(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記命令と、前記情報処理装置が前記命令を実行する前に行う前処理命令列と、前記情報処理装置が前記命令を実行した後に行う後処理命令列とが関連付けされている場合に、前記命令と前記前処理命令列と前記後処理命令列とを並べて、前記命令列とする読み取り部を更に備える
請求項1に記載のテスト装置。
前記挿入部は、前記新たな挿入命令列が2つ以上の前記命令から構成されると判定する場合に、前記新たな挿入命令列を前記挿入命令列として、前記第2処理を繰り返し実施する
請求項3に記載のテスト装置。
前記実施部は、前記情報処理装置における先行制御を有効にし、前記第3命令列を前記情報処理装置に実行させることに応じて第1結果を受け取り、前記情報処理装置における先行制御を無効にし、前記第3命令列を前記情報処理装置に実行させることに応じて第2結果を受け取り、
前記第1結果と前記第2結果を比較し、一致しないと判定する場合にはエラーに関する情報を出力し、一致すると判定する場合には該エラーに関する情報を出力しない判断部を更に備える
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のテスト装置。
情報処理装置が処理することができる命令を、組み合わせることによって構成された複数の命令列からランダムに第1命令列を取り出し、前記第1命令列が複数の前記命令から構成される場合に、ランダムに前記命令列を挿入命令列として選び、該挿入命令列を、前記第1命令列を構成する前記命令間に挿入し、挿入後の命令列を第2命令列とする処理を1度以上行い、前記第1命令列が1個の前記命令から構成される場合に、前記第1命令列を前記第2命令列とし、前記第2命令列を並べることにより第3命令列を作成し、前記第3命令列の処理を前記情報処理装置に命じるテスト方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係るテスト装置が有する構成と、そのテスト装置が行う処理とについて、
図1と
図2とを参照しながら詳細に説明を行う。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るテスト装置1の構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るテスト装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【0016】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態に係るテスト装置1は、選択部2と、挿入部3と、生成部4と、実施部5とを有する。テスト装置1は、ランダム試験を行う対象である情報処理装置6と繋がる。テスト装置1は、情報処理装置6が実行することができる命令(以降、「実行可能命令」とも表す)を命令7から読み取る。
【0017】
例えば、情報処理装置6は、
図3に示すような命令を実行する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るテスト装置1の入力となる実行可能命令列を表す概念図である。
図3におけるa1、a2、a3、a4、b1、b2、b3などの表記は、それぞれ、情報処理装置6において実行することができる1個の命令を概念的に表す。
図3における1行目には、「a1、a2、a3、a4」という4個の命令が存在する。「a1、a2、a3、a4」という表記は、情報処理装置6がa1を実行し、次にa2を実行し、次にa3を実行し、次にa4を実行することを表す。以降では、命令が1個以上の実行可能命令を有するとき、一連の命令をまとめて命令列(あるいは、「実行可能命令列」)とも表現する。
【0018】
まず、選択部2は、命令7の中から1個以上の第1命令列をランダムに選ぶ(ステップS1)。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る選択部2が選ぶ命令列を表す概念図である。
図4を参照すると、例えば、選択部2は、「b1、b2、b3」、「c1」、「d1、d2」、「a1、a2、a3、a4」という4個の第1命令列を順に選ぶ。
【0019】
次に、挿入部3は、第1命令列が命令を2個以上有するか否かを判定する(ステップS2)。例えば、
図4の例において、挿入部3は、「b1、b2、b3」という第1命令列が「b1」、「b2」、「b3」という3個の命令を有すると判定する(ステップS2においてYESと判定)。また、挿入部3は、「c1」という第1命令列が、「c1」という1個の命令を有すると判定する(ステップS2においてNOと判定)。
