特許第5917821号(P5917821)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917821
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】患者支持、通信、および計算装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/00 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
   A61G7/00
【請求項の数】84
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2011-87754(P2011-87754)
(22)【出願日】2011年4月11日
(65)【公開番号】特開2011-229909(P2011-229909A)
(43)【公開日】2011年11月17日
【審査請求日】2014年4月4日
(31)【優先権主張番号】61/322,392
(32)【優先日】2010年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503278256
【氏名又は名称】ヒル−ロム サービシズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】タレント,ダン アール.
(72)【発明者】
【氏名】アレン,ジェイムズ マウリス
(72)【発明者】
【氏名】ヒュスター,ケイス アダム
(72)【発明者】
【氏名】ピッテンガー,ウィリアム ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダーポール,アーヴィン ジョン サード
(72)【発明者】
【氏名】ソシエ,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ハリントン,ジョン ティー.
【審査官】 久郷 明義
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−515995(JP,A)
【文献】 特表2005−527245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人支持装置であって、
人を支えるように構成された人支持面と、
前記人支持面の少なくとも一部分に運動を伝達するよう構成されたアクチュエータと、
人支持装置上にある電子システムとを備え、
前記電子システムは、
プロセッサと、
メモリと、
前記プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたグラフィカルユーザーインターフェースと、
高速ネットワークインターフェースと、
リモートサーバーアプリケーションからのデータを、前記高速ネットワークインターフェースを介して受信し、前記グラフィカルユーザーインターフェースをリモートサーバーコンピュータのクライアントコンピュータとして動作させるよう構成された汎用オペレーティングシステムと、
前記人体支持面を移動させるよう前記アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記グラフィカルユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項2】
前記高速ネットワークインターフェースは、プロセッサデータを標準ネットワークフォーマットに変換するよう構成されたコンバータを備えた、請求項1に記載した装置。
【請求項3】
前記高速ネットワークインターフェースは、前記プロセッサ内に統合された、請求項1に記載した装置。
【請求項4】
前記コントローラは、コントローラエリアネットワーク(CAN)モジュールを備えた、請求項1に記載した装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、統合型のイーサネットインターフェース、統合型のCANインターフェース、統合型の画像処理装置、およびUSBインターフェースのうち少なくとも2つを含む、請求項1に記載した装置。
【請求項6】
前記患者支持装置上に設けられ、前記電子システムと接続された少なくとも1つのUSBポートをさらに備えた、請求項1に記載した装置。
【請求項7】
人支持装置であって、
人を支えるよう構成された上面と、
前記上面の少なくとも一部分に運動を伝達するよう構成された可動アクチュエータと、
前記人支持装置に接続され、前記可動アクチュエータを制御するよう構成された電子システムとを有し、前記電子システムは、プロセッサと、メモリと、前記プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェースと、配線接続を介して病院ネットワークに接続されるように構成されたネットワークコネクタと、少なくとも一部の時間において1Mb/秒よりも速いデータ転送速度でデータを受信するよう構成され、前記ネットワークコネクタを介した前記病院ネットワークとのデータ通信を可能とするよう構成されたネットワークインターフェースと、前記プロセッサによって実行可能であり、人支持装置用に設計されていない複数のコンピュータソフトウェアアプリケーションを修正なしに実行できるように構成された汎用オペレーティングシステムと、前記プロセッサによって実行可能であり、リモートサーバーに対しタスクを実行するよう要求を送信し、前記要求に応答してユーザーインターフェース上に表示される画面を定義するデータを受信し、画面の一部に使用者からの入力を受信し、およびその入力をリモートサーバーに送信することにより、電子システムがクライアントコンピュータとして機能するように構成されているブラウザソフトウェアと、使用者からの少なくとも1つの入力により可動アクチュエータを制御するように構成された制御ソフトウェアと、電子システムの少なくとも一部分からのネットワークコネクタの電気的絶縁を提供するように構成された電気的アイソレータと、前記制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記ユーザーインターフェースと通信する、人支持装置。
【請求項8】
前記電気的アイソレータは、2.0mmよりも大きい空間距離および沿面距離のうち少なくとも1つを有する、請求項に記載した装置。
【請求項9】
前記電気的アイソレータは、光学的、誘導性、磁性、および容量性の結合のうち少なくとも1つにより絶縁を提供するよう構成されている、請求項に記載した装置。
【請求項10】
前記電気的アイソレータは、容量性結合により絶縁を提供するよう構成された、請求項に記載した装置。
【請求項11】
前記アイソレータは、デジタルアイソレータを含む、請求項に記載した装置。
【請求項12】
ネットワーク信号を、前記プロセッサの出力のプロトコルに対応した信号に変換するように構成されたコンバータ回路をさらに備える、請求項に記載した装置。
【請求項13】
前記電子システムは、前記ネットワークコネクタとの間で信号をやり取りするよう構成された磁気インターフェースを含む、請求項に記載した装置。
【請求項14】
前記アイソレータは、前記コンバータ回路と通信する、請求項12に記載した装置。
【請求項15】
前記電子システムは、前記患者支持が位置する前記部屋の識別情報を受信し、前記ネットワークコネクタを介して前記識別情報を送信するように構成された、請求項に記載した装置。
【請求項16】
前記電子システムは、位置識別信号が前記リモートサーバーに伝達され、前記リモートサーバーが前記電子システムからのデータを病院内の物理的な位置と関連付けしうるように構成された、請求項に記載した装置。
【請求項17】
前記表面はベッドデッキを含み、前記アクチュエータは電動アクチュエータを含み、および前記制御ソフトウェアは前記アクチュエータを介して前記ベッドデッキを動かすように構成された、請求項に記載した装置。
【請求項18】
前記表面はマットレスの上部分を含み、前記アクチュエータはポンプおよびブロワーのうち少なくとも1つを含み、前記制御ソフトウェアは前記マットレスの上部分内で空気を移動させるように構成された、請求項に記載した装置。
【請求項19】
前記ネットワークインターフェースは少なくとも1メガビット/秒のデータ転送速度を有する、請求項に記載した装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、内蔵型のネットワーク通信回路を含む、請求項に記載した装置。
【請求項21】
前記ネットワーク通信回路はイーサネット通信回路を含む、請求項20に記載した装置。
【請求項22】
前記ブラウザソフトウェアは前記プロセッサにより実行される、請求項に記載した装置。
【請求項23】
前記コントローラは、コントローラエリアネットワーク(CAN)モジュールを備える、請求項に記載した装置。
【請求項24】
前記プロセッサは、統合型のイーサネットインターフェース、統合型のCANインターフェース、統合型の画像処理装置、およびUSBインターフェースのうち少なくとも2つを含む、請求項に記載した装置。
【請求項25】
前記患者支持装置上に設けられ、前記電子システムと接続された少なくとも1つのUSBポートをさらに備える、請求項に記載した装置。
【請求項26】
人支持装置であって、
人を支えるように構成された人支持面と、
前記上面の少なくとも一部分に運動を伝達するよう構成された可動アクチュエータと、
前記人支持装置に接続され、かつ前記可動アクチュエータを制御するように構成された電子システムとを備え、前記システムは、
プロセッサと、
メモリと、
前記プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェースと、
1Mb/秒よりも速いデータ転送速度を受信し、また病院ネットワークとの無線でのデータ通信を可能にするよう構成された無線ネットワークインターフェースと、
前記プロセッサによって実行可能であり、ホームコンピュータソフトウェアアプリケーションを修正なしに実行するよう構成された、汎用オペレーティングシステムと、
