特許第5918267号(P5918267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5918267電磁装置、およびこの電磁装置を備える電磁アクチュエータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5918267
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】電磁装置、およびこの電磁装置を備える電磁アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/16 20060101AFI20160428BHJP
   H01F 7/06 20060101ALI20160428BHJP
   H01F 5/00 20060101ALI20160428BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20160428BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   H01F7/16 R
   H01F7/06 K
   H01F5/00 F
   H01F27/28 L
   F16K31/06 305C
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-546753(P2013-546753)
(86)(22)【出願日】2011年12月20日
(65)【公表番号】特表2014-509069(P2014-509069A)
(43)【公表日】2014年4月10日
(86)【国際出願番号】FR2011053094
(87)【国際公開番号】WO2012089962
(87)【国際公開日】20120705
【審査請求日】2014年6月16日
(31)【優先権主張番号】1061362
(32)【優先日】2010年12月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508021716
【氏名又は名称】ヴァレオ システム ドゥ コントロール モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】マヌエラ マテオ・ブガッティ
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル タロン
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク デュピュワ
【審査官】 池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0279298(US,A1)
【文献】 特開2005−303164(JP,A)
【文献】 特開2004−186628(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/101292(WO,A1)
【文献】 特表2003−504001(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに磁気的に結合された2つのコイル(8、10)を備えており、第1の動作モードにおいて可動部材(6)の駆動を行うことができかつ第2の動作モードにおいて電圧変換を行うことができる電磁装置(4)であって、
前記2つのコイル(8、10)の各々は、該コイル(8、10)の表皮効果の低減のために、互いに絶縁された複数の導体を有しており、
前記複数の導体は、各々円形断面を有するストランド(22、24、26、28、30、32、34)であり、
これらストランドは、リッツワイヤ(20)を形成するように撚り合わされて、前記2つのコイル(8、10)の各ターンを形成しており、
前記リッツワイヤ(20)の各ストランドは、1ターン当たり8〜16の範囲の撚りピッチ数を有していることを特徴とする電磁装置。
【請求項2】
前記2つのコイル(8、10)の間に、電力供給源(14)に接続されるようになっている中間端子(12)が設けられている、請求項1に記載の電磁装置。
【請求項3】
前記2つのコイル(8、10)は、同一のターン数を有しており、したがって、前記中間端子(12)は中点に存在する、請求項2に記載の電磁装置。
【請求項4】
前記リッツワイヤ(20)を形成している、撚り合わされたストランドの数は、5〜12の範囲にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁装置。
【請求項5】
前記リッツワイヤ(20)は、約1mmの断面積を有している、請求項のいずれか1項に記載の電磁装置。
【請求項6】
互いに磁気的に結合された2つのコイル(8、10)を備えており、第1の動作モードにおいて可動部材(6)の駆動を行うことができ、かつ第2の動作モードにおいて電圧変換を行うことができる電磁装置(4)であって、
前記2つのコイル(8、10)の各々は、該コイル(8、10)の表皮効果の低減のために、互いに絶縁された複数の導体を有しており、
前記複数の導体は、各々厚さが0.4〜0.5mmの範囲の帯状銅(40)であることを特徴とする電磁装置。
【請求項7】
