(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
破断可能薄肉ラインによって囲繞された除去領域が規定されている円形閉塞壁、該閉塞壁の下面周縁部から垂下する円筒形装着壁、該閉塞壁における該除去領域の上面から上方に延出する円筒形突出壁、半径方向に間隔をおいて該装着壁の外側に位置する円筒形外側壁、円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁を含み、
該スカート壁はヒンジ手段を介して該外側壁に旋回自在に接続されており、該天面壁及び該スカート壁は該閉塞壁を覆う閉位置と該閉塞壁を露呈せしめる開位置との間を旋回自在であり、
該装着壁と該外側壁とは周方向に間隔をおいて配設された複数個の接続片によって接続されており、該接続片の各々は該装着壁に対して該外側壁が周方向片側に所要角度に渡って相対的に回転することを許容し、
該突出壁の外周面又は内周面には少なくとも1個の周方向被係止手段と軸線方向被係止手段が配設されており、該天面壁の内面には円筒形延出壁が付設されていて、該延出壁の内周面又は外周面には該周方向被係止手段と協働する少なくとも1個の周方向係止手段と該軸線方向被係止手段と協働する軸線方向係止手段が配設されており、
該装着壁を容器の口頸部外周面に係止せしめて該口頸部を密封した状態において、該閉位置にせしめられている該天面壁及び該スカート壁と共に該外側壁を該周方向片側に回転せしめると、該周方向係止手段と該周方向被係止手段との協働によって該突出壁及び該除去領域も付随して該周方向片側に回転されて該破断可能薄肉ラインが破断されて該除去領域が該閉塞壁から分離され、しかる後に該天面壁及び該スカート壁を該開位置に旋回せしめると、該軸線方向係止手段と該軸線方向被係止手段との協働によって該除去領域も付随して旋回せしめられる、
ことを特徴とする一体成形合成樹脂製容器蓋。
該外側壁の内周面には少なくとも1個の被拘束突起が形成され、該装着壁の外周面には拘束片と該拘束片に対して該周方向片方に所定間隔をおいて位置する拘束突起とが配設されており、該天面壁及び該スカート壁が該周方向片方に回転せしめられると、該被拘束突起が該拘束片を弾性的に乗り越えて該拘束片と該拘束突起との間に進入し、これによって該装着壁に対する該外側壁の周方向両側への回転が拘束される、請求項1記載の一体成形合成樹脂製容器蓋。
該外側壁には開口が形成されており、該スカート壁及び該外側壁を該周方向片側に回転せしめ、該周方向係止手段と該周方向被係止手段との協働によって該突出壁及び該除去領域も付随して該周方向片側に回転せしめて該破断可能薄肉ラインを破断して該除去領域を該閉塞壁から分離する前において、該装着壁の外周面における該開口に対応した部位には該開口を通して視認することができる第一の表示が配設されている、請求項1から3までのいずれかに記載の一体成形合成樹脂製容器蓋。
該スカート壁及び該外側壁を該周方向片側に回転せしめ、該周方向係止手段と該周方向被係止手段との協働によって該突出壁及び該除去領域も付随して該周方向片側に回転せしめて該破断可能薄肉ラインを破断して該除去領域を該閉塞壁から分離した後において、該装着壁の外周面における該開口に対応した部位には該開口を通して視認することができる第二の表示が配設されている、請求項4記載の一体成形合成樹脂容器蓋。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている上記のとおりの容器蓋は、天面壁及びスカート壁を適宜に操作することによって破断可能薄肉ラインを破断して除去領域を閉塞壁から分離し、そして更に除去領域及びこれに配設された突出壁を閉塞壁から離隔することができる。従って、除去領域の上面に引張リングを付設し、この引張リングに指を掛けて引張って破断可能薄肉ラインを破断する形態の容器蓋に比較して、所謂使用勝手が改良されている。しかしながら、特許文献1に開示されている上記のとおりの容器蓋も未だ充分に満足し得るものではなく、次のとおりの解決すべき問題を有する。第一に、中栓部材と外蓋部材とを別個に成型し、しかる後に所要とおりに組み合わせることが必要であり、製作が必ずしも容易ではなく、製作コストが比較的高い。第二に、破断可能薄肉ラインを破断した後においても、中栓部材と外蓋部材との相対的回転が阻止されることはなく、使用中に偶発的に中栓部材に対して外蓋部材が回転し、これに起因して不測の事態が発生してしまう虞がある。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、破断可能薄肉ラインによって囲繞された除去領域が規定されている閉塞壁を含む形態の容器蓋であって、所謂使用勝手が優れている
