【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日 :2015年1月10日 掲載アドレス :http://www.takara−kizai.com/original/product_08.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取付部は、前記嵩上げ用中空部材の外面に配置される外面部材と、前記嵩上げ用中空部材の内面に配置される内面部材とを備えてなることを特徴とする請求項1に記載のグレーチング用固定具。
請求項1から5のいずれか1項に記載のグレーチング用固定具が、グレーチング本体の下面に形成された嵩上げ用中空部材に取り付けられていることを特徴とするグレーチング。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこうした課題を解決するためになされたものであり、グレーチングを側溝に設置する前後にかかわらず取り付け可能であって、盗難を抑止する効果を有するグレーチング用固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明にかかるグレーチング用固定具は、
グレーチング本体の下面に嵩上げ用中空部材を有するグレーチングに使用されるグレーチング用固定具において、
前記嵩上げ用中空部材の側面の端部に取り付け可能な取付部と、
前記取付部を前記嵩上げ用中空部材の側面端部に取り付け、側溝に配置した際に、前記グレーチング本体の前後方向へ延出し、かつ上面が隣接配置される側溝の蓋の底面又は暗渠の上板の底面と同じ高さ又はグレーチングの高さ距離以内の低い位置に形成されている支持部と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明にかかるグレーチング用固定具は、グレーチングの嵩上げ用中空部材に取り付けた状態で側溝に載置することで、支持部が隣接配置される側溝の蓋又は暗渠の上板の底面側、すなわち、底面に接触して若しくは底面から隙間をあけて配置される。そのため、グレーチング用固定具は、隣接して配置される側溝の蓋の重量によって上方への移動が防止され、グレーチング用固定具に固定されたグレーチング自体も側溝の蓋の重量によって上方への移動が防止される。また、本発明のグレーチング用固定具は、従来の固定具のようにグレーチングを側溝に配置した後に固定具を取りつけるだけでなく、グレーチングを側溝に配置する前にも取りつけることができる。そのため、グレーチングを側溝に配置した状態で、側溝の溝の間から取り付け用工具を差し込んで固定具を取りつけたり、低い道路面にしゃがんだ状態での作業を強いられたりすることもなく、グレーチング用固定具を容易にグレーチングに取り付けることができる。しかも、本発明にかかるグレーチング用固定具が取りつけられたグレーチングは、一部の実施例を除き、従来のグレーチングと同様に単に側溝に設置し、その前後に側溝の蓋を設置するだけでグレーチングを側溝に固定することができる。一方で、グレーチングを側溝から取り外す場合には、一方の側溝の蓋を取り外すことでグレーチングを取り外すことができる。このように一旦隣接する側溝の蓋を取り外さなければならないという一定の煩わしさがあるため、十分に盗難抑止効果を発揮でき、一方で実際の工事等で取り外す必要がある場合は、隣接する側溝の蓋を外すだけで従来と比較して容易に取り外すことができる。
【0009】
また、本発明にかかるグレーチング用固定具において、前記取付部は、前記嵩上げ用中空部材の外面に配置される外面部材と、前記嵩上げ用中空部材の内面に配置される内面部材とを備えているもであってもよい。かかる構成を採用することによって、嵩上げ用中空部材の側面をグレーチング用固定具の外面部材と内面部材との間に配置することで、所定の位置に固定することができる。
【0010】
さらに、本発明にかかるグレーチング用固定具において、前記取付部は、前記外面部材と、前記内面部材とを備えた挟持部材からなるものであってもよい。かかる構成を採用することによって、嵩上げ用中空部材の側面をグレーチング用固定具の外面部材と内面部材との間に挟み込むように挿入するだけで、挟持固定することができる。
【0011】
さらに、本発明にかかるグレーチング用固定具において、前記外面部材には、固定用螺合部材を挿入可能な貫通孔が形成されていてもよい。かかる構成を採用することで、例えば、ドリルねじのような固定用の螺合部材を使用することで、確実にグレーチング用固定具をグレーチングに固定することができる。
【0012】
