(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5918448
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】計時器用バレル
(51)【国際特許分類】
G04B 1/14 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
G04B1/14
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-532475(P2015-532475)
(86)(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公表番号】特表2015-529339(P2015-529339A)
(43)【公表日】2015年10月5日
(86)【国際出願番号】EP2013071918
(87)【国際公開番号】WO2014095123
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年3月24日
(31)【優先権主張番号】12197745.8
(32)【優先日】2012年12月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ケラン,ローラン・
(72)【発明者】
【氏名】ケヴァル,アルテュール
(72)【発明者】
【氏名】ヴォテロ,マルタン
【審査官】
櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第00996499(US,A)
【文献】
特開昭52−051973(JP,A)
【文献】
特開平09−013136(JP,A)
【文献】
米国特許第00804728(US,A)
【文献】
実公昭44−6779(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/14
1/16
1/18
1/20
1/22
3/06
3/08
5/24
7/00
11/00
13/02
31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート(9)とバー(5)の間で回転可能に組み立てられた計時器用バレル(1)であって、
回転するドラム(6)とカバー(8)の間で収容された少なくとも1つのばね(7)を有し、このばね(7)は、外側端における前記ドラム(6)及び内側端におけるアーバー(3)の間でフックされており、
このアーバー(3)は、回転軸(D)を中心にラチェット(2)と一体的に回転し、
当該バレル(1)は、前記回転軸(D)と共軸である一体的なサブアセンブリー(10)を有し、
この一体的なサブアセンブリー(10)は、前記アーバー(3)と、及び前記ドラム(6)の軸方向の振動を制限するカラー(17)が設けられたボス(4)とを有し、
前記カラー(17)は、前記ラチェット(2)の回転を駆動する回転駆動手段(42)を支えており、
前記ラチェット(2)は、前記回転軸(D)の方向において軸方向に自由度を有し、
前記ドラム(6)の振動は、前記ドラム(6)の上側面(61)によって前記一体的なサブアセンブリー(10)の下側で当接するように制限され、
この上側面(61)は、前記一体的なサブアセンブリー(10)の下側で肩部(12)によって制限され、
前記ラチェット(2)の振動は、前記ラチェット(2)の上側面(21)によって前記バー(5)の下側で当接するように制限され、
この上側面(21)は、前記バー(5)又は前記バー(5)が備えるジュエル(52)の下側面(53)又はねじ山(54)によって制限され、
前記ラチェット(2)の振動は、前記ラチェット(2)の下側面(22)によって前記ドラム(6)の上側で当接するように制限され、
この下側面(22)は、前記ドラム(6)の上側面(61)によって制限され、
前記カバー(8)の振動は、前記カバー(8)の下側面(82)によって前記プレート(9)の上側で当接するように制限され、
この下側面(82)は、前記プレート(9)又は前記プレートが備えるジュエル(91)の上側面(93)によって制限され、
前記ばね(7)は、コバルトを44〜46%、ニッケルを20〜22%、クロムを17〜19%、鉄を4〜6%、タングステンを3〜5%、モリブデンを3〜5%、チタンを0〜2%、ベリリウムを0〜1%を含有し、ヤング率は200〜240GPaであり、剪断弾性率は80〜100GPaであるような多相のコバルト−ニッケル−クロム系合金で作られ、
前記ばね(7)は、厚みに対する幅の比が3〜23であり、
前記ばね(7)の厚みに対する前記アーバー(3)のばねのベアリング肩部(31)の最大半径の比は、3〜9である
ことを特徴とするバレル(1)。
【請求項2】
前記一体的なサブアセンブリー(10)は、前記バー(5)又は前記バー(5)が備えるジュエル(52)のボア(51)において上側肩部(13)に接するように回転し、