前記プロセッサにより実行可能であり、かつタスクを実行する要求をリモートサーバーに送信し、前記要求に応答して前記ユーザーインターフェース上に表示される画面を定義するデータを受信し、前記画面の一部に使用者からの入力を受信し、前記入力を前記リモートサーバーに送信することにより、前記電子システムがクライアントコンピュータとして機能することを可能とするよう構成されたブラウザソフトウェアと、
使用者からの少なくとも1つの入力により前記可動アクチュエータを制御するように構成された制御ソフトウェアと、
前記制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記ユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項27】
前記表面はベッドデッキを含み、前記アクチュエータは電動アクチュエータを含み、および前記制御ソフトウェアは前記アクチュエータを介して前記ベッドデッキを動かすように構成された、請求項26に記載した装置。
【請求項28】
前記表面はマットレスの上部分を含み、前記アクチュエータはポンプおよびブロワーのうち少なくとも1つを含み、前記制御ソフトウェアは前記マットレスの上部分内で空気を移動させるように構成された、請求項26に記載した装置。
【請求項29】
前記ネットワークインターフェースは10メガビット/秒よりも速いデータ転送速度を有する、請求項26に記載した装置。
【請求項30】
前記プロセッサは内蔵型のネットワーク通信回路を含む、請求項26に記載した装置。
【請求項31】
前記ネットワーク通信回路はイーサネット通信回路を含む、請求項26に記載した装置。
【請求項32】
前記ブラウザソフトウェアは前記プロセッサにより実行される、請求項26に記載した装置。
【請求項33】
前記コントローラはコントローラエリアネットワーク(CAN)モジュールを含む、請求項26に記載した装置。
【請求項34】
前記プロセッサは、統合型のイーサネットインターフェース、統合型のCANインターフェース、統合型の画像処理装置、およびUSBインターフェースのうち少なくとも2つを含む、請求項26に記載した装置。
【請求項35】
前記患者支持装置上に設けられ、前記電子システムと接続された少なくとも1つのUSBポートをさらに備えた請求項26に記載した装置。
【請求項36】
人支持装置であって、
人を支えるように構成された表面と、
表面の少なくとも一部分に動きを伝達するよう構成されたアクチュエータと、
人支持装置にある電子制御システムとを備え、
前記システムは、
プロセッサと、
メモリと、
前記プロセッサにより制御されるグラフィカルユーザーインターフェースと、
高速ネットワークインターフェースと、
前記高速ネットワークインターフェースを介してデータをリモートコンピュータアプリケーションに供給し、クライアントコンピュータに対するサーバーコンピュータとして動作するように構成された、汎用オペレーティングシステムとを有し、
前記表面を移動させるよう前記アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記グラフィカルユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項37】
前記ネットワークインターフェースは、前記人支持電子システム内に、プロセッサデータを標準ネットワークフォーマットに変換するよう構成された高速コンバータを備えた、請求項36に記載した装置。
【請求項38】
前記プロセッサは前記ネットワークインターフェースと統合された、請求項36に記載した装置。
【請求項39】
前記ネットワークインターフェースはイーサネットインターフェースを含む、請求項36に記載した装置。
【請求項40】
人支持装置であって、
人を支えるように構成された表面と、
前記表面の少なくとも一部分に動きを伝達するよう構成されたアクチュエータと、
人支持装置上にある電子システムとを備え、
前記システムは、
少なくとも約300MHzの速度を有するプロセッサと、
少なくとも約128メガバイトのサイズを有する揮発性メモリと、
少なくとも約64メガバイトのサイズを有する不揮発性メモリと、
前記プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたグラフィカルユーザーインターフェースと、
高速ネットワークインターフェースと、
複数の異なる装置上にインストールすることが可能で、リモートサーバーアプリケーションからのデータを、前記高速ネットワークインターフェースを介して受信するように構成された、汎用オペレーティングシステムと、
少なくとも一部の時間、少なくとも1メガビット/秒のデータ通信速度を有する、高速ネットワークインターフェースと、
前記表面を移動させるよう前記アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記グラフィカルユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項41】
前記電子システムの少なくとも一部分をリモートネットワークから電気的に絶縁するよう構成された電気的アイソレータをさらに備えた、請求項40に記載した人支持装置。
【請求項42】
前記オペレーティングシステムは、前記人支持装置がデータ要求をリモートサーバーに送信し、前記データ要求に対する応答を受信できるように構成された、請求項40に記載した人支持装置。
【請求項43】
前記オペレーティングシステムは、前記人支持装置が計算リソースをリモートサーバーコンピュータと共有できるように構成された、請求項40に記載した人支持装置。
【請求項44】
前記表面は、互いに対して旋回する複数のデッキセクションを備えた、請求項40に記載した人支持装置。
【請求項45】
前記コントローラは、コントローラエリアネットワーク(CAN)モジュールを備えた、請求項40に記載した装置。
【請求項46】
前記プロセッサは、リモートサーバーのクライアントとしてグラフィカルページを表示するブラウザソフトウェアを実行する、請求項40に記載した装置。
【請求項47】
前記プロセッサは、統合型のイーサネットインターフェース、統合型のCANインターフェース、統合型の画像処理装置、およびUSBインターフェースのうち少なくとも2つを含む、請求項40に記載した装置。
【請求項48】
前記患者支持装置上に設けられ、前記電子システムと接続された少なくとも1つのUSBポートをさらに備えた請求項40に記載した装置。
【請求項49】
人支持装置であって、
人を支えるように構成された表面と、
前記表面に動きを伝達するよう構成されたアクチュエータと、
人支持装置に接続された電子システムとを備え、
前記システムは、
プロセッサと、
メモリと、
前記プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェースと、
ネットワークインターフェースと、
前記電子システムがクライアントコンピュータとして機能するようにし、前記ネットワークインターフェースを介して、コンピュータネットワーク上のサーバーコンピュータの役目をする少なくとも1つのリモートコンピュータと計算リソースを共有するように構成された、オペレーティングシステムと、
前記表面を移動させるよう前記アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記ユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項50】
前記表面はベッドデッキを含み、また前記電子システムはさらに前記デッキを前記フレームに対して動かすように構成された、請求項49に記載した装置。
【請求項51】
ネットワークコネクタ、および前記ネットワークコネクタをリモートサーバーから電気的に絶縁するよう構成された絶縁回路をさらに備えた、請求項49に記載した装置。
【請求項52】
前記コントローラはコントローラエリアネットワーク(CAN)モジュールを備えた、請求項49に記載した装置。
【請求項53】
前記プロセッサは、統合型のイーサネットインターフェース、統合型のCANインターフェース、統合型の画像処理装置、およびUSBインターフェースのうち少なくとも2つを含む、請求項49に記載した装置。
【請求項54】
前記患者支持装置上に設けられ、前記電子システムと接続された少なくとも1つのUSBポートをさらに備えた請求項49に記載した装置。
【請求項55】
人支持装置であって、
人を支えるように構成された上面と、
前記上面の少なくとも一部分に運動を伝達するよう構成された可動アクチュエータと、
人支持装置に接続され、かつ前記可動アクチュエータを制御するように構成された電子システムとを備え、
前記システムは、
プロセッサと、
メモリと、
前記プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェースと、
ネットワークインターフェースと、
前記プロセッサにより実行可能であり、サーバーに対しタスクを実行する要求を生成し、前記タスクに関連する画面をユーザーインターフェース上に表示し、前記画面を見ている使用者から前記タスクに関連する入力を受信し、前記入力を前記サーバーに送信するすることにより、前記電子システムがクライアントコンピュータとして機能するように構成されたソフトウェアと、
前記上面を移動させるよう前記可動アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記ユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項56】
前記アクチュエータは、液体ポンプおよび電動アクチュエータのうち少なくとも1つを含む、請求項55に記載した装置。
【請求項57】
前記表面は、ベッドデッキおよびマットレス袋のうち少なくとも1つを含む、請求項55に記載した装置。
【請求項58】
前記ソフトウェアは、オペレーティングシステムおよびブラウザのうち少なくとも1つを含む、請求項55に記載した装置。
