【文献】
Qualcomm Incorporated,Overview of eICIC backhaul procedure[online],3GPP TSG-RAN WG3 #70 R3-103414,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_70/Docs/R3-103414.zip>,2010年11月
【文献】
Nokia Siemens Networks,On TDM eICIC Coordination for Macro+Pico Cases[online],3GPP TSG RAN WG3 #69-BIS Meeting R3-102817,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_69bis/Docs/R3-102817.zip>,2010年10月
【文献】
NTT DOCOMO,Performance Evaluation of Non-zero Transmit Power ABS for FeICIC[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #68 R1-120401,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_68/Docs/R1-120401.zip>,2012年 2月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マクロ・セル(120)および1つまたは複数の小セル(125)を含む異種ネットワーク(100)内でalmost blank subframe(ABS)デューティ・サイクルをセットする方法であって、前記1つまたは複数の小セル(125)は、前記マクロ・セル(120)に関して下に敷かれ、前記方法は、
ネットワーク要素(151)で、前記マクロ・セル(120)および前記1つまたは複数の小セル(125)のそれぞれに対応するローディング情報を入手するステップであって、前記ローディング情報は、前記マクロ・セル(120)および前記1つまたは複数の小セル(125)のそれぞれについて、前記セルにアタッチされたユーザごとの前記セルでバッファリングされる情報の量の表示を含む、入手するステップと、
前記入手されたローディング情報に基づいて前記ABSデューティ・サイクルを判定するステップと
を含み、
前記1つまたは複数の小セル(125)のそれぞれについて、前記小セル(125)にアタッチされたユーザは、前記小セル(125)の内側領域(130)または前記小セル(125)の外側領域(127)のうちの1つに関連するものとして指定され、前記1つまたは複数の小セル(125)のそれぞれについて、前記対応するローディング情報は、内側ローディング情報および外側ローディング情報を含み、前記内側ローディング情報は、前記小セル(125)の前記内側領域(130)に関連するものとして指定されたユーザごとのバッファリングされた情報の量の表示を含み、前記外側ローディング情報は、前記小セル(125)の前記外側領域(127)に関連するものとして指定されたユーザごとのバッファリングされた情報の量の表示を含む、方法。
前記マクロ・セル(120)および前記1つまたは複数の小セル(125)の中からの1つまたは複数のセルの基地局(BS)(110A、110B)に向かって前記ネットワーク要素(151)から前記判定されたABSデューティ・サイクルを送信するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ネットワーク要素(151)は、前記マクロ・セル(120)および前記1つまたは複数の小セル(125)の中からのセルのBS(110A、110B)である、請求項2に記載の方法。
マクロ・セル(120)および1つまたは複数の小セル(125)を含む異種ネットワーク内でalmost blank subframe(ABS)デューティ・サイクルをセットするネットワーク装置であって、前記1つまたは複数の小セル(125)は、前記マクロ・セル(120)に関して下に敷かれ、前記装置は、
データを受信するように構成された受信ユニット(154)と、
データを送信するように構成された送信ユニット(152)と、
メモリ・ユニット(156)と、
前記送信ユニット、前記受信ユニット(154)、および前記メモリ・ユニットに結合され、前記ABSデューティ・サイクルを判定することに関連する動作を制御するように構成された処理ユニット(158)であって、前記動作は、
ネットワーク要素(151)で、前記マクロ・セル(120)および前記1つまたは複数の小セル(125)のそれぞれに対応するローディング情報を入手することであって、前記ローディング情報は、前記マクロ・セル(120)および前記1つまたは複数の小セル(125)のそれぞれについて、前記セルにアタッチされたユーザごとの前記セルでバッファリングされる情報の量の表示を含む、入手することと、
前記入手されたローディング情報に基づいて前記ABSデューティ・サイクルを判定することと
を含む、処理ユニット(158)と
を含み、
前記1つまたは複数の小セル(125)のそれぞれについて、前記小セル(125)にアタッチされたユーザは、前記小セル(125)の内側領域(130)または前記小セル(125)の外側領域(127)のうちの1つに関連するものとして指定され、前記1つまたは複数の小セル(125)のそれぞれについて、前記対応するローディング情報は、内側ローディング情報および外側ローディング情報を含み、前記内側ローディング情報は、前記小セル(125)の前記内側領域(130)に関連するものとして指定されたユーザごとのバッファリングされた情報の量の表示を含み、前記外側ローディング情報は、前記小セル(125)の前記外側領域(127)に関連するものとして指定されたユーザごとのバッファリングされた情報の量の表示を含む、ネットワーク装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
さまざまな少なくとも1つの例の実施形態を、これから、いくつかの例の実施形態が示された添付図面を参照してより十分に説明する。
【0020】
詳細な例示的な実施形態を、本明細書で開示する。しかし、本明細書で開示される特定の構造的詳細および機能的詳細は、少なくとも1つの例の実施形態を説明するための、単に代表的なものである。しかし、例の実施形態を多数の代替の形態で実施することができ、本明細書で示される実施形態だけに限定されると解釈してはならない。
【0021】
したがって、例の実施形態は、さまざまな変更および代替形態が可能であるが、その実施形態が、図面に例として示され、本明細書で詳細に説明される。しかし、例の実施形態を開示される特定の形態に限定する意図はなく、逆に、例の実施形態は、例の実施形態の範囲に含まれるすべての修正形態、同等物、および代替形態を包含する。同様の符号は、図面の説明全体を通じて同様の要素を指す。本明細書で使用される時に、用語「および/または」は、関連してリストされる項目のうちの1つまたは複数の任意およびすべての組合せを含む。
