(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1領域はNチャンネルMOSトランジスタ領域を含み、前記第2領域はPチャンネルMOSトランジスタ領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、収率を低下することなくCMOS集積回路の特性を最適可能な半導体素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると金属ゲート電極を具備する半導体素子の製造方法は、第1領域及び第2領域を有する半導体基板を準備する段階と、半導体基板の上に絶縁膜を形成する段階と、を含む。絶縁膜は第1領域内及び第2領域内に各々配置された第1グルーブ及び第2グルーブを有する層間絶縁膜と、第1グルーブ及び第2グルーブの少なくとも底面を覆うゲート絶縁膜とを包含するように形成される。絶縁膜を有する基板の全面の上に積層金属膜(laminated metal layer)を形成し、積層金属膜の上に非感光性(non−photo sensitivity)を有する平坦化膜を形成する。平坦化膜は、第1グルーブ及び第2グルーブを充填するように形成される。第1領域内の平坦化膜を乾式エッチングによって選択的に除去し、第1領域内の積層金属膜を露出させ、第2領域内の積層金属膜を覆う平坦化膜パターンを形成する。
【0009】
また、本発明によると、第1領域はNチャンネルMOSトランジスタ領域を包含でき、第2領域はPチャンネルMOSトランジスタ領域を包含する。
【0010】
また、本発明によると、絶縁膜を形成する段階は、第1領域及び第2領域を有する半導体基板の上にゲート絶縁膜及びダミー導電膜を順に形成する段階と、ダミー導電膜及びゲート絶縁膜をパターニングして第1領域内に順に積層された第1ゲート絶縁膜及び第1ダミーゲート電極と第2領域内に順に積層された第2ゲート絶縁膜及び第2ダミーゲート電極とを形成する段階と、第1ダミーゲート電極及び第2ダミーゲート電極を有する基板の全面の上に層間絶縁膜を形成する段階と、層間絶縁膜を平坦化させて第1ダミーゲート電極及び第2ダミーゲート電極を露出させる段階と、露出させた第1ダミーゲート電極及び第2ダミーゲート電極を除去して第1ゲート電極及び第2ゲート絶縁膜を各々露出させる第1グルーブ及び第2グルーブを形成する段階と、を包含する。
【0011】
また、本発明によると、絶縁膜を形成する段階は、第1領域及び第2領域を有する半導体基板の上にダミー物質膜を形成する段階と、ダミー物質膜をパターニングして第1領域内及び第2領域内に各々第1ダミーゲートパターン及び第2ダミーゲートパターンを形成する段階と、第1ダミーゲートパターン及び第2ダミーゲートパターンを有する基板の上に層間絶縁膜を形成する段階と、層間絶縁膜を平坦化させて第1ダミーゲートパターン及び第2ダミーゲートパターンを露出させる段階と、露出させた第1ダミーゲートパターン及び第2ダミーゲートパターンを除去して第1領域内及び第2領域内に各々第1グルーブ及び第2グルーブを形成する段階と、第1グルーブ及び第2グルーブを有する基板の全面の上に同じ厚さのゲート絶縁膜を形成する段階と、を包含する。この場合に、積層金属膜はゲート絶縁膜の上に形成される。
【0012】
また、本発明によると、非感光性平坦化膜(non−photo sensitive planarization layer)は、SOH(spin on hardmask)膜、又は非晶質炭素膜(amorphous carbon layer;ACL)で形成でき、第1領域内の平坦化膜を乾式エッチングする段階では、酸素ガス及び窒素ガスを含むプロセスガスを使用して進行する。プロセスガスはアルゴンガスをさらに包含する。
【0013】
また、本発明によると、SOH膜は、炭素含有SOH膜(carbon−based SOH layer)又はシリコン含有SOH膜(Si−based SOH layer)から形成される。SOH膜を形成する段階は、積層金属膜の上に樹脂溶液(resin solution)を塗布して第1グルーブ及び第2グルーブを充填する段階と、樹脂溶液をベークして熱硬化された樹脂膜(cured resin layer)を形成する段階と、を包含する。
【0014】
また、本発明によると、平坦化膜パターンを形成する段階は、平坦化膜の上に第1領域内の平坦化膜を露出させる無機反射防止膜パターン(inorganic anti−reflective layer pattern)を形成する段階と、無機反射防止膜パターンをエッチングマスクとして使用して露出させた平坦化膜を乾式エッチングする段階と、無機反射防止膜パターンを除去する段階と、を包含する。無機反射防止膜パターンを形成する段階は、平坦化膜の上に無機反射防止膜(inorganic anti−reflective layer)を形成する段階と、無機反射防止膜の上に第2領域を覆う感光膜パターンを形成する段階と、第1領域内の無機反射防止膜を乾式エッチングして第1領域内の平坦化膜を選択的に露出させる段階と、感光膜パターンを除去する段階と、を包含する
【0015】
また、本発明によると、積層金属膜を形成する段階は、第1金属膜から第3金属膜までを順に形成する段階を包含する。第1金属膜から第3金属膜までは、各々下部窒化チタンTiN、窒化タンタルTaN、及び上部窒化チタンTiNから形成される。
【0016】
また、本発明によると、半導体素子の製造方法は、平坦化膜パターンをエッチングマスクとして使用して第1領域内の積層金属膜の最上部金属膜を除去する段階と、平坦化膜パターンを除去する段階と、平坦化膜パターンが除去された結果物全面の上に第1グルーブ及び第2グルーブを満たすキャッピング金属膜を形成する段階と、層間絶縁膜の上面が露出する時までキャッピング金属膜及び積層金属膜を平坦化させて第1グルーブ及び第2グルーブ内に各々第1金属ゲート電極及び第2金属ゲート電極を形成する段階と、をさらに含む。平坦化膜パターンは、N