【請求項59】
請求項55に記載した装置であって、プロセッサ信号をネットワークフォーマットの信号に変換するように構成されたネットワークインターフェース、前記ネットワークフォーマットの信号を配信するよう構成されたネットワークコネクタ、および少なくとも前記ネットワークコネクタを前記アクチュエータから電気的に絶縁するように構成された絶縁回路をさらに備えた装置。
【請求項60】
前記ネットワークインターフェースはプロセッサと統合される、請求項59に記載した装置。
【請求項61】
前記コントローラはコントローラエリアネットワーク(CAN)モジュールを含む、請求項55に記載した装置。
【請求項62】
前記プロセッサは、統合型のイーサネットインターフェース、統合型のCANインターフェース、統合型の画像処理装置、およびUSBインターフェースのうち少なくとも2つを含む、請求項55に記載した装置。
【請求項63】
前記患者支持装置上に設けられ、前記電子システムと接続された少なくとも1つのUSBポートをさらに備えた請求項59に記載した装置。
【請求項64】
人支持装置であって、
人を支えるように構成された上面と、
前記上面の少なくとも一部分に運動を伝達するよう構成された可動アクチュエータと、
人支持装置に接続され、かつ前記可動アクチュエータを制御するように構成された電子システムとを備え、
前記システムは、
プロセッサと、
メモリと、
前記プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェースと、
ネットワークインターフェースと、
前記プロセッサにより実行可能であり、クライアントからタスクを実行する要求を受信し、前記タスクを実行し、前記タスクに関連する入力を遠隔で画面を見ているリモート使用者から受信することにより、前記電子システムがサーバーコンピュータとして機能するよう構成されたソフトウェアと、
前記上面を移動させるよう前記可動アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記ユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項65】
前記クライアントは、携帯用コンピュータ、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、およびiPADコンピュータのうち少なくとも1つを含む、請求項64に記載した装置。
【請求項66】
前記アクチュエータは液体ポンプおよび電動アクチュエータのうち少なくとも1つを含む、請求項64に記載した装置。
【請求項67】
前記表面は、ベッドデッキおよびマットレス袋のうち少なくとも1つを含む、請求項64に記載した装置。
【請求項68】
前記ソフトウェアはオペレーティングシステムおよびブラウザのうち少なくとも1つを含む、請求項64に記載した装置。
【請求項69】
前記ネットワークインターフェースはネットワークコネクタを含み、前記装置は前記ネットワークコネクタを前記アクチュエータから電気的に絶縁するよう構成された絶縁回路をさらに備えた、請求項64に記載した装置。
【請求項70】
プロセッサ信号をネットワークフォーマットでの信号に変換するように構成されたネットワークインターフェース、前記ネットワークフォーマットの信号を配信するよう構成されたネットワークコネクタ、および少なくとも前記ネットワークコネクタを前記アクチュエータから電気的に絶縁するように構成された絶縁回路をさらに備えた、請求項64に記載した装置。
【請求項71】
前記ネットワークインターフェースは前記プロセッサと統合される、請求項70に記載した装置。
【請求項72】
前記電子システムがコントローラエリアネットワーク(CAN)モジュールを備えた、請求項64に記載した装置。
【請求項73】
前記プロセッサは、統合型のイーサネットインターフェース、統合型のCANインターフェース、統合型の画像処理装置、およびUSBインターフェースのうち少なくとも2つを含む、請求項64に記載した装置。
【請求項74】
前記患者支持装置上に設けられ、前記電子システムと接続された少なくとも1つのUSBポートをさらに備えた請求項64に記載した装置。
【請求項75】
ネットワークサーバーとして動作するように構成された第一のコンピュータと、
アクチュエータ、人体支持面、コントローラ、グラフィカルユーザーインターフェースを有する人支持装置と、
前記人支持装置に連結され、ネットワークインターフェースを含む第二のコンピュータとを備え、前記第二のコンピュータは、ネットワーククライアントとして、前記第一のコンピュータと前記ネットワークインターフェースを介して通信するように構成され、
前記コントローラは、前記人体支持面を移動させるよう前記アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成され、
前記コントローラは、前記第二のコンピュータを介して前記グラフィカルユーザーインターフェースと通信する、
医療コンピュータネットワーク。
【請求項76】
フレームと、
前記フレームの少なくとも一部を移動させるためのアクチュエータと、
前記フレームに連結され、グラフィカルユーザーインターフェース、プロセッサおよびメモリ素子を含む制御システムであって、前記メモリ素子はオペレーティングシステムを格納し、前記プロセッサは前記オペレーティングシステムを実行するように構成された、制御システムと、
前記制御システムおよびネットワークと通信する通信インターフェースであって、前記制御システムは前記ネットワーク上でクライアントとして動作するよう構成された、通信インターフェースと、
前記フレームに連結され、前記フレームの少なくとも一部を移動させるよう前記アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記グラフィカルユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項77】
人支持装置であって、
フレームと、
前記フレームの少なくとも一部を移動させるためのアクチュエータと、
前記フレームに連結され、グラフィカルユーザーインターフェース、プロセッサおよび通信デバイスを含む制御システムであって、前記通信デバイスは前記プロセッサとネットワークとの間のデータ通信を促進するよう構成され、前記通信デバイスは56Kb/sよりも速い速度で通信するよう適応される、制御システムと、
前記フレームに連結され、前記フレームの少なくとも一部を移動させるよう前記アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記グラフィカルユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項78】
人支持装置であって、
フレームと、
前記フレームの少なくとも一部を移動させるためのアクチュエータと、
前記フレームに連結され、グラフィカルユーザーインターフェース、プロセッサおよび通信デバイスを含む制御システムであって、前記通信デバイスは前記プロセッサとネットワークとの間のデータ通信を促進するよう構成され、前記通信デバイスは外部電源から絶縁された、制御システムと、
前記フレームに連結され、前記フレームの少なくとも一部を移動させるよう前記アクチュエータを制御するための制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記グラフィカルユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項79】
人支持装置であって、
人を支えるように構成された上面と、
前記上面の少なくとも一部分に運動を伝達するよう構成された可動アクチュエータと、
前記人支持装置に接続され、前記可動アクチュエータを制御するように構成された電子システムとを備え、
前記システムは、
プロセッサと、
メモリと、
前記プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェースと、
少なくとも一部の時間、1Mb/秒よりも速いデータ転送速度で、病院ネットワークとデータを通信するよう構成されたネットワークインターフェースと、
前記人支持装置用に設計されたものではない複数のコンピュータソフトウェアアプリケーションを修正なしに実行するよう構成された汎用オペレーティングシステムであって、前記プロセッサによって実行可能な汎用オペレーティングシステムと、
使用者からの少なくとも1つの入力により前記可動アクチュエータを制御するように構成された制御ソフトウェアと、
前記患者支持の位置を取得するよう構成された位置識別情報受信器と、
前記制御ソフトウェアを実行するよう構成されたコントローラとを有し、
前記電子システムはリモートコンピュータに位置を転送するように構成され、
前記コントローラは、前記プロセッサを介して前記ユーザーインターフェースと通信する、
人支持装置。
【請求項80】
前記位置識別情報受信器は、前記位置識別情報を病院位置識別子の形式で提供する壁ユニットに配線により接続されたインターフェースを備えた、請求項79に記載した装置。
【請求項81】
前記位置識別情報受信器は無線の受信器を備えた、請求項79に記載した装置。
【請求項82】
前記位置識別情報受信器は全地球測位システム(GPS)衛星受信器、無線周波数(RF)受信器、WiFi受信器、超音波受信器、および赤外線受信器のうち少なくとも1つを備えた、請求項81に記載した装置。
【請求項83】
前記位置識別情報受信器は、受信したデータをもとに位置を判断するよう構成されている、請求項79に記載した装置。
【請求項84】
前記位置は前記リモートコンピュータに前記ネットワークインターフェースを介して転送され、前記リモートコンピュータは前記位置をもとに前記電子システムからのデータを特定の患者の電子医療記録に挿入するように構成された、請求項79に記載した装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連する出願への相互参照>