【0022】
要素が、別の要素に「接続される」または「結合される」と呼ばれる時に、その要素は、他方の要素に直接に接続されまたは結合されるものとすることができ、あるいは、介在する要素が存在してもよいことを理解されたい。逆に、要素が、別の要素に「直接に接続される」または「直接に結合される」と呼ばれる時には、介在する要素は存在しない。要素の間の関係を記述するのに使用される他の単語は、同様の形で解釈されなければならない(たとえば、「〜の間」対「直接に〜の間」、「隣接する」対「直接に隣接する」など)。
【0023】
本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を説明するためのみのものであって、例の実施形態を限定することは意図されていない。本明細書で使用される時に、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうではないことを明瞭に示さない限り、複数形をも含むことが意図されている。さらに、用語「comprises(含む)」、「comprising」、「includes(含む)」、および/または「including」は、本明細書で使用される時に、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を除外しないことを理解されたい。
【0024】
いくつかの代替の実施態様では、記された機能/行為が図面に記された順序から外れて発生し得ることにも留意されたい。たとえば、含まれる機能性/行為に応じて、連続して示される2つの図面を、実際に実質的に同時に実行することができ、あるいは、時々逆の順序で実行することができる。
【0025】
本明細書で使用される時に、用語ユーザ機器(UE)は、端末、モバイル・ユニット、移動局、モバイル・ユーザ、アクセス端末(AT)、加入者、ユーザ、リモート・ステーション、アクセス端末、受信器などと同義と考えることができ、以下では時々そのように称する場合があり、無線通信ネットワーク内の無線リソースのリモート・ユーザを記述する場合がある。用語基地局(BS)は、無線基地局(BTS)、NodeB、extended Node B(eNB)、アクセス・ポイント(AP)などと同義と考えることができ、かつ/またはそのように称する場合があり、ネットワークと1つまたは複数のユーザとの間のデータおよび/または音声接続性に関する無線ベースバンド機能を提供する機器を記述する場合がある。
【0026】
例の実施形態を、本明細書で、適切なコンピューティング環境内で実施されるものとして議論する。必要ではないが、例の実施形態を、プログラム・モジュールまたは機能プロセスなど、1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサまたはCPUによって実行されるコンピュータ実行可能命令の全般的文脈で説明する。一般に、プログラム・モジュールまたは機能プロセスは、特定のタスクを実行するか特定の抽象データ型を実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。
【0027】
本明細書で議論されるプログラム・モジュールおよび機能プロセスを、既存の通信ネットワーク内の既存のハードウェアを使用して実施することができる。たとえば、本明細書で議論されるプログラム・モジュールおよび機能プロセスを、既存のネットワーク要素または制御ノード(たとえば、
図1に示されたAP)の既存のハードウェアを使用して実施することができる。そのような既存のハードウェアは、1つまたは複数のディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)コンピュータ、または類似物を含むことができる。
【0028】
以下の説明では、そうではないと示されない限り、例示的な実施形態を、1つまたは複数のプロセッサによって実行される行為と動作の記号表現と(たとえば、流れ図の形の)を参照して説明する。したがって、そのような行為および動作は、時々コンピュータ実行されると称するが、構造化された形でデータを表す電気信号のプロセッサによる処理を含むことを理解されたい。この操作は、当業者によって明確に理解され得る形でコンピュータを再構成しまたはその動作を他の形で変更する、コンピュータのメモリ・システム内の位置でのデータの変換または維持を行う。
【0029】
ネットワーク・アーキテクチャの概要
図1Aに、無線通信ネットワーク100の一部を示す。
図1Aを参照すると、無線通信ネットワーク100は、たとえばLTEプロトコルに従うことができる。通信ネットワーク100は、マクロ基地局(BS)110A、小セルBS 110B、マクロ・セル120、小セル125、および第1から第3までのUE 105A〜Cを含む。小セル125は、たとえば、ピコ・セルまたはフェムト・セルとすることができる。さらに、用語小セルは、本明細書で使用される時に、ピコ・セルまたはフェムト・セルと同義と考えられ、かつ/またはそのように称する場合がある。小セル125は、cell range extended区域(CRE)127およびセル内区域130を含む。
【0030】
図1Aに示された例では、第1のUE 105Aは、マクロ・セル120にアタッチされ、第2および第3のUE 105Bおよび105Cは、小セル125にアタッチされる。さらに、第2のUE 105Bは、CRE UEとして指定され、第3のUE 105Cは、セル内UEとして指定される。下でより詳細に議論するように、マクロ・セル120または小セル125のいずれかへのUEのアタッチメントを、バイアス値145によって制御することができる。
【0031】
単純さのために、通信ネットワーク100は、マクロBS 110A、小セルBS 110B、および第1から第3までのUE 105A〜Cだけを有するものとして図示されるが、通信ネットワーク100は、任意の個数のマクロBS、小セルBS、およびUEを有することができる。さらに、マクロBS 110Aおよび小セルBS 110Bを、たとえば1つもしくは複数のmobility management entity(MME)および/または1つもしくは複数のoperations,administration and management(OAM)ノード(図示せず)を含む、通信ネットワーク100に含まれる他のコア・ネットワーク要素に接続することができる。さらに、MMEは、OAMノードを含むことができる。
【0032】
