特許第5919051号(P5919051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5919051
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】注文データ管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/14 20060101AFI20160428BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20160428BHJP
   H04W 16/20 20090101ALI20160428BHJP
【FI】
   G07G1/14
   G07G1/12 361C
   H04W16/20
【請求項の数】4
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-64267(P2012-64267)
(22)【出願日】2012年3月21日
(65)【公開番号】特開2013-196496(P2013-196496A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154863
【弁理士】
【氏名又は名称】久原 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100123685
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 信行
(72)【発明者】
【氏名】森 雅之
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−238238(JP,A)
【文献】 特開2004−310338(JP,A)
【文献】 特開2011−082775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
H04W 16/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラ装置と、プリンタと、ハンディターミナルとを有する注文データ管理システムであって、
前記コントローラ装置は、
第1の通信パラメータを記憶するコントローラ記憶部と、
他の装置から送信される接続要求メッセージを受信し、前記接続要求メッセージを送信した前記他の装置に対して前記第1の通信パラメータを含んだ接続応答メッセージを送信するコントローラ送受信部とを備え、
前記プリンタは、
他の装置と通信を行うプリンタ送受信部と、
第2の通信パラメータを記憶するプリンタ記憶部と、
前記他の装置から送信される電波の電波強度を取得するプリンタ電波強度取得部と、
前記コントローラ装置から前記接続応答メッセージを受信した場合には、当該接続応答メッセージに含まれる前記第1の通信パラメータと前記プリンタ電波強度取得部が取得した前記電波強度とに基づいて前記プリンタ送受信部が通信を行う前記他の装置を決定し、前記コントローラ装置から前記接続応答メッセージを受信していない場合には、前記第2の通信パラメータと前記プリンタ電波強度取得部が取得した前記電波強度とに基づいて前記プリンタ送受信部が通信を行う前記他の装置を決定するプリンタ決定部とを備え、
前記ハンディターミナルは、
他の装置と通信を行うハンディターミナル送受信部と、 第3の通信パラメータを記憶するハンディターミナル記憶部と、
前記他の装置から送信される電波の電波強度を取得するハンディターミナル電波強度取得部と、
前記コントローラ装置から前記接続応答メッセージを受信した場合には、当該接続応答メッセージに含まれる前記第1の通信パラメータと前記ハンディターミナル電波強度取得部が取得した前記電波強度とに基づいて前記ハンディターミナル送受信部が通信を行う前記他の装置を決定し、前記コントローラ装置から前記接続応答メッセージを受信していない場合には、前記第3の通信パラメータと前記ハンディターミナル電波強度取得部が取得した前記電波強度とに基づいて前記ハンディターミナル送受信部が通信を行う前記他の装置を決定するハンディターミナル決定部とを備える
ことを特徴とする注文データ管理システム。
【請求項2】
前記プリンタ送受信部は、前記他の装置から送信されるデータを所定期間、受信し、
前記プリンタ電波強度取得部は、前記プリンタ送受信部が受信した前記データの電波強度を取得し、
前記プリンタ決定部は、前記データの電波強度が前記第1の通信パラメータまたは前記第2の通信パラメータで特定される値以上である場合、前記プリンタ送受信部が通信を行う前記他の装置を、当該データを送信した前記他の装置と決定し、
前記ハンディターミナル送受信部は、前記他の装置から送信されるデータを所定期間、受信し、
前記ハンディターミナル電波強度取得部は、前記ハンディターミナル送受信部が受信した前記データの電波強度を取得し、
前記ハンディターミナル決定部は、前記データの電波強度が前記第1の通信パラメータまたは前記第3の通信パラメータで特定される値以上である場合、前記ハンディターミナル送受信部が通信を行う前記他の装置を、当該データを送信した前記他の装置と決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の注文データ管理システム。
【請求項3】
前記ハンディターミナルは、注文の入力を受け付ける入力部を備え、
前記プリンタ決定部は、定期的に、前記プリンタ送受信部が通信を行う前記他の装置を決定し、
前記ハンディターミナル決定部は、前記入力部が前記注文の入力を受けた後、前記ハンディターミナル送受信部が通信を行う前記他の装置を決定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の注文データ管理システム。
【請求項4】
前記コントローラ記憶部は、前記第1の通信パラメータとして、前記プリンタ用の前記第1の通信パラメータと前記ハンディターミナル用の前記第1の通信パラメータとを記憶し、
前記コントローラ送受信部は、前記プリンタから前記接続要求メッセージを受信した場合、当該プリンタに対して前記プリンタ用の前記第1の通信パラメータを含んだ接続応答メッセージを送信し、前記ハンディターミナルから前記接続要求メッセージを受信した場合、当該ハンディターミナルに対して前記ハンディターミナル用の前記第1の通信パラメータを含んだ接続応答メッセージを送信する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の注文データ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文データ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レストラン、居酒屋あるいはホテル等で、客から注文されたオーダーデータ等を管理するために注文データ管理システムが使用されている。この注文データ管理システムにおいては、ウエイトレスが客から料理の注文を受けた場合、ハンディターミナルにテーブル番号や人数等と共に注文を受けた各メニューを入力する。この入力されたオーダーデータは、ハンディターミナルから注文データ管理システムの注文制御装置に無線送信され、このオーダーデータを基に、調理指示データや会計データ等が作成される。
【0003】
また、注文データ管理システムでは無線通信を用いているため、各装置間の配線は不要である。また、携帯型注文入力装置のように店員が携帯して移動しも、オーダーデータの転送が可能である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4515286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無線通信は外来ノイズや遮断物、電波の反射など無線環境の影響を受け易い。また、無線通信を行うことができる範囲(通信エリア)を広く確保するためには、電波強度が小さな環境でも通信を試行する必要がある。しかしながら、無線環境が変動する店舗において電波強度が小さい状態で通信を行うと、通信途中で電波が途切れて通信が失敗してしまう可能性がある。また、通信が失敗した後に通信のリトライを行うが、リトライの繰り返しが多く発生するとデータの転送に時間がかかる。
【0006】
そのため、各端末装置には、適宜、最適な通信パラメータを設定する必要がある。しかし、一般に、注文データ管理システムには、複数のハンディターミナルの他、プリンタやコントローラ装置など、複数の端末装置が存在する。よって、最適な通信環境を得るためには、個々の端末装置を操作してそれぞれの端末で通信パラメータを設定する必要があり、手間がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、注文データ管理システム内の各装置について、より容易に通信パラメータを設定することができる注文データ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コントローラ装置と、プリンタと、ハンディターミナルとを有する注文データ管理システムであって、前記コントローラ装置は、第1の通信パラメータを記憶するコントローラ記憶部と、他の装置から送信される接続要求メッセージを受信し、前記接続要求メッセージを送信した前記他の装置に対して前記第1の通信パラメータを含んだ接続応答メッセージを送信するコントローラ送受信部と、を備え、前記プリンタは、他の装置と通信を行うプリンタ送受信部と、第2の通信パラメータを記憶するプリンタ記憶部と、前記他の装置から送信される電波の電波強度を取得するプリンタ電波強度取得部と、前記コントローラ装置から前記接続応答メッセージを受信した場合には、当該接続応答メッセージに含まれる前記第1の通信パラメータと前記プリンタ電波強度取得部が取得した前記電波強度とに基づいて前記プリンタ送受信部が通信を行う前記他の装置を決定し、前記コントローラ装置から前記接続応答メッセージを受信していない場合には、前記第2の通信パラメータと前記プリンタ電波強度取得部が取得した前記電波強度とに基づいて前記プリンタ送受信部が通信を行う前記他の装置を決定するプリンタ決定部と、を備え、前記ハンディターミナルは、他の装置と通信を行うハンディターミナル送受信部と、第3の通信パラメータを記憶するハンディターミナル記憶部と、前記他の装置から送信される電波の電波強度を取得するハンディターミナル電波強度取得部と、前記コントローラ装置から前記接続応答メッセージを受信した場合には、当該接続応答メッセージに含まれる前記第1の通信パラメータと前記ハンディターミナル電波強度取得部が取得した前記電波強度とに基づいて前記ハンディターミナル送受信部が通信を行う前記他の装置を決定し、前記コントローラ装置から前記接続応答メッセージを受信していない場合には、前記第3の通信パラメータと前記ハンディターミナル電波強度取得部が取得した前記電波強度とに基づいて前記ハンディターミナル送受信部が通信を行う前記他の装置を決定するハンディターミナル決定部と、を備えることを特徴とする注文データ管理システムである。
