【実施例】
【0016】
実施例1
200×200×3mmの大きさのグレード1のチタンシートを脱脂し、最初に70〜100μmの表面粗さ値Rzが得られるまで鉄グリットでサンドブラストし、次に20重量%のHCl中90〜100℃の温度で20分間エッチングした。
【0017】
乾燥後、80:20の重量比のチタンおよびタンタルの酸化物を主成分とする保護層を、金属を基準として0.6g/m
2の全使用量(酸化物を基準とすると0.87g/m
2に相当)でシートに塗布した。保護層の塗布は、HClで酸性化したTaCl5水溶液をTiCl4水溶液に加えることにより得られる前駆体溶液を3回塗装し、続いて500℃で熱分解させることによって行った。
【0018】
次に、65:35の重量比(約66.3:36.7のモル比に相当)のイリジウムおよびタンタルの酸化物を主成分とする触媒コーティングを、イリジウムの全使用量が10g/m
2となるように保護層上に塗布した。
【0019】
この電極を515℃で2時間熱処理し、次に外部コーティング(酸化物を基準として3g/m
2)の塗布を、HClで酸性化したTaCl
5の水溶液を2回塗装することによって行った。
【0020】
こうして得られた電極から1cm
2の表面を有する3つのサンプルを切り取り、アノードでの酸素発生下での加速寿命試験を行い、不活性化時間(1Vの電位上昇が観察されるまでに必要な動作時間として定義される)を150g/lのH2SO4中、60℃の温度および30kA/m
2の電流密度で測定した。
【0021】
3つのサンプルの平均不活性化時間は1370時間であった。
【0022】
実施例2
200×200×3mmの大きさのグレード1のチタンシートを脱脂し、最初に70〜100μmの表面粗さ値Rzが得られるまで鉄グリットでサンドブラストし、次に20重量%のHCl中90〜100℃の温度で20分間エッチングした。
【0023】
乾燥後、80:20の重量比のチタンおよびタンタルの酸化物を主成分とする保護層を、金属を基準として0.6g/m
2の全使用量(酸化物を基準とすると0.87g/m
2に相当)でシートに塗布した。保護層の塗布は、HClで酸性化したTaCl5水溶液をTiCl4水溶液に加えることにより得られる前駆体溶液を3回塗装し、続いて500℃で熱分解させることによって行った。
【0024】
次に、65:35の重量比(約66.3:36.7のモル比に相当)のイリジウムおよびタンタルの酸化物を主成分とする触媒コーティングを、イリジウムの全使用量が10g/m
2となるように保護層上に塗布した。この電極を515℃で2時間熱処理し、次に外部コーティング(酸化物を基準として3.4g/m
2)を、Snの0.9M酢酸溶液を2回塗装することによって行った。
【0025】
こうして得られた電極から1cm
2の表面を有する3つのサンプルを切り取り、アノードでの酸素発生下での加速寿命試験を行い、不活性化時間(1Vの電位上昇が観察されるまでに必要な動作時間として定義される)を150g/lのH2SO4中、60℃の温度および30kA/m
2の電流密度で測定した。
【0026】
3つのサンプルの平均不活性化時間は1440時間であった。
【0027】
実施例3
200×200×3mmの大きさのグレード1のチタンシートを脱脂し、最初に70〜100μmの表面粗さ値Rzが得られるまで鉄グリットでサンドブラストし、次に20重量%のHCl中90〜100℃の温度で20分間エッチングした。
【0028】
乾燥後、80:20の重量比のチタンおよびタンタルの酸化物を主成分とする保護層を、金属を基準として0.6g/m
2の全使用量(酸化物を基準とすると0.87g/m
2に相当)でシートに塗布した。保護層の塗布は、HClで酸性化したTaCl5水溶液をTiCl4水溶液に加えることにより得られる前駆体溶液を3回塗装し、続いて500℃で熱分解させることによって行った。
【0029】
次に2つの別個の層からなる触媒コーティングを保護層上に塗布した:第1の(内部)層は、65:35の重量比(約66.3:36.7のモル比に相当)のイリジウムおよびタンタルの酸化物を主成分とし、イリジウムの全使用量は2g/m
