形態である。いくつかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸は、エステルの形態である。
【0026】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物の1つ以上の脂質は、リン脂質を含む。いくつかの好ましい実施形態では、組成物の脂質のうちの1つ以上は、ホスファチジルコリンまたはホスファチジルグリセロールを含むが、一方、いくつかの好ましい実施形態では、組成物の脂質のうちの1つ以上は、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、またはホスファチジン酸を含む。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の1つ以上の脂質は、大豆リン脂質を含む。いくつかの特に好ましい実施形態では、本発明の方法および組成物で使用される大豆リン脂質は、高濃度のホスファチジルコリンを含む。さらにより特に好ましい実施形態では、本発明の方法および組成物で使用される大豆リン脂質は、少なくとも90重量%のホスファチジルコリンを含有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のリン脂質は、リン脂質のペグ化(PEG)誘導体である。ある実施形態では、組成物の脂質のうちの1つ以上は、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、またはジオレオイルホスファチジルグリセロールリン脂質のペグ化誘導体を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物の1つ以上の脂質は、モノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリド脂質を含む。
【0028】
モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドの前記脂肪酸は、短鎖または長鎖を有する飽和および不飽和脂肪酸の群から選択される、組成物形成の方法。
【0029】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物の1つ以上の脂質は、炭水化物ベースの脂質を含む。ある好ましい実施形態では、組成物の1つ以上の脂質は、ガラクト脂質、マンノ脂質、およびガラクトレシチンを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)をさらに含む。いくつかの実施形態では、PEGは、平均分子量200〜20,000の範囲を有するが、一方、ある好ましい実施形態では、PEGの平均分子量は、500〜2000の範囲である。
【0031】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、活性化合物(例えば、デオキシコール酸ナトリウムを含むまたは含まない、アムホテリシンB)と、コレステロールまたはコレステロール誘導体と、1つ以上のリン脂質とを含む。ある好ましい実施形態では、組成物は、デオキシコール酸ナトリウムを含み、活性化合物(例えば、アムホテリシンB)対デオキシコール酸ナトリウムのモル比は、約1:2である。組成物がコレステロール誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物はコレステロール誘導体を含み、コレステロール誘導体は、硫酸コレステリルである。いくつかの実施形態では、リン脂質が大豆ホスファチジルコリンまたは水素添加ホスファチジルコリンを含む。いくつかの好ましい実施形態では、活性化合物(例えば、アムホテリシンB)とコレステロールまたはコレステロール誘導体とのモル比は、約1:1から約1:10の範囲であるが、一方、ある特に好ましい実施形態では、活性化合物(例えば、アムホテリシンB)とコレステロールまたはコレステロール誘導体とのモル比は、約1:1から約1:5の間である。
【0032】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物の1つ以上の脂質は、水素添加大豆ホスファチジルコリンを含み、活性化合物(例えば、アムホテリシンB)と水素添加大豆ホスファチジルコリンとのモル比は、約1:5から約1:80の間である。ある好ましい実施形態では、活性化合物(例えば、アムホテリシンB)と水素添加大豆ホスファチジルコリンとのモル比は、約1:5から約1:60の間である。