【0009】
また、本発明の注文データ管理システムにおいて、前記プリンタ送受信部は、前記他の装置から送信されるデータを所定期間、受信し、前記プリンタ電波強度取得部は、前記プリンタ送受信部が受信した前記データの電波強度を取得し、前記プリンタ決定部は、前記データの電波強度が前記第1の通信パラメータまたは前記第2の通信パラメータで特定される値以上である場合、前記プリンタ送受信部が通信を行う前記他の装置を、当該データを送信した前記他の装置と決定し、前記ハンディターミナル送受信部は、前記他の装置から送信されるデータを所定期間、受信し、前記ハンディターミナル電波強度取得部は、前記ハンディターミナル送受信部が受信した前記データの電波強度を取得し、前記ハンディターミナル決定部は、前記データの電波強度が前記第1の通信パラメータまたは前記第3の通信パラメータで特定される値以上である場合、前記ハンディターミナル送受信部が通信を行う前記他の装置を、当該データを送信した前記他の装置と決定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の注文データ管理システムにおいて、前記ハンディターミナルは、注文の入力を受け付ける入力部を備え、前記プリンタ決定部は、定期的に、前記プリンタ送受信部が通信を行う前記他の装置を決定し、前記ハンディターミナル決定部は、前記入力部が前記注文の入力を受けた後、前記ハンディターミナル送受信部が通信を行う前記他の装置を決定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の注文データ管理システムにおいて、前記コントローラ記憶部は、前記第1の通信パラメータとして、前記プリンタ用の前記第1の通信パラメータと前記ハンディターミナル用の前記第1の通信パラメータとを記憶し、前記コントローラ送受信部は、前記プリンタから前記接続要求メッセージを受信した場合、当該プリンタに対して前記プリンタ用の前記第1の通信パラメータを含んだ接続応答メッセージを送信し、前記ハンディターミナルから前記接続要求メッセージを受信した場合、当該ハンディターミナルに対して前記ハンディターミナル用の前記第1の通信パラメータを含んだ接続応答メッセージを送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コントローラ装置は、第1の通信パラメータを記憶するコントローラ記憶部と、他の装置から送信される接続要求メッセージを受信し、接続要求メッセージを送信した他の装置に対して第1の通信パラメータを含んだ接続応答メッセージを送信するコントローラ送受信部と、を備える。また、プリンタは、他の装置と通信を行うプリンタ送受信部と、第2の通信パラメータを記憶するプリンタ記憶部と、他の装置から送信される電波の電波強度を取得するプリンタ電波強度取得部と、コントローラ装置から接続応答メッセージを受信した場合には、当該接続応答メッセージに含まれる第1の通信パラメータとプリンタ電波強度取得部が取得した電波強度とに基づいてプリンタ送受信部が通信を行う他の装置を決定し、コントローラ装置から接続応答メッセージを受信していない場合には、第2の通信パラメータとプリンタ電波強度取得部が取得した電波強度とに基づいてプリンタ送受信部が通信を行う他の装置を決定するプリンタ決定部とを備える。また、ハンディターミナルは、他の装置と通信を行うハンディターミナル送受信部と、第3の通信パラメータを記憶するハンディターミナル記憶部と、他の装置から送信される電波の電波強度を取得するハンディターミナル電波強度取得部と、コントローラ装置から接続応答メッセージを受信した場合には、当該接続応答メッセージに含まれる第1の通信パラメータとプリンタ電波強度取得部が取得した電波強度とに基づいてハンディターミナル送受信部が通信を行う他の装置を決定し、コントローラ装置から接続応答メッセージを受信していない場合には、第3の通信パラメータとプリンタ電波強度取得部が取得した電波強度とに基づいてハンディターミナル送受信部が通信を行う他の装置を決定するハンディターミナル決定部とを備える。
【0013】
この構成により、コントローラ装置は、プリンタとハンディターミナルに対して、接続応答メッセージを用いて第1の通信パラメータを送信することができる。また、プリンタとハンディターミナルは、コントローラ装置から受信した第1の通信パラメータを用いて、通信を行う他の装置を決定することができる。これにより、各装置とも、より容易に通信パラメータを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態における注文データ管理システムの構成を示した概略図である。
図2】本実施形態におけるハンディターミナルの構成を示した機能ブロック図である。
図3】本実施形態におけるプリンタの構成を示した機能ブロック図である。
図4】本実施形態におけるコントローラの構成を示した機能ブロック図である。
図5】本実施形態における無線強度判定データAのデータ構造を示した概略図である。
図6】本実施形態におけるハンディターミナルからコントローラに対して送信する接続要求メッセージのフォーマットを示した概略図である。
図7】本実施形態におけるコントローラからハンディターミナルに対して送信する接続応答メッセージのフォーマットを示した概略図である。
図8】本実施形態におけるプリンタからコントローラに対して送信する接続要求メッセージのフォーマットを示した概略図である。
図9】本実施形態におけるコントローラからプリンタに対して送信する接続応答メッセージのフォーマットを示した概略図である。
図10】本実施形態におけるプリンタを介して、ハンディターミナルからコントローラに対してオーダーデータを送信する送信手順を示したシーケンス図である。
図11】本実施形態におけるハンディターミナルがコントローラに対してオーダーデータを送信する際の動作手順を示したフローチャートである。
図12】本実施形態におけるプリンタが、起動直後に他のプリンタを介してコントローラと通信接続し、伝票を印字する際におけるデータの流れを示したシーケンス図である。
図13】本実施形態におけるプリンタが、起動直後にコントローラと通信接続する際の動作手順を示したフローチャートである。
図14】本実施形態におけるプリンタが、起動中に接続先を変更する際の動作手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における注文データ管理システムの構成を示した概略図である。図示する例では、注文データ管理システム100は、ハンディターミナル1A,1B,1Cと、プリンタ2A,2B,2Cと、コントローラ3(請求項におけるコントローラ装置に相当)と、POSレジスタ4とを備える。なお、ハンディターミナル1A,1B,1C等の複数のハンディターミナルを総称する場合は、ハンディターミナル1と呼ぶ。また、プリンタ2A,2B,2C等の複数のプリンタを総称する場合は、プリンタ2と呼ぶ。
【0016】
ハンディターミナル1は、注文の入力を受け付け、受け付けた注文に基づいたオーダーデータをコントローラ3に対して送信する。プリンタ2は、コントローラ3の制御により、調理指示伝票や会計伝票などを印字する。また、プリンタ2は、無線中継装置としても動作し、ハンディターミナル1とコントローラ3との無線通信や、プリンタ2とコントローラ3との無線通信を中継する。コントローラ3は、ハンディターミナル1から送信されるオーダーデータの管理を行う。また、コントローラ3は、オーダーデータに基づいて、プリンタ2に調理指示伝票や会計伝票などを印字させる。POSレジスタ4は、コントローラ3が管理するオーダーデータに基づいて会計処理を行う。
【0017】
この構成により、ハンディターミナル1は、入力を受け付けたオーダーデータを、プリンタ2を介してまたは直接、コントローラ3に対して送信する。コントローラ3は、オーダーデータを受信すると、注文処理やオーダーデータの保存を行い、プリンタ2に対して伝票出力指示を送信する。
【0018】
なお、図示する例では、プリンタ2Aは、ハンディターミナル1A,1Cとコントローラ3との間の無線通信と、プリンタ2B,2Cとコントローラ3との間の無線通信を中継している。また、プリンタ2Bは、ハンディターミナル1Bとプリンタ2Aとの間の無線通信を中継している。すなわち、ハンディターミナル1Aはコントローラ3に対してオーダーデータを送信する際には、プリンタ2Aを中継させて送信する。
【0019】
