(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
化粧品組成物(ただし、繊維を含むものを除く)を製造する方法であって、前記化粧品組成物に、(i)平均分子量が500〜20,000g/molの間にあるポリエーテルポリオール成分、(ii)トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートを含むジイソシアネート、及び(iii)枝分れ脂肪族C8〜36第一級アルコールを含む混合物の反応に由来するポリウレタンポリマーの水性ポリオール中での分散液を組み込むことを含み、
前記ポリウレタンポリマーは、ポリエーテル尿素ポリウレタンポリマーを含み、
前記化粧品組成物は、ボジャー流体特性を示す水中油乳濁液又は油中水乳濁液である、方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
驚いたことには、ポリエーテルポリウレタンポリマーを含めた、化粧品フィルムを形成することが可能な特定の会合性増粘剤を含む化粧品組成物が、改善された流動性及び自己平滑化という特性を見せることが見出された。上記組成物は、特に、自己平滑化して凝集塊及び表面欠陥を実質的に除去するフィルムを提供するマスカラ等の化粧品組成物を提供するのに有用である。本発明の組成物は、本発明の成分及びここに記載される他の成分を含み、それらを備え、本質的にそれらからなり、又はそれらのみからなることができる。ここで使用されるように、「本質的に・・・からなる」は、組成物又は成分が、追加の成分を含むことができるものの、該追加の成分が、請求項に記載の組成物又は方法の基本的で且つ新しい特徴を物質的に変えない場合に限ることを意味する。
【0016】
本発明に従う化粧品組成物は、ボジャー流体に特有の特性を有しており、ここに含まれるボジャー流体の特性を呈する。ここに使用される「ボジャー様流体」は、ボジャー流体に特有の1つ以上のレオロジー特性等、ボジャー流体に特有の1つ以上の特性を示すどんな流体をも指す。例えば、ボジャー流体は、せん断(γ)が増加している状態で増加しないか又は感知できるほどに若しくは有意に増加しない粘度(η)を特徴的に有する。他に示されていなければ、全ての組成物は、重量ベースであり、全組成物の重量に基づいている。
【0017】
一部の実施態様において、上記化粧品組成物は、広範囲のせん断速度、例えば約0.01sec
−1〜約10sec
−1に亘って実質的に一定の粘度を維持する。それ故、例えば、本発明に従う組成物には、2、3又は4桁に及ぶせん断速度範囲に亘って1桁より小さい粘度の分散を見せるものがある。「実質的に一定の粘度」は、1桁のせん断速度の変化、例えば約0.01〜約0.1sec
−1、約0.1〜約1sec
−1、約1〜約10sec
−1又は約10〜約100sec
−1に亘って、粘度変化が±50%、±40%、±30%、±20%又は±10%の近似範囲内にあることを意味する。一部の実施態様において、上記化粧品組成物は、せん断の増加に応答した粘度増加を特徴とする。
【0018】
本発明の化粧品組成物は、限定されないが、改善した流れ特性を含めた、ボジャー流体に特有の1つ以上の特性を示す。ボジャー様流れ特性は、特有の審美性、テクスチャ、破壊、及び/又は再生可能な輝きを備えた化粧品配合物をもたらすことができる。例えば、本発明の組成物は、表面への塗布後にその製品を平らにし、より滑らかな仕上がり、例えば欠陥、凝集塊、破壊若しくは割れがほとんどなく及び/又は輝き若しくは光沢が強化された仕上がりを作ることを示す。
【0019】
一部の特に好適な実施態様において、上記化粧品組成物は、外皮(皮膚、爪、毛髪、睫毛等)に塗布した場合に自己平滑化する。これら組成物は、使用者側の介入を必要とせずに自律的である自己平滑化特性を示す。外皮への塗布後、数分未満(例えば3分未満、2分未満、又は1分未満)の期間内に、得られるフィルムは、ボジャー流体特性が欠けている比較製品と比べて実質的に滑らかである。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、ボジャー流体特性を有する組成物は、機械的せん断が停止した後、例えば表面に塗布した後、従来の化粧品と比較してより大きな自律的流動性を見せると考えられており、それ故に、本発明の組成物は、塗布後の相当な期間、表面欠陥及び凝集塊を修正し続け、滑らかで光沢のある被膜をもたらす。
【0020】
大まかに言えば、本発明は、ボジャー流体特性、特にはせん断速度の範囲に亘って一定の又は増加する粘度を有するどんな配合物の使用をも包含する。上記配合物は、必要なレオロジー特性を与える1種以上のポリマーを含むことができる。かかるポリマーを組成物の「自己平滑化活性体」と称してもよい。上記ポリマーは、天然、変性天然及び/又は合成ポリマーとすることができる。合成ポリマーの例としては、ポリウレタン、特にポリエーテルポリウレタンポリマーが挙げられる。かかるポリマーには、「レオレート(rheolate)」又は「会合性増粘剤」として知られるものが含まれる。なぜなら、レオレート分子中の疎水性部分と、他の疎水性表面の間、例えば増粘させるべき系における他の粒子又は顔料上での疎水性会合の結果、増粘が生じるからである。
【0021】
一部の好適な実施態様において、上記化粧品組成物は、会合性増粘剤、特にはポリウレタンポリマーを含む。ポリウレタンポリマーは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との重合生成物である。一部の好適な実施態様において、上記ポリウレタンポリマーは、(i)ポリエーテルポリオール成分、(ii)ジイソシアネート、(iii)ポリマーをキャップするための枝分れ脂肪族アルコール、及び(iv)任意には2つの反応基と疎水性部分とを備える変性剤を含む混合物の反応に由来する。他のポリウレタンポリマーは、Doolan等による米国特許第5,973,063号に記載されており、参照することによりここに組み込まれる。
【0022】
上記ポリオール成分は、2つ以上の反応性ヒドロキシル基、典型的には第一級ヒドロキシル基を有する線状又は枝分れ炭化水素であることが典型的である。上記ポリオール成分は、ほとんどの場合、ジオール分子を含むものの、ポリマー鎖中に架橋結合及び枝分れを導入するため、より高度に官能基化された分子を若干含んでもよい。好適なポリオールは、ポリエーテルポリオールである。
【0023】
本発明に使用されるポリエーテルポリオール成分(i)は、様々な市販の製品から選択でき、好ましくは、以下のような繰り返し単位の代表的化学式を有する:
【化1】
【0024】
ここで、R
1、R
2、R
3及びR
4は、それぞれ独立して、H、CH
3及びC
2H
5からなる群から選択される。一部の特に好適な実施態様において、上記ポリエーテルポリオールの平均分子量は、約100〜約50,000、より好ましくは約200又は約500〜約20,000、より一層好ましくは約2,000〜約14,000、最も好ましくは約2,000〜約10,000g/molである。
【0025】
上記ポリエーテルポリオールは、典型的に、ポリエーテル鎖の各末端に又は実質的に各末端にヒドロキシル部分を有し、並びに/或いは、それ自体が少なくとも1つの追加の活性水素部分及び/又はそれに結合したポリエーテル鎖を有する中心分子に結合したポリエーテル鎖の一端を有する。本発明に有用である好適なポリエーテルポリオールの例としては、ポリエチレングリコール;エチレングリコールのランダム及びブロック共重合体、プロピレングリコール及び/又はブチレングリコールを用いた共重合体;グリセロール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールを付加した、グリセロール、エチレングリコールの、ポリエーテルポリオール付加物、並びにそれらの混合物が挙げられる。特に好適なポリエーテルポリオールは、ポリエチレングリコール、及び異なる分子量の2種のポリエチレングリコールの混合物である。
【0026】
本発明に使用されるジイソシアネート成分(ii)は、1分子当たり2つのイソシアネート基を含有し、線状又は枝分れの脂肪族、脂環式及び/又は芳香族とすることができる。会合性増粘剤の調製に有用なジイソシアネートの例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート;1,4−テトラメチレンジイソシアネート;Huls America社製のVestanat TMDIという名の製品(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートと2,4,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートの(重量で)40:60の混合物である);1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン;1,10−デカメチレンジイソシアネート;4−クロロ−1,3−フェニレンジイソシアネート;1,4−シクロへキシレンジイソシアネート;4,4’−メチレンビス−(イソシアナトシクロヘキサン);m−及びp−フェニレンジイソシアネート;2,6−及び2,4−トリレンジイソシアネート;キシレンジイソシアネート;4,4’−ビフェニレンジイソシアネート;1,5−ナフチレンジイソシアネート;4,4’−メチレンジフェニルイソシアネート;1,5−テトラヒドロナフチレンジイソシアネート;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0027】
当業者は、1つ又は複数のジイソシアネート分子が、イソシアネート以外の官能部分をこれらの追加部分が実質的に反応しない場合に含有できることを十分理解する。会合性増粘剤を調製するのに使用される条件下での反応に悪影響を及ぼさない部分の例としては、アルデヒド;ケトン;エーテル;エステル;ハロゲン化炭化水素;アミド;及び第3級アミンが挙げられる。
【0028】
