特許第5918891号(P5918891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5918891
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】記念アルバムの掲載システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20160428BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06F17/30 120A
   G06F17/30 170B
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-192668(P2015-192668)
(22)【出願日】2015年9月30日
【審査請求日】2016年1月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514312457
【氏名又は名称】千株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080768
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 実
(72)【発明者】
【氏名】千葉 伸明
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−021191(JP,A)
【文献】 特開2007−133726(JP,A)
【文献】 特開2003−333486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定年数を履修期間とする教育機関の行事を撮影した多数の撮影写真を、該教育機関の識別情報および撮影年度の情報を含む第1認証キーと対応づけて、第1データベースとして記憶する第1記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と前記第1認証キーとをインターネットを介して受信したときに、前記第1データベースの中から該第1認証キーが対応づけられた撮影写真を検索する撮影写真検索手段と、
前記撮影写真検索手段で検索された撮影写真を、前記ユーザ端末に対してインターネットを介して送信する撮影写真送信手段と、
前記送信した撮影写真の中から少なくとも一部の撮影写真を購入するための操作が前記ユーザ端末で実行されたときに、該購入対象となる撮影写真を、前記第1認証キーおよび前記ID情報と対応づけて第2データベースとして記憶する第2記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と共に前記購入写真の閲覧要求を受信したときに、前記第2データベースの中から該受信したID情報と対応づけられている購入写真を検索する購入写真検索手段と、
前記購入写真検索手段で検索された購入写真を、前記ユーザ端末に送信する購入写真送信手段と、
教育機関から発行される写真集としての記念アルバムと、該記念アルバムを発行した教育機関の識別情報および発行年度の情報を含む第2認証キーとが入力されたとき、該第2認証キーを前記第2データベースに含まれる前記第1認証キーと照合して、該第2認証キーに含まれる発行年度に対応した撮影年度の情報を有するID情報を検索するID情報検索手段と、
前記第2データベースのうち前記ID情報検索手段で検索された全てのID情報について、前記入力された前記記念アルバムを対応づけて記憶、更新して、前記撮影写真検索手段で検索される撮影写真として該記念アルバムが含まれるようにする更新手段と、
を備えていることを特徴とする記念アルバムの掲載システム。
【請求項2】
所定年数を履修期間とする教育機関の行事を撮影した多数の撮影写真を、該教育機関の識別情報および撮影年度の情報を含む第1認証キーと対応づけて、第1データベースとして記憶する第1記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と前記第1認証キーとをインターネットを介して受信したときに、前記第1データベースの中から該第1認証キーが対応づけられた撮影写真を検索する撮影写真検索手段と、
前記撮影写真検索手段で検索された撮影写真を、前記ユーザ端末に対してインターネットを介して送信する撮影写真送信手段と、
前記送信した撮影写真の中から少なくとも一部の撮影写真を購入するための操作が前記ユーザ端末で実行されときに、該購入対象となる撮影写真を、前記第1認証キーおよび前記ID情報と対応づけて第2データベースとして記憶する第2記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と共に前記購入写真の閲覧要求を受信したときに、前記第2データベースの中から該受信したID情報と対応づけられている購入写真を検索する購入写真検索手段と、