次に、ハンディターミナル1の構成について説明する。図2は、本実施形態におけるハンディターミナル1の構成を示した機能ブロック図である。図示する例では、ハンディターミナル1は、ハンディターミナル入力部11(請求項における入力部に相当)と、ハンディターミナル制御部12と、ハンディターミナル送受信部13と、ROM(Read Only Memory)14と、RAM(Random Access Memory)15(請求項におけるハンディターミナル記憶部に相当)と、ハンディターミナル表示部16とを備える。
【0020】
ハンディターミナル入力部11は、タッチパネルやテンキー等を備え、注文等の入力を受け付ける。ハンディターミナル制御部12は、ハンディターミナル1が備える各部の制御を行う。また、ハンディターミナル制御部12は、ハンディターミナル送受信部13が受信したデータに基づいて受信電波強度を測定する(請求項におけるハンディターミナル電波強度取得部に相当)。また、ハンディターミナル制御部12は、無線通信の接続先(中継先)の装置を決定する(請求項におけるハンディターミナル決定部に相当)。なお、無線通信の接続先(中継先)の装置の決定方法については後述する。
【0021】
ハンディターミナル送受信部13は、無線通信を用いて他の装置とデータの送受信を行う。ROM14は、ハンディターミナル1が備える各部が用いるデータを記憶する。また、ROM14は、無線強度判定データB1を記憶する。無線強度判定データB1については後述する。RAM15は、ハンディターミナル1が備える各部が用いるデータを一時記憶する。また、RAM15は、無線強度判定データA1、近隣検索応答最大値、近隣検索応答数を記憶する。無線強度判定データA1、近隣検索応答最大値、近隣検索応答数については後述する。ハンディターミナル表示部16は、例えば液晶ディスプレイ等であり、文字や図形を表示する。
【0022】
次に、プリンタ2の構成について説明する。図3は、本実施形態におけるプリンタ2の構成を示した機能ブロック図である。図示する例では、プリンタ2は、操作部21と、プリンタ制御部22と、プリンタ送受信部23と、ROM24と、RAM25(請求項におけるプリンタ記憶部に相当)と、印字部26とを備える。
【0023】
操作部21は、テンキーなどを備え、ユーザからの指示の入力を受け付ける。プリンタ制御部22は、プリンタ2が備える各部の制御を行う。また、プリンタ制御部22は、プリンタ送受信部23が受信したデータに基づいて受信電波強度を測定する(請求項におけるプリンタ電波強度取得部に相当)。また、プリンタ制御部22は、無線通信の接続先(中継先)の装置を決定する(請求項におけるプリンタ決定部に相当)。なお、無線通信の接続先(中継先)の装置の決定方法については後述する。
【0024】
プリンタ送受信部23は、無線通信を用いて他の装置とデータの送受信を行う。ROM24は、プリンタ2が備える各部が用いるデータを記憶する。また、ROM24は、無線強度判定データB2を記憶する。無線強度判定データB2については後述する。RAM25は、プリンタ2が備える各部が用いるデータを一時記憶する。また、RAM25は、無線強度判定データA2、近隣検索応答最大値、近隣検索応答数を記憶する。無線強度判定データA2、近隣検索応答最大値、近隣検索応答数については後述する。印字部26は、調理指示伝票や会計伝票などを印字する。
【0025】
次に、コントローラ3の構成について説明する。図4は、本実施形態におけるコントローラ3の構成を示した機能ブロック図である。図示する例では、コントローラ3は、コントローラ制御部31と、コントローラ送受信部32と、ROM33と、RAM34と、不揮発メモリ35(請求項におけるコントローラ記憶部に相当)とを備える。
【0026】
コントローラ制御部31は、コントローラ3が備える各部の制御を行う。コントローラ送受信部32は、無線通信を用いて他の装置とデータの送受信を行う。ROM33は、コントローラ3が備える各部が用いるデータを記憶する。RAM34は、コントローラ3が備える各部が用いるデータを一時記憶する。不揮発メモリ35は、書き換え可能であり、電源を切っても記憶内容を保持するメモリである。また、不揮発メモリ35は、無線強度判定データAを記憶する。
【0027】
次に、無線強度判定データAについて説明する。無線強度判定データAは、ハンディターミナル1やプリンタ2の通信特性を定める通信パラメータである。本実施形態では、コントローラ3の不揮発メモリ35が無線強度判定データAを記憶している。なお、不揮発メモリ35は書き換え可能なメモリであるため、注文データ管理システム100の設置環境などに応じて、無線強度判定データAの値を任意の値に書き換えることができる。
【0028】
また、コントローラ3は、無線強度判定データAについて、ハンディターミナル1やプリンタ2で同一であっても良いのだが、本実施形態では、ハンディターミナル1とプリンタ2とで異なる無線強度判定データを記憶しているものとする。例えば、コントローラ3は、ハンディターミナル1のために無線強度判定データA1を記憶し、ハンディターミナル1に対して必要に応じて送信する。また、プリンタ2のために無線強度判定データA2を記憶し、プリンタ2に対して必要に応じて送信する。
【0029】
プリンタ2は、受信した無線強度判定データA2をRAM25に記憶する。また、ハンディターミナル1は、受信した無線強度判定データA1をRAM15に記憶する。従って、コントローラ3からハンディターミナル1やプリンタ2に対して容易に無線強度判定データAを送信することができれば、より容易に通信パラメータを設定することができる。
【0030】
図5は、本実施形態における無線強度判定データAのデータ構造を示した概略図である。無線強度判定データAは、対象装置を示す「装置情報」と、その対象装置が、無線接続が切断することなく通信を行うことができる下限の受信電波強度を示す「電波強度(dBm)」と、受信電波強度との差分を示す「電波強度オフセット値(dBm)」とのデータ項目を少なくとも有しており、各データ項目のデータを行毎に関連付けて記憶する。
【0031】
図示する例において、データ項目「装置情報」に記憶されている対象装置は、「ハンディターミナルXX」であり、これは注文データ管理システム内の全てのハンディターミナルを示す。データ項目「電波強度(dBm)」に記憶されている値は「I1」であり、データ項目「電波強度オフセット値(dBm)」に記憶されている値は「O1」である。これらのデータを無線強度判定データA1(請求項におけるハンディターミナル用の第1の通信パラメータに相当)とする。
【0032】
また対象装置「プリンタXX」は注文データ管理システム内の全てのプリンタを示し、データ項目「電波強度(dBm)」に記憶されている値が「I2」であり、データ項目「電波強度オフセット値(dBm)」に記憶されている値が「O2」である。これらのデータを無線強度判定データA2(請求項におけるプリンタ用の第1の通信パラメータに相当)とする。
【0033】
次に、無線強度判定データBについて説明する。本実施形態では、ハンディターミナル1のROM14およびプリンタ2のROM24が無線強度判定データBを予め記憶している。これは、その装置がコントローラ3から無線強度判定データAを取得していない場合に使用するデータであり、無線強度判定データとして一般的な値が設定されている。なお、ハンディターミナル1とプリンタ2とは、同一の無線強度判定データBを予め記憶していてもよく、異なる無線強度判定データBを予め記憶していてもよい。本実施形態では、ハンディターミナル1とプリンタ2とで別々の無線強度判定データB1およびB2を記憶しているものとする。なお、無線強度判定データBのデータ構造は、無線強度判定データAのデータ構造と同様である。
【0034】
次に、ハンディターミナル1からコントローラ3に対して送信する接続要求メッセージのフォーマットについて説明する。図6は、本実施形態におけるハンディターミナル1からコントローラ3に対して送信する接続要求メッセージのフォーマットを示した概略図である。図示する例では、ハンディターミナル1からコントローラ3に対して送信する接続要求メッセージは、送信元と、送信先と、経由と、コマンドとのデータ項目を有している。
【0035】
送信元は、接続要求メッセージの送信元の装置名を格納する。送信先は、接続要求メッセージの送信先の装置名を格納する。経由は、接続要求メッセージの送信を中継する装置名を格納する。コマンドは、接続コマンド「ConnectReq」を格納する。図示する例では、送信元は「ハンディターミナル1A」であり、送信先は「コントローラ3」であり、経由は「プリンタ2A」であり、コマンドは「ConnectReq」である。これは、接続要求メッセージの送信元は「ハンディターミナル1A」であることを示している。また、接続要求メッセージの送信先は「コントローラ3」であることを示している。また、接続要求メッセージは「プリンタ2A」を経由することを示している。また、接続要求メッセージのコマンドは「ConnectReq」であることを示している。
【0036】
次に、コントローラ3からハンディターミナル1に対して送信する接続応答メッセージのフォーマットについて説明する。図7は、本実施形態におけるコントローラ3からハンディターミナル1に対して送信する接続応答メッセージのフォーマットを示した概略図である。図示する例では、コントローラ3からハンディターミナル1に対して送信する接続応答メッセージは、送信元と、送信先と、経由と、コマンドと、付帯データとのデータ項目を有している。
【0037】