本出願は、35 U.S.C. § 119(e)に基づき、2010年4月9日に出願された米国仮出願第61/322,392号の利益を主張するものであり、その全文をここに参照することにより本明細書に援用する。
【0002】
<技術分野>
本開示は、ベッド、マットレス、ストレッチャーおよびこれに類するものといった患者支持装置に関連する。さらに特定すれば、本開示は、患者支持、通信、および計算装置に関連する。
【背景技術】
【0003】
病院用ベッドなどの患者支持装置は通常、患者に快適性を与え、また患者の配置および移動において介護者を支援するように適応させた機能を持つ。例えば、こうしたベッドには、患者の快適性のために患者をさまざまな姿勢に配置でき、また患者の介護において介護者を支援する連接セクションを含みうる。こうしたベッドには、ブレーキの状態、サイドレールの位置、およびベッドの高さなど、ベッドの各種の機能のステータスを表示する電子ディスプレイを含んでもよい。さらに、こうしたベッドは、離れた介護者との通信を許容しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうしたシステムは、介護者の支援および患者の安全性および快適性の向上において非常に有用なものでありうる一方、従来的なそれらの機能にはある点で制限がある。特に、こうしたシステムの機能および病院職員および病院管理者に提供する価値には、なおも改善の余地がある。こうして、この技術分野においては、さらなる貢献の必要性が存続している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示による患者支持装置には、添付の請求項に引用した特徴および/または単独あるいは任意の組み合わせにより特許性のある主題を構成しうる下記の特徴のうち1つ以上の特徴が含まれている。
【0006】
本開示によれば、人支持装置は、人を支えるように構成された上面、上面の少なくとも一部分に運動を伝達するよう構成された可動アクチュエータ、および人支持装置に接続され、かつ可動アクチュエータを制御するように構成された電子システムを備えうる。電子システムは、プロセッサ、メモリ、プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェース、配線接続を介して病院ネットワークに接続されるように構成されたネットワークコネクタ、およびネットワークインターフェースを備えうる。ネットワークインターフェースは、少なくとも一部の時間、1Mb/秒よりも速いデータ転送速度でデータを受信するように構成しうるとともに、ネットワークコネクタを介した病院ネットワークとのデータ通信を許容するように構成しうる。電子システムは、さらにプロセッサによって実行可能な汎用オペレーティングシステムを備えうるが、この汎用オペレーティングシステムは、修正することなく、人支持装置用に設計されていない複数のコンピュータ ソフトウェアアプリケーションを実行するように構成しうる。システムはまた、プロセッサにより実行可能で、かつリモートサーバーにタスクを実行する要求を送信し、その要求に応答してユーザーインターフェース上に表示される画面を定義するデータを受信し、画面の一部に使用者からの入力を受信し、およびその入力をリモートサーバーに送信することにより、電子システムがクライアントコンピュータの役目をするよう構成されたブラウザ ソフトウェアをも備えうる。
【0007】
さらに、電子システムは、使用者からの少なくとも1つの入力により可動アクチュエータを制御するように構成された制御ソフトウェア、および電子システムの少なくとも一部分からのネットワークコネクタの電気的絶縁を提供するように構成された電気的アイソレータを備えうる。一部の実施態様において、電気的アイソレータは、少なくとも2.5mmの沿面距離および少なくとも2.0mmの空間距離、例えば、少なくとも4.0mmの沿面距離および2.5mmの空間距離などを提供しうる。一部の実施態様において、電子システムは、患者支持が位置する部屋の識別情報を受信し、ネットワークコネクタを介して、その識別情報を送信するように構成しうる。一部の実施態様において、電子システムは、そのリモートサーバーが電子システムからのデータを病院内の物理的な位置と関連付けできるように、位置識別信号がリモートサーバーに伝達されるように構成しうる。
【0008】
本開示によれば、電子システムは、プロセッサ、メモリ、グラフィカルプロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェース、および高速ネットワークインターフェースを備えうる。システムはさらに、リモートサーバーアプリケーションからのデータを、高速ネットワークインターフェースを介して受信し、グラフィカルユーザーインターフェースをリモートサーバーコンピュータのクライアントコンピュータとして動作させるように構成された汎用オペレーティングシステムを備えうる。電子システムは、表面を移動させるアクチュエータを制御するように構成しうる。一部の実施態様において、ネットワークインターフェースを絶縁するアイソレータが提供されているが、そのアイソレータは、少なくとも2.5mmの沿面距離および少なくとも2.0mmの空間距離、例えば、少なくとも4.0mmの沿面距離および2.5mmの空間距離を持ちうる。一部の実施態様において、ネットワークインターフェースは、少なくとも1メガビット/秒のデータ転送速度を持ちうる。
【0009】
一部の実施態様において、電子システムは、少なくとも約300MHzの速度を持つプロセッサ、少なくとも約128メガバイトのサイズを持つ揮発性メモリ、少なくとも約64メガバイトのサイズを持つ不揮発性メモリ、プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたグラフィカルユーザーインターフェース、および高速ネットワークインターフェースを備えうる。電子システムは、さらに複数の異なる装置上にインストールすることができ、リモートサーバーアプリケーションからのデータを、高速ネットワークインターフェースを介して受信するように構成された汎用オペレーティングシステムを備えうる。高速ネットワークインターフェースは、少なくとも一部の時間、少なくとも1メガビット/秒のデータ通信速度を持ちうる。電子システムは、表面を移動させるアクチュエータを制御するように構成しうる。一部の実施態様において、オペレーティングシステムは、人支持装置が計算リソースをリモートサーバーコンピュータと共有できるように構成しうる。一部の実施態様において、プロセッサには、統合型のイーサネットインターフェース、統合型のCANインターフェース、統合型の画像処理装置、およびUSBインターフェースのうち少なくとも2つが含まれうる。一部の実施態様において、装置は患者支持装置上にあり、電子システムと接続された少なくとも1つのUSBポートを備えうる。
【0010】
一部の実施態様において、電子システムは、プロセッサ、メモリ、プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェース、ネットワークインターフェース、プロセッサにより実行可能で、サーバーに対して、タスクを実行し、そのタスクに関連する画面をユーザーインターフェース上に表示し、その画面を見ている使用者からそのタスクに関連する入力を受信し、およびその入力をサーバーに送信する要求を生成することにより、電子システムがクライアントコンピュータの役目をするように構成されたソフトウェアを備えうる。
【0011】
本開示によれば、医療コンピュータネットワークを提供することができるが、これはネットワークサーバーおよびネットワーククライアントのうち少なくとも1つを作動させるように構成された第一のコンピュータ、人支持装置、および人支持装置に連結され、ネットワークインターフェースを含む第二のコンピュータを備えうる。第二のコンピュータは、第一のコンピュータとネットワークインターフェースを介して通信し、ネットワーククライアントおよびネットワークサーバーのうち少なくとも1つとして作動するように構成しうる。
【0012】
また、本開示によれば、医療コンピュータシステムは、人を支持するように構成された上面、上面の少なくとも一部分に運動を伝達するよう構成された可動アクチュエータ、および人支持装置に接続され、かつ可動アクチュエータを制御するように構成された電子システムを持つ人支持装置を備えうる。電子システムは、プロセッサ、メモリ、プロセッサによる指示のとおりに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェース、ネットワークインターフェース、制御ソフトウェア、および汎用オペレーティングシステムを備えうる。ネットワークインターフェースは、少なくとも一部の時間、1Mb/秒よりも速いデータ転送速度でデータを病院ネットワークと通信するように構成しうる。汎用オペレーティングシステムは、プロセッサにより実行可能とすることができ、またこれは、修正することなく、人支持装置用に設計されていない複数のコンピュータソフトウェアアプリケーションを実行するように構成しうる。制御ソフトウェアは、使用者からの少なくとも1つの入力により可動アクチュエータを制御するように構成しうる。医療コンピュータシステムは、患者支持の位置を提供するように構成された位置識別回路を備えうる。一部の実施態様において、電子システムは、位置をリモートコンピュータに転送するように構成しうる。一部の実施態様において、位置と電子システムからのデータは、リモートコンピュータで関連付けうる。
【0013】
これらおよびその他の特徴は、単独で、またはその他の特徴(本書で説明したものおよび/または請求項で記載したものなど)との組み合わせで、特許性のある主題を構成しうる。本開示のこうした特徴および原理は、現時点で理解されている実施形態を遂行する最良の態様を例証した下記のさまざまな実施例および実施態様の詳細な説明を考慮することによって、当業者にとって明らかとなるであろう。
【0014】