前記バー(5)又は前記ジュエル(52)の下側面(53)によって移動が制限されている上側肩部(11)を有し、
前記ラチェット(2)は、前記一体的なサブアセンブリー(10)の前記ボス(4)における前記上側肩部(11)と下側肩部(12)の間に有し、
前記下側肩部(12)は、前記ドラム(6)の上側面(61)の移動を制限し、
前記ドラム(6)は、前記ドラム(6)に設けられたボア(62)内で前記ボス(4)の円筒状の肩部(41)にて回転する
ことを特徴とする請求項1に記載のバレル(1)。
【請求項3】
前記下側肩部(12)は、前記カラー(17)の下側当接面(16)によって形成される
ことを特徴とする請求項2に記載のバレル(1)。
【請求項4】
前記カラー(17)は、前記ラチェット(2)から前記ドラム(6)を分離し、
前記ラチェット(2)の下側面(22)に当接する上側当接面(15)を有し、
前記カラーは、前記下側当接面(16)とは反対側であって前記上側当接面(15)を越えた位置にて、前記回転駆動手段(42)を支えている
ことを特徴とする請求項3に記載のバレル(1)。
【請求項5】
前記アーバー(3)は、前記ボス(4)の前記円筒状の肩部(41)の直径よりも小さな直径を有する肩部(31)を有し、
前記肩部(31)上又は前記肩部(31)の周辺で前記アーバー(3)が備えるフック(32)上にて前記ばね(7)を支え、前記肩部(31)では、前記ばね(7)が摩擦又は溶接によって位置を定められており、
前記肩部(31)は、前記プレート(9)又は前記プレート(9)が備えるジュエル(92)のボア(91)において回転する
ことを特徴とする請求項2に記載のバレル(1)。
【請求項6】
前記ドラム(6)は、前記ドラム(6)と一体的に回転する前記カバー(8)を支え、
前記カバー(8)のボア(81)は、前記アーバー(3)の肩部(31)と連係し、
前記カバー(8)の下側面(82)の移動は、前記プレート(9)又は前記プレート(9)が収容するジュエル(93)の上側面(93)によって制限され、
前記プレート(9)又は前記ジュエル(92)のボア(91)は、前記アーバー(3)の前記肩部(31)に対する回転軸として機能する
ことを特徴とする請求項1に記載のバレル(1)。
【請求項7】
請求項1に記載のバレル(1)、少なくとも1つのプレート(9)、及びバー(5)を有する
ことを特徴とする計時器用ムーブメント(100)。
【請求項8】
前記バー(5)は、可能な限り小さな接触面で、前記ラチェット(2)の前記上側面(21)と当接するように連係するように意図された少なくとも1つのねじ山(54)を有する
ことを特徴とする請求項7に記載のムーブメント(100)。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のムーブメント(100)を有する
ことを特徴とする腕時計(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレートとバーの間で回転可能に組み立てられた計時器用バレルに関し、回転するドラムとカバーの間で収容された少なくとも1つのばねを有し、このばねは、外側端における前記ドラム及び内側端におけるアーバーの間でフックされており、このアーバーは、回転軸を中心にラチェットと回転可能なように一体的となっており、当該バレルは、前記回転軸と共軸である一体的なサブアセンブリーを有し、この一体的なサブアセンブリーは、前記アーバーと、及び前記ドラムの軸方向の振動を制限するカラーが設けられたボスとを有し、前記カラーは、前記ラチェットの回転を駆動する回転駆動手段を支えており、前記ラチェットは、前記回転軸の方向において軸方向に自由度を有し、前記ドラムの振動は、前記ドラムの上側面によって前記一体的なサブアセンブリーの下側で当接するように制限され、この上側面は、前記一体的なサブアセンブリーの下側で肩部によって制限され、前記ラチェットの振動は、前記ラチェットの上側面によって前記バーの下側で当接するように制限され、この上側面は、前記バー又は前記バーが備えるジュエルの下側面又はねじ山によって制限され、前記ラチェットの振動は、前記ラチェットの下側面によって前記ドラムの上側で当接するように制限され、この下側面は、前記ドラムの上側面によって制限され、前記カバーの振動は、前記カバーの下側面によって前記プレートの上側で当接するように制限され、この下側面は、前記プレート又は前記プレートが備えるジュエルの上側面によって制限される。
【0002】
本発明は、さらに、少なくとも1つのプレート、バー及びこの種のバレルを有する計時器用ムーブメントに関する。
【0003】
本発明は、さらに、この種のムーブメントを有する腕時計に関する。
【0004】
本発明は、計時器用機構の分野に関し、特に、メインばねバレル、ストライキングバレル又は同様の種類のエネルギー貯蔵機構に関する。
【背景技術】
【0005】