送信元は、接続応答メッセージの送信元の装置名を格納する。送信先は、接続応答メッセージの送信先の装置名を格納する。経由は、接続応答メッセージの送信を中継する装置名を格納する。コマンドは、接続コマンド「ConnectRes」を格納する。付帯データは「無線強度判定データA」を格納する。図示する例では、送信元は「コントローラ3」であり、送信先は「ハンディターミナル1A」であり、経由は「プリンタ2A」であり、コマンドは「ConnectRes」であり、付帯データは「無線強度判定データA1」である。これは、接続応答メッセージの送信元は「コントローラ3」であることを示している。また、接続応答メッセージの送信先は「ハンディターミナル1A」であることを示している。また、接続応答メッセージは「プリンタ2A」を経由することを示している。また、接続応答メッセージのコマンドは「ConnectRes」であることを示している。また、接続応答メッセージの付帯データは「無線強度判定データA1」であることを示している。これにより、コントローラ3は、接続応答メッセージを用いて「無線強度判定データA1」をハンディターミナル1に対して送信することができる。
【0038】
次に、プリンタ2からコントローラ3に対して送信する接続要求メッセージのフォーマットについて説明する。図8は、本実施形態におけるプリンタ2からコントローラ3に対して送信する接続要求メッセージのフォーマットを示した概略図である。図示する例では、プリンタ2からコントローラ3に対して送信する接続要求メッセージは、送信元と、送信先と、経由と、コマンドとのデータ項目を有している。
【0039】
送信元は、接続要求メッセージの送信元の装置名を格納する。送信先は、接続要求メッセージの送信先の装置名を格納する。経由は、接続要求メッセージの送信を中継する装置名を格納する。コマンドは、接続コマンド「ConnectReq」を格納する。図示する例では、送信元は「プリンタ2B」であり、送信先は「コントローラ3」であり、経由は「プリンタ2A」であり、コマンドは「ConnectReq」である。これは、接続要求メッセージの送信元は「プリンタ2B」であることを示している。また、接続要求メッセージの送信先は「コントローラ3」であることを示している。また、接続要求メッセージは「プリンタ2A」を経由することを示している。また、接続要求メッセージのコマンドは「ConnectReq」であることを示している。
【0040】
次に、コントローラ3からプリンタ2に対して送信する接続応答メッセージのフォーマットについて説明する。図9は、本実施形態におけるコントローラ3からプリンタ2に対して送信する接続応答メッセージのフォーマットを示した概略図である。図示する例では、コントローラ3からプリンタ2に対して送信する接続応答メッセージは、送信元と、送信先と、経由と、コマンドと、付帯データとのデータ項目を有している。
【0041】
送信元は、接続応答メッセージの送信元の装置名を格納する。送信先は、接続応答メッセージの送信先の装置名を格納する。経由は、接続応答メッセージの送信を中継する装置名を格納する。コマンドは、接続コマンド「ConnectRes」を格納する。付帯データは「無線強度判定データA」を格納する。図示する例では、送信元は「コントローラ3」であり、送信先は「プリンタ2B」であり、経由は「プリンタ2A」であり、コマンドは「ConnectRes」であり、付帯データは「無線強度判定データA2」である。これは、接続応答メッセージの送信元は「コントローラ3」であることを示している。また、接続応答メッセージの送信先は「プリンタ2B」であることを示している。また、接続応答メッセージは「プリンタ2A」を経由することを示している。また、接続応答メッセージのコマンドは「ConnectRes」であることを示している。また、接続応答メッセージの付帯データは「無線強度判定データA2」であることを示している。これにより、コントローラ3は、接続応答メッセージを用いて「無線強度判定データA2」をプリンタ2に対して送信することができる。
【0042】
次に、ハンディターミナル1が注文の入力を受け付けた後、コントローラ3にオーダーデータを送信する際におけるデータの流れについて説明する。図10は、本実施形態におけるプリンタ2Aを介して、ハンディターミナル1Aからコントローラ3に対してオーダーデータを送信する送信手順を示したシーケンス図である。図示する例は、条件の良い経路を決定し(ステップS101〜S104)、その後、オーダーデータがその経路で送信される(ステップS105〜S108)例を示している。
【0043】
(ステップS101)ハンディターミナル1Aのハンディターミナル入力部11は、注文の入力を受け付ける。
(ステップS102)ハンディターミナル1Aのハンディターミナル制御部12は、通信環境の良い経路を決定するため、近隣検索要求メッセージを生成し、ハンディターミナル送受信部13に入力する。ハンディターミナル送受信部13は、ブロードキャストにより近隣検索要求メッセージを送信し、近隣検索要求メッセージは、通信エリア内にあるプリンタ2Aとコントローラ3に到達する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23と、コントローラ3のコントローラ送受信部32とは、それぞれ近隣検索要求メッセージを受信する。
【0044】
(ステップS103)プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、ステップS102の処理で受信した近隣検索要求メッセージに対応する近隣検索応答メッセージを生成し、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、ハンディターミナル1Aに対して近隣検索応答データを送信する。また、コントローラ3のコントローラ制御部31も同様に、ステップS102の処理で受信した近隣検索要求メッセージに対応する近隣検索応答メッセージを生成し、コントローラ送受信部32に入力する。コントローラ送受信部32は、ハンディターミナル1Aに対して近隣検索応答データを送信する。
【0045】
(ステップS104)ハンディターミナル1のハンディターミナル制御部12は、ハンディターミナル送受信部13が近隣検索応答データを受信すると、受信時の受信電波強度を測定する。そして、この受信電波強度と無線強度判定データを使用して最適な中継装置を特定する。例えば、ハンディターミナル1Aのハンディターミナル制御部12は、RAM15が前回取得した無線強度判定データA1を記憶している場合には、ステップS103の処理で受信した近隣検索応答メッセージと、無線強度判定データAとに基づいて最適な中継装置を特定する。また、ハンディターミナル1Aのハンディターミナル制御部12は、RAM15が無線強度判定データAを記憶していない場合には、ステップS103の処理で受信した近隣検索応答メッセージと、ROM14が予め記憶している無線強度判定データB1とに基づいて最適な中継装置を特定する。この、最適な中継装置の特定の方法については、後述する。図示する例では、ハンディターミナル制御部12は、最適な中継装置としてプリンタ2Aを特定している。
【0046】
(ステップS105)ハンディターミナル1Aのハンディターミナル制御部12は、接続要求メッセージを生成する。ハンディターミナル送受信部13は、ステップS104の処理で特定した、最適な中継装置であるプリンタ2Aを介してコントローラ3に対して接続要求メッセージを送信する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23は、接続要求メッセージを受信する。なお、接続要求メッセージには、送信先「コントローラ3」が含まれている。そのため、プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、受信した接続要求メッセージを、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、コントローラ3に対して接続要求メッセージを送信する。
コントローラ3のコントローラ送受信部32は、接続要求メッセージを受信する。
【0047】
(ステップS106)コントローラ3のコントローラ制御部31は、ステップS105の処理で受信した接続要求メッセージに対し、接続要求メッセージに含まれる送信元がハンディターミナル1と認識し「無線強度判定データA」の装置情報がハンディターミナルXXに該当する「無線強度判定データA1」を付帯データとして接続応答メッセージを生成してコントローラ送受信部32に入力する。コントローラ送受信部32は、プリンタ2Aを中継させてハンディターミナル1Aに対して接続応答メッセージを送信する。なお、当然のことながら、コントローラ3も、ハンディターミナル1Aからの接続要求メッセージの受信を受けて、ハンディターミナル1Aに対する送信経路として、プリンタ2Aを中継することを記憶する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23は、接続応答メッセージを受信する。なお、接続応答メッセージには、送信先「ハンディターミナル1A」が含まれている。そのため、プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、受信した接続応答メッセージを、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、ハンディターミナル1Aに対して接続応答メッセージを送信する。
ハンディターミナル1Aのハンディターミナル送受信部13は、接続応答メッセージを受信する。これにより、ハンディターミナル1Aは、接続応答メッセージに基づいて、コントローラ3に対してオーダーデータを送信する場合、プリンタ2Aを経由させて送信する経路が一番条件の良い経路であることを認識することができる。また、接続応答メッセージには、無線強度判定データA1が含まれているため、ハンディターミナル1Aのハンディターミナル制御部12は、無線強度判定データA1をRAM15に記憶させる。
【0048】
