特許第5917985号(P5917985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917985
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】リクライニング装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 1/025 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
   A47C1/025
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-86426(P2012-86426)
(22)【出願日】2012年4月5日
(65)【公開番号】特開2013-215269(P2013-215269A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】590001164
【氏名又は名称】シロキ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085187
【弁理士】
【氏名又は名称】井島 藤治
(72)【発明者】
【氏名】大滝 英樹
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−310375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/02−1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバック側の部材、シートクッション側の部材のうちのどちらか一方の部材に取り付けられる第1部材と、
該第1部材に積層され、前記第1部材に対して相対回転可能で、前記シートバック側の部材、前記シートクッション側の部材のうちの他方の部材に取り付けられる第2部材と、
前記第1部材,第2部材の相対回転を禁止するロック状態、あるいは前記相対回転を許可するアンロック状態とするロック機構と、
前記相対回転の軸上に配置され、前記第1部材の外部に露出した外部露出面から外部に突出する突出部を有し、回転することにより前記ロック機構のロック状態、アンロック状態を切り替える操作部材と、
少なくとも一部が外部に露出するように前記第1部材に配置され、一端部が前記第1部材に係止され、他端部が前記操作部材の突出部に係止され、前記ロック機構がロック状態になるように前記操作部材を付勢するスプリングと、
前記第1部材の外部露出面に設けられ、前記スプリングを覆うスプリングカバーと、
を有し、
前記スプリングカバーは、前記第1部材の外部露出面と交差する立壁部を有し、
前記第1部材の外部露出面には、前記スプリングカバーの立壁部の外面と対向する立壁面を有し、前記シートバック側の部材、前記シートクッション側の部材のうちのどちらか一方の部材に形成された取り付け用の穴に取り付けられる取り付け用突部が形成され、
前記スプリングカバーの立壁部に、前記取り付け用突部の立壁面を押接可能な弾性力を持った突部を形成し、
前記スプリングカバーを前記第1部材の外部露出面に形成された被押接面に押しつけて前記スプリングカバーの固定を行うことを特徴とするリクライニング装置。
【請求項2】
前記スプリングカバーの立壁部に形成した突部は、
前記スプリングカバーの立壁部の下部から、前記スプリングカバーの天部に向かうと共に、前記スプリングカバーの立壁部から離れる方向に延出するように折曲された爪であることを特徴とする請求項1記載のリクライニング装置。
【請求項3】
前記スプリングカバーの立壁部に形成した突部は、
前記スプリングカバーの立壁部に形成され、先端側が前記スプリングカバーの天部に向かうと共に、前記スプリングカバーの立壁部から離れる方向に延出する切り起こし片であることを特徴とする請求項1記載のリクライニング装置。
【請求項4】
前記スプリングカバーの立壁部に形成した突部は
前記スプリングカバーの立壁部より離れる方向に突出するように形成されたボッチであることを特徴とする請求項1記載のリクライニング装置。
【請求項5】
前記取り付け用突部の立壁面の上部に前記スプリングカバーの立壁部方向に突出する突部を形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のリクライニング装置。
【請求項6】
前記スプリングカバーの前記立壁部は、天部から下に行くに従って前記被押接面に近づくことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のリクライニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部にスプリングが設けられたリクライニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リクライニング装置は、非操作時には、スプリングによりロック状態となるように付勢されている。
【0003】