マクロBS 110Aは、たとえば、マクロ・セル120内のUEに無線カバレージを提供するevolved node B(eNB)とすることができる。小セルBS 110Bは、たとえば、マクロBS 110Aに関して下に敷かれるeNBとすることができ、これは、小セルBS 110Bが、マクロ・セル120内のUEにマクロBS 110Aによって提供されるカバレージを増補する小セル125に関連するUEに無線カバレージを提供できることを意味する。マクロ・セル120によって送信され、かつ/または受信されるものとして本明細書で説明されるデータ、制御信号、および他の情報を、マクロBS 110Aによって送信し、かつ/または受信することができる。さらに、マクロ・セル120によって実行されるものとして本明細書で説明される動作を、マクロBS 110Aによって実行することができる。小セル120によって送信され、かつ/または受信されるものとして本明細書で説明されるデータ、制御信号、および他の情報を、小セルBS 110Bによって送信し、かつ/または受信することができる。さらに、小セル125によって実行されるものとして本明細書で説明される動作を、小セルBS 110Bによって実行することができる。
【0033】
一般に、マクロBS 110Aの送信電力は、小セルBS 110Bの送信電力より高いものとすることができる。送信塔115Aおよび115Bは、それぞれマクロBS 110Aおよび小セルBS 110Bの相対送信電力の例を示す。たとえば、送信塔115Aおよび115Bは、それぞれ40Wおよび1Wとすることができる。マクロ受信信号レベル135は、BS−UE距離の関数としての、通信ネットワーク100内のUEによって測定されたマクロ・セル120の受信信号の強度の例を示す。
図1Aに示されているように、一般に、マクロ受信信号レベルの強度は、UEからマクロBS 110Aの位置までの距離が増える時に低下するものとすることができる。小セル受信信号レベル140は、BS−UE距離の関数としての、通信ネットワーク100内のUEによって測定された小セル125の受信信号の強度の例を示す。
図1Aに示されているように、一般に、小セル受信信号レベル140の強度は、UEから小セルBS 110Bの位置までの距離が増える時に低下するものとすることができる。単純さのために、マクロ信号レベル135および小セル信号レベル140は、BSからの距離の増加に伴って減少する強度を有するものとして上で説明され、
図1Aに示されているが、マクロ信号強度および小セル信号強度は、距離に加えて、たとえば、マクロ・セル120および小セル125のカバレージ・エリア内の建物または物理的構造物の形状および高さ、ならびにマクロ・セル120または小セル125のカバレージ・エリアの所与の領域内のUEの個数またはUEトラフィックの量を含む複数の他の要因のいずれによっても影響され得る。
【0034】
バイアス値パラメータおよびalmost blank subframe(ABS)パラメータの説明
マクロ・セル120のカバレージ・エリアと小セル125のカバレージ・エリアとの両方の中にある通信ネットワーク100内のUEは、マクロBS 110Aまたは小セルBS 110Bのうちの1つのいずれかへの無線接続を介して通信ネットワーク100と通信しているものとすることができる。通信ネットワーク100内のUEは、UEによって測定されたマクロ受信信号レベル135をバイアス値の使用を伴ってUEによって測定された小セル受信信号レベルと比較することによって、マクロ・セル120および小セル125のどれに関連すべきかに関する判断を行う。たとえば、現在マクロ・セル120にアタッチしているUE iについて、MR(i)<PR(i)+B(ただし、MR(i)は、UE iで測定されたマクロ信号強度135であり、PR(i)は、UE iで測定された小セル信号強度140であり、Bは、バイアス145である)である場合に、UE iは、マクロ・セル120から小セル125にハンド・オーバされる。UE iのハンドオーバを、既知のプロセスに従って実行することができる。
【0035】
したがって、マクロ・セル120に関連するUEが、マクロ受信信号レベル135が小セル受信信号レベル140とバイアス値145との和より小さいと判定した後に、UEは、既知の方法を使用して、マクロ・セル120から小セル125へのハンドオーバ動作を開始することができる。
図1Aに示されているように、マクロ受信信号レベル135が小セル受信信号レベル140とバイアス値145との和より小さい点は、小セル125の境界を画定する。したがって、バイアス値145は、たとえばハンド・オフ動作を開始するUEの傾向を制御することによって、マクロ・セル120から小セル125にハンド・オーバされるUEの量を制御することができる。
【0036】
マクロ・セル120および小セル125が、関連するUEへのダウンリンク接続を介してデータを送信する時に、マクロ・セル120の送信が、小セル125からデータを受信するUE(たとえば、第2のUE 105Bなど)に関する干渉を引き起こす可能性がある。さらに、小セル125の送信が、マクロ・セル120からデータを受信するUE(たとえば、第1のUE 105Aなど)に関する干渉を引き起こす可能性がある。したがって、無線通信ネットワーク100は、既知の方法に従って、reference signal received power(RSRP)を使用して、小セル125にアタッチされたUEをセル内UEおよびCRE UEに分割することを含む干渉低減方式を実施する。たとえば、現在は小セル125にアタッチされているUE iについて、PR(i)>MR(i)(ただし、MR(i)は、UE iで測定されたマクロ信号強度135であり、PR(i)は、UE iで測定された小セル信号強度140である)である場合に、UE iを、セル内UEとして指定することができる。そうではなく、MR(i)−バイアス<PR(i)<MR(i)である場合には、UE iを、CRE UEとして指定することができる。
【0037】
無線通信ネットワーク100は、たとえば3GPP Release 10標準規格によって定義されるenhanced inter cell interference coordination(eICIC)方式を実施することができる。たとえば、ダウンリンク送信を受信するUEの経験する干渉の量を減らすために、CRE UEとして指定されたUE(たとえば、CRE領域127内の第2のUE 105Bなど)に関する送信を、セル内UEとして指定されたUE(たとえば、セル内区域130内の第3のUE 105Cなど)およびマクロ・セル120にアタッチされたUE(たとえば、マクロ・セル120内で小セル125の外部の第1のUE 105Aなど)に関する送信とは異なる時刻にスケジューリングすることができる。この特徴を、これから
図1Bを参照して下でより詳細に議論する。
【0038】
図1Bは、マクロ・セル120および小セル125の送信スケジュールの間の例の関係を示す図である。