2H
2ガスをプロセスガスに採択するアッシング工程を使用して除去する。キャッピング金属膜はアルミニウム合金膜から形成される。
【0017】
また、本発明によると、半導体素子の製造方法は、第1領域及び第2領域を有する半導体基板を準備する段階と、半導体基板の上に絶縁膜を形成する段階と、を含む。絶縁膜は、第1領域内及び第2領域内に各々配置された第1グルーブ及び第2グルーブを有する層間絶縁膜と第1グルーブ及び第2グルーブとの中で少なくとも底面を覆うゲート絶縁膜を包含するように形成される。絶縁膜を有する基板の全面の上に積層金属膜(laminated metal layer)を形成し、積層金属膜の上に非感光性(non−photo sensitivity)を有する平坦化膜を形成する。平坦化膜は第1グルーブ及び第2グルーブを充填するように形成される。第1領域内の平坦化膜を乾式エッチングにより部分エッチングし第1グルーブ内に残る第1平坦化膜残余物及び第2領域を覆う平坦化膜パターンを形成する。
【0018】
また、本発明によると、非感光性平坦化膜は、SOH膜、又は非晶質炭素膜で形成され、第1領域内の平坦化膜を部分エッチングする段階は、酸素ガス及び窒素ガスを含むプロセスガスを使用して進行する。プロセスガスは、アルゴンガスをさらに包含する。
【0019】
また、本発明によると、SOH膜は炭素含有SOH膜、又はシリコン含有SOH膜から形成される。
【0020】
また、本発明によると、第1平坦化膜残余物及び平坦化膜パターンを形成する段階は、平坦化膜の上に第1領域内の平坦化膜を露出させる無機反射防止膜パターン(inorganic anti−reflective layer pattern)を形成する段階と、無機反射防止膜パターンをエッチングマスクとして使用して露出させた平坦化膜を部分エッチングして第1グルーブ内に平坦化膜の一部を残す段階と、無機反射防止膜パターンを除去する段階と、を包含できる。無機反射防止膜パターンを形成する段階は、平坦化膜の上に無機反射防止膜(inorganic anti−reflective layer)を形成する段階と、無機反射防止膜の上に第2領域を覆う感光膜パターンを形成する段階と、第1領域内の無機反射防止膜を乾式エッチングして第1領域内の平坦化膜を選択的に露出させる段階と、感光膜パターンを除去する段階と、を包含する。
【0021】
また、本発明によると、積層金属膜を形成する段階は、第1金属膜から第3金属膜までを順に形成することを包含できる。第1金属膜から第3金属膜までは各々下部窒化チタンTiN、窒化タンタルTaN、及び上部窒化チタンTiNで形成できる。
【0022】
また、本発明によると、半導体素子の製造方法は、第1領域内の積層金属膜の最上部金属膜を部分エッチングして第1グルーブ内に残し、第1平坦化膜残余物の側壁及び下面を囲む第1金属残余物を残す段階と、平坦化膜パターンを部分エッチングして第2グルーブ内に残す第2平坦化膜残余物を形成する段階と、第2領域内の積層金属膜の最上部金属膜を部分エッチングして第2グルーブ内に残しながら第2平坦化膜残余物の側壁及び下面を囲む第2金属残余物を形成する段階と、第2平坦化膜残余物を除去する段階と、をさらに含む。第1金属残余物は第2金属残余物を形成する間に除去され、第1平坦化膜残余物は平坦化膜パターンを部分エッチングする間に又は第2金属残余物を形成する間に除去する。第1領域内及び第2領域内の最上部金属膜を部分エッチングする段階は、湿式エッチング工程を使用して進行する。平坦化膜パターンを部分エッチングする段階は乾式エッチング工程を使用して進行する。第2平坦化膜残余物はN
2H
2ガスをプロセスガスとして採択するアッシング工程を使用して除去する。これに加えて、本発明による半導体素子の製造方法は、第2平坦化膜残余物が除去された結果物全面の上に第1グルーブ及び第2グルーブを満たすキャッピング金属膜を形成する段階と、層間絶縁膜の上面が露出されるときまでキャッピング金属膜及び積層金属膜を平坦化させて第1グループ内及び第2グルーブ内に各々第1金属ゲート電極及び第2金属ゲート電極を形成する段階と、をさらに含む。キャッピング金属膜はアルミニウム合金膜から形成される。アルミニウム合金膜はチタンを含有する。
【0023】
また、本発明によると、半導体素子の製造方法は、第1領域と第2領域とを含む半導体基板を準備する段階と、第1グルーブと第2グルーブとを有する絶縁膜を形成する段階と、絶縁膜の上に複数の金属膜を有する積層金属膜を形成する段階と、第1領域の積層金属膜の複数の金属膜から第1数の金属膜を有し、第2領域の積層金属膜の複数の金属膜から第2数の金属膜を有するように積層金属膜を処理する段階と、第1領域の第1数の金属膜の上及び第2領域で第2数の金属膜の上にキャッピング金属膜を形成する段階と、キャッピング金属膜を平坦化して第1領域の第1グルーブ内で第1数の金属膜から第1金属ゲート電極を形成し、第2領域の第2グルーブ内で第2数の金属膜から第2金属ゲート電極を形成する段階と、を含む。
【0024】
また、本発明によると、第2領域内に形成される金属膜の第2数は複数の金属膜の同一の数であり、第1領域内に形成される金属膜の第1数は第2領域内に形成される金属膜の第2数より小さい。
【0025】
また、本発明によると、第1数の金属膜は異なる厚さを有し、第2数の金属膜の1つの厚さは第2数の金属膜の他の1つの金属膜の厚さより薄い。
【0026】
また、本発明によると、キャッピング金属膜を平坦化するとき、第1ゲート電極を第1仕事関数を有する単一膜に形成し、第2ゲート電極を第2数内の1つの金属膜の第2仕事関数を有するように形成する。
【0027】
また、本発明によると、第1数の金属膜は第1金属膜、第2金属膜及び第3金属膜を含み、積層金属膜を処理する段階は、第3金属膜を除去する段階を含み、キャッピング金属膜を平坦化するとき、キャッピング金属膜を形成し、第1金属膜及び第2金属膜を1つの仕事関数を有する単一膜の第1ゲート電極に形成する。