【0020】
挿入部3は、第1命令列が命令を2個以上有すると判定する場合(ステップS2においてYESと判定)、第1命令列における各命令間に、ランダムに選んだ1個以上の命令列を挿入することにより、第2命令列を作成する(ステップS3)。また、挿入部3は、第1命令列が命令を2個以上有さないと判定する場合(ステップS2においてNOと判定)、第1命令列を第2命令列とする(ステップS4)。
【0021】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る挿入部3が作成する第2命令列を表す概念図である。
図4と
図5とを参照しながら、挿入部3が行う処理の例について説明する。例えば、挿入部3は、上述したように「b1、b2、b3」という第1命令列が命令を2個以上有すると判定するため、「b1」と「b2」との間と、「b2」と「b3」との間とに、ランダムに選んだ1個以上の命令列を挿入する。
図5を参照すると、挿入部3は、例えば、「b1」と「b2」との間に、「c1」という命令列を2個挿入する。次に、挿入部3は、「b2」と「b3」との間に、「d1、d2」という命令列を1個挿入する。次に、挿入部3は、「b1、c1、c1、b2、d1、d2、b3」という第2命令列を作成する。また、挿入部3は、「c1」という第1命令列が命令を2個以上有さないと判定するため、「c1」という第2命令列を作成する。
【0022】
次に、生成部4は、第2命令列を並べることにより、第3命令列を作成する(ステップS5)。
図5の例において、生成部4は、例えば、1行目から順に並べ、「b1、c1、c1、b2、d1、d2、b3、c1、d1、a1、a2、a3、a4、c1、d2、・・・」という第3命令列を作成する。生成部4は、必ずしも、挿入部3が作成する第2命令列を順に並べる必要はなく、第2命令列の単位でランダムに並び替えてもよいし、逆の順序で並べても良いし、一部の第2命令列だけを並べても良い。並べる方法は、上述した例には限定されない。
【0023】
次に、実施部5は、情報処理装置6に第3命令列の処理を命じる(ステップS6)。例えば、上述した例においては、実施部5は、「b1、c1、c1、b2、d1、d2、b3、c1、d1、a1、a2、a3、a4、c1、d2、・・・」という命令列を情報処理装置6に命ずる。すると、情報処理装置6は、「b1、c1、c1、b2、d1、d2、b3、c1、d1、a1、a2、a3、a4、c1、d2、・・・」という命令列を処理する。
【0024】
特許文献1乃至特許文献3が開示するテスト装置は、ある命令を実行する前に行う一連の命令(以降、「前処理命令列」と表す)と、ある命令を実行した後に行う一連の命令(以降、「後処理命令列」と表す)とを組み合わせることにより、ランダム試験を行うための命令列を作成する。そのため、前処理命令列、あるいは、後処理命令列において、情報処理装置6が処理する命令は、必ず同じになる。そのため、特許文献1乃至特許文献3が開示するテスト装置は、ランダム試験を行う装置であるにもかかわらず、特定の命令列が複数出現する命令列を作成する。
【0025】
一方、本発明における第1の実施形態に係るテスト装置1は、情報処理装置6が処理を行う一連の命令(命令列)における各命令間に、ランダムに選んだ命令列を1個以上挿入する。即ち、本発明における第1の実施形態に係るテスト装置1は、特定の命令列を、ランダムに選んだ命令列を有する命令列に変換する。そのため、本発明における第1の実施形態に係るテスト装置1によれば、特定の命令列が出現する頻度は低減し、高いランダム性を有した命令を作成することができる。
【0026】
即ち、本発明における第1の実施形態に係るテスト装置によれば、高いランダム性を有するテストを実施することができる。
【0027】
<第2の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする第2の実施形態について説明する。
【0028】
以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0029】
図6と
図7とを参照しながら、本発明の第2の実施形態に係るテスト装置9、そのテスト装置が行う処理とについてについて説明を行う。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るテスト装置9の構成を示すブロック図である。
図7は、本発明の第2の実施形態に係るテスト装置9における処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