このスプリングは、リクライニング装置の内部に内蔵されている。しかし、小型のリクライニング装置では、外部に設けられているものもある。スプリングが外部に設けられているタイプのリクライニング装置では、スプリングの脱落を抑え、異物やリクライニング装置をシートに溶接で取り付ける際のスパッタがリクライニング装置内へ進入し、ロック不良が発生するのを防止するために、スプリングカバーが設けられる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4032806号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された構成のリクライニング装置のスプリングカバーは、リクライニング装置にかしめで取り付けられている。そのため、かしめ工程が必要となり、組み付け工程が増える問題点がある。更に、スプリングカバーが設けられるリクライニング装置の部位は、焼き入れ加工が施され、硬いので、かしめの精度管理が難しく、組み付けが難しい問題点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、組み付けが容易なリクライニング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映したリクライニング装置は、シートバック側の部材、シートクッション側の部材のうちのどちらか一方の部材に取り付けられる第1部材と、該第1部材に積層され、前記第1部材に対して相対回転可能で、前記シートバック側の部材、前記シートクッション側の部材のうちの他方の部材に取り付けられる第2部材と、前記第1部材,第2部材の相対回転を禁止するロック状態、あるいは前記相対回転を許可するアンロック状態とするロック機構と、前記相対回転の軸上に配置され、前記第1部材の外部に露出した外部露出面から外部に突出する突出部を有し、回転することにより前記ロック機構のロック状態、アンロック状態を切り替える操作部材と、少なくとも一部が外部に露出するように前記第1部材に配置され、一端部が前記第1部材に係止され、他端部が前記操作部材の突出部に係止され、前記ロック機構がロック状態になるように前記操作部材を付勢するスプリングと、前記第1部材の外部露出面に設けられ、前記スプリングを覆うスプリングカバーと、を有し、前記スプリングカバーは、前記第1部材の外部露出面と交差する立壁部を有し、前記第1部材の外部露出面には、前記スプリングカバーの立壁部の外面と対向する立壁面を有し、前記シートバック側の部材、前記シートクッション側の部材のうちのどちらか一方の部材に形成された取り付け用の穴に取り付けられる取り付け用突部が形成され、前記スプリングカバーの立壁部に、前記取り付け用突部の立壁面を押接可能な弾性力を持った突部を形成し、前記スプリングカバーを前記第1部材の外部露出面に形成された被押接面に押しつけて前記スプリングカバーの固定を行うものである。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、前記スプリングカバーは、前記第1部材の外部露出面と交差する立壁部を有し、前記第1部材の外部露出面には、前記スプリングカバーの立壁部の外面と対向する立壁面を有し、前記シートバック側の部材、前記シートクッション側の部材のうちのどちらか一方の部材に形成された取り付け用の穴に取り付けられる取り付け用突部が形成され、前記スプリングカバーの立壁部に、前記取り付け用突部の立壁面を押接可能な弾性力を持った突部を形成し、前記スプリングカバーを前記第1部材の外部露出面に形成された被押接面に押しつけて前記スプリングカバーの固定を行うことにより、組み付けが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の発明部分を説明する図で、図2のI方向矢視図ある。
図2】実施形態のリクライニング装置の分解斜視図である。
図3図1の切断線III−IIIでの端面を示す図である。
図4図3の切断線IV−IVでの端面を示す図である。
図5図3の切断線V−Vでの端面を示す図である。
図6図1の切断線VI−VIでの端面を示す図である。
図7図1のスプリングカバーの正面図である。
図8図7の切断線VIII−VIIIである。
図9図7の右側面図である。
図10】第2実施例を説明する斜視図である。
図11】第3実施形態を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
次に図面を用いて本発明の第1実施形態を説明する。
【0011】
図1図6を用いて、本実施形態のリクライニング装置の全体構成を説明する。図1は実施形態の発明部分を説明する図で、図2のI方向矢視図、図2は実施形態のリクライニング装置の分解斜視図、図3図1の切断線III−IIIでの端面を示す図、図4図3の切断線IV−IVでの端面を示す図、図5図3の切断線V−Vでの端面を示す図、図6図1の切断線VI−VIでの端面を示す図である。
【0012】
これらの図において、シートバック側に設けられるラチェット(第2部材)21は、円板状の板材をプレスにより半抜加工し、一方の面が開放面となった有底円筒状となっている。こ のラチェット21の内筒面には、円周方向全域に沿って内歯23が形成されている。また、底部21aの中心には、貫通した穴21bが形成されている。
【0013】