【0033】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、濃度約0.5mg/mLから約25mg/mLの活性化合物(例えば、デオキシコール酸ナトリウムを含むまたは含まない、アムホテリシンB)を含むが、一方、いくつかの好ましい実施形態では、組成物の活性化合物(例えば、デオキシコール酸塩を含むまたは含まない、アムホテリシンB)は、濃度約1mg/mLから約10mg/mLである。いくつかの特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、濃度約1mg/mLから約5mg/mLの活性化合物(例えば、デオキシコール酸塩を含むまたは含まない、アムホテリシンB)を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、総脂質濃度または割合約2.5重量%から約95重量%を含むが、一方、いくつかの好ましい実施形態では、組成物は、総脂質濃度約5重量%から約95重量%を含む。ある特に好ましい実施形態では、組成物は、総脂質濃度約10重量%から約90重量%を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、活性化合物(例えば、アムホテリシンB)と、約1:10から約1:100の範囲のモル比を有するデオキシコール酸ナトリウム(使用される場合)を含む、総脂質とを含むが、一方、いくつかの実施形態では、このモル比は、約1:20から約1:70の間である。
【0036】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、活性化合物(例えば、アムホテリシンB)と、約1:1から約1:100の範囲の重量対重量比を有するデオキシコール酸ナトリウムを含む、総脂質とを含むが、一方、ある好ましい実施形態では、この比率は、約1:10から約1:60の間である。
【0037】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、ミセルおよび乳剤から成る群から選択される、複合体を含む。ある好ましい実施形態では、組成物は、複数のミセルを含み、該ミセルは、単量体、二量体、重合体、または混合ミセルの形態である。
【0038】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、直径約20ミクロン以下を有する複合体、リポソーム、ミセル、および/またはベシクルを含むが、一方、いくつかの実施形態では、直径約10ミクロン以下を有するこれらの複合体、リポソーム、ミセル、および/またはベシクルである。いくつかの実施形態では、これらの複合体、リポソーム、ミセル、および/またはベシクルは、直径約5ミクロン以下を有するが、一方、いくつかの実施形態では、これらの複合体、リポソーム、ミセル、および/またはベシクルは、直径約1ミクロン以下を有する。いくつかの実施形態では、これらの複合体、リポソーム、ミセル、および/またはベシクルは、直径約500nm以下を有するが、一方、いくつかの実施形態では、複合体、リポソーム、ミセル、および/またはベシクルは、直径約200nm以下を有する。いくつかの好ましい実施形態では、これらの複合体、リポソーム、ミセル、および/またはベシクルは、直径約100nm以下を有する。
【0039】
本発明は、本発明の複合体を含む、いかなる特定の形態の組成物にも限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、本発明による組成物中の複合体は、凍結乾燥された形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、低温保護剤をさらに含む。ある好ましい実施形態では、低温保護剤は、1つ以上の糖類を含むが、一方、特に好ましい実施形態では、この1つ以上の糖類は、トレハロース、マルトース、乳糖、スクロース、グルコース、および/またはデキストランを含む。
【0040】
本発明の方法および組成物のいくつかの実施形態では、活性成分は、リポソーム系の製造後に添加される。いくつかの特に好ましい実施形態では、活性成分(例えば、活性医薬化合物)は、脂質製造物、例えば、リポソーム系に、使用直前(例えば、患者または被験体への投与直前)に添加される。例えば、いくつかの実施形態では、乾燥形態の活性成分は、水性非装填リポソーム系内に分散または乳化されてもよいが、一方、他の実施形態では、乾燥したリポソーム系は、薬学的活性成分が前もって分散または乳化されている水中に乳化されてもよい。このように製造された医薬品は、優れた透過性を示し、例えば、望ましくない異物粒子の存在の検査をより容易にし得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物中の複合体は、粉末形態であるが、一方、いくつかの実施形態では、複合体は、溶液形態である。いくつかの実施形態では、複合体は、懸濁液形態であるが、一方、他の実施形態では、複合体は、乳剤形態であり、一方、さらに他の実施形態では、複合体は、ミセル形態または混合ミセル形態、あるいはリポソーム形態である。いくつかの実施形態では、複合体は、凍結乾燥またはゲル形態であるが、一方、いくつかの実施形態では、複合体は、ペースト形態である。いくつかの実施形態では、複合体は、混合ミセル、リポソーム、またはベシクル形態の混合物である。