さらに、前記貫通孔は、螺刻溝を有するものであってもよい。かかる構成を採用することによって、例えば、この貫通孔に螺子部材を締付ければ、嵩上げ用中空部材の側面を内面部材に押しつけてグレーチング用固定具を強固に固定することができる。
【0013】
さらに、本発明にかかるグレーチング用固定具において、前記支持部は、前記取付部と別部材で作製されており、前記取付部の所定の位置を軸に水平方向へ回動可能に形成されていてもよい。かかる構成を採用することによって、支持部をグレーチングから延出しないように配置することができるため、グレーチング用固定具をあらかじめグレーチングに取り付けた状態でも側溝の蓋を外すことなく、グレーチングを側溝に配置できる。そして、グレーチングを側溝に配置した後に、グレーチング用固定具の支持部を隣接する側溝の蓋の底面の位置に戻すことでグレーチングの上方への移動が防止される。また、かかるグレーチング用固定具を使用することで、暗渠側溝のようにグレーチングの前後に取り外すことのできる蓋がない場合でも使用することができる。
【0014】
さらに、本発明にかかるグレーチング用固定具において、前記支持部は、別体で作製されており、前記支持部が取付部から延出する位置と延出していない位置との間をスライド可能であってもよい。かかる構成を採用することによって、前述と同様に、支持部をグレーチングから延出しないように配置することができるため、グレーチング用固定具をあらかじめグレーチングに取り付けた状態でも側溝の蓋を外すことなく、グレーチングを側溝に配置できる。そして、グレーチングを側溝に配置した後に、グレーチング用固定具の支持部を側溝の蓋の底面に配置されるように戻すことで、側溝の蓋の重量によってグレーチングの上方への移動が防止される。また、かかるグレーチング用固定具を使用することで、暗渠側溝にようにグレーチングの前後に取り外すことのできる蓋がない場合でも使用することができる。
【0015】
さらに、本発明にかかるグレーチング用固定具において、前記支持部には、支持部の上方への突出長さを調整可能な突出部材を備えていてもよい。かかる構成を採用することによって、側溝の蓋の底面の形状が平面ではなく、凹状になっている場合であっても突出長さを調整することで、側溝の蓋の底面に支持部を当接するように配置することができる。このように、様々な底面形状を有する側溝の蓋に対応して使用することができる。
【0016】
また、本発明にかかるグレーチングは、前述したグレーチング用固定具が、グレーチング本体の下面に形成された嵩上げ用中空部材に取り付けられていることを特徴とする。かかる構成を採用することで、側溝に配置した後、前後に側溝の蓋を載置するだけで、上方へ移動することができないグレーチングを提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかるグレーチング用固定具によれば、グレーチングを側溝に設置する前に取り付け可能で、取り付け作業が容易で、グレーチングを側溝から容易に外すことが困難な盗難抑止効果を有するグレーチング用固定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかるグレーチング用固定具100を表す図であり、
図1Aは、正面、右側面及び平面を表す斜視図、
図1Bは、背面、左側面及び底面を表す斜視図であり、
図1Cは、右側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態にかかるグレーチング用固定具100を嵩上げ用中空部材210に取りつけた状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態にかかるグレーチング用固定具100を取りつけたグレーチング200を側溝300に設置した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態にかかるグレーチング用固定具100をグレーチング200に取りつける方法を示す斜視図である。
【
図5】
図5Aは、第2実施形態にかかるグレーチング用固定具100の斜視図であり、
図5Bは、第2実施形態にかかるグレーチング用固定具100の変形例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態にかかるグレーチング用固定具100を示す斜視図である。
【
図7】
図7Aは、第4実施形態にかかるグレーチング用固定具100の斜視図であり、
図7Bは、第3実施形態にかかるグレーチング用固定具100を使用したグレーチング200を側溝300に配置した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第5実施形態にかかるグレーチング用固定具100の斜視図である。