シートクッション側に設けられるベースプレート(第1部材)25も、円板状の板材をプレスにより半抜加工し、一方の面が開放面となった有底円筒状となっている。この有底円筒の底部25aの径は、ラチェット21の外径より若干大きく設定されている。そして、底部25aに、ラチェット21が嵌め込まれ、ベースプレート25とラチェット21とは、軸0を中心に相対回転可能となっている。また、ベースプレート25の中心には、貫通した穴25bが形成されている。また、ラチェット21の底部21aには、ベースプレート25と反対方向に突出し、シートバック側部材1に形成された取り付け用の穴1a(図3図6参照)に係合する4つの取り付け用突部21dが形成されている。即ち、これら取り付け用突部21dは、ラチェット(第2部材)21の外部露出面上に形成されている。
【0014】
そして、ラチェット21の外周部と、ベースプレート25の外周部とは、リング状の外周リング27により挟持され、ラチェット21とベースプレート25とは、相対回転の軸(O)方向に分離されることなく、相対回転可能に保持されている。
【0015】
ラチェット21の底部21aとベースプレート25の底部25aとが形成する空間には、回転カム(第1カム)31が配置される。回転カム31の中心には、非円形(小判形)の貫通穴31aが形成されている。
【0016】
ベースプレート25には、回転カム31の外側に位置するように、3つのポール33が配置される。このポール33には、内歯23と噛合可能な外歯57を有している。
【0017】
そして、ベースプレート25の底部25aには、ラチェット21方向に突出し、各ポール33を相対回転の半径方向に案内するガイド25cが形成されている。よって、各ポール33は、相対回転の半径方向に移動可能となっている。更に、ベースプレート25の底部21aには、ラチェット21と反対方向に突出し、シートクッション側部材3に形成された取り付け用の穴3a(図3図6参照)に係合する2つの取り付け用突部25dと1つの取り付け用突部25eとが形成されている。即ち、これら取り付け用突部25d、25eは、ベースプレート(第1部材)25の外部露出面上に形成されている。
【0018】
取り付け用突部25d、取り付け用突部25eは、いずれも円環を異なる半径で分割した形状で、取り付け用突部25eは、内側の円弧と半径との角部がカットされ、後述する第1ストッパ面25h、第2ストッパ面25iが形成されている。
【0019】
また、ポール33と回転カム31とガイド25cの間には、カム(第2カム)34が配置されている。
【0020】
ポール33の外歯57が形成された面と反対側には、相対回転の半径方向と交差する方向に延出する凹部33cと、フック部33aとが形成されている。
【0021】
一方、回転カム31の周部には、各ポール33の凹部33cに進入可能な3つのフック部31bが形成されている。また、ポール33の外歯57が形成された面と反対側の面には、カム34が当接可能なロック面33bが形成されている。このロック面33bは、相対回転の半径方向と交差し、カム34により押されると、ポール33をガイド25cに押しつける力と、外歯57が内歯23に噛合する方向(相対回転の半径方向)にポール33を移動させる力とが発生する面に設定されている。
【0022】
更に、ポール33のフック部33aには、回転カム31のフック部31b以外の部分に形成されたカム当接部31cが当接可能な回転カム当接部33dが形成されている。
【0023】
そして、回転カム31が一方の方向(図3において反時計方向)に回転すると、回転カム31のフック部31bがカム34を押接し、カム34はガイド25cとポール33のロック面33bを押接し、ポール33を相対回転の軸から離れる方向に移動させ、ポール33の外歯57がラチェット21の内歯23に噛合するロック位置となる。
【0024】
この時、回転カム31のカム当接部31cと、ポール33の回転カム当接部33dとの間には、隙間が発生している。
【0025】
本形態例では、ラチェット21の内歯23より底部21a側の内筒面に形成された円周方向に沿った3つの円弧状のガイド71と、各ポール33のラチェット21の底部21aとの対向面上に半抜き加工により形成された突部73とからなるロック解除保持機構が設けられている。
【0026】
そして、各ポール33の突部73が、円弧状のガイド71に当接すると、ポール33は、外歯57とラチェット21の内歯23との噛合が解除されたロック解除位置に保持されるようになっている。
【0027】
回転カム31の非円形の貫通穴31aには、断面形状が非円形(小判形)で、回転カム31と一体となって回転する操作部材77が嵌合している。操作部材77は両端面が開放面となった筒状で、外周面には、外周面の周方向全域に、操作部材77の半径方向に張り出し、ラチェット21の底部21aに当接して、操作部材77がラチェット21の底部21aに対してどの方向にも傾くのを禁止するつば部75が形成されている。本実施形態のつば部75は、操作部材77の外周面の周方向の全域にわたって形成された1つの連続したつばで構成した。
【0028】
更に、操作部材77は、ベースプレート25の貫通した穴25bから外部に露出するような高さに設定されている。
【0029】
