【実施例】
【0063】
材料および方法
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CEKOL 30K (DS)=0.82)は、CPKelco(Atlanta, Georgia, USA)から入手され、FDAおよびEUの食品等級材料である。氷酢酸、無水酢酸、硫酸、アセトン、アセトニトリル、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(mPEG-OH、MN=2000)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド HCl(EDC HCL)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、およびジエチルエーテルは、Sigma Aldrich(Oakville, ON)から購入された。ドセタキセル(DTX)は、LC Laboratories(Woburn, MA, USA)から購入された。Slide-a-Lyzer 10および20 kDa MWCO透析カートリッジは、Pierce Biotechnology(Rockford, IL)から購入された。Vivaspin 10 kDa MWCO超遠心濃縮フィルターは、Fisher(Ottawa, ON, Canada)から購入された。
【0064】
NMR解析
サンプルを、重水素化クロロホルム(CDCl
3)、酸化重水素(D
20)、またはN,N-ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、Bruker 500装置で解析した。スペクトルは、TOPSpinソフトウェアを用いて処理された。
【0065】
HPLC、UPLC/MS、およびGPC分析
Waters e2696 Separation Module、2414 RIおよび2998 PDA検出器から構成され、Empower Pro 2によって操作されるHPLCシステムで、DTX分析を行った。サンプルを、Agilent XDB-C18カラム(1.8μm、4.6×50 mm)に、0.35 mL/分の95/5アセトニトリル/水 無勾配プログラムを用いて注入した。タキサン類の分析および検出方法は、いくつかの報文
69-71に基づき、研究室の機器に合わせて変更した。通常の分析では、既知のタキサンの同一性(ドセタキセル、パクリタキセル、および7-エピドセタキセル)は、PDA検出器によって、274 nmの選択波長を用いて同定された。方法開発の際には、サンプルは、PDAおよびSQ MS検出器を備えたWaters Acquity UPLC/MSシステムによって分析された。これらの分析では、サンプルを、Acquity UPLC BEH C18カラム(1.7μm、2.1×50 mm)に、0.4 mL/分の流速で、5分間にわたる95〜10%の水/アセトニトリルの勾配プログラムによって注入した。DTX(および他の生成物)の検出は、ES+モードであった。ポリマーは、Waters e2696 Separation Module、2414 RIおよび2998 PDA検出器から構成され、Empower Pro 2によって操作されるGPCシステムによって分析された。THF可溶性サンプルは、Waters Styragel HR5EおよびHR 3カラムに(連続して)、0.35 mL/分のTHF 流速で注入された。水溶性サンプルは、Waters Ultrahydrogel 1000カラムを用いて、水の1 mL/分の流速で分析された。遊離DTXおよびPEGの検出は、それぞれPDA(724 nm)およびRIによって行われた。
【0066】
CMCポリマーのストイキオメトリーの計算
CMC-Naポリマーはカルボキシメチル基によって修飾されており、0.82の分析DS値を有するものが製造業者により供給された。すなわち、各ガラクトースモノマー単位は、0.82モルのカルボン酸基および2.18モルのヒドロキシル基を含む。従って、各モノマーの分子量は、162 g/mol(ガラクトース)+(59.01 g/mol(酸性基)×0.82)=210 g/molのように概算される。これらの化学組成値は、CMCポリマーに対して行われる反応のストイキオメトリーを計算するために用いられた。
【0067】
CMCのアセチル化
CMCをアセチル化する方法は、Namikoshi
72によって報告された方法から改変された。カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na CEKOL 30K, 10 g)を丸底フラスコに秤量し、室温で2時間激しく撹拌しながら20%硫酸(200 mL)に懸濁した。CMC-COOH粉末のスラリーを、水の検査結果が中性になるまで水で洗浄し、その後、CMC-COOHの完全な脱水を確実にするために、30 mLの量の氷酢酸で3回洗浄した。CMC-COOHを氷浴中に置いた丸底フラスコに移し、氷酢酸(glacial acid)(50 mL)に懸濁した。無水酢酸(30 mL)および硫酸(1.2 mL)を冷却したスラリーに加え、その後、温度を50℃まで上昇させ、溶液を3時間または清澄化するまで激しく撹拌した。反応溶液を回転蒸発(58℃、58 mbar)によって濃縮し、脱イオン水中で沈澱させた。水の検査結果が中性pHになるまで、繰り返しろ過することによって、水を交換した。高真空下で一晩、アセチル化CMC(CMC-Ac)粉末を乾燥させ、最小限のアセトンに溶解し、水によって沈澱させた。ポリマーを溶液から遠心分離し、凍結乾燥によって乾燥させ、DMSO溶媒中でのH NMRによって分析した。
【0068】
Cellaxの合成
本明細書全体にわたって記載されるCellaxの調製をここに記載し(50 mol%DTX供給、30 mol%PEG供給、または50/30)、その後、許容できる粒子を形成しない組成物を詳述する関連反応を記載した。50/30合成:アセチル化カルボキシメチルセルロース(CMC-Ac、300 mg、1.5 mmol酸)を25 mLのガラスバイアルに秤量し、MeCN(2 mL)に溶解した。EDC HCl (441 mg、2.3 mmol)をMeCN(12 mL)および水(0.5 mL)に溶解した。NHS(265 mg、2.3 mmol)およびDMAP(28 mg、0.23 mmol)をMeCN(1 mL)に溶解した。mPEG-OH(690 mg、0.35 mmol)を穏やかに加熱しながらMeCN(2 mL)に溶解した。DTX(465 mg、0.58 mmol)をMeCN(12 mL)およびDMF(1 mL)に溶解した。EDC HCL、NHS、およびDMAP試薬をCMC-Ac溶液に加え、その後、mPEG-OHおよびDTXを添加した。溶液を、一晩室温で、遮光しながら撹拌した。溶媒を回転蒸発(55℃、5 mbar)によって除去し、生成物(Cellax)をMeCN(3 mL)に溶解し、40 mLジエチルエーテルによって沈澱させた。Cellaxを乾燥させ、MeCNに再度溶解し、沈澱を2回繰り返した。溶媒を高真空によって除去し、微粉末を水(25 mL)で洗浄し、遠心分離によって回収した。Cellax生成物を、未反応のPEGおよびDTXについてゲル浸透クロマトグラフィーによって分析し、残存試薬が検出された場合には、洗浄を繰り返した。
1H NMR解析(CDCl
3)を行って、DTXおよびPEGの存在を確認し、分子組成を推定した。PEGを一定に保ちながらDTXの供給率を変化させて、様々なDTX含量のCellaxモデルを作り出した。CMC-Ac(50 mg、0.19 mmol酸)を、DMAP(5 mg、0.04 mmol)の存在下でEDC HCl(75 mg、0.39 mmol)およびNHS(45 mg、0.39 mmol)で活性化し、その後、様々なDTX(16、31、47、63、142 mg、0.02、0.04、0.06、0.08、0.18 mmol)およびmPEG-OH(117 mg、0.06 mmol)を加えた。DTXを一定に保ちながらPEGの供給率を変化させて、様々なPEG含量のCellaxモデルを作り出した。CMC-Ac(100 mg、0. 39 mmol酸)を、DMAP(48 mg、0.39 mmol)の存在下でEDC HCl(224 mg、1.17 mmol)およびNHS(135 mg、1.17 mmol)で活性化し、その後、様々なPEG(78、156、390、546、780、1169 mg、0.04、0.08、0.19、0.27、0.39、0.58 mmol)およびDTX(157 mg、0.19 mmol)を加えた。すべての類似体を、上述の好ましい組成物と同様の方法で精製した。
1H NMR解析のために、化合物をCDCl
3に溶解し、選択されたピークの積分によって組成を推定した。
【0069】
CMC-Ac-PEG(対照ポリマー)の合成
Cellaxのために記載されたものと同じ条件を用いて、CMC-Ac-PEG対照分子を合成した。CMC-Ac(100 mg、0.38 mmol酸)を、アセトニトリル溶媒(6 mL)中EDC HCl(147 mg、0.77 mmol)、NHS(88 mg、0.77 mmol)、およびDMAP(9 mg、0.08 mmol)の存在下でmPEG
2000(230 mg、0.12 mmol)と反応させた。一晩の反応後、溶媒を回転蒸発(55℃、5 mbar)によって除去し、水(5mL)に溶解し、20kDa MWCO Slide-a-lyzer透析カートリッジを用いて、複数回の水の交換に対して透析した。精製された生成物を凍結乾燥によって回収し、水性GPCによって分析して、未反応のPEGが完全に抽出されたことを検証した。化学組成の分析は、D