図6を参照すると、テスト装置9は、読み取り部8を更に有する。テスト装置9は、実行可能命令を命令10から読み取る。命令10の例を
図8に示す。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る読み取り部8が読み取る命令列を表す概念図である。
【0031】
図8を参照すると、命令列は、実行可能命令と、前処理命令列と、後処理命令列とから構成される。例えば、実行可能命令「b2」は、前処理命令列「b1」と、後処理命令列「b3」と関連付けされている。また、実行可能命令「d2」は、前処理命令列「d1」と関連付けされているが、後処理命令列とは関連付けされていない。
【0032】
読み取り部8は、命令10から実行可能命令と、前処理命令列と、後処理命令列とを読み取る(ステップS7)。次に、読み取り部8は、読み取った情報を、前処理命令列、実行可能命令、後処理命令列の順に並べることにより、実行可能命令列を作成する(ステップS8)。例えば、読み取り部8は、実行可能命令「b2」と、前処理命令列「b1」と、後処理命令列「b3」とを読み取り、読み取った命令を上述したように並べることにより、「b1、b2、b3」という命令列を作成する。
【0033】
読み取り部8は、第1の実施形態における入力とは異なる形式の入力であっても、テスト装置9が第1の実施形態と同様の処理を行うことを可能にする。
【0034】
即ち、本発明における第2の実施形態に係るテスト装置によれば、高いランダム性を有するテストを実施することができる。
【0035】
<第3の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする第3の実施形態について説明する。
【0036】
以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0037】
図9と
図10とを参照しながら、本発明の第3の実施形態に係るテスト装置12が有する構成と、テスト装置12が行う処理とについて説明を行う。
図9は、本発明の第3の実施形態に係るテスト装置12の構成を示すブロック図である。
図10は、本発明の第3の実施形態に係るテスト装置12における処理の流れを示すフローチャートである。
【0038】
図9を参照すると、第3の実施形態に係るテスト装置12は、挿入部11を有する。挿入部11は、第1命令列が2個以上の命令を含むと判定すると(ステップS2においてYESと判定)、第1命令列が含む各命令間に挿入する命令列(以降、「挿入命令列」と略記する)として、それぞれ、1個以上の命令列をランダムに選ぶ(ステップS9)。
【0039】
挿入部11は、選んだ各挿入命令列が2個以上の命令を含むと判定する(ステップS10にてYESと判定)と、該挿入命令列が含む各命令間に挿入する命令列として、それぞれ、1個以上の命令列をランダムに選ぶ。次に、挿入部11は、新たに選んだ命令列を、該挿入命令列が含む各命令間に、それぞれ挿入することによって得られる命令列を第2挿入命令列とする(ステップS11)。
【0040】
挿入部11は、選んだ各挿入命令列が2個以上の命令を含まないと判定する(ステップS10にてNOと判定)と、該挿入命令列を第2挿入命令列とする(ステップS12)。
【0041】
次に、挿入部11は、各挿入命令列について作成した第2挿入命令列を、第1命令列が含む各命令間にそれぞれ挿入し、得られた命令列を第2命令列とする(ステップS13)。
【0042】
例えば、第2の実施形態で例示した例において、選択部2は「b1、b2、b3」という第1命令列を選ぶとする。次に、挿入部11は、「b1」と「b2」との間に挿入するランダムに選んだ第1A挿入命令列と、「b2」と「b3」との間に挿入するランダムに選んだ第1B挿入命令列とを選ぶ。第1A挿入命令列が「c1」であり、第1B挿入命令列が「d1、d2」であるとする。挿入部11は、第1A挿入命令列である「c1」に対し、選んだ第1A挿入命令列が2個以上の命令を含まないと判定するため、「c1」を第2挿入命令列とする。
【0043】
挿入部11は、挿入命令列である「d1、d2」に対しては、選んだ第1B挿入命令列が2個以上の命令を含むと判定するため、「d1」と「d2」との間に、ランダムに選んだ挿入命令列を挿入する。例えば、該選んだ挿入命令列が「c1」であるとすると、挿入部11は、「d1、c1、d2」を第2挿入命令列とする。
【0044】
次に、挿入部11は、「b1、b2、b3」に各第2挿入命令列を挿入することによって、「b1、c1、b2、d1、c1、d2、b3」という第2命令列を作成する。
【0045】