前記購入写真検索手段で検索された購入写真を、前記ユーザ端末に送信する購入写真送信手段と、
教育機関から発行される写真集としての記念アルバムを、該記念アルバムを発行した教育機関の識別情報および発行年度の情報を含む第2認証キーと対応づけて第3データベースとして記憶した第3記憶手段と、
前記記念アルバムを発行した教育機関の識別情報および発行年度の情報を含む第2認証キーとが入力されたとき、該第2認証キーを前記第2データベースに含まれる前記第1認証キーと照合して、該第2認証キーに含まれる発行年度に対応した撮影年度の情報を有するID情報を検索するID情報検索手段と、
前記第2データベースのうち前記ID情報検索手段で検索された全てのID情報について、前記入力された前記記念アルバムを対応づけて記憶、更新して、前記撮影写真検索手段で検索される撮影写真として該記念アルバムが含まれるようにする更新手段と、
を備えていることを特徴とする記念アルバムの掲載システム。
【請求項3】
所定年数を履修期間とする教育機関の行事を撮影した多数の撮影写真を、該教育機関の識別情報および撮影年度の情報を含む第1認証キーと対応づけて、第1データベースとして記憶する第1記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と前記第1認証キーとをインターネットを介して受信したときに、前記第1データベースの中から該第1認証キーが対応づけられた撮影写真を検索する撮影写真検索手段と、
前記撮影写真検索手段で検索された撮影写真を、前記ユーザ端末に対してインターネットを介して送信する撮影写真送信手段と、
前記送信した撮影写真の中から少なくとも一部の撮影写真を購入するための操作が前記ユーザ端末で実行されときに、該購入対象となる撮影写真を、前記第1認証キーおよび前記ID情報と対応づけて第2データベースとして記憶する第2記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と共に前記購入写真の閲覧要求を受信したときに、前記第2データベースの中から該受信したID情報と対応づけられている購入写真を検索する購入写真検索手段と、
前記購入写真検索手段で検索された購入写真を、前記ユーザ端末に送信する購入写真送信手段と、
教育機関から発行される写真集としての記念アルバムを、該記念アルバムを発行した教育機関の識別情報および発行年度の情報を含む第2認証キーと対応づけて第3データベースとして記憶した第3記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と前記第2認証キーを受信したときに、受信した第2認証キーが前記第3データベース中に記憶されている第2認証キーと一致することを条件として、該受信したID情報について前記記念アルバムを対応づけて記憶、更新して、前記撮影写真検索手段で検索される撮影写真として該記念アルバムが含まれるようにする更新手段と、
を備えていることを特徴とする記念アルバムの掲載システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記記念アルバムが卒業アルバムとされている、ことを特徴とする記念アルバムの掲載システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2において、
教育機関の履修期間が特定の複数年とされて、前記第1認証キーが該教育機関で履修している全ての履修生に共通用として1年毎に相違するものとして設定され、
前記ID情報検索手段は、前記第2認証キーに含まれる発行年度を最終年度として前記特定の複数年に対応した複数の第1認証キーを有するID情報を検索する、
ことを特徴とする記念アルバムの掲載システム。
【請求項6】
請求項1または請求項2において、
教育機関の履修期間が特定の複数年とされて、前記第1認証キーが、該教育機関で履修している履修生の学年毎に相違するようにかつ1年毎に相違するように設定され、
前記ID情報検索手段は、前記第2認証キーに含まれる発行年度を最終学年とする前記第1認証キーを有するID情報を検索する、
ことを特徴とする記念アルバムの掲載システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記記念アルバムが、周年行事についての写真集となるイヤーアルバムとされている、ことを特徴とする記念アルバムの掲載システム。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記各認証キーが、符号化した符号形式とされ、
符号形式とされた前記各認証キーとこれに対応する教育機関名の情報および年度の情報とを対応づけて第4データベースとして記憶した第4記憶手段をさらに備えている、
ことを特徴とする記念アルバムの掲載システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記念アルバムの掲載システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