【0042】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、カプセル内にカプセル化される。いくつかの好ましい実施形態では、カプセルは、ゲルカプセルであるが、一方、いくつかの特に好ましい実施形態では、カプセルは、腸溶性コーティングを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物中の複合体は、ポリエン抗生物質ではない、水に対して不溶性または難溶性の薬物を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、マクロライド、例えば、タクロリムス(Knoll,G.A.et al.1999、Dumont FJ In:Liebermann R,Mukherjee A,eds.1996)またはシロリムス(Ingle GR,et al.2000、Podder H,et al.2001)、を含む、活性成分を含む。マクロライド、例えば、タクロリムスは、現在、肝臓および腎臓移植拒絶反応の予防のために臨床的に使用される。いくつかの実施形態では、本発明による脂質組成物は、マクロライドを含み、例えば、免疫抑制および/または移植拒絶反応の抑制における使用に見られる。同様に、いくつかの実施形態では、本発明による脂質組成物は、抗癌剤を活性成分として含み、例えば、癌疾患の治療における使用に見られる。
【0045】
本発明の方法、組成物、および系は、いずれかの特定の活性成分または薬剤との使用、あるいはそれを含む使用に限定されない。例えば、本発明の方法、組成物、および系における使用に見られる薬物、活性剤、または治療剤は、例えば、末梢神経、アドレナリン受容体、コリン作動性受容体、骨格筋、心臓血管系、平滑筋、血液循環系、シナプス部位、神経エフェクター機能部位、内分泌およびホルモン系、免疫系、生殖系、骨格系、栄養および排泄系、ヒスタミン系、および中枢神経系に作用する薬剤を含む。好適な活性剤は、例えば、タンパク質、酵素、およびホルモン、ヌクレオチド(センスオリゴヌクレオチドおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む)(例えば、米国特許第6,126,965号、2000)、ポリヌクレオチド、核タンパク質、ポリサッカリド、糖タンパク質、リポタンパク質、ポリペプチド、ステロイドから選択され得る。活性剤は、鎮痛剤、麻酔剤、抗不整脈剤、抗生剤、抗アレルギー剤、殺真菌剤、抗癌剤、抗凝血剤、抗うつ剤、抗糖尿病剤、抗てんかん剤、抗炎症性コルチコステロイド、アルツハイマーまたはパーキンソン病治療剤、抗潰瘍剤、抗原虫剤、抗不安剤、甲状腺剤、抗甲状腺剤、抗ウイルス剤、食欲抑制剤、ビスホスホネート類、強心剤、心血管作動剤、コルチコステロイド、利尿剤、ドーパミン作動剤、胃腸剤、止血薬、高コレステロール剤、抗高血圧剤(例えば、ジヒドロピリジン)、抗うつ剤、およびcox−2阻害剤、免疫抑制剤、抗痛風剤、抗マラリア剤、ステロイド、テルピノイド、トリテルピン、レチノイド、抗潰瘍H2−受容体拮抗剤、血糖降下剤、保湿剤、化粧品、片頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗炎症剤、例えば、リウマチ、関節炎、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病の治療剤、または多発性硬化症を含む脱髄疾患の治療剤、点眼剤、ワクチン(例えば、肺炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、コレラ毒素Bサブユニット、インフルエンザウイルス、腸チフス、熱帯熱マラリア原虫、ジフテリア、破傷風、HSV、結核、HIV、SARSウイルス、慢性百日咳、はしか、おたふく風邪、および風疹ワクチン(MMV)、細菌毒素、ワクチンウイルス、アデノウイルス、カナリア、ポリオウイルス、バチルス・カルメット・ゲラン菌(BCG)、肺炎桿菌等に対するもの等)、ヒスタミン受容体拮抗剤、睡眠剤、腎臓保護剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、神経安定剤、向神経剤、オピオイド作動剤および拮抗剤、副交感神経興奮剤、プロテアーゼ阻害剤、プロスタグランジン、鎮静剤、性ホルモン(例えば、エストロゲン、アンドロゲン)、刺激剤、交感神経様作用剤、血管拡張剤、およびキサンテン、ならびにこれらの種の合成類似体であることができる。