前記2つのコイル(8、10)の各々は、矩形形状のターンを有している、請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁装置。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁装置(4)を備えている電磁弁アクチュエータ(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁石を用いるタイプの電磁装置に関する。本発明は、さらに、この電磁装置を備える電磁アクチュエータにも関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、自動車において使用される電磁アクチュエータの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
電磁アクチュエータは、電磁弁の制御、インジェクタの制御、または電気自動車やハイブリッド自動車用のモータの制御などのために、自動車に頻繁に使用されている。
【0004】
本明細書においては、電磁アクチュエータとは、電気的な制御に応答して動作する装置を意味している。一般に、電磁アクチュエータは、電流が通過するときに、可動部材の変位を引き起こす、少なくとも1つのインダクタ(すなわち自己インダクタ)を備えている。
【0005】
電磁弁の制御の場合には、一般に、電磁アクチュエータに2つの電磁石が設けられている。すなわち、一方の電磁石は、電磁弁を開くために、他方の電磁石は、電磁弁を閉じるために充てられる。電磁弁は、2つの電磁石の間のエアギャップ内に配置されているフラップに機械的に接続される。フラップは、電磁石が磁化されると、電磁力によって、電磁石のいずれか一方に引きつけられ、また、ばねの作用によって、エアギャップの中央に戻される。約120kHzまでの高周波数で電磁石中を流れる電流を制御するために、一般に、マイクロコントローラにより、PWM(「パルス幅変調」)信号を算出する。
【0006】
電磁アクチュエータの制御は、一般に、直流電圧源を用いて行なわれる。したがって、この電磁アクチュエータを4象限で制御するために、Hブリッジタイプの構成を採用する必要がある場合が多い。
【0007】
さらに、電磁アクチュエータの制御を促進するために、インダクタの端子間に過電圧を印加して、電磁アクチュエータがより高速に動作するようにすることが有用である場合が多い。
【0008】
多くの過電圧発生装置(すなわち昇圧装置)が公知である。
【0009】
このような過電圧発生装置は、一般に、電磁アクチュエータのインダクタが配置されているHブリッジに接続される。
【0010】
しかしながら、これによって、用いられる部品数が増加する。そのため、小型化およびコスト削減のために、部品数を削減する試みがなされている。
【0011】
したがって、用いられる部品数をあまり増加させることなく、Hブリッジの端子間に過電圧を発生させることができる種々の技術的解決方法の開発がなされている。
【0012】
これに関連して、本発明の出願人は、電磁アクチュエータの制御と、電圧の昇圧とをともに可能にする装置を開発する研究に取り組んだ。その結果、電磁アクチュエータの部品を、過電圧を発生させるためにも用いることによって、スペースの節約を可能にした。
【0013】
より正確には、本発明の出願人は、互いに磁気的に結合された2つのコイルを有し、第1の動作モードにおいて可動部材の駆動を、第2の動作モードにおいて電圧変換を確実に行なうことができる電磁装置を開発している。
【0014】
しかしながら、このような電磁装置の作動には、コイルの導体の温度を著しく上昇させて、ジュール効果による損失を生じることが判明している。この新規な構成においては、電圧変換が必要であるため、電磁装置を、非常に高い周波数において制御しなければならず、この損失は、一層深刻になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述の欠点を改善することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的を達成するために、本発明は、互いに磁気的に結合された2つのコイルを備えており、第1の動作モードにおいて可動部材の駆動を行うことができかつ第2の動作モードにおいて電圧変換を行うことができる電磁装置であって、2つのコイルの各々は、そのコイルの表皮効果の低減のために、互いに絶縁された複数の導体を有する構造を呈しており、
上記複数の導体は、各々円形断面を有するストランドであり、
これらストランドは、リッツワイヤを形成するように撚り合わされて、上記2つのコイルの各ターンを形成しており、
上記リッツワイヤの各ストランドは、1ターン当たり8〜16の範囲の撚りピッチ数を有していることを特徴とする電磁装置を提供するものである。
【0017】
さらに、このような構造を採用することによって利点が得られるのは、互いに磁気的に結合された2つのコイルを備えており、第1の動作モードにおいて可動部材の駆動を、第2の動作モードにおいて電圧変換を行うことができる電磁装置の場合に限定されない。
【0018】
実際、可動部材を、特に並進運動を行うように駆動するために、電磁アクチュエータの電磁石のコイルの表皮効果を低減させるように、互いに絶縁された複数の導体を有する構造を呈しているコイルを用いることは、特に、電磁アクチュエータが、非常に高い周波数で電力を供給される場合には、それ自体で1つの発明である。
【0019】