【0028】
また、本発明によると、第2数の金属膜は第1金属膜、第2金属膜及び第3金属膜を含み、キャッピング金属膜を平坦化するとき、キャッピング金属膜と第3金属膜とを合金層に形成し、第2金属膜を形成し、1つの仕事関数を有する第1金属膜を形成する。
【0029】
また、本発明によると、積層金属膜を処理する段階では、非感光性を有する平坦化膜を積層金属膜の上に形成し、平坦化膜は第1グルーブ及び第2グルーブを充填するように形成され、乾式エッチングによって第1領域内の平坦化膜を選択的に除去して第1領域内の積層金属膜の少なくとも一部分を露出させ、第2領域内の積層金属膜を覆う平坦化膜パターンを形成する。
【0030】
また、本発明によると、積層金属膜を処理する段階では、反射防止膜と感光性膜とを利用して積層金属膜と形成された平坦化膜パターンの露出された部分とを選択的に処理して、第1領域内に第1数の金属膜を形成し、第2領域内に第2数の金属膜を形成することをさらに含む。
【0031】
また、本発明によると、積層金属膜を処理する段階では、積層金属膜の上に非感光性を有する平坦化膜を形成し、平坦化膜は第1グルーブ及び第2グルーブを充填するように形成され、乾式エッチングによって第1領域内の平坦化膜を部分エッチングして第1グルーブ内の第1平坦化膜残余物を形成し、第2領域内の積層金属膜を覆う平坦化膜パターンを形成する。
【0032】
また、本発明によると、積層金属膜を処理する段階では、反射防止膜と感光性膜を選択的に形成し、エッチングして第1平坦化膜残余物と平坦化膜パターンとを選択的に処理して第1領域内に第1数の金属膜を形成し、第2領域内に第2数の金属膜を形成する。
【発明の効果】
【0033】
本発明では、第1グルーブ及び第2グルーブを有する基板の上に積層金属膜を同じ厚さだけ形成し、積層金属膜の上にグルーブを充填する平坦化膜を形成する段階を含む。平坦化膜がグルーブ内に形成されても、平坦化膜は乾式エッチング工程を使用して除去するのが容易である物質膜で形成する。その結果、平坦化膜を乾式エッチングによってパターニングして第1領域の積層金属膜を露出させた後、パターニングされた平坦化膜をエッチングマスクとして露出させた積層金属膜の最上部金属膜を選択的に除去するのが容易である。即ち、平坦化膜を乾式エッチング工程を使用してパターニングした後、第1グルーブ内にはいずれの平坦化膜残余物も残らない。したがって、パターニングされた平坦化膜をエッチングマスクとして使用して第1領域内の最上部金属膜を容易に除去することができるので、工程不良が発生することなく異なる仕事関数を有する第1金属ゲート電極及び第2金属ゲート電極を形成できる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。本発明の長所及び特徴、及びそれを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば、明確になる。しかし、本発明はここで説明される実施形態に限定されることはなく互に異なる形態に具体化できる。むしろ、ここで紹介される実施形態は開示された内容が徹底して完全になり得るように、そして当業者に本発明の思想が十分に伝達できるようにするために提供されることであり、本発明は請求項の範疇によって定義される。明細書の全体に掛けて同一参照符号は同一構成要素を示す。
【0036】
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのことであり、本発明を制限しようとすることではない。本明細書で単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使用される「具備する」及び「包含する」は、言及された構成要素、段階、動作及び/又はさらに加えて1つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/又は装置の存在又は追加を排除しない。また、望ましい実施形態によることであるので、説明の順序にしたがって提示される参照符号はその順序に必ず限定されない。
【0037】
また、本明細書で記述する実施形態は本発明の理想的な例示図である断面図及び/又は平面図を参考して説明される。図面において、構成要素の大きさ及び/又は厚さは技術的内容を効果的に説明するために誇張されたことである。したがって、製造技術及び/又は許容誤差等によって例示図の形態が変形される。したがって、本発明の実施形態は図示された特定形態に制限されることではなく製造工程によって生成される形態の変化も含む。したがって、図面で例示された構成要素は概略的な属性を有し、図面で例示された構成要素の模様は構成要素の特定形態を例示するためのことであり、発明の範疇を制限するためのことではない。
【0038】
(第1実施形態)
図1から
図8までは、本発明の第1実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0039】
図1に示すように、第1領域A及び第2領域Bを有する半導体基板1を準備する。第1領域Aは、NチャンネルMOSトランジスタ領域に該当し、第2領域BはPチャンネルMOSトランジスタ領域に該当することができる。半導体基板1の所定領域に素子分離膜5を形成して第1領域A及び第2領域B内に各々第1活性領域5a及び第2活性領域5bを限定する。
【0040】
第1領域Aの半導体基板1及び第2領域Bの半導体基板1内に各々第1ウェル3a及び第2ウェル3bを形成する。第1領域A及び第2領域Bが各々NチャンネルMOSトランジスタ領域及びPチャンネルMOSトランジスタ領域である場合、第1ウェル3aはP形ウェル(P−type well)であり、第2ウェル3bはN形ウェル(N−type well)であり得る。第1ウェル3a及び第2ウェル3bは、素子分離膜5を形成する前に又は後に形成される。