治療剤は、腎毒性、例えば、シクロスポリンおよびアムホテリシンB、または心臓毒性、例えば、アムホテリシンBおよびパクリタキセルであることができる。例示的な抗癌剤は、メルファラン、クロルメチン、リン酸エクストラムスチン、ウラムスチン、イホスファミド、マンノムスチン、トリホスファミド、ストレプトゾトシン、ミトブロニトール、ミトキサントロン(例えば、国際特許出願公開第WO 02/32400号参照)、メトトレキサート、フルオロウラシル、シタラビン、テガフル、イドキシド、タキサン((例えば、タキソール、パクリタキセル等、国際特許出願公開第WO 00/01366号、米国特許第5,415,869号参照))、ダウノマイシン、またはダウノルビシン、エピルビシン、ブレオマイシン、エトポシド、タモキシフェン、ヒドロキシタモキシフェン、エンドキシフェンカルボプラチン、シスプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、BCNU、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビノレルビン(例えば、国際特許出願公開第WO 03/018018号等)、カンプトテシンおよびその誘導体(例えば、国際特許公開第WO 02/058622号参照)、SN38、イリノテカン(例えば、国際特許公開第WO 03/030864号等参照)、サイトカイン、リボザイム、インターフェロン、オリゴヌクレオチド、および機能性アントラサイクリン、抗体、サイトカイン、ドキソルビシン、エトポシド、上述のものの誘導体を含む。本発明の方法、組成物、および系における使用に見られる薬物の追加的な例は、アジドチミジン(AZT)、アシクロビル、タクロリムス、プロクロルペラジンエディシレート、硫酸第一鉄、アミノカプロン酸、塩酸メカミルアミン、塩酸プロカインアミド、硫酸アンフェタミン、塩酸メタンフェタミン、塩酸ベンザムフェタミン、硫酸イソプロテロノール、塩酸フェンメトラジン、塩化ベタネコール、塩化メタコリン、塩酸ピロカルピン、硫酸アトロピン、臭化スコポラミン、ヨウ化イソプロパミド、塩化トリジヘキセチル、塩酸フェンホルミン、塩酸メチルフェニデート、テオフィリンコリネート、塩酸セファレキシン、ジフェニドール、塩酸メクリジン、マレイン酸プロクロルペラジン、フェノキシベンズアミン、マレイン酸チエチルペラジン、アニシンドン、ジフェナジオン、四硝酸エリトリチル、ジゴキシン、イソフルオロフェート、アセタゾラミド、メタゾラミド、ベンドロフルメチアジド、クロロプロパマイド、トラザミド、酢酸クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アスピリンアルミニウム、メトトレキサート、アセチルスルフィキサゾール、エリスロマイシン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチコステロン、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、およびその誘導体、例えば、ベタメタゾン、トリアムシノロン、メチルテストステロン、17−β−エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール3−メチルエーテル、プレドニゾロン、17−α−酢酸ヒドロキシプロゲステロン、19−ノルプロゲステロン、ノルゲストレル、ノルエチンドロン、ノルエチステロン、ノルエチエデロン、プロゲステロン、ノルゲステロン、ノルエチノドレル、アスピリン、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダク、インドプロフェン、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、プロプラノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドパ、クロルプロマジン、メチルドパ、ジヒドロキシフェニルアラニン、テオフィリン、グルコン酸カルシウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、セファレキシン、エリスロマイシン、ハロペリドール、ゾメピラク、乳酸第一鉄、ビンカミン、ジアゼパム、フェノキシベンズアミン、ジルチアゼム、ミルリノン、マンドール、クアンベンズ、ヒドロクロロチアジド、ラニチジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、フルプロフェン、トルメチン、アルクロフェナク、メフェナミック、フルフェナミック、ジフュニナル、ニモジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、ニカルジピン、フェロジピン、リドフラジン、チアパミル、ガロパミル、アムロジピン、ミオフラジン、リシノプリル、エナラプリル、エナラプリラト、カプトプリル、ラミプリル、ファモチジン、ニザチジン、スクラルファート、エチンチジン、テトラトロール、ミノキシジル、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、アミトリプチリン、およびイミプラミンを含む。