本発明における第3の実施形態に係るテスト装置12は、選んだ各挿入命令列が複数の命令を含むと判定する場合、さらに、挿入命令列における各命令間に、ランダムに選んだ命令列を挿入する。そのように処理することにより、作成する命令列は、さらに、ランダム試験に適したものとなる。
【0046】
即ち、本発明における第3の実施形態に係るテスト装置によれば、高いランダム性を有するテストを実施することができる。
【0047】
<第4の実施形態>
次に、上述した第3の実施形態を基本とする第4の実施形態について説明する。
【0048】
以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第3の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0049】
図11と
図12とを参照しながら、本発明の第4の実施形態に係るテスト装置14が有する構成と、テスト装置14が行う処理とについて説明を行う。
図11は、本発明の第4の実施形態に係るテスト装置14の構成を示すブロック図である。
図12は、本発明の第4の実施形態に係るテスト装置14における処理の流れを示すフローチャートである。
【0050】
図11を参照すると、第4の実施形態に係るテスト装置14は、挿入部13を有する。挿入部13は、本発明の第3の実施形態に係るテスト装置における挿入命令列が複数の命令を含む場合において、該複数の命令間に命令列を挿入する処理を、再帰的に繰り返し実施する。
【0051】
即ち、挿入部13は、挿入命令列における命令間にランダムに、選んだ1つ以上の命令列を挿入する(ステップS14)。そのときに、挿入部13は、選んだ命令列が2つ以上の命令を含むと判定する場合(ステップS15にてYESと判定)、選んだ各命令列を挿入命令列、即ち、ステップS14における処理の入力とする(ステップS16)。
【0052】
挿入部13は、選んだ命令列が2つ以上の命令を含むと判定しない場合(ステップS15にてNOと判定)、選んだ命令列に対する処理を全て終了したか否かを判定する。挿入部13は、選んだ命令列に対する処理を全て終了したと判定すると(ステップS17にてYESと判定)、処理を終える。挿入部13は、選んだ命令列に対する処理を終了していないと判定すると(ステップS17にてNOと判定)、処理を終了していない該選んだ命令列に対して、ステップS15の処理を行う。
【0053】
本発明における第4の実施形態に係るテスト装置14は、命令列を挿入する処理を再帰的に繰り返し実施するため、更に高いランダム性を有するテストを実施することができる。
【0054】
即ち、本発明における第4の実施形態に係るテスト装置によれば、高いランダム性を有するテストを実施することができる。
【0055】
<第5の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする第5の実施形態について説明する。
【0056】
以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0057】
図13と
図14とを参照しながら、本発明の第5の実施形態に係るテスト装置17が有する構成と、そのテスト装置17が行う処理とについて説明を行う。
図13は、本発明の第5の実施形態に係るテスト装置17の構成を示すブロック図である。
図14は、本発明の第5の実施形態に係るテスト装置17における処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
図13を参照すると、第5の実施形態に係るテスト装置17は、生成部15と作成部16とを有する。生成部15は、挿入部3が作成した第2命令列を情報処理装置6が処理するデータをランダムに選ぶ(ステップS18)。例えば、生成部15は、各命令を処理するために必要なデータを記憶する外部記憶装置(
図13において不図示)を参照し、その中から第2命令列における各命令に要するデータを選び出しても良い。あるいは、第2命令列における各命令が数値データを処理する場合に、生成部15は、ランダムに数値データを作成しても良い。ランダムにデータを選ぶ方法は、上述した方法に限定されない。
【0059】
次に、作成部16は、第2命令列と、上述のように選んだデータとを関連付けすることにより、第3命令列を作成する(ステップS19)。
【0060】
本発明における第5の実施形態に係るテスト装置17は、情報処理装置6が処理するデータをランダムに選び出す。テスト装置17は、同じ命令を処理する命令列であっても、異なるデータを作成するため、本発明における第5の実施形態に係るテスト装置17によれば、作成するテストは、さらに、ランダム試験にふさわしいプログラムとなる。