【
図9】
図9は、第6実施形態にかかるグレーチング用固定具100の斜視図である。
【
図10】
図10は、第6実施形態にかかるグレーチング用固定具100をグレーチングに取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第7実施形態にかかるグレーチング用固定具100の斜視図である。
【
図12】
図12は、グレーチング用固定具100の変形例を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、グレーチング用固定具100の変形例を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、グレーチング用固定具100の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明にかかるグレーチング用固定具100の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「前後方向」とは、グレーチングを側溝に配置した際に水路の長手方向をいい、「幅方向」とは、側溝の溝の幅の方向をいう。
【0020】
まず、はじめに本発明にかかるグレーチング用固定具が使用されるグレーチングについて説明する。本発明にかかるグレーチング用固定具が使用されるグレーチングは、
図4に示すように、グレーチング本体250の幅方向両側の下面に、嵩上げ用中空部材210が設けられた、いわゆる嵩上げタイプのグレーチングである。嵩上げ用中空部材の断面は、以下の実施形態においては、第2実施形態を除き、略矩形の断面を有するパイプ状のものを使用して説明するがこれに限定するものではない。以下、本実施形態を含む全ての実施形態で説明するグレーチング用固定具100は、嵩上げタイプのグレーチング200に使用するものである。
【0021】
(第1実施形態)
第1実施形態にかかるグレーチング用固定具100は、
図1から
図4に示されている。
グレーチング用固定具100は、
図1に示すように、断面L字型のいわゆるL型アングル14の一方の辺15のみが長手方向へ延出して形成された延出辺11を有する鋼板と、断面略J字型に折り曲げられた鋼板12と、が溶接されている。こうして形成されるグレーチング用固定具100は、主として、取付部10と延出辺11からなる支持部11とを有している。
【0022】
取付部10は、L型アングル14の短い辺からなる外面部材13と、この外面部材13に溶接された鋼板12からなる内面部材12とからなる。外面部材13には、螺刻された貫通孔16が2つ形成されており、
図2に示すように、ボルト90を螺合することができる。一方、内面部材12は、断面がJ字型に折り曲げられた鋼板12が外面部材13の延出辺11を有する側の端部近傍であって、L字の外側側面に溶接されることで形成される。これにより、外面部材13と内面部材12によって、嵩上げ用中空部材210の側面が挿入可能な隙間αが形成され、
図2に示すように、この隙間αに嵩上げ用中空部材210の側面211を挿入することでグレーチング200にグレーチング用固定具100を固定することができる。好ましくは、外面部材13と内面部材12との隙間αの幅は、嵩上げ用中空部材210の側面211の板厚よりも若干狭く形成し、外面部材13と内面部材12で嵩上げ用中空部材210の側面211を強く挟持固定することができるようにするとよい。また、好ましくは、
図1に示すように、入り口部分を広く形成し、中間を狭く形成することで、外面部材13と内面部材12の間に嵩上げ用中空部材210の側面211を挿入し易くするとよい。
【0023】
支持部11は、第1実施形態では、L型アングル14から長手方向へ延出された延出辺11で形成される。支持部11は、
図2に示すように、取付部10を前記嵩上げ用中空部材210の側面端部に取り付けた際に、グレーチング本体250の前後方向へ延出し、かつ上面が前記嵩上げ用中空部材210の底面と同じ高さとなるように形成されている。そのため、
図3に示すように、グレーチング用固定具100が取りつけられたグレーチング200を側溝300に配置した際に、支持部11の上面は、側溝300の水路の幅内であって、かつ側溝の蓋の載置部301の高さとほぼ同じ高さの位置に配置される。従って、グレーチング200に隣接して側溝の蓋310を配置することで、支持部11は、側溝の蓋310の底面によって係止されて上方方向への移動が制限される。なお、支持部11の上面が嵩上げ用中空部材210の底面と同じ高さとなるとは、グレーチング用固定具100をグレーチング200に取りつけた状態のみではなく、側溝の蓋310を載置した際に嵩上げ用中空部材210の底面と同じ高さとなる状態を含む。例えば、