【0041】
素子分離膜5を有する基板の上にゲート絶縁膜7及びダミー導電膜9を順に形成する。本実施形態では、ゲート絶縁膜7は高誘電膜を包含するように形成され、ダミー導電膜9はポリシリコン膜から形成される。
【0042】
図2に示すように、ダミー導電膜9及びゲート絶縁膜7をパターニングして第1活性領域5aの一部分の上に順に積層された第1ゲート絶縁膜7a及び第1ダミーゲート電極9aと、さらに第2活性領域5bの一部分の上に順に積層された第2ゲート絶縁膜7b及び第2ダミーゲート電極9bとを形成する。第1ダミーゲート電極9aは、第1活性領域5aに隣接する素子分離膜5の上部へ延長するように形成される。即ち、第1ダミーゲート電極9aは、第1活性領域5aの上部を横切るように形成される。これと同様に、第2ダミーゲート電極9bも第2活性領域5bの上部を横切るように形成される。
【0043】
第1ダミーゲート電極9a及び素子分離膜5をイオン注入マスクとして使用して、第1活性領域5aの内へ第1導電形の不純物イオンを注入して互に離隔された第1ソース領域11s及び第1ドレーン領域11dを形成できる。続いて、第2ダミーゲート電極9b及び素子分離膜5をイオン注入マスクとして使用して第2活性領域5bの内へ第2導電形の不純物イオンを注入して互に離隔された第2ソース領域13s及び第2ドレーン領域13dを形成できる。第1領域A及び第2領域Bが各々NチャンネルMOSトランジスタ領域及びPチャンネルMOSトランジスタ領域である場合、第1導電形はN形であり、第2導電形はP形である。
【0044】
第1ソース/ドレーン領域11s、11d、及び第2ソース/ドレーン領域13s、13dを有する基板の全面の上に層間絶縁膜15を形成する。層間絶縁膜15を平坦化させて、第1ダミーゲート電極9a及び第2ダミーゲート電極9bを露出させる。
【0045】
図3に示すように、露出させた第1ダミーゲート電極9a及び第2ダミーゲート電極9bを選択的に除去する。その結果、第1領域Aの層間絶縁膜15内に第1ゲート絶縁膜7aを露出させる第1グルーブ15aが形成され、第2領域Aの層間絶縁膜15内に第2ゲート絶縁膜7bを露出させる第2グルーブ15bが形成される。第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bは各々
図3に示したように第1幅W1及び第2幅W2を有することができる。
【0046】
第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bを有する基板の全面の上に積層金属膜22を形成する。積層金属膜22の厚さは、第1幅W1及び第2幅W2より小さい。即ち、積層金属膜22は、第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bを充填しないように同じ厚さだけ形成される。したがって、積層金属膜22を形成した後でも、第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bは残る。しかし、積層金属膜22によって囲まれた第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bは、積層金属膜22を形成する前のグルーブに比べて大きい縦横比(aspect ratio)を有する。
【0047】
本実施形態では、積層金属膜22は順に積層された複数の金属膜を包含する。例えば、積層金属膜22は、第1金属膜17、第2金属膜19、及び第3金属膜21を順に積層させて形成する。本実施形態では、第1金属膜17、第2金属膜19、及び第3金属膜21の各々は下部窒化チタンTiN、窒化タンタルTaN及び上部窒化チタンTiNから形成される。
【0048】
第1金属膜17、第2金属膜19、及び第3金属膜21が各々下部窒化チタンTiN、窒化タンタルTaN及び上部窒化チタンTiNから形成される場合、第2金属膜19は第3金属膜21より薄い厚さに形成される。例えば、第2金属膜19に対応する窒化タンタル膜は、約30Åの厚さに形成され、第3金属膜21に対応する上部窒化チタン膜は約80Åの厚さに形成される。
【0049】
図4に示すように、積層金属膜22の上に第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bを満たす平坦化膜23を形成し、平坦化膜23の上に第2領域B内の平坦化膜23を覆う感光膜パターン(photo sensitive layer pattern)27を形成する。感光膜パターン27は、フォトレジスト膜を形成する。
【0050】
また、感光膜パターン27を形成する前に平坦化膜23の上に反射防止膜25を追加する。この場合、感光膜パターン27は、第1領域A内の反射防止膜25を露出するように形成される。
【0051】
反射防止膜25は、無機反射防止膜から形成される。例えば、反射防止膜25は、シリコン酸窒化物(silicon oxynitride;SiON)から形成される。
【0052】
図5に示すように、感光膜パターン27をエッチングマスクとして使用して露出した反射防止膜25をエッチングして第1領域A内の平坦化膜23を露出させる反射防止膜パターン25pを形成する。反射防止膜25をシリコン酸窒化物SiONのような無機反射防止膜で形成する場合、第1領域A内の反射防止膜25は、CHF
4ガス及び酸素ガスを使用してエッチングする。続いて、第1領域A内の露出させた平坦化膜23を異方性エッチングして第1領域A内の積層金属膜22を露出させる平坦化膜パターン23pを形成する。第1領域A内の平坦化膜23を湿式エッチング工程のような等方性エッチング工程を使用してエッチングすると、等方性エッチング工程は第1グルーブ15a内の平坦化膜23を完全に除去するのに充分に長い時間の間に進行しなければならない。この場合に、第2領域B内の平坦化膜23が水平方向にエッチングできる。その結果、無機反射防止膜パターン25pの下部にアンダーカットが形成される。