写真をアルバムに収録して保存することが個人的に行われている。アルバムに収録された写真は、時間の経過と共に劣化し、鮮明な写真として残すことが難しいものである。このため、写真の電子データを、パソコンなどの記憶媒体に記憶させることも行われている。
【0003】
ところで、最近では、教育機関例えば幼稚園等において、運動会や文化祭等の行事がある毎に、行事が行われる場所に撮影の専門家が出向いて数多くの写真を撮影すると共に、この数多くの撮影写真(撮影された写真)を所定のホームページを通して閲覧、購入できるようなシステムが実用化されている。すなわち、教育機関の履修生は、インターネットを介して上記所定のホームページにアクセスして、撮影写真を閲覧し、気に入った撮影写真を購入できるようにしたシステムが実用化されている。
【0004】
上記システムの場合、ユーザとなる関係者(教育機関の履修生やその親、教員等)のみが閲覧購入できるように、撮影写真には、教育機関の識別情報と撮影年度に関する情報とを含む認証キーを対応づけて第1データベースとして記憶しておき、閲覧、購入する際には、ユーザがそのID情報(ユーザの識別情報)と共に認証キーを入力することを条件として、撮影写真の閲覧、購入が可能となるようにしてある。
【0005】
上記のようにして購入された撮影写真つまり購入写真は、購入したユーザのID情報と対応づけられた状態で第2データベースとして記憶される。そして、ユーザが、購入写真の閲覧要求をした場合は、少なくともユーザのID情報の入力を条件として、上記第2データベースとして記憶されている購入写真のうち、入力されたID情報に対応づけられた購入写真を閲覧可能としている。つまり、ユーザは、閲覧可能な購入写真を、ユーザ毎に専用のデータベースとして外部に構築している状態を得ることができる。このようなシステムにより、各ユーザ(各個人)は、自分で撮影写真の管理を行うことが不要となり、インターネットに接続できる環境にあれば、ユーザは購入写真をどこでも自由に閲覧することが可能となる。
【0006】
なお、認証キーを利用したアクセス制限等は、例えば特許文献1、特許文献2に記載のものがあるが、いずれも、撮影写真の購入とは無関係なものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−112381号公報
【特許文献2】特開2009−238220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、教育機関においては、写真集となる各種の記念アルバムを発行することがある。例えば、履修生の卒業毎に記念アルバムとして卒業アルバムが発行され、また例えば創立20周年記念等にはイヤーアルバムが発行される。このような記念アルバムは、履修生あるいは履修生であった者全員を対象として有料でもって発行されるが、通常は手渡しあるいは家庭への宅配便等による配送によって行われる。
【0009】
上記のように、手渡しや配送でもって渡される記念アルバムは、その関係者にとっては思い出深いものとなるが、前述したインターネットを介して購入した購入写真とは無関係な存在となる。すなわち、前述した購入写真をインターネットを介して閲覧しても、思い出深い記念アルバムは閲覧対象として含まれないものとなっていた。
【0010】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、購入写真をインターネットを介して自由に閲覧できる各個人専用のデータベース中に、記念アルバムを含ませることのできるようにした記念アルバムの掲載システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
所定年数を履修期間とする教育機関の行事を撮影した多数の撮影写真を、該教育機関の識別情報および撮影年度の情報を含む第1認証キーと対応づけて、第1データベースとして記憶する第1記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と前記第1認証キーとをインターネットを介して受信したときに、前記第1データベースの中から該第1認証キーが対応づけられた撮影写真を検索する撮影写真検索手段と、
前記撮影写真検索手段で検索された撮影写真を、前記ユーザ端末に対してインターネットを介して送信する撮影写真送信手段と、
前記送信した撮影写真の中から少なくとも一部の撮影写真を購入するための操作が前記ユーザ端末で実行されたときに、該購入対象となる撮影写真を、前記第1認証キーおよび前記ID情報と対応づけて第2データベースとして記憶する第2記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と共に前記購入写真の閲覧要求を受信したときに、前記第2データベースの中から該受信したID情報と対応づけられている購入写真を検索する購入写真検索手段と、
前記購入写真検索手段で検索された購入写真を、前記ユーザ端末に送信する購入写真送信手段と、
