(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917797
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】ガスレンジ用トッププレート覆い及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
F24C 15/12 20060101AFI20160428BHJP
F24C 15/14 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
F24C15/12 D
F24C15/14 F
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-203912(P2010-203912)
(22)【出願日】2010年9月13日
(65)【公開番号】特開2012-57901(P2012-57901A)
(43)【公開日】2012年3月22日
【審査請求日】2013年8月20日
【審判番号】不服2014-22828(P2014-22828/J1)
【審判請求日】2014年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】井上 太郎
(72)【発明者】
【氏名】山岸 拓人
【合議体】
【審判長】
鳥居 稔
【審判官】
田村 嘉章
【審判官】
山崎 勝司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−336876(JP,A)
【文献】
実開平2−147713(JP,U)
【文献】
特開2000−205581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/00
F24C 15/12
F24C 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガスバーナーを有するガスレンジのトッププレートを覆うためのガスレンジ用トッププレート覆いであって、
紙の両面に上面側となる第1金属箔及び下面側となる第2金属箔が貼り付けられたシート本体と、
前記シート本体に形成され、前記ガスバーナーの各々に対してそれらの外径の少なくとも一部に対応した開口と、
前記シート本体の前記開口周りに形成され、各々が異なったタイプのガスレンジに対応した他の開口を形成するための第1の切れ目、第2の切れ目及び第3の切れ目とを備え、
前記第1の切れ目、前記第2の切れ目及び前記第3の切れ目は、それぞれ、前記第2金属箔の外面から形成されていると共に、前記第2金属箔の内面から、前記第1金属箔の内面までの間にその先端が位置するように形成されており、
前記第1の切れ目及び前記第2の切れ目は、各々を含む円の一部において重複部分を有し、
前記開口は、前記重複部分に対応し、
前記第3の切れ目は、前記第1の切れ目及び前記第2の切れ目の周りに形成されている、ガスレンジ用トッププレート覆い。
【請求項2】
前記第3の切れ目の周りに形成され、前記第1の切れ目、前記第2の切れ目及び前記第3の切れ目のものとは異なったタイプのガスレンジに対応した更に他の開口を形成するための第4の切れ目を更に備える、請求項1記載のガスレンジ用トッププレート覆い。
【請求項3】
前記第1金属箔の外面には、シリコンコートが施される、請求項1又は請求項2記載のガスレンジ用トッププレート覆い。
【請求項4】
複数のガスバーナーを有するガスレンジのトッププレートを覆うものであり、開口補助線を有するガスレンジ用トッププレート覆いの製造方法であって、
紙の両面に上面側となる第1金属箔及び下面側となる第2金属箔が貼り付けられたシートを準備する準備工程と、
前記シートにおいて、前記ガスバーナーの各々に対してそれらの外径の少なくとも一部に対応した開口を形成すると共に、前記シート本体の前記開口周りに形成され、各々が異なったタイプのガスレンジに対応した他の開口を形成するための前記開口補助線である第1の切れ目、第2の切れ目及び第3の切れ目を形成する形成工程を含み、
前記形成工程は、
前記第1の切れ目、前記第2の切れ目及び前記第3の切れ目を、それぞれ、前記第2金属箔の外面から形成し、その先端が前記第2金属箔の内面の位置から前記第1金属箔の内面の位置までの間に到達するように形成することと、
前記第1の切れ目及び前記第2の切れ目を、各々を含む円の一部において重複部分を有するように形成することと、
前記開口が、前記重複部分に対応するように形成されることと、
