特許第5918502号(P5918502)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5918502
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/253 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
   G04B19/253 N
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-239888(P2011-239888)
(22)【出願日】2011年11月1日
(65)【公開番号】特開2012-98284(P2012-98284A)
(43)【公開日】2012年5月24日
【審査請求日】2014年10月20日
(31)【優先権主張番号】10405209.7
(32)【優先日】2010年11月3日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599091346
【氏名又は名称】ロレックス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】ROLEX SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デュブニョン, ドミニーク
(72)【発明者】
【氏名】ファロン, アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】フルーリー, クリスチャン
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−162611(JP,A)
【文献】 実開昭49−121569(JP,U)
【文献】 特表2003−534557(JP,A)
【文献】 実開昭60−122878(JP,U)
【文献】 特開昭61−144585(JP,A)
【文献】 米国特許第03593517(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/04
G04B 19/24 − 247
G04B 19/253
G04B 19/26 − 28
G04C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示盤(40)と、日にちの可動部(10)および該日にちの可動部(10)を駆動するためのステッパー駆動部材(13)を備えた日にち機構(1)と、前記表示盤(40)の下に配置された月の可動部(30)であ、該月の可動部(30)が月毎に30°の角度を回転するように形成されたステッパー駆動手段(12、20)によって前記日にちの可動部(10)に接続された月の可動部(30)とを備える時計であって、
前記表示盤(40)には角度を有して等距離にある12個の窓(41)があり、前記月の可動部(30)が特徴的な区域(32)を支持しており、
前記特徴的な区域が前記12個の窓を通過するように前記表示盤に対して前記月の可動部が配置されているとともに、前記特徴的な区域が前記月の可動部に占める角度範囲が30°の最大値以下であり、前記日にちの可動部(10)を前記月の可動部(30)に接続する前記ステッパー駆動手段(12、20)が、歯の付いた扇形部分(12)と、一方で360°の範囲にわたって延在する前記月の可動部に固定された歯車(31)と常に係合し、他方で前記歯の付いた扇形部分(12)と周期的に係合する中間可動部(20)とを備える時計。
【請求項2】
前記中間可動部(20)が、前記月の可動部(30)の非弾性の角度ロック固定部材(50)に固定される、請求項に記載の時計。
【請求項3】
前記月の可動部(30)の前記角度ロック固定部材(50)が、前記日にちの可動部(10)と同心であり前記日にちの可動部(10)に固定された円形面(15)と係合した少なくとも1つのロック固定面(51)を含み、この面が、少なくとも前記歯の付いた扇形部分(12)と等しくこれと一致する角度を有する部分(16)の上に割込みを有する、請求項に記載の時計。
【請求項4】
前記月の可動部(30)が、内側の歯(31)を備えるリングギアであり、前記日にちの可動部(10)の前記歯の付いた扇形部分(12)が、外側歯車である、請求項1から3の一項に記載の時計。
【請求項5】
前記月の可動部(30)が、前記特徴的な区域(32)を支持するディスク(34)に固定されこれと同心の外側歯車(33)を備えており、前記歯の付いた扇形部分(12)が内側歯車である、請求項1から3の一項に記載の時計。
【請求項6】
前記ステッパー駆動手段(12、20)が、前記月の可動部(30)が、前記日にちの可動部(10)の少なくとも1つのステップで前記30°の角度を回転するように形成される、請求項1からの一項に記載の時計。
【請求項7】
前記ステッパー駆動手段(12、20)が、前記月の可動部(30)が、前記日にちの可動部(10)の2つ以上のいくつかののステップで前記30°の角度を回転するように形成される、請求項1からの一項に記載の時計。
