特許第5919058号(P5919058)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5919058
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】制振部材を備えたシャッターケース
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
   E06B9/17 W
   E06B9/17 Q
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-71686(P2012-71686)
(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公開番号】特開2013-204242(P2013-204242A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】一柳 裕昭
【審査官】 川島 陵司
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭56−15354(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターケースは、建物外壁から持ち出し状に延びる左右のブラケット間に支持された巻取シャフトの上側の空間を覆うケース上面板と、該巻取シャフトの前側の空間を覆うケース前面板と、を備え、
前記左右のブラケット間には、前記ケース上面板の下面に近接ないし離間対向して開口幅方向に延びる1本あるいは複数本の上側ケース横材が設けてあり、
前記ケース上面板の下面には、当該下面と前記1本あるいは複数本の上側ケース横材のうちの1本の上側ケース横材との間に位置させて、制振部材が固定されており、
前記制振部材は、開口幅方向の第1の幅及び当該開口幅方向に直交する方向の第2の幅を備えたシート体であり、前記1本の上側ケース横材は、当該制振部材の第2の幅方向の重心位置を含む幅方向中間部位の下側に位置して開口幅方向に延びている
制振部材を備えたシャッターケース。
【請求項2】
前記制振部材は、前記ケース上面板の下面に接着手段によって固定されている、請求項に記載のシャッターケース。
【請求項3】
前記制振部材は、前記ケース上面板の下面に締結要素によって固定されている、請求項1、2いずれか1項に記載のシャッターケース。
【請求項4】
前記制振部材の下側には、前記ケース上面板の前方かつ前記ケース前面板の上方に位置する上側ケース横材が位置しており、前記制振部材の第2の幅方向の第1部分が前記ケース上面板の下面に固定されており、前記制振部材の第2の幅方向の第2部分が前記ケース前面板の内面に固定されている、請求項1〜いずれか1項に記載のシャッターケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制振部材を備えたシャッターケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓シャッター装置は、窓装置の屋外側の空間を開閉するように建物の外壁に取り付けられており、シャッターカーテンを収納するシャッターケースが屋外に露出しているため、雨天時には、雨滴がシャッターケースに当たって不快音が発生するおそれがある。これを防ぐために、シャッターケース上面に制振部材を設けることが行われている(図11(A)、特許文献1、2)。
【0003】
ここで、窓シャッター装置のシャッターカーテンにより開口部が閉鎖された状態では、左右の金属製のガイドレール内に金属製のシャッターカーテンの幅方向両端部が受け入れられると共に、シャッターカーテン下端の金属製の座板が金属製の下枠に接触ないし近接した状態であり、本来的に所定の防火性能が備わっている。しかしながら、より長い避難時間を確保し、また、延焼をなるべく食い止めるためには、防火性能がより向上させることが望まれる。
【0004】
上述のシャッターケース上面に設けられる制振部材は、例えば、樹脂製ゴムとアルミ板材とを貼り合わせたシート体であり、高温の影響を受け易い樹脂製要素を含んでいる。このようなシート状の制振部材をシャッターケース上面板の下面に接着した態様において、通常時には制振部材が落下するようなことはないが、シャッターケースが火災時の高温に晒されると、シート状の制振部材が軟化してケース上面板の下面から剥がれてシャッターケースの下部へ落下するおそれがある(図11(B)参照)。シャッターケースの下部に落下した制振部材が発火した時には、シャッターケースの下部の隙間からケース外に火炎が出てしまうことが起こり得る。