前記第3の切れ目を、前記第1の切れ目及び前記第2の切れ目の周りに形成することとを含む、ガスレンジ用トッププレート覆いの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はガスレンジ用トッププレート覆い及びその製造方法に関し、特に、バーナー部以外のトッププレートが平坦であるガスレンジ用トッププレート覆い及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ガスレンジにおいては汚れを拭き取りやすくするため、ガスレンジのトッププレートが平坦なものが増加している。そして、このようなガスレンジのトッププレート上に設置し、トッププレートの汚れを防止するガスレンジ用トッププレート覆いが種々提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で開示されているガスレンジ用トッププレート覆いは、1つの機種のガスレンジにのみ対応できるものであった。即ち、ガスバーナーに対応する開口が1種類のみ形成されているため、他の機種のガスレンジに設置した場合、例えば開口とガスバーナーとの間に隙間が発生し、トッププレートの汚れを防止することができなかった。
【0004】
そこで、複数の機種のガスレンジに対応すべく、他の開口を形成するためにミシン目による開口補助線が形成されているものがある(特許文献3)。しかしながら、このようなガスレンジ用トッププレート覆いにおいては、その表面からミシン目を介して煮汁等の汚れが内部に浸入してしまい、トッププレートの汚れを防止することができないものであった。
【0005】
このような問題を解消すべく、上述した開口補助線を罫線で形成したものがある。
【0006】
図7は特許文献4で開示されたガスレンジ用トッププレート覆いの概略形状を示した平面図であり、
図8は
図7で示したVIII−VIIIラインの拡大断面図である。
【0007】
これらの図を参照して、トッププレート覆い60を構成するシート本体61は、不燃紙63の上面に接着剤を介して金属箔の一種であるアルミニウム箔64が全面に貼り付けられ、矩形シート形状を有している。又、シート本体61には、特定機種のガスレンジに位置する複数のガスバーナーの各々に対応した第1開口65、第2開口66及び第3開口67が形成されている。そして、第1開口65の周囲には、他の機種のガスレンジのガスバーナーの開口に対応した大きさと位置とに罫線71が形成されている。更に、罫線71の外方には、更に他の機種のガスレンジのガスバーナーの開口に対応した大きさと位置とに罫線72が形成されている。罫線71及び罫線72は、
図8で示すように、シート本体61を上方面から押圧することによって線状に形成されたものである。尚、第2開口66及び第3開口67の周囲においても、第1開口65の周囲と同様に罫線が形成されている。
【0008】
このようなトッププレート覆い60においては、例えば第1開口65に対応するガスバーナーのリングプレートの外形が罫線71に対応した機種の場合、罫線71を基準としてその内方の部分を切り取ることによって、第1開口65に代えて大きな開口をシート本体61に形成することが可能となる。そして、開口の異なる機種によっては罫線72を基準としてその内方の部分を切り取ることによって、更に大きな開口をシート本体61に形成することが可能となる。
【0009】
図9は
図7で示したトッププレート覆いの使用状態を示した概略斜視図である。
【0010】
図を参照して、使用に際しては、まず使用対象となるガスレンジ33の第1ガスバーナー36のリングプレート41の外周と第1開口65との大きさが合致しない場合には、罫線71又は罫線72を使用して新たに開口を大きく形成する。第2ガスバーナー37と第2開口66とにおいても同様に調整すると共に、第3ガスバーナー38と第3開口67とにおいても同様に調整する。尚、図で示すガスレンジ33においては、第1ガスバーナー36、第2ガスバーナー37及び第3ガスバーナー38の各々と、トッププレート覆い60の第1開口65、第2開口66及び第3開口67の各々とは合致するため、他の開口を形成する必要は無い。
【0011】
このような状態でトッププレート覆い60がトッププレート35に対して設置されると、第1ガスバーナー36、第2ガスバーナー37及び第3ガスバーナー38の各々のリングプレート41との間の隙間を無くすことができる。更に、上述した通り、罫線71及び罫線72はシート本体61を上方面から押圧することによって線状に形成されているため、罫線71及び罫線72を介して煮汁等の汚れが裏面側に浸透、即ちトッププレート35上に浸入する虞が無い。
【0012】
