(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917844
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】カンデサルタンシレキセチル製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4184 20060101AFI20160428BHJP
A61K 31/635 20060101ALI20160428BHJP
A61K 31/4422 20060101ALI20160428BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20160428BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20160428BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20160428BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20160428BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20160428BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20160428BHJP
A61J 3/10 20060101ALI20160428BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20160428BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20160428BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20160428BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
A61K31/4184
A61K31/635
A61K31/4422
A61K9/20
A61K47/14
A61K47/36
A61K47/20
A61K47/38
A61K47/10
A61J3/10 A
A61P9/12
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/12
【請求項の数】24
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-140906(P2011-140906)
(22)【出願日】2011年6月24日
(65)【公開番号】特開2013-6797(P2013-6797A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228590
【氏名又は名称】日本ケミファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146259
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 諭志
(74)【代理人】
【識別番号】100124822
【弁理士】
【氏名又は名称】千草 新一
(72)【発明者】
【氏名】望月 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】柳本 剛
(72)【発明者】
【氏名】岡田 瑠生
(72)【発明者】
【氏名】林 和矢
(72)【発明者】
【氏名】牧野 良太
(72)【発明者】
【氏名】中島 康賀
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 香織
【審査官】
石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/013237(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/065097(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0208583(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0048316(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02165702(EP,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02106789(EP,A1)
【文献】
国際公開第2010/027101(WO,A1)
【文献】
特開2007−269716(JP,A)
【文献】
特開2012−153631(JP,A)
【文献】
特開2012−149056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/48
A61J 3/10
A61P 9/12
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩、並びにカルナウバロウを配合してなる錠剤。
【請求項2】
(a)結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩、
(b)賦形剤、
(c)結合剤、
(d)滑沢剤、
(e)カルナウバロウを配合してなる錠剤。
【請求項3】
結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩を組成物中、1〜10重量%含有する請求項2に記載の錠剤。
【請求項4】
カルナウバロウを組成物中、0.5〜15重量%含有する請求項2又は3に記載の錠剤。
