(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5918452
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】筒状電極を有するディーゼルエンジンの予熱プラグ
(51)【国際特許分類】
F23Q 7/00 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
F23Q7/00 605M
F23Q7/00 V
F23Q7/00 605B
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-544504(P2015-544504)
(86)(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公表番号】特表2015-535588(P2015-535588A)
(43)【公表日】2015年12月14日
(86)【国際出願番号】EP2013075412
(87)【国際公開番号】WO2014086792
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2015年5月27日
(31)【優先権主張番号】1261593
(32)【優先日】2012年12月4日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】クフィナール,ジャン・マーク
【審査官】
黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】
特開平9−42671(JP,A)
【文献】
特開2003−130349(JP,A)
【文献】
実開昭57−46261(JP,U)
【文献】
実開昭58−71568(JP,U)
【文献】
実開平2−20293(JP,U)
【文献】
特開2005−207721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23Q 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 一端(11)がセラミックグローロッド(2)で終わり、他端(12)が接続片(3)を持つ金属筒状体(1)と、
− 加熱カートリッジ(22)のセラミック内に組み込まれる加熱導体を収容する前記グローロッド(2)と、
− 絶縁されて前記筒状体(1)を貫通し、かつ前記加熱カートリッジ(22)と、前記筒状体(1)の端部内にそれ自体が絶縁されて保持される前記接続片(3)とを電気的に連結する電極(5)とを含む予熱プラグであって、
− 前記電極(5)が、円形断面の内径(D1)の筒形状の少なくとも1つの端部(51)を有し、
− 前記カートリッジ(22)の後端(27)には、前記カートリッジ(22)の加熱導体に連結された少なくとも1つの接触ボス「+」(43)を備えた、卵形の絶縁ヘッド(42)を持つネック(41)が続き、
− 前記プラグの軸(xx)に垂直な前記ヘッド(42)の最大断面が、前記内径(D1)よりも大きい長軸(D2)及び前記内径(D1)よりも小さい短軸(D3)を持つ、ほぼ楕円形を有し、このほぼ楕円断面の周が、円形断面の前記筒状端部(51)の内周(Π*D1)よりも小さく、
− 前記接触ボス「+」(43)が、この最大楕円断面の長軸(D2)の頂点(S1、S2)の少なくとも一方に位置することを特徴とする、予熱プラグ。
【請求項2】
前記ネック(41)及び前記ヘッド(42)によって構成される接続装置(4)が、前記セラミックカートリッジ(22)の後端(27)の延長線上に、かつ前記カートリッジと同じ材料で一体的に製作され、前記接触ボス(43)は、前記ヘッド(42)及び前記ネック(41)を介して、前記カートリッジ(22)の加熱導体への電気接続によって連結されることを特徴とする、請求項1に記載の予熱プラグ。
【請求項3】
前記ヘッド(42)が、卵形のほぼ楕円の最大断面の各頂点(S1、S2)に接触ボス(43)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の予熱プラグ。
【請求項4】
前記電極(5)の第2端部が、前記接続片(3)の棒(34)を受けるための挟持具の形状の連結装置(6)を構成する筒形状(54)を有することを特徴とする、請求項1に記載の予熱プラグ。
【請求項5】
挟持具の形状の前記連結装置(6)が、狭窄部(61)を有することを特徴とする、請求項4に記載の予熱プラグ。
【請求項6】