しかしながら、このようなトッププレート覆い60においては、凹みよりなる罫線71及び罫線72が形成されているため、この凹みに汚れが溜まり易くなると共に、凹み内の汚れを取り除くことが容易ではなかった。
【0013】
このような問題を解消すべく、裏面側に位置する不燃紙にのみ開口補助線である切れ目を形成したものがある。
【0014】
図10は特許文献4で開示された他のガスレンジ用トッププレート覆いの拡大断面図である。
図を参照して、不燃紙63、接着剤層69及びアルミニウム箔64よりなるシート本体61の構成は、
図7で示したトッププレート覆い60と同一である。しかしながら、トッププレート覆い80にあっては、
図7で示したトッププレート覆い60に形成された開口補助線である罫線71及び罫線72の代わりに、不燃紙63に切れ目85が形成されている。従って、切れ目85を基準として不燃紙63とアルミニウム箔64とを合わせて切り取ることによって、所定の大きさの開口を容易に形成することができる。又、切れ目85は不燃紙63側にのみ形成されアルミニウム箔64には到達しないように形成されているため、アルミニウム箔64の上面が平坦になり、汚れの拭き取りが容易となる。更に、アルミニウム箔64の上面に落下した煮汁等が切れ目85を介してシート本体61の裏面側に浸透する虞が無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平9−133368号公報
【特許文献2】特開平9−292129号公報
【特許文献3】実開平2−147713号公報
【特許文献4】特開2008−286517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記のような
図10で示したガスレンジ用トッププレート覆い80では、抄紙によって形成された不燃紙63の厚みT
1は坪量によって決定されており、不燃紙63の厚みT
1は、その全面に亘って一定とはなり難い。従って、リング状のトムソン刃による加工では、不燃紙63に対してのみに切れ目を安定した深さで形成することは難しいという問題が生じていた。以下に図を用いて説明する。
【0017】
図11は
図10で示したトッププレート覆いにおける問題点を示す概略断面図である。
【0018】
まず(1)を参照して、このトッププレート覆い81に形成された切れ目86は、その先端が不燃紙63を超えてアルミニウム箔64内まで到達してしまっている。このような切れ目86では、軽微な力でシート本体61が不用意に切り離されてしまう虞がある。
【0019】
次に(2)を参照して、このトッププレート覆い82に形成された切れ目87は、その先端が不燃紙63の内方にわずかしか到達していない。即ち、切れ目87の形成部分が極めて浅いため、切れ目87を開口補助線としてシート本体61に他の開口を形成することが難しいものとなってしまう。
【0020】
このように、不燃紙63に直接切れ目を形成しようとすると不良品が多数生じてしまい、製品の歩留りが低下してしまっていた。
【0021】
又、次に(3)を参照して、
図7で示したトッププレート覆い80においては、不燃紙63の一方面が外方側に露出した状態となっている。従って、図の二点鎖線で示すように、ガスレンジからの熱や湿気によって不燃紙63が反り返ってしまい、設置しているトッププレートとシート本体61との間に隙間が生じてしまう。そのため、安定してトッププレートの上面を覆えず、この隙間から汚れが浸入してしまう虞があった。この問題は、トッププレート覆い80の保形性が十分でないことに起因する。
【0022】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、優れた保形性を有すると共に、開口補助線である切れ目を容易に形成することのできるガスレンジ用トッププレート覆い及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数のガスバーナーを有するガスレンジのトッププレートを覆うためのガスレンジ用トッププレート覆いであって、紙の両面に上面側となる第1金属箔及び下面側となる第2金属箔が貼り付けられたシート本体と、シート本体に形成され、ガスバーナーの各々に対してそれらの外径の少なくとも一部に対応した開口と、シート本体の開口周りに形成され、各々が異なったタイプのガスレンジに対応した他の開口を形成するための第1の切れ目、第2の切れ目及び第3の切れ目とを備え、第1の切れ目、第2の切れ目及び第3の切れ目は、それぞれ、第2金属箔の外面から形成されていると共に、第2金属箔の内面から、第1金属箔の内面までの間にその先端が位置するように形成されており、第1の切れ目及び第2の切れ目は、各々を含む円の一部において重複部分を有し、開口は、重複部分に対応し、第3の切れ目は、第1の切れ目及び第2の切れ目の周りに形成されているものである。