上記枝分れ脂肪族アルコール(iii)は、ポリウレタンポリマーの末端基と反応することが可能なヒドロキシル部分を含有しており、それ自体が「キャッピング剤」として作用することができる。キャッピング剤は、ポリマー鎖の端部に蓋をかぶせて、それにより、鎖の生長を停止させる。キャッピング剤は、他の部分を含有してもよく、該他の部分が会合性増粘剤の調製に使用される反応条件下でイソシアネート官能性と反応しない場合が好ましい。かかる部分には、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル、ハロゲン化炭化水素、第3級アミン及びアミドが含まれる。
【0029】
キャッピング剤として有用な枝分れアルコールの好適な組は、以下の式によって表される:
【化2】
【0030】
ここで、R
5は、HO−CH
2−(CH
2)
kであり、k=0〜4であり;R
6は、(CH
2)
mCH
3であり、mが4〜14であり;R
7は、(CH
2)
nCH
3であり、nが2〜10であり;R
8は、H、CH
3又はC
2H
5である。キャッピング剤として有用である好適な枝分れアルコールは、側方分岐鎖を含む。より好ましくは、上記アルコールが、第1級アルコールであり、そのヒドロキシル部分は、長さが約3〜約50個の炭素原子、より好ましくは長さが約5〜約40個の炭素原子、最も好ましくは長さが約8〜約36個の炭素原子の炭素鎖の末端上に生じる。
【0031】
任意の変性剤(iv)は、少なくとも1つの疎水性部分と、ジイソシアネートと反応する少なくとも2つの基とを含む。活性水素部分の例としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基及びメルカプト基が挙げられる。任意の変性剤は、他の成分の疎水性特徴を調節するために使用されており、適切なボジャー流体ポリマーを得ることができる。任意の変性剤は、少なくとも約10個の炭素原子を有するのが好ましく、その疎水性基は、ジイソシアネート又はポリエーテルポリオール成分と反応する部分がない。上記疎水性基は、典型的に炭化水素基であるが、それは、ハロゲン又はアルコキシ基等の部分を含有することができる。
【0032】
一部の特に好適な実施態様においては、会合性増粘剤を含み、該会合性増粘剤がポリエーテル尿素ポリウレタンポリマーを含む化粧品組成物が提供される。該ポリマーは、一般化されたポリウレタンポリマー構造内に繰り返し尿素単位を含むことができる。尿素は、以下の式IIIに示される構造を有するものとして表される:
【化3】
【0033】
本発明のポリウレタンポリマーは、バッチ、連続又は半連続ベースでの溶液、懸濁又は無溶媒又は溶融重合等の当該技術において知られるあらゆる方法により、使用した成分を重合することによって得ることができる。各種成分の量は、参照することによってここに組み込まれるDoolan等による米国特許第5,973,063号に記載の通り、当該技術において知られているように、選択される。好適な実施態様において、上記重合方法は、ペイント業界において使用されるRheolate(登録商標)288という商品名で販売される製品中にポリウレタンポリマーを提供する。上述の通り、Rheolate(登録商標)288はまた、例えばエレメンティス・スペシャリティーズ社(ニュージャージー州)から市販されており、ブチルカルビトール及び水中における懸濁液として供給される。ポリウレタンポリマーを含む本発明の化粧品組成物は、毒性問題を引き起こすブチルカルビトールを含有しない。
【0034】
どちらかと言えば、上記ポリウレタンポリマーは、水及び/又はプロピレングリコール系等の水系で提供される。上記ポリマーは、化粧品用途に適切な水系中に、分散し、懸濁し又は含有され得る。上記水系は、上記ポリマーと共に、ボジャー流体を形成するのに適したあらゆる水溶性/水分散性溶媒を含んでもよい。特定の好適な実施態様において、上記水系は、プロピレングリコール及び/又は水を含む。例えば、上記化粧品組成物は、Rheolate(登録商標)288のポリエーテルポリマーを含むことができるが、ポリマー/溶媒系が、水約10〜60重量%、ポリウレタンポリマー約10〜40重量%、及びポリオール約10〜70重量%、特には水約15〜40重量%、ポリマー約20〜30重量%、及びポリオール約40〜55重量%を含むように、水/ポリオール系と組み合わせて提供され得る。上記ポリオールは、限定されないが、グリセリン又はプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコール、カプリリルグリコール等の1種以上のC
3〜8グリコールとすることができる。プロピレングリコールが好適である。一の実施態様において、上記ポリマー系は、水約15重量%、ポリウレタンポリマー約30重量%、及びプロピレングリコール約55重量%を含む。他の実施態様において、その分散液は、水約40重量%、ポリウレタンポリマー約20重量%、及びプロピレングリコール約40重量%を含む。かかる懸濁液は、例えば、ボジャー流体様特性を保有し、ブチルカルビトール懸濁液の毒性問題を回避する。以下、例1を参照されたい。他のボジャー流体ポリマーは、同一の又は他の系において、ポリウレタンポリマーの代わりに又は組み合わせて使用できる。例えば、他のボジャー流体ポリマーは、化粧品用に適した水系において提供できる。
【0035】
一部の実施態様において、上記化粧品組成物、例えば水系においてポリウレタンポリマーを含む組成物の粘度は、例えば粘度が25℃にて約10
−4〜約100s
−1のせん断速度範囲に亘って測定される場合、約1〜約100Pa・s
−1の範囲にある。好適な実施態様において、上記粘度は、例えば25℃にて約10
−4〜約100s
−1のせん断速度範囲に亘って測定されると、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約80、又は少なくとも約90Pa・s
−1である。以下、例1、
図1を参照されたい。当該技術において知られるように、ボジャー流体の粘度を測定することができる。例えば、Rheomat RM 180粘度計を使用でき、No.4ローターを取り付けられ、(粘度及びローター回転速度の安定化を可能にするため)該ローターを約10分間回転させた後に測定を行う。例えば米国特許第6,375,941号を参照されたい。典型的に、せん断速度範囲を通して室温(約25℃)まで測定を行う。
【0036】
本発明の化粧品組成物は、一般に、該組成物に1つ以上のボジャー流体様特性を与えるのに有効な量のボジャー流体ポリマーを含む。一部の実施態様において、上記ポリマーは、組成物の全重量に対して約0.01〜約30重量%の量である。一部の実施態様において、上記ポリマーは、組成物の全重量に対して約0.1重量%〜約25重量%、約0.5重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、又は約2〜約10重量%の量である。特定の好適な実施態様において、上記ポリマーは、ポリエーテル尿素ポリウレタン等のポリウレタンポリマーである。
【0037】
本発明の化粧品組成物は、典型的に約10〜80重量%、より典型的には25〜70重量%、特には約35〜60重量%の水を含有する。各種実施態様において、上記組成物は、60重量%、又は55重量%、又は50重量%、又は45重量%、又は40重量%の水を含む。
【0038】
本発明の化粧品組成物は、多くの場合、ポリオールを含有し、一般的に約0.5〜40重量%、より典型的には1〜25重量%、特には約2〜15重量%のポリオールを含有し、特には約2〜10重量%の量でプロピレングリコールを含有する。各種実施態様において、上記組成物は、30重量%、又は20重量%、又は15重量%、又は10重量%、又は5重量%、又は2.5重量%のポリオールを含む。
【0039】
一部の実施態様において、上記化粧品組成物は、Kobo GLW60GBAP;Kobo GLW55GBAP;Finsolve(C
12〜15安息香酸エステル)及びPOE(PEG100ステアリン酸エステル又はPEG6000モノステアリン酸エステル)から選択される1種以上の成分を含む。これら追加の成分は、特定の量において、本発明の組成物の一部の実施態様のボジャー様特性に影響を与えず、或いは実質的に及び/又は有意に影響を与えないことが示されている。例1、
図1を参照されたい。Kobo GLW60GBAPは、黒色顔料分散液であり、酸化鉄、水、グリセリン、ポリアクリル酸アンモニウム、及びメチルパラベンを含む。Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリマーを約3〜約5重量%含む水系は、約0.75〜約10重量%のKobo GLW60GBAPを加えた場合でボジャー様特性を保つ。Kobo GLW55GBAPは、赤色顔料分散液であり、酸化鉄、水、グリセリン、ポリアクリル酸アンモニウム、及びメチルパラベンを含む。Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリマーを約3〜約5重量%含む水系は、約0.75〜約10重量%のKobo GLW55GBAPを加えた場合でボジャー様特性を保つ。
【0040】
Finsolve(C
12〜15安息香酸エステル)及びPOE(PEG100ステアリン酸エステル又はPEG6000モノステアリン酸エステル)は、ポリウレタンポリマーを用いた水中での乳濁液を提供するために使用でき、それは、同様に、ボジャー様特性を保有する。一部の実施態様において、上記乳濁液組成物は、90%Finsolve(C
12〜15安息香酸エステル)及び10%POEからなる油相を約20〜約25%含む;ここで、該組成物の残りの約80〜約75%は、Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリウレタンポリマーが乳濁液組成物全体の約4重量%を構成するように該ポリマーを備える水層を含む。再度、例1、
図1を参照されたい。
【0041】
ボジャー流体組成物の化粧品への使用
本発明の他の態様は、特定のボジャー流体を含む組成物の化粧品への使用に関するものである。ボジャー様特性を有する化粧品組成物は、化粧品に望ましく、驚くべき特有の特徴を提供する。かかる特性には、流れ特性、再生可能な輝き及び光沢、並びに自己平滑化能力が含まれ、望ましい審美性、感覚及び/又は実用品質を提供する化粧品に変えることができる。
【0042】