20中での
1H NMRによって行われた。
【0070】
DTX、Cy5.5、およびPEGとCMCとのコンジュゲート形成
PEGビスアミン(169 mg、0.084 mmol)を、DMAP(1 mg、0.008 mmol)およびCy5.5 NHSエステル(050 mg、0.084 mmol、0.5 mLアセトニトリル)が添加されたアセトニトリル(2 mL)に溶解した。溶液を室温で4時間、遮光して撹拌した。アセチル化カルボキシメチルセルロース(CMC-Ac、100 mg、0.39 mmol酸)を25 mLガラスバイアルにに秤量し、MeCN(2 mL)に溶解した。EDC HCl (149 mg、0.78 mmol)をMeCN(4 mL)および水(0.15 mL)に溶解した。NHS(90 mg、0.78 mmol)およびDMAP(10 mg、0.08 mmol)をMeCN(0.5 mL)に溶解した。mPEG
2000-OH(156 mg、0.08 mmol)を穏やかに加熱しながらMeCN(1 mL)に溶解した。DTX(157 mg、0.19 mmol)をMeCN(4mL)およびDMF(0.25 mL)に溶解した。EDC HCL、NHS、およびDMAP試薬をCMC-Ac溶液に加え、その後、Cy5.5-PEG反応溶液ならびにmPEG-OHおよびDTXを添加した(スキーム1B)。溶液を、一晩室温で、遮光しながら撹拌した。生成物(Cy5.5 Cellax)を、Cellaxの精製のために用いたのと同様の方法によって精製した。
1H NMR解析(CDCl
3)を行って、DTXおよびPEGの存在を確認し、分子組成を推定した。
【0071】
SPIONの調製
Sun
73によって発表された方法に従って、超常磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)を調製した。鉄(III)アセチルアセトナート(353 mg、1 mmol)を、37℃の水浴中で、1,2-ヘキサデカンジオール(1292 mg、5 mmol)、オレイン酸(1224 mg、4.3 mmol)、オレイルアミン(oleic amine)(1214 mg、4.5 mmol)、およびジフェニルエーテル(10 mL)と混合し、窒素下で撹拌した。バイアルを、時々混合しながら加熱ブロック上で200℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、窒素雰囲気を流し、溶液を265℃に加熱して、窒素保護下で30分間還流した。溶液を室温に冷却した。イソプロパノール(20 mL)を反応系に加え、遠心分離(2500 rpm、5分間)によって粒子を回収した。ヘキサン(1 mL)を加えて化合物を溶解し、溶液を2500 rpmで5分間遠心分離した。上清を回収し(沈殿物は捨てた)、溶媒を蒸発させた。この方法を(ヘキサン再懸濁液へのIPA添加から)3回繰り返した。SPIONを乾燥させ、秤量し、ヘキサンを加えて濃度を10 mg/mLにした。
【0072】
Cellax中のDTX含量についてのアッセイ
加水分解したポリマーサンプルのHPLC 解析によって、Cellax中のDTX含量を推定した。すなわち、Cellax(2 mg)をアセトニトリル(1 mL)に溶解し、8.5%オルトリン酸(0.3 mL)を用いて30秒間ボルテックス装置で処理した。サンプルを直ちに酢酸エチル(3 mL)で抽出した。15 mLコニカルチューブ中で各サンプル(3 mL)に水を加え、チューブを3000 rpmで5分間遠心分離して、有機層と水層を分離した。酢酸エチル画分を分離し、回転蒸発によって乾燥させ、アセトニトリル(0.5 mL)を加えて、HPLC解析のためのサンプルを溶解させた。
【0073】
Cellax粒子の調製
Cellax(250 mg)を加熱せずにアセトニトリル(25 mL)に溶解した。何回かに分けて粒子を調製した。すなわち、0.2 mL Cellax溶液を、15 mLコニカルチューブ中で1.9 mLの0.9% NaCl溶液のボルテックスしている溶液に滴下した。溶液添加後1分間、ボルテックスを継続した。その結果得られた粒子溶液を合わせて、Slide-a-lyzer 10 000 MWCOカートリッジに移し、透析液を2回交換しながら、0.9%NaClに対して3時間透析した。粒子を0.22μm 25 mm Millipore PVDFフィルターを通してろ過し、Vivaspin遠心ろ過フィルターユニット(25 mL、10 000 MWCO)に移し、3000 rpmで1時間回転させて、粒子を1 mLの容量に濃縮した。粒子分析器(Zetasizer Nano-ZS, Malvern Instruments Ltd, Malvern, UK)を用いた動的光散乱によって粒子のサイズを決定した。サンプルを90/10 生理食塩水/DMSO中で20×に希釈し、274 nmでのUV吸光度を測定し(Nanodrop, ThermoScientific)、DTX検量線を用いてDTX濃度を計算することによって、コンジュゲートのDTX含量を測定した。
【0074】
in vivo試験のためにCy5.5-CellaxおよびCellaxの粒子(混合組成物)を調製し、様々な比率を試験することによってその粒子調製物を最適化した。Cellax(100μL、アセトニトリル中10 mg/mL)をCy5.5 Cellax(2、5、10、15および30μL、アセトニトリル中10 mg/mL)と組み合わせて、1、5、10、および15 および30 wt%Cy5.5溶液を調製した。各溶液を0.9%生理食塩水(0.9 mL)中で沈澱させ、0.22μm 25 mm Millipore PVDFフィルターを通してろ過し、Zetasizerによって粒径を測定した。
【0075】
上述のCellaxポリマーおよびSPION溶液を用いた、SPIONを含有しているCellaxの粒子。簡潔には、SPION溶液の分割量(aliquots)(5、10、20、40および100μL)をバイアルに移し、ヘキサンを蒸発させた。Cellax(10 mg)をTHF(1 mL)に溶解し、100μLの分割量を各SPIONバイアルに加え、溶液をよく混合した。その後、SPION/Cellax溶液を、激しく撹拌されている0.9%生理食塩水(0.9 mL)に滴下し、これらの溶液を0.22μM PVDFフィルターを通してろ過し、凝集体を除去した。溶液の粒径について測定し(Zetasizer)、500 nmの吸光度を取り、SPION取り込みが安定する時を推定した。Cellax-SPIONの選択されたサンプルは、鉄含量についてICP-OESによって分析された。すなわち、サンプルを一晩の消化のために70%硝酸と1:1で混合し、その後、分析前に脱イオン水で10×に希釈した。
【0076】
臨界ミセル濃度の決定
臨界ミセル濃度を決定する方法は、Zhangから改変され、蛍光ベースの解析で構成される
67,74。1,6-ジフェニル-l,3,5-ヘキサトリエン(DPH、1.175 mg)をアセトニトリル(10 mL)に溶解し、原液を調製した。Cellax(10 mg)を1 mLのDPH原液に溶解して10 mg/mL溶液を調製し、DPH溶液で段階希釈して、一定濃度のDPH中に一連の10濃度のCellaxを調製した。100μL容量の各サンプルを1分間ボルテックス装置で900μLの0.9%NaCl中に滴下して析出させた。50μLの各粒子溶液を黒色96ウェルマイクロプレートに移し、Chameleonプレートリーダーにおいて蛍光を測定した(Ex 360、Em 460)。対数濃度に対する蛍光のプロットにおいて、2つの異なる線形曲線が合流し、臨界ミセル濃度は、曲線の交点に対する線形代数の解を用いることによって計算された。
【0077】
Cellaxナノ粒子からのDTXのin vitroでの放出
Cellax粒子のDTX含量を分析し、溶液を500μg DTX / mLに調整し、Millipore PVDF 0.22μmフィルターを通してろ過滅菌した。パクリタキセル内部標準を粒子溶液に添加した(5μg PTX / mL)。等量の粒子溶液とウシ胎仔血清(FBS)を無菌条件下で混合し、37℃でインキュベートした。選択された時点(1、2、3、4、7および14日)で、1 mL容量を取り、3 mLの酢酸エチルと合わせて、サンプルを30分間よく混合し、その後、4000 rpmで5分間遠心分離して層を分離させた。2.5 mLの酢酸エチル層を取り出し、溶媒を回転蒸発させ、0.5 mLのアセトニトリルに再懸濁して、HPLCによって分析した。DTXおよびPTXのピークは、それぞれ7.8分および8.1分に出現した。生理食塩水/FBS溶液にDTXおよびPTX内部標準を加えてDTXの校正曲線を作成し、その後、同一の抽出手順を行い、この校正曲線を用いて、インキュベートしたサンプル中のDTX含量を計算した。インキュベートしたサンプルの分析において8.4分に新たなピークが出現し、LC/MS分析によってDTXの異性体(ES+ 878質量)であることが決定された。DTXと同様の方法で、異性体を定量化した。
【0078】
DTX毒性のin vitroでの分析(IC50解析)
