(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図面に示す好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。本発明は、順次送られるシートを積載収納するシート収納装置Bと、これを備えた画像形成システムSに関する。
図1はコンピュータネットワークの出力端末としての画像形成システムを示す。
【0020】
画像形成システムSは、シート上に画像を形成する画像形成装置Aと、画像形成されたシートを収納するシート収納装置Bで構成されている。この画像形成システムSは
図1(b)に示すように共通の装置ハウジングに画像形成装置Aと、シート収納装置Bが組み込まれたユニット構造で構成される。
或いは、同図(c)に示すように画像形成装置A、シート収納装置Bそれぞれ別のハウジングに組み込まれたスタンドアロン構造で構成される。
図1(a)に示すPCはコンピュータ装置であり、FAはファクシミリ装置、SCはスキャナ装置である。
【0021】
なお、シート収納装置Bは、順次搬出されるシートを積載して収納するスタック装置、或いは搬出されたシートに後処理を施した後に、これを積載収納する後処理装置として構成される。
以下画像形成装置Aで画像形成したシートを部揃え集積して綴じ処理した後、スタックトレイに収納する画像形成システムSとして本発明を詳述する。
【0022】
[画像形成システム]
図2に画像形成システムSを示す。このシステムは画像形成装置Aと後処理装置Cで構成され、後処理装置Cにシート収納機構(装置)Bが内蔵されている。各装置は装置ハウジング10に一体的に組み込まれている。また、画像形成装置Aは画像形成ユニットA1と画像読取ユニットA2で構成されている。
【0023】
画像形成ユニットA1は、給紙部11と画像形成部12と排紙部13で構成され、装置ハウジング(外装ケーシング)10に組み込まれている。給紙部11は単一若しくは複数の給紙カセット11a、11bで構成され、各カセットには、サイズの異なるシートが収納可能に構成され、シートを繰り出す給紙ローラ14と、シートを1枚ずつ分離する分離手段(分離爪、分離ローラなど)が設けられている(不図示)。給紙カセット11a、11bは装置ハウジング10に出し入れ自在に装備されている。
【0024】
給紙部11から繰り出されたシートは給紙経路15に案内され、この経路にはシートを一時的に待機させるレジストローラ16が設けられている。この給紙経路15には大容量カセットを付設し、搬送されるシートをレジストローラ16に案内する構成、或いは手差しシートを給送する手差しトレイを付設することも可能である。
【0025】
画像形成部12は、給紙部11の上方に配置され、レジストローラ16から送られたシートに画像形成する。画像形成機構は、インクジェット印刷、オフセット印刷、インクリボン印刷など種々の印字機構が採用可能である。図示の画像形成部12は静電式画像形成機構を示している。感光ドラム9には、その外周に印字ヘッド17と現像器18とクリーナ19が配置されている。
印字ヘッド17はレーザ発光、LED発光など光ビームの発光器で構成され、感光ドラム上に潜画像を形成する。この潜画像に現像器18でトナーインクを付着する。ドラム表面に付着されたトナーインクは、レジストローラ16から繰出されたシートにチャージャ20で転写する。
【0026】
図示の装置はカラー画像形成機構を示し、YMCK4つのドラム(9Y,9M,9C,9K)に形成されたトナーインクは転写ベルト21に転写され、画像合成される。この転写ベルト21に転写された画像インクが転写チャージャ20でシート上に転写される。転写チャージャ20を備えた排紙経路22には定着器23が設けられ、シート上に転写された画像を加熱定着する。排紙経路22は画像形成部12からシートを排紙口24(24a、24b)に搬出する。
なお排紙口24aは、排紙経路22から後処理装置(ユニット)Cに向けてシートを搬出する排紙口を、図示24bは後述する循環経路(デュープレックス経路)25のスイッチバックパスにシートを搬出する排紙口を示している。
【0027】
装置ハウジング10には、画像形成部12から排紙口24にシートを案内する排紙経路22が設けられている。これと共に排紙経路22から送られたシートを表裏反転させてレジストローラ16に再送する循環経路(デュープレックス経路)25が配置されている。この排紙経路22と循環経路25で排紙部13が構成されている。