ベースプレート25の外部露出面上であって、取り付け用突起25eよりベースプレート25の中心側には、2つのスプリング係止用突部25f、25gが形成されている(図5参照)。
【0030】
そして、取り付け用突部25d、25eが形成されるベースプレート25の外部露出面上には、長尺のバネ板材を渦巻き状に加工したスパイラルスプリング79が配置される。このスパイラルスプリング79の内端部79aは、操作部材77に巻き付けられて係止され、外端部はベースプレート25の2つあるスプリング係止用突部25f、25gのうちの一方のスプリング係止用突部25fに係止されている。そして、スパイラルスプリング79の付勢力により、回転カム31を介して、ポール33はロック位置方向に付勢されている。
【0031】
本実施形態のリクライニング装置は、図3図6に示すように、操作部材77に操作ハンドル等で駆動されるシャフト91が取り付けられる。シャフト91の断面形状は、操作部材77の穴に嵌合可能な非円形状で、嵌合することにより、操作部材77と一体となって回転するように設定されている。
【0032】
更に、ベースプレート25の外部露出面には、スパイラルスプリング79を覆うスプリングカバー101が設けられる。
【0033】
ここで、図1図3図5図9を用いて、スプリングカバー101を説明する。
【0034】
スプリングカバー101は、ベースプレート25の外部露出面と交差する(本実施形態ではベースプレート25の外部露出面と直交)立壁部101aと、立壁部101aの先端から折曲し、ベースプレート(第1部材)25の外部露出面と平行な天部101bとを有している。そして、天部101bには、操作部材77の端面と対向する穴101cが形成されている。そして、穴101cを介してシャフト91がスプリングカバー101内に挿入され、操作部材77の内周部(穴)77cに嵌合している。本実施形態では、シャフト91に、スプリングカバー101の天部101bの穴101cの周部に外部から当接するつば部91cが形成さている。
【0035】
スプリングカバー101の天部101bのベースプレート25の2つのスプリング係止用突部25fと対向する箇所には、スプリングカバー101の内部に向かって突出し、スプリング係止用突部25fに係止されたスパイラルスプリング79の端部が当接可能な突部101dが形成されている。
【0036】
尚、本実施形態のスプリングカバー101は、プレス加工により製造した。よって、プレス金型に形成された抜き勾配により、立壁部101aには、天部101bから下に行くに従って径が大きくなっている。
【0037】
一方、ベースプレート25の取り付け用突部25eには、内側の円弧と半径との角部がカットされ、スプリングカバー101の立壁部101aと対向し、相対回転の軸を中心とする回転方向と交差する第1ストッパ面25h、第2ストッパ面25iが形成されている。
【0038】
スプリングカバー101の立壁部の101aには、取り付け用突部25eの第1ストッパ面25hに当接し、ベースプレート(第1部材)25の外部露出面上での一方の方向の回転を規制する第1回転規制面101eが形成されている。また、取り付け用突部25eの第2ストッパ面25iに当接し、ベースプレート(第1部材)25の外部露出面上での他方の方向の回転を規制する第2回転規制面101fが形成されている。
【0039】
また、前述したスプリング係止用突部25f、25gは、スプリングカバー101の内部に位置し、第1回転規制面101e、第2回転規制面101fに対向する突部としても機能する。
【0040】
本実施形態の第1回転規制面101e、第2回転規制面101fは、スプリングカバー101のベースプレート25の外部露出面上での回転方向と交差する平面である。
【0041】
また、スプリングカバー101の立壁部101aには、シートバック側部材1の取り付け用穴1aを介して、シートバック側部材1のベースプレート(第1部材)25と対向する裏面に対向する2つのベロ部101gと、ベロ部101hとが形成されている。
【0042】
ここで、本実施形態のリクライニング装置の作動を説明する。
【0043】
図4に示すように、回転カム31に操作力を加えていない場合は、スパイラルスプリング79の付勢力により、回転カム31は一方の方向(図において反時計方向)に回転し、回転カム31のフック部31bがカム34を介して、ポール33のロック面33bを押接している。ポール33のロック面33bが押されると外歯57が内歯23に噛合する方向(相対回転の半径方向)にポール33を移動させる力が発生し、ポール33の外歯57がラチェット21の内歯23に噛合するロック位置となる。よって、ラチェット21とベースプレート25との相対回転は禁止され、シートバックはシートクッションに対して回転ができない状態(ロック状態)にある。
【0044】
スパイラルスプリング79の付勢力に抗してシャフト91を回転させ、ポール33がロック位置にある状態から、回転カム31(操作部材77)が他方の方向(図において時計方向)に回転すると、回転カム31のフック部31bがポール33の凹部33cに進入し、ポール33のフック部33aに係合し(凹部33cの相対回転の回転中心側の内壁面を押接して)、ポール33を相対回転の軸に近づく方向へ引き上げ、ポール33は外歯57とラチェット21の内歯23との噛合が解除された図5に示すアンロック位置(フルオープン状態)となる。よって、ラチェット21とベースプレート25との相対回転が可能となり、シートバックは シートクッションに対して回転可能となる。