EMT-6マウス乳がん細胞およびLL/2マウスLewis肺細胞がん細胞を、10%FBS(Invitrogen)、ペニシリン(100 U/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)(Invitrogen)を添加した高グルコースを含むDMEM培地(Invitrogen)中で培養した。マウス乳がん細胞株EMT-6は、CHEO Research Institute のDavid Stojdl博士およびUniversity of Ottawa のDouglas Mahoney博士からの寛大な寄贈であった。播種のために、トリプシン(Invitrogen)を用いて細胞を培養フラスコから剥がし、1×1O
5細胞/mLの濃度に再懸濁し、100μLの細胞懸濁液を96ウェルポリスチレンプレートのウェルに加えた。粒子の添加前に、細胞を24時間培養下(37℃、5%CO
2、加湿)で維持した。DMSO中でDTX溶液を調製し、培地で希釈して、0.1%DMSO含量を有する100 nM原液を調製した。これらのDTXサンプルを、0.1%DMSO培地で2×段階希釈した。Cellax粒子のDTX含量を分析し、培地で10×段階希釈した。培養を3日間維持し、その時点で細胞の生存をXTTアッセイによって分析した。簡潔には、XTT試薬(Sigma)の1 mg/mL水溶液を調製し、フェナジン(Sigma)を分析の直前に添加した(x mg/mL)。培養プレートを37℃で2時間インキュベートし、その後、各ウェルの480 nmでの吸光度を読み取った。培地(すなわち0.1%DMSO培地)で処理されたウェルは、100%生存培養物を表し、細胞を含まないウェルはバックグラウンドシグナルを表す。並列実験では、4段階で、12時間毎に2日間、
1/
4用量を加えることによって、DTXまたはCellax含有培地をEMT-6およびLL/2培養物に添加した。GraphPad Prismでデータを解析し、それぞれの系のIC50を計算した。
【0079】
動物実験
メスのBALB/cおよびC57/BL6マウス(6週齢、18〜20 g)をThe Jackson Laboratory(Bar Harbor, ME)から購入した。この研究のすべての実験プロトコールは、Canadian Council of Animal Careによって作成された実験動物の管理と使用に関する指針に制定された方針に従って、Animal Care Committee of the University Health Network(Toronto, Ontario, Canada)の承認を受けた。それぞれの実験において、DTXは、Tween80/エタノール/生理食塩水(20:13:67)溶液中で調製され(4 mg DTX/mL)、ろ過滅菌された。Cellax粒子は、生理食塩水中4、7.5または15 mg DTX/mLに調整され、ろ過滅菌された。
【0080】
組織学および免疫組織化学
マウスからの組織(臓器、骨、および腫瘍)を生理食塩水で洗い、10%ホルマリンで2日間固定し、その後70%エタノール中に保存した。組織のスライド作製は、Toronto General Hospital Pathology Research Program lab(Toronto, ON)で行われた。Ki67(SP6)抗体(ThermoFisher)は、クエン酸塩中1/1000希釈で1時間使用された。CD31(PECAM)抗体(Santa Cruz)は、Tris-EDTAバッファー、pH 9中1/2000希釈で1時間使用された。TUNEL染色は、Wijsmanの方法に従って行われた
75。プレパラートは、Princess Margaret Hospital(Toronto, ON)のAdvanced Optical Microscopy Facility(AOMF)でAperio Scannerにおいて分析された。画像解析は、Aperio scannerに付属しているImageScopeソフトウェアによって行われた。H&Eサンプルについては、ImageScope Color Deconvolution V9アルゴリズムを用いて、ヘマトキシリンおよびエオジン陽性ピクセルを同定した。TUNEL、Ki67、およびCD31染色サンプルについては、ImageScope Positive Pixel Countアルゴリズムを用いて、茶色のピクセルを数えた。解析されるそれぞれの腫瘍または臓器について、3つの組織切片をそれぞれ3つの同等の領域に分割し、n=9のデータ点を作り出した。画像解析出力は、解析された面積で割った陽性ピクセル数であった。
【0081】
最大耐性量(MTD)試験
健康なBALB/cマウスを、200μLのi.v.尾静脈注射によって、20および40 mg/kg用量の遊離DTXで処理した。同様に、健康なBALB/cマウスを、20、40、85、および170 mg/kg DTX等価用量のCellaxで処理した。対照マウスは、Tween80/エタノール/生理食塩水または生理食塩水の注射を受けた。体重を7日間測定し、屠殺の際、臓器を組織学的解析および免疫組織化学的解析のために採取した。血液を採取し、血清および全血の血清学的および血液学的パラメーターを分析し、対照血液サンプルに対して参照した。
【0082】
マウスにおける皮下(s.c)脇腹部腫瘍の研究
EMT-6細胞は上述のように培養された。接種前に、TrypLE Expressを用いて細胞を培養プレートから剥がし、添加物を含まない(FBSなし、抗生物質なし)DMEM培地に再懸濁した。EMT-6細胞(2×10
5細胞/50μl培地)を、BALB/cマウスの毛を剃った右側脇腹部にs.c.接種した。7日後、腫瘍が触知可能になった時、MTD試験に記載されるように、マウスに40 mg/kg用量のDTXおよびCellaxを投与した。対照動物には、生理食塩水を注射した。各郡(DTX、Cellax、および対照)は6匹のマウスで構成された。腫瘍サイズを測径器(caliper)で測定し、体重を測定した。14日後、マウスを頸椎脱臼によって屠殺し、組織切片ならびにH&E、TUNEL、Ki67、およびCD31による染色のために、心臓、肺、肝臓、腎臓、および腫瘍を採取した。C57/BL6マウスにs.c.接種したLL/2細胞による二次試験(EMT-6試験と同様)が行われた。LL/2細胞は、添加物を含まないDMEM培地に懸濁された。
【0083】
転移性腫瘍の研究
健康なBALB/cマウスは、尾静脈注射(50μL、2.5×10
5細胞/mL)によるEMT-6細胞(添加物を含まないDMEM培地中)のi.v.投与を受け、1日後にCellax(40 mg DTX /kg)、40 mg/kg DTX、または生理食塩水(n=10/群)の投与を受けた。細胞注入後7日目に、2回目の投与(20 mg/kg DTX)を行った。>20%体重減少を記録した時、または行動もしくは運動機能障害の最初の兆候時に、マウスを屠殺した。組織学的分析のために、肺、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、大腿骨、および脳を摘出した。生存データから、生存率のカプランマイヤープロットを作成した。
【0084】
腹腔内(i.p.)腫瘍モデルの研究
10%FBS(Invitrogen)、ペニシリン(100 U/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)(Invitrogen)、およびピルビン酸塩(1 mM)を添加したRPMI 1640中で、PAN02細胞(マウス膵臓がん)を培養した。接種前に、TrypLE Express(Invitrogen)を用いて細胞を培養プレートから剥がし、添加物を含まない(FBSなし、抗生物質なし)RPMI培地に再懸濁した。PAN02細胞(5×10
6細胞/mL、0.5 mL)をC57/BL6マウスの腹腔内に注射した。細胞の投与1日後に、マウス(群あたりn=3)を、DTX(40 mg/kg)、Cellax(40 mg DTX eqv/kg)、または生理食塩水で処理した。>20%体重減少を記録した時、または行動もしくは運動機能障害の最初の兆候時に、マウスを屠殺した。
【0085】
MRI解析
STTARR facility(Radiation Medicine Program, University of Toronto, Ontario, Canada)にある7T micro-MRI(BioSpec 70/30 USR, Bruker Biospin, Ettlingen, Germany)を用いて、腫瘍内のCellax-SPION分布のMRI観察を行った。データ収集は、呼吸に対してゲートされ、腫瘍造影期間あたり8〜12スライスが収集された。TE=10 msに対応する画像を、MIPAVソフトウェアで処理した。簡潔には、腫瘍体積を通る8〜12スライス全体にわたり、腫瘍体積を多角形によって線引きして、三次元関心領域(volume of interest)(VOI)を定義した。同様に、隣接する筋肉組織の断面を、VOIによって線引きした。低信号の腫瘍ボクセルは、平均筋肉ボクセル信号強度の5×標準偏差を引いた腫瘍ボクセル信号強度として定義された。各腫瘍VOIに対して5×SD限度を超えるボクセルを除外する閾値演算を行うことによって、低信号の体積を計算した。低信号ボクセルを含む各腫瘍の体積率を、非閾値体積/閾値体積として計算した。
【0086】
カンプトテシン類似体
