(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、TFTのしきい電圧を制御できる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するために、本発明の望ましい一実施形態によるTFTは、基板上に形成されたボトムゲート電極と、前記ボトムゲート電極の上部に形成された活性層と、前記活性層の上部に形成されたソース/ドレイン電極と、前記ソース/ドレイン電極を備える前記基板上に形成され、前記活性層に対応する開口を備えた平坦化膜と、前記開口に形成されたトップゲート電極と、を備えうる。
【0008】
さらに望ましくは、前記活性層は、酸化物半導体を含みうる。
【0009】
さらに望ましくは、前記トップゲート電極は、有機発光表示装置のカソードでありうる。
【0010】
さらに望ましくは、前記ボトムゲート電極に正の定電圧が印加され、前記トップゲート電極に負の定電圧が印加されうる。
【0011】
本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置は、TFTと電気的に連結され、平坦化膜の上部に形成された画素電極と、前記画素電極の上部に形成された画素定義膜と、前記平坦化膜及び前記画素定義膜をエッチングして、前記TFTの活性層に対応する前記平坦化膜の一部を露出させる第1開口、及び前記画素電極の一部を露出させる第2開口に形成された対向電極と、を備えうる。
【0012】
さらに望ましくは、前記TFTは、基板上に形成されたボトムゲート電極と、前記ボトムゲート電極の上部に形成された前記活性層と、前記活性層の上部に形成されたソース/ドレイン電極と、を備えうる。
【0013】
さらに望ましくは、前記対向電極は、前記TFTのトップゲート電極でありうる。
【0014】
本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置の製造方法は、平坦化膜の上部にTFTと電気的に連結される画素電極を形成する工程と、前記画素電極の上部に画素定義膜を形成する工程と、前記平坦化膜及び前記画素定義膜をエッチングして、前記TFTの活性層に対応する前記平坦化膜の一部を露出させる第1開口、及び前記画素電極の一部を露出させる第2開口を形成する工程と、前記第1開口及び前記第2開口の上部に対向電極を形成する工程と、を含みうる。
【0015】
さらに望ましくは、画素電極を形成する工程以前に、基板上にボトムゲート電極を形成する工程と、前記ボトムゲート電極の上部に前記活性層を形成する工程と、前記活性層の上部にソース/ドレイン電極を形成する工程と、前記ソース/ドレイン電極の上部に平坦化膜を形成する工程と、をさらに含みうる。
【0016】
さらに望ましくは、前記対向電極を形成する工程以前に、前記第2開口に発光層を形成する工程をさらに含みうる。
【0017】
さらに望ましくは、前記対向電極は、前記ボトムゲート電極に対応するトップゲート電極でありうる。
【0018】
本発明の望ましい一実施形態によるTFTの製造方法は、基板上にボトムゲート電極を形成する工程と、前記ボトムゲート電極の上部に活性層を形成する工程と、前記活性層の上部にソース/ドレイン電極を形成する工程と、前記ソース/ドレイン電極の上部に平坦化膜を形成する工程と、前記平坦化膜をエッチングして、前記活性層に対応する開口を形成する工程と、前記開口にトップゲート電極を形成する工程と、を含みうる。
【0019】
さらに望ましくは、前記トップゲート電極は、有機発光表示装置のカソードでありうる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ダブルゲート型TFTのトップゲートを表示装置の定電圧が印加される既存の電極層を利用することによって、製造工程及びモジュール構成が簡単になり、開口率を高めうる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の望ましい実施形態を、添付した図面を参照して説明する。図面上の同じ符号は、同じ要素を表す。下記で、本発明の説明において、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明確にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0023】