2つのコイルの間に、電力供給源に接続されるようになっている中間端子が設けられていることが好ましい。
【0020】
2つのコイルの中間端子に電力供給源を接続することによって、可動部材の制御に影響を及ぼすことなく、過電圧を発生させることができる。
【0021】
さらに、このような構造によって電磁装置に利点を得られるのは、コイルが、可動部材の駆動と電圧変換との両方を行うことができる場合に限定されない。
【0022】
実際、電力供給源に接続されるように作られている中間端子が中間に配置されており、各コイルが、表皮効果の低減のために、互いに絶縁された複数の導体を有する構造を呈している、磁気的に結合された2つのコイルを用いることは、特に、電磁装置が、非常に高い周波数で電力を供給される場合には、それ自体で1つの発明である。
【0023】
2つのコイルは、同一のターン数を有しており、したがって、中間端子が中点に存在することが好ましい。
【0024】
電力供給源が中間端子に接続されると、電力供給源から電力を供給する電流が、2つのコイルに互いに逆向きに、かつそれぞれの電流が流れるコイルのターン数に比例した値を有して流れる。したがって、第1のコイルと第2のコイルとに、互いに逆向きの電流が流れると、それらの電流による効果は互いに打ち消し合うように作用し、また2つの電流の比は、第1のコイルと第2のコイルとのターン数の比に等しくなる。したがって、第1のコイルと第2のコイルとで、同一のターン数が用いられると、2つのコイルによって生成される起電力は、全体として見ると0である。
【0026】
リッツワイヤは、高周波電流の伝播に特に好適である。
【0027】
2つのコイルの各ターンにおいて、上記リッツワイヤの各ストランドは、12の撚りピッチ数を有しているが好ましい。
【0028】
実際、各ストランドの撚りピッチ数を、1ターン当たり8〜16、特に12となるように選択することによって、ターンを周回させるために、リッツワイヤに対して必要とされる柔軟性の確保と、リッツワイヤを構成しているストランドがほどける危険性の最小化との間に、良好なバランスを得ることができる。
【0029】
リッツワイヤを形成している、撚り合わされたストランドの数は、5〜12の範囲であり、特に7であることが好ましい。実際、この選択によって、リッツワイヤの抵抗、したがって損失を低下させるために可能な限り大きいことが望ましい、リッツワイヤの総断面積と、電磁装置に組み込むために最小化しなければならない、コイルの太さとの間に、良好なバランスを得ることができる。
【0030】
リッツワイヤは、約1mmの断面積を有していることが好ましい。この断面積は、電磁弁の制御周波数に、特に適合する。
【0031】
一変形例によれば、上記複数の導体は、各々厚さが0.4〜0.5mmの範囲の帯状銅である。この変形例の場合には、より少ない絶縁材しか用いられない。したがって、コイルを、より良好に導体で満たすことができる。
【0033】
一つの変形実施形態によれば、2つのコイルは、ともに長方形のターンを有している。この実施形態は、1個の電磁弁の駆動に、特に好適に適用することができる。
【0034】
一変形実施形態によれば、2つのコイルは、ともに正方形状のターンを有している。この変形実施形態は、単一の電磁弁の駆動に、特に好適に適用することができる。
【0035】
本発明は、さらに、本発明の電磁装置を備えている、弁の電磁アクチュエータを提供するものである。
【0036】
以下において、添付図面を参照して、より詳細ではあるが、非限定的な、本発明のいくつかの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施形態による電磁装置を備えている電磁アクチュエータの回路図である。
図2】本発明の第1の実施形態による電磁装置のコイルの部分図である。
図3図2のコイルにおけるリッツワイヤの、A−A線における拡大断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態による電磁装置のコイルの部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、第1の動作モードにおいて可動部材の駆動を、第2の動作モードにおいて電圧変換、特に昇圧を確実に行なうことができる電磁装置4を備えている電磁アクチュエータ2を示している。
【0039】
可動部材は、例えば順次駆動される、自動車のエンジン用の電磁弁である。電磁弁は、その開位置において、電磁装置4に押し当てられ、閉位置において、電磁装置4から隔てられるようになっているフラップ、すなわち可動部材6を備えている。
【0040】
電磁装置4は、それぞれインダクタンスL1およびL2を有する2つのコイル8および10を備えている。2つのコイル8および10は同じターン数を有し、L1=L2であることが好ましい。
【0041】
コイル8および10は、理論的には、同じインダクタンスL1=L2を有しているが、実際には、それぞれ漏れインダクタンスLf1およびLf2をも有している。これらの漏れインダクタンスは、過電圧の発生の際に磁化される。
【0042】
しかしながら、これらの漏れインダクタンスLf1およびLf2は非常に小さく、したがって、可動部材6の駆動のための、電磁アクチュエータ2の制御を乱すことはない。さらに、インダクタンスL1およびL2の効果は、互いに打ち消し合う。したがって、昇圧により、電磁アクチュエータ2の動作が乱されることはない。