アセチル化カルボキシメチルセルロース(CMC-Ac、75 mg、0.29 mmol酸)を25 mLのガラスフラスコに秤量し、窒素保護下で無水DMF(1 mL)に溶解した。カンプトテシン(CMT、50.0 mg、0.15 mmol)を25 mLのガラスバイアルに秤量し、穏やかに加熱しながら無水DMF(15 mL)に溶解した。CMT溶液を反応器に加え、溶液を0℃に冷却した。PyBOP(137 mg、0.26 mmol)、DMAP(64 mg、0.53 mmol)、およびmPEG-OH(175 mg、0.09 mmol)をガラスバイアルに秤量し、無水DMF(それぞれ1 mL)に溶解し、反応器に加えた。DIPEA(38μL、0.22 mmol)を注射器によって反応器に添加した。反応物を1時間後室温に上昇させ、窒素保護下で一晩撹拌しておいた。反応溶液を回転蒸発によって濃縮し、氷浴で冷却し、10%NaCl(25 mL)を加えた。その後、0.1N HClの添加によって溶液をpH 2.5に酸性化した。懸濁液を室温で1時間撹拌し、固形物を遠心分離によって回収し、4回水で洗浄し、一晩乾燥させた。固形物をDMF(2 mL)に溶解し、メタノールに対して3時間透析して、未反応のCMTを抽出した。粒子懸濁液を蒸発乾固し、DMF中の1 mg/mL溶液として再懸濁した。1H NMR(CDCl3)δ: 7.29-8.51(5H, CMT)、7.28(1H, CMT)、5.76(2H, CMT)、5.32(2H, CMT)、3.0-5.5(m, CMCポリマー)、3.658(PEG)、1.027(3H, CMT)。10×容量の0.9%生理食塩水中への析出(precipitation)によって、粒子を調製した。
【0087】
パクリタキセル(PTX)類似体
アセチル化カルボキシメチルセルロース(CMC-Ac、50 mg、0.19 mmol酸)を25 mLガラスバイアルに秤量し、MeCN(0.5 mL)に溶解した。EDC HCl(112 mg, 0.58 mmol)をMeCN(3 mL)および水(0.1 mL)に溶解した。NHS(67 mg、0.58 mmol)およびDMAP(24 mg、0.19 mmol)をMeCN(1 mL)に溶解した。mPEG-OH(117 mg、0.06 mmol)を穏やかに加熱しながらMeCN(1 mL)に溶解した。PTX(67 mg、0.08 mmol)をMeCN(2 mL)およびDMF(0.2 mL)に溶解した。EDC HCL、NHS、およびDMAP試薬をCMC-Ac溶液に加え、その後、mPEG-OHおよびPTXを添加した。反応物精製は、DTXコンジュゲートの精製と同様であった。組成をH NMRによって確認した(41重量% PTX、5.7 wt% PEG)。粒子は、115 nmのサイズおよび0.1のPDIで単離された。
【0088】
ドキソルビシン(DOX)類似体
アセチル化カルボキシメチルセルロース(CMC-Ac、100 mg、0.38 mmol酸)を25 mLガラスバイアルに秤量し、DMF(4 mL)に溶解した。DCC(158 mg、0.76 mmol)およびDMAP(9 mg、0.08 mmol)をDMF(0.5 mL)に溶解した。mPEG-OH(574 mg、0.11 mmol)をDMF(1 mL)に溶解した。DOX(83 mg, 0.15 mmol)をDMF(0.25 mL)に溶解した。DCCおよびDMAP試薬をCMC-Ac溶液に添加し、その後、mPEG-OHおよびDOXを加えた。一晩反応させた後、反応溶液を4 mLの水と混合し、水に対して透析して未反応のDOXを抽出した。溶液を乾燥させ、DMFに再懸濁し、エーテルによって沈澱させ、エーテル溶液中のポリマーを回転蒸発によって回収した。NMRでは、ほとんどのDOXシグナルはポリマーと重複したが、生成物は暗赤色である。1H NMR(DMSO)δ:7.1-7.8(m, Ar H, DOX)、5.1(dd, 1H, DOX)、3.63(s, 4H, PEG)、3.32(s, 3H, PEG)、3.0-5.5(m, CMCポリマー)、1.96(m, 3H, アセチル)、1.25(d, DOX)。CMC-PEG-DOX生成物はDMSOに溶解され、生理食塩水中に沈澱した。すなわち、個別の粒子集団を形成せず、自己集合はDOXのような比較的親水性の薬物によって妨げられることを示唆する。
【0089】
CellaxのPEG5000類似体
アセチル化カルボキシメチルセルロース(CMC-Ac、100 mg、0.38 mmol酸)を25 mLガラスバイアルに秤量し、MeCN(1 mL)に溶解した。EDC HCl(147 mg、0.76 mmol)をMeCN(4 mL)および水(0.2 mL)に溶解した。NHS(88 mg、0.76 mmol)をMeCN(1 mL)に溶解した。mPEG-OH 5000(574 mg、0.11 mmol)を穏やかに加熱しながらMeCN(2 mL)に溶解した。DTX(216 mg、0.27 mmol)をMeCN(4 mL)に溶解した。EDCおよびNHS試薬をCMC-Ac溶液に加え、その後、mPEG-OHおよびDTXを添加した。生成物の精製は、mPEG-OH 2000を用いて合成したCellaxの精製と同様であった。1H NMR(CDCl3)δ:8.03(d, 2H, C25およびC29)、7.62(t, 1H, C27)、7.49(t, 2H, C26およびC28)、7.41(m, 4H, C31, C32, C34, C35)、7.38(m, 1H, C33)、6.23(m, 1H, C13)、5.70(m, 1H, C2)、5.25(m, 1H, C4')、5.08(br, 1H, C10)、4.79(d, 1H, C5)、4.37(m, 1H, C20-A)、3.62(s, 4H, PEG)、3.0-5.5(m, CMCポリマー)、1.99(m, 3H, アセチル)、1.29(s, 3H, C16)。前述のように、MeCN溶液の析出によって粒子を調製した(119nm、PDI=0.3)。
【0090】
低分子量のCMC類似体
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CEKOL 4K, lOg)を、Cekol 30K材料に適用したものと同じ方法に従ってアセチル化した。アセチル化カルボキシメチルセルロース(CMC-Ac、100 mg、0.39 mmol酸)を25 mLガラスバイアルに秤量し、MeCN(1 mL)に溶解した。EDC HCl(149 mg、0.78 mmol)をMeCN(4 mL)および水(0.2 mL)に溶解した。NHS(90 mg、0.78 mmol)およびDMAP(10 mg, 0.08 mmol)をMeCN(0.25 mL)に溶解した。mPEG-OH(234 mg、0.12 mmol)を穏やかに加熱しながらMeCN(1 mL)に溶解した。DTX(157 mg、0.19 mmol)をMeCN(4 mL)およびDMF(0.3 mL)に溶解した。EDC HCL、NHS、およびDMAP試薬をCMC-Ac溶液に加え、その後、mPEG-OHおよびDTXを添加した。生成物の精製は、CEKOL 30K CMC-Ac類似体のために記載された方法に記載される精製と同様である。粒子は、この調製物から140 nmのサイズで分離された。
【0091】
Cellax粒子のTEM分析
Cellax粒子を脱イオン水に100×希釈し、溶液の2μL分割量を、フォルムバー被覆銅TEMグリッド(TedPella, Redding, CA)の表面上にピペットで取り、風乾させた。Centre for Nanostructure Imaging(Department of Chemistry, University of Toronto)のHitachi HD-2000 STEMにおいて、高角度環状暗視野検出器を用いて、200 kVの活性化電圧および10 mAの電流によって、分析を行った。粒子のTEM分析は、Zetasizer測定(104 +/- 15 nm)を裏付け、実施例6に見られるように、粒子は球状である。
【0092】
Cellax粒子へのCMTの取り込み
Cellax(3 mg)をTHF(0.27 mL)に溶解し、DMSO中1.0 mg/mLのカンプトテシン(CMT)溶液30μLを加えた。その後、CMT/Cellax溶液を、激しく撹拌されている0.9%生理食塩水(2.7 mL)に滴下し、この溶液を0.22μM PVDFフィルターを通してろ過し、凝集体を除去した。Zetasizerによって粒径を測定した(120 nm、PDI=0.3)。粒子をDMSOに希釈し(10×)、蛍光(Ex 325nm、Em 460 nm)を測定して、100%カプセル化効率が計算された。
【0093】
[実施例1]
Cellaxの合成
カルボキシメチルセルロースのアセチル化
CMCポリマーのアセチル化は、手順の各段階においてCMCポリマーを綿密に洗浄すれば、円滑に進行した。例えば、残存する硫酸は、材料の変色を引き起こし、残存する水は、無水物の反応を妨げた。アセチル化に成功しなかった物質は、結局は酢酸溶媒に溶解しなかった。しかし、洗浄手順を適切に徹底した場合、反応は、H NMR解析によって評価されたように、定量的であった。
1H NMR(CDCl3)δ:3.0-5.5(m, CMC H)、2.02(m, アセチルCH
3)。
【0094】
PEGおよびDTXのコンジュゲート形成