教育機関から発行される写真集としての記念アルバムと、該記念アルバムを発行した教育機関の識別情報および発行年度の情報を含む第2認証キーとが入力されたとき、該第2認証キーを前記第2データベースに含まれる前記第1認証キーと照合して、該第2認証キーに含まれる発行年度に対応した撮影年度の情報を有するID情報を検索するID情報検索手段と、
前記第2データベースのうち前記ID情報検索手段で検索された全てのID情報について、前記入力された前記記念アルバムを対応づけて記憶、更新して、前記撮影写真検索手段で検索される撮影写真として該記念アルバムが含まれるようにする更新手段と、
を備えているようにしてある。
【0012】
上記第1の解決手法によれば、記念アルバムが、購入写真のリストとなる第2データベース中に追加されて、購入写真を閲覧したときには記念アルバムも合わせて閲覧することができる。また、第2認証キーと記念アルバムを入力するという1回の操作でもって、多くのユーザについて第2データベース中に記念アルバムを追加することができる。
【0013】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、請求項2に記載のように、
所定年数を履修期間とする教育機関の行事を撮影した多数の撮影写真を、該教育機関の識別情報および撮影年度の情報を含む第1認証キーと対応づけて、第1データベースとして記憶する第1記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と前記第1認証キーとをインターネットを介して受信したときに、前記第1データベースの中から該第1認証キーが対応づけられた撮影写真を検索する撮影写真検索手段と、
前記撮影写真検索手段で検索された撮影写真を、前記ユーザ端末に対してインターネットを介して送信する撮影写真送信手段と、
前記送信した撮影写真の中から少なくとも一部の撮影写真を購入するための操作が前記ユーザ端末で実行されときに、該購入対象となる撮影写真を、前記第1認証キーおよび前記ID情報と対応づけて第2データベースとして記憶する第2記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と共に前記購入写真の閲覧要求を受信したときに、前記第2データベースの中から該受信したID情報と対応づけられている購入写真を検索する購入写真検索手段と、
前記購入写真検索手段で検索された購入写真を、前記ユーザ端末に送信する購入写真送信手段と、
前記記念アルバムを発行した教育機関の識別情報および発行年度の情報を含む第2認証キーと対応づけて第3データベースとして記憶した第3記憶手段と、
教育機関から発行される写真集としての記念アルバムと、該記念アルバムを発行した教育機関の識別情報および発行年度の情報を含む第2認証キーとが入力されたとき、該第2認証キーを前記第2データベースに含まれる前記第1認証キーと照合して、該第2認証キーに含まれる発行年度に対応した撮影年度の情報を有するID情報を検索するID情報検索手段と、
前記第2データベースのうち前記ID情報検索手段で検索された全てのID情報について、前記入力された前記記念アルバムを対応づけて記憶、更新して、前記撮影写真検索手段で検索される撮影写真として該記念アルバムが含まれるようにする更新手段と、
を備えているようにしてある。
【0014】
上記第2の解決手法によれば、記念アルバムが、購入写真のリストとなる第2データベース中に追加されて、購入写真を閲覧したときには記念アルバムも合わせて閲覧することができる。、また、第3データベース中に記念アルバムを含ませておくことにより、記念アルバムの情報を別途有しない状況でも、任意の箇所で第2認証キーを入力するという簡単な操作でもって、多くのユーザについて第2データベース中に記念アルバムを追加することができる。
【0015】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第3の解決手法を採択してある。すなわち、請求項3に記載のように、
所定年数を履修期間とする教育機関の行事を撮影した多数の撮影写真を、該教育機関の識別情報および撮影年度の情報を含む第1認証キーと対応づけて、第1データベースとして記憶する第1記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と前記第1認証キーとをインターネットを介して受信したときに、前記第1データベースの中から該第1認証キーが対応づけられた撮影写真を検索する撮影写真検索手段と、
前記撮影写真検索手段で検索された撮影写真を、前記ユーザ端末に対してインターネットを介して送信する撮影写真送信手段と、
前記送信した撮影写真の中から少なくとも一部の撮影写真を購入するための操作が前記ユーザ端末で実行されときに、該購入対象となる撮影写真を、前記第1認証キーおよび前記ID情報と対応づけて第2データベースとして記憶する第2記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と共に前記購入写真の閲覧要求を受信したときに、前記第2データベースの中から該受信したID情報と対応づけられている購入写真を検索する購入写真検索手段と、