図1Bを参照すると、第1のグラフ170は、マクロ・セル120に関して経時的に送信されるサブフレームを示し、第2のグラフ175は、小セル125に関して経時的に送信されるサブフレームを示す。第1のグラフ170によって示されるように、マクロ・セル120は、almost blank subframe(ABS)として指定されるものを除くすべてのフレームでダウンリンク・データを送信することができる。第2のグラフ175によって示されるように、小セル125は、ABSフレームとして指定されるものを除くすべてのフレームで、セル内UEとして指定されるUEにデータを送信することができる。したがって、小セル125は、マクロ・セル120と同一のスケジュールに従って、セル内UEとして指定されるUEにデータを送信することができる。さらに、第2のグラフ175によって示されるように、小セル125は、ABSサブフレームとしてマクロ・セル120によって指定されたサブフレームに、小セル境界UEとして指定されたUEにデータを送信することができる。
図1Bに示された例では、第1のグラフ170および第2のグラフ175に示された送信スケジュールのABSパターンは、3つおきのサブフレームがABSサブフレームとして指定されるように構成される。したがって、
図1Bに示されたABSパターンでは、非ABSサブフレームとABSサブフレームとの間に2:1の比率がある。
【0039】
少なくとも1つの例の実施形態によれば、無線ネットワーク100内で、ABSパターンを、無線ネットワーク100内のBSによって判定し、そのBSによって無線ネットワーク100内の他のBSに通信することができる。たとえば、マクロBS 110Aが、マクロBS 110A内に格納された情報および小セルBS 110Bから受信された情報に基づいて、マクロ・セル120内のダウンリンク送信に関するABSパターンをセットすることができる。マクロBS 110Aは、その後、セットされたABSパターンを小セルBS 110Bに通信することができ、したがって、小セルBS 110Bは、セットされたABSパターンに基づいて、小セル125内のダウンリンク送信をスケジューリングすることができる。代替案では、小セルBS 110Bは、小セルBS 110B内に格納された情報およびマクロBS 110Aから受信された情報に基づいて、小セル125内のダウンリンク送信に関するABSパターンをセットすることができる。小セルBS 110Bは、その後、セットされたABSパターンをマクロBS 110Aに通信することができ、したがって、マクロBS 110Aは、セットされたABSパターンに基づいて、マクロ・セル120内のダウンリンク送信をスケジューリングすることができる。無線ネットワーク100内の1つまたは複数のBSがそれによってABSパターンを判定できる方法を、下で
図2を参照してより詳細に議論する。
【0040】
図1Aに示された例では、ABSパターンが、非ABSサブフレームとABSサブフレームとの間の2:1の比率を含むが、これは、例にすぎず、ABSパターンは、たとえば4:3、3:2、3:1、4:1などを含む、非ABSサブフレームとABSサブフレームとの間の任意の比率を含むことができる。したがって、(ABSサブフレーム数)*100/(ABSサブフレーム数+非ABSサブフレーム数)と定義される、対応するABSデューティ・サイクルは、任意の値を有することができる。
【0041】
最初のHetNet展開では、適合がないか、セル関連付けバイアスおよびABSデューティ・サイクルの非常に遅い(数時間または数日程度の)適合があるかのいずれかである。現場から先験的に収集されたラジオ周波数カバレージ・マップおよび時空間トラフィック密度プロファイルを使用して、半静的な形でセル・バイアスおよびABSデューティ・サイクルをセットして、容量目標および公平さ(ユーザ経験の格差の低減)目標を満足することができる。
【0042】
ABSデューティ・サイクルをセットする方法を、これから、下でより詳細に議論する。
【0043】
ABSデューティ・サイクルのセット
次に、ABS適合の文脈で、トラフィック特性に関するある単純化する仮定を行う第1の適合アルゴリズムを、これから説明する。
【0044】
具体的に言うと、トラフィックは、バースト的ではない、すなわち、常にネットワーク内にユーザのために存在すると仮定される。この仮定は、フル・バッファ仮定と呼ばれ、ユーザに送信すべきデータを含む基地局バッファが常に満杯(フル)であるという事実を指す。以下で使用される時に、用語ユーザは、用語アクティブ・ユーザと同義であると考えることができ、アクティブ・ユーザは、ユーザがアタッチされるBSに空ではないデータ・バッファを有するユーザである。
【0045】
さらに、(1)異なるトラフィック・ストリームに関連する待ち時間制約はなく、(2)基地局スケジューラが、ユーザのそれぞれに配送されるスループットにおけるある公平さの維持に従属して、システム内のユーザへのデータの「ベスト・エフォート」配送だけを行うと仮定する。
【0046】
上記仮定の文脈で開発できる2つのユーティリティ・メトリック(utility metric)が、それぞれ容量(スループット)および公平さ(平衡化されたユーザ・スループット)を最大にすることを試みる、和レート(sum−rate)ユーティリティ・メトリックおよび積レート(product−rate)ユーティリティ・メトリックである。両方の場合に(後で提示される新しい定式化において)、仮定は、CREユーザだけが、マクロ・セルでのABSサブフレームの発生中に小セルでスケジューリングされる(他のユーザはされない)ことである。
【0047】
j個の組み込まれた小セルを有するマクロ・セルMを有するネットワークについて、我々は、和レート・ユーティリティを
【数3】
と表すことができ、ここで、θは、ABSデューティ・サイクルであり、
【数4】
、
【数5】
、および
【数6】
は、それぞれ、マクロにアタッチされた第iユーザの平均データ・レート、第j小セルの第i CREユーザの平均データ・レート、および第j小セルの第iセル内(inc)領域ユーザの平均データ・レートである。
【0048】
積レート・ユーティリティは、
【数7】
と表すことができる。
【0049】
上の式(2)に基づいて、和ユーティリティは、θにおいて線形であり、ABSデューティ・サイクル範囲の両端の一方すなわちθの最大許容値または最小許容値で最大化される。
【0050】
積ユーティリティは、
【数8】
で最大化されることが示されており、ここで、
【数9】
および
【数10】
は、それぞれCRE領域およびセル内区域内で第j小セルにアタッチされるユーザの数であり、k
Mは、マクロ・セルにアタッチされるユーザの数である。
【0051】
言い替えると、上の式(1)〜(3)に基づいて、最適ABSデューティ・サイクルは、CRE領域内の分数ユーザ人口(分数CRE人口とも称する)を追跡する。ユーザが、CRE領域、セル内区域、およびマクロ・セルに出入りして移動する時に、(i)公平さを高めるか最大化するすなわち、個々のユーザ・スループットのアンバランスが、減らされるか最小化されることを保証し(積ユーティリティを介して)、または(ii)スループットを高めるか最大化する(和ユーティリティを介して)ために、それに従ってABSデューティ・サイクルを適合させることが望ましい。
【0052】