(ステップS107)ハンディターミナル1Aのハンディターミナル制御部12は、ステップS101の処理で入力を受け付けた注文データに基づいてオーダーデータを生成し、ハンディターミナル送受信部13に入力する。ハンディターミナル送受信部13は、ステップS106の処理で特定した経路を用いて、コントローラ3に対してオーダーデータを送信する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23は、オーダーデータを受信する。なお、オーダーデータには、送信先「コントローラ3」が含まれている。そのため、プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、受信したオーダーデータを、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、コントローラ3に対してオーダーデータを送信する。
コントローラ3のコントローラ送受信部32は、オーダーデータを受信する。また、コントローラ3のコントローラ制御部31は、受信したオーダーデータをRAM34に記憶させる。
【0049】
(ステップS108)コントローラ3のコントローラ制御部31は、オーダーデータに対応するオーダーデータ応答メッセージを生成してコントローラ送受信部32に入力する。コントローラ送受信部32は、プリンタ2Aを中継させてハンディターミナル1Aに対してオーダーデータ応答メッセージを送信する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23は、オーダーデータ応答メッセージを受信する。なお、オーダーデータ応答メッセージには、送信先「ハンディターミナル1A」が含まれている。そのため、プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、受信したオーダーデータ応答メッセージを、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、ハンディターミナル1Aに対してオーダーデータ応答メッセージを送信する。
ハンディターミナル1Aのハンディターミナル送受信部13は、オーダーデータ応答メッセージを受信する。
【0050】
上述した処理手順により、ハンディターミナル1Aは、最適な中継装置を用いて、コントローラ3に対してオーダーデータを送信することができる。また、コントローラ3は、接続応答メッセージを用いて、ハンディターミナル1Aに対して通信パラメータである「無線強度判定データA1」を送信することができる。
【0051】
次に、ハンディターミナル1がコントローラ3に対してオーダーデータを送信する際の動作について説明する。図11は、本実施形態におけるハンディターミナル1がコントローラ3に対してオーダーデータを送信する際の動作手順を示したフローチャートである。また、最適な中継装置の特定の手順についても、ここで説明する。
【0052】
(ステップS201)ハンディターミナル1のハンディターミナル制御部12は、ハンディターミナル送受信部13に近隣検索要求メッセージを送信させる。その後、ステップS202の処理に進む。
(ステップS202)ハンディターミナル制御部12は、RAM15が記憶している「近隣検索応答最大値」を消去する。その後、ステップS203の処理に進む。なお、近隣検索応答最大値とは、前回、送信した近隣検索要求メッセージに対する応答として受信した近隣検索応答メッセージのうち、受信電波強度が一番高かった応答メッセージの、実際の電波強度のことである。
(ステップS203)ハンディターミナル制御部12は、RAM15が記憶している近隣検索応答数を消去する。その後、ステップS204の処理に進む。なお、近隣検索応答数とは、前回、送信した近隣検索要求に対する応答として受信した近隣検索応答メッセージの数量のことである。
【0053】
(ステップS204)ハンディターミナル制御部12は、RAM15が「無線強度判定データA1」を記憶しているか否かを判定する。「無線強度判定データA1」を記憶しているとハンディターミナル制御部12が判定した場合にはステップS205の処理に進み、それ以外の場合にはステップS206の処理に進む。
【0054】
(ステップS205)ハンディターミナル制御部12は、RAM15が記憶している「無線強度判定データA1」を通信パラメータとして使用すると判定する。その後、ステップS207の処理に進む。
(ステップS206)ハンディターミナル制御部12は、ROM14が記憶している「無線強度判定データB1」を通信パラメータとして使用すると判定する。その後、ステップS207の処理に進む。
【0055】
(ステップS207)ハンディターミナル制御部12は、近隣検索応答メッセージの受信に関して、予め決められた受信待ち時間が経過したか否かを判定する。ハンディターミナル制御部12が、予め決められた受信待ち時間は経過していないと判定した場合、ステップS208の処理に進み、予め決められた受信待ち時間は経過したと判定した場合、ステップS210の処理に進む。
(ステップS208)ハンディターミナル制御部12は、近隣検索応答メッセージを受信したか否かを判定する。ハンディターミナル制御部12が、近隣検索応答メッセージを受信していないと判定した場合には、ステップS207の処理に戻る。また、ハンディターミナル制御部12が、近隣検索応答メッセージを受信したと判定した場合には、ステップS209の処理に進む。
【0056】
(ステップS209)ハンディターミナル制御部12は、近隣検索応答メッセージを受信したので、近隣検索応答数にプラス1をして、ステップS212の処理に進む。
(ステップS210)ハンディターミナル制御部12は、受信待ち時間が経過したため、近隣検索応答数が「0(ゼロ)」であるか否かを判定する。ハンディターミナル制御部12が、近隣検索応答数は「0(ゼロ)」であると判定した場合、今回の近隣検索要求メッセージに対しどの装置からも近隣検索応答メッセージを受信できなかったとして、再び近隣検索要求を行うため、ステップS201の処理に戻る。一方、ハンディターミナル制御部12が、近隣検索応答数は「0(ゼロ)」ではないと判定した場合、ステップS211の処理に進む。
【0057】
(ステップS211)ハンディターミナル制御部12は、最も受信強度が大きい近隣検索要求メッセージを送信した装置を特定し、特定した装置を接続先(中継先)として選択する。その後、ステップS215の処理に進む。
【0058】
(ステップS212)ハンディターミナル制御部12は、ハンディターミナル送受信部13が受信した近隣検索要求メッセージの受信強度が、ステップS205またはステップS206の処理で通信パラメータとして用いると決定した無線強度判定データの「電波強度(dBm)」以上であるか否かを判定する。ハンディターミナル送受信部13が受信した近隣検索要求メッセージの受信強度は、無線強度判定データの「電波強度(dBm)」以上であるとハンディターミナル制御部12が判定した場合にはステップS214の処理に進み、それ以外の場合にはステップS213の処理に進む。
【0059】
(ステップS213)ハンディターミナル制御部12は、最も受信強度が大きい近隣検索要求メッセージの受信強度を判定し、近隣検索応答最大値としてRAM15に記憶させる。その後、ステップS207の処理に戻る。
(ステップS214)ハンディターミナル制御部12は、ハンディターミナル送受信部13が受信した近隣検索要求メッセージを送信した装置を接続先(中継先)として選択する。その後、ステップS215の処理に進む。
【0060】
(ステップS215)ハンディターミナル送受信部13は、ステップS211またはステップS214の処理でハンディターミナル制御部12が選択した接続先(中継先)に対して接続要求メッセージを送信する。その後、ステップS216の処理に進む。
(ステップS216)ハンディターミナル制御部12は、ハンディターミナル送受信部13が接続応答メッセージを受信したか否かを判定する。接続応答メッセージを受信したとハンディターミナル制御部12が判定した場合にはステップS217の処理に進み、それ以外の場合にはステップS201の処理に戻る。すなわち、再度、近隣検索要求から処理をやり直す。
【0061】
(ステップS217)ハンディターミナル制御部12は、接続応答メッセージに含まれる無線強度判定データA1をRAM15に記憶させる。その後、ステップS218の処理に進む。
(ステップS218)ハンディターミナル制御部12は、入力を受け付けた注文データに基づいてオーダーデータを生成し、ハンディターミナル送受信部13に入力する。ハンディターミナル送受信部13は、ステップS211またはステップS214の処理でハンディターミナル制御部12が選択した接続先(中継先)に対してオーダーデータを送信する。その後、ステップS219の処理に進む。
【0062】
(ステップS219)ハンディターミナル制御部12は、ハンディターミナル送受信部13がオーダーデータ応答メッセージを受信したか否かを判定する。オーダーデータ応答メッセージを受信したとハンディターミナル制御部12が判定した場合には処理を終了し、それ以外の場合にはステップS201の処理に戻る。
【0063】
上述した処理手順により、ハンディターミナル1は、コントローラ3から受信した接続応答メッセージに含まれる無線強度判定データA1(通信パラメータ)をRAM15に記憶させることができる。また、ハンディターミナル1は、コントローラ3から無線強度判定データA1を受信した場合には、受信した無線強度判定データA1に基づいて、次回、コントローラ3に対してオーダーデータを送信する際に、一番条件の良い経路を特定することができる。これにより、より容易に通信パラメータである無線強度判定データA1をハンディターミナル1に設定することができる。なお、ハンディターミナル1は、コントローラ3から無線強度判定データA1を受信していない場合においても、予め記憶している無線強度判定データB1に基づいて一番条件の良い経路を特定することができる。