以下、本発明につき特に添付の図面を参照して詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本開示の1つ以上の原理に従い構成した、患者支持装置の一実施態様の斜視図法での部分的概略図である。
図2図2は、デッキサポートが上の位置にあり、またそのデッキセクションが直線的な関係またはベッド構成にあることを示す図1の患者支持の側面図である。
図3図3は、デッキサポートが上の位置にあり、デッキの頭側セクションが頭側セクションアクチュエータにより上昇し、またデッキのシートセクションがシートセクションアクチュエータにより上昇していることを示す図1の患者支持の側面図である。
図4図4は、本開示の1つ以上の原理に従い構成された、患者支持用の電子システムの一実施態様のブロック図である。
図5図5は、本開示の1つ以上の原理に従い構成された、患者支持の電子システムの別の実施態様のブロック図である。
図6図6は、本開示の1つ以上の原理に従った患者支持の電子システムとリモートサーバーとの間の通信方法の流れ図である。
図7図7は、本開示の1つ以上の原理に従い構成されたサーバーおよびクライアントの患者支持装置を備えた病院ネットワークの一実施態様の概要図である。
図8図8は、本開示の1つ以上の原理に従い構成された患者支持の電子システムのまた別の実施態様のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
例証的な一実施態様において、患者支持装置は、高速ネットワーク接続を介してリモートサーバーと接続された汎用オペレーティングシステム上で実行されるクライアントブラウザソフトウェアを備えた電子制御システムを含むものとして提供されている。ブラウザおよびオペレーティングシステムにより、患者支持装置が、患者支持装置電子システム専用には設計されていないプログラムにアクセスしそれを実行できる。汎用マイクロプロセッサをネットワークコンバータ回路構成と併用することで、患者支持は、意図された受取人アドレスを持つフレームでメッセージを配信できるようになる。マイクロプロセッサは、1つ以上のグラフィカルユーザーインターフェース、および患者支持装置のアクチュエータを制御する制御システムと通信する。制御システムは、例えばCAN(コントローラエリアネットワーク)、LON(ローカルオペレーティングネットワーク)、USB(ユニバーサルシリアルバス)、またはイーサネットのノードなどといったネットワークノードを備えうる。絶縁回路により、患者支持が連結された通信介護施設のネットワークから絶縁される。データやファイルのダウンロードまたはアップロード用に、個人用記憶装置用のコネクタが、患者支持のサイドレールまたはエンドボードなどに備えられている。これらの特徴の1つ以上を組み込んだその他の実施態様が可能である。
【0017】
本発明の例証的な実施態様による患者支持10を図1〜3に示す。患者支持10には、フレーム12、フレーム12により支持されたマットレス14、ヘッドボード16、フットボード18、1対の頭側端部サイドレール20、および1対の足側端部サイドレール22が含まれる。フレーム12には、デッキサポート24およびマットレス14を支持するデッキ26が含まれる。デッキサポート24には、フロア29上で複数のキャスターホイール30により支持されるベースフレーム28、中間フレーム32、中間フレーム32をベースフレーム28に対して昇降するように構成された第一および第二の対のリフトアーム34、および患者支持10を高位置と低位置の間の任意の位置に昇降することができるように中間フレーム32により支持された秤量フレーム36が含まれる。
【0018】
デッキ26は、秤量フレーム36により支持され、複数の位置の間で連接するように構成されている。さらに特定すれば、実例としてデッキ26には、秤量フレーム32に旋回できるかたちで連結されている頭側セクション38、秤量フレーム32に旋回できるかたちで連結されているシートセクション40、およびシートセクション40に旋回できるかたちで連結されている長さ調節可能な脚セクション42が含まれる。デッキ26は、図1および図2の第一の構成に図示し、一方デッキ26は図3の第二の構成に図示している。図1および図2の第一の構成において、頭側セクション38、シートセクション40、および脚セクション42は、実質的に直線状または平面的な関係にある。図3の第二の構成において、デッキ26の頭側セクション38は、頭側セクションアクチュエータ43aによって上昇しており、デッキ26のシートセクション40は、シートセクションアクチュエータ43bによって上昇している。脚セクションアクチュエータ43cは、脚セクション42をシートセクション40に対して移動させるように同様に構成されている。伸張アクチュエータ44は、長さ調節可能な脚セクション42を伸縮させるように構成されている。
【0019】
例証的なデッキサポート24およびデッキ26については、米国特許第6,658,680号(2003年12月9日発行)および米国特許第6,611,979号(2003年9月2日発行)にさらに詳しい記載があり、これらはいずれも、本発明の特許権者に譲渡されており、その開示内容を明示的に参照し本書に組込む。
【0020】
頭側端部サイドレール20は、デッキ26の頭側セクション38に連結され、上昇および下降位置の間でマットレス14に対して移動できる。足側端部サイドレール22は、秤量フレーム32に連結され、上昇および下降位置の間でマットレス14に対して移動できる。
【0021】
図1の例証的な実施態様には、さらに主としてベッド10のデッキ26の下方に位置する電子システム110が含まれる。この実施態様の電子システム110は、ディスプレイ50に表示したクライアントブラウザソフトウェアを制御する。ブラウザソフトウェアは、電子システムのハードウェアと共に、ベッド10が、壁112の外側に示すリモートサーバー111に対するクライアントデバイスとして機能できるようにする。したがって、電子システムは、実行するタスクについての要求を、ネットワーク接続114およびネットワークコネクタ115(例えば、ジャック)を介してサーバー111に送信する。次にサーバーは、その要求に応答してアプリケーションを実行し、表示するデータおよび/または画像を電子システム110に返す。次にシステム110は、データおよび/または画像をサイドレール20内またはその上に位置するユーザーインターフェース50に表示されたクライアントブラウザアプリケーションに画面またはページとして表示する。サーバー111は、特にベッドまたは患者支持のために設計されたものではない病院情報システムアプリケーションおよび/または家庭用計算アプリケーションなど、さまざまな市販のソフトウェアアプリケーションを実行する。下記に詳細に説明するとおり、ベッド10の電子システム110は、こうしたアプリケーションがベッド10の使用者(介護者および/または患者)によって表示・制御できるように、ハードウェアおよびソフトウェアと共に構成されている。
【0022】
また、ベッド10の電子システム110は、ベッド制御ソフトウェアの制御も行うが、そのためのユーザーインターフェースを第二のディスプレイ52に表示する。ベッド制御ソフトウェアにより、使用者は、ベッドのさまざまな部分を動かすことができる。例えば、図3に示すとおり、デッキ26の足、腿、シート、および頭側セクションを、電動リニアアクチュエータ43a、43b、および43dを介してなど、ベースフレーム28に対して移動させることができる。使用者は、ディスプレイ52を介してベッド制御ソフトウェアに入力を供給して、ベッドアクチュエータを移動させたり、および/またはベッドが警報を発したり、および/または警報状態を表示する警報レベルを設定することができる。ディスプレイは、例えばタッチスクリーンとすることも、または関連するボタンを配して、制御ソフトウェアへの入力操作を可能とすることもできる。
【0023】
電子システム110には、サーバー111および接続114およびコネクタ115を電子システムの残りの部分および関連するベッド構成要素から絶縁する絶縁回路が含まれる。こうした回路構成は、例えば、誘導性、容量性、磁性、および/または光学的な絶縁構成要素を使用して動作する。一例として、アイソレータは、イーサネット信号を絶縁するアイソレータ、またはコネクタ115で供給される信号からプロセッサ信号を絶縁するデジタルアイソレータを備えている。
【0024】
図1にさらに示すとおり、サイドレール20には、使用者が電子システム110に接続できるUSBポート120が含まれる。例えば、使用者は、グラフィカルユーザーインターフェース50上のブラウザにより制御されるユニバーサルシリアルバス(USB)ポート120を介して、データを保存できる。こうしたデータは、ベッド設定または患者に関連付けることができる。別の方法として、使用者は、例えば、制御ソフトウェアの更新、ユーザーアプリケーションの読み込み、ファイルの転送、または電子システム110のトラブルシューティングなど、USBポート120を介してソフトウェアを電子システム110に読み込むことができる。別の例として、使用者は、希望するベッド10の設定(頭部デッキの角度、ベッドの高さ、希望する療法)および/または部屋、食品、または施設に関する病院の他の環境設定を示すデータを、USBポート120から電子システム110に読み込むことができる。USBポートについて表示・説明したが、各種タイプのユーザー/プログラマ用データポート(シリアル、パラレル、FireWire、RS標準ポート、IEEE標準ポート、USBなど)は、ベッド10上、およびさまざまな位置(フレーム、デッキ、ヘッドボード、フットボードなど)に提供しうる。例えば、ポートは、別のサイドレール22または18上、またはフレーム28または32上、またはシステム110用の電子システム制御ボックス上としうる。
【0025】