さらなる例は、タンパク質およびペプチドであって、骨形態形成タンパク質、インスリン、コルヒチン、グルカゴン、甲状腺刺激ホルモン、副甲状腺および脳下垂体ホルモン、消化ホルモン、カルシトニン、レニン、プロラクチン、コルチコトロピン、甲状腺ホルモン、卵胞刺激ホルモン、絨毛性性腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、ウシのソマトロピン、ブタのソマトロピン、オキシトシン、バゾプレシン、GRF、ソマトスタチン、リプレシン、パンクレオチミン、黄体ホルモン、LHRH、LHRH作動剤および拮抗剤、リュープロライド、インターフェロン(例えば、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンα−2α、インターフェロンα−2β、α−、β−、またはγ−インターフェロン)、インターロイキン、成長ホルモン、例えば、ヒト成長ホルモン、およびその誘導体、例えば、メチオン−ヒト成長ホルモンおよびジフェニルアラニンヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモンおよびブタ成長ホルモン、受精抑制剤、例えば、プロスタグランジン、受精促進剤、成長因子、例えば、インスリン様成長因子、凝固因子、膵臓ホルモン放出因子、これらの化合物の類似体および誘導体、ならびにこれらの化合物の薬学的に容認可能な塩、あるいはその類似体または誘導体を含むが、それらに限定されない。治療剤は、リポソーム製剤中に有益に同時投与可能な薬物または薬剤の混合物であってもよい(例えば、2つ以上の薬剤)。
【0046】
本発明の方法は、有機溶媒を含まない水性リポソーム系を産生するための単純、迅速、かつ安価な方法であって、特に、外因性粒子の簡単かつ迅速な検査を可能にする。さらに、本発明の方法によって産生されたリポソーム系は、平均粒径5ミクロン未満、好ましくは、50nmから1ミクロンを有する、高度に再現性のある粒径を示す。また、当技術分野において周知の無菌濾過を通して、生成物を濾過することが可能である。押出または高圧分離均質化の持続時間は、リポソームが所望の平均直径を示すように、十分長く選択される。前記押出、高圧分離均質化は、リポソームが、平均直径50nmから1ミクロンを有するまで行われる。
【0047】
本発明の方法によって生産されるリポソーム系は、直ちに使用可能な状態の対応するアンプル内に直接充填され、当技術分野において周知の所望の量の炭水化物を添加後、生成物を凍結乾燥させることが可能であって、それによって、凍結乾燥は、水分乾燥の最善の方法を構成する。これによって、粉末形態のリポソーム系が提供され、好適な量の注射用の水、生理食塩水、または5%デキストロースをゆっくりと振盪させながら添加することによって、ベシクルに還元することができる。注入可能な水の添加後に形成されたリポソーム系を、さらなる撹拌または高圧分離均質化に供する必要はない。
【0048】
本発明の方法および組成物は、真菌または細菌感染によって生じる疾患を治療するために使用される。いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、アクレモニウムエス・ピー(Acremonium sp.)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ニューモニア(Aspergillus pneumonia)、ブラストミセスデルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・ギュィラーモンディ(Candida guillermondi)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、コクシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、フサリウムエス・ピー(Fusarium sp.)、ヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、ムコール・ムセド(Mucor mucedo)、ロドトルラエス・ピー(Rhodotorula sp.)