一部の実施態様において、ボジャー流体を含む化粧品組成物は、特に消費者が滑らかで平らな仕上がりの達成を望む場合に塗布の容易さを提供する。ボジャー様の流れ特性は、化粧品塗布時に滑らかな及び/又は平らな仕上がりを達成することを容易にできる。例えば、消費者は、ファンデーション、唇用製品、目用製品、又は他の局所組成物の滑らかな及び/又は平らな塗布を望むことができる。「局所組成物」は、体の外表面又は外皮上、例えば皮膚上、例えば顔、唇、首、手、腕、腹、背中、足等の皮膚上に用いる組成物;或いは毛髪、睫毛、眉毛等のケラチン繊維の表面を被覆するための組成物を指す。マスカラ製品は、例えば、つけ睫毛及びかつらを含めた睫毛、眉毛及び毛髪等の本質的に長い線状のケラチン繊維を特に対象とする。睫毛は、はっきりと異なる2つの構造−皮膚内に存在する毛包;及び皮膚上に見える毛幹又は毛髪繊維を有する。ここに記載されるマスカラ製品は、睫毛の毛幹等のケラチン繊維の幹部を、その上にフィルムを形成することによって、被覆することを目的とする。
【0043】
特定の好適な実施態様において、ボジャー流体を含む化粧品組成物は、自己平滑化特性を有する。考察したように、自己平滑化は、表面への塗布後に局所組成物の自律的流れを可能にし、それ故に、塗布を容易にし、滑らかな、均一な及び/又は平らな仕上がりを達成する。例えば、自己平滑化又は自己修正マスカラは、塗布を容易にでき、均一の外観を達成することを可能にし、ここで、睫毛は、上記化粧品組成物によって均一に及び/又は平らに被覆される。ボジャー流体様の自己平滑化がない場合、マスカラ製品は、睫毛上で凝集する傾向があり、例えば、マスカラの比較的高い蝋含量及び/又は流れることができないことが原因で、均一でない外観をもたらす。かかる製品は、多くの場合、凝集塊を除去するため、消費者に、塗布中及び/又はその後に、繰り返し睫毛にブラシをかけ又は該睫毛を梳すよう求める。
【0044】
ここに記載され、自己平滑化特性を含めたボジャー流体様特性を有する化粧品組成物は、抗凝集マスカラ等の改良されたマスカラ製品の使用を見出すことができる。上記抗凝集マスカラは、塗布の容易さ及び滑らかで凝集塊のない外観の達成を可能にする。例えば、一部の実施態様において、上記組成物は、睫毛の長さに塗布するのが容易であり、初期塗布時に起こるいかなる凝集塊及び表面不規則さも、経時的に睫毛一面で滑らかになり、又はここに記載される組成物がなく、経時的に滑らかにならないマスカラの場合に観察されるものよりも大きな範囲で伸ばされる。特定の好適な実施態様において、例えば、初期に存在する凝集塊及び表面不規則さは、使用者による行動を必要とせずに、数分以内又はそれより短い時間、例えば約3分未満、約2分未満、又は約1分未満で、実質的に除去される。本発明の一部の実施態様の抗凝集マスカラの自己平滑化は、以下の例2及び
図2において説明される。また、特有の流れ特性は、マスカラ用棒又はブラシからのマスカラ配合物の分離を促進することができ、例えば、該配合物は、ブラシ又は棒から剥がれ易く、好ましくは、睫毛上への配合物の有意な「ペイオフ」を可能にする。それ故に、本発明に従うマスカラ組成物は、塗布が迅速且つ容易であり、睫毛を十分に被覆し、自然な及び/又は心地の良い化粧効果を提供する製品を提供することができる。上記マスカラ製品は、仕上げ用化粧品、化粧下地、又は化粧の上に塗布されるトップコートとすることができる。
【0045】
一部の特に好適な実施態様においては、滑らかな化粧フィルムを睫毛に塗布するための方法が提供される。上記方法は、ケラチン繊維の幹部上にフィルムを形成することが可能な会合性増粘剤を含む組成物等のここに記載される組成物を用いて、睫毛上に初期被膜を形成することを含むことができる。次いで、該被膜は、自己平滑化することができ、好ましくは、凝集塊を低減し並びに/或いは初期被膜と比較して滑らかな及び/又は平らな表面を有する被膜を提供する。例えば、凝集塊及び/又は表面不規則さは、マスカラの初期塗布後、約5分以内、約3分以内、又は約1分以内若しくはそれより短い時間で実質的に除去されるのが好ましい。かかる方法は、ここに記載される化粧品組成物の自律的流れ及び/又は自己修正の性質を利用し、睫毛へのより滑らかで且つ平らなマスカラの塗布に関して驚くほど効果的な結果を提供し、使用者側の試みもほとんどない。
【0046】
一部の実施態様において、ここに記載される会合性増粘剤等のボジャー流体を含む化粧品組成物は、特に消費者が長期間滑らかで平らな仕上がりの維持を望む場合に、より長い着用を提供する。ボジャーのような流れ特性は、既に塗布された化粧品組成物が、時間と共に及び/又はわずかな移動で、例えば顔面若しくは唇の筋肉の移動で又はまぶたのまばたきで、再分布することを可能にする。これは、破壊又は割れが上記組成物を塗布した表面上で形成することを低減又は防ぐことができ、滑らかな及び/又は平らな外観を長期間維持する結果となる。例えば、消費者は、ファンデーション、口紅、粉末、唇用製品(色付き又は光沢)、マスカラを含めた目用製品、又は他の局所組成物の長時間の滑らかな及び/又は平らな外観を望むことができる。その期間は、一部の実施態様において、2〜3時間、数時間、1日又は更には2日とすることができる。
【0047】
一部の特に好適な実施態様において、上記化粧品組成物は、自己平滑化特性を有し、滑らかな及び/又は平らな外観或いは均一な被膜の再分布並びに維持を容易にする。この自律的再分布は、より自然な及び/又は新鮮な外観の維持に役立つことができる。例えば、自己修正マスカラ製品は、時間と共に再分布でき、睫毛一面に、好ましくは睫毛ケラチン繊維の幹部の全体又はほぼ全体の長さに亘って、均一な被膜を維持し、一部の実施態様においては、着用の期間、例えば2〜3時間、数時間、1日又は更には2日に亘って、凝集塊を減少し及び/又は睫毛を癒着から防ぐ。
【0048】
一部の実施態様において、ここに記載される会合性増粘剤等のボジャー流体を含む化粧品組成物は、艶のある及び/又は光沢のある仕上がりを提供する。ボジャー流体様特性は、艶のある及び/又は光沢のある外観を、例えば、上記組成物が流れ、入射光を更に多く反射する皮膚又は毛髪一面に滑らかな及び/又は平らな層を形成する場合に、作ることができる。これは、上記組成物が塗布された表面上に輝き又は光沢のある外観をもたらすことができる。例えば、消費者は、顔、唇、睫毛又は毛髪の艶のある及び/又は光沢のある外観を望むことができ、ここに記載される化粧品組成物は、かかる表面への塗布用の局所組成物の使用を見出すことができる。
【0049】
特定の好適な実施態様において、ここに記載される会合性増粘剤等のボジャー流体を含む組成物は、口紅又はリップグロス等の唇用製品に使用され、唇に艶のある外観を提供する。一部の実施態様において、ここに記載される会合性増粘剤等のボジャー流体を含む組成物は、該組成物が皮膚に健康的な輝きのある外観を与えることができる場合、ボディーローション、ボディーウォッシュ又はボディースプレー等の皮膚用パーソナルケア製品に使用される。特定の好適な実施態様において、ここに記載される会合性増粘剤等のボジャー流体を含む組成物は、口紅又はリップグロス等の唇用製品に使用され、唇に艶のある外観を提供する。一部の実施態様において、ここに記載される会合性増粘剤等のボジャー流体を含む組成物は、該組成物が毛髪に健康的な輝きのある外観を与えることができる場合、シャンプー、コンディショナー又はムース等の毛髪用パーソナルケア製品に使用される。
【0050】
一部の実施態様において、艶のある及び/又は光沢のある外観を提供するための化粧品組成物はまた、長期着用を可能にする。先に述べたように、ボジャー様流れ特性は、既に塗布された化粧品組成物が時間と共に及び/又はわずかな動きで、例えば顔面若しくは唇の筋肉の動き若しくはまぶたのまばたきで再分布し、凝集塊、破壊又は割れを低減し及び/又は防ぐ。これは、長期間の滑らかな及び/又は平らな外観の維持をもたらすことができ、結果として、高い輝き及び/又は光沢の維持又は見かけの再生をもたらす。例えば、消費者は、ファンデーション、唇用製品、マスカラを含めた目用製品又は他の局所組成物から、長期間の艶のある及び/又は光沢のある外観を望むことができる。その期間は、一部の実施態様において、2〜3時間、数時間、1日、又は更には2日とすることができる。特定の好適な実施態様において、ここに記載される会合性増粘剤等のボジャー流体を含む組成物は、口紅又はリップグロス等の長期着用の及び/又は再生可能な唇用製品に使用され、長期間、唇に艶のある外観を提供する。
【0051】
特定の特に好適な実施態様において、ボジャー流体を含む化粧品組成物は、自己平滑化特性を示し、艶のある又は光沢のある外観を作り、再生し及び/又は維持するのに役立つ。自己平滑化は、上記化粧品組成物の自律的再分布を可能にし、入射光を更に多く反射する滑らかな及び/又は平らな仕上がりを作り、再現し及び/又は保つことができる。かかる組成物は、例えば、再生可能な及び/又は長期着用のリップグロス、口紅又は他の唇用製品としての使用、或いは再生可能な及び/又は長期着用の抗凝集マスカラ等の目用製品としての使用を見出すことができる。
【0052】
一部の実施態様において、ここに記載される会合性増粘剤等のボジャー流体を含む化粧品組成物は、特定の感覚又は触覚の経験を提供する。ボジャー流体様特性は、ボジャー流体がない化粧品には見出せない様々な種類のテクスチャを作ることができる。その特有のテクスチャは、上記組成物の皮膚への塗布中及び/又はその後に、絹のような、滑らかな又は滑るような感覚に変えることができる。
【0053】
ここに記載される化粧品組成物は、例えば、塗布が容易なファンデーション、塗布が容易な抗凝集マスカラ、並びに再生可能な又は長期着用のファンデーション、マスカラ、口紅及びリップグロスを含めた、改善された化粧品の使用を見出す。好適な実施態様において、上記化粧品組成物は、ここに記載される会合性増粘剤等のボジャー流体ポリマーを含む。例えば、化粧品組成物は、化粧品に所望の品質を与えるのに効果的な量のポリウレタンポリマーを含むことができる。特定の好適な実施態様において、上記ポリマーは、ポリエーテルポリウレタンポリマー又はポリエーテル尿素ポリウレタンポリマーであり、より好ましくは、化粧品組成物が皮膚又は睫毛を含めた毛髪に局所的に塗布されるべきものである場合に該組成物に自己平滑化特性を与えるのに効果的な量にある。
【0054】