(即ち、上記特許文献1に開示されている容器蓋と同様に、除去領域の上面に付設された引張リングに指を掛けて引張って破断可能薄肉ラインを破断する必要がない)にも拘らず一体成形することができる、新規且つ改良された一体成形合成樹脂製容器蓋を提供することである。
【0006】
本発明の他の技術的課題は、上記主たる技術的課題の達成に加えて、破断可能薄肉ライ
ンを破断した後においても、閉塞壁及び装着壁に対する外側壁、天面壁及びスカート壁の
相対的回転が充分確実に阻止される、新規且つ改良された一体成
形合成樹脂製容器蓋を提
供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、鋭意研究の結果、装着壁と外側壁とを、装着壁に対して外側壁が周方向片側に所要角度に渡って相対的に回転することを許容する複数個の接続片で接続し、かくして上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0008】
加えて、外側壁の内周面には少なくとも1個の被拘束突起を形成し、装着壁の外周面には拘束片とこの拘束片に対して周方向片方に所定間隔をおいて位置する拘束突起とを配設し、天面壁及びスカート壁が周方向片方に回転せしめられると、被拘束突起が拘束片を弾性的に乗り越えて拘束片と拘束突起との間に進入し、これによって装着壁に対する外側壁の周方向両側への回転が拘束されるように構成することによって、上記他の技術的課題を達成することができることを見出した。
【0009】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する一体成
形合成樹脂製容器蓋として、破断可能薄肉ラインによって囲繞された除去領域が規定されている円形閉塞壁、該閉塞壁の下面周縁部から垂下する円筒形装着壁、該閉塞壁における該除去領域の上面から上方に延出する円筒形突出壁、半径方向に間隔をおいて該装着壁の外側に位置する円筒形外側壁、円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁を含み、
該スカート壁はヒンジ手段を介して該外側壁に旋回自在に接続されており、該天面壁及び該スカート壁は該閉塞壁を覆う閉位置と該閉塞壁を露呈せしめる開位置との間を旋回自在であり、
該装着壁と該外側壁とは周方向に間隔をおいて配設された複数個の接続片によって接続されており、該接続片の各々は該装着壁に対して該外側壁が周方向片側に所要角度に渡って相対的に回転することを許容し、
該突出壁の外周面又は内周面には少なくとも1個の周方向被係止手段と軸線方向被係止手段が配設されており、該天面壁の内面には円筒形延出壁が付設されていて、該延出壁の内周面又は外周面には該周方向被係止手段と協働する少なくとも1個の周方向係止手段と該軸線方向被係止手段と協働する軸線方向係止手段が配設されており、
該装着壁を容器の口頸部外周面に係止せしめて該口頸部を密封した状態において、該閉位置にせしめられている該天面壁及び該スカート壁と共に該外側壁を該周方向片側に回転せしめると、該周方向係止手段と該周方向被係止手段との協働によって該突出壁及び該除去領域も付随して該周方向片側に回転されて該破断可能薄肉ラインが破断されて該除去領域が該閉塞壁から分離され、しかる後に該天面壁及び該スカート壁を該開位置に旋回せしめると、該軸線方向係止手段と該軸線方向被係止手段との協働によって該除去領域も付随して旋回せしめられる、
ことを特徴とする一体成形合成樹脂製容器蓋が提供される。
【0010】
上記他の技術的課題を達成する一体成
形合成樹脂製容器蓋においては、該外側壁の内周面には少なくとも1個の被拘束突起が形成され、該装着壁の外周面には拘束片と該拘束片に対して該周方向片方に所定間隔をおいて位置する拘束突起とが配設されており、該天面壁及び該スカート壁が該周方向片方に回転せしめられると、該被拘束突起が該拘束片を弾性的に乗り越えて該拘束片と該拘束突起との間に進入し、これによって該装着壁に対する該外側壁の周方向両側への回転が拘束される。
【0011】