、スポロトリクス・シェンキー(Sporothrix schenckii)、アカントアメーバ・ポリファーガ(Acanthamoeba polyphaga)、エントモフトラエス・ピー(Entomophthora sp.)、ヒストプラスマ・カプスラーツム、(Histoplasma capsulatumm)、リーシュマニア・ブラジリエンシス(Leishmania brasiliensis)、リゾパスエス・ピー(Rhizopus sp.)、ロドトルラエス・ピー(Rhodotorula sp.)、トルロプシス・グラブラタ(Torulopsis glabrata)、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)から成る真菌から選択される真菌のうちの少なくとも1つによって生じる真菌疾患を治療するために使用される。追加的な真菌病原菌は、トリコスポロン(Trichosporon)、ムコ(Muco)、アルテルナリア(Alternaria)、バイポラリス(Bipolaris)、カーブラリア(Curvularia)等を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、リーシュマニア(Leishmania)の種によって生じる疾患を治療するために使用され、例えば、いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、内臓リーシュマニア症(Visceral Leishmaniasis)を治療するために使用される。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、ウイルス感染、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV2)、C型肝炎ウイルス(HCV)、またはサイトメガロウイルス(CMV)によって生じるウイルス感染を治療するために使用される。
【0051】
いくつかの実施形態では、本発明は、デオキシコール酸塩を含むまたは含まない、アムホテリシンBによって細胞を処理し、本明細書の記載に従って組成物を製造し、細胞を組成物に曝露する方法を含む。いくつかの好ましい実施形態では、細胞の曝露は、生体内、例えば、患者または被験体内で生じる。
【0052】
いくつかの実施形態では、被験体内の細胞の曝露は、被験体への組成物の経口送達を含むが、一方、他の実施形態では、細胞の曝露は、被験体への組成物の静脈内送達を含むことが意図される。本発明において使用が見られる被験体への組成物の送達の経路は、皮下送達、非経口送達、腹腔内送達、直腸内送達、膣内送達、および/または局所送達を含むが、それらに限定されない。いくつかの好ましい実施形態では、被験体は、哺乳類である。いくつかの特に好ましい実施形態では、哺乳類は、ヒトである。
【0053】
定義
本明細書で使用される、「脂質組成物」という用語は、リポソーム形態、ベシクル形態、ミセル形態、乳剤形態が可能であって、投与される場合、実質的に非毒性である、両性化合物を指す。脂質組成物は、卵ホスファチジルコリン(EPC)、卵ホスファチジルグリセロール(EPG)、大豆ホスファチジルコリン(SPC)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、コレステロール(Chol)、コレステロール硫酸およびその塩(CS)、コレステロールヘミスクシナートおよびその塩(Chems)、コレステロールリン酸およびその塩(CP)、リン酸コレステリル、ならびに他のヒドロキシコレステロールまたはアミノコレステロール誘導体を含み得るが、それらに限定されない。
【0054】
本明細書で使用される「水性」という用語は、溶媒、流体、または系の参照において使用される場合、いかなる有機溶媒をも含有しない、水を主成分とする溶媒、流体、または系を指す。
【0055】
本明細書で使用される「水性系」という用語は、少なくとも1つの活性化合物と、少なくとも1つの脂質とを含む、複合体の生産の参照において使用される場合、生産の工程または方法を示す、あるいは水を主成分とする溶媒および脂質を含有またはその使用を含むが、有機溶媒を含有またはその使用を含まない、そのような生産において使用される物質の組み合わせを示す。
【0056】
本明細書で使用される、「有機溶媒」という用語は、別の物質を溶解するために使用される、概して、液体形態の炭素含有化学物質を指す。有機溶媒の例は、アルコール、グリコール、エーテル、ジメトキシエタン、アセトン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン等を含むが、それらに限定されない。