【0053】
特に、高集積CMOS集積回路を具現するため、第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bの間の間隔が顕著に減少する場合、アンダーカットは、第2グルーブ15b内へ延長される。このようなアンダーカットは、後続工程で問題点を発生する。例えば、アンダーカットが第2グルーブ15b内の積層金属膜22の第3金属膜21を露出させると、後続工程で第2グルーブ15b内の第3金属膜21が除去される。この場合、第1グルーブ15a内に形成される金属ゲート電極は第2グルーブ15b内に形成される金属ゲート電極と同一な形態を有することができる。即ち、第1領域A内の平坦化膜23を湿式エッチング工程を使用してエッチングすれば、第1グルーブ15a及び第2グルーブ15b内に互に異なる仕事関数を有する金属ゲート電極を形成することが難しい。したがって、本実施形態では第1領域A内の露出させた平坦化膜23を異方性エッチングして第1領域A内の積層金属膜22を露出させる。
【0054】
平坦化膜23としてフォトレジスト膜が使用される。この場合、第1グルーブ15a内のフォトレジスト膜を選択的に除去するために露光工程及び現像工程が使用される。しかし、第1グルーブ15a又は第2グルーブ15bのような高い横縦比を有する領域内のフォトレジスト膜を露光工程及び現像工程を使用して完全に除去することは難しい。即ち、第1グルーブ15a内のフォトレジスト膜を除去するためにフォト工程及び現像工程を適用しても、第1グルーブ15a内にフォトレジスト残余物が残る。このようなフォトレジスト残余物は、第1領域A内の第3金属膜21を選択的に除去するための後続工程で不具合を発生させる。したがって、第1領域A内の露出させた平坦化膜23を選択的に異方性エッチングした後、第1グルーブ15a内の平坦化膜23は完全に除去されなければならない。即ち、平坦化膜23が第1グルーブ15aのような狭くて深い領域内に存在しても、平坦化膜23は異方性エッチング工程を使用して完全に除去できる材料で膜を形成しなければならない。
【0055】
本実施形態では、平坦化膜23はSOH膜(spin on hardmask)又は非晶質炭素膜(ACL;amorphous carbon layer)から形成される。また、平坦化膜23は、非感光性(non−photo sensitivity)材料から形成される膜である。即ち、平坦化膜23は、感光性材料(photo active compound)を含有しないこともあり得る。
【0056】
SOH膜(SOH layer)は、炭素含有SOH膜(carbon−based SOH layer)又はシリコン含有SOH膜(silicon−based SOH layer)を包含する。平坦化膜23としてSOH膜(SOH layer)を形成する段階は、積層金属膜22の上に樹脂溶液(resin solution)を塗布して第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bを充填する段階と、樹脂溶液を約400℃でベークして熱硬化された樹脂膜(cured resin layer)を形成する段階と、を包含する。
【0057】
本実施形態では、熱硬化樹脂膜は炭素含有SOH膜から形成される。この場合、熱硬化樹脂膜の基本樹脂(base resin)及び基本樹脂の間の架橋剤(cross linker)は各々次の[化1]及び[化2]によって表示される。
【化1】
【化2】
【0058】
また、平坦化膜23として使用される非晶質炭素膜は、C
3H
6ガス及び不活性ガスをプロセスガスとして使用する化学気相蒸着法によって形成される。不活性ガスは、ヘリウムガス又はアルゴンガスを包含する。
【0059】
第1領域A内の平坦化膜23を選択的に除去するための異方性エッチング工程は、酸素ガス及び窒素ガスをプロセスガスとして使用する乾式エッチング工程によって進行する。プロセスガスは、アルゴンガスをさらに包含する。
【0060】
第1領域A内の平坦化膜23を乾式エッチングする間に感光膜パターン27を除去する。これに反して、反射防止膜パターン25pは平坦化膜23を乾式エッチングするのに使用されるプロセスガスに対してエッチング選択性を有する物質膜である。これは、反射防止膜パターン25pが無機物質膜であるが、平坦化膜23は有機物質膜であるため、第1領域A内の平坦化膜23を乾式エッチングする間に反射防止膜パターン25pは除去されない。即ち、反射防止膜パターン25pは、第1領域A内の平坦化膜23を乾式エッチングする間にエッチング阻止膜又はエッチングマスクの役割を果たす。
【0061】
図6に示すように、第1領域A内の平坦化膜23が除去された後、感光膜パターン27は
図5に示したように残る。この場合、感光膜パターン27はアッシング工程によって除去される。続いて、第2領域B内の反射防止膜パターン25pを除去して平坦化膜パターン23pを露出させる。反射防止膜パターン23pがシリコン酸窒化膜で形成された場合、反射防止膜パターン23pは湿式エッチング工程又は乾式洗浄工程を使用して除去できる。本実施形態では、反射防止膜パターン23pを除去するための湿式エッチング工程はフッ化水素溶液(hydrogen fluoride solution)をエッチング溶液(etchnat)として使用することができる。また、反射防止膜パターン23pを除去するための乾式洗浄工程は、アンモニアNH
3ガス及びフッ化水素(hydrogen fluoride)ガスを使用して進行する。
【0062】
図7に示すように、平坦化膜パターン23pをエッチングマスクとして使用して第1領域A内の積層金属膜22の最上部金属膜(uppermost metal layer)を選択的にエッチングできる。本実施形態では、最上部金属膜は