【0045】
シートクッションに対する所望のシートバックの回転角を得た後、シャフト91への操作力を解除すると、回転カム31はスパイラルスプリング79の付勢力により、反時計方向に回転する。
【0046】
回転カム31が反時計方向に回転すると、先ず、回転カム31のカム当接部31cがポール33の回転カム当接部33dに当接し、ポール33をロック方向に押す。
【0047】
更に、回転カム31が回転すると、回転カム31のカム当接部31cがポール33の回転カム当接部33dに当接して、ポール33をロック方向に押接すると共に、回転カム31のフック部31bがカム34を押接し始め、カム34はポール33のロック面33b方向に移動し始める。回転カム31のカム当接部31cがポール33の回転カム当接部33dに当接して、ポール33をロック方向に押接すると共に、回転カム31のフック部31bがカム34を介して、ポール33のロック面33bを押接し始める。
【0048】
更に、回転カム31が回転すると、回転カム31のカム当接部31cがポール33の回転カム当接部33dから離れ始め、逆に、回転カム31のフック部31bがカム34を介して、ポール33のロック面33bを押接し始める。回転カム31が回転して、ポール33は図4に示すロック位置まで押され、ポール33の外歯57と、ラチェット21の内歯23とがガタなく噛合したロック状態に復帰する。
【0049】
そして、シートバックが起立し、着座可能な状態(初段ロック状態)と前倒れ状態との間は、前述したロック解除保持機構により、操作部材77への操作力を解除しても、ロック解除位置にポール33が保持され、シートバックは、操作部材77を操作せずに、回転することができる。すなわち、初段ロック状態と前倒れ状態との間は、各ポール33の突部73が円弧状のガイド71上に位置し、操作部材77への操作力を解除しても、ポール33はロック解除位置に保持され、ラチェット21とベースプレート25との相対回転が可能となる。
【0050】
そして、図1図8に示すように、スプリングカバー101に取り付け用突部25eの第1ストッパ面25hと第2ストッパ面25iとの間の立壁面25jに押接可能な弾性力を持った突部が形成されている。本実施形態の突部は、スプリングカバー101の立壁部101aの下部から、スプリングカバー101の天部101bに向かうと共に、スプリングカバー101の立壁部101aから離れる方向に延出するように折曲された爪201である。
【0051】
この爪201の弾性反発力により、スプリングカバー101の立壁部101aは、2つある取り付け用突部25dのうちの一方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25kと、他方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25lに押しつけられ、スプリングカバー101の立壁部101aが3点支持され、スプリングカバー101の固定が行われる。
【0052】
また、図8に示すように、取り付け用突部25eの立壁面25jの上部には、スプリングカバー101の立壁部101a方向に突出する突部25mが形成されている。また、2つある取り付け用突部25dのうちの一方の取り付け用突部25dの立壁面25kの上部にも、スプリングカバー101の立壁部101a方向に突出する突部25nが形成されている。更に、図示しない、他方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25lの上部にも、スプリングカバー101の立壁部101a方向に突出する突部が形成されている。
【0053】
この突部の形成は、取り付け用突部25eの立壁面25j近傍の天部、一方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25k近傍の天部、他方の取り付け用突部25eの立壁面(被押接面)25l近傍の天部をポンチ等で塑性変形させることでおこなった。
【0054】
このスプリングカバー101の立壁面に形成した突部により、スプリングカバー101が、ラチェット21とベースプレート25との相対回転の軸方向に抜けにくくなる。
【0055】
上記構成によれば、以下のような効果が得られる。
【0056】
(1) スプリングカバー101を取り付け用突起25eと、2つの取り付け用突起25dとの間に圧入するだけで、スプリングカバー101の爪201が取り付け用突起25eの立壁面25jを押圧し、爪201の弾性反発力により、スプリングカバー101の立壁部101aは、2つある取り付け用突部25dのうちの一方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25kと、他方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25lに押しつけられ、スプリングカバー101の立壁部101aが3点支持され、ガタなくスプリングカバー101の固定が行われる。よって、かしめや溶接等の方法を用いてスプリングカバー101を組み付けることに比べ、組み付けが容易である。