概して円筒状にあるアーバーによって又はより堅固なボスによって形成されたコアに内側端において固定されたメインばねの巻数を増やすことによって、貯蔵パワーを増やすために、1つの手法は、バレルアーバー及び関連付けられたボスの直径を減らして、ドラムの内部のばねが利用可能なスペースを増やすことを伴う。
【0006】
ばねの厚みに対するコア半径の比は、通常、10〜20であり、本発明は、この比を10未満、好ましくは5〜10の範囲内に減らすことを提案するものである。
【0007】
コアの直径が小さすぎる場合に破損のリスクがあるので大きさを注意深く決める必要がある。
【0008】
従来のバレルのアーキテクチャーにおいて、ラチェットは、バレルのアーバー又はコアに対して正方形を介して軸方向にマウントされ、これにおいて、ラチェットは、通常軸方向のねじによって固定される。このようにして、このねじ及び正方形の寸法構成が、ピボットの肩部の最小径を定める。このピボットの肩部に接合するステップ部分は、ジュエル又は同様の要素を支えているバー又はプレートに対してアーバー又はコアの軸方向の振動を制限する。
【0009】
具体的には、材料の断面は耐疲労性が確実になるのには不十分であるから、寸法のすべてを単に小さくすることでは十分ではない。
【0010】
このように、課題は、ラチェットドライブが剛性を有するようにして、可能な限り大きな貯蔵パワーが可能になるように、可能な限り小さな直径を使用できるように調和させることである。
【0011】
JOHNSON名義の米国特許出願US804728Aは、アーバーがねじ付きハブを支えるバレルについて記載しており、次にこのハブがメインばねを支えている。このように、ばねの内側から保持するためには2つの部品が必要である。ドラムバレルは、アーバーと単一な部品ではないジュエルによってガイドされている。バレルバーの反対側には巻き戻し用ラチェットが配置されている。ラチェットを駆動する正方形を支える部分は、カラーによって形成されているのではなく、ドラムの反対側においてバーを越えて突き出るアーバーの端によって形成されている。
【0012】
BEAULIEU WATCH CO名義のスイス特許出願CH83330Aは、カバーを備えないバレルについて記載しており、これは、アーバーにねじ込まれるコアを有する。ドラムは、アーバーの肩部とコアの間でアーバーに緩く嵌められる。ここでもまた、ばねの内側からの保持のために、2つの部品が必要である。
【0013】
BRAC AG名義のスイス特許出願CH295135 Aは、プレートがラチェットのための支持筋を有するようなバレルについて記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、部品の数を少なく維持し、機械加工コストを許容範囲に維持し、好ましくは、既知のバレルよりも経済的なコストで、特にラチェットについては、高いレベルの剛性を確保することによって、大きな貯蔵パワーのために考えられた既知のバレルの設計を改善することを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明は、プレートとバーの間で回転可能に組み立てられた計時器用バレルであって、回転するドラムとカバーの間で収容された少なくとも1つのばねを有し、このばねは、外側端における前記ドラム及び内側端におけるアーバーの間でフックされており、このアーバーは、回転軸を中心にラチェットと一体的に回転し、当該バレルは、前記回転軸と共軸である一体的なサブアセンブリーを有し、この一体的なサブアセンブリーは、前記アーバーと、及び前記ドラムの軸方向の振動を制限するカラーが設けられたボスとを有し、前記カラーは、前記ラチェットの回転を駆動する回転駆動手段を支えており、前記ラチェットは、前記回転軸の方向において軸方向に自由度を有し、前記ドラムの振動は、前記ドラムの上側面によって前記一体的なサブアセンブリーの下側で当接するように制限され、この上側面は、前記一体的なサブアセンブリーの下側で肩部によって制限され、前記ラチェットの振動は、前記ラチェットの上側面によって前記バーの下側で当接するように制限され、この上側面は、前記バー又は前記バーが備えるジュエルの下側面又はねじ山によって制限され、前記ラチェットの振動は、前記ラチェットの下側面によって前記ドラムの上側で当接するように制限され、この下側面は、前記ドラムの上側面によって制限され、前記カバーの振動は、前記カバーの下側面によって前記プレートの上側で当接するように制限され、この下側面は、前記プレート又は前記プレートが備えるジュエルの上側面によって制限され、前記ばねは、コバルトを44〜46%、ニッケルを20〜22%、クロムを17〜19%、鉄を4〜6%、タングステンを3〜5%、モリブデンを3〜5%、チタンを0〜2%、ベリリウムを0〜1%を含有し、ヤング率は200〜240GPaであり、剪断弾性率は80〜100GPaであるような多相のコバルト−ニッケル−クロム系合金で作られ、前記ばねは、厚みに対する幅の比が3〜23であり、前記ばねの厚みに対する前記アーバーのばねのベアリング肩部の最大半径の比は、3〜9である。