図1Cに示すように、先端が若干上方へ向くように折り曲げて形成するとよい。かかる構成を採用することで、側溝の蓋310の底面に確実に当接させることができ、グレーチングにがたつきが発生することを防止することができる。また、側溝の蓋や暗渠の上板の底面が平面でなく凹部を有する場合にも、底面に接触させて使用することができる。
【0024】
以上のように構成されたグレーチング用固定具100は、以下のようにして使用される。まず、
図4に示すように、外面部材13と内面部材12とで形成された取付部10の隙間α内にグレーチング200の嵩上げ用中空部材210の内側の側面211を挿入する。なお、この際に人間の手で挿入できない場合は、金槌等を使用して挿入してもよい。さらに、貫通孔16にボルト90を締め付けることによって、嵩上げ用中空部材210の側面211を内面部材12に押しつけてさらに確実に固定することができる。なお、グレーチング用固定具100は、グレーチング200の対角位置に取りつけるとよい。対角位置に取りつけることで、安定してグレーチング200を側溝300に配置できるとともに、同一形状のグレーチング用固定具100のみを2つ用意するだけでよいため、コスト低減に資する。この状態のグレーチング200は、
図3に示すように、側溝300に載置した後、両側に側溝の蓋310を配置して設置が完了する。なお、この際に、一方の側溝の蓋310aが配置された状態の側溝300に側方方向から射し込むようにグレーチング200を配置して、その後に他方の側溝の蓋310bを配置してもよい。
【0025】
こうして配置されたグレーチング200は、支持部11が側溝300の水路の幅内であって、かつ側溝の蓋の載置部301の高さとほぼ同じ高さの位置に配置されているので、支持部11は側溝の蓋310の底面に配置される。よってグレーチングは側溝の蓋310の重量によって上方へ引き上げられることが防止される。こうして、グレーチング200のみを取り外すことができなくなる。そのため、盗難等には効果的な面倒さを備えることになる。また支持部11は斜め上方に折り曲げてあり、かつ支持部11は側溝の蓋の重みによって側溝の蓋310の底面に当接するように上方に付勢されるので、グレーチング200を下方へ付勢する力が働いてグレーチング200のがたつきを防止することができる。また、他の固定用部材のように、グレーチング200を側溝に設置した後に、面倒な固定用部材の取付作業を行う必要はない。
【0026】
(第2実施形態)
以下、グレーチング用固定具100の変形例について説明する。第2実施形態にかかるグレーチング用固定具100が
図5Aに示されている。第2実施形態にかかるグレーチング用固定具100は、支持部11が水平ではなく垂直の配置された板で形成されている点が異なる。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0027】
かかる構成を採用することによって、支持部11の垂直方向へ大きな力が加わったとしても折り曲がりにくくなり、支持部11が折れ曲がってしまうことを防止することができ、耐久性が向上する。
【0028】
なお、上述した第2実施形態において、
図5Bに示すように、水平面と垂直面の両方を有する支持部11としてもよい。
【0029】
(第3実施形態)
第3実施形態にかかるグレーチング用固定具100が、
図6に示されている。第3実施形態にかかるグレーチング用固定具100は、第1実施形態に対して支持部11の上面が隣接する側溝の蓋310の底面よりも、グレーチングの高さ距離以内、すなわち、所定の距離ε分低く形成されている点が異なる。また、第3実施形態においては、第1実施形態における固定する貫通孔16が設けられていない点が異なる。そのため、この第3実施形態においては、外面部材13と内面部材12のみで嵩上げ用中空部材210に固定することになる。グレーチングの高さ距離εは、グレーチング200(グレーチング本体250+嵩上げ部材210)の高さ(δ)よりも短い高さである。すなわち、δ>εとなる。かかる距離ε分低く支持部11の上面が側溝の蓋の底面よりも低く形成されたとしても、グレーチング200はεの距離分は持ち上げることができるが、グレーチング200の高さ以下であるので、グレーチング200全体が側溝の蓋310より上方に持ち上げられることを防止することができる。そのため、グレーチング用固定具100も上方へ露出されることがなく、グレーチング用固定具100を取り外すこともできない。よって、グレーチング200の盗難抑止の効果を有する。また、このように若干支持部11が低いグレーチング用固定具100を作製することで、嵩上げ用中空部材の形状や大きさが異なっていても使用することができ、また、側溝の蓋や暗渠の上板の底面が平面でなく凹部を有する場合でも支持部11の真上の側溝の蓋又は暗渠の上板の底面との距離が、ε以下の位置となる位置に配置されていればよいため、支持部11の高さ方向の自由度が高く、汎用性の高いグレーチング用固定具100とすることができる。