【0057】
「カプセル化量」という用語は、難溶性化合物をカプセル化し、直径5,000nm未満、好ましくは、30〜l000nmの適切な平均粒径のリポソームまたは脂質粒子を形成するために必要な脂質の量を指す。カプセル化量は、選択される薬学的活性化合物およびプロセス条件に依存するが、一般に、化合物:脂質比は、2:1から約1:100の間、好ましくは、約1:1から約1:50の範囲である。
【0058】
本明細書で使用される、「脂質粒子」という用語は、好適な脂質と、カプセル化または複合化された薬学的活性化合物とから成る、非規定構造の粒子を指す。高抗生物質:脂質比のポリエン抗生物質は、典型的には、ポリエン構造と、脂質とのその相互作用とによって、リポソームよりも脂質粒子を形成する。脂質粒子は、ラメラ構造を有し得るが、任意の規定構造を呈する必要はない。
【0059】
本明細書で使用される、「有効量」という用語は、有益または所望の結果をもたらすために、十分な活性組成物(例えば、脂質製剤中の成分として提供される、医薬化合物または組成物)の量を指す。有効量は、1つ以上の投与、用法、または用量で投与可能であるが、特定の製剤または投与経路に制限されることを意図するものではない。
【0060】
本明細書で使用される「活性」または「薬学的活性」という用語は、薬剤、組成物、または化合物の参照において使用される場合、投与または用法に応じて、有益な、所望の、あるいは期待される効果を生じさせる薬剤を指す。投与は、1つ以上の投与、用法、または用量において成され、かつ特定の製剤または投与経路に限定されることを意図するものではない。用語は、任意の特定のレベルの活性に制限されない。例えば、脂質製剤中の活性剤が十分に活性で、活性剤の有効量が薬剤の脂質製剤の投与によって投与可能である限り、活性剤の脂質製剤は、活性剤の異なる製剤と同一レベルの活性を有する必要はない。
【0061】
「薬剤」および「化合物」という用語は、本明細書において同義に使用され、属性の特徴を有する任意の原子、分子、混合物、またはさらに複雑な組成物を指す。例えば、「活性剤」または「活性化合物」は、投与または用法に応じて、有益な、所望の、または期待される効果を生じさせる、任意の原子、分子、調製、混合物等を指す。
【0062】
本明細書で使用される、「投与」という用語は、薬物、プロドラッグ、または他の活性剤、あるいは医薬治療(例えば、本発明の組成物)を生理系(例えば、被験体、または生体内(in vivo)、生体外(in vitro)、あるいはエクス・ビボ(ex vivo)細胞、組織、および器官)に提供する行為を指す。人体への投与の例示的経路は、目(点眼)、口(経口)、皮膚(経皮)、鼻(経鼻)、肺(吸入)、直腸内、膣内、口腔粘膜(頬側)、耳を通して、注射による(例えば、静脈内、皮下的、腫瘍内、腹腔内等)等であってもよい。投与は、1つ以上の投与、用法、または用量において成され得るものであり、かつ特定の投与経路に限定されることを意図するものではない。
【0063】
本明細書で使用される、「同時投与」という用語は、少なくとも2つの薬剤(例えば、異なる活性化合物を含有する、2つの別個の脂質組成物)また療法を被験体に投与することを指す。いくつかの実施形態では、2つ以上の薬剤または療法の同時投与は、併用投与である。他の実施形態では、第1の薬剤/療法は、第2の薬剤/療法の前に投与される。当業者は、使用される種々の薬剤または療法の製剤および/または経路は異なり得ることを理解している。同時投与に適切な用量は、当業者によって、容易に判断可能である。いくつかの実施形態では、薬剤または療法が同時投与される場合、それぞれの薬剤または療法は、その単独投与に適切な用量よりも少なく投与される。したがって、薬剤または療法の同時投与によって、潜在的に有害な(例えば、毒性)薬剤の必要用量を低減させる実施形態において、同時投与は特に望ましい。
【0064】
本明細書で使用される、「毒性」という用語は、毒物の投与前の同一細胞または組織と比較して、被験体、細胞、あるいは組織に及ぼす何らかの悪性または有害である影響を指す。
【0065】
本明細書で使用される、「医薬組成物」という用語は、生体外、生体内、またはエクス・ビボでの診断あるいは治療に特に好適な組成物を作製する、活性剤(例えば、活性医薬化合物)と、不活性担体または活性担体(例えば、リン脂質)との組み合わせを指す。
【0066】
本明細書で使用される、「薬学的に容認可能」または「薬理学的に容認可能」という用語は、被験体に投与される場合、有害反応、例えば、毒性、アレルギー、あるいは免疫反応を実質的に産生しない組成物を指す。
【0067】
本明細書で使用される、「局所的に」という用語は、皮膚表面ならびに粘膜細胞および組織(例えば、歯槽、頬側、舌側、咀嚼面、または鼻粘膜、および中空器官または体腔を覆う他の組織および細胞)への本発明の組成物の塗布を指す。