【0057】
(2) 取り付け用突部25eの立壁面25jを押接する突部として、スプリングカバー101の立壁部101aの下部から、スプリングカバー101の天部101bに向かうと共に、スプリングカバー101の立壁部101aから離れる方向に延出するように折曲された爪201を用いたことにより、取り付け用突部25eの立壁面25jを押す突部のストロークを長くすることができる。よって、スプリングカバー101の外形寸法の誤差、スプリングカバー101を取り付け用突起25e、2つの取り付け用突起25dの外形寸法の誤差、形成位置の誤差によるバラツキが大きくても、そのバラツキを吸収できる。
【0058】
(3) 取り付け用突部の立壁面の上部に突部を形成したことにより、スプリングカバー101がラチェット21とベースプレート25との相対回転の軸方向に抜けにくくなる。
<第2実施形態>
スプリングカバー101に形成され、取り付け用突部25eの立壁面25jに押接可能な弾性力を持った突部として、図10に示すような切り起こし片301でもよい。
【0059】
この切り起こし片301は、スプリングカバー10の立壁部101aに形成され、先端側がスプリングカバー101の天部101bに向かうと共に、スプリングカバー101の立壁部101aから離れる方向に延出している。
【0060】
このような構成の切り起こし片301をスプリングカバー101の立壁部101aに形成することで、スプリングカバー101を取り付け用突起25eと、2つの取り付け用突起25dとの間に圧入するだけで、スプリングカバー101の切り起こし片301が取り付け用突起25eの立壁面25jを押圧し、切り起こし片301の弾性反発力により、スプリングカバー101の立壁部101aは、2つある取り付け用突部25dのうちの一方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25kと、他方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25lに押しつけられ、スプリングカバー101の立壁部101aが3点支持され、ガタなくスプリングカバー101の固定が行われる。よって、かしめや溶接等の方法を用いてスプリングカバー101を組み付けることに比べ、組み付けが容易である。
<第3実施形態>
スプリングカバー101に形成され、取り付け用突部25eの立壁面25jに押接可能な弾性力を持った突部として、図11に示すようなボッチ401でもよい。
【0061】
このボッチ401は、スプリングカバー10の立壁部101aを塑性変形させることによりに形成され、スプリングカバー101の立壁部101aより離れる方向に突出している。
【0062】
このような構成のボッチ401をスプリングカバー101の立壁部101aに形成することで、スプリングカバー101を取り付け用突起25eと、2つの取り付け用突起25dとの間に圧入するだけで、スプリングカバー101のボッチ401が取り付け用突起25eの立壁面25jを押圧し、ボッチ401の弾性反発力により、スプリングカバー101の立壁部101aは、2つある取り付け用突部25dのうちの一方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25kと、他方の取り付け用突部25dの立壁面(被押接面)25lに押しつけられ、スプリングカバー101の立壁部101aが3点支持され、ガタなくスプリングカバー101の固定が行われる。よって、かしめや溶接等の方法を用いてスプリングカバー101を組み付けることに比べ、組み付けが容易である。
<第4実施形態例>
スプリングカバー101の立壁部101aを天部101bから下に行くに従って被押接面に近づくようにしてもよい。
【0063】
本実施形態のスプリングカバー101は、金属の板材をプレス成形で製造される。よって、スプリングカバー101をこのような形状にするのは容易である。
【0064】
スプリングカバー101をこのような形状にすれば、スプリングカバー101がラチェット21とベースプレート25との相対回転の軸方向に移動すると、スプリングカバー101の立壁部101aが取り付け用突部の立壁面の上部に形成された突部に当接し、抜けにくくなる。
【0065】
尚、本発明は上記実施の形態に限定するものではない。上記実施の形態では、シートバック側にラチェット21を設け、シートクッション側にベースプレート25を設けたが、逆に、シートバック側にベースプレート25を設け、シートクッション側にラチェット21を設けてもよい。
【0066】
また、上記実施形態のスパイラルスプリング79は、ベースプレート25の外部露出面上に配置されているが、本発明は、スパイラルスプリング79がベースプレート25の穴25b内に配置され、スパイラルスプリング79の一部が外部に露出している場合でも適用できる。
【符号の説明】
【0067】
25 ベースプレート
25e 取り付け用突部
25j 立壁面
25k 立壁面(被押接面)
25l 立壁面(被押接面)
101 スプリングカバー
101a 立壁部
201 爪(突部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11