この実施例において、部屋識別情報送信機122は、壁112の中またはその上に設置され、ベッドのある部屋についての表示を提供する。これは、部屋の識別情報の信号をベッドに送信して、次にその信号がネットワークサーバー上に伝達されるか、またはベッドデータおよび部屋の識別情報の信号を同一の経路に沿って、ひとまとめにして、あるいはその他の方法で、サーバー111がベッドおよびベッドデータを該当する部屋と一致させることができる何らかの関連性と共に送信することにより達成できる。したがって、こうした関連性により、サーバー111は、ベッド10または部屋に関連するデータをその部屋に割り当てられていることが分かっている患者と関連付けることができる。この実施例において、部屋識別子信号は、識別情報送信機122からケーブル114を経由して、コネクタ115を通過し、電子システム110に送信される。次に、システム110は、部屋識別子をサーバー111に戻るネットワーク信号と共にケーブル114を経由させて中継する。この様に、ベッドデータの患者との適切な関連性が形成され、またそれによって適切な警報が設定できるように、ベッド10からネットワークサーバー111にどの部屋にそれがあるかが伝達される。例えば、どの部屋(または部屋の部分)にベッド10があるか、またどの患者がその部屋(または部屋の部分)にいるべきかが分かれば、サーバーは、患者に落下のリスクがあるかどうかに基づき、一定のベッド警報レベルを設定できる。落下リスクの患者は、すべてのサイドレールを上げ、すべてのブレーキをかけ、ベッドの高さを低くし、患者の位置モニターをセットする必要があることがある。これらの条件のいずれかが満たされなくなると、サーバー111は、警報信号を生成し、ネットワーク接続114を経由してベッドに送り返し、ベッド10および/またはナースステーションまたはネットワークに接続された音声ステーションにある警報を鳴らすことができる。別の実施例として、その部屋にいる患者に肺の合併症のリスクがあることが分かっている場合、サーバー111は、ディスプレイ50上のブラウザを介してパーカッション、バイブレーション、またはローテーション セラピーの開始または要求をすることができる。
【0026】
また、サーバー111は、娯楽、データ、情報、マルチメディア、音声、ビデオ、および通信サービスをクライアントディスプレイ50に提供するさまざまなソフトウェアアプリケーションへのネットワークアクセスなど、ベッド10の使用者のためにその他のサービスを提供できる。例えば、使用者は、MP3音楽ファイルなどの音声ファイル、MPEG動画ファイルなどのビデオファイル、患者ケア指示事項などの情報ファイル、電子メールなどのe-通信サービス、Voice Over Internet通信などの音声通信、および/またはイントラネット、エクストラネット、LAN、WAN、またはその他のネットワークハードウェアにより提供される他のネットワークサービスにアクセスすることもできる。こうしたアクセスは、特定のサイトまたはサイトのタイプへの、または特定のファイル、ファイルサイズ、あるいはファイルタイプへのアクセスを制限するアクセス管理アプリケーション(例えば、フィルタリングプログラム)など、ソフトウェアによる制限がある場合がある。例えば、予め承認された許可されるネットワークまたはインターネットリンクのリストを、アクセス管理アプリケーションにより供給でき、また所定のアイコンまたはリンクを通じてのみアクセスを提供することができる。
【0027】
先に述べたとおり、また図1に示すとおり、デッキサポート24には、フロア29上に複数のキャスターホイールまたはキャスター装置30により支持されたベースフレーム28、中間フレーム32、中間フレーム32をベースフレーム28に対して昇降するように構成された第一および第二の対のリフトアーム34、および中間フレーム32により支持された秤量フレーム36が含まれる。リニアアクチュエータ48aおよび48bは、図3に示すとおり、リフトアーム34を作動させる動力を供給し、それによって中間フレーム32をベースフレーム28に対して昇降させる。
【0028】
サイドレール20、22には、グラフィカルユーザーインターフェース52と併用して、またはその代替として、制御プログラムによって病院用ベッド10の各種の機能を制御するための一連のボタンを含めることができる。デッキ26には、中間フレーム32に対して傾けることができる頭、背、座(シート)、および足の部分またはセクション、およびこれらのデッキセクションの角位置を調節するよう構成された複数の機構を含めることができる。この実施例において、デッキ26の脚セクションは伸張可能で、腿セクションを座に対して旋回させながら上昇させることができる。さらに、デッキ26の頭側セクションも、中間フレーム32に対して傾けることができる。リフトアーム34は、ベースフレーム28に対してデッキ26を昇降させる。
【0029】
図4は、患者支持の各種機能を制御する電子制御システム110のブロック図であり、これは図1〜3の電子制御システム110用に使用しうる。制御システム110は、長さ調節可能な脚セクション42を伸縮するリニアアクチュエータ44、および中間フレーム32をベースフレーム28に対して移動させるリニアアクチュエータ48を作動させ監視する。さらに、制御システム110は、それぞれ頭側セクション38を秤量フレーム36に対して、シートセクション40を秤量フレーム36に対して、および脚セクション42をシートセクション40に対して移動させるリニアアクチュエータ43a、43bおよび43cの作動および監視もする。
【0030】
制御システム110には、グラフィカルユーザーインターフェース50、52、およびベースフレーム28に連結された足ペダルコントロール56を含めた複数の入力装置が含まれる。また、制御システム110には、ベースフレーム28に連結され、中間フレーム32およびベースフレーム28の間に起こりうる隙間の問題を検出する、光学またはスイッチベースの障害物検出システムなどの干渉検出デバイス55が含まれる。さらに実例として、制御システム110には、複数のアクチュエータ43a、43b、43c、44、48のそれぞれと共に提供された複数のアクチュエータ位置検出器またはモーターセンサー(非表示)が含まれる。複数のロードセル59が、秤量フレーム36と中間フレーム32との間に提供され、中間フレーム32により支持されている重量を示す信号を供給する。制御システム110では、これらの信号を使用してマットレス14に位置している患者の体重が決定される。さらに、制御システム110には、サイドレール20、22の垂直位置を示す信号を提供するよう構成された複数のサイドレール位置検出器またはセンサー57が含まれる。
【0031】
この例証的な実施態様において、コントローラエリアネットワークシステム2220は、各種のアクチュエータおよび構成要素を制御する制御プログラム224を実行する。こうしたシステムには、各種のアクチュエータを制御する1つ以上のコントローラエリアネットワーク(CAN)コントローラノードが含まれうる。複数のコントローラノードを利用する場合、ノードはシリアルバス接続を介して互いに通信できる。制御プログラムは、どちらのユーザー入力に応答してどちらのアクチュエータを作動させるか、どのセンサーをどの時点でユーザーインターフェース50、52に表示させるか、ロードセル59からのデータをどのようにして患者体重に変換するか、およびどのセンサー入力(サイドレール上下、ブレーキの設定/解除、ベッド低/否、患者の位置)に応答して、スピーカー201および/またはユーザーインターフェース50、52を介してどの警報を鳴らすかなど、制御ソフトウェアまたはベッド用に望ましい制御ロジックを示すその他のロジックを備えることができる。制御プログラム224は、この実施例では、ベッドの電子システム(例えば、図1の実施例のベッドの電子システム110内)に格納できる。一実施態様において、電子システム2220は、2つの制御盤を備えており、そのうちの1つは、ユーザー入力装置からの入力を受信し、これは制御プログラム224を格納する、また他方は、ユーザー入力制御盤からの入力を受信し、その入力をアクチュエータによって使用できる対応する適切な信号に変換する。
【0032】
マイクロプロセッサ200は、ディスプレイ50および52の動作を制御し、またCANインターフェース回路220を介してベッド制御システム2220と通信をする。CANインターフェース220により、マイクロプロセッサ200はアクチュエータを動かすかまたは警報信号をセットする入力コマンドを制御システム2220に発することができる。同様に、インターフェース220により、CAN制御システム2220はアクチュエータステータス情報およびその他の情報をマイクロプロセッサ200に転送できるようになり、次に希望に応じてディスプレイ50および52にこれを表示できる。CANインターフェース220は、マイクロプロセッサ200と制御システム2220との通信を可能にする適切な回路または集積回路を備える。CANインターフェース220は、例えば、高速CANトランシーバを備えうる。
【0033】
マイクロプロセッサ200は、病院サーバー111と通信し、さらにシステム110がサーバー111に対してクライアントとして機能するよう構成されている。マイクロプロセッサ200は、不揮発性メモリ204にアクセスし、そこにクライアントブラウザソフトウェアおよび汎用オペレーティングシステムを格納する。汎用オペレーティングシステムは、家庭用計算アプリケーション、および/またはその他の産業アプリケーション用など、患者支持装置とは関連のないさまざまなアプリケーション用に利用可能なオペレーティングシステムを備えうる。例えば、Windows CE(登録商標)オペレーティングシステムまたはLinuxオペレーティングシステムを利用しうる。こうしたオペレーティングシステムには、記憶装置、プリンター、スキャナー、またはその他の機器などさまざまな周辺設備を動作させるための複数のドライバが含まれうる。また、こうしたオペレーティングシステムは、患者支持装置用に設計されたものではないことも考えられるさまざまな標準的な既存のアプリケーションを読み込み実行する能力を持ちうる。クライアントブラウザは、Internet Explorer(登録商標)、FireFox(登録商標)、または適切なその他のブラウザを備えうる。不揮発性メモリは、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または適切なその他のメモリ素子を備えることができ、また少なくとも64MBのサイズとしうる。オペレーティングシステムおよびブラウザは、揮発性メモリ2020を利用しアクセスすることにより、プロセッサ200により実行しうるが、これは少なくとも128MBのサイズを持つRAMメモリを備えうる。マイクロプロセッサは、FreeScale Semiconductor, Inc.から入手可能な例えばi.MXシリーズプロセッサなどのさまざまな汎用産業用プロセッサを備えることができ、また少なくとも約300MHzの処理速度を持ちうる。こうしたプロセッサは、CAN電子システムがベッド上で使用される場合、統合型のCAN通信機能およびインターフェースを持つことがある。ただし、プロセッサが統合型のCAN機能を持たない場合には、別個のCANインターフェースを利用することができる。