【0005】
ケース上面の鋼板を二重構造とし、その間に制振部材に設けることで(特許文献1、2)、制振部材の落下を防止することができるが、シャッターケースの製造が複雑かつ困難となり、コストの上昇を招くことになる。
【特許文献1】特開2000−8737
【特許文献2】特開2007−205070
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡単な構成でありながら、ケース上面板の下面に制振部材を備えたシャッターケースにおいて、シャッターケース内面に固定(例えば、接着)された制振部材が火災時の熱によって剥がれたような場合であっても、当該制振部材が落下しないような構造を備えたシャッターケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するべく本発明が採用した技術手段は、
シャッターケースは、建物外壁から持ち出し状に延びる左右のブラケット間に支持された巻取シャフトの上側の空間を覆うケース上面板と、該巻取シャフトの前側の空間を覆うケース前面板と、を備え、
前記左右のブラケット間には、前記ケース上面板の下面に近接ないし離間対向して開口幅方向に延びる1本あるいは複数本の上側ケース横材が設けてあり、
前記ケース上面板の下面には、当該下面と少なくとも1本の上側ケース横材との間に位置させて、制振部材が固定されている、制振部材を備えたシャッターケース、
である。
【0008】
1つの態様では、前記制振部材は、開口幅方向の第1の幅及び当該開口幅方向に直交する方向の第2の幅を備えたシート体であり、前記上側ケース横材は、当該制振部材の第2の幅の中間部位の下側に位置して開口幅方向に延びている。
このように構成することで、制振部材の重心位置を含む幅方向中間部位の下側に上側ケース横材を位置させることができ、ケース上面板の下面に固定した制振部材が剥がれた場合であっても、当該制振部材が上側ケース横材に引っ掛かることで、シャッターケース内の下部へ落下することを防止することができる(図10参照)。
【0009】
1つの態様では、前記制振部材は、前記ケース上面板の下面に接着手段によって固定されている。
1つの態様では、前記制振部材は、前記ケース上面板の下面に締結要素によって固定されている。
後述する第2実施形態では、前記制振部材は、前記ケース上面板の下面に接着手段によって固定されていると共に、前記ケース上面板と当て板との間に当該制振部材を挟んで締結要素で固定されている。締結要素としては、リベットや螺子が例示される。
【0010】
1つの態様では、前記制振部材の下側には、前記ケース上面板の前方かつ前記ケース前面板の上方に位置する上側ケース横材が位置しており、前記制振部材の第2の幅方向の第1部分が前記ケース上面板の下面に固定されており、前記制振部材の第2の幅方向の第2部分が前記ケース前面板の内面に固定されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、ケース上面板の下面には、当該下面と少なくとも1本の上側ケース横材との間に位置させて、制振部材が固定されているので、制振部材がケース上面板の下面から剥がれた場合であっても、下側の上側ケース横材に引っ掛かることで落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係るシャッターケースを備えた窓シャッターの概略側面図である。
図2図1を正面から見た内観図である。
図3図1のシャッターケース部分の拡大図である。
図4】本発明の第2実施形態に係るシャッターケースを示す図である。
図5図4を正面から見た部分内観図である。
図6】本発明の第3実施形態に係るシャッターケースを示す図である。
図7図6を正面から見た部分内観図である。
図8】本発明の第4実施形態に係るシャッターケースを示す図である。
図9図8を正面から見た部分内観図である。
図10】本発明の作用効果を説明する図である。シャッターケース及びブラケットの形状は、第1〜第4実施形態に示すものと異なる点に留意されたい。
図11】従来の制振部材を備えたシャッターケースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[A]窓シャッター装置の基本構成