本発明の実施形態を説明する図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して表した。ある層や領域は、明細書の明確性のために、厚さを拡大して表した。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“上に”あるとする時、これは、他の部分の“すぐその上に”ある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による酸化物半導体を含む薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を概略的に示した断面図である。
【0025】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態によるTFTは、ボトムゲート電極21、活性層22、活性層22の両側に形成されたソース/ドレイン電極23,24、及びトップゲート電極25を備えるダブルゲート型NMOSトランジスタである。
【0026】
具体的には、基板11上にボトムゲート電極21が形成され、前記基板11及び前記ボトムゲート電極21を覆うように、ゲート絶縁膜13が形成される。前記ゲート絶縁膜13上に酸化物半導体で形成された活性層22が形成される。そして、前記活性層22を覆う層間絶縁膜15が形成される。前記層間絶縁膜15上には、ソース/ドレイン電極23,24がコンタクトホールを通じて前記活性層22と連結され、これを覆うように平坦化膜17が形成される。前記平坦化膜17の上部には、画素間の混色を防止するために、画素定義膜19が形成される。前記画素定義膜19と前記平坦化膜17とをパターニングして、前記活性層22に対応するホール27を形成し、前記ホール27にトップゲート電極25を形成する。
【0027】
前記活性層22は、透明な酸化物半導体で形成され、前記ソース/ドレイン電極23,24の間にチャネルを形成する。
【0028】
酸化物半導体が活性層として使用される酸化物TFTにあって、NMOSが安定した特性を有する時、しきい電圧(Threshold Voltage:Vth)が(−)値を有するか、又は(−)値に近いときには、回路動作時に誤動作を起こす場合がある。また、補償回路適用時に、Vthが(−)値を有すると、補償が正常に行われないかもしれない。
【0029】
したがって、Vthを調整するか、或いは(-)値から(+)方向にシフトさせることが必要であり、このために、工程を変えるか、またはチャネルの幅及び長さ(W/L)を調節する方法がある。このような方法は、信頼性が確保されていないという短所がある。
【0030】
本発明は、前記トップゲート電極25にバイアスを印加してVthを(+)方向にシフトさせ、表示装置の既存の電極層のうち固定電圧が印加される電極層を、前記TFTのトップゲート電極25として利用する。したがって、トップゲート電極を別途に形成する必要がなく、トップゲート電極にバイアスを印加するための外部電源及び配線も不要であるため、表示装置の開口率が高く、工程不良の要因が少なくなる。
【0031】
以下では、前記トップゲート電極25として有機発光表示装置のカソードを利用する実施形態を説明する。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態によるダブルゲート型TFTを備える有機発光表示装置を概略的に示す断面図である。
【0033】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による有機発光表示装置は、酸化物半導体を含むダブルゲート型TFTを備える駆動部と、有機発光素子ELを備える発光部と、及びキャパシタCstを有する保存部とを備える。
【0034】
前記ダブルゲートTFTは、ボトムゲート電極21、活性層22、活性層22の両側に形成されたソース/ドレイン電極23,24を備えるダブルゲート構造のNMOSトランジスタである。さらに、前記ダブルゲートTFTにあって、有機発光素子ELの対向電極35はトップゲート電極として利用される。
【0035】
具体的には、基板11上にボトムゲート電極21が形成され、前記基板11及び前記ボトムゲート電極21を覆うように、ゲート絶縁膜13が形成される。前記ゲート絶縁膜13上に酸化物半導体で形成された活性層22が形成される。そして、前記活性層22を覆う層間絶縁膜15が形成される。前記層間絶縁膜15上には、前記ソース/ドレイン電極23,24がコンタクトホールを通じて前記活性層22と連結され、これを覆うように、平坦化膜17が形成される。前記活性層22は、透明な酸化物半導体で形成され、前記ソース/ドレイン電極23,24の間にチャネルを形成する。前記平坦化膜17の前記活性層22に対応する領域には、開口が形成されており、前記開口に前記発光部の対向電極35が形成される。