2であり、第2の(外部)層は、78:20:2の重量比(約80.1:19.4:0.5のモル比に相当)のイリジウム、タンタル、およびチタンの酸化物を主成分とし、イリジウムの全使用量は10g/m
2であった。
【0030】
内部触媒層の塗布は、Ir濃度が76g/lに到達するまでH2IrCl6をTaCl5水溶液に加えることで得られる前駆体溶液を2回塗装し、続いて520℃で熱分解させることによって行った。
【0031】
外部触媒層の塗布は、HClで酸性化したTaCl5水溶液をTiCl4水溶液に加え、次にIr濃度が195g/lに到達するまでH2IrCl6を加えることで得られる前駆体溶液を4回塗装し、続いて480℃で熱分解させることによって行った。この電極を515℃で2時間熱処理し、次に外部コーティング(酸化物を基準として3g/m
2)の塗布を、HClで酸性化したTaCl5水溶液を2回塗装することによって行った。
【0032】
こうして得られた電極から10cm
2の表面を有する3つのサンプルを切り取り、アノードでの酸素発生下での加速寿命試験を行い、不活性化時間(1Vの電位上昇が観察されるまでに必要な動作時間として定義される)を150g/lのH2SO4中、60℃の温度および30kA/m
2の電流密度で測定した。
【0033】
3つのサンプルの平均不活性化時間は2420時間であった。
【0034】
実施例4
200×200×3mmの大きさのグレード1のチタンシートを脱脂し、最初に70〜100μmの表面粗さ値Rzが得られるまで鉄グリットでサンドブラストし、次に20重量%のHCl中90〜100℃の温度で20分間エッチングした。
【0035】
乾燥後、80:20の重量比のチタンおよびタンタルの酸化物を主成分とする保護層を、金属を基準として0.6g/m
2の全使用量(酸化物を基準とすると0.87g/m
2に相当)でシートに塗布した。保護層の塗布は、HClで酸性化したTaCl5水溶液をTiCl4水溶液に加えることにより得られる前駆体溶液を3回塗装し、続いて500℃で熱分解させることによって行った。
【0036】
次に2つの別個の層からなる触媒コーティングを保護層上に塗布した:第1の(内部)層は、65:35の重量比(約66.3:36.7のモル比に相当)のイリジウムおよびタンタルの酸化物を主成分とし、イリジウムの全使用量は2g/m
2であり、第2の(外部)層は、78:20:2の重量比(約80.1:19.4:0.5のモル比に相当)のイリジウム、タンタル、およびチタンの酸化物を主成分とし、イリジウムの全使用量は10g/m
2であった。
【0037】
内部触媒層の塗布は、Ir濃度が76g/lに到達するまでH2IrCl6をTaCl5水溶液に加えることで得られる前駆体溶液を2回塗装し、続いて520℃で熱分解させることによって行った。
【0038】
外部触媒層の塗布は、HClで酸性化したTaCl5水溶液をTiCl4水溶液に加え、次にIr濃度が195g/lに到達するまでH2IrCl6を加えることで得られる前駆体溶液を4回塗装し、続いて480℃で熱分解させることによって行った。この電極を515℃で2時間熱処理し、次に外部コーティング(酸化物を基準として3.4g/m
2)の塗布を、Snの0.9M酢酸溶液を2回塗装することによって行った。
【0039】
こうして得られた電極から10cm
2の表面を有する3つのサンプルを切り取り、アノードでの酸素発生下での加速寿命試験を行い、不活性化時間(1Vの電位上昇が観察されるまでに必要な動作時間として定義される)を150g/lのH2SO4中、60℃の温度および30kA/m
2の電流密度で測定した。
【0040】
3つのサンプルの平均不活性化時間は1800時間であった。
【0041】
比較例1
200×200×3mmの大きさのグレード1のチタンシートを脱脂し、最初に70〜100μmの表面粗さ値Rzが得られるまで鉄グリットでサンドブラストし、次に20重量%のHCl中90〜100℃の温度で20分間エッチングした。
【0042】