該周方向片側は上方から見て反時計方向であるのが好都合である。該外側壁には開口が形成されており、該スカート壁及び該外側壁を該周方向片側に回転せしめ、該周方向係止手段と該周方向被係止手段との協働によって該突出壁及び該除去領域も付随して該周方向片側に回転せしめて該破断可能薄肉ラインを破断して該除去領域を該閉塞壁から分離する前において、該装着壁の外周面における該開口に対応した部位には該開口を通して視認することができる第一の表示が配設されているのが好適である。更に好ましくは、該スカート壁及び該外側壁を該周方向片側に回転せしめ、該周方向係止手段と該周方向被係止手段との協働によって該突出壁及び該除去領域も付随して該周方向片側に回転せしめて該破断可能薄肉ラインを破断して該除去領域を該閉塞壁から分離した後において、該装着壁の外周面における該開口に対応した部位には該開口を通して視認することができる第二の表示が配設されている。第一の表示と第二の表示とは一部を共通化することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に従って構成された容器蓋は一体的に成型することができ、比較的容易に且つ比較的安価に製作することができる。加えて、被拘束突起、拘束片及び拘束突起が配設されている形態においては、破断可能薄肉ラインを破断した後においては、被拘束突起が拘束突起と拘束片との間に拘束されることによって、閉塞壁及び装着壁に対する外側壁、天面壁及びスカート壁の相対的回転が充分確実に阻止される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を、天面壁及びスカート壁を開位置にせしめた状態で示す平面図。
【
図2】
図1の容器蓋を、天面壁及びスカート壁を開位置にせしめた状態で示す断面図。
【
図3】
図1の容器蓋を、天面壁及びスカート壁を閉位置にせしめた状態で示す断面図。
【
図4】
図1の容器蓋を、天面壁及びスカート壁を閉位置にせしめた状態で示す斜面図。
【
図5】
図1の容器蓋を、
図4に示す状態から外側壁、天面壁及びスカート壁を上方から見て時計周方向に20度回転せしめた状態で示す斜面図。
【
図6】
図1の容器蓋を、天面壁及びスカート壁を閉位置にせしめた状態における種々の構成要素の相対的関係を示す模式図。
【
図7】
図1の容器蓋を、
図6に示す状態から外側壁、天面壁及びスカート壁を
図6において反時計方向に10度回転せしめた状態で示す模式図。
【
図8】
図1の容器蓋を、
図6に示す状態から外側壁、天面壁及びスカート壁を
図6において反時計方向に20度回転せしめた状態で示す模式図。
【
図9】
図1の容器蓋を、
図6に示す状態から外側壁、天面壁及びスカート壁を
図6において反時計方向に38度回転せしめた状態で示す模式図。
【
図10】
図1の容器蓋を、
図6に示す状態から外側壁、天面壁及びスカート壁を
図6において反時計方向に40度回転せしめた状態で示す模式図。
【
図11】本発明に従って構成された容器蓋の他の実施形態を、天面壁及びスカート壁を閉位置にせしめた状態で示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0015】
図1及び
図2を参照して説明すると、本発明に従って構成された全体を番号2で示す容器蓋は、その全体がポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から一体に形成されている。図示の容器蓋2は全体として水平に延在する円形閉塞壁4を有する。この閉塞壁4の中央には除去領域が形成されていることが重要である。図示の実施形態においては、閉塞壁4の中央部に円形破断可能薄肉ライン6によって円形除去領域8が規定されている。閉塞壁4の下面には、最外周縁部から垂下する円筒形装着壁10とこの装着壁10よりも半径方向内側で且つ上記破断可能薄肉ライン6よりも半径方向外側において下方に延出する環状シール壁12とが配設されている。装着壁10の内周面下部には、半径方向内方に突出した環状係止突条18が形成されている。シール壁12は、下方に向かって半径方向外方に傾斜して延び、次いで円弧上に延び、更に下方に向かって半径方向内方に傾斜して延びる外周面14と、下方に向かって半径方向外方に傾斜して延び、次いで下方に実質上鉛直に延びる内周面16とを有する。閉塞壁4の上面には、その最外周縁部から上方に延出する環状係止壁20と、この係止壁20よりも半径方向内側において上方に延出する注出案内壁22が形成されている。係止壁20の外周面上端部には半径方向外方に突出した環状係止突条26が形成されている。注出案内壁22は閉塞壁4の上面から鉛直上方に延出する略円筒形状であり、その上端部は半径方向外方に湾曲せしめられている。
図2を参照することによって明確に理解される如く、注出案内壁22における
図2において右側部分は左側部分に比べて突出長さが短く設定されている。