【請求項8】
前記中間可動部(20)が、前記月の可動部(30)の前記外側歯車(33)と係合する第1ピニオン(21)と、該第1ピニオンと同心でありこれに固定されており、前記日にちの可動部(10)の前記歯の付いた扇形部分(12)と周期的に係合する第2ピニオン(22)とを備える、請求項に記載の時計。
【請求項9】
前記日にちの可動部(10)の前記ステッパー駆動部材(13)が瞬間的にジャンプする、請求項1からのいずれか一項に記載の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示盤と、日にちの可動部およびこの可動部のステッパー駆動部材を備える日にち機構と、該表示盤の下に配置された月の可動部であって、この月の可動部が月毎に30°の角度を回転するように形成されたステッパー駆動手段によって日にちの可動部に接続される月の可動部とを備える時計に関する。
【背景技術】
【0002】
カレンダーが1年使用のカレンダーや万年カレンダーである場合、腕時計を調整するのに月の表示は欠かすことができない。しかしながら市場に出回る大半の1年使用カレンダーや万年カレンダーは複雑であるため、それぞれ異なる表示をする際にばらばらにジャンプが生じる危険性があり、これにより日付を読むのが不確かになる可能性がある。
【0003】
特許文献1に例示されるように、月の表示を可能にする付加的な機構を内蔵するには通常、1つまたは複数の付加的な割出しジャンパーを設置する必要がある。一方、日にち機構のエネルギー蓄積装置は、複数のジャンパーによって生成される総トルクに打ち勝つことができるようにエネルギー量を追加して出力する必要がある。これに起因しててん輪とひげぜんまいのエネルギーが損失することにより、その振幅が減衰され、腕時計の精度を損なう恐れがある。ジャンパースプリングのトルクを下げることを目的とした解決法は示唆されていないが、その理由は、それが付随する日にちのジャンプまたは望ましくない二重のジャンプを引き起こす恐れがあるからである。
【0004】
特許文献2には瞬時にジャンプする万年型の日にち機構が記載されており、その日にちの可動部は、重ね合わされた大きな2つの日にちディスクを備えている。第1ディスクは月の前半の15日分の日にちに対応しており、第2ディスクには16日から31日までが適用される。第1ディスクの15日と1日の間に窓が配置されることで、16日からは第2ディスクの日にちを見ることができる。このカレンダーの作動は、これらの2つのディスクの協働および同期に依存しており、この2つのディスクは、別個の駆動用可動部と係合した各々の内側歯車によってそれぞれ回転される。
【0005】
このディスクのプログラミングおよび駆動は、補助カムと、制御レバーと、第1ディスク上に設置され第2ディスクの幾何学形状と協働する従属式に跳ね上がるスイッチ類とによって行なわれる。月の表示は、ムーブメントの中心に配置された小さな針によって行なわれ、この針は、月を表す数字としても機能する12個の時間を表す数字の1つを指す。月の針を支持する大歯車には割出しばねがなく、この大歯車は、ロックおよび駆動を目的とした歯車列とマルタクロスを介して、日にちを表示する可動部と直接係合される。
【0006】
この解決法には、ほぞとマルタクロス式の接続を使用するという欠点があり、これは特に歯車列の要素の半径方向の隙間に影響されやすい。この解決法では、衝突の問題に直面する危険性がある旋回隙間の許容値を完璧に制御する必要がある。さらに歯車列システムの可動部の角度隙間は、月の針の配置に直接影響する。したがって月の針を時間を表す数字と位置合わせするのは予想以上に注意が必要であるように思われる。また衝撃を受けた場合、日にちディスクの角度の変動が針の配置に直接影響する。
【0007】
1つの解決法は、月の針を可能な限り短くすることであるが、これは読み取り易さの点で不利になる。
【0008】
別の欠点は、カレンダーを駆動する可動部が、日にちディスクを通常の2倍の大きさに近い角度ステップにわたって駆動させる必要があることである。これはエネルギー消費の観点から良くない結果となり、したがって腕時計の精度にも影響する。さらに期間が短い月の終わりに日付が変わるとき、瞬間的なジャンプは、第1ディスクのばねが第2の日にちディスクの周辺部の幾何学形状と協働することによって保証される。このような機構は開発するのが難しい。日にちが付随してジャンプする危険性、故にこの表示の読み取りが不確かになる可能性はおよそ無視できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】スイス国特許第685585号
【特許文献2】スイス国特許第695227号
【特許文献3】欧州特許第1596261号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記の欠点の少なくとも一部を改善することである。
【0011】
したがって本発明の主題は、請求項1で特許請求される時計である。