式(1)〜(3)に関して上で説明した方法に従ってABSデューティ比をセットすること、および上で説明した方法が作る最適動作点に関する問題は、ユーザに関連する満杯ではないバッファまたはバースト的/間歇的トラフィック・モデルがある時に、セルへのユーザの移動が、必ずしも、送信すべきトラフィックがあることを暗示しないことである。さらに、ユーティリティは、当該のユーザに送信する必要があるデータの量も、このデータに関連する優先順位(QoS)も考慮に入れない。たとえば、非常に小さいトラフィック・ペイロードを受信する多数のユーザの、CRE領域への移動を検討されたい。上記ユーティリティは、そのようなユーザと、たとえば大きいペイロードを受信する他のユーザとの間で区別を行わない。したがって、この場合に、ユーティリティは、必要より大きいABSデューティ・サイクルを推定し、マクロ・セルにアタッチされたユーザからサービスを奪う。
【0053】
したがって、ネットワークからユーザに送信されるデータの存在および量を考慮に入れ、これに応答するABSデューティサイクル選択アルゴリズムを定式化することが望ましい可能性がある。
【0054】
ABSデューティ・サイクルを適応的にセットすることによってリソース割振りを改善する方法および装置の概要
HetNet内に含まれるさまざまなネットワーク・ノード、たとえばマクロBSおよび小セルBSは、マクロBSおよび小セルBSのユーザのためのものであるデータを格納するバッファを含む。これらのバッファは、BSにアタッチされたユーザごとに保持されつつあるビットの総数に関する情報を提供することができる。このデータに関する情報またはデータに関するデータは、メタデータと呼ばれる。したがって、BSは、実際のユーザ・データおよびメタデータへのアクセスを有する。
【0055】
少なくとも1つの例の実施形態によれば、HetNetのBSのバッファ内に格納されたユーザ・データおよびメタデータを使用して、システム内の全ユーザ宛のデータを配送するのに要する時間を改善しまたは最適化する適応ABSデューティサイクル・セッティング・アルゴリズムを実施することができる。少なくとも1つの例の実施形態によれば、適応ABSデューティサイクル・セッティング・アルゴリズムを実施するHetNet内で使用されるバイアス値を、任意の既知の方法に従って計算することができる。
【0056】
ABSデューティ・サイクルを適応的にセットすることによってリソース割振りを改善する方法および装置を、これから、
図1Cおよび2に関して下でより詳細に議論する。
【0057】
図1Cは、ネットワーク要素151の例の構造を示す図である。少なくとも1つの例の実施形態によれば、小セルBS 110BとマクロBS 110Aとの一方または両方が、下で説明されるネットワーク要素151の構造および動作を有することができる。さらに、ネットワーク要素151は、BS 110BおよびマクロBS 110A以外のネットワーク・ノードを表すことができ、このネットワーク・ノードは、無線通信ネットワーク100内の1つまたは複数のBSと通信している。
図1Cを参照すると、ネットワーク要素151は、たとえば、データ・バス159、送信ユニット152、受信ユニット154、メモリ・ユニット156、および処理ユニット158を含むことができる。
【0058】
送信ユニット152、受信ユニット154、メモリ・ユニット156、および処理ユニット158は、データ・バス159を使用して、お互いにデータを送り、かつ/またはお互いからデータを受け取ることができる。送信ユニット152は、無線通信ネットワーク100内の他のネットワーク要素への1つまたは複数の無線接続を介して、たとえばデータ信号、制御信号、および信号強度/品質情報を含む無線信号を送信するハードウェアおよび任意の必要なソフトウェアを含むデバイスである。たとえば、制御信号は、たとえば、ネットワーク要素151によって提供される値をABSデューティサイクルにセットするように無線ネットワーク100内のBSに指示する制御信号を含むことができる。
【0059】
受信ユニット154は、通信ネットワーク100内の他のネットワーク要素への1つまたは複数の無線接続を介して、たとえばデータ信号、制御信号、および信号強度/品質情報を含む無線信号を受信するハードウェアおよび任意の必要なソフトウェアを含むデバイスである。
【0060】
メモリ・ユニット156は、磁気ストレージ、フラッシュ・ストレージなどを含む、データを格納できる任意のデバイスとすることができる。
【0061】
処理ユニット158は、たとえば、入力データに基づいて特定の動作を実行するか、コンピュータ可読コードに含まれる命令を実行ために構成されたマイクロプロセッサを含む、データを処理することのできる任意のデバイスとすることができる。
【0062】
たとえば、処理ユニット158は、LTEマクロ・セルBSまたは小セルBSの動作を実施することができる。さらに、処理ユニット158は、たとえば、マクロ・セル120、CRE領域127、およびセル内区域130のそれぞれにアタッチされたユーザの数、ならびに無線ネットワーク100のBSにアタッチされたユーザのそれぞれのBSのそれぞれでバッファリングされるデータの量の表現を含む、無線ネットワーク100内のBSからの情報に基づいてABSデューティ・サイクルを判定するために、適応ABSデューティサイクル・セッティング・アルゴリズムを実施することができる。少なくとも1つの例の実施形態によれば、通信ネットワーク100内の任意のまたはすべてのネットワーク・ノードが、ネットワーク要素151の構造および動作を含むことができる。
【0063】
例の実施形態による適応ABSデューティサイクル・セッティング・アルゴリズムを、これから、下でより詳細に議論する。
【0064】
適応ABSデューティサイクル・セッティング・アルゴリズムの説明
上で式(1)〜(3)に関して議論したものと同一の表記を使用して、我々は、第iユーザについて、第iユーザのペイロードを第iユーザに配送するのに要する時間T
iを、
【数11】
と定義し、ここで、B
iは、第iユーザのためのものであるeNBにあるデータの量であり、R
iは、ユーザが自身の位置、無線チャネル、およびサービングeNBに関する無線干渉条件に基づいてサポートできる平均データ転送レートである。
【0065】
ユーティリティ・メトリックに基づいて配送時間を構成し、
U=ΠT
i (5a)
または
U=ΣT
i (5b)
または
【数12】
のいずれかを最小にすることを試みることができ、ここで、式(5a)、(5b)、および(5c)によって表されるユーティリティUは、それぞれ、ユーザへの転送時間の算術平均、幾何平均、および調和平均に対応する。少なくとも1つの例の実施形態によれば、上記ユーティリティの組合せを使用することもできる。
【0066】
ユーティリティの選択
特定のユーティリティの選択の影響への洞察を得るために、我々は、スケジューリング戦略の分野からの例示に取り組む。
【0067】