【0030】
(第4実施形態)
第4実施形態かかるグレーチング用固定具100が
図7に示されている。第4実施形態にかかるグレーチング用固定具100は、支持部11に上方へ突出長さを変更可能に突出する突出部材30が設けられている。支持部11に内面が螺刻された突出部材用貫通孔が形成されており、螺合部材で形成された突出部材30を回転させることで突出長さγを変更することができる。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0031】
かかる構成を採用することで、例えば、
図7Bに示すように、側溝の蓋310の底面が切り欠かれているタイプのように、必ずしも底面が平面でない場合であっても、突出部材30の突出長さγを調整することで、側溝の蓋310の底面に突出部材30の先端を当接することができる。このように、支持部11に上方への突出長さを変更可能な突出部材を設けることで、種々の底面形状を有する側溝の蓋310が隣接配置された場合であっても使用することができる。なお、突出部材は、必ずしも螺合部材でなければならないものではない。例えば支持部11を垂直面に形成し、この垂直面にスライド可能に形成した板部材を設ける等、種々の手段を採用することができる。
【0032】
(第5実施形態)
第5実施形態のグレーチング用固定具100が
図8に示されている。第5実施形態にかかるグレーチング用固定具100は、
図8に示すように、取付部10を有するL型アングル14と支持部11が別部材で形成されている。支持部11は、L型アングル14に軸支されており、水平方向に回動自在に設けられている。回転軸31の正面に設けられた回転用のマイナス溝11aをマイナスドライバーで回転させることにより、
図8Bに示すように、左回転させることで、支持部11が取付部10から延出しないようにすることができる。また、右回転させることで、支持部11を再度延出させることができる。L型アングル14の底面には、ストッパー17が設けられていて、支持部11が一定以上右回転することが防止される。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0033】
第5実施形態のグレーチング用固定具100は、グレーチング200に取りつけた場合に、
図8Bに示す位置にすることで、支持部11をグレーチング200からはみ出ないように内側の位置となるので、側溝の蓋が先に配置されている場合であっても側溝の蓋を取り外すことなくグレーチング200を配置することができる。そして配置した後に、支持部11をマイナスドライバーで
図8Aの位置に戻すことによって、側溝の蓋の底面に配置される。また、この第5実施形態にかかるグレーチング用固定具100を使用すれば、隣接した側溝の蓋が存在しない暗渠型の暗渠側溝にも使用することができる。
【0034】
(第6実施形態)
第6実施形態のグレーチング用固定具100が
図9Aに示されている。第6実施形態にかかるグレーチング用固定具100の取付部10は、L型アングル14の短い辺からなる外面部材13と、この外面部材13に平行して取り付けられる内面部材12とを備えている。外面部材13及び内面部材12には、同軸に形成された貫通孔16がそれぞれ穿設されている。
【0035】
支持部11は、L型アングル14に回動可能に取り付けられる。支持部11は、段差が形成されるように2箇所折り曲げられてなり、その両端にボルト31、ボルト32が螺着されている。この支持部11の一方端部をL型アングル14の先端にボルト31をドライバー等で回すことで回動させることができる。L型アングル14の先端には、固定した後に支持部11が容易に回転しないようにストッパー21が取り付けられている。
【0036】
以上のように作製されたグレーチング用固定具100は、
図9Bに示すように、ボルト31を緩めて、グレーチング用固定具100をグレーチングに取り付けた際に、支持部11がグレーチングからはみ出ない状態に回動する。この際にストッパー21が回動を妨げるので、ストッパー21の上方を移動させるようにする。この状態のグレーチング用固定具100は、外面部材13及び内面部材12の間に嵩上げ用中空部材210の側面211を挿入してグレーチング200に取り付ける。その後、