【0016】
閉塞壁4の上面には円筒形突出壁24が配設されていることが重要である。上記係止壁20及び注出案内壁22は上記破断可能薄肉ライン6よりも半径方向外側に位置しているが、突出壁24は上記破断可能薄肉ライン6よりも半径方向内側に位置している。換言すれば、突出壁24は上記除去領域8の上面から上方に延出せしめられている。突出壁24の外周面には周方向被係止手段28と軸線方向被係止手段30とが配設されている。図示の実施形態においては、周方向被係止手段28は、突出壁24の外周面下部に周方向に等間隔をおいて配設された複数個、図示の場合は6個、のラチェット爪32から構成されている。ラチェット爪32の各々は
図1において時計方向下流側に位置する切り立った鋭い係止面と時計方向上流側に位置する緩やかな傾斜面とを有する。軸線方向被係止手段30は、突出壁24の外周面上端部に配設された環状突条から構成されている。周方向被係止手段28は後述する周方向係止手段と協働し、軸線方向被係止手段30は後述する軸線方向係止手段と協働する。
【0017】
上記装着壁10よりも半径方向外側には円筒形外側壁34が形成されている。この外側壁34は比較的肉厚の下部36と比較的肉薄の上部38とを有する。外側壁34の下部36の内周面上端部と上記装着壁10の下端面との間には、周方向に等角度間隔をおいて複数個、図示の場合には8個の接続片40が配設されている。接続片40の各々は外側壁34の下部36の内周面から半径方向内方に突出する第一の部分42、この第一の部分42の上面に接続された一端から周方向に延びる第二の部分44及び第二の部分44の他端から装着壁10の下端面に接続された他端まで半径方向内方に延びる第三の部分46から構成されている。接続片40、特にその第二の部分44、の横断面積は比較的小さく、後に更に言及する如く比較的小さい力によって弾性的に変形し、これによって装着壁10に対して外側壁34が周方向片側即ち
図1において反時計方向に所要角度に渡って相対的に回転することを許容する。
【0018】
図1及び
図2を参照して説明を続けると、外側壁34の上部38の内周面には、周方向に間隔をおいて複数個、図示の場合には4個、の被拘束突起48が配設されている。被拘束突起48の各々は外側壁34の上部38の内周面から半径方向内方に突出せしめられている。所望ならば、被拘束突起48の各々の先端を、小さい横断面積を有し外側壁34が装着壁10に対して相対的に回転せしめられる際に容易に破断される破断部によって装着壁10の外周面に接続することもできる。一方、装着壁10の外周面には、上記被拘
束突起48に対応せしめて、周方向に等間隔をおいて複数個、図示の場合には4個、の拘束片50が配設されていると共に、かかる拘束片50の各々に対して周方向片側即ち
図1において反時計方向に所定間隔をおいて拘束突起52が配設されている。拘束片50は装着壁10の外周面から半径方向外方に向かって
図1において反時計方向に傾斜して延出せしめられた細長片から構成されており、後に更に言及する如く、
図1において反時計方向から力が加えられると充分容易に半径方向内側に変位せしめられるが、
図1において時計方向から加えられる力に対しては抵抗する。拘束突起52の各々は装着壁10の外周面から半径方向外方に突出せしめられており、
図1において時計方向下流側に切り立った鋭い面を有する。所望ならば、拘束突起52の各々の先端を、小さい横断面積を有し外側壁34が装着壁10に対して相対的に回転せしめられる際に容易に破断される破断部によって外側壁34の内周面に接続することもできる。
【0019】
図1及び
図2と共に
図3及び
図4を参照して説明をすると、容器蓋2は、更に、円形天面壁54とこの天面壁54の周縁から垂下する円筒形スカート壁56を有する。スカート壁56の先端(
図3に示す状態において下端)は、周方向特定部位においてそれ自体は周知の形態でよいヒンジ手段58を介して上記外側壁34の上端に旋回自在に装着されており、天面壁54及びスカート壁56は
図1及び
図2に図示する成型時の位置よりも
図2において幾分反時計方向に傾動した開位置と
図3及び
図4に図示する閉位置との間を旋回自在である。天面壁54及びスカート壁56が開位置にせしめられると閉塞壁4が露呈され、天面壁54及びスカート壁56が閉位置にせしめられると閉塞壁4を覆う。スカート壁56には、上記ヒンジ手段58に対して直径方向反対側においてスカート壁56の外周面下端から突出する弧状突出片60が付設されている。スカート壁56の内周面下端部には環状係止溝62が配設されている。天面壁54の内面には、上記注出案内壁22に対応する位置から垂下する円筒形状のシール壁64が形成されている。