図3を参照して説明された第3金属膜21、即ち、上部窒化チタン膜に該当することができる。この場合に、第1領域A内の第3金属膜21は、過酸化水素溶液をエッチング溶液として使用する湿式エッチング工程によってエッチングされる。その結果、第2領域B内に残る第3金属膜パターン21pが形成され、第1領域A内の第2金属膜19が露出する。
【0063】
第1領域A内の第3金属膜21を選択的にエッチングした後、平坦化膜パターン23pを除去して第2領域B内の第3金属膜パターン21pを露出させる。平坦化膜パターン23pは、酸素を含有しないN
2H
2ガスをプロセスガスとして利用するアッシング工程によって除去できる。これは、平坦化膜パターン23pを除去する間に第1領域A内の第2金属膜19及び第2領域B内の第3金属膜パターン21pが酸化されることを防止するためである。
【0064】
図8及び
図9に示すように、平坦化膜パターン23pが除去された結果物の全面の上に第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bを充填するキャッピング金属膜29を形成する。キャッピング金属膜29はアルミニウム合金膜から形成される。本実施形態では、キャッピング金属膜29は、チタンを含有するアルミニウム合金膜から形成される。キャッピング金属膜29は、400℃より高い温度で進行されるリフロ工程を使用して形成される。これにより、キャッピング金属膜29は、第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bを完全に充填するように形成される。
【0065】
キャッピング金属膜29内のアルミニウム原子は約400℃又はそれより高い温度で拡散する。したがって、キャッピング金属膜29を形成する間に第1領域A内のキャッピング金属膜29のアルミニウム原子は、第1領域A内の第1金属膜19に該当する下部窒化タンタル膜と反応してNチャンネルMOSトランジスタに適した第1仕事関数を有し、第1金属ゲート電極31aに対応する金属合金膜を形成する。一方、キャッピング金属膜29を形成する間に第2領域B内のキャッピング金属膜29のアルミニウム原子は、第3金属膜パターン21pに該当する上部窒化チタン膜と反応することができる。この場合、第2領域B内の第2金属膜19に該当する窒化タンタル膜は、キャッピング金属膜29のアルミニウム原子及び下部窒化チタン膜の間の反応を防止するブロッキング膜の役割を果たす。即ち、第2領域B内の上部窒化チタン膜は、キャッピング金属膜29のアルミニウム原子が拡散する間に犠牲膜として作用することができる。これにより、第2領域B内の第1金属膜17、即ち、下部窒化チタン膜は、第1仕事関数と異なる第2仕事関数を有し、PチャンネルMOSトランジスタの実質的な金属ゲート電極に該当することができる。
【0066】
キャッピング金属膜29を形成した後、キャッピング金属膜29及び残っている積層金属膜を平坦化させて層間絶縁膜15の上面を露出させる。これにより、第1グルーブ15a内に第1金属ゲート電極31aが形成され、第2グルーブ15b内に第2金属ゲート電極31bが形成される。第1金属ゲート電極31aは、上記したようにNチャンネルMOSトランジスタに適した第1仕事関数を有することができる。また、第2金属ゲート電極31bは、PチャンネルMOSトランジスタの実質的な金属ゲート電極に該当する第1金属膜パターン17a、第1金属膜パターン17aの上に積層された第2金属膜パターン19a、及び第2金属膜パターン19aの上の第2グルーブ15bを満たすアルミニウム合金膜30を包含する。アルミニウム合金膜30は、キャッピング金属膜29と上部窒化チタン膜パターン21pとが反応して形成される。
【0067】
(第2実施形態)
図10から
図12までは、本発明の第2実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。第2実施形態は、ゲート絶縁膜を形成する方法において
図1から
図9までを参照して説明した第1実施形態と異なる。
【0068】
図10に示すように、
図1で説明した方法と同じ方法を使用して第1領域A及び第2領域Bを有する半導体基板1内に素子分離膜5、第1ウェル3a及び第2ウェル3bを形成する。素子分離膜5は、
図1を参照して説明されたように第1領域A及び第2領域B内に各々第1及び第2活性領域5a、5bを限定する。
【0069】
素子分離膜5、第1ウェル3a、および第2ウェル3bを具備する基板の上にダミー物質膜を形成する。ダミー物質膜は、緩衝絶縁膜及びダミー導電膜を順に積層させて形成する。
【0070】
緩衝絶縁膜はシリコン酸化膜から形成され、ダミー導電膜はポリシリコン膜から形成される。ダミー物質膜をパターニングして第1活性領域5a及び第2活性領域5b上に各々第1ダミーゲートパターン54a及び第2ダミーゲートパターン54bを形成する。これにより、第1ダミーゲートパターン54aは順に積層された第1ダミー絶縁膜パターン51a及び第1ダミーゲート電極53aを包含するように形成され、第2ダミーゲートパターン54bは順に積層された第2ダミー絶縁膜パターン51b及び第2ダミーゲート電極53bを包含するように形成される。第1ダミーゲートパターン54a及び第2ダミーゲートパターン54bは、素子分離膜5の上へ延長してライン形態を有する。
【0071】
続いて、
図2で説明した方法と同じ方法を使用して第1活性領域5a及び第2活性領域5b内に各々第1ソース/ドレーン領域11s、11d及び第2ソース/ドレーン領域13s、13dを形成する。
【0072】
図11に示すように、第1ソース/ドレーン領域11s、11d及び第2ソース/ドレーン領域13s、13dを含む基板の上に
図2で説明した方法と同じ方法を使用して平坦化された層間絶縁膜15を形成する。これにより、第1ダミーゲートパターン54a及び第2ダミーゲートパターン54bが露出する。露出した第1ダミーゲートパターン54a、及び第2ダミーゲートパターン54bを選択的に除去して第1活性領域5aの一部を露出させる第1グルーブ15a及び第2活性領域5bの一部を露出させる第2グルーブ15bを形成する。