なお、後述する後処理装置Cを備えない装置構成の場合には排紙口24の下流側にシートを積載収納する排紙トレイ(不図示)を配置する。
【0028】
図2の装置は、画像形成ユニットA1の上方に画像読取ユニットA2が配置されている。画像読取ユニットA2は原稿画像を載置するプラテンと、プラテン上の原稿に光を照射して反射光を光電変換するスキャナ機構が内蔵されている。
特に
図2の装置は画像形成部12、排紙部13、画像読取ユニットA2の順に上方に配置している。そして画像形成ユニットA1のフレーム強度で排紙部(後述する後処理装置C)と画像読取ユニットA2を支えている。
【0029】
[排紙部構造について]
上述したように画像形成ユニットA1は装置ハウジング10に給紙部11、その上に画像形成部12、その上に排紙部13を内蔵して構成され、排紙部13の上方には画像読取ユニットA2が配置されている。
図2に示すように画像形成ユニットA1の装置ハウジング10(以下第1ハウジングと云う)には、給紙部11、画像形成部12、排紙部13の順に上方に配置され、排紙部13は排紙エリア13Aに形成されている。
この排紙エリア13Aは画像形成ユニットA1と、その上方に配置された画像読取ユニットA2の間に形成された空間で構成され、この部分に排紙シートが収納される。
【0030】
排紙部13には後述する後処理装置Cが配置されるか、又はシート収納トレイが配置される。後処理装置Cは画像形成されたシートに、例えばファイル穴を穿孔するか、又は部揃え集積して製本綴じするか、又はスタンプ捺印する等の後処理を施す。
またこの後処理装置Cには処理トレイ35の下流側にスタックトレイ40が配置される。
【0031】
上記排紙部13は、次のように構成されている。装置ハウジング10には排紙部13に排紙エリア13Aが形成され、このエリア内に画像形成されたシートを搬出するように構成されている。また上記画像形成部12は、給紙部11からシートをレジストローラ16に給送するのと同時に、片面に画像形成したシートを再びレジストローラ16に給送して両面印刷するように構成されている。
【0032】
このため画像形成部12には排紙部13に搬出したシートを表裏反転して再びレジストローラ16位置に給送するデュープレックス経路25が設けられている。画像形成部12から定着器23を介して排紙経路22に送られたシートは排紙口(第2排紙口24b)から排紙エリア13Aに搬出される。この排紙エリア13Aには後述するデュープレックス経路25が連結されている。
【0033】
装置ハウジング10には上下方向に距離dを隔てて第1排紙口24a、と第2排紙口24bが配置されている。上方に位置する第1排紙口24aにはスイッチバックパス25aが連設され、第2排紙経路24bには後処理装置Cのシート搬出経路29が連結されている。スイッチバックパス25aは、片面に画像形成されたシートを表裏反転して画像形成部12に案内するデュープレックス経路25の一部を構成する。
また、シート搬出経路29は第2排紙口24bから送られたシートに後処理を施す処理トレイ35に案内する。この経路には通過するシートにファイル穴を穿孔するパンチユニット27が配置されている。
【0034】
デュープレックス経路25はシートの搬送方向を反転するスイッチバックパス25aと、このパスから送られたシートを表裏反転するUターンパス25bで構成される。またこの経路は、表裏反転したシートを画像形成部12のレジストローラ16に案内するように経路構成されている。
【0035】
図2の装置は、外装ケーシング10の底部に給紙カセット11a、11bを有する給紙部11が配置され、その上方に画像形成部12が、更にその上方に排紙部13が配置されている。この外装ケーシング10には上方に第1排紙口24aが下方に第2排紙口24bが配置され、第1排紙口24aにはスイッチバックパス25aが、第2排紙口24bにはシート搬出経路29が連設される経路構成となっている。
【0036】
このように画像形成部12から下方に位置する第2排紙口24bに片面に画像形成するシートを案内し、上方に位置する第1排紙口24aに両面に画像形成するシートを案内するように構成している。