乾燥後、80:20の重量比のチタンおよびタンタルの酸化物を主成分とする保護層を、金属を基準として0.6g/m
2の全使用量(酸化物を基準とすると0.87g/m
2に相当)でシートに塗布した。保護層の塗布は、HClで酸性化したTaCl5水溶液をTiCl4水溶液に加えることにより得られる前駆体溶液を3回塗装し、続いて500℃で熱分解させることによって行った。
【0043】
次に、65:35の重量比(約66.3:36.7のモル比に相当)のイリジウムおよびタンタルの酸化物を主成分とする触媒コーティングを、イリジウムの全使用量が10g/m
2となるように保護層上に塗布した。
【0044】
こうして得られた電極から1cm
2の表面を有する3つのサンプルを切り取り、アノードでの酸素発生下での加速寿命試験を行い、不活性化時間(1Vの電位上昇が観察されるまでに必要な動作時間として定義される)を150g/lのH2SO4中、60℃の温度および30kA/m
2の電流密度で測定した。
【0045】
3つのサンプルの平均不活性化時間は660時間であった。
【0046】
比較例2
200×200×3mmの大きさのグレード1のチタンシートを脱脂し、最初に70〜100μmの表面粗さ値Rzが得られるまで鉄グリットでサンドブラストし、次に20重量%のHCl中90〜100℃の温度で20分間エッチングした。
【0047】
乾燥後、80:20の重量比のチタンおよびタンタルの酸化物を主成分とする保護層を、金属を基準として0.6g/m
2の全使用量(酸化物を基準とすると0.87g/m
2に相当)でシートに塗布した。保護層の塗布は、HClで酸性化したTaCl5水溶液をTiCl4水溶液に加えることにより得られる前駆体溶液を3回塗装し、続いて500℃で熱分解させることによって行った。
【0048】
次に2つの別個の層からなる触媒コーティングを保護層上に塗布した:第1の(内部)層は、65:35の重量比(約66.3:36.7のモル比に相当)のイリジウムおよびタンタルの酸化物を主成分とし、イリジウムの全使用量は2g/m
2であり、第2の(外部)層は、78:20:2の重量比(約80.1:19.4:0.5のモル比に相当)のイリジウム、タンタル、およびチタンの酸化物を主成分とし、イリジウムの全使用量は10g/m
2であった。
【0049】
内部触媒層の塗布は、Ir濃度が76g/lに到達するまでH2IrCl6をTaCl5水溶液に加えることで得られる前駆体溶液を2回塗装し、続いて520℃で熱分解させることによって行った。
【0050】
外部触媒層の塗布は、HClで酸性化したTaCl5水溶液をTiCl4水溶液に加え、次にIr濃度が195g/lに到達するまでH2IrCl6を加えることで得られる前駆体溶液を4回塗装し、続いて480℃で熱分解させることによって行った。
【0051】
こうして得られた電極から10cm
2の表面を有する3つのサンプルを切り取り、アノードでの酸素発生下での加速寿命試験を行い、不活性化時間(1Vの電位上昇が観察されるまでに必要な動作時間として定義される)を150g/lのH2SO4中、60℃の温度および30kA/m
2の電流密度で測定した。
【0052】
3つのサンプルの平均不活性化時間は1320時間であった。
【0053】
以上の説明は、本発明を限定するものとして意図されたものではなく、本発明は、本発明の範囲から逸脱しない種々の実施形態により使用することができ、その範囲は添付の特許請求の範囲によって一義的に定義される。
【0054】
本出願の説明および特許請求の範囲の全体にわたって、用語「含む」(comprise)、ならびに「含むこと」(comprising)および「含む」(comprises)などのその変形は、他の要素または添加物の存在の排除を意図したものではない。
【0055】
文献、行為、材料、装置、物品などの議論は、本発明の状況を提供する目的でのみ本明細書中に含まれる。これらの事項のいずれかまたはすべてが、従来技術の基礎の一部を形成したり、本出願の各請求の優先日以前の本発明と関連のある分野における共通の一般知識であったりすると示唆したり表したりするものではない。