10単位の情報が、2つのユーザXおよびYのためにノードに存在する。単位が、個々の単位ごとに交互に宛先受信器に転送され、各転送が1単位の時間を要する場合に、ユーザXは、すべての情報を19単位の時間で転送し、ユーザYは、すべての情報を20単位の時間で転送する。その一方で、ユーザXが、ユーザYが情報転送を開始する前にすべての情報を転送する場合には、ユーザXの転送時間は、10単位の時間であり、ユーザYの転送時間は、20単位の時間である。
【0068】
2つの転送に要する総時間は、第1のケースでは39秒、第2のケースでは30秒である。したがって、第2のデータ転送戦略は、情報を配送するのに要する総時間を総計で最小にし、上の第2のユーティリティ・メトリックに対応する。この戦略の1つのマイナス面は、ユーザXに対してユーザYのデータに課せられる遅延である。
【0069】
我々の目的の選択に戻って、我々は、ネットワーク(マクロeNBおよび小セルeNB)内のバッファに存在する全ユーザの総計としてのデータを配送する総時間を最小にすることとして目的を選択する。そのような選択は、ネットワーク・ワイドでバッファをすばやくフラッシュするのを助けることによって、ネットワークが効率的に利用されることを保証する。個々のユーザのワースト・ケース配送時間とベスト・ケース配送時間との間のアンバランスを矯正するために、我々は、ユーザおよび集計eNBワイドの配送時間に対する重み付け係数の使用ならびに各eNB内のユーザのプールに対して動作するフェアネスターゲティング・スケジューラ(fairness−targeting scheduler)の使用を可能にする。
【0070】
ABSデューティ・サイクルθの閉じた式
現在バッファ内にあるビットを、これらの領域のうちの任意の1つの中にあるユーザiに配送するのに要する時間を、それぞれ
【数13】
によって表すことができる。式(6a)、(6b)、および(6c)は、それぞれ小セルjのCRE領域内のユーザi、小セルjのセル内領域内のユーザi、およびマクロ・セルM内のユーザiに関する時間T
iを表す。
【0071】
したがって、最小時間ユーティリティを、次のように、これらのスケジューリング・プールのそれぞれで要する時間の和として書くことができる。
【数14】
ただし、Jは、すべての小セルjの集合である。したがって、式(7)は、1)各小セルjのCRE領域内のすべてのユーザi、2)各小セルjのセル内領域内のすべてのユーザi、およびマクロ・セルM内のすべてのユーザiの時間T
iの和をとる。式(7)を、単純化し、微分して、最適のθの閉じた式を作ることができ、我々は、これを、簡潔な表現のために縦続接続形式で書く。まず、上の式(7)を、
【数15】
と書き直し、ここで、A
creは、
【数16】
であり、A
incは、
【数17】
であり、A
Mは、
【数18】
である。
【0072】
上の式(9)で表されるユーティリティを最小にするθの値を、これをθに関して微分することと、
【数19】
とセットすることによって得ることができる。単純化は、下の式(10)に示されているθにつながる。
【数20】
【0073】
上で式(10)に関して議論した最小化は、下の式(11)に示されたユーティリティの二次導関数の式と、式(11)が必ず0より大きいという事実とによって確かめることができる。
【数21】
【0074】
式(8)〜(11)に関して上で説明したユーティリティの挙動に関するある直観を得るために、下の式(12)では、マクロ・セルMとすべての小セルjのCRE領域およびセル内領域とのそれぞれのすべてのユーザについて等しいバッファおよび等しいレートがあると仮定される場合について、上の式(9)で表されるユーティリティを最小にするθ
opt_fbの値が特殊化される。
【数22】
【0075】
下の式(13)では、すべてのユーザについて等しいバッファおよび等しいレートがあると仮定される場合の単一の小セルに関して、上の式(9)で表されるユーティリティを最小にするθ
opt_fb_scの値が特殊化される。
【数23】
【0076】
式(13)は、1つの小セルがあり、すべてのユーザが等しいレートおよび等しいバッファを有する場合の、少なくとも1つの例の実施形態による適応ABSデューティサイクル・セッティング・アルゴリズムによって計算されるABSデューティ・サイクルを表す。式(13)は、式(3)に関して上で議論したものより大きいABSデューティ・サイクルを作る。式(3)によって作られるABSデューティ・サイクルに関して、上の式(13)によって表されるアルゴリズムは、マクロ・セルに接続されたユーザに損害を与えながら、CRE領域内の小セル・ユーザにより多くのリソースを割り振ることができる。しかし、ホット・スポットが小セル内に配置される時にそうなるように、マクロ・ユーザの数が、総ユーザ人口のより小さい分数になる時、または小セルの数が増える時に、そのようなABSの悪影響が減り、小セル展開の目的の1つである公正さの利益を実現することができる。
【0077】
適応ストリームと共に使用されるリソース割振りを改善する例の方法
図2は、ABSデューティ・サイクルを適応的にセットすることによってリソース割振りを改善する方法を示す流れ図である。
【0078】
少なくとも1つの例の実施形態によれば、BSによって実行されるものとして
図2に示されまたは
図2を参照して説明される動作のそれぞれを、たとえば、
図1Cに示されたネットワーク要素151の構造を有する、1つまたは複数のBSまたは非BS要素によって実行することができる。たとえば、メモリ・ユニット156は、
図2を参照して下で説明する動作のそれぞれに対応する実行可能命令を格納することができる。さらに、処理ユニット158を、
図2に関して下で説明する動作のそれぞれを実行するように構成することができる。さらに、少なくとも1つの例の実施形態によれば、送信されるデータおよび/または制御信号を、送信ユニット152を介して送信することができ、受信されたデータおよび/または制御信号を、受信ユニット154を介して受信することができる。
【0079】
図2に示された方法を、ネットワーク要素151が
図1Aに示されたマクロBS 110Aによって実施される例と共に、
図1に示された無線ネットワーク100を参照して下で議論する。しかし、少なくとも1つの例の実施形態によれば、ネットワーク要素151を、たとえば、無線ネットワーク100内の1つまたは複数のBSと通信しているマクロBS小セルBS、または非BSノードを含む無線ネットワーク100内の任意のノードによって実施することができる。
【0080】
図2を参照すると、ステップS205では、サービス区域内の複数のセルのそれぞれに対応するBSが、それぞれ、現在のローディング情報を周期的に収集し、ローディング情報をネットワーク要素151に送信する。
【0081】
本明細書で使用される時に、サービス区域は、たとえば、マクロ・セルおよびマクロ・セルに関して下に敷かれる各小セルによってカバーされる区域を含むことができる。
【0082】