【0036】
前記有機発光素子ELは、前記TFTのソース/ドレイン電極23,24のうち一つと接続された画素電極31、対向電極35及びその間に介された発光層を備える中間層33で構成される。前記画素電極31は、アノードとして機能し、前記対向電極35は、カソードとして機能すると同時に、前記TFTのトップゲート電極TGとして機能する。
【0037】
前記キャパシタCstは、第1電極41及び第2電極43で形成され、これらの間に前記ゲート絶縁膜13と前記層間絶縁膜15とが介在される。
【0038】
本発明は、前記TFTのトップゲート電極TGである発光部の対向電極35にカソード電圧(すなわち、(−)定電圧)を印加し、前記ボトムゲート電極21に(+)電圧を印加し、前記活性層22にnチャネルの形成を助けることによって、しきい電圧を+方向にシフトさせる。
【0039】
図3ないし
図7は、本発明の望ましい一実施形態によるダブルゲート型TFTを備える有機発光表示装置の製造工程を概略的に示した断面図である。
【0040】
図3を参照すれば、基板11の上部にTFTのボトムゲート電極21を形成する。
【0041】
TFTのボトムゲート電極21を形成する前に、基板11上にバッファ層(図示せず)をさらに形成しうる。前記バッファ層は、基板11から前記基板11の上部に配列される層であって、不純物の浸透を遮断する役割を行える。バッファ層は、SiO
2及び/またはSiNxを含みうる。
【0042】
前記基板11は、SiO
2を主成分とする透明なガラス材質で形成されうる。また、前記基板11は、プラスチック材質を含みうる。前記基板11は、メタルホイール及びフレキシブル基板を備えうる。
【0043】
前記ボトムゲート電極21は、Au、Ag、Cu、Ni、Pt、Pd、Al、Mo、W、Ti、またはAl:Nd、Mo:W合金のような金属または金属の合金で形成されうるが、これに限定されず、隣接層との密着性、積層される層の平坦性、電気抵抗及び加工性を考慮して、多様な材料を使用しうる。
【0044】
図4を参照すれば、ボトムゲート電極21の上部に、ゲート絶縁膜13と活性層22とが順次に形成される。
【0045】
前記ボトムゲート電極21が形成された基板11上に、ゲート絶縁膜13が形成される。前記ゲート絶縁膜13は、酸化シリコンまたは窒化シリコンのような絶縁性物質で形成され、それ以外にも、絶縁性有機物で形成されることもある。
【0046】
次いで、前記ゲート絶縁膜13の上部に、前記活性層22が形成される。前記活性層22は、前記ボトムゲート電極21とオーバーラップされるチャネル領域を備え、酸化物半導体を含みうる。前記活性層22は、In、Ga、Zn、Sn、Sb、Ge、Hf及びAsを含むグループから選択される少なくとも一つ以上の元素を含有する酸化物半導体を含みうる。例えば、前記酸化物半導体として、ZnO、SnO
2、In
2O
3、Zn
2SnO
4、Ga
2O
3及びHfO
2を含むグループから選択される少なくとも一つを含みうる。また、前記活性層22は、透明な酸化物半導体で形成されうる。透明な酸化物半導体は、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、Ga−In−Zn酸化物、In−Zn酸化物、In−Sn酸化物を含み、これに限定されない。前記活性層22は、物理的な蒸着法であるスパッタリング法を利用して形成しうる。前記活性層22は、素子で要求される抵抗値によって、酸素流量をコントロールして形成されうる。
【0047】
図5を参照すれば、前記活性層22の上部に、層間絶縁膜15及びソース/ドレイン電極23,24が順次に形成される。
【0048】
まず、活性層22が形成された前記基板11上に、前記層間絶縁膜15が形成される。前記層間絶縁膜15は、酸化シリコンまたは窒化シリコンのような絶縁性物質で形成され、それ以外にも、絶縁性有機物で形成されることもある。
【0049】