挟持具の形状の前記連結装置(6)が、舌片(62)から構成されることを特徴とする、請求項4に記載の予熱プラグ。
【請求項7】
前記金属筒状体(1)の後端(15)は、内面(62)が前記接続片(3)のスリーブ(31)を受ける、絶縁スリーブ(7)の外面(71)を受ける皿穴(17)を含み、この後端(15)が、前記絶縁スリーブ(7)を固定化するリップ(18)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の予熱プラグ。
【請求項8】
− カートリッジ(22)の加熱導体に連結された接触ボス(43)を組み込み、カートリッジ(22)の端部(27)にネック(41)によって連結されたヘッド(42)から構成される接続装置(4)により加熱カートリッジ(22)を製作し、
− 前記加熱カートリッジ(22)を金属エンベロープ(21)に組み立て、次に筒状電極(5)の前端(51)を前記ヘッド(42)に、端部(41)を圧縮し、前記ヘッド(42)を係合させて連結し、次に前記ヘッド(42)を最終的に締め付けるように圧縮を緩め、この組立が、前記加熱カートリッジ(22)を金属エンベロープ(21)内に設置する前にも行うことができ、
− 次に溶接部(16)によって厚い受け台(24)に前端(11)を溶接して筒状体(1)を設置し、
− 続いて、筒状端部の皿穴(17)内に端部スリーブ(7)を圧入して設置し、
− 次に接続片(3)のスリーブ(31)を前記端部スリーブ(7)内に、かつ同時に棒(34)を前記電極(5)の後端(54)の連結装置(6)内に圧入して係合させ、
− 次にリップ(18)を絶縁スリーブ(7)に対して下ろすことからなることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の予熱プラグの製法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
− 一端がセラミックグローロッドで終わり、他端が接続片を持つ金属筒状体と、
− 加熱カートリッジのセラミック内に組み込まれる加熱導体を収容するグローロッドと、
− 絶縁されて筒状体を貫通し、かつ加熱カートリッジと、筒状体の端部内にそれ自体が絶縁されて保持される接続片とを電気的に連結する電極とを含むディーゼルエンジンの予熱プラグに関する。
【背景技術】
【0002】
上記に定義したタイプの予熱プラグには、複数の製品が存在する。
【0003】
既知の実施態様によれば、予熱プラグは、一端がグローロッドを構成し、かつ他端が接続片を備える金属筒状体から構成される。この端部の近傍に、金属体は、熱機関のシリンダヘッド内にねじ留めされるための外部ねじ溝と、他端に、グローロッドを燃焼室内にこのようにして位置決めするための円錐体とを含む。
【0004】
内部で、プラグは、筒状体を貫通する金属棒の形状の中央電極を含む。この棒は、接続片に一端が連結され、かつねじ切りされた他端が、らせん状に巻き付けられた電気接続ワイヤの端部にねじ留めによって連結される。電気接続ワイヤは、鑞付けによってセラミックと一体化する。この鑞付けは、加熱セラミック内に組み込まれた金属フィラメントの一端による電気供給も確実に行う。金属フィラメントの他端は、接地電気帰路のために第2の鑞付けによってグローロッドへの金属保護管に連結される。構成部品のアセンブリは、保護管内に締め固めされた絶縁粉末によって定位置に維持される。電気接点及び定位置の維持は、ねじ留めされた部分、即ちらせん状の巻線及び中央電極のねじ切り部分の周りでの、この管アセンブリ/絶縁粉末の締め固めによって得られる。中央電極自体は、締め固めされた絶縁粉末及びシール材により保護管内に絶縁状態に保たれる。
【0005】
この既知の予熱プラグは、比較的多数の構成部品によって製作され、かつ絶縁粉末の締め固めによる複雑な組み立てを必要とする短所を有し、それ故最終的に、セラミックグローロッドを有する予熱プラグは、高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、予熱プラグの構造及び製作を簡略化し、その製造費用を削減して、プラグが受ける強烈な温度変化の影響下での膨張及び収縮応力、又は振動及び衝撃に有効に抵抗できるようにする簡単な設計のセラミックグローロッドを有する予熱プラグを製作することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明は、上記に定義したタイプの予熱プラグであって、
− 電極が、円形断面の内径の、筒形状の少なくとも1つの端部を有し、
− カートリッジの後端には、カートリッジの加熱導体に連結された接触ボスを備えた、卵形の絶縁ヘッドを持つネックが続き、