その理由は、経路長を短かく構成する排紙経路22から片面印刷のシートを排出し、経路長を長く構成するデュープレックス経路25から両面印刷のシートを搬出するためである。片面印刷のプロセス経路は両面印刷のプロセス経路より早く設定され、これに応じて排紙経路22で片面印刷のシートを排する搬送速度は両面印刷のシートが搬出するが搬送速度より高速に設計されている。
【0037】
[排紙部の構成]
上述の排紙部の具体的構成について説明する。前記画像形成部12のチャージャ20で画像転写されたシートは定着器23で定着され、排紙経路22に案内される。この排紙経路22は第1排紙口24a、第2排紙口24bにシートを選択的に送る。その構成について説明する。
【0038】
図3の構造は、画像形成部12からシートを搬出する排紙経路22は、経路切換手段22fを介して第1排紙パス22aの方向と、第2排紙パス22bの方向に経路が2方向に分岐している。
そして第1排紙パス22aは第1排紙口24aに連結され、この排紙口にはスイッチバックパス25aが連結され、第2排紙パス22bは第2排紙口24bに連結されている。なお、第1排紙口24aと第2排紙口24bは間隔dを隔てて上下に配置されている。
これと共に排紙経路22は、第1排紙パス22aから逆送されてくるシートをUターンパス25bに案内する経路切換手段22gを備えている。このような経路構成では図示重送部22xはスイッチバックパス25aから逆送されるシートと、第1第2排紙パス22a、22bに向けて送られるシートが交互に通過する共通経路を構成している。
【0039】
従って、後述する画像形成装置Aの制御部70は、前後のシートを第1第2排紙パス22a、22bに移送する搬送タイミングを重送部22xで相互に重ならないように制御する必要がある。この場合第1排紙パス22aからスイッチバックパス25aにシートを送るとき、シート後端が交差部(経路切換手段22fの位置)を通過してスイッチバックパス内に進入する条件に設定することが好適である。
【0040】
[後処理装置]
後処理装置Cは
図2にその全体構成を、
図3に要部の拡大構造を示す。後処理装置Cは、画像形成装置Aから送られたシートに後処理を施した後、スタックトレイ40に収納する。後処理手段としてはシートにファイル穴を穿孔するパンチユニット、部揃え集積したシートを綴じ合わせるステープルユニット、シートにスタンプを捺印するスタンプユニット、画像形成されたシートを折り合わせる折り処理ユニットなどが知られ、装置仕様に応じて適宜組み合わせて構成される。
図2の装置には、シートを綴じ処理するステープルユニット28とパンチユニット27が組み込まれている。以下その構成について説明する。
【0041】
図3に示す実施形態では後処理装置Cは画像形成装置Aのハウジング内に形成されている排紙エリアに内蔵するように組み込まれている。このため後処理装置Cには外装ケーシングは備えられていない(後処理装置Cに画像形成装置Aとは別の外装ケーシングを装備しても良い)。このユニットフレームには、シート搬出経路29と処理トレイ35とスタックトレイ40が配置されている。
【0042】
シート搬出経路29は画像形成装置Aの排紙経路22に連なる経路構成で、搬出口(以下排紙口という)29aを有している。このシート搬出経路29は装置ハウジング10を略水平方向に横断する直線経路で構成されている。
このシート搬出経路29の下流側には排紙口29aと段差を形成して処理トレイ35が配置されている。またシート搬出経路29の入口部にはパンチユニット27が配置され、順次搬入されるシートにファイル穴を穿設する。
【0043】
またこのシート搬出経路29にはシートを下流側に搬送する経路搬送手段(搬送ローラ)30と排紙口29aの近傍に排紙ローラ31とシート検知センサS1が配置されている。
【0044】
排紙口29aと処理トレイ35との間には段差が形成され、排紙口29aの排紙ローラ31からシート後端を処理トレイ上に落下させて収納する。排紙ローラ31と処理トレイ35との間には処理トレイ上に搬入したシートの搬送方向を反転する反転ローラ36と、処理トレイ上に進入したシートを位置規制ストッパ37に突き当てる掻込みローラ(整合回転体;以下同様)38が配置されている。