【0020】
天面壁54の内面には、上記突出壁24に対応して円筒形延出壁66が配設されていることが重要である。図示の実施形態においては、延出壁66は比較的肉厚の基部68と比較的肉薄の延出端部70とを有する。延出壁66の内周面には周方向係止手段72及び軸線方向係止手段74が配設されている。図示の実施形態においては、周方向係止手段72は、延出壁66の延出端部70の内周面に周方向に間隔をおいて配設された複数個、図示の場合は6個、のラチェット爪76から構成されている。ラチェット爪76の各々は、
図1において時計方向下流側に位置する切り立った鋭い係止面と時計方向上流側に位置する緩やかな傾斜面とを有する。軸線方向係止手段74は、延出壁66の基部の内周面延出端(
図3において下端)に配設された環状突条から構成されている。後に更に言及する如く、周方向係止手段72は上記周方向被係止手段28と協働し、軸線方向係止手段74は上記軸線方向被係止手段30と協働する。
【0021】
天面壁54及びスカート壁56が
図1及び
図2に図示する成型位置から
図3に図示する閉位置に旋回動せしめられると、スカート壁56の内周面下端部に形成されている係止溝62が係止壁20の外周面上端部に形成されている係止突条26に係止せしめられ、これによって天面壁54及びスカート壁56が閉位置に解除自在に保持される。天面壁54の内面から垂下するシール壁64は注出案内壁22内に進入してその内周面に密接せしめられる。上述した通り注出案内壁22は
図2において右側部(即ちヒンジ手段58側の部分)の突出長さが短く設定されている故に、シール壁64は充分円滑に注出案内壁22内に進入することができる。延出壁66の内周面に形成されている軸線方向係止手段74は突出壁24の外周面に形成されている軸線方向被係止手段30を弾性的に乗り越えてその下方に係止せしめられる。延出壁66の内周面に形成されているラチェット爪76は、
図6に明確に図示する如く、突出壁24の外周面に形成されているラチェット爪32に対して周方向に離隔して位置する。
【0022】
図4に明確に図示する如く、上記外側壁34の所定部位には開口78が形成されている。そして、装着壁10の外周面における、
図4に図示する状態において開口78を通して露呈する、従って開口78を通して目視できる部位には第一の表示を構成する「未開封」の文字が施されている。装着壁10の外周面における、後に言及する通りにして装着壁10に対して外側壁34が略20度に渡って回転せしめられた時に開口78を通して露呈する、従って開口78を通して目視できる部位には第二の表示を構成する「開封済」の文字が施されている。第一の表示における「開封」と第二の表示における「開封」は第一の表示と第二の表示とに共通して利用されている。
【0023】
上述したとおりの容器蓋2の使用態様を説明すると、次のとおりである。容器蓋2は
図3に二点鎖線で図示する通りの形態の口頸部を有する容器に適用される。適宜の合成樹脂あるいはガラスから形成することができる容器は、全体として円筒形状である口頸部80を有する。口頸部80の外周面上端部には係止突条82が形成されている。容器内に例えば液体調味料である内容物を充填した後に口頸部80に容器蓋2が装着され、口頸部80が密封される。口頸部80に容器蓋2を装着する際には、天面壁54及びスカート壁56を
図3及び
図4に図示する閉位置にせしめた状態で口頸部80に容器蓋2を被嵌し、下方に押圧して口頸部80に対して
図3に図示する位置まで下降せしめる。装着壁10の係止突条18は口頸部80の係止突条82を弾性的に乗り越えてその下方に係止せしめられ、シール壁12は口頸部80内に進入せしめられて口頸部80の内周面に密接せしめられる。かようにして口頸部80に容器蓋2を装着した状態においては、
図4に図示する如く、外側壁34の形成されている開口78を通して第一の表示「未開封」が目視される。
【0024】
容器内に収容されている内容物を消費する際には、最初に、例えば外側壁34の外周面に指を掛けて外側壁34、天面壁54及びスカート壁56を
図6及び
図7において反時計方向に、
図6に図示する状態から
図7に図示する状態まで略10度の角度範囲に渡って回転せしめる。かくすると、被拘束突起48及び/又は拘束突起52に破断部が付設されている場合にはこれらの破断部が破断され、そして