前記購入写真検索手段で検索された購入写真を、前記ユーザ端末に送信する購入写真送信手段と、
教育機関から発行される写真集としての記念アルバムを、該記念アルバムを発行した教育機関の識別情報および発行年度の情報を含む第2認証キーと対応づけて第3データベースとして記憶した第3記憶手段と、
ユーザ端末からそのID情報と前記第2認証キーを受信したときに、受信した第2認証キーが前記第3データベース中に記憶されている第2認証キーと一致することを条件として、該受信したID情報について前記記念アルバムを対応づけて記憶、更新して、前記撮影写真検索手段で検索される撮影写真として該記念アルバムが含まれるようにする更新手段と、
を備えているようにしてある。
【0016】
上記解決手法によれば、記念アルバムが、購入写真のリストとなる第2データベース中に追加されて、購入写真を閲覧したときには記念アルバムも合わせて閲覧することができる。また、記念アルバムを第2データベース中に追加するか否かを、ユーザ個人毎に選択させることができる。
【0017】
前記各解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項4以下に記載のとおりである。
【0018】
前記記念アルバムが卒業アルバムとされている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、記念アルバムとしてもっとも一般的な卒業アルバムを第2データベース中に追加することができる。
【0019】
教育機関の履修期間が特定の複数年とされて、前記第1認証キーが該教育機関で履修している全ての履修生に共通用として1年毎に相違するものとして設定され、
前記ID情報検索手段は、前記第2認証キーに含まれる発行年度を最終年度として前記特定の複数年に対応した複数の第1認証キーを有するID情報を検索する、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、第1認証キーの数を極力少なくする上で好ましいものとなる。
【0020】
教育機関の履修期間が特定の複数年とされて、前記第1認証キーが、該教育機関で履修している履修生の学年毎に相違するようにかつ1年毎に相違するように設定され、
前記ID情報検索手段は、前記第2認証キーに含まれる発行年度を最終学年とする前記第1認証キーを有するID情報を検索する、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、記念アルバムを追加すべきID情報を簡単に検索する上で好ましいものとなる。
【0021】
前記記念アルバムが、周年行事についての写真集となるイヤーアルバムとされている、ようにしてある(請求項7対応)。この場合、イヤーアルバムを第2データベース中に追加することができる。
【0022】
前記各認証キーが、符号化した符号形式とされ、
符号形式とされた前記各認証キーとこれに対応する教育機関名の情報および年度の情報とを対応づけて第4データベースとして記憶した第4記憶手段をさらに備えている、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、ある認証キーがどの教育機関のものであるか等を、不特定多数の者に知られないようにする上で好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、購入写真をインターネットを介して自由に閲覧できる各個人専用のデータベース中に、記念アルバムを含ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明システムの全体の概略を示す系統図。
図2】毎年発行される第1認証キーの一例を示す図。
図3】販売用の撮影写真を記憶した第1データベースの一例を示す図。
図4】購入した撮影写真を記憶した第2データベースの一例を示す図。
図5】撮影写真を購入する際の制御例を示すフローチャート。
図6】購入した撮影写真を閲覧する際の制御例を示すフローチャート。
図7】記念アルバムを第2データベースに追加する制御例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明システムの全体系統図を簡略的に示すものであり、以下本発明システムの概略について説明する。まず、教育機関としてある特定の中学校Aが示され、その履修期間(卒業までに必要な年数)は3年間とされている。中学校Aが各種行事を行う際、例えば文化祭や運動会、宿泊を伴う林間学校や臨界学校等を行う場合に、後述するサーバ装置1を管理する管理会社から、写真撮影の専門家が派遣されて、行事が行われているときに多くの写真を撮影する。撮影された多くの写真(撮影写真)は、後述するように、中学校Aの履修生(生徒)が購入できるように、第1データベースとしてサーバ装置1の記憶手段(例えばハードディスク)に記憶される。なお、サーバ装置1においてデータベース等として処理される撮影写真や購入写真は全て電子データ(例えばJPEG形式)でもって行われる。