【0034】
マイクロプロセッサ200は、ディスプレイインターフェース209を介してグラフィカルユーザーインターフェース50、52と通信し、それを駆動する。こうしたインターフェース209は、LVDS(low voltage differential signaling)トランスミッタおよびi2cバッファ回路、および/またはディスプレイの駆動用のその他の適切なドライバまたはインターフェース回路を備えうる。
【0035】
さらに、図4の実施例において、マイクロプロセッサ200は、スピーカー201を通じて音声を許容するスピーカーアンプ(増幅器)205を駆動する。また、マイクロプロセッサ200は、マイクロホン211からの音声入力を、マイクロホンアンプ203を介して受信する。したがって、警報、音楽、自然の音およびその他の音をマイクロプロセッサ200によってスピーカー201および/またはユーザーインターフェース50/52を通じて駆動できる。さらに、音声入力は、マイクロホン211を介して記録し、プロセッサ200を経由して格納することができる。
【0036】
この実施例において、マイクロプロセッサ200には、統合型のイーサネットインターフェースが含まれる。したがって、マイクロプロセッサ200は、ネットワークへの通信用の出力データをイーサネット形式で自動的に供給しうる。この形式にはヘッダー、データセクション、およびフッターを持つフレームが含まれる。ヘッダーには、送信者および意図されるネットワーク受信者の両方のMAC(Media Access Control)アドレスが含まれる。そのイーサネット通信回路を通して、マイクロプロセッサ200はまず、その接続が転送可能であるかのチェックを実行する。衝突が検出された場合(ネットワーク上の別のデバイスが、同時にイーサネットフレームを送信)には、最大時間を上限とする無作為な時間だけ待機した後、プロセッサ200はフレームを再転送する。この実施例では、プロセッサ200は内蔵型イーサネット通信出力を持つが、この目的で別の回路またはカードを使用することもできる。
【0037】
図4の実施例では、患者支持の電子システム110にWiFiインターフェース208が含まれることをさらに示している。このインターフェース208により、プロセッサ200はIEEE 802.11プロトコルなどの無線ローカルエリアネットワーク通信プロトコルを介してサーバー111(および/またはその他の機器)と通信できる。無線接続は、スペクトラム拡散および/または周波数分割多重伝送方式を利用することができ、また少なくとも900MHz、例えば1GHz以上の周波数で作動することができる。例えば、無線接続は約2.4GHzとしうる。
【0038】
図4の実施例に示すとおり、プロセッサ200および電子システム110の数多くの他の構成要素は、サーバー111からアイソレータ210によって電気的に絶縁されている。アイソレータ210は、誘導性、容量性、および/または光学的な絶縁回路を介して電気的絶縁を提供しうる。アイソレータ210は、少なくとも4.6mmの沿面距離、2.5mmの空間距離、および1500ボルトの絶縁破壊電圧を提供する。(空間距離とは、2つの導電性素子の間の空気の最短距離である。沿面距離とは、2つの導電性素子の間の絶縁材質の表面上の最短距離である。)別の実施態様において、アイソレータ210の絶縁能力により、少なくとも8.0mmの沿面距離、2.5mmの空間距離、および5000ボルトの絶縁破壊電圧が提供される。別の実施態様において、アイソレータ210は、少なくとも2.5mmの沿面距離および少なくとも2.0mmの空間距離、例えば少なくとも4.0mmの沿面距離および2.5mmの空間距離を持つ。
【0039】
アイソレータ210に接続されているのは、イーサネットインターフェース212であり、これによりアイソレータの信号をイーサネットプロトコル(上述のものなど)に変換する必要がある場合にはそれが提供される。例えば、アイソレータがシリアル信号を供給している場合、インターフェース212は、シリアル信号を変換または処理して、希望のイーサネット形式を生成する(逆もまた同様)、シリアル‐イーサネットコンバータとなりうる。インターフェース212に接続されているのは、イーサネット磁性体214であり、これにより、電気的絶縁、歪み除去およびEMI抑制が提供される。次に、信号は、イーサネットジャックまたはコネクタ216でイーサネット信号として供給され、サーバー111に配線される。
【0040】
図5は、患者支持用の電子制御システム2000の例証的な実施態様のブロック図である。この実施例において、マイクロプロセッサ202は、不揮発性ROMメモリ204上で揮発性RAMメモリ206を使用してオペレーティングシステム記憶装置を実行する。オペレーティングシステムは、患者支持用に特に設計されたものではない、例えば、Microsoftから入手できるWindows(登録商標)オペレーティングシステムなど、汎用の市販オペレーティングシステムを備えうる。ROMメモリ204には、ブラウザソフトウェアも含みうる。オペレーティングシステムおよび/またはブラウザにより、リモートサーバーと通信する際、システム2000がリモートサーバーに対するクライアントとして機能するようにしうる。Codecデバイス2010は、マイクロプロセッサ202からのデジタルデータストリームを、スピーカー209Rおよび209Lを駆動するスピーカーアンプ207によって使用されるアナログ信号に変換する。したがって、音楽や警報などの音声は、プロセッサ202から供給しうる。さらに、Codecデバイス2010は、マイクロホン211により生成(およびマイクロホンアンプ203により増幅)されたアナログ信号を、プロセッサ202によって使用するためにデジタル信号に変換する。
【0041】
マイクロプロセッサ202は、患者支持アクチュエータ電子システムへのインターフェースを通じて患者支持機能を制御し、ユーザーインターフェースへのインターフェースを通じてグラフィカルユーザーインターフェース機能を実行し、1つ以上のネットワークインターフェースを通じてリモートネットワークと通信し、およびリムーバブル記憶装置を駆動する。この例証的な実施態様のこうした機能を可能とする各種の回路についての詳細は、以下の説明において記載する。
【0042】
2つのCANインターフェース220および222(例えば、トランシーバ)が、この例証的な実施態様では提供されており、またこれらは、患者支持アクチュエータ制御電子システムへの接続性を提供する。これらのトランシーバ220、222は、マイクロプロセッサからCANネットワーク、またはその他のデバイスネットワークへのコマンドを供給し、次にこれが患者支持を移動させ、療法を提供し、保護し、および/または検知できるアクチュエータ(例えば、ポンプ、モーター、リニアアクチュエータ、ブロワー、センサーなど)を制御する。こうしたアクチュエータの一部の例は、図1〜4の実施例に関連して説明しているが、その他数多くが可能である。
【0043】
ディスプレイドライバ回路230、231、232、および233が提供されており、タッチスクリーン、LCDおよびその他のディスプレイなどのグラフィカルユーザーインターフェースを駆動する。この実施例において、LVDS回路230およびI2Cバッファ231は、第一のGUI、およびLVDS回路232を駆動し、およびI2Cバッファ233は第二のGUIを駆動する。
【0044】
ネットワークインターフェース回路も提供されている。インターフェース回路は、リモートネットワークコンピュータ(患者の部屋から遠隔)とのインターフェースをとる。この実施例において、ネットワークインターフェースは、プロセッサ202からのシリアル信号をイーサネット信号に変換するシリアル‐イーサネットコンバータ240を備える。例えば、コンバータ240は、イーサネットインターフェースボードまたはチップを備えうる。別の実施例において、プロセッサ202は、内蔵型イーサネット通信機能を持つプロセッサを備える。コンバータ240の出力は、イーサネット磁性体242に供給され、これが次にイーサネット信号をジャックまたはコネクタ244に供給する。この実施例において、コネクタ244はRJ45イーサネットジャックである。次に、イーサネットケーブルは、ネットワークからコネクタ244へと接続でき、患者支持電子システム2000との通信が可能となる。
【0045】
電気的アイソレータ246は、電子システム2000のネットワークからの電気的絶縁を提供する。この実施例において、アイソレータ246は、デジタル信号について動作し、よってデジタルアイソレータである。アイソレータ246は、デジタル信号を高速で変換できるマイクロ変圧器を使用することにより、誘導によってこうした絶縁を提供する。アイソレータ210は、少なくとも4mmの沿面距離および2.4mmの空間距離を持ち、また一実施態様において少なくとも最大240ボルトACを絶縁しうる。別の実施態様において、アイソレータ210は、2.0mmよりも大きい沿面距離および2.0mmよりも大きい空間距離を持つ。別の実施態様において、アイソレータ210は、少なくとも2.5mmの沿面距離および少なくとも2.5mmの空間距離を持つ。さらに別の実施態様において、アイソレータ210は、イーサネット磁性体242のそれよりも大きな沿面距離および空間距離を持つ。