− プラグの軸に垂直なヘッドの最大断面が、内径よりも大きい長軸及び内径よりも小さい短軸を持つ、ほぼ楕円形を有し、このほぼ楕円断面の周が、円形断面の筒状端部の内周よりも小さく、
− 接触ボスが、この最大楕円断面の長軸の頂点の少なくとも一方に位置することを特徴とする予熱プラグを対象とする。
【0008】
加熱カートリッジ及び電極の前端の間のこの組立は、予熱プラグの働きによって生み出される物理的パラメータの変化、及び環境の発展(温度変化、振動、衝撃)がいかなるものであれ、これら2つの要素の電気接触の有効性及び永続性を保証する。
【0009】
加熱カートリッジ端部に電極端部を設置することは、非常に素早く行われ、かつ材料供給のような異質要素を介在させない、極めて簡単な作業である。
【0010】
ヘッド断面のほぼ楕円形の長軸及び短軸、並びに電極の筒状端部の内径の大きさの選択によって実現される接触の堅固性は、電気接触の有効性及び耐久性、並びにその働きの有効性を保証し、エネルギーのあらゆる無駄な消費を回避する。
【0011】
もう一つの好適な特徴によれば、ネック及びヘッドによって構成される接続装置は、セラミックカートリッジの後端の延長線上に、かつカートリッジと同じ材料で一体的に製作され、接触ボスは、ヘッド及びネックを介して、カートリッジの加熱導体への電気接続によって連結される。
【0012】
この加熱カートリッジと一体的に接続装置を製作することは、電極の筒状前端内で接続装置によって実現される接続の信頼性を保証しながら、製造及び組立を同時に容易にする。
【0013】
もう一つの好適な特徴によれば、ヘッドは、卵形のほぼ楕円の最大断面の各頂点に接触ボスを含む。この接触ボスを二重にすることは、加熱導体に供給する電流通過の信頼性及び有効性を更に保証する。
【0014】
もう一つの好適な特徴によれば、電極の第2端部は、接続片の棒を受けるための挟持具の形状の連結装置を構成する筒形状を有する。
【0015】
筒状体の設置後に、電極の後端でこの手段によって実現される接続は、組立を容易にし、かつ簡易にする。
【0016】
もう一つの好適な特徴によれば、挟持具の形状の連結装置は、狭窄部を有する。連結装置のこの形状は、電極の後端内への接続片の棒の導入を簡易にする。
【0017】
特に好適には、挟持具の形状の連結装置は、舌片から構成される。この実施形状は、電気接触の有効性及び永続性を保証しながら、組立を更に簡易にする。
【0018】
最後に、もう一つの好適な特徴によれば、金属筒状体の後端は、内面が接続片のスリーブを受ける、絶縁スリーブの外面を受ける皿穴を含む。予熱プラグの後端へのこの連結は、プラグの絶縁及び気密性を同時に保証する。
【0019】
もう一つの特徴によれば、本発明は、
− カートリッジの加熱導体に連結された接触ボスを組み込み、カートリッジの端部にネックによって連結されたヘッドから構成される接続装置により加熱カートリッジを製作し、
− 加熱カートリッジを金属エンベロープに組み立て、次に筒状電極の前端をヘッドに、端部を圧縮し、ヘッドを係合させて連結し、次にヘッドを最終的に締め付けるようにその圧縮を緩め、
− 次に溶接部によって厚い受け台に前端を溶接して筒状体を設置し、
− 続いて、筒状端部の皿穴内に端部スリーブを圧入して設置し、次に接続片のスリーブを端部スリーブ内に、かつ同時に棒を電極の後端の連結装置内に圧入して係合させ、
− 筒状体のリップの嵌め込みによって端部スリーブを固定化することからなる以上に定義した予熱プラグの製法も対象にする。
【0020】
この製法は、少なくとも部分的に、さもなければ全体的に筒形状である、電極の非常に簡易な構造のために特に簡易である。
【0021】
本発明は、添付図面に概略的に表されたディーゼルエンジンの予熱プラグの実施例を用いて以下で更に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】予熱プラグの主要な要素の軸方向断面図である。
【
図3】加熱カートリッジの接続装置及び電極の筒状前端の間の連結の拡大した軸方向断面図である。
【
図4A】軸方向に垂直に、最大断面を通過する平面による、接続装置のヘッドの横断面図である。
【
図4B】電極の円形断面の筒状端部の断面図である。
【
図5A】加熱カートリッジのヘッド及びヘッド設置のために圧縮された電極の筒状前端のレベルでの断面図である。
【
図5B】加熱カートリッジのヘッド及び電極の筒状前端の間で行われる連結を示す。
【
図6】電極の後端の実施態様の軸方向断面図である。
【