【0026】
ユーザ(特に中学校Aの生徒)は、ユーザ端末2を操作することにより、インターネットを介してサーバ装置1にアクセスして、第1データベース中の撮影写真の中から好みの撮影写真を購入可能とされる。購入した撮影写真は、スマートアルバムとしてユーザ個人別に第2データベースとしてサーバ装置1に記憶、管理される。ユーザは、ユーザ端末2からインターネットを介してサーバ装置1にアクセスして、スマートアルバムとして記憶されている購入写真を自由に閲覧可能とされる。
【0027】
中学校Aは、毎年誕生する卒業生に対して、写真集としての卒業アルバムを発行する。この卒業アルバムは、サーバ装置1の管理会社が作成し、中学校Aから卒業生に対して手渡しあるいは配送される。学校の依頼を受けた上記管理会社が、卒業アルバムを卒業生に対する配送手続き(の代理)を行う場合もある。
【0028】
上記卒業アルバムは、有料でもって卒業生に渡されることになる。そして、卒業アルバムは、前述した購入写真を自由に閲覧できる第2データベース中には含まれない存在とされる。本発明システムでは、後述するように、第1認証キーと第2認証キーとを利用して、上記第2データベース中に卒業アルバム(の電子データ)を追加でもって記憶させるようにしてある。
【0029】
次に、認証キーについて説明する。まず、中学校Aは、毎年度(学年単位での年度で、例えば4月1日から翌年の3月31日までを1年度として設定する)毎に、第1認証キーを発行する(生徒に知らせる)。この第1認証キーは、実施形態では、各学年共通用とされている。第1認証キーは、少なくとも中学校Aを特定する識別情報とその発行年度の情報とを含むものとされている。
【0030】
第1認証キーの設定例について、図2を参照しつつ説明する。まず、ユーザとしてのある特定の生徒(履修生)を識別する個人識別情報が、例えばIDAとして示される。なお、別の生徒については、個人識別情報がIDB、IDC・・・というように付される。このIDAの識別情報を有する生徒は、第1学年のときには例えばK1Aという第1認証キーが付与され(例えば2012年度に対応)、第2学年では別の第1認証キーK1Bが付与され(例えば2013年度に対応)、第2学年ではさらに別の第1認証キーK1C(例えば2014年度に対応)が付与される。すなわち、IDAで識別される生徒は、在学中にK1A〜K1Cの3つの異なる第1認証キーが付与されることになる。このことは、他の生徒についても同じであるが、同じ年度あれば、第1認証キーは全学年共通とされる。この第1認証キーおよび後述する第2認証キーには、教育機関の履修年数(中学校Aの場合の履修年数は3年)に関する情報をも含むようにしてある。
【0031】
次に、販売用の撮影写真(のデータ)を記憶した第1データベースについて、図3を参照しつつ説明する。図3中左欄は、第1認証キーの区別である。第1認証キーの欄の右隣欄が、中学校Aで行われた行事を識別する欄である(行事1、行事2・・・等で区別)。そして、各行事毎に、撮影写真が対応づけて記憶されている。例えば、第1認証キーがK1Aで、行事1については、撮影写真PA1、PA2、PA3・・・というように記憶される。また、例えば第1認証キーK1Bについては、行事2の撮影写真として、PE1、PE2、PE3・・・といように対応づけて記憶されている。
【0032】
図4は、図3に示すような態様で記憶されている第1データベース中の撮影写真の中から、ユーザが好みの撮影写真を選択して購入したときにサーバ装置1において作成される第2データベースの一例を示す。撮影写真の購入の際には、ユーザは、ユーザ端末2を操作して、自分のID情報と第1認証キーとの入力が条件とされる。これにより、第2データベースは、購入された撮影写真について、撮影写真を購入したユーザのID情報と入力された第1認証キーとを対応づけて、図4のようなデータベースを作成する。図4では、例えばIDAという個人識別情報を有するユーザが、第1認証キーとしてK1A〜K1Cの3つの第1認証キーを有し、各第1認証キーに対応する各行事についてある枚数の撮影写真を購入した内容となっている。すなわち、例えば第1認証キーK1A(2012年度対応)には、ユーザが、行事1について撮影写真PA1、PA4を購入しているが、PA2、PA3は購入していない、という内容になっている。
【0033】
中学校Aを新たに卒業する卒業生に対する卒業アルバムが発行されると、この卒業アルバムに対して、第2認証キーが対応づけられて付与される。第2認証キーは、少なくとも、中学校Aを特定するための識別情報の他、卒業アルバムの発行年度(つまり例えば2014年度卒業生用というように、何年度の卒業生用かを示す年度)の識別情報を含むものとなっている。
【0034】