ボジャー流体を用いる化粧品配合物
本発明に従う組成物は、局所適用の様々な形態として配合できる。上記組成物は、例えばローション、クリーム、美容液、スプレー、エアロゾル、軟膏、精油、ゲル、ペースト、パッチ、ポマード、溶液、ウェットペーパータオル、マスク、泡、エリキシル剤、濃縮物又は他の液体若しくは半固体のあらゆる形態等の、皮膚、毛髪、睫毛又は眉毛に塗布するのに適切である様々な製品形態として配合され得る。
【0055】
適切な形態は、化粧品の種類によって決めてもよい。例えば、ファンデーションでは、上記組成物が、ローション、クリーム、液体又はムースとして配合されるのが好ましく;アイライナーでは、上記組成物が、液体として配合されるのが好ましく;アイシャドウでは、上記組成物が、クリームとして配合されるのが好ましく;唇用製品では、上記組成物が、ペースト又はクリームとして配合されるのが好ましく;マスカラ製品では、上記組成物が、ペースト又はクリームとして配合されるのが好ましく、取り外し可能な閉じ部と一体となった塗布器、棒又はブラシを備える容器中に供給されるのが好ましい。
【0056】
上記組成物は、有効量のボジャー流体を含む。それは、配合製品に1つ以上のボジャー流体様の特性を与えるのに十分な量を意味する。特定の性質を与える「のに有効な量」又は「ための有効量」は、少なくとも1つの測定可能なボジャー様特性を生じさせるのに必要とされるボジャー流体の量、例えばポリウレタンポリマーの量を指す。例えば、ボジャー流体ポリマーは、上記組成物の全重量に対して、約0.01重量%〜約30重量%、約0.1重量%〜約25重量%、約0.5重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、又は約2〜約10重量%の量で存在し得る。
【0057】
特定の特に好適な実施態様において、上記化粧品組成物は、自己平滑化を容易にし、凝集塊を低減するのに有効な量のポリウレタンポリマーを含む抗凝集マスカラである。一部の好適な実施態様において、ポリウレタンポリマーは、上記組成物の全重量に対して、約0.01重量%〜約30重量%、約0.1重量%〜約25重量%、約0.5重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、又は約2〜約10重量%の量で存在する。
【0058】
上記組成物は、化粧品に許容可能な媒体を含むことができる。かかる媒体は、当該技術において知られている皮膚又は毛髪への塗布に適したあらゆる形態をとることができ、水(例えば脱イオン水);植物油;鉱油;パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル及びパルミチン酸イソプロピル等のエステル;ジカプリルエーテル及びジメチルイソソルビド等のエーテル;イソオクタン、イソドデカン及びイソヘキサデカン等のイソパラフィン;シクロメチコン、ジメチコン、ジメチコンクロスポリマー、ポリシロキサン及びそれらの誘導体、好ましくは有機変性誘導体等のシリコーン油;鉱油、ペトロラタム、イソエイコサン及びポリイソブテン等の炭化水素油;プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ペンチレングリコール及びへキシレングリコール等のポリオール;蜜蝋及び植物蝋等の蝋;或いは上述のものの任意の組み合わせ又は混合物を挙げることができる。
【0059】
上記媒体は、水性のポリオール又はヒドロポリオール相、油相、シリコーン相、及びそれらの相溶的に適切な組み合わせを含むことができ、水性のポリオール又は水性/ポリオール相は、典型的に、それに溶解し、分散し又は懸濁している本発明のボジャー流体ポリマーを含有する。化粧品に許容可能な媒体は、水性のポリオール又はヒドロポリオールゲル組成物を含んでもよいし、化粧品に許容可能な媒体は、乳濁液を含んでもよい。適切な乳濁液の非限定的な例としては、油中水乳濁液、水中油乳濁液、水中シリコーン乳濁液、シリコーン中水乳濁液、水中蝋乳濁液、水/油/水三重乳濁液等が挙げられ、例えば、クリーム、ゲル又はマイクロエマルションの外観を有する。上記乳濁液は、非イオン、陰イオン又は両性の界面活性剤等の乳化剤を含んでもよい。水中油乳濁液が好適である。
【0060】
上記乳濁液の水相は、水、ポリオール等の1種以上の追加の水溶性溶媒、及び1種以上の水溶性又は水分散性活性成分を含むことができる。また、上記乳濁液の水相は、典型的に、ボジャー流体ポリマーを含有し、該ボジャー流体ポリマーは、その中に懸濁又は分散している。化粧品に許容可能な媒体は、用いた系に適合する1種又は複数の成分を含むことができる。例えば、ポリオール、好ましくはプロピレングリコールは、以上に記載したような、ポリマー懸濁液又は分散液を、水と組み合わせて又は水なしで、形成することができ、その懸濁液/分散液は、続いて化粧品組成物中に組み込まれる。特定の具体的な実施態様において、上記配合物は、マスカラを含み、ここで、該マスカラ配合物は、自己平滑化ポリエーテルポリマー又はその予備形成懸濁液/分散液を更に含有する水/プロピレングリコール水相を含む。
【0061】
一部の実施態様において、上記マスカラ配合物は、油又は油相を含まない。一部の実施態様において、上記マスカラ配合物は、乳濁液を含まない。また、他の種類の化粧品、例えばファンデーション又は唇用製品に対応する配合物は、油相及び/又は乳濁液がなくてもよい。他の実施態様において、上記マスカラ又は他の化粧品配合物は、油相、蝋及び/又は乳濁液を含有してもよい。
【0062】
上記乳濁液の油相は、1種以上の有機化合物を有するのが好ましく、皮膚軟化薬;保水剤(ブチレングリコール、プロピレングリコール、メチルグルセス−20及びグリセリン等);Veegum又はヒドロキシアルキルセルロース等の増粘剤を含む他の水分散性又は水溶性成分;高MWポリアクリル酸、即ちCARBOPOL934等のゲル化剤;及びそれらの混合物が挙げられる。上記乳濁液は、上記組成物中に存在する各種成分を乳化することのできる1種以上の乳化剤を有することができる。
【0063】
油相中での使用に適した化合物には、限定されないが、直物油;パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル及びパルミチン酸イソプロピル等のエステル;ジカプリルエーテル等のエーテル;イソオクタン、イソドデカン及びイソヘキサデカン等のイソパラフィン;ジメチコン、環状シリコーン及びポリシロキサン等のシリコーン油;鉱油、ペトロラタム及びポリイソブテン等の炭化水素油;天然又は合成蝋;1種以上の油溶性活性成分等が単独で又は相溶性のある組み合わせで含まれる。適切な疎水性炭化水素油は、飽和でも不飽和でもよく、脂肪族の特徴を有してもよいし、直鎖又は枝分れ鎖でもよいし、脂環式又は芳香環を含有してもよい。油含有相は、単数の油又は異なる油の混合物からなることができる。
【0064】
炭化水素油には、6〜20個の炭素原子、より好ましくは10〜16個の炭素原子を有するものが含まれる。代表的な炭化水素には、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカン、及びC
8〜20イソパラフィンが含まれる。パラフィン系炭化水素は、エクソン社からISOPARSの商標で入手可能であり、またパーメチル・コーポレーション社からも入手可能である。加えて、Permethyl 99ATMという商品名のパーメチル・コーポレーション社製C
12イソパラフィン(イソドデカン)等のC
8〜20パラフィン系炭化水素も適切であると予期される。イソヘキサデカン(商品名Permethyl RTM)等の市販の各種C
16イソパラフィンもまた適している。好適な揮発性炭化水素の例としては、イソドデカン及びイソデカン等のポリデカンが挙げられ、例えば、Permethyl−99A(Presperse Inc.)及びExxon Chemicalsから入手可能なIsoparシリーズ等のC
7〜C
8からC
12〜C
15イソパラフィンが挙げられる。代表的な炭化水素溶媒は、イソドデカンである。
【0065】
上記油相は、1種以上の蝋を含んでもよく、例えば、米ぬか蝋、カルナバ蝋、オーリキュリー蝋、カンデリラ蝋、モンタン蝋、サトウキビ蝋、オゾケライト、シェラック蝋、米ぬか蝋、ポリエチレン蝋、Fischer−Tropsch蝋、蜜蝋、植物蝋、微晶質蝋、シリコーン蝋、フッ素化蝋、パラフィン蝋、合成蝋、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。ここに使用される「蝋」は、一般に、室温(約25℃)にて固体であり、融点が約45℃〜約110℃の化合物を指す。蝋成分は、本発明の組成物中に、約25重量%以下、典型的には約0〜約20重量%、約0.5〜約15重量%、及び約1〜約12重量%の量で組み込まれ得る。適切には、上記組成物は、2、4、6、8、10又は12重量%の蝋を含有することができる。例えば、一部の特に好適な実施態様においては、水/プロピレングリコール水系において蝋約2〜約12重量%及びRheolate(登録商標)288のポリマー約4〜約6重量%を含む化粧品組成物が提供され、ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー約20重量%、水約40重量%及びプロピレングリコール約40重量%を含む。一部の他の特に好適な実施態様においては、水/プロピレングリコール水系において蝋約0〜約24%及びRheolate(登録商標)288のポリマー約2〜約10重量%を含む化粧品組成物が提供され、ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー約20重量%、水約40重量%及びプロピレングリコール約40重量%を含む。一部のより一層好適な実施態様においては、水/プロピレングリコール水系において蝋約1.5〜約12重量%及びRheolate(登録商標)288のポリマー約5重量%を含む化粧品組成物が提供され、ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー約20重量%、水約40重量%及びプロピレングリコール約40重量%を含む。以下、例3を参照されたい。一部の他のより一層好適な実施態様においては、水/プロピレングリコール水系において蝋約12重量%及びRheolate(登録商標)288のポリマー約2.5重量%を含む化粧品組成物が提供され、ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー約30重量%、水約15重量%及びプロピレングリコール約55重量%を含む。以下、例4を参照されたい。