【0016】
本発明の特徴の1つによると、前記一体的なサブアセンブリーは、前記バー又は前記バーが備えるジュエルのボアにおいて上側肩部に接するように回転し、前記バー又は前記ジュエルの下側面によって移動が制限されている上側肩部を有し、前記ラチェットは、前記一体的なサブアセンブリーの前記ボスにおける前記上側肩部と下側肩部の間に有し、前記下側肩部は、前記ドラムの上側面の移動を制限し、前記ドラムは、前記ドラムに設けられたボア内で前記ボスの円筒状の肩部にて回転する。
【0017】
本発明の特徴の1つによると、前記下側肩部は、前記カラーの下側当接面によって形成される。
【0018】
第1の変種における本発明の特徴の1つによると、前記カラーは、前記ラチェットから前記ドラムを分離し、前記ラチェットの下側面に当接する上側当接面を有し、前記カラーは、前記下側当接面とは反対側であって前記上側当接面を越えた位置にて、前記回転駆動手段を支えている。また、本発明は、この種のバレル、少なくとも1つのプレート、及びバーを有する。
【0019】
また、本発明は、この種のムーブメントを有する腕時計に関する。
【0020】
添付図面を参照して下の詳細な説明を読むことで、本発明の他の特徴及び利点を理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1の変種によるバレルの回転軸を通る概略断面図を示す。
【
図2】本発明の第2の変種によるバレルの回転軸を通る概略断面図を示す。
【
図3】ムーブメントを有する計時器の概略ブロック図であって、このムーブメントは、本発明に係るバレルを有する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、計時器用機構の分野に関し、特にメインばねバレル、ストライキングバレル又は同様の種類のエネルギー貯蔵機構に関する。
【0023】
このようにして、本発明は、プレート9とバー5の間のピボットアセンブリーのための計時器用バレル1に関し、これは、少なくとも1つのばね7を有する。このばね7は、ピボットドラム6とカバー8の間に収容され、外側端におけるドラム6と、内側端におけるアーバー3との間でフックされ、アーバー3は、回転軸Dを中心にラチェット2と一体的に回転するようにマウントされている。
【0024】
本発明によると、バレル1は、アーバー3と共軸の一体的なサブアセンブリー10を有し、これは、アーバー3と、ドラム6の軸方向の振動を制限するカラー17を備えるボス4とを有する。このカラー17は、いくつかの平坦な部分やいくつかの正方形のような回転駆動手段42を支えており、これは、相補駆動手段23に接してラチェット2の回転を駆動する。このラチェット2は、回転軸Dの方向において軸方向に自由度を有する。
【0025】
この一体的なサブアセンブリー10は、バー5又はバー5が備えるジュエル52のボア51において上側肩部13に接するように回転し、上側肩部11を有し、この一体的なサブアセンブリー10の移動は、バー5又はジュエル52の下側面53によって制限されている。ラチェット2は、一体的なサブアセンブリー10におけるボス4上の上側肩部11と下側肩部12の間に設けられる。この下側肩部12は、ドラム6の上側面61の移動を制限する。ボア62内にボス4の円筒状の肩部41があり、これに対してドラム6が回転する。
図1の第1の変種において、この下側肩部12は、カラー17の下側当接面16によって形成される。この同じ変種において、カラー17は、ラチェット2からドラム6を離し、ラチェット2の下側面22を支える上側当接面15を有する。このカラー17は、バー5の側に、下側支持面16とは反対側であって上側支持面15を越えた位置において回転駆動手段42を支えている。
【0026】
アーバー3は、好ましくは、円筒状の肩部31を有し、これは、好ましくは、ボス4の円筒状の肩部41よりも小さな直径を有する。アーバー3は、ばね7を支えている。これは、ばね7が摩擦又は溶接によって位置を定めている肩部31上において、あるいはこのような肩部31のまわりでアーバー3が備えるフック32上においてである。アーバー3は、プレート9又はプレート9が備えるジュエル92のボア91において回転可能にマウントされている。好ましい実施形態において、肩部31は、ボア91又はジュエル92における回転面を形成するように延在する。
【0027】
ドラム6は、カバー8を支えており、これは、好ましくは(必須ではない)、ドラム6と一体的に回転し、カバー8のボア81がアーバー3の肩部31と連係している。カバー8の下側面82の移動は、プレート9又はプレート9が収容するジュエル92の上側面93によって制限され、これにおいて、プレート9又はジュエル92のボア91がアーバー3の肩部31に対して回転軸として機能する。
【0028】