【0012】
請求項2から10によって複数の実施形態が定義されている。
【0013】
月を表示することを目的としたこのような装置は、従来式カレンダー、および特許文献3に記載されるような1年使用のカレンダーまたは万年カレンダーの双方に関連付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
有利には月の可動部の特徴的な区域(表示盤に形成された12個の窓の1つに現れる)の角度範囲がこの窓の角度範囲より大きいため、この可動部にはいかなる隙間も認められなくなる。
【0015】
本発明により、月の可動部の角度移動を数日間にわたって行なうことができる。20°から30°の角度の扇形にわたって延在する特徴的な区域を利用することによって、ある月から別の月への移行は瞬間的であるように見えるが、実際には月の可動部の月ごとの進行は、数日間にわたって行なわれる。この方法により、その移動に必要なエネルギーをより長期間にわたって配分することができる。これは恐らく1年使用カレンダーまたは万年カレンダーの場合に有利であり、その理由は、この機構により2つ、3つまたはさらには4つの連続する日にちのジャンプを一緒につなぐのが可能になるにちがいないためである。
【0016】
好ましい実施形態によると、日にちの可動部と月の可動部は反対方向に回転する。その結果、これら2つの可動部の望ましくない角度移動は全て互いに相殺され、特に衝撃を受けた場合にこれらの可動部によって提示されるそれぞれの表示にシーケンスエラーが生じる可能性はない。
【0017】
他の利点および固有の特徴は、添付の図面によって概略的かつ例として図示される本発明の1つの実施形態と、その2つの変形形態に関連する以下の記載に照らしてみることで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1はこの第1の実施形態の平面図である。
図2図2はこの第1の実施形態に関連する表示部の平面図である。
図3a図3a、図3a’はある月から別の月へ表示が連続して移行するのを図示する、図1および図2の部分平面図である。
図3b図3b、図3b’はある月から別の月へ表示が連続して移行するのを図示する、図1および図2の部分平面図である。
図3c図3c、図3c’はある月から別の月へ表示が連続して移行するのを図示する、図1および図2の部分平面図である。
図3d図3d、図3d’はある月から別の月へ表示が連続して移行するのを図示する、図1および図2の部分平面図である。
図3e図3e、図3e’はある月から別の月へ表示が連続して移行するのを図示する、図1および図2の部分平面図である。
図4図4図1の部分図である。
図5図5は本発明の第1の変形形態の図1および図2と同様の平面図である。
図6図6は本発明の第1の変形形態の図1および図2と同様の平面図である。
図7a図7a、図7a’は本発明の第1の変形形態の図3a、図3a’のものと同様に描写した図である。
図7b図7b、図7b’は本発明の第1の変形形態の図3a、図3a’のものと同様に描写した図である。
図7c図7c、図7c’は本発明の第1の変形形態の図3a、図3a’のものと同様に描写した図である。
図8a図8a、図8a’は本発明の第2の変形形態の図7a、図7a’のものと同様の平面図である。
図8b図8b、図8b’は本発明の第2の変形形態の図7a、図7a’のものと同様の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、時間の大歯車14によって回転される時計の日にち機構1を表している。この機構は、日にちの可動部10を備えており、これは31個の歯を有する第1の環状歯車11を備えた1つのリングの形態を採るのが好ましい。この歯車は、既知のタイプの瞬時にジャンプするステッパー駆動部材13に係合され、1つのジャンパー17のみによって角度を付けて割り出される。日にちの可動部10は、歯の付いた扇形の部分12によって形成される第2の歯車を備え、この歯車は、月の可動部30と係合した中間可動部20と噛み合うように設計されており、この月の可動部は、中間可動部20と係合する内側の歯を備えるリングギア31の形態を採る。
【0020】
この月の可動部は、表示盤40(図2)の下にあるその面上で特徴的な区域32を支持する。この表示盤には、角度を有して等距離にある12個の窓41がある。特徴的な区域32は、表示盤の色および月のリングギア30の色と十分区別がつく色で色付けされた区域であることが好ましいが、この腕時計の色および月のリングギア30の色と十分に区別がつく腕時計のケースの色を見せる透明な区域であってもよい。
【0021】
特徴的な区域32の最大範囲は、30°相当の角度を有する扇形に制限され、その最小角度範囲は少なくとも窓41の角度範囲以上である。
【0022】