前記層間絶縁膜15を選択的に除去してコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホールが埋め込まれるように、層間絶縁膜15上に単一層または複層の形状に前記ソース/ドレイン電極23,24を形成する。前記ソース/ドレイン電極23,24は、前記コンタクトホールを通じて前記活性層22の両側と接触する。前記ソース/ドレイン電極23,24は、導電性物質を使用して形成でき、例えば、Cr、Pt、Ru、Au、Ag、Mo、Al、W、CuまたはAlNdのような金属、またはITO(Indium Tin Oxide)、GIZO(Gallium Indium Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、AZO(Alluminum Zinc Oxide)、IZO(InZnO)またはAZO(AlZnO)のような金属または導電性酸化物を使用できる。
【0050】
図6を参照すれば、前記ソース/ドレイン電極23,24が形成された前記基板11の上部に、平坦化膜17が備えられて下部のTFTを保護し、かつ平坦化させる。
【0051】
前記平坦化膜17は、多様な形態に構成されうるが、BCB(Benzo CyClo Butene)またはアクリルのような有機物、またはSiNxのような無機物で形成されることもある。また、前記平坦化膜17は、単層に形成されるか、二重あるいは多重層に構成されることもあるなど、多様な変形が可能である。
【0052】
前記平坦化膜17の上部には、画素電極31が形成され、前記画素電極31は、コンタクトホール29を通じて、ソース/ドレイン電極23,24のうち一つの電極に電気的に連結される。
【0053】
前記画素電極31は、多様な導電性物質で形成されうる。ディスプレイ装置が基板11の方向に画像が具現される背面発光型である場合、前記画素電極31は、透明電極となり、仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはIn
2O
3で形成されうる。ディスプレイ装置が基板11の逆方向に画像を具現する前面発光型である場合、前記画素電極31は、反射電極で備えられ、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca及びこれらの化合物で反射膜を形成した後、その上に仕事関数の高いITO、IZO、ZnO、またはIn
2O
3を形成してなされうる。
【0054】
前記画素電極31を含む基板全体にわたって画素定義膜19を蒸着する。前記画素定義膜19は、単位画素部を定義する。前記画素定義膜19は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン及びフェノール樹脂からなる群から選択される一つ以上の有機絶縁物質であり、スピンコーティング法によって形成されうる。一方、前記画素定義膜19は、前記のような有機絶縁物質だけでなく、SiO
2、SiNx、Al
2O
3、CuOx、Tb
4O
7、Y
2O
3、Nb
2O
5、Pr
2O
3から選択された無機絶縁物質で形成されうる。また、前記画素定義膜19は、有機絶縁物質と無機絶縁物質とが交互する多層構造に形成されることもある。
【0055】
前記活性層22に対応する前記画素定義膜19と前記平坦化膜17との一部をエッチングして、第1開口27を形成する。また、前記画素定義膜19をエッチングして、前記画素電極31の一部を露出させる第2開口37を形成する。
【0056】
図7を参照すれば、前記第2開口37に発光層を備える中間層33を形成し、前記中間層33を覆うように、前記基板11の全面に対向電極35を形成する。
【0057】
前記中間層33は、有機発光層(Emission Layer:EML)、それ以外に、正孔輸送層(Hole Transport Layer:HTL)、正孔注入層(Hole Injection Layer:HIL)、電子輸送層(Electron Transport Layer:ETL)、及び電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)などの機能層のうちいずれか一層以上の単一あるいは複層の構造に積層されて形成されうる。
【0058】
前記中間層33は、低分子または高分子有機物で備えられうる。
【0059】
低分子有機物で形成される場合、前記中間層33は、有機発光層を中心に、前記画素電極31の方向に正孔輸送層及び正孔注入層が積層され、前記対向電極35の方向に電子輸送層及び電子注入層が積層される。それ以外にも、必要に応じて、多様な層が積層されうる。この時、使用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)をはじめとして、多様に適用可能である。