処理トレイ35の下流側にはスタックトレイ40が配置され、処理トレイ35で後処理されたシート(束)を収納する。この処理トレイ35にシートを排出する排紙機構と、後処理されたシートを収納するスタック機構を順次説明する。
【0045】
[排紙機構]
排紙口29aから搬出されたシートは、処理トレイ35とスタックトレイ40でブリッジ状に支持するように構成されている。これはシートの先端部をスタックトレイ40で、後端部を処理トレイ35で支持することによって処理トレイ35を小型コンパクトに構成するためである。この処理トレイ35は、単独でシートを載置する形状(寸法)に構成しても良い。
【0046】
排紙口29aと処理トレイ35とは段差を隔てて上下に間隔をあけて配置されている。この段差は処理トレイ上への積載量を大容量とするためと、処理トレイ上にシートを整列させる機構(後述の掻込みローラ38、紙押さえガイド52)の配置スペースを確保するためである。
また処理トレイ35はシートの全体を支持する寸法形状ではなくシートの後端部のみを支持する形状に構成してある。これは排紙口29aからのシートを、その先端部はスタックトレイ40で、その後端部は処理トレイ35でブリッジ支持する構造を採用している。このためスタックトレイ40は積載方向に上下動し、処理トレイ35は所定の位置に固定されている。
【0047】
処理トレイ35には、シート後端部に(先端部であってもよい)位置規制ストッパ37が配置してある。この位置規制ストッパ37で整列されたシートに後処理を施すステープルユニット28が配置されている。
また処理トレイ35には排紙直交方向にシートを幅寄せして整合するシート側面整合手段39が配置されている。その構造はすでに強いられた方法を採用すればよく、例えばシート採用に一対の整合板を設けこの整合板をシート先端に接近移動することによってセンター基準で位置合わせすることができる。
【0048】
処理トレイ35の上方には、その略中央部に排紙口29aと排紙ローラ31が配置され、排紙口29aの前方(下流側)に距離(排紙ローラとの間隔)を隔てて反転ローラ36が配置されている。また排紙口29aの直下(おおよその位置)に掻込みローラ38が配置されている。
【0049】
反転ローラ36は排紙口29aの下流側に配置されること、処理トレイ上の最上シートと係合すること、搬入シートを反転方向に移送すること、及び排紙口29aから処理トレイ35に至るシートの経路から退避した待機位置で待機可能であることが求められる。
このため反転ローラ36は回転するローラ、ベルトなどの回転体で構成され、処理トレイ上方の待機位置と処理トレイ上のシートと係合する作動位置との間で昇降自在に構成される。
【0050】
[掻込みローラ機構]
処理トレイ35には反転ローラ36でシートを処理トレイ上に搬入するのと同時に、このシートを所定の位置規制ストッパ37に突き当てて位置決めする必要がある。このため排紙ローラ31と処理トレイ35の間の段差には掻込みローラ38が配置されている。
この掻込みローラ38は、処理トレイ上の最上シートと接して位置規制ストッパ37に移送する。この掻込みローラ38は無端ベルトなどの回転体で構成し、処理トレイ上のシートの積載量に応じて最上シートを一定の圧力で押圧する。
【0051】
このため掻込みローラ38は、処理トレイ上のシートと積載量に応じて上下動するように揺動自在に支持され、図示のものは排紙ローラ(従動ローラ)31bの回転軸31xに揺動可能に軸受支持したブラケット44に掻込みローラ38が支持されている。掻込みローラ38には、駆動モータM3(不図示)が連結されている。
この掻込みローラ38には、排紙ローラ(従動ローラ)31bから回転力を駆動伝達することも可能であるが図示のものは排紙ローラ31bとは異なる駆動モータM3で掻込みローラ38を回転駆動している。
【0052】
これは掻込みローラ38は処理トレイ上に集積されたシートを後処理後にスタックトレイ40側に移送する。このとき掻込みローラ38の回転方向を反対方向に回転する必要があり、このためには排紙ローラ31bを排紙反対方向に回転しなければならない。
そこで排紙ローラ31bの回転駆動モータと掻込みローラ38の駆動モータM3を個別に設けることによって掻込みローラ38で後処理後のシートを処理トレイ35から搬出する排紙動作の最中に後続するシートを排紙ローラ31bで排紙口29aから処理トレイ上に送り出すことができる。
【0053】
[キック機構]