【0061】
即ち、本発明における第5の実施形態に係るテスト装置によれば、高いランダム性を有するテストを実施することができる。
【0062】
<第6の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする第6の実施形態について説明する。
【0063】
以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0064】
図15と
図16とを参照しながら、本発明の第6の実施形態に係るテスト装置20が有する構成と、テスト装置20が行う処理とについて説明を行う。
図15は、本発明の第6の実施形態に係るテスト装置20の構成を示すブロック図である。
図16は、本発明の第6の実施形態に係るテスト装置20における処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
図15を参照すると、第6の実施形態に係るテスト装置20は、実施部18と判断部19とを更に有する。実施部18は、情報処理装置6における先行制御を有効にし(ステップS20)、次に、生成部4が生成する第3命令列の処理を情報処理装置6に命ずる(ステップS21)。次に、情報処理装置6は、該第3命令列の処理を実行することより得られた結果を実施部18に送る。実施部18は、情報処理装置6が送信した実行結果を受け取る(ステップS22)。実行結果は、レジスタの値や、第3命令列がアクセスしたメモリの値などを含む。
【0066】
次に、実施部18は、情報処理装置6における先行制御を無効にし(ステップS23)、次に、生成部4が生成する第3命令列の処理を情報処理装置6に命ずる(ステップS24)。先行制御を無効する方法は、情報処理装置6が第3命令列の各命令を実行するたびに、割り込みを発生することで実現することができる。次に、情報処理装置6は、該第3命令列の処理を実行することにより得られた結果を実施部18に送る。実施部18は、情報処理装置6が送信した実行結果を受け取る(ステップS25)。
【0067】
次に、判断部19は、実施部18における上述した2つの実行結果を比較し、該2つの実行結果が一致しないと判定した場合(ステップS26にてNOと判定)に、エラー情報を出力する(ステップS27)。判断部19は、該2つの実行結果が一致すると判定した場合(ステップS26にてYESと判定)に、エラー情報を出力しない。
【0068】
上述した例において、実施部18は、情報処理装置6が第3命令列の各命令を実行した後に、実行結果を受け取るとしたが、各命令を実行するたびに実行結果を受け取ることでも、同様の機能を実現できる。あるいは、実施部18は、情報処理装置6が第3命令列における一部の命令を実行した後に、実行結果を受け取ることもできる。
【0069】
即ち、本発明における第6の実施形態に係るテスト装置によれば、高いランダム性を有するテストを実施することができる。さらに、本発明における第6の実施形態に係るテスト装置によれば、情報処理装置6が第3命令列を処理するときに発生する可能性があるエラーを検出することができる。
【0070】
<第7の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする第7の実施形態について説明する。
【0071】
以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0072】
図17と
図18とを参照しながら、本発明の第7の実施形態に係るテスト装置22が有する構成と、そのテスト装置22が行う処理とについて説明を行う。
図17は、本発明の第7の実施形態に係るテスト装置22の構成を示すブロック図である。
図18は、本発明の第7の実施形態に係るテスト装置22における処理の流れを示すフローチャートである。
【0073】
図17を参照すると、第7の実施形態に係るテスト装置22は、終了部21を有する。終了部21は、終了信号を受信すると(ステップS28にてYESと判定)、その後、第1の実施形態乃至第6の実施形態における処理を終了する(ステップS29)。終了部21は、終了信号を受信しないと(ステップS28にてNOと判定)、第1の実施形態乃至第6の実施形態における処理を実施する(ステップS34)。
【0074】
本発明における第7の実施形態に係るテスト装置22によれば、第1の実施形態乃至第6の実施形態により得られる効果に加え、外部からランダム試験の実行を制御することが可能になる。
【0075】
即ち、本発明における第7の実施形態に係るテスト装置によれば、高いランダム性を有するテストを実施することができる。