【0066】
上記油相は、1種以上の揮発性及び/又は不揮発性シリコーン油を含んでもよい。揮発性シリコーンには、環状及び線状の揮発性ジメチルシロキサンシリコーンが含まれる。一部の実施態様において、上記揮発性シリコーンとしては、四量体(D4)、五量体(D5)及び六量体(D6)シクロメチコン又はそれらの混合物を含めたシクロジメチコンを挙げることができる。揮発性シクロメチコン−ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチル−シクロテトラシロキサン、及びデカメチル−シクロペンタシロキサンについて特に言及し得る。適切なジメチコンは、Dow Corning200(登録商標)流体の名でDow Corningから入手可能であり、0.65〜600,000センチストークに及ぶ又はそれより高い粘度を有する。適切な非極性で揮発性の液体シリコーン油は、米国特許第4,781,917号に開示されており、その全体が参照することによりここに組み込まれる。追加の揮発性シリコーン材料は、Todd et al.,“Volatile Silicone Fluids for Cosmetics”,Cosmetics and Toiletries,91:27−32(1976)に記載されており、その全体が参照することによりここに組み込まれる。線状揮発性シリコーンは、一般に、25℃にて約5センチストーク未満の粘度を有し、一方、環状シリコーンは、25℃にて約10センチストーク未満の粘度を有する。様々な粘度の揮発性シリコーンの例としては、Dow Corning200、Dow Corning244、Dow Corning245、Dow Corning344、及びDow Corning345(Dow Corning Corp.);SF−1204及びSF−1202シリコーン流体(G.E.Silicones)、GE7207及び7158(General Elecric Co.);及びSWS−03314(SWS Silicones Corp.)が挙げられる。線状の揮発性シリコーンには、少しの例を挙げると、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサン等の低分子量ポリジメチルシロキサン化合物が含まれる。
【0067】
不揮発性シリコーン油は、典型的に、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、又はそれらの混合物を含む。ポリジメチルシロキサンは、好適な不揮発性シリコーン油である。不揮発性シリコーン油は、典型的に、25℃の粘度が約10〜約60,000センチストークであり、好ましくは約10〜約10,000センチストークの間であり、更に好ましくは約10〜約500センチストークの間であり;大気圧での沸点が、250℃を超える。非限定的な例としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、フェニルトリメチコン、及びジフェニルジメチコンが挙げられる。揮発性及び不揮発性シリコーン油は、少しの例を挙げると、アルキル基、アリール基、アミン基、ビニル基、ヒドロキシル基、ハロアルキル基、アルキルアリール基、及びアクリレート基等の様々な官能基で任意に置換され得る。ここでの教示に基づき、当業者は、これらシリコーン油若しくは他の任意の添加剤のいずれかを及び/又はその量を、ここに記載される化粧品組成物の望ましい特性が保存できるように、選択することができる。
【0068】
一部の実施態様においては、Finsolve(C
12〜15安息香酸エステル)及び/又はPOE(PEG100ステアリン酸エステル又はPEG6000モノステアリン酸エステル)を含む乳濁液を用いることができる。例えば、一部の実施態様においては、先に考察したように、上記乳濁液組成物が、90%Finsolve(C
12〜15安息香酸エステル)及び10%POE(PEG100ステアリン酸エステル又はPEG6000モノステアリン酸エステル)からなる油相を約20〜約25%含み;ここで、該組成物の残りの約80〜約75%は、Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリウレタンポリマーを備える水系を含み、該ポリマーは、全乳濁液組成物の約4重量%を占める。かかる乳濁液は、ポリウレタンポリマーのボジャー様特性を保つことが示されている。再度、例1、
図1を参照されたい。これらの教示に基づき、当業者は、ポリエーテルポリウレタンポリマーを含み、自己平滑化等のボジャー様特性を有する追加の乳濁液配合物を提供するのに適当な量での他の油相成分を選択することができる。
【0069】
非限定的な乳化剤には、乳化蝋、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル、ポリオールのモノ−又はジ−エステル、モノ−ステアリン酸エチレングリコール、モノ−ステアリン酸グリセリン、ジ−ステアリン酸グリセリン、シリコーン含有乳化剤、大豆ステロール、アクリレート、ステアリン酸等の脂肪酸、脂肪酸塩、及びそれらの混合物が含まれる。好適な乳化剤には、大豆ステロール、ステアリン酸、乳化蝋、アクリレート、シリコーン含有乳化剤、及びそれらの混合物が含まれる。本発明の組成物に使用できる他の具体的な乳化剤としては、限定されないが、少しの例を挙げると、C
10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー;ジメチコンPEG−7イソステアレート、アクリルアミド共重合体;鉱油;ソルビタンエステル;ポリグリセリル−3−ジイソステアレート;モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン;モノステアリン酸グリセロール及びモノオレイン酸グリセロール等のグリセロールエステル;ポリオキシエチレンセチルエーテル及びポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンエーテル;ポリオキシエチレングリコールエステル;ポリオキシエチレンソルビタンエステル;ジメチコンコポリオール;ポリグリセリル−3−ジイソステアレート等のポリグリセリルエステル;ラウリン酸グリセリル;ステアレス−2、ステアレス−10、及びステアレス−20の一種以上が挙げられる。追加の乳化剤は、INCI成分辞書及びハンドブック第11版(2006年)に提供されており、その開示は、参照することによりここに組み込まれる。
【0070】
これら乳化剤は、典型的に、上記組成物中、約0.001重量%〜約10重量%の量で、特には約0.01重量%〜約5重量%の量で、より好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の量で存在する。
【0071】
シリコーン中水乳濁液は、例えば、米国特許第4,122,029号(その開示は、参照することによりここに組み込まれる)に記載されるものを含めて、ポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体等の非イオン界面活性剤(乳化剤)を用いて乳化されてもよい。これら乳化剤は、一般に、−(EO)
m−及び/又は−(PO)
n−基(ここで、EOはエチレンオキシであり、POは1,2−プロピレンオキシである)を備える側鎖を有するポリジオルガノシロキサン骨格、典型的にはポリジメチルシロキサンを含み、該側鎖は、典型的に水素又は低級アルキル基(例えばC
1〜6、典型的にはC
1〜3)によって蓋がかぶせられ又は末端処理されている。他の適切なシリコーン中水乳濁液は、米国特許第6,685,952号に開示されており、その開示は、ここで参照することによりここに組み込まれる。市販のシリコーン中水乳濁液には、3225C及び5225C FORMULATION AIDという商品名のDow Corningから入手可能なもの;General Electricから入手可能なSILICONE SF−1528;Goldschmidt Chemical Corporation(ホープウェル,VA)から入手可能なABIL EM 90及びEM 97;並びにOSI Specialties(ダンベリー,CT)によって販売される乳化剤のSILWETシリーズが挙げられる。
【0072】
シリコーン中水乳化剤の例としては、限定されないが、ジメチコンPEG10/15クロスポリマー、ジメチコンコポリオール、セチルジメチコンコポリオール、PEG−15ラウリルジメチコンクロスポリマー、ラウリルメチコンクロスポリマー、シクロメチコン及びジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオール(及び)カプリル/カプリン酸トリグリセリド、ポリグリセリル−4イソステアレート(及び)セチルジメチコンコポリオール(及び)へキシルラウレート、及びジメチコンコポリオール(及び)シクロペンタシロキサンが挙げられる。シリコーン中水乳化剤の好適例としては、限定しないが、PEG/PPG−18/18ジメチコン(商品名5225C,Dow Corning)、PEG/PPG−19/19ジメチコン(商品名BY25−337,Dow Corning)、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン(商品名Abil EM−90,Goldschmidt Chemical Corporation)、PEG−12ジメチコン(商品名SF1288,General Electric)、ラウリルPEG/PPG−18/18メチコン(商品名5200FORMULATION AID,Dow Corning)、PEG−12ジメチコンクロスポリマー(商品名9010及び9011シリコーンエラストマーブレンド,Dow Corning)、PEG−10ジメチコンクロスポリマー(商品名KSG−20,Shin−Etsu)、ジメチコンPEG−10/15クロスポリマー(商品名KSG−210,Shin−Etsu)、及びジメチコンPEG−7イソステアラートが挙げられる。