卒業アルバムの第2データベース中への追加の処理が、例えば次のようにして行われる。まず、管理会社が、サーバ装置1に対して、卒業アルバム(の電子データ)と第2認証キーとを入力する。サーバ装置1は、入力された第2認証キーを、第2データベースに記憶されている第1認証キーと照合して、第2認証キーが有する卒業アルバムの発行年度に対応したID情報(つまり卒業性となる生徒のID情報)を全て検索する。実施形態の場合、履修年数が3年間であるから、例えば卒業アルバムが2014年度において第3学年となる卒業生用であれば、図4に示すような第2データベースの中から、3年分の第1認証キー(K1A〜K1C)を有するID情報が全て検索される。そして、サーバ装置1は、検索された全てのID情報に対して、卒業アルバムを購入写真として第2データベースに追加する(更新)。これにより、ユーザは、購入リストを閲覧したときに、卒業アルバムを他の購入写真と共に閲覧することができる状態となる。
【0035】
次に、図5図7のフローチャートを参照しつつ、前述したサーバ装置1の制御(機能)例について説明するが、以下の説明でSはステップを示す。なお、撮影写真の購入や購入写真の閲覧のために、前準備として、ユーザ端末2からサーバ装置1へアクセスして、ユーザ登録されているものとする。このユーザ登録は、例えば、ユーザの住所、氏名、個人を識別するための識別情報としてのID情報(ユーザの選択で、実施形態ではメールアドレスをID情報として利用)、パスワード、少なくとも1つの第1認証キーとの入力が条件とされ、この他、ユーザの所属する(あるいは所属していた)教育機関の名称(実施形態では中学校A)が入力されて、この入力された内容がサーバ装置1に記憶されているものである。なお、少なくとも1つの第1認証キーの入力させるのは、教育機関(実施形態では中学校A)と全く無関係な者が、ユーザ登録してしまうような事態を避けるためである(サーバ装置1に記憶されている撮影写真等を勝手に見られてしまう事態を阻止)。
【0036】
以上のことを前提として、ユーザ端末2からサーバ装置1へアクセスすると、当初はホームページの表示が行われて、少なくとも、撮影写真の購入サイトへ進む選択と、購入写真を閲覧するスマートアルバムのサイトへ進む選択とが可能とされている(このようなホームページの表示例は図示略)。
【0037】
図5は、撮影写真を購入するサイトへ進んだときの制御例を示すものである。まず、S1において、ID情報とパスワードと第1認証キーとの入力(受信)が行われたか否かが判別される。このS1の判別でNOのときは、そのままリターンされる。
【0038】
S1の判別でYESのときは、S2において、第1認証キーK1(K1AやK1B等)に対応した撮影写真が、図3に示す第1データベースの中から検索(選択)される。S3では、検索された撮影写真を、その行事名(図3において行事1、行事2等でもって簡略的に示す)と共に、ユーザ端末2に送信する。サーバ装置1からの送信を受けたユーザ端末2には、その表示画面に撮影写真と行事名とが表示される。ユーザは、多くの撮影写真の中から好みの撮影写真を選択して、購入する旨の操作を行うことになる(購入しない場合もあり)。
【0039】
S3の後、S4において、ユーザ端末2において撮影写真を購入する操作が行われたか否かが判別される。このS4の判別でYESのときは、購入操作された撮影写真について、第1認証キーとID情報とを対応づけて、図4に示すような第2データベースを作成、記憶する。なお、ユーザ端末2を通しての撮影写真の購入そのものは、基本的に既知の各種商品の購入の場合と同じように行うことができる。ただし、写真であることから、購入を希望した撮影写真の配送先や支払い方法等の一般的事項の他、例えば写真のサイズや枚数等の希望が合わせてユーザ端末2において選択できるようにしてある。なお、購入写真は、印画紙形式でもって別途ユーザに配送されるが、ユーザの選択により印画紙形式および/または電子データの形式でもって送付することもできる。
【0040】
図6は、ユーザが、購入した撮影写真を閲覧するときの制御例を示すものであり、サーバ装置のホームページにおいて表示される例えば「スマートアルバム」という名称のサイトへ進むことを選択した場合を示す。まず、S11において、ユーザ端末2からのID情報とパスワードとが入力されたか否かが判別される。なお、このS11では、少なくと1つの第1認証キーの入力をも次に進むための入力条件とすることもできる。
【0041】
S11の判別でNOのときは、そのままリターンされる。S11の判別でYESのときは、S12において、入力されたID情報について記憶されている購入写真を、第2データベースの中から検索する。そして、S13において、検索された全ての購入写真をユーザ端末2に送信する。
【0042】