歯の付いた扇形部分12が中間可動部20と噛み合う際、この部分が中間可動部を所与の角度にわたって作動させる。日にちの可動部は、ステップ毎に1回転の1/31に等しい角度ステップを回転するため、歯の付いた扇形部分12の角度は、月の可動部30が月毎に行なうジャンプの数に影響を及ぼす。歯の付いた扇形部分12と中間可動部20との歯車比は、月の可動部が、日にちの可動部の少なくとも1つのステップで30°の角度を回転するように選択される。ステップの数は、窓の角度範囲によって制限され、窓が多いほど許容できるステップの数は少なくなる。
【0023】
図3a−3a’から図3e−3e’は、4日間、すなわち日にちの可動部10の4つのステップにおいて行なわれる月を変更するための月の可動部30のシーケンスを図示している。
【0024】
図3aは、表示盤40を通して透けて見える月の可動部30の一部を示している。表示盤40は、窓43を介して31日ある月の30日、例えば1月30日の30を表示している。図3a’は、中間可動部20が一方で日にちの可動部10と、他方で月の可動部30と噛み合う様子を示している。
【0025】
日にちの可動部の歯の付いた扇形部分12が外側歯車であり、中間可動部20が一方でこの歯の付いた扇形部分12と直接噛み合い、他方で月の可動部の内側歯車31と噛み合うピニオンを構成するため、日にちの可動部と月の可動部は反対方向に回転する。記載される例では、月の可動部30は時計回りの方向に回転し、日にちの可動部10は反対方向に回転する。
【0026】
1月30日に、中間可動部20は、日にちの可動部10とまだ係合していないことに注目されたい。図3aに示されるように、特徴的な区域32は、1月の表示に対応する窓41を塞いでいる。
【0027】
図3b、図3b’は、最初に日にちがジャンプした後の1月31日の機構を示している。日にちの可動部10が1ステップで角度移動することで、歯の付いた扇形部分12が中間可動部20と係合するように配置される。この結果、月の可動部30がわずかに回転し、その間特徴的な区域32の後方端部は、1月の窓41の縁部に近づくように動かされる。
【0028】
図3c、図3c’は、1月31日から2月1日への移行に対応する第2ステップの後の可動部のそれぞれの位置を示している。図3c’では、中間ピニオン20は、歯の付いた扇形部分12の中間にある。このピニオンが第2ステップの直前には月の可動部30の歯車31と既に係合していることから、月の可動部30は、日にちの可動部10の第2ステップの間中ずっと中間可動部20によって回転される。この結果、月の可動部30は、図3a、図3a’および図3b、図3b’によって示される先のステップの期間より大きく角度移動する。図3cに図示されるように、第2ステップの期間より大きく角度移動することにより、特徴的な区域32は先の窓41から瞬時に離れ、次の窓41に現れるのと同時にそれを塞ぐことが可能になる。
【0029】
第3のステップの後の位置が図3d、図3d’に示されており、表示部は2月2日を表示している。中間ピニオン20は、このピニオン20が、この歯の付いた扇形部分の入り口の所にある図3b’の位置とは対称的な位置で、歯の付いた扇形部分12の出口の所にあることに留意されたい。
【0030】
図3e、図3e’は、第4および最後のステップの後のこの機構の位置を図示している。中間可動部20は、歯の付いた扇形部分12に対して、図3a'に示される第1ステップの前にそれが占めていた位置と同様の位置にある。
【0031】
図3aから図3eを見ることで、記載される機構によって月の瞬時の変更を実現することが可能になり、月の可動部の回転が複数の日にちにわたって同じ数だけのステップで行なわれることに留意されたい。
【0032】
月の可動部30をロック固定するための非弾性の角度ロック固定部材50が、中間ピニオン20に固定されており、これを使用することで、中間ピニオン20が歯の付いた扇形部分12と係合されていないときの月の可動部30のいかなる望ましくない回転も阻止される。
【0033】
図4に示されるように、この角度ロック固定部材は、日にちの可動部10と同心でありこれに固定された円形の面15と係合する少なくとも1つのロック固定面51を備える。このロック固定面を、少なくとも歯の付いた扇形部分12と等しくそれと一致する角度を有する部分16の上に割り込ませる。このようにロック固定面が割り込むことによって、角度ロック固定部材50を非作動状態にすることが可能になり、歯の付いた扇形部分12が中間ピニオン20と係合する際にロック固定面51が回転できるようにする。
【0034】
示される例では、角度ロック固定部材50はマルタクロス原理に従って作動し、その各側面はロック固定面51を形成する正方形の形態を採る。
【0035】
角度ロック固定部材50を中間ピニオン20と関連させることによって、1つの部材だけで月の可動部を交互に作動、割り出しおよびロック固定することが可能になる。
【0036】
図5および図6は、月の表示装置の第1の変形形態を示しており、これは月の可動部30の特徴的な区域32がディスク34の上に配置され、このディスクは、外側歯車を備えた歯の付いた可動部33に固定されておりこれと同心である。日にちの可動部10の歯の付いた扇形部分12は、この可動部10の内側縁部に配置される。中間可動部20は、2つの同軸のピニオン21と22を備える。ピニオン21は歯の付いた可動部33と噛み合い、ピニオン22は、日にちの可動部10の歯の付いた扇形部分12と周期的に係合する。