図1に示すように、窓シャッター装置は、窓開口部の上方に位置して、外壁Wに持ち出し状に取り付けられたシャッターケース1と、窓開口部の幅方向両側に位置して外壁Wに対して持ち出した位置に設けられた左右のガイドレール2と、左右のガイドレール2を持ち出し状に支持する支持枠20と、シャッターケース1内に形成された収納部に設けた巻取シャフト3と、上端が巻取シャフト3に連結されており、巻取シャフト3に巻き取られ/繰り出されることで、幅方向両端部がガイドレール2に案内されながら昇降して窓開口部の室外側部位を開閉するシャッターカーテン4と、窓開口部の下方に位置して、外壁Wに持ち出し状に取り付けられた下枠(水切板)5と、を備えている。なお、窓シャッターは、本発明が適用される好適な実施形態の一つであって、本発明は窓シャッターに限定されるものではない。
【0014】
巻取シャフト3は開口幅方向に延びており、長さ方向の両端部は、建物躯体から持ち出し状に延びる左右のブラケット6の面部60にそれぞれ支持されている。シャッターケース1は、ブラケット6間に支持された巻取シャフト3の上側の空間を覆うケース上面板10と、巻取シャフト3の前側の空間を覆うケース前面板11と、を備えている。
【0015】
[B]第1実施形態
本発明の第1実施形態について、図1図3に基づいて説明する。図1図3に示すように、巻取シャフト3及び巻取シャフト3に巻装されたシャッターカーテン4を収納する収納部は、外壁Wより前側に位置する前側部位と、外壁Wよりも後側に位置する後側部位と、からなり、後側部位はアルミ型材からなるサッシ枠8により形成されており、前側部位はシャッターケース1によって形成されている。シャッターケース1は、サッシ枠8に対して着脱可能に装着できるようになっている。
【0016】
シャッターケース1は、巻取シャフト3及び巻取シャフト3に巻装されたシャッターカーテン4の上側を覆うケース上面板10と、巻取シャフト3及び巻取シャフト3に巻装されたシャッターカーテン4の前側を覆うケース前面板11と、ケース前面板11の下端から後方に延びるケース下面板12と、を備えている。また、シャッターケース1には、開口幅方向の両側面板13が一体形成されている。
【0017】
図3に示すように、ブラケット6は、開口幅方向(巻取シャフト3の長さ方向)に直交して延びる板状の面部60と、面部の周縁の所定部位を折り曲げてなる取付片61〜65と、を備えている。ブラケット6は、サッシ枠8側に形成された支持構造に対して取り付けられており、ブラケット6の前側部位が建物外壁から持ち出し状に延びている。巻取シャフト3の長さ方向端部はブラケット6の面部60に支持されている。左右のブラケット6の周辺部位間には、2本の上側ケース横材70、71と、1本の下側ケース横材72が、架け渡してある。
【0018】
上側ケース横材70の長さ方向端部は、ブラケット6の前側かつ上側の隅部に位置して、取付片61に対してリベットで固定されており、ケース上面板10の前側部位と、ケース前面板11の上側部位と、によって形成される隅部に離間対向するように延設されている。上側ケース横材71の長さ方向端部は、ブラケット6の後側かつ上側の隅部に位置して、取付片63に対してリベットで固定されている。下側ケース横材72の長さ方向端部は、ブラケット6の後側かつ下側の隅部に位置して、取付片64、65に対してリベットで固定されている。
【0019】
シャッターケース1の内面には制振部材9が固定されている。制振部材9は、開口幅方向の第1の幅X及び当該開口幅方向に直交する方向の第2の幅Yを備えた方形状のシート体である。制振部材9は、防振ゴムシートや樹脂シートから形成することができ、本実施形態では、制振部材9は、アルミニウムシートないしフォイルにブチルゴムシートの第1の面を貼り付けることで形成されており、ブチルゴムシートの第2の面は露出しており、粘着剤が塗布されている。このような制振部材9は、火災時の熱によって軟化する(常温下である程度の可撓性を備えていても、加熱によりさらに軟らかくなる)ものであり、加熱によって、シャッターケース1の内面から剥がれ易くなる。シャッターケースに設けられる制振部材自体は公知であって、制振部材の材料等については、特許文献1、2を参照することができる。
【0020】
図3に示すように、制振部材9は、シャッターケース1の内面と上側ケース横材70との間に位置するように、ケース上面板10の前側部位の下面と、ケース前面板11の上側部位の内面に亘って粘着剤によって接着されている。より具体的には、制振部材9の第2の幅方向の部分90がケース上面板10の下面に接着されており、制振部材9の第2の幅方向の部分91がケース前面板11の内面に接着されている。上側ケース横材70は、制振部材9の第2の幅Yの中間部位の下側に位置して開口幅方向に延びている。