【0046】
患者支持が位置する部屋の識別子も、プロセッサ202に配線248を介して供給される。これらの配線はアイソレータ246によって絶縁されている。部屋の識別情報は、ネットワーク接続時に壁ユニットからもたらされ、ネットワーク信号をコネクタ244に運ぶものと同一のケーブルで運ばれることもある。別の方法として、部屋のIDは、異なる通信経路によって供給されることもある。こうして、プロセッサ202が、部屋の識別子を、コネクタ244を介してネットワークに戻すこともある。信号は、ネットワーク通信パケットで、または別個の専用回線(転送ライン248TXなど)を介して供給されることもある。
【0047】
250に示すとおり、USBコネクタ(例えば、アウトレット、ポート、またはジャック)がこの実施例では提供されている。USBコネクタ250により、データがプロセッサ202によって携帯用のリムーバブルカードまたはメモリ素子またはスティックに格納でき、またプロセッサ202によって使用するためにカードまたはデバイスまたはスティックからプロセッサ202へ転送することもできるようになる。こうしたデータには、患者データ、患者支持データ、マルチメディアデータ、音声データ、画像データ、電子メールデータ、文書データ、または介護者、病院、または患者にとって有用なその他のデータや情報が含まれうる。USBコネクタ250は、メモリ204内のプログラムおよびオペレーティングシステムのアップグレードまたは修正に使用できる。コネクタ250は、患者支持をポンプ、ベンチレータ、またはモニターなどのその他の医療用装置に、または電話、カメラ、PDA、パーソナルコンピュータ、MP3プレーヤー、電子ブック装置、およびこれに類するものなど、その他の家電装置に接続するためにも使用できる。
【0048】
回路2000への電源は、必要に応じて各種の電源レベルを供給しうる電源コンバータ2100により供給しうる。この電源は、電力出力2110を介してなど、その他の装置に伝達されうる。
【0049】
当然ながら、本書の発明の原理をなおも利用したその他数多くの実施態様が可能である。例えば、図5の実施例では複数のクロック配線が提供されているが、その一方でクロック信号は、データと共に統合されたデータ/クロック配線を介して供給される。
【0050】
図6は、本開示の1つ以上の原理に従った患者支持の電子システムとリモートサーバーとの間の通信の例証的な方法の流れ図である。この方法に従い、患者支持は、演算300に示すとおり電源供給される。次に、汎用オペレーティングシステムおよびクライアントブラウザプログラムおよびベッド制御プログラムが、演算302に示すとおり、患者支持上のメモリに読み込まれる。患者支持の使用者が、演算304に示すとおり、URLを入力するか、そうでなければリンクまたはアイコンをクリックするなどして希望するサービスを示す。この目的で、タッチスクリーンまたは適切なその他のディスプレイおよび入力装置を使用しうる。要求がネットワークインターフェースを介してリモートサーバーに送信され、希望のリモートアプリケーションが起動されるか、またはブロック306に示すとおり、希望のリモートページにアクセスされる。
【0051】
ブロック308において、データは、リモートサーバーから患者支持および患者支持上のブラウザソフトウェアに転送され、サーバーからのデータによる命令どおりに画面に表示される。使用者は、演算310に示すとおり、データを入力するか、または患者支持上に表示された画面上にあるアイコンまたは場所を選択する。選択内容を表すデータが、演算312に示すとおり、患者支持からサーバーにネットワークインターフェースを介して、再び転送される。ネットワークインターフェースには、アイソレータ246、磁性体242、コネクタ244、コンバータ240、および/またはSpi‐WiFiブリッジ249、または適切なその他のインターフェースなどの上述した1つ以上のインターフェースが含まれうる。
【0052】
ブロック314に示すとおり、サーバーは選択したアプリケーションについてサーバー上のコード/プログラムにより、使用者のデータ選択に応答する。入力が、ブロック316に示すとおり患者支持で再び使用者により供給される。こうした入力は、上昇または下降あるいは傾斜または膨張もしくは療法の提供をする患者支持装置へのコマンドでもよく、またボタンまたはタッチスクリーンにより供給することもできる。演算318に示すとおり、ベッド制御プログラムがこの入力に応答し、適切なアクチュエータを制御して希望する患者支持機能を達成する。患者支持が作動している任意の時点で、リモートサーバーからのリモートアプリケーションの動作に関する追加的なコマンド、および患者支持の制御のための追加的なコマンドが提供されるように、プロセスが反復される。
【0053】
図7は、本開示の1つ以上の原理に従い構成されたサーバーおよびクライアントの患者支持装置を備えた病院ネットワークの一実施態様の概要図である。この実施態様において、クライアントソフトウェアブラウザ404を備えた患者支持が、サーバーのある病院ネットワーク400を介して接続されている。422に示すとおり、ネットワーク400はさらにモニターまたはポンプなどの各種のサードパーティ医療用装置、および一般計算アプリケーションなどのサードパーティアプリケーションに接続されている。さらに、ネットワーク400は、420に示すとおり、どの患者がどの部屋にいるかなど、患者および/または介護者の作業および病院内の場所を追跡するソフトウェアに接続されている。こうしたソフトウェアは、入院・退院・移動(ADT)ソフトウェアを備えうる。その上、418に示すとおり、介護者にとって、携帯可能なメッセージングまたは警報装置418が提供されることにもなり、これはサーバーとも通信する。こうした装置には、バッジ、ポケットベル、電話、またはその他の通信装置が含まれうる。
【0054】
ナースコールシステム416も、ネットワーク400と接続しうる。さらに、患者の生命徴候データなどの患者の監視に関するデータを、ネットワーク400に患者支持404を介してまたは直接的に伝達できる。その上、資産管理ソフトウェア412は、病院設備の追跡に使用でき、またネットワーク400に接続された1つ以上のコンピュータまたはサーバーで実行できる。また、サポートや診断に関する通信を、ネットワーク400を介して配信できる。したがって、多くの個別のソフトウェアおよびハードウェアがネットワーク400を通じて通信できる。ネットワーク400は、インターネットおよび/またはイーサネットプロトコルを利用して、こうした通信を提供しうる。
【0055】
図8は、本開示の1つ以上の原理に従い構成された患者支持の電子システムのまた別の実施態様のブロック図である。この実施態様は、図5の実施態様と類似している。したがって、図5に関する上記の説明の多くが、図8の実施態様について適用されるため、明らかな違い以外は、ここでは繰り返さない。特に、ディスプレイドライバ230および232には、クロック配線が含まれていないが、これは、この実施態様においてクロック信号がデータ回線(DO+およびDO-)を介して供給されているためである。また、この実施態様において、回路を外部のタッチスクリーンと接続できるようにするために、タッチスクリーンコントローラインターフェース450が提供されている(例えば、病院用ベッドにグラフィカル表示が含まれていない場合に、後付のタッチスクリーンを提供して、インターフェース450によって回路とのインターフェースをとることができる)。
【0056】
別の違いとしては、この実施例において、コネクタ244からイーサネット磁性体242を通過してプロセッサ202に入ってくるイーサネット信号を電気的に絶縁する(逆も同様)イーサネットアイソレータチップ452が提供されている。こうしたチップは、Halo Electronics、CoilCraft Inc、その他から入手できるものなどの10/100/および/または1000MBitの絶縁モジュールを備えることができ、また例えばIEC60601-1仕様に従い絶縁を提供できる。この実施態様において、USBコネクタ460は、介護者および/または患者が使用するために提供されている。USB絶縁チップ454が提供されており、患者/介護者がアクセスするUSB信号の電気的絶縁をする。ここで、アイソレータ452および454により提供される絶縁は、少なくとも2.5mmの沿面距離および少なくとも2.0mmの空間距離、例えば少なくとも4.6mmの沿面距離および2.5mmの空間距離を提供する。USBハブ466を経由してプロセッサ202を往来するUSB信号が提供されている。この実施例において、ハブ466はコネクタ460で信号を供給するアイソレータ454と通信する。ただし、追加的な非絶縁のUSBコネクタ462および464も提供されており、保守技術者、およびエンドユーザーを除くその他の人員によるプロセッサ202へのUSBアクセスが許容されている。追加的な通信ポート(USBポート470およびRS232ポート472)が、プログラミング、更新、点検およびこれに類する作業用に提供されている。
【0057】
本開示のさまざまな実施態様および原理についての上記の説明は、例証および説明の目的で提示したものである。これは網羅的であることも、開示内容を開示した正確な形態に限定することも意図していない。数多くの変更、修正および変形が当業者にとって明白となりうる。その上、発明の複数の態様や原理について提示してきたが、上記の各種の実施態様に鑑みれば、これらを組み合わせて利用する必要はなく、また発明の態様や原理のさまざまな組み合わせが可能である。したがって、上記の説明は、本書で開示または推奨した考えられるすべての変更、修正、態様、組み合わせ、原理、および変形、ならびに請求項により定められた発明の原理、精神および広範な請求範囲に該当するその他すべてを包括することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8