【0060】
一方、高分子有機物で形成される場合、前記中間層33は、有機発光層を中心に、前記画素電極31の方向に正孔輸送層のみが備えられうる。正孔輸送層は、ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT)や、ポリアニリン(PANI)を使用して、インクジェットプリンティング法やスピンコーティング法によって、画素電極31の上部に形成しうる。この時、使用可能な有機材料として、PPV(Poly-Phenylene Vinylene)系及びポリフルオレン系などの高分子有機物を使用でき、インクジェットプリンティングやスピンコーティングまたはレーザを利用した熱転写方式などの通常の方法でカラーパターンを形成しうる。
【0061】
前記対向電極35は、前記第1開口27及び前記第2開口37を覆い、前記基板11の全面に蒸着されうる。本実施形態による有機発光表示装置の場合、前記画素電極31は、アノードとして使われ、前記対向電極35は、カソードとして使われる。
【0062】
前記対向電極35は、前記第1開口27を覆い、前記ボトムゲート電極21に対向するトップゲート電極TGとして機能し、前記第2開口37を覆い、前記画素電極31に対向するカソードとして機能する。
【0063】
有機発光表示装置が前記基板11の方向に画像が具現される背面発光型である場合、前記対向電極35は、反射電極となる。この時、反射電極は、仕事関数の小さい金属、例えば、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、またはこれらの化合物を薄く蒸着して形成しうる。ディスプレイ装置が前記対向電極35の方向に画像を具現する前面発光型である場合、前記対向電極35は、透明電極となり、仕事関数の小さい金属、すなわち、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca及びこれらの化合物を蒸着した後、その上にITO、IZO、ZnO、またはIn
2O
3などの透明導電物質で補助電極層やバス電極ラインを形成しうる。
【0064】
一方、前記図面には示されていないが、前記対向電極35上には、外部の水分や酸素から有機発光層を保護するための密封部材(図示せず)及び吸湿剤(図示せず)がさらに備えられうる。
【0065】
図8及び
図9は、本発明の一実施形態によるダブルゲート型TFTの電気的特性を示したグラフである。
【0066】
図8は、従来のダブルゲート型TFTのトップゲート電極に電圧を印加しない場合(すなわち、従来のシングルゲート型TFTと同一に動作する場合)、及び本発明のダブルゲート型TFTでトップゲート電極にそれぞれ−3Vと−6Vを印加した場合、ボトムゲート−ソース間電圧(ゲート電圧:Vg)及びドレイン−ソース間電流(ドレイン電流:Id)特性を示している。横軸は、ゲート電圧であり、縦軸は、ドレイン電流を表す。そして、ドレイン−ソース間電圧(ドレイン電圧:Vds)が、それぞれ5.1Vと0.1Vである場合を共に示した。
【0067】
図8を参照すれば、従来のシングルゲート型TFTでは、しきい電圧が(−)に近いが、本発明のダブルゲート型TFTでは、しきい電圧がそれぞれ右側に移動して、(+)方向にシフトされたことが分かる。
【0068】
例えば、トップゲート電極にそれぞれ−3Vと−6Vとを印加した場合、しきい電圧が約6V、12Vとなることが分かる。
【0069】
図9は、本発明の一実施形態によるダブルゲート型TFTで、トップゲート電極に印加されたバイアス電圧に対するしきい電圧の変化を示している。左側グラフは、活性層の長さが36μmであり、右側グラフは、活性層の長さが18μmである場合を表す。
【0070】
図9を参照すれば、トップゲート電極にバイアス電圧をそれぞれ0V、−3V、−6Vに印加した場合、しきい電圧が(+)方向に移動し、この時、活性層の長さが短いほど、しきい電圧がさらに高いことが分かる。
【0071】
また、活性層とトップゲートとの距離Dがそれぞれ800Å、1600Å、2000Åと異なる場合、距離Dが近いほど、しきい電圧の変化量がさらに大きく、距離Dが異なる場合にも、しきい電圧が(+)方向に移動していることが分かる。
【0072】
図10は、本発明の一実施形態による有機発光表示装置の一部を概略的に示した回路図である。
図11は、
図10の画素に備えられたTFTを概略的に示した平面図である。