【0024】
このように構成すると、紙の両面が金属箔で覆われるため保形性が向上すると共に、切れ目による開口形成の誘導性が安定する。又、切れ目の先端の形成位置が紙の厚さ分だけ許容される。又、ガスレンジのタイプに関わらず、必ず必要な開口となる。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第3の切れ目の周りに形成され、第1の切れ目、第2の切れ目及び第3の切れ目のものとは異なったタイプのガスレンジに対応した更に他の開口を形成するための第4の切れ目を更に備えるものである。
【0026】
このように構成すると、更に他の開口を形成できる。
【0027】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、第1金属箔の外面には、シリコンコートが施されるものである。
【0028】
このように構成すると、第1金属箔の外面の平滑度と耐水・耐油性が向上する。
【0031】
請求項4記載の発明は、複数のガスバーナーを有するガスレンジのトッププレートを覆うものであり、開口補助線を有するガスレンジ用トッププレート覆いの製造方法であって、紙の両面に上面側となる第1金属箔及び下面側となる第2金属箔が貼り付けられたシートを準備する準備工程と、シートにおいて、ガスバーナーの各々に対してそれらの外径の少なくとも一部に対応した開口を形成すると共に、シート本体の開口周りに形成され、各々が異なったタイプのガスレンジに対応した他の開口を形成するための開口補助線である第1の切れ目、第2の切れ目及び第3の切れ目を形成する形成工程を含み、形成工程は、第1の切れ目、第2の切れ目及び第3の切れ目を、それぞれ、第2金属箔の外面から形成し、その先端が第2金属箔の内面の位置から第1金属箔の内面の位置までの間に到達するように形成することと、第1の切れ目及び第2の切れ目を、各々を含む円の一部において重複部分を有するように形成することと、開口が、重複部分に対応するように形成されることと、第3の切れ目を、第1の切れ目及び第2の切れ目の周りに形成することとを含むものである。
【0032】
このように構成すると、切れ目の先端の形成位置が紙の厚さ分だけ許容される。又、ガスレンジのタイプに関わらず、必ず必要な開口となる。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、紙の両面が金属箔で覆われるため保形性が向上するので、熱や湿気による反りが抑えられる。又、切れ目による開口形成の誘導性が安定するため、開口の形成が容易となるので使用勝手が向上する。更に、切れ目の先端の形成位置が紙の厚さ分だけ許容されるため、切れ目の形成が容易に、且つ確実となり、製品の歩留りが向上する。又、ガスレンジのタイプに関わらず、必ず必要な開口となるため、どのタイプのガスレンジに対しても確実に対応でき、効率的な使用が実現される。
【0034】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、更に他の開口を形成できるため、対応できるガスレンジのタイプが増える。
【0035】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、第1金属箔の外面の平滑度と耐水・耐油性が向上するため、汚れの除去が容易となる。
【0037】
請求項4記載の発明は、切れ目の先端の形成位置が紙の厚さ分だけ許容されるため、切れ目の形成が容易となり、製品の歩留りが向上する。又、ガスレンジのタイプに関わらず、必ず必要な開口となるため、どのタイプのガスレンジに対しても確実に対応でき、効率的な使用が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】この発明の第1の実施の形態によるガスレンジ用トッププレート覆いの概略形状を示した平面図である。
【
図2】
図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【
図4】
図1で示したトッププレート覆いの製造方法を示す概略工程断面図である。
【
図5】
図1で示したトッププレート覆いの使用状態を示した概略斜視図である。
【
図6】この発明の第2の実施の形態によるガスレンジ用トッププレート覆いの概略形状を示した平面図である。
【
図7】従来のガスレンジ用トッププレート覆いの概略形状を示した平面図である。
【
図8】