CMC-AcはDMFに可溶であるが、DMF中で行われたDTXおよびPEGのカップリング反応は、高い収率を示さず、これらの物質から形成された粒子は、不安定で不均一であった。溶媒の予備選択において、MeCNはより高い変換を促進し、以後、すべてのコンジュゲート形成反応は、この溶媒中で行われた。加えて、試薬の希釈を最小限にするために、MeCN溶媒中、1.5容量%の水がEDCを溶解するために必要とされ、3.0容量%のDMFがDTXを溶解するために必要とされた。最初は透析によるポリマーの精製が試みられたが、PEG、DTX、およびCMC試薬は異なる溶解度プロフィールを有するため、沈澱および低い精製効率による問題が生じた。粉末状のCellax生成物の水による洗浄は、未反応のPEGの抽出に有効であり、エーテルによる沈澱は、未反応のDTXの抽出に有効であることを示した。未反応のPEGおよびDTXの効果的な抽出は、生成物のGPC分析によって確認された。しかし、CMCポリマーはポリスチレンカラムに吸収されたため、GPC分析は不純物の同定に限定された。
1H NMR(CDCl
3)δ:8.12(d, 2H, C25およびC29)、7.61(t, 1H, C27)、7.51(t, 2H, C26およびC28)、7.41(m, 4H, C31, C32, C34, C35)、7.34(m, 1H, C33)、6.23(m, 1H, C13)、5.71(m, 1H, C2)、5.25(m, 1H, C4')、5.10(br, 1H, C10)、4.98(d, 1H, C5)、4.32(m, 1H, C20-A)、4.25(m, 1H, C7)、4.19(br, 1H, C20-B)、3.64(s, 4H, PEG)、3.38(s, 3H, PEG)、3.0-5.5(m, CMCポリマー)、2.57(m, 1H, C6-A)、2.38(3H, C22)、2.02(m, 3H, アセチル)、1.86(m, 4H, C6およびC18)、1.75(br, 3H, C19)、1.34(s, 9H, C7', C8', C9')、1.29(s, 3H, C16)、1.14(s, 3H, C17)。記載されたスペクトルについては
図2A、DTXの炭素番号をつけた図については
図2Bを参照せよ。コンジュゲート中の各単位(CMC、PEG、およびDTX)の相対モル%は、スペクトルの積分によって推定され、各成分の分子量を用いた逆算によって、重量パーセントが計算された(表1)。Cellax 中のDTX含量は、更に、オルトリン酸による処理を用いてコンジュゲートから加水分解されたDTXのHPLC分析によって推定され、この分析は、30 wt%のDTX組成を確認した。
【0095】
PEGとDTXとの両方を変化させることによって、機能的なCellax製剤を一括している組成物を調製した。
1H NMR解析によれば、Cellaxについての上記で報告されたピーク指定は一致していた(データは示さない)が、DTXピークの積分は変化した。表2に示されるように、機能的な組成物中のDTXのDSは、13.4〜26.4 mol%(22.5〜43.3 wt%)の範囲にわたり、PEGのDSは、0.9〜5.4 mol%(3.5〜22.7 wt%)の範囲にわたった。好ましい組成物は、15.1〜23.7 mol%のDTXおよび1〜1.1 mol%のPEGを含有し、更に好ましい組成物は、20.5 mol%のDTXおよび1 mol%のPEGを含有した。規定された組成の範囲内で、粒子形成特性が確立され、特定のナノ粒子がもはや測定され得ない境界線の明確な線引きが確立された。
【表1】
【0096】
Cy5.5-Cellaxポリマーの合成は、Cy5.5-PEGが反応スキームに組み込まれていることを除いて、Cellaxポリマーの合成とほぼ同一である。
1H NMRによって、上述のスペクトルが検出されたが、Cy5.5ピークは、スペクトルの重複およびポリマー成分のバランスと比較して低いシグナルのため、容易には検出できなかった。しかし、Cy5.5-Cellax生成物は濃い青色であり、近赤外でのその蛍光は、Cy5.5の取り込みの確証であった。Cy5.5-Cellax粒子は、10K MWCOカートリッジで透析した際、またはVivaspin 10Kフィルターで濃縮した際に、青い色素を漏出せず、Cy5.5成分が安定的に取り込まれたことを確認した。
【0097】
[実施例2]
Cellax粒子形成、in vitroでのDTX放出、および動物実験
水溶液に対する透析による溶媒交換、薄膜水和、および沈澱を含む、異なる粒子調製方法を用いて、一連の試験を行った。水性析出(aqueous precipitation)を用いて良好な結果が得られたが、他の一般的な粒子形成技術は、特定の粒子を生じなかった。表2に記載されるように、粒子を調製するために使用される水溶液系は、粒子の大きさおよび安定性に影響を与えた。例えば、リン酸緩衝生理食塩水(25 mM PBS)中で調製された粒子は、最初は134 nmのサイズであったが、数時間の間に、これらの粒子は明らかに凝集した。反対に、10%ショ糖または0.9%生理食塩水中で調製された粒子は、120〜130 nmの範囲にわたり、4℃保存で少なくとも1か月間(これまでの試験の上限)安定なままであった。しかも、生理食塩水中で調製され、FBS とともにインキュベートされたCellax粒子は、サイズが変化しなかった。DPHアッセイによって決定された臨界ミセル濃度は、0.1 mg/mLであった。
【表2】
【0098】
Cy5.5-Cellax粒子は、これらの粒子の1、5、10、15および30 wt%がCy5.5-Cellaxであることを除いて、Cellax粒子に適用されたものと同様の手順で調製され、Cellax として作り上げられたバランスを有した。粒子サイズの測定結果は、最大15 wt%のCy 5.5-Cellaxまでは102〜100 nmで安定し、その後、おそらくZetasizer装置における蛍光の影響のために、測定結果は不安定になった。
【0099】
Cellax-SPION粒子は、SPIONおよびCellaxのTHF溶液の生理食塩水中への沈澱と、それに続く透析および0.22μmフィルターによるろ過によって調製された。一連のSPION:Cellax比が試験された(9〜50重量%のSPION)。SPIONの取り込みは30 wt%で横ばいになり、77%の取り込み効率および25.4 +/- 2.5 wt%のろ過後最終SPION含量を有した。Cellax-SPION粒子のサイズは、115.4 nmであり、0.104のPDIを有し、0.22μmフィルターによって容易に滅菌された。Cellax-SPION粒子は、Vivaspinろ過によって濃縮され、11.4 mg/mL SPION、12 mg/mL DTX、40 mg/mL Cellax粒子溶液を得た。MR解析によって、Cellax-SPION粒子がT1およびT2モードでネガティブコントラストをもたらすことが確認された。すなわち、
図3Aに示されるように、粒子の溶液を168μg SPION/mLから下方に希釈した場合、T1コントラストは同様に直線関係で減少した。より重要なことには、SPION粒子のT2コントラストは高く、Cellax-SPIONSをマウスに注射した際(20 mg/kg SPION, 133 mg/kg DTX)、T2およびT2
*造影によって、腫瘍における優れたコントラストが検出された。EMT-6腫瘍塊は、バックグラウンド造影系(
図3Bおよび3C)、ならびに注射3時間後(
図3Dおよび3E)において見ることができ、T2およびT2
*画像は、明瞭なSPIONの蓄積を示す。24および72時間後、これらの粒子は、腫瘍内を移動して、滞留し続ける。画像解析は、最初に腫瘍体積(VOI)を定義することによって行われた。その解析に続いて、低信号のボクセルを定義する閾値強度を設定した。すなわち、隣接する筋肉VOIの平均強度および標準偏差(SD)を測定し、ボクセルがカウントされなくなるまで、SDの倍数を平均強度から差し引いた(5SD)。すべての腫瘍画像について、参照筋肉VOIの5SD値を、閾値処理していない腫瘍体積から差し引き、低信号体積を作成した。
図3Fにおいて見られるように、低信号の体積率は、3時間目に急速に増加し(25%)、24時間目にT2とT2
*画像との両方において30%でピークに達した。72時間目には、低信号の体積率は15%に減少した。
【0100】
Cellax粒子をFBSの50:50混合物に懸濁し、粒子からのDTX放出を3週間にわたって観察した。予備的研究では、FBSは熱によって不活性化され、DTX放出はほとんど検出できなかった(データは示さない)。変性されていないFBSを用いたその後の研究では、HPLC分析において更なるピークが検出され、UPLC/MSシステムにおいて分析を同様に行った際、DTXピークと新たなピークとの両方が、MS+モードでの808 Daとして検出され、DTXは7-エピドセタキセルに異性化していたことが示された。その後、DTXと7-エピドセタキセルとの両方を定量し、DTXと異性体を合わせた量を合計して、総タキサンを表した。
図4に示されるように、3週間にわたるタキサンの放出は制御されており、21日目に完全な放出に達した。コンジュゲートされたDTXの約半分は、活性DTXとして放出された。
【0101】
in vitroでのCellaxのIC50解析は、EMT-6乳がん細胞株とLL/2肺がん細胞株との両方に対する細胞毒性効果を確認した(表3および
図5A〜B)。細胞培養物中の対照CMC-PEGポリマーの質量濃度は、Cellaxの質量濃度と一致させてあり、いかなるレベルでも、これらの細胞に対して、細胞毒性効果のいかなる兆候も示さなかった。EMT-6細胞は、DTXのボーラス投与の効果に対してより感受性が高く、LL/2細胞での767 nMと比較して、80 nMのIC50を示す。しかし、EMT-6およびLL/2細胞集団の両方とも、Cellax粒子処理によって、より大きな影響を受け、それぞれ9および19 nMのIC50を有した。DTXの単回投与またはメトロノーム投与が異なる結果をもたらすかどうかを判定するために、EMT-6およびLL/2培養物はまた、DTXの反復投与(それぞれ20および200 mM、2日間にわたり4回の投与)によって処理された。実際、EMT-6およびLL/2培養物の生存率は、対照と比較して(単回投与での50%と比較して)、それぞれ20および12%であり、DTXへの持続的な曝露が、これらの細胞に対してより大きな抗生存効果を有することを示した。