図7A】切断されていない接続片のスピンドルを受ける電極の後端の断面図である。
【
図7B】接続片のスピンドルの係合した、電極の後端の連結装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
慣習により、記載を簡略化するために、様々な図において配向の概念「前部」/「後部」を使用し、前部又は図の左側は、プラグのグローロッドの側に対応し、かつ後部又は右側は、予熱プラグの接続片の側に対応する。
【0024】
図1によれば、部分的に表される予熱プラグは、一端11がセラミックグローロッド2に連結され、他端12が接続片3に連結された軸xxの筒状体1から構成される。
【0025】
プラグは、エンジンのシリンダヘッド内にねじ溝13のねじ留めによって定位置に固定され、かつ円錐体26に対して加熱カートリッジ22が突き出ることによって、グローロッド2は、予熱のために燃焼室内に張り出すようになる。円錐体26は、シリンダヘッド内のセンタリング及び支承の気密性を確実にする。
【0026】
グローロッド2は、シリンダヘッド内に円錐体26の支承によって、かつ金属エンベロープによって同時に、一方で接地接続された発熱抵抗体として機能し、金属エンベロープ自体は、本体1及び接地にも、シリンダヘッド内にねじ留めされたねじ溝13によって電気的に連結される。グローロッド2の他端は、接続装置4、本体1内を通過する電極5、及び接続片3を介して導電路「+」によって搭載電気回路に連結される。
【0027】
接続片3は、それ自体が図示されない予熱制御装置によって搭載電気回路(図示せず)に連結される。詳細な記載も、特別な表示も必要としない、一般的に知られている手段である。
【0028】
グローロッド2は、ジュール効果によって加熱導体を組み込むセラミック加熱カートリッジ22を収容する、指の形状の金属エンベロープ21から構成される。加熱カートリッジ22のレベルでは薄い金属エンベロープ21は、密封円錐体26を形成する厚い受け台24で終わる。
【0029】
電極5は、カートリッジ22の接続装置4を受ける円形断面の筒状前端51と、接続片3のための連結装置6を備えた後端54とを有する。
【0030】
接続装置4、電極5、連結装置及び接続片3によって構成される、加熱カートリッジ22に供給する導電路は、前端で接続装置4によって、かつ後端で接続片3を受ける絶縁端部スリーブ7によって、グローロッド2及び筒状体1の金属エンベロープ21に対して電気的に絶縁されて位置決めされる。
【0031】
筒状体1は、熱機関内にねじ留めするためのねじ溝13を外部に備え、その後端12は、エンジン内での予熱プラグのねじ留め/ねじ外しによる、例えば6角のナットの形状の工具差し込み口15を含む。筒状体1は、溶接部16によってグローロッド2の金属エンベロープ24に溶接される。
【0032】
筒状体1の後端12は、スリーブ31のローレット加工面又は溝を付き面に対して締め付けられる絶縁端部スリーブ7を介在させて、接続片3のスリーブ31を受ける皿穴17を含む。組立は、締め付けて行われ、かつその固定は、皿穴17に沿うリップ18の変形によってなされる。
【0033】
図2は、以下で詳細に記載する連結手段4及び6によってカートリッジ22及び接続片3に連結された、電極5の2つの筒状端部51、54を示す。
【0034】
図3〜
図5Bは、カートリッジ22の後端27への接続装置4によって行われ、かつ卵形又はほぼ楕円(
図4A)の断面を与える卵形の、かつ軸xxの方向で湾曲した輪郭を持ち、ほぼ円錐台状の端面が、円形断面の筒状端部51内の係合を容易にする、接触ヘッド42によって終わるネック41から構成されるカートリッジ22/電極5の連結を示す。
【0035】
ヘッド42は、ネック41のように絶縁材料で、好ましくはカートリッジ22のセラミックと同じ材料で、かつ一体的に製作される。ヘッド42は、ヘッドのほぼ楕円の断面の長軸zz上に位置し、かつこの断面の輪郭から突き出る電気接触ボス43を含む。
【0036】
接続装置4は、セラミックへの鑞付けによって付け加えられた部品であっても、セラミックの研削によって加工された形状であっても良い。
【0037】
図4A、
図4Bの並置により、内径D
1の円形の筒状端部51の断面と、ヘッド42の湾曲部(
図3)の頂点S
1、S
2の間の断面の直径である直径D
2とを、差をD
2>D
1として比較することが可能になる。実際に、かつ非常に簡略的には、ヘッドは、電極5の筒状端部51、及び同じく整列した位置に設置されたカートリッジ22のヘッド42の軸である、軸xxに対していわば対称的な2つの頂点S
1、S