【請求項5】
賦形剤として、乳糖、トウモロコシデンプン、マンニトール、結晶セルロースから選択されるものを含む請求項2〜4のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項6】
結合剤として、ヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンから選択されるものを含む請求項2〜5のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項7】
滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである請求項2〜6のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項8】
添加物として、更に崩壊剤を配合する請求項2〜7のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項9】
崩壊剤として、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース又はカルボキシメチルスターチナトリウムから選択されるものを含む請求項8に記載の錠剤。
【請求項10】
さらに持続的Ca拮抗剤及び/又は利尿薬を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項11】
持続的Ca拮抗剤がアムロジピンであり、利尿薬がヒドロクロロチアジドである、請求項10に記載の錠剤。
【請求項12】
(a)1〜10重量%の結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩、
(b)乳糖、トウモロコシデンプン、マンニトール、結晶セルロースから選択される賦形剤、
(c)ヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンから選択される結合剤、
(d)0.5〜15重量%のカルナウバロウ、
(e)任意に、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース又はカルボキシメチルスターチナトリウムから選択される崩壊剤、及び
(f)任意に、着色剤、
(g)ステアリン酸マグネシウム、
を配合してなる錠剤。
【請求項13】
乳糖が、無水乳糖または乳糖水和物である、請求項5〜12のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項14】
カンデサルタン シレキセチル、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、カルナウバロウ、及びステアリン酸マグネシウムからなり、夫々、カンデサルタン シレキセチル6.0、乳糖120.0、ヒドロキシプロピルセルロース6.0、カルナウバロウ6.0、ステアリン酸マグネシウム0.4の質量比で含有する錠剤。
【請求項15】
さらにクエン酸トリエチル及び/又はラウリル硫酸ナトリウムを0.5〜15重量%含有する請求項1〜14のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項16】
結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩、賦形剤、結合剤、並びにカルナウバロウを混合、造粒し、造粒物を得た後、滑沢剤を加え、混合後、打錠することによる錠剤の製造法。
【請求項17】
結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩、賦形剤、結合剤、並びにカルナウバロウを混合し、水を加えて造粒し、得られた造粒物を乾燥、整粒し、滑沢剤を加え、混合後、打錠することによる、請求項16に記載の錠剤の製造法。
【請求項18】
(a)1〜10重量%の結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩、
(b)乳糖、トウモロコシデンプン、マンニトール、結晶セルロースから選択される賦形剤、
(c)ヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンから選択される結合剤、
(d)0.5〜15重量%のカルナウバロウ、
(e)任意に、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース又はカルボキシメチルスターチナトリウムから選択される崩壊剤、及び
(f)任意に、着色剤、
を混合し、水を加えて造粒し、得られた造粒物を乾燥、整粒し、ステアリン酸マグネシウムを加え、混合後、打錠することによる錠剤の製造法。
【請求項19】
さらに持続的Ca拮抗剤及び/又は利尿薬を混合し、造粒する、請求項16〜18のいずれか一項に記載の錠剤の製造法。
【請求項20】
持続的Ca拮抗剤がアムロジピンであり、利尿薬がヒドロクロロチアジドである、請求項19に記載の錠剤の製造法。
【請求項21】
さらにフィルムコーティングを施す、請求項16〜20のいずれか一項に記載の錠剤の製造法。
【請求項22】
乳糖が、無水乳糖または乳糖水和物である、請求項18〜21のいずれか一項に記載の錠剤の製造法。
【請求項23】
(a)1質量部の結晶性のカンデサルタン シレキセチルに対して、
(b)20質量部の乳糖水和物、
(c)1質量部のヒドロキシプロピルセルロース、及び、
(d)1質量部のカルナウバロウ、
を混合し、2質量部の水を加えて造粒後、乾燥し、整粒し、15分の1質量部のステアリン酸マグネシウムを加え、混合後、打錠することによる錠剤の製造法。
【請求項24】