【表3】
【0102】
MTD試験において、BALB/cマウスは、Tween80/エタノール/生理食塩水溶液の投与に対して軽度の体重減少を示した(
図6A)。20 mg/kg DTXで処理されたマウスは、体重を増加も減少もさせなかったが、マウスは、40 mg/kg投与で、わずかな体重の低下および軽度の立毛を示した。反対に、Cellax粒子によって処理されたマウスは、20、40、85および170 mg/kg DTX投与で、身体的ストレスの兆候を示さず、170 mg/kg Cellax投与群のみが、体重減少を示した(
図6B)。170 mg/kg処理群のマウスは、投与の1週間以内にもとの体重に回復した(
図6B)。血液学および血液化学分析は、いかなる異常も示さなかった(表4)。170 mg/kgマウスの臓器の組織学および免疫組織化学的解析もまた、いかなる異常も示さなかった。
【表4】
【0103】
【0104】
予備的な有効性研究では、マウスにEMT-6およびLL/2細胞を接種して、同系腫瘍モデルを作製し、これらのマウスを、40 mg/kg DTXまたは40 mg eqv/kg Cellaxの同等の単回投与によって処理した。EMT-6脇腹部モデルでは、遊離DTXは、対照生理食塩水処理マウスと比較して、腫瘍増殖に対してわずかな(有意でない)効果を有した。40 mg/kg Cellaxの単回投与は、腫瘍増殖に対して有意な影響を及ぼした(
図7A)。研究は、対照およびDTX処理マウスが腫瘍病巣を示し始めた時に終了した。LL/2脇腹部モデルでは、遊離DTXは腫瘍増殖特性を変化させなかったが、40 mg/kg Cellaxは、EMT-6と比較して少なくはあるが、腫瘍増殖に対して有意な影響を及ぼした(
図7B)。LL/2腫瘍に170 mg/mg Cellax処理を適用した際には、効用の増加が測定された(
図7B)。EMT-6およびLL/2腫瘍モデルは両方とも悪性であるが、LL/2は、急速な腫瘍増殖のために障害を引き起こし、これがLL/2群においてより顕著な変動に反映される。
【0105】
EMT-6およびLL/2腫瘍モデルの両方において、屠殺したマウスから腫瘍および臓器を採取し、固定し、切片にして、H&E、ならびに発色性のTUNEL、Ki67、およびCD31抗体によって染色した。EMT-6モデル:H&E染色切片では、CellaxおよびDTX処理された腫瘍の一部が壊死したことが明らかであり(
図8A)、この所見は、Ki67(細胞の生存)、CD31(血管新生)、およびTUNEL染色(アポトーシス)とよく一致していた。目視検査によって、DTXが壊死/アポトーシスを引き起こしたことは明白であり、この効果はCellax処理された腫瘍内でより顕著であった。これらの組織学所見に続いて、所見を定量的測定によって検証するために画像解析が行われた。
図9B〜Dにおいて見られるように、Cellax処理は、有意により多くのアポトーシスを引き起こし、DTX処理された腫瘍と対照との両方と比較して、有意な程度で、細胞複製および血管新生を抑制した。この系における他の臓器の解析(これもまたH&E、TUNEL、Ki67、およびCD31による)は、DTX処理マウスの腎臓および肺においていくらかの損傷が起こっていることを示したが、これはTUNEL染色によってのみ検出され得た(
図8B、
図9E、F)。例えば、H&E画像の解析によれば、すべての臓器組織の形態は正常に見えた(データは示さない)。肝臓、心臓、または脾臓では、損傷は検出されなかった。Tween80/エタノール/生理食塩水で処理されたマウスの腎臓および肺の解析(DTXの担体溶液)は、陽性TUNEL染色を上昇させず、DTX処理マウスにおける毒性が、担体溶液ではなく薬物に起因することを示した。LL/2モデル:壊死組織の存在はCellax処理された腫瘍でのみ検出され(
図10A)、陽性TUNEL染色は、対照およびDTX処理された腫瘍では最小限であったが(
図10B)、Cellax処理された腫瘍における陽性染色の増加は、
図10Aにおいて観察された壊死と一致した。H&EおよびTUNELによる他の臓器の解析では、いかなる生理学的異常またはアポトーシスも発見されず、Cellaxは40および170 mg/kgの用量で非毒性であり、C57/BL6マウスの正常組織に対して安全であることを示唆した。
【0106】
Balb/cマウスにおける転移がんモデルでは、症状の発現は、体重変化および行動観察によって読み取られ、AUP内でスタッフ獣医師によって設定されたパラメーターによって決定されている屠殺を伴った。対照マウス(生理食塩水注射)における体重減少の開始は、5日目に観察され、迅速であった(
図11A参照)。DTX処理マウス(40 mg/kg)では、同様に6日目での迅速な体重減少の開始が観察されたが、Cellax群では、体重減少は8日後まで始まらず、Cellax群での体重減少の速度はより穏やかであった。疾患ストレスの更なる兆候には、立毛(対照およびDTX群のすべてのマウス)、ならびに、特に脚の動きにおける不全まひ(parelsis)(対照群の5/10、DTX群の4/10)が含まれた。Cellax処理マウスは、体重減少によって屠殺を余儀なくされる場合であっても、常に立毛または不全まひを示さず、Cellax処理マウスでは、いくつかの癌の特徴(脊髄圧迫など)がないことを示した。対照、DTX、およびCellax群の生存期間中央値は、それぞれ8、9、および15日であった(
図11B)。すなわち、Cellaxでは、DTXと比較して170%、無処理のマウスと比較して187%生存期間が増加した。組織切片の組織学解析は、主要な疾患の負担が肺にあり(
図11C)、心臓、肝臓、脾臓、腎臓、脳、または骨髄には検出可能な腫瘍塊がないことを示した。目視検査によれば、Cellax処理マウスにおける疾患の負担は、対照およびDTXマウスと比較して、より少なかった。
【0107】
EMT-6マウスにおけるPAN02膵臓がんモデルでは、症状の発現は、接種後5日目に明白になり、マウスは、衰弱、活動不足、および体重減少を示す。屠殺および解剖時には、様々な癌の症状:すなわち、腸の拡張、腹腔内壁および腸にある腫瘍小結節、膵臓肥大、肝臓中の肥大して黒ずんだ胆汁小塊、腫れた腹部、ならびに腹水があった。対照マウスが最初に症状を示し、その後、GEM 120 mg/kg処理マウスが続き、
図12に示されるように、一旦症状の発現が検出されると、衰退は急速であった。生理食塩水およびゲムシタビン投与マウスとは異なり、DTXおよびCellaxマウスは、体重減少の兆候または疾患症状を示さなかった。
【0108】
本研究の1つの目的は、自己集合性の炭水化物系の治療用ナノ粒子を開発すること、およびドセタキセルの有効性を増加させ、毒性を減少させることであった。表5に記載されるように、Ringsdorf設計パラメーター
2-3には、ナノ粒子の形成およびPKの向上に必要とされるものが追加された
7、12、28-30。有効なナノ粒子形成特性のために、高分子の疎水性成分および親水性成分は、これらの両親媒性構造が水溶液と接触した際、それらが自然に熱力学上安定なミセルへと会合するように、バランス調整された
52。CMCは、一般に安全と認められ(GRAS)、生体材料
76、医薬製剤
51、および食品
77における広範な使用が見出される。製剤中でのCMCの普遍的存在にもかかわらず、少数のグループしか、CMCを用いたナノ粒子製剤を研究しておらず、大部分の多糖類ナノ粒子は、キトサン、デキストラン、およびヘパリン誘導体によって調製される
52-60、78。
【表5】
【0109】
CMCナトリウムは、反復無水グルコース単位から構成される水溶性ポリマーであり、DMFまたはDMSOなどの有機溶媒には難溶性である
79。最初の合成への取り組みでは、溶剤可溶性CMCを生成するために、カルボン酸上のナトリウム対イオンは、トリエチルアミン(TEA)またはテトラブチルアンモニウム(TBA)
80と交換された。しかし、EDC/NHSの化学的構造を用いたカルボン酸基のDTXおよびPEGエステルへの変換は低く(<10%)、これらの材料を用いて形成された粒子は、サイズが不均一で自己凝集を起こしやすかった。公開された技術では、CMCの溶剤可溶性への関心は、主に化学物質のドメインおよびポリマー被覆物であり、ここでは、CMCと他の樹脂との適合性およびこの物質の分散系形成特性は、化学修飾による溶剤可溶性の調整によって最適化された。例えば、Namikoshi
72は、カルボキシアルキルアセチルセルロースの調製のための化学合成過程を最適化し、その過程では、ナトリウム塩が遊離酸に変換され、ヒドロキシル基は、酢酸溶媒中40〜60℃で、無水酢酸および硫酸触媒の存在下で定量的にアセチル化された。この反応にとって重要なことは、アセチル化反応の前の遊離酸の完全脱水であった。この修飾の後、溶剤可溶性の遊離酸CMC(Ac)は、遊離酸をナトリウム塩に戻すことによって水溶性にすることができた。Allen