【0073】
第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bを有する基板の全面の上にゲート絶縁膜55を形成し、ゲート絶縁膜55の上に積層金属膜22を形成する。積層金属膜22は、
図3で説明した方法と同じ方法を使用して形成する。即ち、積層金属膜22は、第1金属膜17、第2金属膜19、及び第3金属膜21を順に積層させて形成する。
【0074】
図12に示すように、積層金属膜22を具備する基板の上に
図4から
図8までで説明された方法と同じ方法を使用して第1グルーブ15a及び第2グルーブ15b内に各々第1金属ゲート電極31a及び第2金属ゲート電極31bを形成する。第2実施形態によれば、
図12に示したように、第1ゲート絶縁膜55a及び第2ゲート絶縁膜55bは第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bの底面のみでなく側壁を覆うように形成される。即ち、第1ゲート絶縁膜55aは、第1金属ゲート電極31aの下部面及び側壁を囲むように形成され、第2ゲート絶縁膜55bは、第2金属ゲート電極31bの下部面及び側壁を囲むように形成される。
【0075】
(第3実施形態)
図13から
図17までは、本発明の第3実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。第3実施形態は、金属ゲート電極を形成する方法において、
図10から
図12までで説明された第2実施形態と異なる。
【0076】
図13に示すように、
図10及び
図11で説明された方法と同じ方法を使用して半導体基板1に素子分離膜5、第1ウェル3a、第2ウェル3b、第1ソース/ドレーン領域11s、11d、第2ソース/ドレーン領域13s、13d、第1グルーブ15aと第2グルーブ15bとを有する層間絶縁膜15、ゲート絶縁膜55、及び積層金属膜22を形成する。
【0077】
積層金属膜22の上に
図4で説明された方法と同じ方法を使用して平坦化膜23及び反射防止膜パターン25pを形成する。続いて、反射防止膜パターン25pをエッチングマスクとして使用して第1領域A内の平坦化膜23を部分エッチングして第1グルーブ15a内に第1平坦化膜残余物23a及び第2領域B内に残る平坦化膜パターン23pを形成する。平坦化膜23を部分エッチングする方法では、
図5で説明された方法と同じ乾式エッチング工程を使用する。即ち、平坦化膜23は酸素ガス及び窒素ガスをプロセスガスとして使用して部分エッチングする。
【0078】
図14に示すように、
図6で説明された方法と同じ方法を使用して反射防止膜パターン25pを除去する。続いて、第1平坦化膜残余物23a及び平坦化膜パターン23pをエッチングマスクとして使用して、第1領域A内の積層金属膜22の最上部金属膜21を部分エッチングして、第1グルーブ15a内に第1平坦化膜残余物23aの底面及び側壁を囲む第1金属残余物21a及び第2領域B内に残る最上部金属膜パターン21pを形成する。
【0079】
第3実施形態では、積層金属膜22の最上部金属膜21は窒化チタン膜である。この場合、第1領域A内の最上部金属膜21は、過酸化水素溶液をエッチング溶液として使用する湿式エッチング工程によって部分エッチングできる。
【0080】
図15に示すように、第1領域A内の最上部金属膜21を部分エッチングした後、平坦化膜パターン23pを部分エッチングして第2グルーブ15b内に残る第2平坦化膜残余物23bを形成する。平坦化膜パターン23pを部分エッチングする方法では、同じように
図5で説明された方法と同じ乾式エッチング工程を使用する。即ち、平坦化膜パターン23pは、酸素ガス及び窒素ガスをプロセスガスに使用して部分エッチングできる。平坦化膜パターン23pが部分エッチングされる間に、第1平坦化膜残余物23aは除去される。
【0081】
第3実施形態によれば、平坦化膜パターン23pを部分エッチングするための乾式エッチング工程の過度エッチング時間(over etching time)が、
図4及び
図5で説明された第1実施形態の第1領域A内の平坦化膜23を除去するための乾式エッチング工程の過度エッチング時間より減少する。即ち、第1平坦化膜残余物23aの除去後に第1領域Aが乾式エッチングにより露出するまでの時間が、第1実施形態の第1領域A内の平坦化膜23の除去後に第1領域Aが乾式エッチング工程に露出するまでの時間より短い。これは、平坦化膜パターン23pを部分エッチングするためのメーンエッチング時間が第1実施形態の第1領域A内の平坦化膜23を除去するためのメーンエッチング時間より短くすることができるためである。したがって、第3実施形態によれば、第1グルーブ15a内のゲート絶縁膜55に加えるエッチング損傷を減少させることができる。
【0082】
第2平坦化膜残余物23bをエッチングマスクとして使用して、第2領域B内の最上部金属膜パターン21pを部分エッチングして第2グルーブ15b内に第2平坦化膜残余物23bの底面及び側壁を囲む第2金属残余物21bを形成する。第2領域B内の最上部金属膜パターン21pを部分エッチングする間に、第1グルーブ15a内の第1金属残余物21aを除去することができる。最上部金属膜パターン21pを部分エッチングする方法では、湿式エッチング工程を使用する。第3実施形態では、最上部金属膜パターン21pが窒化チタン膜である場合、最上部金属膜パターン21pは過酸化水素溶液をエッチング溶液として使用する湿式エッチング工程によって部分エッチングすることができる。
【0083】
図16及び
図17に示すように、第2平坦化膜残余物23bをアッシング工程を使用して除去できる。第3実施形態で、第2平坦化膜残余物23bは、
図6で説明されたようにN
2H