さらにクエン酸トリエチル及び/又はラウリル硫酸ナトリウムを0.5〜15重量%となるように混合し、造粒後、滑沢剤を加え、混合後、打錠することによる、請求項16〜23のいずれか一項に記載の錠剤の製造法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存安定性が向上されたカンデサルタン シレキセチル製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
カンデサルタン シレキセチル(Candesartan Cilexetil)は、持続性アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有し、高血圧症、腎実質性高血圧症、並びに軽症〜中等症の慢性心不全の治療薬として広く本邦において使用されている。(特許文献1)
ところで、結晶性のカンデサルタン シレキセチルは、それ自体は温度、湿度、光に対して安定であるが、錠剤化した場合、製造工程における圧力、摩擦、熱等により結晶の歪みが生じ、これにより、経日的な分解物増加、含量低下が加速される旨の報告がなされている。(特許文献2)
特許文献2では、ポリエチレングリコール6000、ステアリールアルコール、ショ糖脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステル等の低融点油脂状物質を配合することで、顕著に有効成分であるカンデサルタン シレキセチルの分解が抑えられ、錠剤の保存安定性が向上した旨、報告している。
一方、特許文献3では、錠剤化の間の劣化に対しカンデサルタン シレキセチルを適切に安定化させる目的でカラゲナンを配合した医薬組成物を報告している。
また、特許文献4では、非イオン性界面活性剤を含んで成る生物学的利用能が改善されたカンデサルタン シレキセチル製剤を報告している。
このように製剤を安定化することは、製品の品質担保に非常に重要であり、製品価値を高めることにも繋がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2514282号
【特許文献2】特許第2682353号
【特許文献3】特表2008−528456
【特許文献4】特表2010−535212
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は保存安定性が向上されたカンデサルタン シレキセチル製剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは結晶性のカンデサルタン シレキセチルにクエン酸トリエチル、カルナウバロウ及びラウリル硫酸ナトリウムから選択された添加物を配合することで、カンデサルタン シレキセチルの分解が抑えられ、保存安定性が向上した錠剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は 結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩にクエン酸トリエチル、カルナウバロウ及びラウリル硫酸ナトリウムから選択された添加物を配合した経口用固形医薬組成物に関する。
また、本発明は、結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩にクエン酸トリエチル、カルナウバロウ及びラウリル硫酸ナトリウムから選択された添加物を配合した錠剤の製造法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明を更に詳細に説明する。
本発明組成物としては好ましくは次の組成物が挙げられる。
(1)
(a)結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩、
(b)賦形剤、
(c)結合剤、
(d)滑沢剤、
(e)クエン酸トリエチル、カルナウバロウ及びラウリル硫酸ナトリウムから選択された添加物を
配合してなる経口用固形医薬組成物。
(2)
錠剤である上記(1)記載の組成物。
(3)
結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩を組成物中、1〜10重量%含有する上記(1)又は(2)記載の組成物。
(4)
クエン酸トリエチル、カルナウバロウ及びラウリル硫酸ナトリウムから選択された添加物を組成物中、0.5〜15重量%含有する上記(1)〜(3)記載の組成物。
(5)
賦形剤が、乳糖、トウモロコシデンプン、マンニトール、結晶セルロースから選択されるものを含む上記(1)〜(4)記載の組成物。
(6)
結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース又はポビドンから選択されるものを含む上記(1)〜(5)記載の組成物。
(7)
滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである上記(1)〜(6)記載の組成物。
(8)
添加物として、更に崩壊剤を配合する上記(1)〜(7)記載の組成物。
(9)
崩壊剤がカルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムカルメロース、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース又はカルボキシメチルスターチナトリウムから選択されるものを含む上記(8)記載の組成物。
(10)添加物として、更に酸化鉄等の着色剤を配合する(1)〜(9)記載の組成物。
【0007】
次に本発明の経口用固形医薬組成物のうち、錠剤の製造法を述べる。
まず、結晶性のカンデサルタン シレキセチル又はその塩、賦形剤、結合剤、並びにクエン酸トリエチル、カルナウバロウ及びラウリル硫酸ナトリウムから選択された添加物を混合し、水を加え造粒する。