図10に示すように、貫通孔16にドリルねじ92を差し込み、嵩上げ用中空部材210に孔を穿設しつつ、グレーチング用固定具100と嵩上げ用中空部材210をそれぞれ固定する。そして、側溝ブロックのグレーチング200が載置される領域に設置する。その後、ボルト32を緩めることでボルトの頭の高さを調整することができる。これによって、隣接する側溝ブロックの蓋の底面に適合させることができ、グレーチング200がガタつくことを極力低減することができる。そして、支持部11が隣接する側溝ブロックの蓋等の下面側に位置するようにボルト31をドライバーで回転させる。支持部11は、この状態でボルト31を締め付けることで、ストッパー21によって回動が抑止されつつ、
図10に示す位置に固定され、グレーチング200は側溝の蓋310の重量によって上方へ引き上げられることが防止される。こうして、グレーチング200のみを取り外すことができなくなる。
【0037】
(第7実施形態)
第7実施形態のグレーチング用固定具100が
図11に示されている。第7実施形態にかかるグレーチング用固定具100は、
図11Aに示すように、取付部10を有するL型アングル14と支持部11は別部材で形成されている。支持部11は、長手方向に形成された2つの長孔18が形成されており、一方、L型アングル14には、長孔18に相当する位置にL字型の突起19が形成されている。長孔18を突起19に嵌めることによって支持部11は長手方向スライドすることができる。支持部11は取付部10から延出する位置と延出しない位置の間をスライドできるようにされている。なお、L字型の突起19は、
図11Bに示すように、向きを変更することができ、支持部11が容易に外れないようにすることができる。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0038】
第7実施形態のグレーチング用固定具100も第6実施形態と同様に、グレーチング200に取りつけた場合に、
図11Aに示す位置とすることで、支持部11をグレーチング200からはみ出ない位置にすることができるので、側溝の蓋が先に配置されている場合であっても側溝の蓋を取り外すことなくグレーチング200を配置することができる。そして配置した後に、支持部11を
図11Bの位置にスライドさせて戻すことによって、側溝の蓋の底面に配置される。また、この第7実施形態にかかるグレーチング用固定具100を使用すれば、隣接した側溝の蓋が存在しない暗渠型の暗渠側溝にも使用することができる。
【0039】
なお、本発明は上述した第1実施形態〜第7実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0040】
上述した一部の実施形態においては、嵩上げ用中空部材210への固定は、ボルト90によって側面を押圧するように固定したが、これに限定されるものではなく、全ての実施形態で第2実施形態のようにボルト90を使用せずに取付部10で挟むだけであってもよいし、
図12に示すように、嵩上げ用中空部材210へ孔を開けてボルトとナットを使用して確実に固定してもよい。また、グレーチング用固定具100のボルト用の孔を高さ方向の長穴16aにして、グレーチング用固定具100の高さ方向の位置を調整することができるようにしてもよい。かかる構成を採用すれば、支持部11の位置を調整することができるため、側溝の蓋310の底面に支持部11を確実に配置することができる。また、上述した実施形態においては、外面部材13と内面部材12は挟持することによって固定するものとしたが、これに限定するものではなく、
図13Aに示すように、ボルトとナットのみで固定してもよい。さらに、上述した実施形態においては、グレーチング用固定部材は、嵩上げ用中空部材210の内側の側面に固定するものとしたが、これに限定するものではなく、
図13Bに示すように、外側の側面に固定するものであってもよい。さらに、
図9、
図14に示すように、ドリルねじ92を使用して嵩上げ用中空部材210に直接ドリルねじ92で孔を開けて固定しても良い。
【0041】
さらに、上述した実施形態においては、
図4に示すように、グレーチング用固定部材は、グレーチングの対角線となる位置に設けるものとしたが、全ての4隅に設けても良い。
【0042】
また、上述した実施形態においては、支持部11は、平面板で形成したが、これに限定するものではなく、例えば、棒状部材でもよい。