【0037】
この第1の変形形態では、月の可動部30の作動は、図7a−図7a’から図7c−7c’に示されるように日にちの可動部10の2つのステップにわたって行われる。
【0038】
図7aの表示盤40の日にちの表示は、例えば12月30日を示している。月の可動部30のディスク34によって支持される特徴的な区域32は、表示盤40を通して透けて見える。この時点で図7a’では、日にちの可動部の歯の付いた扇形部分12が、第2ピニオン22と係合していないことを見ることができる。
【0039】
図7bおよび図7b’は、可動部33の作動の第1ステップの後の機構の位置を示している。図7bは、ディスク34によって支持される特徴的な区域32がなお、12月の窓41の中に見えており、日にちを表す31が窓43の中に見えていることを示している。図7aと図7bを比べると、特徴的な区域32は、その角度範囲のほぼ全体にわたって移動しているが、1月に対応する次の窓には侵入していないことがわかる。
【0040】
図7cおよび図7c’は、第2ステップの後のこの機構の位置を示しており、その間日にちの可動部10および月の可動部30は係合状態にある。
【0041】
図5に示される角度ロック固定部材50は、図4に示される原理と同様の原理で作動する。このロック固定部材は、先の実施形態の中間可動部とは異なる角度ステップによって中間可動部20と関連付けられるため、この場合このロック固定部材はピニオン21および22と同心の八角形である。さらに、日にちの可動部10の歯の付いた扇形部分12が内側歯車であるため、円形のロック固定面15は凹面であるが、図4ではこれは凸面である。またこのロック固定面を、歯の付いた扇形部分12と等しくこれと一致する角度を有する部分16の上に割り込ませる。
【0042】
この変形形態によると、月の表示部の窓41は、表示盤40の中心により近づいた位置にある。一方、図1によって図示される第1の実施形態による月の表示部では、表示盤40の中央部分から全て除去することが可能になり、この中央部分を使用して例えば時間に関する別の表示を示すことができる。
【0043】
図8a−図8a'および図8b−8b’に図示される第2の変形形態は、図7a−7a’と全く同様の機構を備える。この場合、月の可動部30の各々の角度移動は、この可動部によってその月の31日が表示された後、日にちの可動部の1つのステップの間に行なわれる。よって様々な関与する可動部同士の歯車比は、図8aおよび8bに示されるように日にちの可動部が、31日から1日に移動する際、月の可動部が30°回転するように構成されており、これらの図では特徴的な区域32が現れる窓41に対するこの区域の相対位置が、窓43に表示される日にちに関わらず常に同じであることを見ることができる。また図8a’および図8b’に示されるように、日にちの可動部の歯の付いた扇形部分12は、1つの歯に縮小されている。
【0044】
上記に記載した月を表示する機構は、瞬間的にジャンプするまたはしない簡素な一年使用のまたは万年カレンダー機構と平等に関連付けることができる。
【0045】
この実施形態に関わらず、時計に適合された日にち機構は瞬時にジャンプするため、それが表示盤40上に出現する際の月の変更も瞬時であり、31日から1日まで移動する日にちの可動部のジャンプと同期している。
【0046】
この機構のおかげで、作動機構に隙間があることにより生じる月の可動部の角度移動は、表示盤40の窓41には認められない。さらに本発明による機構は、ジャンパー17の他にエネルギーの損失を生み出す付加的な割出しジャンパーが不要であり、この機構により複数の日にちのジャンプにわたって月の移行に必要なエネルギーを分配することが可能になる。
【0047】
好ましくは特徴的な区域32は、特定の色の円の環状の弓形部分または円の扇形部分で構成され、この色は、それが関連する支持体の色および表示盤40の色と区別できるように選択される。この特徴的な区域の範囲は、窓41を塞ぐには十分な範囲である。表示盤40の中心42に対するこの窓の角度寸法は典型的には、5°から20°の間、好ましくはおよそ10°である。
【符号の説明】
【0048】
1 日にち機構
10 日にち可動部
11 歯車
12 歯の付いた扇形部分、ステッパー駆動手段
13 ステッパー駆動部材
14 大歯車
15 円形の面
16 角度を有する部分
17 ジャンパー
20 中間可動部、中間ピニオン、ステッパー駆動手段
21 第1ピニオン
22 第2ピニオン
30 月の可動部
31 リングギア
32 特徴的な区域
33 可動部
34 ディスク
40 表示盤
41、43 窓
42 表示盤の中心
50 ロック固定部材
51 ロック固定面
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b