2を有する卵形を有する。ヘッド42は、2つの頂点S
1、S
2を通過して、配向軸xxに垂直な最大断面を有する。この断面は、ほぼ楕円の丸みのある形状を有し、このために用語の幾何学的な意味で長軸D
2と、短軸D
3とを有する(軸D
2は、配向軸zz(
図4A)の方向にあり、かつ短軸D
3は、配向軸yy又は垂直な方向にある)。
【0038】
長軸D
2は、筒状端部51の内径D
1よりも大きく、かつ短軸D
3は、筒状端部51の内径よりも小さい。
【0039】
少なくとも一方の頂点(S
1又はS
2)は、いわゆるヘッド42の輪郭面に対して好ましくは張り出すようになる接触ボス43によって占められる。両方の頂点S
1、S
2は、各々が接触ボスによって占められても良い。接触ボス43は、加熱カートリッジ22の加熱導体に電気的に連結される。長軸D
2は、接触ボス43の高さを考慮に入れる。
【0040】
図4A、
図4Bによれば、(図で選択された配向に沿って)横方向に押しつぶされた端部51の弾性変形により、ヘッド42が、筒状端部51内に係合でき、次に、端部51の円形断面形状への弾性復帰によって頂点S
1、S
2間で長軸D
2(zz)に沿って挟めるように、軸D
2、D
3は、この断面のほぼ楕円の周が、円形断面の筒状端部51の内周(Π
*D
1)よりも小さいように選択される。
【0041】
図5Aによれば、電極5の端部51の円の変形した楕円が、接触ボス43によってヘッド42を受けられるように、設置は、ヘッド42の長軸の横方向に端部51を圧縮して(FF)なされる。次に、端部51が自然な円形断面を弾性的に取り戻そうとするように、圧縮(FF)を緩め、かつ一定のかつ最終的な力PPによってヘッド42と、その接触ボス43とを頂点S
1、S
2のレベルで圧縮する。
【0042】
ヘッド42の卵形又は卵形状は、筒状端部51内のヘッドの設置、及び筒状端部51によって行われる挟持による良好な電気接触を容易にするだけでなく、この形状は、筒状端部51の軸xxと、整列を乱されたカートリッジ22又はヘッド42の軸x
1x
1との間の整列不足(角度α)、並びに幾つかの物理的パラメータの変化、又は予熱プラグが曝され得る振動若しくは衝撃の影響で起こり得る滑動を吸収することも可能にする。
【0043】
図6〜
図7Bは、連結装置6を構成する挟持具の形状の電極5の筒状後端54での電極5/接続片3の連結を示す。この挟持具6は、接続片3の棒34の断面よりも小さい断面の狭窄部61を有する。挟持具6は、
図7Bの断面図が示すように締め付けを容易にするために、弾性舌片62に長手方向に更に分割され得る。
【0044】
以上に記載された予熱プラグの製法は、
− カートリッジ22の加熱導体に連結された接触ボス43を組み込み、カートリッジ22の端部27にネック41によって連結されたヘッド42から構成される接続装置4により加熱カートリッジ22を製作し、
− 加熱カートリッジ22を金属エンベロープ21に組み立て、次に筒状電極5の前端51をヘッド42に、端部41を圧縮し、ヘッド42を係合させて連結し、次にヘッド42を最終的に締め付けるようにその圧縮を緩め(この組立は、加熱カートリッジ22の金属エンベロープ21内への設置前に行われても良い)、
− 次に溶接部16によって厚い受け台24に前端11を溶接して筒状体1を設置し、
− 続いて、筒状端部の皿穴17内に端部スリーブ7を圧入して設置し、
− 次に接続片3のスリーブ31を端部スリーブ7内に、かつ同時に棒34を電極5の後端54の連結装置6内に圧入して係合させ、
− 最後に筒状体1の後端12に位置するリップ18を絶縁スリーブ7に対して下ろすことからなる。
【符号の説明】
【0045】
1 筒状体
11 前端
12 後端
13 外部ねじ溝
15 工具差し込み口
16 厚い受け台及び筒状体の溶接部
17 皿穴
18 リップ
2 グローロッド
21 金属エンベロープ
22 加熱カートリッジ
24 厚い受け台
26 密封円錐体
27 後端
3 接続片
31 スリーブ
32 フランジ
33 スピンドル/接続脚部
34 棒
4 接続装置
41 ネック
42 ヘッド
43 接触ボス
5 電極
51 前端
52 収容部
54 後端/ローレット加工された後端
55 電極及び接続ワイヤの溶接部
6 連結装置
61 狭窄部
62 舌片
7 絶縁端部スリーブ
71 外面
72 内面
xx プラグの軸
yy ヘッド42の最大断面の短軸の方向
zz ヘッド42の最大断面の長軸の方向
D
2 ヘッドのほぼ楕円断面の長軸
D
3 ヘッドのほぼ楕円断面の短軸
D
1 電極5の端部51の直径
S
1、S
2 頂点
FF 圧縮応力
PP 締め付け応力