【0021】
このように構成することで、制振部材9の第2の幅方向の重心位置を含む幅方向中間部位の下側に上側ケース横材70を位置させることができ、ケース上面板10の下面に接着した制振部材9が剥がれた場合であっても、制振部材9が上側ケース横材70に引っ掛かることで、シャッターケース1内の下部へ落下することを防止することができる(図10(B)参照)。図10(B)において、ケース上面板10の下面から剥がれて垂れ下がった部位90´とケース前面板11の内面から剥がれて垂れ下がった部位91´の第2の幅方向の長さは概ね同じであり、制振部材9の重心が上側ケース横材70上にある。
【0022】
[C]第2実施形態
本発明の第2実施形態について、図4図5に基づいて説明する。第2実施形態は第1実施形態の変形であり、同一の参照番号が付された部材については、第1実施形態に係る説明を援用することができる。
【0023】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、制振部材9の第2の幅方向の部分90がケース上面板10の下面に接着されており、制振部材9の第2の幅方向の部分91がケース前面板11の内面に接着されている。図4に示すように、制振部材9の第2の幅方向の一部90は、ケース上面板10の下面に接着されていることに加えて、当該部分90の下方に当て板92を配置することで、ケース上面板10と当て板92とで当該部分90を挟むようにしてリベット93で固定されている。当て板92は、開口幅方向に延びる長尺部材であり、制振部材9の第2の幅Yの中間部位の下面に当接させて、制振部材9とケース上面板10と共にリベット93で一体化されている。当て板92は、シャッターケース1やブラケット6と同様にスチールで形成されており、所定の耐火性を備えている。
【0024】
このように構成することで、火災時の加熱により制振部材9の接着力が落ちた場合であても、リベット93による固定が制振部材9を落下を防止する。さらに、火災時の加熱で制振部材9が変形ないし部分的に溶融してリベット93による固定が外れた場合であっても、制振部材9が上側ケース横材70に引っ掛かることで、シャッターケース1内の下部へ落下することを防止することができる(図10(B)参照)。
【0025】
[D]第3実施形態
本発明の第3実施形態について、図6図7に基づいて説明する。他の実施形態との間で、同一の参照番号が付された部材については、他の実施形態に係る説明を適宜援用することができる。
【0026】
図6に示すように、巻取シャフト3及び巻取シャフト3に巻装されたシャッターカーテン4を収納する収納部は、シャッターケース1によって形成されている。シャッターケース1は、巻取シャフト3及び巻取シャフト3に巻装されたシャッターカーテン4の上側を覆うケース上面板10と、巻取シャフト3及び巻取シャフト3に巻装されたシャッターカーテン4の前側を覆うケース前面板11と、ケース前面板11の下端から後方に延びるケース下面板12と、を備えている。
【0027】
ブラケット6は、開口幅方向(巻取シャフト3の長さ方向)に直交して延びる板状の面部60と、面部60の周縁の所定部位を折り曲げてなる取付片61´〜65´と、を備えている。ブラケット6は外壁Wに設けた被掛止金具80に対して取り付けられている。巻取シャフト3の長さ方向端部はブラケット6の面部60に支持されている。図6に示すように、左右のブラケット6の周辺部位間には、2本の上側ケース横材70、71と、2本の下側ケース横材73、74が、架け渡してある。
【0028】
上側ケース横材70の長さ方向端部は、ブラケット6の前側かつ上側の隅部に位置して、取付片61´に対してリベットで固定されており、ケース上面板10の前側部位と、ケース前面板11の上側部位と、によって形成される隅部に離間対向するように延設されている。上側ケース横材71の長さ方向端部は、ブラケット6の後側かつ上側の隅部に位置して、取付片63´に対してリベットで固定されている。下側ケース横材73の長さ方向端部は、ブラケット6の下側の前後方向中間部に位置して、取付片65´に対してリベットで固定されており、まぐさ部を形成している。下側ケース横材74の長さ方向端部は、ブラケット6の前側かつ下側の隅部に位置して、取付片65´に対してリベットで固定されている。