【0073】
シリコーン中水乳化剤は、上記組成物中、典型的には約0.001重量%〜約10重量%の量で、特には約0.01重量%〜約5重量%の量で、より好ましくは1重量%未満の量で存在する。当業者は、ここでの教示に基づき、これら乳化剤若しくは他の任意の添加剤のいずれかを及び/又はその量を、ここに記載される化粧品組成物の望ましい特性が保存できるように、選択することができる。
【0074】
ここで有用な乳濁液の油含有相は、該乳濁液の全重量に対して、重量で、典型的には約1%〜約75%、好ましくは約5%〜約50%、より好ましくは約20%〜約25%を含み、その水相は、全乳濁液の重量で、典型的には約25%〜約99%、好ましくは約50%〜約95%、より好ましくは約75%〜約80%を含む。上記水相は、重量で、典型的には約25%〜約100%、より典型的には約50%〜約95%、又は多くの場合には約40%〜約80%の水を含む。
【0075】
一部の好適な実施態様において、上記化粧品組成物は、例えばフィルム形成剤、ゴム、保存料、増粘剤、顔料分散体、蝋等を含めた、化粧品配合物に通常見られる1種以上の成分と組み合わせて、ポリウレタンポリマー、より好ましくはポリエーテル尿素ポリウレタンポリマーを含む自己平滑化マスカラである。かかる追加の成分は、マスカラ製品の自己平滑化作用を遅らせ、増強し及び/又はそれに影響を及ぼさないことができる。例えば、アルコールの存在は、その系の粘性を無いものとすることができ、組成物が自己平滑化する能力を低減する一方で、約0.1〜約2重量%、より好ましくは約0.1〜約1重量%のゴムの追加は、自己平滑化特性を破壊せず又は感知できるほどに若しくは有意に破壊せずに、組成物の全体の粘性を増大させることができる。ゴムは、限定されないが、キサンタンゴム、ナトリウムCMC、ステアリン酸、及び/又はトリエタノールアミンを含んでもよい。例えば、一部の実施態様においては、水/プロピレングリコール水系においてゴム約0.1〜約2重量%及びRheolate(登録商標)288のポリマー約2〜約6重量%を含む化粧品組成物が提供され、ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー約20重量%、水約40重量%、及びプロピレングリコール約40重量%を含む。一部の実施態様においては、水/プロピレングリコール水系においてゴム約0.1〜約2重量%及びRheolate(登録商標)288のポリマー約2〜約3重量%を含む化粧品組成物が提供され、ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー約30重量%、水約15重量%、及びプロピレングリコール約55重量%を含む。
【0076】
一部の実施態様において、上記化粧品組成物は、フィルム形成剤を含む。フィルム形成剤には、限定されないが、ポリウレタン及び(メタ)アクリレート共重合体が含まれる。例えば、一部の実施態様において、水/プロピレングリコール水系においてフィルム形成剤約1〜約20重量%及びRheolate(登録商標)288のポリマー約2〜約6重量%を含む化粧品組成物が提供され、ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー約20重量%、水約40重量%、及びプロピレングリコール約40重量%を含む。一部の実施態様において、水/プロピレングリコール水系においてフィルム形成剤約1〜約20重量%及びRheolate(登録商標)288のポリマー約2〜約3重量%を含む化粧品組成物が提供され、ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー約30重量%、水約15重量%、及びプロピレングリコール約55重量%を含む。
【0077】
一般的に、通常の化粧品配合剤を本発明の組成物中に組み込むことができる。しかしながら、不安定性をもたらすか又は製品組成物のレオロジーに悪影響を及ぼす可能性がある配合剤は、かかる組成物の困難を引き起こさない量でのみ存在すべきであり、好ましくは回避されるべきである。非相溶の可能性について、ボジャー流体ポリマーの水分散液と配合剤を混ぜることによって、最初に配合剤を選別することができる。例えば、10重量%のエチルアルコールは、水40%、ポリマー20%及びプロピレングリコール40%を含有する水性ポリマー系のボジャー様レオロジーに悪影響があることが観察された。従って、一の実施態様において、本発明の組成物は、ほんの少量のアルカノールを含み、例えば、重量で、一般的には約5%未満、約3%未満、好ましくは約1%未満、より好ましくは約0.1%未満である。他の実施態様において、上記組成物は、アルカノールを含有しないであろう。回避されるべきアルカノールは、典型的にC
1〜C
12アルコール、具体的にはC
1〜C
6アルコール、特にはエチルアルコール、プロピルアルコール、及びブチルアルコールである。
【0078】
また、例えば、pHが約5〜7で且つ重量平均分子量が約30,000〜50,000のポリビニルアルコール3重量%も、上述の水性ポリマー系のレオロジーに悪影響があることが決定された。従って、一の実施態様において、本発明の組成物は、ほんの少量のポリビニルアルコールを含み、例えば、重量で、一般的には約5%未満、約3%未満、好ましくは約1%未満、より好ましくは約0.1%未満である。当然ながら、化粧品分野において知られる方法を用いる追加の試験、例えば加速相安定性及びレオロジー測定も、完全な配合物が適切な安定性及びレオロジー特性を有することを確認するため、該組成物に対して行うべきである。
【0079】
従って、本発明の他の態様は、マスカラに自己平滑化特性を与えるための方法に関するものである。特定の実施態様において、上記方法は、従来のマスカラ配合物のアルコール含量を低減し、アルコールをほとんど含まない組成物を提供すること;及びここに記載されるポリウレタンポリマーを含む会合性増粘剤を加えることを含む。「アルコールをほとんど含まない」とは、組成物の全アルコール含量が、組成物の全重量に対して、重量で、例えば約1%未満、好ましくは約0.1%未満、より好ましくは約0.01%未満、より一層好ましくは約0.001%未満のアルコールであり、特にはゼロパーセントであることを意味する。許容可能なアルコールの割合は、アルコールそれ自体によって決まってもよく、例えば、エタノール含量は、約3重量%未満が好ましく;一方、ポリビニルアルコール含量は、約1重量%未満が好ましい。アルコール含量の低下は、ここに記載される会合性増粘剤が従来のマスカラ配合物に単純に加えられる場合に引き続いて起こる過度に低い粘度の問題を回避し、減らし及び/又は最小限にすることができる。
【0080】
アルコールをほとんど含まないマスカラ組成物に、一つ以上の測定可能なボジャー様特性を該組成物に与えるのに有効な量で、ポリウレタンポリマーを含む会合性増粘剤を加えてもよい。例えば、複数のせん断速度に亘ってアルコールをほとんど含まない組成物の一定又はほぼ一定の粘度を維持するのに有効な量で、ポリウレタンポリマーを加えてもよい。好ましくは、ここに記載されるように、マスカラ製品に自己平滑化特性を与えるための量で、ポリウレタンポリマーを加える。一部の好適な実施態様において、前述の組成物の全重量に対して、約0.01重量%〜約30重量%、約0.1重量%〜約25重量%、約0.5重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、又は約2〜約10重量%の量で与えるように、ポリウレタンポリマーを加える。
【0081】
マスカラは、例えば、ボリュームを出すマスカラとすることができ、それは、典型的に、高レベルの蝋を含み、典型的には10重量%以上含み、或いは、マスカラは、特徴付けするマスカラとすることができ、それは、典型的に、低レベルの蝋を含み、通常、10重量%未満、5重量%未満、又は更には1重量%未満の蝋を含み、一部の場合には、特徴付けするマスカラは、蝋を含まなくてもよい。一部の好適な実施態様において、上記アルコールをほとんど含まない組成物は、例えば、先に考察したように、米ぬか蝋、カルナバ蝋、オーリキュリー蝋、カンデリラ蝋、モンタン蝋、サトウキビ蝋、オゾケライト、ポリエチレン蝋、Fischer−Tropsch蝋、蜜蝋、植物蝋、微晶質蝋、シリコーン蝋、フッ素化蝋、及びそれらの任意の組み合わせを更に含む。
【0082】
一部の実施態様において、上記化粧品組成物は、顔料分散体を含む。例えば、上記化粧品組成物は、顔料Kobo GLW60GBAP及び/又はKobo GLW55GBAPを含んでもよい。これら顔料は、特定量で、本発明の組成物に関する一部の実施態様のボジャー様特性に影響を及ぼさず、或いは実質的に及び/又は有意に影響を及ぼさないことが示されている。先に考察したように、Kobo GLW60GBAPは、黒色顔料分散体であり、Kobo GLW55GBAPは、赤色顔料分散体であり、それぞれが酸化鉄、水、グリセリン、ポリアクリル酸アンモニウム及びメチルパラベンを含む。Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリウレタンポリマーを約3〜約5重量%含む水系は、約0.75〜約10重量%のKobo GLW55GBAP及び/又はKobo GLW60GBAPを加えた場合で、ボジャー様特性を維持する。例1、
図1を参照されたい。一部の特に好適な実施態様において、水/プロピレングリコール水系において顔料分散体約10〜約30重量%及びRheolate(登録商標)288からのポリマー約2〜約10重量%を含む化粧品組成物が提供され、ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー約20重量%、水約40重量%、及びプロピレングリコール約40重量%を含む。他の実施態様において、上記系は、水約15重量%、グリコール約55重量%、及びポリウレタンポリマー約30重量%を含む。これらの教示に基づき、当業者は、ポリエーテルポリウレタンポリマーを含み、自己平滑化等のボジャー様特性を有する追加の化粧品配合物を提供するのに適当な量の他の顔料及び/又は着色剤を選択することができる。