【0073】
図10を参照すれば、本発明の有機発光表示装置は、有機発光パネル100、スキャンドライバ200、データドライバ300及びタイミングコントローラ400を備える。
【0074】
前記有機発光パネル100は、多数のスキャンラインS1〜Sn、多数のデータラインD1〜Dm及び多数の画素Pを含む。多数のスキャンラインS1〜Snは、一定に離隔されて行に配列され、それぞれスキャン信号を伝達し、多数のデータラインD1〜Dmは、一定に離隔されて列に配列され、それぞれデータ信号を伝達する。多数のスキャンラインS1〜Snと多数のデータラインD1〜Dmは、マトリックス状に配列され、この時、その交差部には、一つの画素Pが形成される。
【0075】
前記スキャンドライバ200は、前記有機発光パネル100のスキャンラインS1〜Snに連結されて、ゲートオン電圧とゲートオフ電圧との組合わせからなるスキャン信号をスキャンラインS1〜Snに印加する。この時、前記スキャンドライバ200は、多数のスキャンラインS1〜Snにそれぞれ印加される多数の選択信号が順次にゲートオン電圧を有するように、スキャン信号を印加しうる。そして、スキャン信号がゲートオン電圧を有する場合に、当該スキャンラインに連結されるスイッチングトランジスタがターンオンされる。
【0076】
前記データドライバ300は、前記有機発光パネル100のデータラインD1〜Dmに連結されて、階調を表すデータ信号をデータラインD1〜Dmに印加する。前記データドライバ300は、前記タイミングコントローラ400から入力される階調を有する入力画像データDataを電圧または電流形態のデータ信号に変換する。
【0077】
前記タイミングコントローラ400は、外部のグラフィック制御器(図示せず)から入力画像データData及びその表示を制御する入力制御信号を提供される。入力制御信号には、例えば、水平同期信号Hsync、垂直同期信号Vsync及びメインクロックMCLKがある。前記タイミングコントローラ400は、入力画像データDataを前記データドライバ300に伝達し、スキャン制御信号CONT1及びデータ制御信号CONT2を生成して、それぞれ前記スキャンドライバ200及び前記データドライバ300に伝達する。スキャン制御信号CONT1は、スキャン開始を指示するスキャン開始信号SSPと多数のクロック信号SCLKとを含み、データ制御信号CONT2は、一行の画素に対する入力画像データの伝達を指示する水平同期開始信号STHとクロック信号とを含む。
【0078】
前記画素Pには、各画素の動作を制御するスイッチング素子及び画素を駆動させる駆動素子としてのTFTと発光部とが備えられる。
【0079】
前記TFTは、酸化物半導体を含むダブルゲート型TFTであって、発光部のカソードをトップゲート電極として利用する、NMOSトランジスタに具現されうる。
【0080】
図11を参照すれば、前記TFTは、ボトムゲート電極21の上部に活性層22を備え、前記活性層22の両側にオーバーラップされるソース/ドレイン電極23,24を備え、前記活性層22の中央部に対応して、トップゲート電極を形成するための第1開口27を形成する。
【0081】
前記ボトムゲート電極21と前記活性層22との間には、ゲート絶縁膜13が介され、前記ソース/ドレイン電極23,24は、層間絶縁膜15を介して前記活性層22と接触し、前記ソース/ドレイン電極23,24の上部には、平坦化膜17と画素定義膜19とがさらに形成される。そして、前記平坦化膜17と前記画素定義膜19とをエッチングして、前記活性層22の中央部に対応する位置に、前記第1開口27を形成する。
【0082】
前記TFTが有機発光表示装置に適用される場合、前記第1開口27にカソードとして機能する電極層が形成され、トップゲート電極として機能する。
図11のA−A'線に沿って切断された断面は、
図6のTFT領域に示された。
【0083】
一方、前述した実施形態では、本発明のダブルゲート型TFTが有機発光表示装置に適用された場合を例として説明したが、本発明は、これに限定されず、固定電圧が印加される電極層を備える液晶表示装置をはじめとした多様な表示装置ならば、本発明のダブルゲート型TFTを使用できる。
【0084】
本発明は、図面に示された実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが分かるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。