排紙口29aと反転ローラ36との間には、排紙口29aからのシートを反転ローラ位置に案内するガイド機構と、排紙口29aから掻込みローラ38にシート後端を案内するガイド機構が必要となる。
特に排紙口29aと処理トレイ35との間に大きな段差を有する排紙機構にあってはシート後端が処理トレイ上に落下するときに排紙ローラ31の周面に引っ掛かってシートジャムを引き起こすことがある。
そこで図示の装置は排紙口29aと反転ローラ36との間にキック機構50を配置している。
【0054】
[整合機構]
図6(a)に示す整合機構をについて説明する。処理トレイ35には掻込みローラ38で位置規制ストッパ37に突き当てられたシートを幅方向に位置合わせする幅寄せ整合機構が設けられている。この機構はシートをセンター基準又は片側サイド基準で位置合わせする。
図示の片側サイド基準を例えに説明すると、シートの一側縁側に固定規制面32が設けてある。この固定規制面32に掻込みローラ38を挟んで反対側に可動の整合板33が配置され、幅方向に移動可能に構成されている。この整合板33には図示しない整合モータMに連結されたタイミングベルト34が連結されている。
【0055】
この構成によって整合モータMを正逆転するとタイミングベルト34が所定ストロークで往復動し、このベルトに固定された整合板33が固定規制面32に接近及び離反する。この待機位置と幅寄せ位置との間の往復移動でシートを、規制面32を基準に幅寄せ整合する。
後述する制御手段はこの整合モータMを、シート後端を前述の排紙センサ(シート検知センサ)S1で検出した検出信号から所定の遅延時間の経過したとき、待機位置(図示実線位置)の整合板33を幅寄せ位置(図示破線位置)に移動する。シートを所定位置に移動した後、整合板33は待機位置に復帰する。
【0056】
処理トレイ上には上述の掻き込みローラ38と反転ローラ36が配置されている。この反転ローラ36と掻込みローラ38で位置規制ストッパ37にシートを突き当てて搬送方向のシート姿勢を修正する。
このシートの突き当て整合の前後に反転ローラ36は処理トレイ上方の待機位置に待機する。また処理トレイ上にはシートを押圧する上方紙押さえガイド52が設けられている。
【0057】
この紙押さえガイド52は
図4に示すように処理トレイ上のシートに対しその中央部に掻込みローラ38が、このローラの左右に紙押さえガイド52が左右一対に配置されている。掻込みローラ38は前述したように排紙ローラ31と共通の回転軸31xにブラケット44(ローラ支持部材;以下同様)が軸支持され、この支軸に左右の紙押さえガイド52も揺動可能に軸支持されている。
この両者を同一の回転軸に支持する必然性はないが共通の軸に支持することによって機構を簡素化することができる。
【0058】
掻き込みローラ38と紙押さえガイド52はそれぞれ自由に上下揺動するように軸支持されているが、これはシートの積載量に追従して上下動し、シートを積載厚さに拘わらず均一な圧力で押圧するためである。そして掻込みローラ38はシートに搬送力を付与し左右のガイド52はシートの迫り上がり変形(カール)を防止するためである。
【0059】
そこで前述の整合機構でシートを幅寄せ整合するとき、掻込みローラ38と紙押さえガイド52がシート上面を押圧するように係合していると可動整合板33を待機位置から規制位置に移動すると次の不具合がある。
シート中央部を掻き込みローラ38で押圧され拘束された状態でシート端縁を整合板で幅寄せ移動すると、シートは大きくカール変形して反対側の基準位置に移動しない。そして可動整合板33を退避させると元の不整合の状態に戻ってしまう。
【0060】
その対策として図示の装置は、紙押さえガイド52が所定量以上上方に移動するとローラ支持部材と係合して掻込みローラ38を一体に上昇させる連動機構を採用している。その構造について説明する。
前述したように回転軸31xを中心に掻込みローラ38(ブラケット44)と、その左右に紙押さえガイドの52が回動可能に支持されている。そして紙押さえガイド52が所定角度以上回転すると掻込みローラのブラケット44も同一方向に同一量上昇するように連結されている。
【0061】
図4に示すようにブラケット44には左右の紙押さえガイド側に向かって突出する連動片53が一体に形成してある。この連動片53aに右側紙押さえガイド52aが係合し、同様に連動片53bに左側紙押さえガイド52bが係合している。