【0068】
本明細書で使用される、「薬学的に容認可能担体」という用語は、リン酸緩衝生理食塩水、水、乳剤(例えば、例えば、油/水または水/油乳剤)、ならびに種々の種類の湿潤剤、あらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、ラウリル硫酸ナトリウム、等張遅延剤および吸収遅延剤、崩壊剤(例えば、ジャガイモ澱粉またはグリコール酸ナトリウム澱粉)等を含むが、それらに限定されない、任意の標準的医薬担体を指す。また、組成物は、安定剤および防腐剤を含むことができる。担体の例は、安定剤および補助剤である(例えば、Martin,Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.,Mack Publ.Co.,Easton,Pa.(1975)を参照されたいが、その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)。さらに、ある実施形態では、本発明の組成物は、園芸または農業使用のために製剤化され得る。そのような製剤は、浸漬、スプレー、種子粉衣、茎部注入、スプレー、および噴霧を含む。
【0069】
本明細書で使用される、「薬学的に容認可能な塩」という用語は、標的被験体(例えば、哺乳類被験体、および/または体内、あるいは生体外細胞、組織、または器官)において生理的に耐性である、本発明の化合物の任意の塩(例えば、酸または塩基との反応によって得られる)を指す。本発明の化合物の「塩」は、無機または有機酸および塩基から派生し得る。酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、スルホン酸、ネフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸等を含むが、それらに限定されない。他の酸、例えば、シュウ酸は、それ自体は薬学的に容認可能ではないが、本発明の化合物およびその薬学的に容認可能な酸付加塩を得る際に中間物として有用な塩の製造において採用され得る。
【0070】
塩基の例は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)水酸化物、アンモニア、および式NW
4+(式中、Wは、C
1−4アルキルである。)の化合物等を含むが、それらに限定されない。
【0071】
塩の例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカンサン酸塩等を含むが、それらに限定されない。塩の他の例は、好適なカチオン、例えば、Na
+、NH
4+、およびNW
4+(式中、Wは、C
1−4アルキル基である。)等と化合される、本発明の化合物のアニオンを含む。治療の使用として、本発明の化合物の塩は、薬学的に容認可能であると想定される。しかしながら、薬学的に容認できない酸および塩基の塩もまた、例えば、薬学的に容認可能化合物の製造または精製においての使用に見られ得る。
【0072】
治療の使用として、本発明の化合物の塩は、薬学的に容認可能であると想定される。しかしながら、薬学的に容認不可能な酸および塩基の塩もまた、例えば、薬学的に容認可能化合物の製造または精製において、使用が見られ得る。
【0073】
「ポリエチレングリコール(PEG)」という用語は、低級アルキレンオキサイドのポリマー、特に、ポリマー分子の少なくとも一端がエステル化可能なヒドロキシル基を有するエチレンオキサイド(ポリエチレングリコール)、ならびにエステル化可能なカルボキシ基を有するそのようなポリマーの誘導体を含む。平均分子量200〜20,000のポリエチレングリコールが、好ましい。平均分子量500〜2000を有するものが、特に好ましい。
【0074】
本発明を記載する文脈(特に、下記の請求項の文脈)において、「a」、「an」、および「the」という用語、ならびに類似言及の使用は、別途本明細書に記載される、または文脈によって明確に反論されない限り、単数および複数の両方を網羅するものと解釈される。「備える」、「含む」、「有する」、および「含有する」という用語は、別途記載がない限り、非制約用語(すなわち、「含まれるが、限定されない」ことを意味する)として解釈される。本明細書に提供されるあらゆる例、または例示的言語(例えば、「等」)の使用は、別途請求されない限り、単に、本発明をより明瞭にすることを意図し、本発明の範囲に制限を課すものではない。明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な任意のクレームされない要素を示すものとして解釈されないものとする。