【0043】
2つのコイル8および10には、2つのコイル8および10に対して共通である磁心が結合されている。
【0044】
2つのコイル8と10との間に、中間端子12が存在している。L1=L2であるから、この中間端子12は、この実施形態においては、中点である。
【0045】
電力供給源14が、中間端子12に接続されている。この実施形態においては、電力供給源14の電圧は12Vである。
【0046】
電力供給源14から電流Iを供給することによって、キャパシタである負荷16の端子間電圧を昇圧させる(すなわち、過電圧を発生させる)ことができる。
【0047】
例えばMOSトランジスタから成る4つのスイッチング素子Q1〜Q4を用いて電流Iを制御することによって、昇圧を調整することができる。
【0048】
コイル8および10、および4つのスイッチング素子Q1〜Q4は、Hブリッジを形成している。すなわち、2つのコイル8および10はHブリッジの水平バーを、2つのスイッチング素子Q1およびQ3はHブリッジの第1のアームを、2つのスイッチング素子Q2およびQ4はHブリッジの第2のアームを、それぞれ形成している。
【0049】
負荷16は、Hブリッジの第2のアームに並列に接続される。
【0050】
昇圧は、実際には、次のようになされる。
− 漏れインダクタンスLf1およびLf2の磁化のために、スイッチング素子Q3およびQ4を閉じる。
− 次いで、漏れインダクタンスLf1およびLf2に蓄積されている磁気エネルギーは、キャパシタである負荷16内に放出され、それによって、負荷16の端子間電圧が昇圧することができるように、スイッチング素子Q3およびQ4が開かれ、スイッチング素子Q1およびQ2が閉じられる。
【0051】
さらに、可動部材の駆動のために、2つのコイル8および10を流れる電流を制御する必要がある。実際に制御される電流Iは、第1のコイル8を流れる電流と、第2のコイル10を流れる電流との差に等しい。
【0052】
したがって、スイッチング素子Q1〜Q4を用いて、2つのコイル8および10を流れる電流の差を制御することによって、電磁アクチュエータ2を制御することができる。
【0053】
実際には、スイッチング素子Q2およびQ4を開いているときに、スイッチング素子Q1およびQ3を閉じることによって、およびその逆を行うことによって、電磁アクチュエータ2の制御に必要な電流が得られる。
【0054】
この構成の欠点は、コイル8および10の導体に損失が生じるということである。
【0055】
この点に関して注目すべきは、本発明においては、2つのコイル8および10は、互いに絶縁された複数の導体を有する構造を呈しており、したがって、コイルの表皮効果を低減させて、ジュール効果による損失を少なくすることができるということである。
【0056】
第1の実施形態によれば、2つのコイル8および10の導体は、リッツワイヤを形成するように撚り合わされた、円形断面を有するストランド(導電素線)で形成されている。
【0057】
図2は、特に15〜25の範囲のターン数、例えば20のターン数を有する、リッツワイヤ20から成る巻線で作られたコイル8(または10)の一部分を示している。
【0058】
各ターンは、例えば長方形形状を呈しており(図2では、一方のコイルの半分しか示されていない)、したがって、コイル8および10は、2つの電磁弁のための電磁アクチュエータに組み込まれるように適合化されている。
【0059】
図示しない一変形例によれば、各ターンは、正方形を呈しており、したがって、コイル8および10は、単一の電磁弁のための電磁アクチュエータに組み込まれるように適合化されている。
【0060】
このリッツワイヤ20は、撚り合わされた5〜12本の範囲のストランドを有している。好適な一例によれば、リッツワイヤ20は、図3に明白に示されているように、撚り合わされた7本のストランドを有している。
【0061】
リッツワイヤ20の、撚り合わされた7本のストランドは、中心のストランド22、およびこの中心のストランド22を囲む6本のストランド24、26、28、30、32、34を構成するように配置されている。
【0062】
リッツワイヤ20は、1mmの断面積を有することが好ましい。
【0063】
好適な一実施形態によれば、リッツワイヤ20の各ストランドの撚りピッチ数は、1ターン当たり12になるように定められる。すなわち、1ターンの全長が約17cmであれば、撚りピッチは14mmになる。
【0064】
この選択によって、ターンを周回させるために、リッツワイヤ20に対して必要とされる柔軟性を得ることができるとともに、リッツワイヤ20を構成しているストランドがほどける危険性を最小にすることができる。
【0065】
図4に示す第2の実施形態によれば、コイル8および10は、複数の帯状銅40から成る巻線で作られている。帯状銅40の数は、15〜25の範囲内にあり、例えば20である。
【0066】
各帯状銅40の厚さeは、0.4〜0.5mmの範囲にあることが好ましい。
【0067】
当然ながら、他のいくつかの実施形態も想定することができる。
【符号の説明】
【0068】
2 電磁アクチュエータ
4 電磁装置
6 可動部材
8、10 コイル
12 中間端子
14 電力供給源
16 負荷
20 リッツワイヤ
22、24、26、28、30、32、34 ストランド
40 帯状銅
e 厚さ
電流
Q1〜Q4 スイッチング素子
図1
図2
図3
図4