紙押さえガイド52が同図反時計方向に回転する時には掻込みローラ38のブラケット44の移動方向に揺動回転させる。そして紙押さえガイド52にはシートにカールが生ずると同図において反時計方向に回転する力が作用する。
【0062】
この関係を
図5に従って説明する。同図(a)はシートが平坦な状態を示し、(b)はシートにカールが生じた状態を示す。シートにカールが発生しない時には(a)にように掻込みローラ38と紙押さえガイド52がそれぞれ独自の運動で最上シートの上に係合している。
そして
図5(b)のように整合板38でシート側縁に幅寄せ力が作用すると、同図破線状態の紙押さえガイド52は同図に実線状態に示す角度に変形する。この紙押さえガイドの上昇変形によって連動片53の作用でブラケット44は同一角度揺動する。これによって掻込みローラ38は幅寄せ整合するシートから上方に浮き上がるように変形する。
【0063】
[パンチユニットの構成]
シート搬出経路29には、シートの搬入部にパンチユニット27が配置されている。その構造について
図6(b)を参照して説明する。
パンチユニット27はパンチ部27aとダイ部27bと屑ボックス27cで構成される。パンチ部27aは複数のパンチ部材が上下移動可能に軸支持されカム機構でシート搬入経路29に突出するように上下移動する。この経路をはさんで穿孔穴を有するダイ部27bが配置されている。また屑ボックス27cはダイ部27bの下方に配置されている。
【0064】
このように構成されたパンチユニット27はシート搬入経路29の入口部に配置されている(
図3参照)。パンチユニット27の上流側又は下流側にはシート先端と後端を検出するシートセンサS2(以下入口センサという)が配置されている。
そしてこのシートセンサS2を挟んで下流側には正逆転ローラ30が、上流側にはシートストッパ29xが配置されている。
【0065】
図6(b)に示すように、シートストッパ29x、パンチ部材27a、シートセンサS2、正逆転ローラ30の順にシートの搬送方向に沿って下流側に順次間隔を隔てて配置されている。
画像形成装置Aの第2排紙口24bから送り出されたシートはシート搬入経路29に進入しパンチ部27aを通過してシート後端がシートセンサS2を通過する。その通過信号を基準に正逆転ローラ30は排紙方向への回転でシートを前進させ、所定時間後に排紙反対方向に逆転する。
【0066】
するとシートは排紙反対方向に逆送して後端をシートストッパ29xに突き当てる。そこで制御手段はシート後端がシートストッパ29xに到達する見込み時間の後に正逆転ローラ30を停止する。そしてパンチユニット27に動作指示信号を送る。パンチユニット27はこの指示信号受けてパンチ動作を実行し、その動作終了後に後処理装置の制御部80に終了信号を転送する。
後処理装置の制御部80はこの信号を受けて正逆転ローラ30を再び正方向に回転し、経路下流側に進める。
【0067】
[スタックトレイの構成]
上述の処理トレイにはその下流側にスタックトレイ40が設けられている。
図7に従って説明する。ユニットフレーム10には、シートの積載方向にガイドレール46が固定され、このガイドレール46にスタックトレイ40が昇降可能に嵌合支持されている。図示47はスライドコロである。このスタックトレイ40には上下一対のプーリ48pに懸架された歯付きベルト48に固定されている。
歯付きベルト48は歯付きプーリ48pに連結された昇降モータM8によって上下動する。尚、モータM8にはエンコーダ60とエンコードセンサ60sが設けてあり、スタックトレイ40の上下動差をコントロールする。
【0068】
上記スタックトレイ40には更に、下限センサS3とレベルセンサ(不図示)が配置されている。下限センサS3はトレイの最下位置を検知し、トレイ上にシートの満杯した状態を検出する。またレベルセンサは、トレイ上の最上シートの高さ位置を検出する。
【0069】
次にシートの集積動作について説明する。処理トレイ上に部揃え集積されたシートは位置規制ストッパ37に位置決めされこの位置に配置されているステップラユニット28によって綴じ処理される。綴じ処理後には処理トレイ上のシート束は反転ローラ36と従動ローラ43の排紙方向回転によって下流側のスタックトレイ40に繰出される。