【0064】
次に、プリンタ2が、起動直後にコントローラ3と通信接続し、伝票を印字する際におけるデータの流れについて説明する。図12は、本実施形態におけるプリンタ2Bが、起動直後にプリンタ2Aを介してコントローラ3と通信接続し、伝票を印字する際におけるデータの流れを示したシーケンス図である。
また、図示する例では、プリンタ2Aとコントローラ3から定期的に送信される定期パケット(詳細は後述する)の受信強度に基づいて、プリンタ2Bの接続先を変更する際のデータの流れについても示している(ステップS309〜ステップS317)。
【0065】
(ステップS301)プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、通信環境の良い経路を決定するため、近隣検索要求メッセージを生成し、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、ブロードキャストにより近隣検索要求メッセージを送信し、近隣検索要求メッセージは、通信エリア内にあるプリンタ2Aとコントローラ3に到達する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23と、コントローラ3のコントローラ送受信部32とは、それぞれ近隣検索要求メッセージを受信する。
【0066】
(ステップS302)プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、ステップS301の処理で受信した近隣検索要求メッセージに対応する近隣検索応答メッセージを生成し、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、プリンタ2Bに対して近隣検索応答データを送信する。また、コントローラ3のコントローラ制御部31も同様に、ステップS301の処理で受信した近隣検索要求メッセージに対応する近隣検索応答メッセージを生成し、コントローラ送受信部32に入力する。コントローラ送受信部32は、プリンタ2Bに対して近隣検索応答データを送信する。
【0067】
(ステップS303)プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、プリンタ送受信部23が近隣検索応答データを受信すると、受信時の受信電波強度を測定する。そして、この受信電波強度と無線強度判定データを使用して最適な中継装置を特定する。例えば、プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、RAM25が前回取得した無線強度判定データA2を記憶している場合には、ステップS302の処理で受信した近隣検索応答メッセージと、無線強度判定データA2とに基づいて最適な中継装置を特定する。また、プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、RAM25が無線強度判定データA2を記憶していない場合には、ステップS302の処理で受信した近隣検索応答メッセージと、ROM24が記憶している無線強度判定データBとに基づいて最適な中継装置を特定する。この、最適な中継装置の特定の方法については、後述する。図示する例では、プリンタ制御部22は、最適な中継装置としてプリンタ2Aを特定している。
【0068】
(ステップS304)プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、接続要求メッセージを生成する。プリンタ送受信部23は、ステップS303の処理で特定した、最適な中継装置であるプリンタ2Aを介してコントローラ3に対して接続要求メッセージを送信する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23は、接続要求メッセージを受信する。なお、接続要求メッセージには、送信先「コントローラ3」が含まれている。そのため、プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、受信した接続要求メッセージを、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、コントローラ3に対して接続要求メッセージを送信する。
コントローラ3のコントローラ送受信部32は、接続要求メッセージを受信する。
【0069】
(ステップS305)コントローラ3のコントローラ制御部31は、ステップS304の処理で受信した接続要求メッセージに対し、対応する接続要求メッセージに含まれる送信元がプリンタ2Bと認識し「無線強度判定データA」の装置情報がプリンタXXに該当する「無線強度判定データA2」を付帯データとして接続応答メッセージを生成してコントローラ送受信部32に入力する。コントローラ送受信部32は、プリンタ2Aを中継させてプリンタ2Bに対して接続応答メッセージを送信する。なお、当然のことながら、コントローラ3も、プリンタ2Bからの接続要求メッセージの受信を受けて、プリンタ2Bに対する送信経路として、プリンタ2Aを中継することを記憶する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23は、接続応答メッセージを受信する。なお、接続応答メッセージには、送信先「プリンタ2B」が含まれている。そのため、プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、受信した接続応答メッセージを、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、プリンタ2Bに対して接続応答メッセージを送信する。
プリンタ2Bのプリンタ送受信部23は、接続応答メッセージを受信する。これにより、プリンタ2Bは、接続応答メッセージに基づいて、コントローラ3と通信を行う場合、プリンタ2Aを経由して通信を行う経路が一番条件の良い経路であることを認識することができる。また、接続応答メッセージには、無線強度判定データA2が含まれているため、プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、無線強度判定データA2をRAM25に記憶させる。
【0070】
(ステップS306)コントローラ3のコントローラ制御部31は、プリンタ2Bに伝票を出力させる際には伝票データを生成し、コントローラ送受信部32に入力する。
(ステップS307)コントローラ3のコントローラ送受信部32は、ステップS305の処理で特定した経路を用いて、プリンタ2Bに対して伝票データを送信する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23は、伝票データを受信する。なお、伝票データには、送信先「プリンタ2B」が含まれている。そのため、プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、受信した伝票データを、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、プリンタ2Bに対して伝票データを送信する。
プリンタ2Bのプリンタ送受信部23は、伝票データを受信する。また、プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、受信した伝票データに基づいた伝票を印字部26に印字させる。印字部26は、伝票を印字する。
【0071】
(ステップS308)プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、伝票データに対応する伝票データ応答メッセージを生成してプリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、プリンタ2Aを中継させてコントローラ3に対して伝票データ応答メッセージを送信する。
プリンタ2Aのプリンタ送受信部23は、伝票データ応答メッセージを受信する。なお、伝票データ応答メッセージには、送信先「コントローラ3」が含まれている。そのため、プリンタ2Aのプリンタ制御部22は、受信した伝票データ応答メッセージを、プリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、コントローラ3に対して伝票データ応答メッセージを送信する。
コントローラ3のコントローラ送受信部32は、伝票データ応答メッセージを受信する。
【0072】
上述した処理手順により、プリンタ2Bは、最適な中継装置を用いて、コントローラ3と通信接続を行うことができる。また、コントローラ3は、最適な中継装置を用いて、プリンタ2Bに対して伝票データを送信し、伝票を印字させることができる。また、コントローラ3は、接続応答メッセージを用いて、プリンタ2Bに対して通信パラメータである「無線強度判定データA2」を送信することができる。
【0073】
ところで、注文データ管理システムに含まれている各装置は、それそれ、所定のタイミングで定期的に定期パケットをブロードキャスト送信する。定期パケットを受信した装置は受信電波強度を測定し、送信元の装置と対応付けて記憶する。
(ステップS309)コントローラ3のコントローラ送受信部32と、プリンタ2Aのプリンタ送受信部23とは、プリンタ2Bに対して定期パケットを送信する。プリンタ2Bのプリンタ送受信部23は、送信された定期パケットを受信する。
(ステップS310)プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、RAM25が無線強度判定データA2を記憶している場合には、ステップS309の処理で受信した定期パケットと、無線強度判定データA2とに基づいて最適な中継装置を特定する。また、プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、RAM25が無線強度判定データA2を記憶していない場合には、ステップS309の処理で受信した定期パケットと、ROM24が記憶している無線強度判定データB2とに基づいて最適な中継装置を特定する。図示する例では、プリンタ制御部22は、最適な中継装置としてプリンタ2Aを特定している。そのため、プリンタ2Bは接続先を変更しない。