図7は、管理会社の処理によって、卒業アルバムを第2データベースに追加するための制御例を示す。まず、S21において、卒業アルバム(の電子データ)とこれに対応づけられた第2認証キーとがサーバ装置1に入力されたか否かが判別される。このS21の判別でNOのときは、そのままリターンされる。S21の判別でYESのときは、S22において、第2認証キーK2と第1認証キーK1(K1A、K1B等)とから、第2認証キーに含まれる発行年度を卒業年度とする第1認証キー(の組み合わせ)を有するID情報が検索される。実施形態では、卒業アルバムが図2において2014年度の卒業生とする場合は、履修年数分の3つの第1認証キーK1A〜K1Cの全てを有するID情報が検索される。
【0043】
S22の後、S23において、検索された全てのID情報について、S21で入力された卒業アルバムが第2データベース中に購入撮影写真として追加して記憶される(更新)。これにより、ユーザが、「スマートアルバム」から購入撮影写真を閲覧したときは、卒業アルバムも閲覧できることとなる。
【0044】
ここで、卒業アルバムを購入撮影写真のリストとなる第2データベースへの追加を、ユーザの選択によって行わせることもできる。この場合、卒業アルバムとその第2認証キーとが対応づけられた第3データベースとしてサーバ装置1に記憶されている。ユーザは、そのID情報とパスワードと第2認証キーとをサーバ装置1へ送信すると、サーバ装置1は、入力されたID情報について、第2データベース中に、第3データベースに記憶されている卒業アルバムを追加して記憶させる(更新)。この場合は、ユーザの選択によって、卒業アルバムを「スマートアルバム」中に含ませるか否かを自由に選択することができ、また管理会社の負担も小さいものとなる。
【0045】
ここで、記念アルバムを、インターネットを介して閲覧、購入可能として、購入した記念アルバムを購入写真に関するデータベース中に加えることも考えられるが、この場合は、既に購入料金を支払っている記念アルバムを再度購入することとなるので、現実的ではない。また、卒業アルバムを第2データベース中に追加できるようにすることは、管理会社にとって無償のサービスとなるが、より多くの教育機関に利用してもらうこと(大元の顧客の獲得)や、個々のユーザに撮影写真をより積極的に購入してもらうための動機付けともなる。もっとも、記念アルバムを第2データベース中に追加する処理は、記念アルバムの料金に比して相当に安価な料金の支払いを条件として実行されるようにすることもできる(管理会社の新たな収益源となる)。
【0046】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。第1認証キーは、各学年毎に相違させて発行する場合にも同様に適応できる。例えば、図2の例では、ある年度(例えば2012年度)について、第1学年と第2学年と第3学年とに対して互いに相違する第1認証キーを付与する場合であってもよい(卒業アルバムが渡される卒業年度になる履修生を、第2認証キーを利用してより容易に検索できる)。教育機関としては、中学校に限らず、保育園、幼稚園、小学校、高等学校、大学、大学院、各種の専門学校等、適宜の教育機関とすることができる。勿論、教育機関での履修年数は、複数年の場合に限らず、1年の場合であってもよい。記念アルバムとしては、卒業アルバムに限らず、例えば20周年記念行事等の周年行事についての写真集となるイヤーアルバム等、適宜のものを対象とすることができる。符号形式とされた前記各認証キーとこれに対応する教育機関名の情報および年度の情報とを対応づけて第4データベースとして記憶した第4記憶手段をさらに備えるようにして、この第4データベースにアクセスすることにより、各認証キーがどの教育機関のどの年度のものであるのかを適宜知り得るようにしておくこともできる。履修年数が複数年で、かつ第1認証キーが各学年共通で毎年発行される場合に、第2認証キーに履修年数に関する情報を含めておけば、別途履修年数を入力することなく、卒業アルバムを第2データベースに追加すべきID情報を検索することができる(第2認証キーに履修年数に関する情報を含めない場合は、履修年数を別途入力させるようにすればよい)。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【符号の説明】
【0047】
1:サーバ装置
2:ユーザ端末
K1(K1AA〜K1C):第1認証キー
K2:第2認証キー
【要約】
【課題】購入写真をインターネットを介して自由に閲覧できる各個人専用のデータベース中に、記念アルバムを含ませることのできるようにする。
【解決手段】
撮影写真の購入リストとなる第2データベースが、教育機関の情報と年度情報を含む第1認証キーとユーザを識別するID情報と購入写真とが対応づけられる。
記念アルバムが発行されたときに、その年度情報と教育機関の情報とを含む第2認証キーが発行される。第2認証キーを第2データベース中の第1認証キーと照合して、記念アルバムの対象者となるID情報が検索される。検索されたID情報に対応させて、記念アルバムが第2データベースに追加される。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7