81は、ヒドロキシル基のアセチル化のための同様の過程を記載したが、被覆製剤における湿潤特性およびゲル化特性を調節し、イソシアナートまたはメラミンによる架橋部位を提供するために、アセチル化後に硫酸を加え、ポリマーを加熱して、アセチルエステルを部分的に加水分解し、部分的な水溶性を実現した。この特許において特に興味深いことに、発明者らは、各無水グルコース単位におけるその後のカルボキシル酸基のエステル化が、遊離酸であるカルボン酸に強く依存していたことに注目した。これらの報告は、溶解度プロフィールとカルボン酸基の反応性との両方に関して、本研究において確認される。
【0110】
無水グルコース単位あたりの置換度(DS)は、製造業者によって指定されたように、mol無水グルコースあたり0.8 mol酸であり、2.2 molヒドロキシル(その後アセチル基に変換される)を有した。CMC(Ac)分子について、本発明者らは、アセチル基および酸性基の理論的モル数を計算し、それに基づいてコンジュゲート形成スキームを考案することができた。
1H NMR解析は、DS計算の結果を裏付けた。すなわち、プロトンNMRスペクトルの積分によって、無水グルコースプロトンおよびアセチルプロトンの比率は、予測と一致することが見出された。DMF中でEDC/NHS活性化されたCMC(Ac)ポリマーに、(カルボン酸基に対して)様々なmol%のmPEG-OHおよび様々なmol%のDTXを供給したが、
1H NMR解析によれば、これらの反応は、0.9〜5.4% DSのPEGおよび13.4〜26.4% DSのDTXを有するポリマーを生成した。
1H NMR評価および総薬物含量分析(UV)によれば、最終Cellax分子は、22.5〜43.3 wt% DTXおよび3.5〜22.7 wt% PEGを含有する。Cellaxポリマーの多分散性を考慮すると、合成結果の変動が予想され、より多くのバッチを調製するにつれて、DMFおよびアセトニトリル溶媒の純度が、有益な反応結果における重要な要因として同定された。
【0111】
PEG-ポリカプロラクトンなどの合成両親媒性高分子に対して、多数の粒子形成方法が有効である
19-21、82。しかし、明確に定義された安定なCellaxナノ粒子の生成は、より方法依存的であることが判明した。例えば、CellaxをアセトニトリルまたはDMFに溶解し、この溶液を複数回の水の交換に対して透析して溶媒を除去したところ、ポリマーは常に凝集して塊になった。薄膜法は同様に、明確に定義されたナノ粒子の生成に無効であった。MeCNまたはTHF溶液の水媒体中への沈澱(10×希釈)は、MeCN溶液中のCellaxの濃度が10〜25 mg/mLの範囲であるならば、明確に定義されたナノ粒子を形成するための最良の方法であることが判明した。25 mg/mL溶液から形成された粒子は約150 nmのサイズであり、10 mg/mL溶液から形成された粒子はより小さい(100 nm)ことが観察された。その後のすべての研究では、最も小さい明確に定義されたナノ粒子の集団を提供するために、10 mg/mLおよび10×希釈パラメーターが設定された。バッファーまたは水媒体の選択も同様に重要であった。PBS中で調製された粒子は、最初は妥当な大きさであったが、数時間以内に凝集した。0.9%塩化ナトリウム、10%ショ糖、または水中で調製された粒子は安定であり、FBS の50 vol%溶液中に移した際にそれらの大きさを維持した。
【0112】
in vitroまたはin vivoでの分析の前に、Cellaxナノ粒子からのDTXの放出を分析し、血清の存在下でエステル結合の加水分解が起こることを確認した。FBS中でインキュベートした粒子のサンプルを酢酸エチルで抽出し、LC/MS分析によって、DTXおよびDTX異性体である7-エピドセタキセルに相当する、808.8 m/z のES
+ MS値を有する2つのピークを検出した。これらのピークを解析して、総タキサン放出値を作成した
70、83-84。
図4に示されるように、21日間にわたってDTXの放出が持続して完全放出に至り、総タキサン量の半分の活性DTXを有した。このデータを、タキサンコンジュゲートに関する報文の状況にあてはめた。例えば、水溶性カルボキシメチルデキストランコンジュゲートからのPTXの放出は急速であり、完全放出は3〜4日以内に起こる
78。水溶性アルブミンコンジュゲートからのDTXの放出は急速であり、1日で40%の放出が起こる
68。PEGコンジュゲートからのDTXの放出は急速であり、完全放出は6日後である
67。ポリグルタミン酸コンジュゲートからのPTXの放出は比較的遅く、4〜5日で15〜30%の放出を記録した
85-86。水溶性コンジュゲート例についての分子トポグラフィーの詳細な研究がない中で、タキサンを高分子に結合させているエステル結合への加水分解酵素の迅速な接近が、高速の加水分解を行わせると推測される。Cellaxは(Polyglumexと同様に)、分子の長さ方向に沿ってコンジュゲートされた疎水性のタキサン類を有するポリマー鎖で構成される。すなわち、Polyglumexの分子モデリングは、タキサン分子間の相互作用が、疎水性の内部と親水性の外部を有する粒子を形成するポリマー鎖の崩壊を引き起こすことを示唆する
87。Cellaxについては、ポリマーの縮合状態およびPEGによる遮蔽の付加が、効果的に加水分解を制御するようであるが、Polyglumexで報告されているよりも早い速度である。
【0113】
in vitroにおいて、放出されたDTXの活性は、Cellax粒子の存在下でのがん細胞株の生存を追跡することによって測定された。乳がんEMT-6と肺がんLL/2との両方は、報文
88-89と一致して、遊離DTXに対する感受性を示し、Cellaxに曝露された細胞は、DTXがボーラス投与で供給された際、遊離DTXと比較して、有意により大きく生存の抑制を示した。DTXは、チューブリンに結合して細胞複製を妨げ、最終的にアポトーシスおよび細胞死を引き起こす、抗有糸分裂性抗腫瘍薬である
90。最初のDTXへの曝露を生き延びた細胞は、その後のDTX投与がない場合、複製し続けることができる。DTXのIC50用量を2日間にわたって4回に分けた用量で適用した、EMT-6およびLL/2細胞株を用いたメトロノーム投与試験では、CellaxのIC50に匹敵するIC50を示し、細胞株の生存率はより低かった(表3)。遊離DTXと比較して、CellaxポリマーはDTXを持続的に放出し、この持続放出モデルは、この種の薬物にとって好ましい方法でありうる。多数の最近の報告は、バースト放出とは対照的な、持続的DTX曝露の利点を強調している。例えば、De Souzaは、キトサン/ラウリンアルデヒド(laurinaldehyde)/卵ホスファチジルコリン/DTXゲル(DTX-PoLi
gel)からの腹腔内(i.p.)でのDTX放出が、DTXによる間欠的治療と比較して、SKOV3-luc異種移植卵巣腫瘍に対して有意な活性を示すことを報告した
91。前臨床試験および臨床試験では、化学療法薬のより低用量でより頻繁な投与(メトロノーム療法)は、有効性を改善することが観察され、細胞死および抗血管新生作用の増加による効果を有した
92-93。DTXおよびPTXコンジュゲートを用いた他の研究者は、それらの製剤のIC50の向上に注目した。例えば、Esmaeiliらは、アルブミン-DTXがDTXより有効であり、この効果が経内皮輸送の改善に起因することを報告した
68。本研究において、本発明者らは、EMT-6乳がん株およびLL/2肺がん株においてin vitroでのメトロノーム療法の利点を確認し、興味深いことに、CellaxおよびメトロノームDTXのIC50は同等であった。現在の見解では、腫瘍部分に蓄積しているポリマーコンジュゲートは、より多くの薬物を局所的に放出するだけでなく、(ピノサイトーシス、または特異的な受容体を介した相互作用のいずれかによって)確実に細胞内に取り込まれ、薬物の細胞質内での放出の増加を引き起こしうると考えられる
1、47。特定のコンジュゲート(XyotaxおよびHPMAを含む)は、多剤耐性(MDR)およびp-gp経路を回避すると思われ、しばしばMDR制限に直面する小分子療法に勝る利点である
47、94。現在のところ本研究では、Cellaxが効果を改善させる機構は解明されておらず、進行中の研究の焦点である。
【0114】
in vitroアッセイにおいて実証されたように、ナノ粒子担体のPEG-セルロース成分は水溶性であり、マウス乳がんEMT-6および肺がんLL/2細胞株に対して毒性を示さない。更に、Balb/cマウスにおけるMTD試験では、観察可能な体重減少または毒性は、20および40 mg/kgの遊離DTXで処理されたマウスにおいて測定された軽度の毒性と比較して、20および40 mg/kg DTX等量のCellax投与後1週間にわたって測定されなかった(
図5B)。より高い85および170 mg/kg Cellaxの用量では、わずかな毒性が観察され、Cellaxに対する真のMTDは、粒子濃度が15 mg DTX/mL、または50 mg Cellaxポリマー/mL濃度の最大値に達するので、単回投与試験では確定できない。臓器毒性の兆候は、Balb/cおよびC57/BL6マウスではCellaxの40 mg/kg投与で検出され得なかったが(
図8B)、腎臓毒性および肺毒性はDTX療法にとっての問題点であった。170 mg/kg Cellaxの高い用量で、組織学および免疫組織化学解析による臓器異常は検出されなかった(データは示さない)。
【0115】
腫瘍への蓄積を測定するために、SPIONを充填したCellax粒子のMRI解析を行い、これらの粒子の局在推定を確立した。SPIONSは、周辺の横磁化を急速に位相分散する(diphase)局所的な磁化率勾配を生じ、MRI画像において良好なネガティブコントラストをもたらす