一例として、ネットワーク要素151が、マクロBS 110Aによって実施される場合に、マクロBS 110Aは、マクロ・セル120のローディング情報を周期的に収集することができ、マクロ・セル120に関して下に敷かれる無線ネットワーク100内の小セルのそれぞれのBSは、小セルに対応するローディング情報を周期的に収集し、ローディング情報をマクロ・セル 110Aに送信することができる。
【0083】
その代わりに、ネットワーク要素151が、マクロBS 110A以外のノードによって実施される場合には、マクロBS 110Aおよびマクロ・セル120に関して下に敷かれる小セルのBSのそれぞれは、収集されたローディング情報をネットワーク要素151に周期的に送信することができる。
【0084】
セルによって収集された自然ローディング情報を、下でより詳細に議論する。
【0085】
マクロ・セル120に関して、ローディング特性情報は、マクロ・セル120内のアクティブ・ユーザごとのデータ受信レートおよびバッファ・サイズを示す情報ならびにマクロ・セル120にアタッチされたアクティブ・ユーザの総数を含むことができる。アクティブ・ユーザは、たとえば、空ではないデータ・バッファを有するユーザである。本明細書で使用される時に、バッファ・サイズは、対応するユーザのためにデータ・バッファ内に格納されたデータの量を指す。小セル125に関して、ローディング特性情報は、小セルBS 110BからマクロBS 110Aに送信される、CRE領域127とセル内区域130との両方の情報を含むことができる。たとえば、CRE領域127に関して、ローディング特性情報は、CRE領域127内のアクティブ・ユーザごとのデータ受信レートおよびバッファ・サイズを示すデータならびにCRE領域127内のアクティブ・ユーザの総数を含むことができ、セル内領域130に関して、ローディング特性情報は、セル内領域130内のアクティブ・ユーザごとのデータ受信レートおよびバッファ・サイズを示すデータならびにセル内領域130内のアクティブ・ユーザの総数を含むことができる。
【0086】
たとえば、上で議論した式(8)〜(10)に基づいて、マクロBS 110Aは、マクロ・セル120内のユーザごとのレートおよびバッファ・サイズならびに、既知の方法に従ってマクロBS 110Aに格納された情報を監視することに基づくアタッチされたユーザの総数を収集することができる。その後、マクロBS 110Aは、マクロ・セル120のローディング特性値として、下の式(14)によって表される値を入手することができ、
【数24】
ここで、L
Mは、マクロ・セルMのローディング特性値である。マクロ・セルMは、現在の例ではマクロ・セル120である。
【0087】
さらに、小セルBS 110Bは、CRE領域127およびセル内領域130内のユーザごとのデータ・レートおよびバッファ・サイズ、ならびに、既知の方法に従って小セルBS 110Bで格納された情報を監視することに基づくCRE領域127およびセル内領域130にアタッチされたユーザの総数を収集することができる。
【0088】
その後、小セルBS 110Bは、CRE領域127およびセル内領域130のローディング特性値として、それぞれ次の式(15)および(16)によって表される値を判定することができる。
【数25】
ただし、
【数26】
および
【数27】
は、小セルjのCRE領域およびセル内領域のローディング特性値であり、jは、現在の例では小セル125である。その後、小セルBS 110Bは、たとえば小セルBS 110Bからマクロ・セル 110Aに送信されるメッセージを介して、マクロ・セル 110Aに値
【数28】
および
【数29】
を送信することができる。ローディング特性を担持するメッセージを、たとえばX2インターフェースを含む既知のインターフェースを介して送信することができる。
【0089】
ステップ205は、上で、ステップS205でネットワーク要素151に送信されるローディング情報を、式(14)〜(16)に関して上で説明した値L
M、
【数30】
、および
【数31】
の形で無線ネットワーク100内のセルから入手されたローディング特性値とすることができる例に関して説明される。代替案では、ステップS205で収集され、ネットワーク要素151に送信されるローディング情報を、マクロ・セルと小セルのそれぞれのCRE領域およびセル内領域のそれぞれとについて、セルのユーザごとのデータ・レート、セルのユーザごとのバッファ・サイズ、およびセルにアタッチされたユーザの総数に関する情報とすることができる。
【0090】
ステップS210では、ネットワーク要素151は、サービス区域の複数のセルのそれぞれのBSからローディング情報を周期的に入手する。
【0091】
たとえば、マクロBS 110Aは、たとえば小セル125を含む、無線ネットワーク100内のマクロ・セル120に関して下に敷かれる小セルjごとのローディング特性値
【数32】
および
【数33】
を周期的に受信することができる。マクロ・セル 110Aは、たとえばX2インターフェースを含む既知のインターフェースを介してローディング特性値を受信することができる。
【0092】
さらに、ネットワーク要素がマクロBS 110A以外のノードによって実施される場合には、ネットワーク要素151は、ローディング特性値
【数34】
および
【数35】
を受信することに加えて、マクロBS 110Aからローディング特性値L
Mを周期的に受信することができる。
【0093】
ステップ210は、上で、ステップS205でネットワーク要素151によって入手されるローディング情報を、式(14)〜(16)に関して上で説明した値L
M、
【数36】
、および
【数37】
の形で無線ネットワーク100内のセルから入手されるローディング特性値とすることができる例に関して説明される。代替案では、ステップS210でネットワーク要素151によって入手されるローディング情報を、マクロ・セルと小セルのそれぞれのCRE領域およびセル内領域のそれぞれに関する、セルのユーザごとのデータ・レート、セルのユーザごとのバッファ・サイズ、およびセルにアタッチされたユーザの総数に関する情報とすることができ、ネットワーク要素151は、この情報を使用して、たとえば、ネットワーク要素151で値L
M、
【数38】
、および
【数39】
のすべてまたはいずれかを計算することができる。
【0094】
ステップS220では、ネットワーク要素151は、ステップS210で入手されたローディング特性情報に基づいて、ABSデューティ・サイクルを判定する。
【0095】
たとえば、マクロBS 110Aは、ステップS210でマクロ・セル120、小セル125のCRE領域127、および小セル125のセル内領域130について入手されたローディング特性情報を使用して、マクロ・セル120とたとえば小セル125を含むマクロ・セル120に関して下に敷かれるすべての小セルとによる使用のためにABSデューティ・サイクルθを計算することができる。少なくとも1つの例の実施形態によれば、マクロ・セル 110Aは、上で議論した式(10)を使用してABSデューティ・サイクルθを計算することができる。
【0096】
式(10)は、値A
M、A
inc、およびA