図7で示したVIII−VIIIラインの拡大断面図である。
【
図9】
図7で示したトッププレート覆いの使用状態を示した概略斜視図である。
【
図10】従来の他のガスレンジ用トッププレート覆いの拡大断面図である。
【
図11】
図10で示したトッププレート覆いにおける問題点を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1はこの発明の第1の実施の形態によるガスレンジ用トッププレート覆いの概略形状を示した平面図であり、
図2は
図1で示したII−IIラインの拡大断面図であり、
図3は
図2で示したX部分の拡大図である。
【0040】
これらの図を参照して、トッププレート覆い10を構成するシート本体11は
図3で示すように、不燃紙51と、不燃紙51の上面に接着剤層52を介して全面に貼り付けられた第1金属箔である第1アルミニウム箔53と、不燃紙51の下面に接着剤層54を介して全面に貼り付けられた第2金属箔である第2アルミニウム箔55とから構成されており、矩形シート形状を有している。この実施の形態にあっては、第1アルミニウム箔53の外面は全面耐熱インキによって印刷されているが、印刷は必ずしも必要なものでは無い。
【0041】
又、厚さT
1の不燃紙51は、坪量100g/m
2のものが使用されているが、坪量は70〜300g/m
2の範囲であれば好ましい。更に、第2アルミニウム箔55は、その厚さT
2が20μmのものが使用されているが、7〜50μmの範囲であれば好ましい。尚、第1アルミニウム箔53は第2アルミニウム箔55と同一形状である。
【0042】
このように、シート本体11の不燃紙51の両面が形態保持性を有する第1アルミニウム箔53及び第2アルミニウム箔55で覆われる。従って、不燃紙51の吸湿が抑えられると共に、シート本体11の保形性が向上する。その結果、ガスレンジからの熱や湿気による反りが抑えられるので、設置するトッププレートにフィットさせることができる。
【0043】
又、シート本体11の手前側(
図1の下側)には、特定機種のガスレンジの手前側に位置するガスバーナーに対応した第1開口15及び第2開口16が形成されている。又、シート本体11の後方には、そのガスレンジの後方に位置するガスバーナーに対応した第3開口17が形成されている。又、第1開口15の周りには、他の機種のガスレンジのガスバーナーの開口に対応した大きさと位置とに切れ目18aが形成され、更にその外方には更に他の機種のガスレンジのガスバーナーの開口に対応した大きさと位置とに切れ目19aが形成されている。尚、
図3で示すように、切れ目19aは第2アルミニウム箔55と不燃紙51の一部とに連続して形成されており、切れ目18aにおいても同様である。
【0044】
又、第2開口16の周りには、上述した他の機種のガスレンジの他のガスバーナーの開口に対応した切れ目18bと、上述した更に他の機種のガスレンジの他のガスバーナーの開口に対応した切れ目19bとが形成されている。同様に、第3開口17の周りにも、切れ目18c、19cが形成されている。これによって、例えば第1開口15に対応するガスバーナーのリングプレートの外形が切れ目18aに対応した機種の場合、切れ目18aを基準にシート本体11を破断することによって、第1開口15に代えて大きな開口をシート本体11に形成することができる。この時、上述した通り切れ目18aは第2アルミニウム箔55と不燃紙51の一部とに連続して形成されているため、切れ目18aを基準にシート本体11を容易に破断することができる。即ち、例えば切れ目18aが第2アルミニウム箔55と不燃紙51と第1アルミニウム箔53の一部とに連続して形成されている場合、
図11の(1)で示した従来例のように、軽微な力でシート本体11が不用意に切り離されてしまう。又、例えば切れ目18aが第2アルミニウム箔55の一部にのみ形成されている場合、
図11の(2)で示した従来例のように、シート本体11に対して極めて浅い切れ目18aとなるため、シート本体11の破断が難しくなる。従って、切れ目18aは第2アルミニウム箔55及び不燃紙51に対して少なくとも第2アルミニウム箔55に形成する必要がある。その結果、シート体11に対して適度な深さの切れ目18aとなる。
【0045】
そして、上述した切れ目18aによる開口の形成と同様に、切れ目19aに対応した機種の場合、切れ目19aを基準にシート本体11を破断することによって、更に大きな開口を容易に形成することができる。尚、切れ目18b、18c、19b、19cにおいても同様に他の開口を容易に形成することができる。即ち、切れ目18a〜18c、19a〜19cによる開口形成の誘導性が安定するため、他の開口を容易に形成することができる。従って、使用勝手が向上する。