41、95。SPIONをマイクロプレート中で調べる予備実験から、T2シグナルの緩和時間は妥当な濃度で感知可能である(>100 ms)ことが知られている(
図3A)。
図3BおよびCにおいて見られるように、注射前の腫瘍組織のT2およびT2
*信号強度は、隣接組織より高い。注射後(
図3Dおよび3E)、Cellax-SPIONSは、多くは腫瘍の表面により近い不連続な領域に蓄積し、腫瘍の2つの結節部分に可視的な境界線を生じた。3日間にわたって、粒子は容易に目視できるままであり、腫瘍体積が拡大し続けたため、粒子分布はより大きな体積に分布するようになったが、元の位置に集中したままであった。
図3Fに見られるように、Cellax-SPIONに対応する低信号(コントラスト)ボクセルの体積率は、24時間でピークに達し、72時間で減少し始める。腫瘍体積は72時間の試験期間にわたって成長し続けたので、現在のところ、低信号の体積率の減少が、SPIONの排出によるものか、または、単に腫瘍体積の増加によるものかは不明である。
【0116】
EMT-6腫瘍のCellaxによる単回投与処理は、対照(p<0.001)およびDTX単独(p<0.05)と比較して、腫瘍増殖の著しい減少をもたらした(
図7A)。非共有結合的にタキサンを充填したミセルと比較して、Cellaxコンジュゲートはよく機能した。例えば、Garrecらは、ポリビニルピロリドン-ポリ乳酸共重合体ミセルにPTXを充填し、0、1、2、7、8および9日目に60 mg/kgを投与して、14日目までにわずかな有意ではない腫瘍体積の減少を達成した。この著者らは、ミセルからのPTXの迅速なクリアランスおよびミセルからのPTXの急速な分配を認識していたことを指摘した
96。タキサンとポリマーとのコンジュゲート形成は、PKおよび有効性を大幅に向上させると思われる。例えば、Liは、polyglumex(Xyotax)について報告し、PKの改善
85および160 mg/kgでの治療によってマウスの卵巣(OCA-1)腫瘍に対する良好な反応を示した
97。80 mg/kgでは、PTX-polyglumexは、PTXと比較して有効性を改善したが、腫瘍を治療しなかった。Xyotaxは、(OCA-1研究と比較して少ないが)SCOV3ip1およびMDA-MB-231異種移植モデル、ならびに同系肝細胞および肉腫モデルにおいて、腫瘍増殖の減少に有効であった
98。DTXおよびCellaxの用量を一致させた濃度(40 mg/kg)で、試験的なCellax有効性研究を行い、Cellaxは、DTX単独に勝る有意な利点を示した。EMT-6腫瘍の組織学解析は、DTXおよびCellaxがアポトーシスを誘導することを示し(
図8A、TUNEL染色)、Li
97によるpolyglumex研究でのアポトーシス解析にやや反して(アポトーシスインデックスは実際、polyglumexにおいてより低かった)、Cellaxは、DTX(p<0.001)または対照(p<O.0001)と比較して有意により多くのアポトーシスを誘導した。Liの研究およびCellax処理された腫瘍の両方で、同様の組織壊死のパターンが見られ、更に、Cellax 処理された腫瘍のCD31(血管新生)インデックスおよびKi67(細胞複製)インデックスは、対照(p<0.0001)およびDTX処理された腫瘍(それぞれp<0.05およびp<0.01)と比較して大幅に低い。LL/2腫瘍のCellaxによる単回投与処理は、EMT-6モデルで見られたものと同程度ではないが、同様に、対照およびDTX処理された腫瘍と比較して有意に腫瘍増殖を減少させた(
図7B)。興味深いことに、DTX処理されたLL/2腫瘍は、アポトーシスの兆候をほとんど示さず(
図9B)、腫瘍増殖は、対照と比較して制限されなかった(
図7B)。本発明者らは、EMT-6乳がん細胞株の分析を転移の研究に拡大して、この特に侵襲性の強い型の腫瘍が、Cellaxによって効果的に治療され得るかどうかを決定した。組織学解析によれば、i.v.注射されたEMT-6細胞は、主として肺に蓄積し(
図11C)、Cellax処理マウス(40 mg/kg)の腫瘍体積は明らかに減少した。
図11Aおよび11Bにおいて見られるように、Cellax処理によって、体重減少は減り、マウスの生存は有意に延長され、そして重要なことに、立毛、後肢まひ、発作、および無気力を含む可視的な痛みまたは苦痛の兆候は、Cellax処理マウスでは検出されなかったが、これらの兆候は、対照およびDTX処理マウスでは、はっきりと見られ、これらの対照およびDTX処理マウスの屠殺が必要となった。対照マウスも同様にこれらの兆候を示したので、身体的な問題は、DTX誘発性の神経障害(ドセタキセルに対する深刻な用量制限副作用)
99に関連する可能性は低く、むしろ、転移がんの拡張作用に起因する
100。ドセタキセルは、腹腔内(i.p.)空間に転移した膵臓がんに対する治療のための臨床試験中であり、従って、本研究はまた、この型の癌に対するCellaxの効果も調べた。PAN02細胞を接種された(処理されていない)マウスは、接種5日後に疾患の兆候を示し(
図12)、急激な衰えを経験した。120 mg/kgゲムシタビンによる処理は、マウスに対する利点の有意な増加をもたらさなかった。反対に、DTXおよびCellax(40 mg/kg)で処理されたマウスは、より長期間兆候を示さず、生存は有意に延長された。
【0117】
要約すると、本発明者らは、この実施例において、疎水性薬物であるドセタキセルおよびPEG単位を含有するカルボキシメチルセルロース系高分子であって、水溶液中で会合して明確に定義されたナノ粒子になるように設計された構造の高分子の合成を報告した。セルロースは、広範な安全性プロフィールを有する、よく知られた生体適合性材料である。Cellax粒子を調製する方法は、0.1 mg/mL のcmc、37 wt%DTX含量、および5 wt%PEGを有する、100 nm規模の粒子を生じるように最適化された。Cellax粒子は、マウスモデルでのドセタキセルのMTDを、遊離DTXについての40 mg/kgと比較して、>170 mg/kgまで増加させ、in vivoにおけるマウス乳がん株および肺がん株に対してDTXよりも有効である。40 mg/kg Cellaxの単回投与処理は、効果的にマウスEMT-6およびLL/2脇腹部腫瘍の増殖を最小限に抑えた。すなわち、免疫組織化学および組織学解析は、Cellax処理された腫瘍におけるアポトーシスの増加、ならびに微小血管形成および細胞複製の減少を示した。更に、Cellaxは、Balb/cマウスでの転移性乳がんモデルに対して特に効果的であり、更なる研究では、Cellaxが生存期間を倍増させ、骨への転移および脊髄圧迫という臨床症状を減少させる機構を調べるつもりである。
【0118】
[実施例3]
カンプトテシン粒子、ドキソルビシン(DOX)粒子、およびパクリタキセル粒子
カンプトテシン-PEG-CMCの合成は、非常に疎水性の高い薬物がCMC-Acとうまくコンジュゲートを形成することができ、そうしなければ不溶性の薬物の送達を可能にすることを明らかにする。DTXに対するよりも、この化合物の特定の化学的性質および溶解性に合わせた、異なる合成および精製計画が使用された。
【0119】
DOXとCMC-Acとのコンジュゲート形成は、合成的には成功であったが、その材料は、ナノ粒子形成に必要とされる自己集合特性を持たず、それは、この薬物送達系の設計における疎水性薬物の必要性を強調している。
【0120】
パクリタキセルおよびドセタキセルは、両方とも一般的に使用される抗がん薬であり、PTXおよびDTXの類似体の調製は、同等の合成および精製過程を有した。
【0121】
[実施例4]
CellaxのPEG5000類似体
粉砕による過剰なPEGの抽出が容易であるため、MW=2000のPEGを使用することが好ましい。しかし、より高い分子量のPEGコンジュゲートは特定のナノ粒子のPKを向上させるかもしれず、従ってPEG5000類似体が合成された。その材料は望ましい自己集合特性を示す。
【0122】
[実施例5]
低分子量のCMC類似体
CMCは様々な分子量の物が入手可能であるが、当業者には明らかであるように、分子量の分析が困難であるため、主に粘性および置換度によって特徴付けられる。CMC(MW 20000)を用いて生成された変形例は、140 nmの粒子を生じた。
【0123】
[実施例6]
Cellax粒子のTEM分析
CellaxのTEM分析が行われた。Zetasizerからの粒度測定データとTEM測定結果は同様である(100〜120 nm)。
【0124】
[実施例7]
Cellax粒子へのCMTの取り込み
CMT(およびSPION)のような疎水性物質の取り込みが実証されている。すなわち、粒径は安定してCellaxと同様であり、高い取り込み効率が観察される。薬物または造影剤の非共有結合的な取り込みは、2つ以上の薬物または造影機能を含有する多機能性粒子を提供する。
【0125】
本発明の好ましい実施形態は本明細書に記載されているが、本発明または添付の特許請求の範囲の趣旨から逸脱することなく、それに加えて変形形態が実施されうることが、当業者によって理解されるであろう。下記の参考文献一覧に含まれる、本明細書において言及されたすべての参考文献は、その全体が参照により組み入れられる。
【0126】
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