creを必要とし、これらのそれぞれを、マクロBS 110Aが、ステップS210で入手された情報に基づいて計算することができる。
【0097】
たとえば、値A
Mを、マクロ・セル120に関して入手される値L
Mに基づいて判定することができる。値A
creを、たとえば小セル125を含むマクロ・セル120に関して下に敷かれる各小セルjに関して入手されまたは計算される値
【数40】
の和をとることによって判定することができる。値A
incを、たとえば小セル125を含むマクロ・セル120に関して下に敷かれる各小セルjに関して入手されまたは計算される値
【数41】
の和をとることによって判定することができる。
【0098】
ステップS230では、ネットワーク要素151が、判定されたABSデューティ・サイクルを無線ネットワーク100内のセルに通信する。少なくとも1つの例の実施形態によれば、ステップS220でABSデューティ・サイクルθを計算した後に、マクロ・セル 110Aは、たとえば、マクロBS 110Aからたとえば小セルBS 110Bを含むマクロ・セル120に関して下に敷かれる小セルのそれぞれに関連するBSに送信されるメッセージを介して、小セル125を含むマクロ・セル120に関して下に敷かれる各小セルにABSデューティ・サイクルθを送信する。
【0099】
少なくとも1つの例の実施形態によれば、ネットワーク要素151が、非BS要素によって実施される場合に、ネットワーク要素151は、たとえば、計算されたABS値θをマクロ・セル120に送信することができる。さらに、ネットワーク要素151は、小セル125を含むマクロ・セル120に関して下に敷かれるすべての小セルに、計算されたABS値θを付加的に送信することができる。
【0100】
ステップS240では、各マクロ・セルで、ABSデューティ・サイクルに従ってサブフレームをブランクにし、各小セルで、ユーザを、そのようにブランクにされたサブフレームに従って(ABSサブフレーム中にCREユーザ、残りのサブフレーム中にセル内ユーザ)スケジューリングする。
【0101】
たとえば、マクロBS 110Aおよびマクロ・セル120に関して下に敷かれるすべての小セルのBSは、マクロBS 110Aが新しいABSデューティ・サイクルを判定し、新しいABSデューティ・サイクルを各BSに送信するまで、ステップS220でマクロBS 110Aによって判定されたABSデューティ・サイクルを使用することができる。マクロBS 110Aは、判定されたABSデューティ比率に従ってサブフレームをブランクにすることができ、マクロBS 110Aに関して下に敷かれる小セルBSは、ABSサブフレーム中にCREユーザをスケジューリングし、残りのサブフレーム中にセル内ユーザをスケジューリングすることができる。
【0102】
ステップS205〜S240を、連続的に実行することができ、したがって、マクロ・セル120およびマクロ・セル120に関して下に敷かれるすべてのセルについて使用されるABS値は、マクロ・セル120、CRE領域127、およびセル内領域130のそれぞれ内のユーザのそれぞれによって経験される現在のバッファ・サイズおよびデータ受信レートに対応してリアル・タイムで更新される。
【0103】
図2に示された方法は、1つまたは複数の下に敷かれた小セルを有する1つのマクロ・セル120がある例に関して説明されるが、
図2に示された方法を、それぞれが1つまたは複数の下に敷かれた小セルを有する複数のマクロ・セルのクラスタに適用することもできる。上で
図2および式(10)に関して議論したABS選択プロセスが、マクロ・セルおよびマクロ・セル内に組み込まれた小セルのクラスタに対して実行される場合には、少なくとも1つの例の実施形態に従って、単一のABSデューティ・サイクルおよびパターンを、マクロのクラスタ全体にわたって使用することができる。また、小セルのそれぞれは、それに従ってセル内ユーザおよびCREユーザをスケジューリングする。
【0104】
複数のBSでのABSデューティ・サイクルの判定
図2は、上で、ネットワーク要素151を、たとえば、たとえばBSまたは非BS要素を含む中央ネットワーク・ノードによって実施できる例に関して説明される。しかし、少なくとも1つの例の実施形態によれば、無線ネットワーク100内の複数のまたはすべてのBSが、それぞれネットワーク要素151を実施することができる。
【0105】
たとえば、
図2をもう一度参照すると、ステップS205で、マクロBS 110Aおよびマクロ・セル120に関して下に敷かれるすべての小セルのBSを含むすべてのBSが、ローディング情報を収集し、ローディング情報を他のすべてのBSに送信することができる。
【0106】
よって、ステップS210では、マクロBS 110Aが、マクロ・セル120に関して下に敷かれたすべての小セルのローディング情報を受信する。さらに、マクロ・セル120に関して下に敷かれた小セルに対応する各小セルBSは、すべての他の小セルおよびマクロ・セル120に対応するローディング情報を受信する。
【0107】
この形で、ステップS220に、マクロBS 110Aおよびマクロ・セル120に関して下に敷かれたすべての小セルのBSのそれぞれは、今や、ABSデューティ・サイクルθを判定するために個別に式(10)を使用するのに必要な情報を有する。よって、ABSデューティ・サイクルθを送信するステップS230は、もはや不要であり、各BSは、ステップS220からステップS240に直接に進むことができ、ステップS240では、新しいABS値が判定されるまで、ステップS220で判定されたABSデューティ・サイクルが各BSによって使用される。
【0108】
一例として、各BSは、現在受信されているローディング情報に基づいて式(10)の出力を周期的に判定し、判定された出力をABSデューティ・サイクルとして使用することができる。すべてのBSが、ABSデューティ・サイクルを計算するためにサービス区域内のすべてのBSにわたるローディング情報の同一のセットの使用を奨励することによって、異なるBSで計算されるABSデューティ・サイクルの間の均一性を保証するのを助けるために、ABSデューティ・サイクル値更新を同時にスケジューリングすることができる。
【0109】
上で
図2に関して議論した適応ABSセッティング・アルゴリズムを使用することによって、判定されるABS値は、HetNet内のさまざまな領域にアタッチされたユーザの数だけではなく、ユーザのそれぞれに関連するバッファ・サイズおよびデータ受信レートをも考慮に入れ、したがって、トラフィックがバースト的である時および/または一部のアタッチされたユーザが送信すべきデータをほとんどもしくは全く有しない時であっても、ネットワーク・リソースの公平な割振りを促進する。
【0110】
例の実施形態をこのように説明したので、諸実施形態を多数の形で変更できることは明白である。そのような変形形態を、例の実施形態からの逸脱とみなしてはならず、そのような変更のすべてが、例の実施形態の範囲に含まれることが意図されたい。