【0076】
<第8の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする第8の実施形態について説明する。
【0077】
以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0078】
図19と
図20とを参照しながら、本発明の第8の実施形態に係るテスト装置27が有する構成と、テスト装置27が行う処理とについて説明を行う。
図19は、本発明の第8の実施形態に係るテスト装置27の構成を示すブロック図である。
図20は、本発明の第8の実施形態に係るテスト装置27における処理の流れを示すフローチャートである。
【0079】
図19を参照すると、本発明の第8の実施形態に係るテスト装置27は、選択部23と、挿入部24と、生成部25と、記憶部26とを有する。まず、選択部23は、命令7から、複数の実行可能命令列を選ぶ(ステップS30)。次に、挿入部24は、選んだ各々の実行可能命令列に対し、本発明における第1の実施形態にて説明したような第1処理を行う(ステップS31)。次に、挿入部24は、上述のように作成した第2命令列を記憶部26に記憶させる(ステップS32)。次に、生成部25は、記憶部26が記憶する第2命令列をランダムに取り出し、取り出した第2命令列を並べることにより第3命令列を作成する(ステップS33)。
【0080】
本発明における第8の実施形態に係るテスト装置27は、上述したように挿入部24が記憶部26に第2命令列を記憶させるため、1つの実行可能命令列に対し第1処理を実行する必要がなくなる。そのため、本発明における第8の実施形態に係るテスト装置27によれば、第1処理を減らすことができることに加え、本発明の第1の実施形態が有する効果をそのまま保持する。
【0081】
即ち、本発明における第8の実施形態に係るテスト装置によれば、高いランダム性を有するテストを実施することができる。
【0082】
(ハードウェア構成例)
図21は、本発明の各実施形態に係るテスト装置を実現可能な計算処理装置のハードウェア構成を、概略的に示すブロック図である。
【0083】
次に、上述した本発明の各実施形態におけるテスト装置を、1つの計算処理装置(情報処理装置、コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。但し、係るテスト装置は、物理的または機能的に少なくとも2つの計算処理装置を用いて実現してもよい。また、係るテスト装置は、専用の装置として実現してもよい。
【0084】
図21は、本発明の第1の実施形態乃至本発明の第8の実施形態に係るテスト装置を実現可能な計算処理装置のハードウェア構成を概略的に示す図である。計算処理装置33は、中央処理演算装置(Central Processing Unit、以降「CPU」と表す)34、メモリ35、ディスク36、不揮発性記録媒体37、入力装置38、および、出力装置39を有する。
【0085】
不揮発性記録媒体37は、例えば、コンパクトディスク(Compact Disc)、デジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc)、ユニバーサルシリアルバスメモリ(USBメモリ)などを指しており、電源を供給しなくても係るプログラムを保持し、持ち運びを可能にする。不揮発性記録媒体37は、上述した媒体に限定されない。また、不揮発性記録媒体37の代わりに、通信ネットワークを介して係るプログラムを持ち運びしても良い。
【0086】
即ち、CPU34は、ディスク36が記憶するソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム:以下、単に「プログラム」と称する)を、実行時にメモリ35にコピーし、演算処理を実行する。CPU34は、プログラム実行に必要なデータをメモリ35から読み込む。表示が必要な場合には、CPU34は、出力装置39に出力結果を表示する。外部からプログラムを入力する場合、CPU34は、入力装置38からプログラムを読み取る。CPU34は、メモリ35にあるテストプログラム(
図2、
図7、
図10、
図12、
図14、
図16、
図18、
図20)を解釈し実行を行う。CPU34は、上述した本発明の各実施形態において説明した処理を順次行う。
【0087】
即ち、このような場合、本発明は、係るテストプログラムによっても成し得ると捉えることができる。更に、係るテストプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体によっても、本発明は成し得ると捕らえることができる。