なお本発明にあって反転ローラ36は排紙方向に対し同一方向とその反対方向に正逆転するローラの駆動方法を示したが、この反転ローラ36を経て排紙方向のみに回転するするさせる駆動方法落ちることも可能であるこの場合には掻込みローラをタイミングベルトなどのフレキシブル回転部材で機構で構成することが好ましい。
【0070】
[制御構成]
図2に示す画像形成システムの制御構成について
図8に従って説明する。画像形成装置Aには制御CPU70が設けられ、この制御CPU70には動作プログラムを記憶したROM71と、制御データを記憶したRAM72が接続されている。そして制御CPU70には給紙制御部73と画像形成制御部74と、排紙制御部75が設けられている。
これ共に制御CPU70には表示手段77と、入力手段76を備えたコントロールパネル78が接続されている。
【0071】
また、上記制御CPU70は、「プリントアウトモード」と「後処理モード」を選定するように構成されている。「プリントアウトモード」は画像形成したシートを仕上げ処理することなくスタックトレイ40に収納する。
また「後処理モード」は画像形成したシートを部揃え集積し、綴じ処理した後にスタックトレイ40に収納する。本発明に係わるシート収納装置Bはこの後処理装置Cに内蔵されている。
【0072】
後処理装置Cには、後処理制御CPU80が設けられ、制御プログラムを記憶したROM81と制御データを記憶したRAM82が接続されている。そしてこの制御CPU80には画像形成装置Aの制御部からシートサイズ情報と、排紙指示信号と、後処理モードとプリントアウトモードのモード設定コマンドが転送される。
【0073】
制御CPU80は、画像形成されたシートに穿孔処理を施すパンチ制御部83と、処理トレイ35にシートを部揃え集積する集積動作制御部84と、綴じ処理制御部85と、スタック制御部86が設けられている。
【0074】
[動作説明]
上述の画像形成装置Aの制御CPU70はROM71に記憶された画像形成プログラムに従って以下の画像形成動作を実行する。同様に上述の後処理装置Cの制御CPU80はROM81に記憶された後処理プログラムに従って以下の後処理動作を実行する。
【0075】
「画像形成動作」
制御CPU70は、「片面印刷モード」が選択されたときには設定されたサイズのシートを給紙カセット11から操出し、レジストローラ16に給送する。これと前後して制御CPU70は転写ベルト21に所定の画像データに従って画像を形成する。
この画像データは図示しないデータ記憶部に記憶されているか、若しくは画像装置Aに連結された外部装置から転送される。
【0076】
そこで制御CPU70は転写ベルト21に形成したトナー画像をレジストローラ16から送られたシートに転写部15で転写し、その下流側の定着器24で定着する。その後、制御CPU70は画像形成したシートを排紙経路22に送り、後述の後処理装置Cに転送する。
【0077】
また、制御CPU70は、「両面印刷モード」が選択されたときには、上述の動作を実行してシートの片面に画像形成して排紙経路22に送る。このとき制御CPU70は後処理装置Cに次の動作を実行させる。
後処理装置Cの制御CPU80は、排紙経路22にシート先端が到達したセンサの検出信号で排紙経路22に送られたシートは、排紙経路22からシート搬出経路29に送られる。
【0078】
この経路切換え制御と同時に制御CPU80はシート先端が搬出経路29から処理トレイ35に搬入されると反転ローラ36を待機位置から作動位置に移動し、同時にこのローラを回転する。すると処理トレイ35に搬入されたシートは反転ローラ36の回転で処理トレイ34に沿って下流側に送られる。
【0079】
次に制御CPU80はセンサS1でシート後端を検出するとこのシート後端がガイドフラッパを通過したタイミングで、搬出経路29の排紙ローラ31を逆回転する。するとシートは搬送方向を反転し、排紙経路22に後退移動(スイッチバック移動)する。このスイッチバック移動でシートは反転経路50に送られる。
【0080】
そこで画像形成装置Aの制御CPU70は反転経路50に送られたシートを、この経路で表裏反転させてレジストローラ16に送る。これと前後して制御CPU70は裏面画像を転写ベルト21に形成し、転写部20でシートの裏面に画像形成して、排紙経路22に搬出する。