2ガスをプロセスガスとして使用するアッシング工程によって除去できる。これは第2平坦化膜残余物23bを除去する間に第2金属膜19及び第2金属残余物21bが酸化されることを防止するためである。
【0084】
第2平坦化膜残余物23bが除去された結果物の全面の上にキャッピング金属膜29を形成し、キャッピング金属膜29、残る積層金属膜、及びゲート絶縁膜55を平坦化させて層間絶縁膜15の上部面を露出させる。その結果、
図17に示したように、第1グルーブ15a内に第1ゲート絶縁膜55a及び第1金属ゲート電極31aが形成され、第2グルーブ15b内に第2ゲート絶縁膜55b及び第2金属ゲート電極31bが形成される。第1金属ゲート電極31aは、キャッピング金属膜29、第1金属膜17に対応する下部窒化チタン、及び第2金属膜19に対応する窒化タンタルが反応して形成される金属合金を包含することができる。第2金属ゲート電極31bは、PチャンネルMOSトランジスタの実質的な金属ゲート電極に該当する第1金属膜パターン17a、第1金属膜パターン17aの上に積層された第2金属膜パターン19a及び第2金属膜パターン19aの上の第2グルーブ15bを満たすアルミニウム合金膜30を包含することができる。アルミニウム合金膜30はキャッピング金属膜29と上部窒化チタン膜パターン21bとが反応して形成される。
【0085】
キャッピング金属膜29及び第1金属ゲート電極31a及び第2金属ゲート電極31bは、第1実施形態及び第2実施形態で説明された方法と同じ方法を使用して形成される。
【0086】
第3実施形態によれば、第2領域b内の最上部金属膜パターン21pが部分エッチングされて第2グルーブ15bの下部領域内にU形態の断面を有する第2金属残余物21bを形成する。したがって、第2グルーブ15bの実質的な横縦比が、第1実施形態及び第2実施形態に比べて減少する。その結果、第2グルーブ15bをキャッピング金属膜29で満たすことが容易とすることができる。
【0087】
(第4実施形態)
図18〜
図20は、本発明の第4実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0088】
図18及び
図19に示すように、
図1から
図8までで説明された第1実施形態と同じ方法を使用して半導体基板1の上に第1グルーブ15a及び第2グルーブ15bを有する層間絶縁膜15及び積層金属膜22を形成する。続いて、積層金属膜22を有する基板の上に
図13から
図17までで説明された第3実施形態と同じ方法を適用して、第1グルーブ15a及び第2グルーブ15b内に各々第1金属ゲート電極31a及び第2金属ゲート電極31bを形成する。
【0089】
図20に示すように、ステップ2010において、半導体基板は第1領域と第2領域とを有するように提供される。ステップ2020において、絶縁膜は第1領域と第2領域とに対応する第1グルーブと第2グルーブとを有するように形成される。ステップ2030において、絶縁膜の上に積層金属膜が複数の金属層を有するように形成される。ステップ2040において、第1領域で積層金属膜の複数の金属層から第1数の金属層を有するように、そして第2領域で積層金属膜の複数の金属層から第2数の金属層を有するように積層金属膜を処理する。ステップ2050において、第1領域の第1数の金属層の上および第2領域の第2数の金属層の上にキャッピング金属膜が形成される。ステップ2060において、第1領域の第1グルーブ内でキャッピング膜は第1数の金属層と共に平坦化されて第1金属ゲート電極を形成し、第2領域の第2グルーブ内でキャッピング金属膜は第2数の金属層と共に平坦化されて第2金属ゲート電極を形成する。
【0090】
図20に示す半導体装置の製造方法では、積層金属膜の上に非感光性を有する平坦化膜を形成して第1グルーブ及び第2グルーブを満たすステップと、乾式エッチングにより第1領域の平坦化膜を除去して第1領域の積層金属膜の少なくとも一部を露出させ、第2領域の積層金属膜を覆う平坦化膜パターンを形成するステップを包含する。
図20に示す方法では、選択的に除去された平坦化膜と平坦化膜パターンとを処理するステップと、その後、その上にキャッピング金属膜を形成するステップをさらに含むことができる。
【0091】
本発明の一例によれば、
図20に示す方法では、積層金属膜の上に非感光性を有する平坦化膜を形成して第1グルーブ及び第2グルーブを満たすステップと、乾式エッチングにより第1領域の平坦化膜を部分的にエッチングして第1グルーブ内で残った第1平坦化膜残余物を形成し、第2領域の積層金属膜を覆う平坦化膜パターンを形成するステップを包含する。
図20に示す方法では、第1平坦化膜残余物と平坦化膜パターンとを処理するステップと、その後、その上にキャッピング金属膜を形成するステップをさらに含む。
【0092】
上記した実施形態によれば、第1グルーブ及び第2グルーブを有する基板の上に積層金属膜を同じ厚さだけ形成し、積層金属膜の上にグルーブを満たす平坦化膜を形成するステップを含む。平坦化膜がグルーブ内に形成されても、平坦化膜は乾式エッチングにより除去するのが容易である物質膜で形成する。その結果、平坦化膜を乾式エッチングによりパターニングして第1領域の積層金属膜を露出させた後、パターニングされた平坦化膜をマスクとして使用して露出させた積層金属膜の最上部金属膜を選択的に除去するのが容易である。即ち、平坦化膜を乾式エッチングによりパターニングした後に、第1グルーブ内にはいずれの平坦化膜残余物も残らない。したがって、パターニングされた平坦化膜をエッチングマスクとして使用して第1領域内の最上部の金属膜を完全に除去することが容易となるので、いずれの工程不良無しで互に異なる仕事関数を有する第1金属ゲート電極及び第2金属ゲート電極を形成できる。
【0093】
以上、本発明が上述した実施形態を例として説明されたが、本発明は実施形態に限定されることなく、本発明の技術的思想内で様々な変形が可能であるのは明確である。