図7に明確に図示する如く、突出壁24の外周面に形成されているラチェット爪32の係止面に延出壁66の内周面に形成されているラチェット爪76の係止面が当接せしめられる。外側壁34、天面壁54及びスカート壁56を
図6に図示する状態から略20度の角度位置である
図8に図示する位置まで更に回転せしめると、ラチェット爪32とラチェット爪76の協働によって突出壁24も付随して回転せしめられ、これによって閉塞壁4に配設されている破断可能薄肉ライン6が破断され、除去領域8及び突出壁24が閉塞壁4から離脱される。外側壁34、天面壁54及びスカート壁56が
図8に図示する位置まで回転せしめられると、
図5に図示する如く、外側壁34の形成されている開口78を通して第二の表示「開封済」が目視されるようになり、破断可能薄肉ライン6が破断されたことが明示される。次いで、外側壁34、天面壁54及びスカート壁56を
図6に図示する状態から略38度の角度位置である
図9に図示する位置まで更に回転せしめられると、外側壁34の内周面に配設されている被拘束突起48が装着壁10の外周面に配設されている拘束片50を弾性的に乗り越えて拘束片50と拘束突起52との間に進入する。上述したとおり拘束片50は
図1、
図8及び
図9において反時計方向から力が加えられると充分容易に半径方向内側に変位せしめられるが、
図1、
図8及び
図9において時計方向から加えられる力に対しては抵抗する。従って、被拘束突起48が一旦拘束片50を弾性的に乗り越えた後においては、外側壁34、天面壁54及びスカート壁56が
図9において時計方向に戻ることが阻止される。外側壁34、天面壁54及びスカート壁56を
図6に図示する状態から略40度の角度位置である
図10に図示する位置まで更に回転せしめられると、外側壁34の内周面に配設されている被拘束突起48が装着壁10の外周面に配設されている拘束突起52に当接して更に反時計方向に回転することが阻止される(従って、装着壁10に対する外側壁34、天面壁54及びスカート壁56の反時計方向及び時計方向の回転が実質上阻止される)と共に、消費者は外側壁34、天面壁54及びスカート壁56を所要角度位置まで回転せしめたことを触感的に認識することができる。
図6乃至
図10を比較参照することによって明確に理解される如く、装着壁10に対して外側壁34、天面壁54及びスカート壁56が反時計方向に回転せしめられる際には、接続片40は適宜
に変形乃至変位せしめられる。
【0025】
しかる後に、消費者は例えばスカート壁56に付設されている突出片60に指を掛けて天面壁54及びスカート壁56を開位置、即ち
図1及び
図2に図示する成型時の位置よりも
図2において幾分反時計方向に傾動した開位置、に旋回動せしめる。かくすると、延出壁66の内周面に形成されている軸線方向係止手段74が突出壁24の外周面に形成されている軸線方向被係止手段30に係止せしめられている故に、閉塞壁4から離脱された除去領域8及び突出壁24も付随して旋回動せしめられ、閉塞壁4には離脱された除去領域8に対応した排出口が生成される。しかる後においては、容器を傾動せしめることによって注出案内壁22を通して内容物を注出することができる。
【0026】
而して、
図1乃至
図10に図示する上述した実施形態においては、閉塞壁4に配設した突出壁24の外周面に周方向被係止手段28及び軸線方向被係止手段30を形成し、天面壁54に配設した延出壁66の内周面に周方向係止手段72及び軸線方向係止手段74を形成しているが、所望ならば、突出壁の内径を延出壁の外径よりも大きくして、突出壁の内周面に周方向被係止手段及び軸線方向被被係止手段を形成し、延出壁の外周面に周方向係止手段及び軸線方向係止手段を形成することもできる。
【0027】
図11には本発明に従って構成された容器蓋の変形実施形態が図示されている。
図11に図示する容器蓋102においては、閉塞壁104の上面に配設されている突出壁124は比較的大径の下部124aと比較的小径の上部124bとを有し、下部124aと上部124bとの間には実質上水平に延在する環状壁124cが存在する。そして、周方向被係止手段128は下部124aの外周面に配設され、軸線方向被係止手段130が上部124bの外周面に配設されている。一方、天面壁154の内面には比較的大径の外側延出壁166aと比較的小径の内側延出壁166bとが配設されている。そして、外側延出壁166aの内周面に周方向係止手段172が形成され、内側延出壁166bの内周面に軸線方向係止手段174が形成されている。
図11に図示する実施形態における上述した構成以外の構成は、
図1乃至
図10に図示する上記実施形態と実質上同一である。