ドラム6の振動は、ドラム6の上側面61によって、上側で当接するようにラチェット2に対して制限されている。この上側面61は、一体的なサブアセンブリー10の下側肩部12によって制限されている。
【0029】
ドラム2の振動は、一体的なサブアセンブリー10の上側面11によって、上側で当接するようにバー5に対して制限されていて、この上側面11は、バー5又はバー5が備えるジュエル52の下側面53によって制限されている。
【0030】
カバー8の振動は、カバー8の下側面82によって、プレート9の上側で当接するように制限されていて、この下側面82は、プレート9又はプレート9が備えるジュエル91の上側面93によって制限されている。
【0031】
メインばねは、以下のような様々な材料で作ることができる。すなわち、炭素鋼、ステンレス鋼、「Nivaflex(登録商標)」、ケイ素、DLC、石英、ガラスなどである。特定のアプリケーションにおいて、ばね7は、コバルトを44〜46%、ニッケルを20〜22%、クロムを17〜19%、鉄を4〜6%、タングステンを3〜5%、モリブデンを3〜5%、チタンを0〜2%、ベリリウムを0〜1%が有し、ヤング率が200〜240GPa、剪断弾性率が80〜100GPaであるような多相のコバルト−ニッケル−クロム系合金で作られている。このばね7は、好ましくは、厚みに対する幅の比が3〜23であり、より具体的には9〜21である。
【0032】
また、回転軸Dを中心にする、例えば、4C27A硬化性鋼(様々な規格に応じて、1.4197、ASTM 420F又はDIN X22 CrMoNiS 13 1とも呼ばれる)である鋼又はステンレス鋼で作られたアーバー3の肩部31の最大半径は(フック32のいずれの付加厚みをも考慮に入れない)、ばね7の最大厚みの9倍未満である。具体的には、図示した実施形態によって、ばね7の厚みに対するアーバー3の肩部31の最大半径の比が3〜9であり、好ましくは、4〜6であり、より好ましくは、約5であるものを得ることができる。
【0033】
図1及び2は、2つの好ましい変種(これに限定されない)を示しており、それらをそれぞれ以下に詳細に説明する。
【0034】
図1の第1の変種:
ドラム6の振動は、ドラム6の上側面61によって、一体的なサブアセンブリー10の下側で当接するように制限されていおり、この上側面61は、一体的なサブアセンブリー10の下側面12によって制限されている。
【0035】
ラチェット2の振動は、ドラム2の上側面21によって、バー5の下側で当接するように制限されており、この上側面21は、バー5が備えるジュエル52又はバー5の下側面53又はねじ山54によって制限されている。
【0036】
ラチェット2の振動は、ラチェット2の下側面22によって、一体的なサブアセンブリー10の上側で当接するように制限されており、この下側面22は、一体的なサブアセンブリー10のカラー17の上側当接面15によって制限されている。
【0037】
カバー8の振動は、カバー8の下側面82によってプレート9の上側で当接するように制限されており、この下側面82は、プレート9が備えるジュエル91又はプレート9の上側面93によって制限される。
【0038】
図2の第2の変種:
ドラム6の振動は、ドラム6の上側面61によって、一体的なサブアセンブリー10の下側で当接するように制限されており、この上側面61は、一体的なサブアセンブリー10の下側面12によって制限される。
【0039】
ラチェット2の振動は、ドラム2の上側面21によって、バー5の下側で当接するように制限され、この上側面21は、バー5又はバー5が備えるジュエル52の下側面53又はねじ山54によって制限される。
【0040】
ラチェット2の振動は、ドラム6の上側面61によって制限されるラチェット2の下側面22によってドラム6の上側で当接するように制限される。
【0041】
カバー8の振動は、カバー8の下側面82によってプレート9の上側で当接するように制限され、この下側面82は、プレート9又はプレート9が備えるジュエル91の上側面93によって制限される
【0042】
まとめると、
図1の第1の変種は、ラチェットが軸方向に自由であり、アーバー上のカラーが組み立てを促進するので、有利である。この構造の利点は、コアの直径に対する制限がないということである。
【0043】
図2の第2の変種は、さらに、軸方向に自由なラチェットを有し、ドラムは二重に制限される。コアの直径は、典型的には正方形などである駆動手段42の寸法構成によって制限される。
【0044】
本発明は、さらに、少なくとも1つのプレート9、バー5及びこの種のバレル1を有する計時器用ムーブメント100に関する。好ましいことに、バー5は、少なくとも1つのねじ山54を有し、これは、ラチェット2の上側面21と、可能な限り小さな接触表面を有するように、当接して連係するように意図されている。
【0045】
本発明は、さらに、この種のムーブメント100を有する腕時計200に関する。