【0046】
又、トッププレート覆い10の外周辺に沿って所定距離内方に罫線25a、25b、26a、26bが形成されている。これらは、
図2に示すようにシート本体11を上面から押圧することによって線条に形成されている。これによって、トッププレート覆い10の外周部分の曲げ剛性が向上し、使用時の反りや反対方向へのカールが防止される。この実施の形態にあっては、罫線25a、25b、26a、26bで囲まれた部分が使用対象となるガスレンジのトッププレートの上面に対応する大きさに設定されている。この理由については後述する。
【0047】
更に、シート本体11の外周辺の角部と罫線25a、25b、26a、26bの角部との間に切断部49a〜49dが形成されている。これによって、罫線25a、25b、26a、26bの外方側の部分をこれらに沿って容易に上下に折り曲げることが可能となる。
【0048】
次に、特に切れ目18a〜18c、19a〜19cの形成を中心に、トッププレート覆い10の製造方法について説明する。
【0049】
図4は
図1で示したトッププレート覆いの製造方法を示す概略工程断面図である。
【0050】
まず(1)を参照して、上述した不燃紙51の両面に第1アルミニウム箔53及び第2アルミニウム箔55が貼り付けられたシート本体11を準備する。
【0051】
次に(2)を参照して、シート本体11の下面側に位置する第2アルミニウム箔55の外面側、即ち下方側からリング状のトムソン刃31の先端を接近させる。
【0052】
次に(3)を参照して、接近させたトムソン刃31の先端を、第2アルミニウム箔55の内面58から、上面側に位置する第1アルミニウム箔53の内面59までの間に到達するように移動させ、切れ目を形成する。
【0053】
次に(4)を参照して、切れ目19を形成した後、(3)で示したトムソン刃31を下方側へと退出させる。すると、上述した第2アルミニウム箔55の内面58から、第1アルミニウム箔53の内面59までの間にその先端が位置する切れ目19の形成が完了する。
【0054】
上述した通り、不燃紙51の厚さT
1はその全面が一定になり難いのに対して、第2アルミニウム箔55は圧延加工によって形成されているため、その厚さT
2はその全面がほぼ一定に形成される。更に、(3)で示した工程において、例えばトムソン刃31の先端を不燃紙51の中央に到達するように設定した場合、トムソン刃31の先端位置はT
1/2分だけ上下の各々の誤差が吸収される、即ち不燃紙51の厚さT
1分だけ上下に許容される。従って、切れ目19の形成が容易に、且つ確実となり、製品の歩留りが向上する。
【0055】
次に、
図1で示したトッププレート覆いのガスレンジへの使用形態について説明する。
【0056】
図5は
図1で示したトッププレート覆いの使用状態を示した概略斜視図である。
【0057】
図を参照して、使用に際しては罫線25aより外方部分を上方に折り曲げると共に、罫線25b、26a、26bの各々の外方部分を下方に折り曲げる。
【0058】
この実施の形態にあっては、第1開口15が第1ガスバーナー36のリングプレート41の外周に合致しており、第2開口16が第2ガスバーナー37のリングプレート43の外周に合致しており、第3開口17が第3ガスバーナー38のリングプレート45の外周に合致している。そのため、切れ目を用いて新たに開口を大きく形成する必要は無いが、この実施の形態と異なるガスレンジに対して設置する場合には、そのガスレンジのガスバーナーの各々の大きさに合わせて、切れ目を使用して他の開口を形成した状態で使用すれば良い。
【0059】
この状態で第1ガスバーナー36、第2ガスバーナー37及び第3ガスバーナー38から各々の五徳40を取り外した状態で、トッププレート覆い10をトッププレート35の上面に設置する。この時、罫線25a、25b、26a、26bに囲まれた部分はトッププレート35の上面に対応する大きさに設定されているため、罫線25b、26a、26bの外方部分で下方に折り曲げられた部分によってトッププレート35の外枠が囲われることになる。又、罫線25aの外方部分で上方に折り曲げられた部分は、トッププレート35とグリル排気口47との間の仕切りの役目を果たし、トッププレート覆い10上に落下した煮汁等がグリル排気口47の方に浸入することを防止する。
【0060】