得られた造粒物を乾燥、整粒する。ここで得られた顆粒に滑沢剤を加え混合後、打錠する。更に得られた錠剤にフィルムコーテイングを施すことも可能である。
また、本発明の経口用固形医薬組成物は公知の直打法や乾式造粒法で製造することもできる。
【0008】
次に、本発明の経口用固形医薬組成物(錠剤)の安定性試験結果を示す。
表4、7に示すように結晶性のカンデサルタン シレキセチルに、クエン酸トリエチル、カルナウバロウ又はラウリル硫酸ナトリウムを配合した実施例1〜3記載の本発明の経口用固形医薬組成物(錠剤)は、クエン酸トリエチル、カルナウバロウ又はラウリル硫酸ナトリウムを配合しない比較例1、2記載の錠剤に対し、安定性が優れていることが判明した。
従って、本発明の経口用固形医薬組成物は、成形による経日的な分解が抑制された保存安定な向上された製剤である。
なお、本発明の経口用固形医薬組成物は、有効成分としてカンデサルタン シレキセチルのみ含有するものの他、有効成分がカンデサルタン シレキセチルと持続的Ca拮抗剤(アムロジピン)や利尿薬(ヒドロクロロチアジド)等との配合剤も本発明に含まれる。
次に実施例、比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【実施例】
【0009】
実施例1
結晶性のカンデサルタン シレキセチル1g、乳糖水和物20g、ヒドロキシプロピルセルロース1gを小型粉砕機にて混合し、水2g、クエン酸トリエチル1gを加えて造粒後、箱型乾燥機にて乾燥し、篩にて整粒した。得られた顆粒に対して、ステアリン酸マグネシウムを0.3%加えて混合し、単発打錠機にて7.0mmφ、重量138.4mgであり、包装工程や輸送中の衝撃に耐えられる硬度の錠剤を得た。
実施例1の処方を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
実施例2
結晶性のカンデサルタン シレキセチル1g、乳糖水和物20g、ヒドロキシプロピルセルロース1g、カルナウバロウ1gを小型粉砕機にて混合し、水2gを加えて造粒後、箱型乾燥機にて乾燥し、篩にて整粒した。得られた顆粒に対して、ステアリン酸マグネシウムを0.3%加えて混合し、単発打錠機にて7.0mmφ、重量138.4mgであり、包装工程や輸送中の衝撃に耐えられる硬度の錠剤を得た。
実施例2の処方を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
比較例1
結晶性のカンデサルタン シレキセチル1g、乳糖水和物21g、ヒドロキシプロピルセルロース1gを小型粉砕機にて混合し、水2gを加えて造粒後、箱型乾燥機にて乾燥し、篩にて整粒した。得られた顆粒に対して、ステアリン酸マグネシウムを0.3%加えて混合し、単発打錠機にて7.0mmφ、重量138.4mgであり、包装工程や輸送中の衝撃に耐えられる硬度の錠剤を得た。
比較例1の処方を表3に示す。
【0014】
【表3】
【0015】
安定性試験1
(試験方法)
実施例1、2及び比較例1で得られた錠剤を40℃で、1週間及び2週間保存後、主分解物であるデスエチル体の有効成分であるカンデサルタン シレキセチルに対する割合(%)を液体クロマトグラフィーで測定した。液体クロマトグラフィー条件は以下のとおりである。
カラム:内径3.9mm、長さ15cmのODSカラム
移動相A:アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(57:43:1)
移動相B:アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(90:10:1)
【0016】
(試験結果)
試験結果を表4に示す。
表4から明らかなように、クエン酸トリエチル又はカルナウバロウを配合した実施例1及び2記載の本発明組成物(錠剤)は、比較例1記載の錠剤に比べて安定性が優れていることが判明した。
【0017】
【表4】
【0018】
実施例3
結晶性のカンデサルタン シレキセチル0.5g、乳糖水和物10g、ヒドロキシプロピルセルロース0.5g、ラウリル硫酸ナトリウム0.5gを小型粉砕機にて混合し、水1gを加えて造粒後、箱型乾燥機にて乾燥し、篩にて整粒した。得られた顆粒に対して、ステアリン酸マグネシウムを0.3%加えて混合し、単発打錠機にて7.0mmφ、重量138.4mgであり、包装工程や輸送中の衝撃に耐えられる硬度の錠剤を得た。
実施例3の処方を表5に示す。
【0019】
【表5】
【0020】
比較例2
結晶性のカンデサルタン シレキセチル0.5g、乳糖水和物10.5g、ヒドロキシプロピルセルロース0.5gを小型粉砕機にて混合し、水1gを加えて造粒後、箱型乾燥機にて乾燥し、篩にて整粒した。得られた顆粒に対して、ステアリン酸マグネシウムを0.3%加えて混合し、単発打錠機にて7.0mmφ、重量138.4mgであり、包装工程や輸送中の衝撃に耐えられる硬度の錠剤を得た。
比較例2の処方を表6に示す。
【0021】
【表6】
【0022】
安定性試験2
(試験方法)
実施例3及び比較例2で得られた錠剤を40℃で、1週間及び2週間保存後、主分解物であるデスエチル体の有効成分であるカンデサルタン シレキセチルに対する割合(%)を液体クロマトグラフィーで測定した。液体クロマトグラフィー条件は以下のとおりである。
カラム:内径3.9mm、長さ15cmのODSカラム
移動相A:アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(57:43:1)
移動相B:アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(90:10:1)
【0023】
(試験結果)
試験結果を表7に示す。
表7から明らかなように、ラウリル硫酸ナトリウムを配合した実施例3記載の本発明組成物(錠剤)は、比較例2記載の錠剤に比べて安定性が優れていることが判明した。
【0024】
【表7】