【0074】
ステップS311〜ステップS312は、ステップS309〜ステップS310の処理と同様である。但し、図示する例では、ステップS312の処理で、プリンタ制御部22は、定期パケット受信時の受信電波強度に起因して、最適な中継装置としてコントローラ3を特定している。そのため、プリンタ2Bは接続先をコントローラ3に変更する。この接続先の変更についての詳細は後述する。
【0075】
(ステップS313)プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、接続要求メッセージを生成する。プリンタ送受信部23は、ステップS312の処理で特定した、最適な中継装置であるコントローラ3に対して接続要求メッセージを直接送信する。
コントローラ3のコントローラ送受信部32は、接続要求メッセージを受信する。
【0076】
(ステップS314)コントローラ3のコントローラ制御部31は、ステップS313の処理で受信した接続要求メッセージに対応する接続応答メッセージを生成してコントローラ送受信部32に入力する。コントローラ送受信部32は、プリンタ2Bに対して接続応答メッセージを直接送信する。
プリンタ2Bのプリンタ送受信部23は、接続応答メッセージを受信する。これにより、プリンタ2Bは、定期パケットに基づいて、コントローラ3と通信を行う場合、コントローラ3と直接通信を行う経路が一番条件の良い経路であることを認識することができる。なお、当然のことながら、コントローラ3も、プリンタ2Bからの接続要求メッセージの受信を受けて、プリンタ2Bに対する送信経路として、プリンタ2Bと直接通信を行う経路を記憶する。
【0077】
(ステップS315)コントローラ3のコントローラ制御部31は、プリンタ2Bに伝票を出力させる際には伝票データを生成し、コントローラ送受信部32に入力する。
(ステップS316)コントローラ3のコントローラ送受信部32は、ステップS314の処理で特定した経路を用いて、プリンタ2Bに対して伝票データを直接送信する。
プリンタ2Bのプリンタ送受信部23は、伝票データを受信する。また、プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、受信した伝票データに基づいた伝票を印字部26に印字させる。印字部26は、伝票を印字する。
【0078】
(ステップS317)プリンタ2Bのプリンタ制御部22は、伝票データに対応する伝票データ応答メッセージを生成してプリンタ送受信部23に入力する。プリンタ送受信部23は、コントローラ3に対して伝票データ応答メッセージを直接送信する。
コントローラ3のコントローラ送受信部32は、伝票データ応答メッセージを受信する。
【0079】
上述した処理手順により、プリンタ2Bは、コントローラ3と直接通信接続を行うことができる。また、コントローラ3は、プリンタ2Bに対して伝票データを直接送信し、伝票を印字させることができる。
【0080】
次に、プリンタ2が、起動直後にコントローラ3と通信接続する際の動作について説明する。図13は、本実施形態におけるプリンタ2が、起動直後にコントローラ3と通信接続する際の動作手順を示したフローチャートである。
【0081】
(ステップS401)プリンタ2のプリンタ制御部22は、プリンタ送受信部23に近隣検索要求メッセージを送信させる。その後、ステップS402の処理に進む。
(ステップS402)プリンタ制御部22は、RAM25が記憶している「近隣検索応答最大値」を消去する。その後、ステップS403の処理に進む。なお、近隣検索応答最大値とは、前回、送信した近隣検索要求メッセージに対する応答として受信した近隣検索応答メッセージのうち、受信電波強度が一番高かった応答メッセージの、実際の電波強度のことである。
(ステップS403)プリンタ制御部22は、RAM25が記憶している近隣検索応答数を消去する。その後、ステップS404の処理に進む。なお、近隣検索応答数とは、前回、送信した近隣検索要求に対する応答として受信した近隣検索応答メッセージの数量のことである。
【0082】
(ステップS404)プリンタ制御部22は、RAM25が「無線強度判定データA2」を記憶しているか否かを判定する。「無線強度判定データA2」を記憶しているとプリンタ制御部22が判定した場合にはステップS405の処理に進み、それ以外の場合にはステップS406の処理に進む。
【0083】
(ステップS405)プリンタ制御部22は、RAM25が記憶している「無線強度判定データA2」を通信パラメータとして使用すると判定する。その後、ステップS407の処理に進む。
(ステップS406)プリンタ制御部22は、ROM24が記憶している「無線強度判定データB2」を通信パラメータとして使用すると判定する。その後、ステップS407の処理に進む。
【0084】
(ステップS407)プリンタ制御部22は、近隣検索要求メッセージの受信に関して、予め決められた受信待ち時間が経過したか否かを判定する。プリンタ制御部22が、予め決められた受信待ち時間は経過していないと判定した場合、ステップS408の処理に進み、予め決められた受信待ち時間は経過したと判定した場合、ステップS410の処理に進む。
(ステップS408)プリンタ制御部22は、近隣検索応答メッセージを受信したか否かを判定する。プリンタ制御部22が、近隣検索応答メッセージを受信していないと判定した場合には、ステップS407の処理に戻る。また、プリンタ制御部22が、近隣検索応答メッセージを受信したと判定した場合には、ステップS409の処理に進む。
【0085】
(ステップS409)プリンタ制御部22は、近隣検索応答メッセージを受信したので、近隣検索応答数にプラス1をして、ステップS412の処理に進む。
(ステップS410)プリンタ制御部22は、受信待ち時間が経過したため、近隣検索応答数が「0(ゼロ)」であるか否かを判定する。プリンタ制御部22が、近隣検索応答数は「0(ゼロ)」であると判定した場合、今回の近隣検索要求メッセージに対しどの装置からも近隣検索応答メッセージを受信できなかったとして、再び近隣検索要求を行うため、ステップS401の処理に戻る。一方、プリンタ制御部22が、近隣検索応答数は「0(ゼロ)」ではないと判定した場合、ステップS411の処理に進む。
【0086】
(ステップS411)プリンタ制御部22は、最も受信強度が大きい近隣検索要求メッセージを送信した装置を特定し、特定した装置を接続先(中継先)として選択する。その後、ステップS415の処理に進む。
【0087】
(ステップS412)プリンタ制御部22は、プリンタ送受信部23が受信した近隣検索要求メッセージの受信強度が、ステップS405またはステップS406の処理で通信パラメータとして用いると決定した無線強度判定データの「電波強度(dBm)」以上であるか否かを判定する。プリンタ送受信部23が受信した近隣検索要求メッセージの受信強度は、無線強度判定データの「電波強度(dBm)」以上であるとプリンタ制御部22が判定した場合にはステップS414の処理に進み、それ以外の場合にはステップS413の処理に進む。
【0088】
(ステップS413)プリンタ制御部22は、最も受信強度が大きい近隣検索要求メッセージの受信強度を判定し、近隣検索応答最大値としてRAM25に記憶させる。その後、ステップS407の処理に戻る。
(ステップS414)プリンタ制御部22は、プリンタ送受信部23が受信した近隣検索要求メッセージを送信した装置を接続先(中継先)として選択する。その後、ステップS415の処理に進む。
【0089】
(ステップS415)プリンタ送受信部23は、ステップS411またはステップS414の処理でプリンタ制御部22が選択した接続先(中継先)に対して接続要求メッセージを送信する。その後、ステップS416の処理に進む。
(ステップS416)プリンタ制御部22は、プリンタ送受信部23が接続応答メッセージを受信したか否かを判定する。接続応答メッセージを受信したとプリンタ制御部22が判定した場合にはステップS417の処理に進み、それ以外の場合にはステップS401の処理に戻る。すなわち、再度、近隣検索要求から処理をやり直す。
(ステップS417)プリンタ制御部22は、接続応答メッセージに含まれる無線強度判定データA2をRAM25に記憶させる。その後、処理を終了する。
【0090】
上述した処理手順により、プリンタ2は、コントローラ3から受信した接続応答メッセージに含まれる無線強度判定データA2をRAM25に記憶させることができる。また、プリンタ2は、コントローラ3から無線強度判定データA2を受信した場合には、受信した無線強度判定データA2に基づいて一番条件の良い経路を特定することができる。これにより、より容易に通信パラメータである無線強度判定データA2をプリンタ2に設定することができる。なお、プリンタ2は、コントローラ3から無線強度判定データA2を受信していない場合においても、予め記憶している無線強度判定データB2に基づいて一番条件の良い経路を特定することができる。
【0091】
次に、プリンタ2が、起動中に接続先を変更する際の動作について説明する。図14は、本実施形態におけるプリンタ2が、起動中に接続先を変更する際の動作手順を示したフローチャートである。
【0092】
(ステップS501)プリンタ2のプリンタ送受信部23は、他の装置から送信される定期パケットを一定時間受信する。また、プリンタ制御部22は、プリンタ送受信部23が受信した定期パケットの送信元毎に、定期パケットの受信電波強度平均値を算出する。その後、ステップS502の処理に進む。