【0083】
他の着色剤としては、例えば、有機及び無機顔料並びに真珠光沢剤を挙げることができる。適切な無機顔料には、限定されないが、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウム、及び酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、フェリックブルー、並びに/或いは、それらの任意の組み合わせが含まれる。追加の着色剤には、例えば、限定されないが、D&C赤色3号、D&C赤色6号、D&C赤色7号、D&C赤色8号、D&C赤色9号、D&C赤色21号、D&C赤色22号、D&C赤色27号、D&C赤色28号、D&C赤色30号、D&C赤色33号、D&C赤色34号、D&C赤色36号、FD&C赤色40号、D&C黄色5号、FD&C黄色5号、FD&C黄色6号、D&C黄色10号、D&C緑色3号、D&C緑色5号、D&Cオレンジ色5号、FD&C青色1号、アナトー、銅粉、オキシ塩化ビスマス、グアニン、ブロンズ粉、酸化鉄、カーメル、マンガンバイオレット、カーマイン、マイカ、二酸化チタン被覆マイカ、カロチン、二酸化チタン、クロロフィリンカルシウム錯体、及び/又は、それらの任意の組み合わせが含まれる。適切な有機顔料には、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、並びにアルミニウムレーキ及びカーボンブラックが含まれる。適切な真珠光沢剤には、酸化チタン、酸化鉄又は天然顔料を用いて被覆したマイカが含まれる。
【0084】
本発明の各種実施態様の組成物は、当業者にとって明らかな他の化粧品活性体及び賦形剤を任意に含んでもよく、限定されるものではないが、充填剤、乳化剤、酸化防止剤、界面活性剤、キレート剤、ゲル化剤、増粘剤、皮膚軟化剤、保湿剤、加湿剤、ビタミン、ミネラル、粘性改質剤及び/又は追加のレオロジー改質剤、日焼け防止剤、角質溶解剤、脱色素剤、レチノイド、ホルモン化合物、アルファ−ヒドロキシ酸、アルファ−ケト酸、抗マイコバクテリア剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、鎮痛剤、脂質化合物、抗アレルギー剤、H1又はH2抗ヒスタミン剤、抗炎症薬、抗刺激剤、抗腫瘍薬、免疫系促進剤、免疫系抑制剤、抗にきび剤、麻酔薬、消毒剤、防虫剤、皮膚冷却化合物、皮膚保護剤、皮膚浸透促進剤、エクスフォリエント、潤滑油、香料、着色剤、脱色素剤、色素沈着低下剤、保存料(例えば、DMDM/ヒダントイン/ヨードプロピニルブチルカーボネート)、安定剤、医薬品、光安定剤、中和剤(例えば、トリエタノールアミン)、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0085】
増粘剤には、例えばセルロース系増粘剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロース系増粘剤;ゴム、例えばAmerchol社によって「Cellosize QP 4400H」という名で販売されるゴム;グアーガム、例えばUnipectine社によってVidogum GH 175という名で販売されるもの、及びMeyhall社によってJaguar Cという名で販売されるもの;Meyhall社によって「jaguar C−13−S」という名で販売される四級化グアーガム;例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基及びヒドロキシブチル基等のC
1〜C
6ヒドロキシアルキル基を備える非イオン性グアーガム、Meyhall社によってJaguar HP8、Jaguar HP60、Jaguar HP120及びJaguar HP105という商品名で又はAqualon社によってGalactasol 40H4FD2という名で販売されるグアーガム;キサンタンゴム、イナゴマメガム、スクレログルカンガム、ジェランガム、ラムザンガム、及びカラヤガム;アルギネート、マルトデキストリン、デンプン及びその誘導体、ヒアルロン酸及びその塩;クレー、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト及びラポナイト;Goodrich社からの「Carbopol」 製品等の架橋ポリアクリル酸;Hispano Quimica社又はGuardian社によって「Hispagel」又は「Lubragel」という名で販売されるポリグリセリル(メタ)アクリレートポリマー;ポリビニルピロリドン;Hoechst社によって「PAS 5161」若しくは「Bozepol C」又はSEPPIC社によって「Sepigel 305」という名で販売されるもの等の架橋アクリルアミドポリマー及びコポリマー;Allied Colloid社によって「Salcare SC95」という名で販売される架橋メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドホモポリマー等を挙げることができる。ここでの教示に基づき、当業者は、ここに記載される化粧品組成物の望ましい特性が保存されるように、これらの若しくは他の任意の添加剤のいずれかを及び/又はその量を選択することができる。
【0086】
また、上記組成物は、化粧品に通常使用される他の配合剤を含むこともできる。かかる配合剤は、特に、可塑剤、融合剤、充填剤、顔料又は染料等の色素、界面活性剤、保存料、油、加湿剤及び抗UV剤等の当該技術において周知の化粧剤から選択できる。
【0087】
各種充填剤及び追加の成分を加えてもよい。充填剤は、上記組成物の全重量に対して、通常約0重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する。適切な充填剤には、限定されず、シリカ、処理シリカ、タルク、ステアリン酸亜鉛、マイカ、カオリン、Orgasol
TM等のナイロン粉末、ポリエチレン粉末、テフロン
TM、リッチデンプン等のデンプン、窒化ホウ素、Expancel
TM(Nobel Industries)、Polytrap
TM(Dow Corning)及びシリコーン樹脂ミクロビーズ(ToshibaからのTospearl
TM)等の共重合体ミクロスフェア、ポリテトラフルオロエチレン等が含まれる。上記組成物が水性媒体中において提供される場合、充填剤は、水性媒体に適合するものが選択でき、特には、充填剤デンプン、タルク及びポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。また、油相、例えば蝋を含む化粧品組成物は、非水系に適した他の充填剤を使用することができる。
【0088】
上記組成物は、1種以上の麻酔薬、抗アレルギー薬、抗真菌剤、抗炎症薬、抗菌剤、防腐剤、キレート剤、皮膚軟化剤、乳化剤、香料、保湿剤、潤滑油、マスキング剤、薬剤、加湿剤、pH調整剤、保存料、保護剤、平滑剤、安定剤、日焼け防止剤、界面活性剤、増粘剤、粘性化剤、ビタミン、又はそれらの任意の組み合わせ等の他の配合剤を有してもよい。
【0089】
一の実施態様において、化粧品組成物の製造方法は、1種以上の化粧品配合剤を提供することと、前述の1種以上の化粧品配合剤をポリウレタンポリマーの水性分散液と組み合わせることとを含む。上記水性分散液は、水及びポリオールを含む。上記ポリウレタンポリマーは、典型的に会合性増粘剤であり、一の実施態様においては、(i)平均分子量が約500〜約20,000g/molの間にあるポリエーテルポリオール成分、(ii)ジイソシアネート、(iii)枝分れ脂肪族C
8〜36第一級アルコール、及び(iv)任意には前述のジイソシアネートと反応する2つの基と疎水性部分とを備える変性剤を含む混合物の反応に由来する。一の実施態様において、上記水分散液は、水約10〜20重量%、ポリウレタンポリマー約20〜40重量%、及びポリオール約50〜60重量%を含む。ポリオールは、限定されず、グリセリン又はプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコール、カプリリルグリコール等のC
3〜8グリコールとしてもよい。一の実施態様において、上記分散液は、水約15重量%、ポリウレタンポリマー約30重量%、及びプロピレングリコール約55重量%を含む。
【実施例】
【0090】
例1:ポリエーテルポリウレタン水系は、ボジャー様特性を有する
Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリウレタンポリマーを各種濃度で含む組成物を調製して調査した。固体(ポリマー)は、水中で1.0〜20.0重量%に及んだ。「A」は、水中4重量%のポリウレタンポリマーを含む組成物を表し、「E」は、水中5重量%のポリウレタンポリマーを含む組成物を表す。TA InstrumentsからのAR G2流動計を用いて、サンプル組成物を測定した。各測定に先立ち、サンプル組成物を装填し、該サンプル組成物が平衡に達するようにするため、5分間アイドリングさせた。次いで、粘度測定時、そのサンプルは、1e
−4s
−1〜1,000s
−1のせん断を受けた。円錐角2°の40mm円錐平板ジオメトリを測定に用いた。実験は、25℃にて行われた。
【0091】
1.0〜20.0重量%の濃度範囲において、上記組成物は、10
−4〜100s
−1のせん断速度(γ)範囲に亘って一定粘度の弾性流体として振舞った。4(組成物A)及び5(組成物E)重量%のポリマーの場合、せん断増粘化は非常にわずかであった(γの増加で、ηがわずかに増加した)。即ち、4重量%組成物では、約10
−4〜約1.5×10
−3s
−1のせん断速度範囲に亘ってせん断増粘化が非常にわずかであり、5重量%組成物では、約10
−4〜約2.5×10
−4s
−1のせん断速度範囲に亘ってせん断増粘化が非常にわずかであった。4及び5重量%組成物に関する代表的な結果を
図1に示す。
【0092】
Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリウレタンを異なる濃度で含む各種組成物に、追加成分を加え、該追加成分がボジャー様特性に影響を及ぼすかどうかについて決定した。3、4及び5重量%のポリマーを含む組成物のそれぞれについて、(a)0.75〜10重量%のKobo GLW60GBAP、酸化鉄、水、グリセリン、ポリアクリル酸アンモニウム及びメチルパラベンを含む黒色顔料分散液;(b)0.75〜10重量%のKobo GLW55GBAP、酸化鉄、水、グリセリン、ポリアクリル酸アンモニウム及びメチルパラベンを含む赤色顔料分散液;(c)90%Finsolve(C
12〜15安息香酸エステル)及び10%POE(PEG100ステアリン酸エステル又はPEG6000モノステアリン酸エステル)からなる油相25%;並びに(d)90%Finsolve(C
12〜15安息香酸エステル)及び10%POE(PEG100ステアリン酸エステル又はPEG6000モノステアリン酸エステル)からなる油相20%のそれぞれを加えた場合で、一定のη挙動を取り続けることが分かった。(c)及び(d)は両方とも、Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリウレタンポリマーを含む水相がそれぞれ(c)75%又は(d)80%である乳濁液を表し、該ポリマーは、全乳濁液組成物の4重量%を構成する。これら追加成分を含む4及び5重量%組成物の代表的な結果も
図1に示す。ここで、「B」及び「F」は、それぞれ4及び5重量%ポリウレタンポリマー水系を表し、それぞれが10重量%のKobo GLW60GBAP、黒色顔料分散液を更に含む。「C」は、4重量%ポリウレタンポリマー水系を表し、0.75重量%のKobo GLW55GBAP、赤色顔料分散液を更に含む。「D」は、80%水相及び20%油相を有する乳濁液を表し、ここで、油相は、90%Finsolve(C
12〜15安息香酸エステル)及び10%POE(PEG100ステアリン酸エステル又はPEG6000モノステアリン酸エステル)を含み、水相は、Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリウレタンポリマーを含んでおり、該ポリマーは、全乳濁液組成物の4重量%を構成する。
【0093】
上記結果は、Rheolate(登録商標)288からのポリウレタンポリマーが、ボジャー様流体として作用することができ、例えば、水系、顔料分散液系、及び油/水乳濁液においてそのレオロジー挙動を保つことを示し、該ポリマーが、水系、顔料分散液系、及び水中油又は油中水乳濁液系を含む化粧品配合物にボジャー様特性を与えることができることを示唆する。
【0094】
例2:ボジャー流体を含有するマスカラは、自己平滑化特性を示す
Rheolate(登録商標)288(レオレート)からのポリエーテルポリウレタンポリマーを含むマスカラ組成物が、水中に該ポリマー5重量%及び酸化鉄分散液30重量%を含有するように、調製された。特に、水45gに、アクリレート共重合体中における酸化鉄30gと、水/プロピレングリコール水系中にRheolate(登録商標)288からのポリマーを含むポリマー/水系25gを加えた。ここで、ポリマー/水系それ自体は、ポリマー20重量%、水40重量%、及びプロピレングリコール40重量%を含んだ。
【0095】
マスカラ塗布器5行程によって、上記組成物を一組のつけ睫毛に塗布した。マスカラの初期塗布(時間=0分)を受けてすぐに該睫毛を撮影し、3分後(時間=3分)に再び撮影した。その結果を
図2に描く。
【0096】
レオレートで被覆した睫毛と従来のマスカラで被覆したものの観察によって、レオレートの自己平滑化特性が実証された。第一に、時間=0分での写真は、レオレートが、初期塗布時でさえも個々の睫毛に滑らかで均一な被膜を提供することを示す。第二に、時間=3分での写真は、従来のマスカラにより予期されたものとの更に劇的な差異を示す。ここに示されるマスカラ組成物(レオレート)で被覆した睫毛上にあるどんな初期凝集塊も伸ばされ、凝集塊を低減し、初期被膜と比較して滑らかな表面を有する被膜を提供する。上記睫毛は、平らで均一に塗布されたように見え、従来のマスカラを用いて得たものと比較して、凝集塊のない滑らか且つきれいな自然の外観を提供する。これらの結果は、ここに記載される組成物が、睫毛に滑らかな化粧品フィルムを塗布するための自己平滑化する抗凝集マスカラとしての使用を見出すことができることを示唆する。
【0097】
例3:例示化粧品配合物
以下、表1において、マスカラ用としての、Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリウレタンポリマーを含む例示化粧品組成物を提供する(配合物1〜5)。全ての濃度は、特に指定のない限り、全組成物の重量百分率に基づいている。配合物「0」は、ここで教示した自己平滑化活性体を欠く従来のマスカラ配合物の代表である。上記組成物は、それぞれポリマー20重量%、水40重量%及びプロピレングリコール40重量%のポリマー/水系を含んでおり、組成物の全重量に対して5%のポリウレタンポリマー(自己平滑化活性体)を含む組成物を提供する。
【0098】
【表1】
【0099】
例4:例示化粧品配合物
以下、表2において、マスカラ用としての、Rheolate(登録商標)288からのポリエーテルポリウレタンポリマーを含む他の例示化粧品組成物を提供する(配合物6)。全ての濃度は、特に指定のない限り、全組成物の重量百分率に基づいている。上記組成物は、ポリマー30重量%、水15重量%及びプロピレングリコール55重量%のポリマー/水系を含んでおり、自己平滑化活性体としてポリウレタンポリマー2.5%を有する組成物を提供する。
【0100】
【表2】
【0101】
本願及びここに引用した刊行物を含めた全ての参考文献は、個々の刊行物又は特許又は特許出願それぞれがあらゆる目的のためにその全体が参照することにより組み込まれることを一つ一つ明確に示すのと同程度の目的で、その全体が参照することによりここに組み込まれる。当業者に明らかなように、本発明の多くの変更及び変化は、その精神及び範囲から逸脱することなく、行われ得る。ここに記載された特定の実施態様は、ほんの一例として提供したものであり、本発明は、特許請求の範囲の表現によってのみ限定されるものであり、加えて、かかる特許請求の範囲は、同等物の全範囲にも権利を与える。
(付記)
(1)滑らかな化粧品フィルムを睫毛に付与するための方法であって、
ケラチン繊維の幹部上にフィルムを形成することが可能な会合性増粘剤を含む組成物によって、前記睫毛上に初期被膜を形成することと、該被膜が自己平滑化し、凝集塊を低減し、前記初期被膜と比較して滑らかな表面を有する被膜を提供することとを含み、
前記会合性増粘剤が、(i)平均分子量が約500〜約20,000g/molの間にあるポリエーテルポリオール成分、(ii)ジイソシアネート、(iii)枝分れ脂肪族C8〜36第一級アルコール、及び(iv)任意には前記ジイソシアネートと反応する2つの基と疎水性部分とを備える変性剤を含む混合物の反応に由来するポリウレタンポリマーを含む、方法。
(2)前記ポリウレタンポリマーが、ポリエーテル尿素ポリウレタンポリマーを含む、(1)に記載の方法。
(3)前記組成物が、0.1重量%未満のアルコールを更に含む、(1)に記載の方法。
(4)前記組成物が、蝋を更に含む、(1)に記載の方法。
(5)前記組成物が、水性媒体を更に含む、(1)に記載の方法。
(6)前記水性媒体が、プロピレングリコールを含む、(5)に記載の方法。
(7)前記組成物が、水中油又は油中水乳濁液を更に含む、(1)に記載の方法。
(8)前記ポリマーが、前記組成物の全重量に対して約0.01〜約30重量%の量である、(1)に記載の方法。
(9)前記ポリマーが、前記組成物の全重量に対して約2〜約10重量%の量である、(8)に記載の方法。
(10)前記組成物が、マスカラである、(1)に記載の方法。
(11)マスカラに自己平滑化特性を与えるための方法であって、
(i)平均分子量が約500〜約20,000g/molの間にあるポリエーテルポリオール成分、(ii)ジイソシアネート、(iii)枝分れ脂肪族C8〜36第一級アルコール、及び(iv)任意には前記ジイソシアネートと反応する2つの基と疎水性部分とを備える変性剤を含む混合物の反応に由来するポリウレタンポリマーを含む会合性増粘剤が含まれるように、前記マスカラを配合することを含み、
前記マスカラが、アルコールをほとんど含まない組成物となるような量のアルコールを含有しており、
前記ポリウレタンポリマーが、前記アルコールをほとんど含まない組成物の粘度を複数のせん断速度に亘って一定又はほぼ一定に維持するのに有効な量で加えられる、方法。
(12)前記ポリウレタンポリマーが、ポリエーテル尿素ポリウレタンポリマーを含む、(11)に記載の方法。
(13)前記ポリマーが、前記組成物の全重量に対して0.01重量%〜30重量%の量である、(11)に記載の方法。
(14)前記ポリマーが、前記組成物の全重量に対して2重量%〜10重量%の量である、(13)に記載の方法。
(15)前記マスカラが、蝋を更に含む、(11)に記載の方法。
(16)前記水性媒体が、プロピレングリコールを含む、(5)に記載の方法。
(17)前記組成物が、水中油又は油中水乳濁液を更に含む、(1)に記載の方法。
(18)化粧品組成物を製造する方法であって、前記化粧品組成物に、(i)平均分子量が約500〜約20,000g/molの間にあるポリエーテルポリオール成分、(ii)ジイソシアネート、(iii)枝分れ脂肪族C8〜36第一級アルコール、及び(iv)任意には前記ジイソシアネートと反応する2つの基と疎水性部分とを備える変性剤を含む混合物の反応に由来するポリウレタンポリマーの水性ポリオール中での分散液を組み込むことを含む、方法。
(19)前記分散液が、水約10重量%〜約60重量%、ポリウレタンポリマー約10重量%〜約40重量%、及びポリオール約10重量%〜約70重量%を含む、(18)に記載の方法。
(20)前記ポリオールが、グリセリン若しくはC3〜8グリコール又はそれらの組み合わせから選択される、(19)に記載の方法。
(21)前記ポリオールが、プロピレンを含む、(20)に記載の方法。
(22)前記分散液が、水約15重量%、ポリウレタンポリマー約30重量%、及びプロピレングリコール約55重量%を含む、(21)に記載の方法。
(23)前記分散液が、水約40重量%、ポリウレタンポリマー約20重量%、及びプロピレングリコール約10重量%を含む、(21)に記載の方法。