【0029】
図6に示すように、制振部材9は、シャッターケース1の内面と上側ケース横材70との間に位置するように、ケース上面板10の前側部位の下面と、ケース前面板11の上側部位の内面に亘って粘着剤によって接着されている。より具体的には、制振部材9の第2の幅方向の部分90がケース上面板10の下面に接着されており、制振部材9の第2の幅方向の部分91がケース前面板11の内面に接着されている。図示の態様では、複数枚の制振部材9が開口幅方向に間隔を存して配置されている。上側ケース横材70は、制振部材9の第2の幅Yの中間部位の下側に位置して開口幅方向に延びている。
【0030】
このように構成することで、制振部材9の第2の幅方向の重心位置を含む幅方向中間部位の下側に上側ケース横材70を位置させることができ、ケース上面板10の下面に接着した制振部材9が剥がれた場合であっても、制振部材9が上側ケース横材70に引っ掛かることで、シャッターケース1内の下部へ落下することを防止することができる(図10(B)参照)。
【0031】
[E]第4実施形態
本発明の第4実施形態について、図8図9に基づいて説明する。他の実施形態との間で、同一の参照番号が付された部材については、他の実施形態に係る説明を適宜援用することができる。第4実施形態において、シャッターケース1、ブラケット6の構成は第3実施形態と類似しており、同一の参照番号が付された部材については、第3実施形態の説明を援用することができる。
【0032】
図8に示すように、ブラケット6の上辺の前後方向中間部位には、上側ケース横材75が設けてある。上側ケース横材75の長さ方向端部は、取付片62´に対してリベットで固定されている。ケース上面板10の下面には、制振部材9の第2の幅Yの中間部位の下側に上側ケース横材75が位置するように、制振部材9が粘着剤によって接着されている。図8に示すように、制振部材9は第2の幅方向において、上側ケース横材75に対して後側の部分90Aと、上側ケース横材75に対して前側の部分90Bと、からなる。
【0033】
このように構成することで、制振部材9の第2の幅方向の重心位置を含む幅方向中間部位の下側に上側ケース横材75を位置させることができ、ケース上面板10の下面に接着した制振部材が剥がれた場合であっても、制振部材9が上側ケース横材75に引っ掛かることで、シャッターケース1内の下部へ落下することを防止することができる(図10(A)参照)。図10(A)において、ケース上面板10の下面から剥がれて垂れ下がった部位90A´と部位90B´の第2の幅方向の長さは概ね同じであり、制振部材9の重心が上側ケース横材75上にある。
【0034】
図示の態様では、開口幅方向に比較的短尺の方形状の制振部材9を示したが、制振部材9の形状や寸法は限定されない。制振部材の形状は、第1の幅方向及び第2の幅方向に拡がりをもって延びる面状の部材であれば、形状は問わず、円形、横長円形、平行四辺形等、いかなる形状であってもよい。図示の態様では、複数枚の制振部材9が開口幅方向に間隔を存して配置されているが、開口幅方向に延びる1枚の制振部材を用いてもよい。第1実施形態及び第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態と、2種類のシャッターケースを示したが、本発明に係るシャッターケースは、建物躯体から持ち出し状に延びる左右のブラケット間に支持された巻取シャフトの上側を覆うケース上面板と、該巻取シャフトの前側を覆うケース前面板と、を備えていればよく、シャッターケースの形状・構成は限定されない。同様に、2種類のブラケットを示したが、建物躯体から持ち出し状に延びて、その間に巻取シャフトを支持するものであればよく、ブラケットの形状・構成(面部の形状や取付片の折曲形成部位等)、取付構造(建物躯体にどのように取り付けられているか等)は限定されない。ケース横材において、図示の態様では、略L型アングル材から形成されたケース横材が示してあるが、ケース横材の断面形状も図示の形状に限定されるものではなく、例えば、角パイプ状、円筒パイプ状の長尺部材であってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 シャッターケース
3 巻取シャフト
6 ブラケット
70 上側ケース横材
75 上側ケース横材
9 制振部材
10 ケース上面板
11 ケース前面板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11