このようにして、トッププレート覆い10はトッププレート35に対して設置されるため、リングプレート41、43、45との間の隙間が無くなり、その上面が凹凸の無い平坦状態になるため、汚れの拭き取りが容易となる。又、上述したトッププレート覆い10の保形性の向上に加え、罫線25a、25b、26a、26bによって、外周辺における反りや反対方向へのカールを防止することが可能となる。更に、トッププレート35上面のみならず、その外周の外枠までトッププレート覆い10で覆うことになるため、その部分の汚れの付着を併せて防止することが可能となる。
【0061】
図6はこの発明の第2の実施の形態によるガスレンジ用トッププレート覆いの概略形状を示した平面図である。
【0062】
尚、この実施の形態によるトッププレート覆い20にあっては、
図1で示したトッププレート覆い10における第1開口15、第2開口16、第3開口17の形状及び切れ目18a〜18c、19a〜19cの形成位置を除いては同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0063】
図を参照して、シート本体11の手前側に形成された第1開口27は、
図1で示した第1開口15のように、それ自体の全てが対象となるガスバーナーに対応する開口となるものでは無く、対象となるガスバーナーにその少なくとも一部が対応するように形成されている。即ち、各々が異なるガスレンジのガスバーナーに対応する切れ目21及び切れ目22の各々を含む円(使用時において最小開口となる円)の重複部分が、第1開口27として打ち抜かれている。そして、切れ目21、22の周りには、更に他の機種のガスレンジのガスバーナーに対応する切れ目23、24が形成されている。尚、第2開口28及びその周辺についても、第1開口27及び切れ目21〜24と同様に形成されている。又、第3開口29においては、上述したような最小開口となる円が、他の開口となる円(切れ目よりなる円)の全てに囲まれるように位置している。従って、第1の実施の形態と同様に、第3開口29は対象となるガスバーナーにその全てが対応する開口となっている。
【0064】
このようなトッププレート覆い20においては、第1開口27、第2開口28及び第3開口29が、ガスレンジのタイプに関わらず、必ず必要な開口となる。即ち、不必要な開口が形成されていないため、どのタイプのガスレンジに対しても確実に対応することができる。そして、第1開口27、第2開口28及び第3開口29の各々を基準として、切れ目21〜24を用いて他の開口を最小限の切り抜きで容易に形成することができるため、トッププレート覆い20の効率的な使用が実現される。尚、切れ目21〜24における効果については、第1の実施の形態と同様であることは言うまでも無い。
【0065】
尚、上記の各実施の形態では、シート本体に形成されている開口は3箇所となっているが、開口は使用対象となるガスレンジのバーナーの数に併せて形成されるものであり、開口は1箇所でも良く、他の複数箇所であっても良い。又は、開口は形成せず、全て開口補助線によるものであっても良い。
【0066】
又、上記の各実施の形態では、開口の周りに形成される切れ目は複数箇所形成されているが、切れ目は対象とするガスレンジの種類に併せて形成されるものであり、切れ目は1箇所以上形成されていれば良い。
【0067】
更に、上記の実施の形態では、シート本体の外周寸法はガスレンジのトッププレートの上面サイズより大きく形成されているが、このサイズと同一であっても良い。その場合、外周辺に形成された罫線及び切断部は無くても良い。
【0068】
更に、上記の各実施の形態では、シート体にアルミニウム箔が使用されているが、これに代えて他の金属箔を用いても良い。
【0069】
更に、上記の各実施の形態では、シート体に不燃紙が使用されているが、これに代えて用途に応じて難燃紙などを用いても良い。
【0070】
更に、上記の各実施の形態では、トムソン刃によって切れ目を形成しているが、トムソン刃以外の刃、又は方法で切れ目を形成しても良い。
【0071】
更に、上記の各実施の形態では、第1アルミニウム箔の外面は全面耐熱インキによって印刷されているが、これに代えて、又はこれの外面にシリコンコートを施しても良い。この場合、第1アルミニウム箔の外面の平滑度が向上するため、拭き取りによる汚れの除去がより容易となる。
【符号の説明】
【0072】
10、20…トッププレート覆い
11…シート本体
15、27…第1開口
16、28…第2開口
17、29…第3開口
18、19、21〜24…切れ目
33…ガスレンジ
35…トッププレート
36〜38…ガスバーナー
51…不燃紙
53…第1アルミニウム箔
55…第2アルミニウム箔
58、59…内面
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。