(ステップS502)プリンタ制御部22は、現在接続先として選択している装置から定期パケットを受信したか否かを判定する。現在接続先として選択している装置から定期パケットを受信したとプリンタ制御部22が判定した場合にはステップS503の処理に進み、それ以外の場合にはステップS510の処理に進む。
【0093】
(ステップS503)プリンタ制御部22は、現在接続先として選択している装置から送信された定期パケットの受信電波強度平均値が、最適判定値以上であるか否かを判定する。現在接続先として選択している装置から送信された定期パケットの受信電波強度平均値は最適判定値以上であるとプリンタ制御部22が判定した場合にはステップS501の処理に戻り、それ以外の場合にはステップS504の処理に進む。
【0094】
(ステップS504)プリンタ制御部22は、現在接続先として選択している装置とは異なる装置から定期パケットを受信したか否かを判定する。現在接続先として選択している装置とは異なる装置から定期パケットを受信したとプリンタ制御部22が判定した場合にはステップS505の処理に進み、それ以外の場合にはステップS501の処理に戻る。
(ステップS505)プリンタ制御部22は、現在接続先として選択している装置とは異なる装置のうち、定期パケットの受信電波強度平均値が最大の装置を判定する。その後、ステップS506の処理に進む。
【0095】
(ステップS506)プリンタ制御部22は、ステップS505の処理で判定した装置から送信された定期パケットの受信電波強度平均値が、ステップS503の処理で現在接続先として選択している装置から送信された定期パケットの受信電波強度平均値に、無線強度判定データAの電波強度オフセット値を加算した値以上であるか否かを判定する。ステップS505の処理で判定した装置から送信された定期パケットの受信電波強度平均値は、ステップS503の処理で現在接続先として選択している装置から送信された定期パケットの受信電波強度平均値に無線強度判定データAの電波強度オフセット値を加算した値以上であるとプリンタ制御部22が判定した場合にはステップS507の処理に進み、それ以外の場合にはステップS501の処理に戻る。
【0096】
(ステップS507)プリンタ制御部22は、ステップS505の処理で判定した装置を接続先(中継先)として選択する。その後、ステップS508の処理に進む。
(ステップS508)プリンタ送受信部23は、ステップS507の処理でプリンタ制御部22が選択した接続先(中継先)に対して接続要求メッセージを送信する。その後、ステップS509の処理に進む。
(ステップS509)プリンタ制御部22は、プリンタ送受信部23が接続応答メッセージを受信したか否かを判定する。接続応答メッセージを受信したとプリンタ制御部22が判定した場合には処理を終了し、それ以外の場合にはステップS510の処理に進む。
(ステップS510)プリンタ制御部22は、起動直後にコントローラ3と通信接続する際の処理(図13に示した処理)を実行する。その後、ステップS501の処理に戻る。
【0097】
上述した処理手順により、プリンタ2は、無線強度判定データA2と他の装置から送信される定期パケットとに基づいて、接続している装置から送信される定期パケットの受信強度が弱くなった場合、定期パケットの受信強度が高い装置に接続先を変更することができる。また、上述した処理手順では、プリンタ2は、接続していない装置から送信される定期パケットの受信電波強度平均値が最適判定値以上ではなく、最適判定値にオフセット値を加算した値以上である場合に、定期パケットの受信強度が高い装置に接続先を変更している。これにより、プリンタ2の接続先が頻繁に変更されることを防ぐことができる。
【0098】
上述した通り、本実施形態によれば、コントローラ3は、ハンディターミナル1およびプリンタ2に対して、接続応答メッセージを用いて通信パラメータである「無線強度判定データA1」、「無線強度判定データA2」を送信することができる。ハンディターミナル1およびプリンタ2は、コントローラ3から受信した接続応答メッセージに含まれる無線強度判定データA1および無線強度判定データA2をそれぞれRAM15およびRAM25に記憶させることができる。これにより、コントローラ3において、無線強度判定データを設定することにより、ハンディターミナル1およびプリンタ2の通信パラメータを個々の装置毎に手動設定する必要はなく、より容易に設定することができる。
【0099】
また、ハンディターミナル1およびプリンタ2は、それぞれ、コントローラ3から無線強度判定データA1およびA2を受信した場合には、受信した無線強度判定データA1およびA2に基づいて、最適なタイミングで一番条件の良い経路を特定することができる。
例えば、ハンディターミナル1に関して、注文入力を受ける場所は通常、客席である。そのため、店舗内の様々な場所において注文入力を行う可能性があり、最適な無線送信経路が頻繁に変わる可能性がある。よって、注文入力のタイミングで無線強度判定データA1に基づいて一番条件の良い経路を特定することで、注文データを確実にコントローラ2に送信することができる。
また、例えば、プリンタ2に関して、基本的に配置場所は固定であるが、そのときの店舗の状況等によって、最適な通信経路が変わる可能性がある。よって、定期的に無線強度判定データAに基づいて一番条件の良い経路を特定することで、いつ送信されてくるか予測のつかない、コントローラ3からの伝票データにも的確に対応し、受信することができる。
なお、ハンディターミナル1およびプリンタ2は、コントローラ3から無線強度判定データAを受信していない場合においても、予め記憶している無線強度判定データBに基づいて一番条件の良い経路を特定することができる。
よって、例えば、コントローラ3が無線強度判定データA1およびA2を設定していない場合や、何らかの事情で送信しなかった場合などでも、ハンディターミナル1およびプリンタ2は条件の良い経路によって通信を行うことができる。
【0100】
なお、上述した実施形態におけるハンディターミナル1と、プリンタ2と、コントローラ3とが備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0101】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0102】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0103】
例えば、上述した実施形態では、無線強度判定データAとして、装置の種類毎に「ハンディターミナルXX」と「プリンタXX」とを設けているが、これに限らない。例えば、無線強度判定データAを、「ハンディターミナル1A」、「ハンディターミナル1B」、「プリンタ2A」、「プリンタ2B」のように装置毎に設けてもよい。特に、プリンタ2は設置場所によって電波条件が異なるため、設置位置に応じて無線強度判定データの電波強度を設定することが有効である。また、無線強度判定データAのデータ項目「装置情報」を「装置名称と無線通信条件」に置き換えることで、無線の通信周波数に応じて、「電波強度」や「電波強度オフセット値」を個別設定できるようにしてもよい。
【0104】
また、上述した実施形態では、注文データ管理システム100内のハンディターミナル1およびプリンタ2について、一番条件の良い経路を設定するための条件(無線強度判定データA)は、コントローラ3がまとめて保管する。そのため、コントローラ3において無線強度判定データを修正するだけで、注文データ管理システム100内の装置について最適な無線強度判定データAを容易に設定させることが可能になる。また、例えば、注文データ管理システム100において、通常業務で行われるメニュー変更などと同等の手順で、コントローラ3から各装置に対して無線強度判定データを配信して変更記憶させることも可能である。
【0105】
また、例えば、店舗の運営時間帯や混雑具合、調理器具の稼働状況などに起因して、店舗内の無線環境が変化することも予測できる。よって、コントローラ3において、そのような状況を加味しながら、必要に応じて無線強度判定データAを変更し、それをハンディターミナル1およびプリンタ2に設定させることで、店舗の運営状態をも加味した最適な通信経路の特定が可能となる。
【0106】
また、上述した実施形態では、注文データ管理システム100は、ハンディターミナル1と、プリンタ2と、コントローラ3と、レジスタ4とを備えているが、これに限らず、他の装置を含んでいてもよい。また、他の装置においても、ハンディターミナル1やプリンタ2と同様に、本発明の技術を用いて接続先を決定するようにしてもよい。例えば、他の装置が据え置き型の装置である場合には、プリンタ2と同様に接続先を決定するようにしてもよい。また、他の装置がバッテリを備えた携帯装置である場合には、ハンディターミナル1と同様に接続先を決定するようにしてもよく、また、電源を投入時に接続先を決定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1,1A,1B,1C・・・ハンディターミナル、2,2A,2B,2C・・・プリンタ、3・・・コントローラ、4・・・レジスタ、11・・・ハンディターミナル入力部、12・・・ハンディターミナル制御部、13・・・ハンディターミナル送受信部、14,24,33・・・ROM、15,25,34・・・RAM、16・・・ハンディターミナル表示部、21・・・操作部、22・・・プリンタ制御部、23・・・プリンタ送受信部、26・・・印字部、31・・・コントローラ制御部、32・・・コントローラ送受信部、35・・・不揮発メモリ、100・・・注文データ管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14