(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリエステル樹脂(A)が、テレフタル酸から誘導されるジカルボン酸成分単位30〜100モル%、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%からなるジカルボン酸成分単位(a−1)並びに、炭素原子数4〜20の脂環族ジアルコール成分単位(a−3)および/または脂肪族ジアルコール成分単位(a−4)を含むポリエステル樹脂(A−1)であることを特徴とする請求項1に記載の反射材用ポリエステル樹脂組成物。
ポリエステル樹脂(A−1)に含まれるジアルコール成分単位(a−3)が、シクロヘキサン骨格を有することを特徴とする請求項2に記載の反射材用ポリエステル樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。
[ポリエステル樹脂(A)]
本発明に好適に使用されるポリエステル樹脂(A)は、芳香族ジカルボン酸由来の構成単位と、環状骨格を有するジアルコール由来の構成単位を有する構造であることが好ましい。
【0021】
このようなカルボン酸由来の構造単位としては、のジカルボン酸成分単位(a−1)としては、テレフタル酸成分単位30〜100モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%、および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%からなることが好ましく、これらのジカルボン酸成分単位(a−1)の合計量は100モル%である。このうちテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位としては、例えばイソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸およびこれらの組み合せが好ましい。また、脂肪族ジカルボン酸成分単位は、その炭素原子数を特に制限するものではないが、炭素原子数は4〜20、好ましくは6〜12の脂肪族ジカルボン酸から誘導される。このような脂肪族ジカルボン酸成分単位を誘導するために用いられる脂肪族ジカルボン酸の例としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸などが挙げられる。
【0022】
本発明では、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを原料として使用することができる。
【0023】
また、本発明においてジカルボン酸成分単位には、テレフタル酸成分単位は好ましくは40〜100モル%、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位は好ましくは0〜60モル%、および/または炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12の脂肪族ジカルボン酸成分単位は、好ましくは0〜60モル%の量で含まれることが好ましい。
【0024】
また、本発明においては、ジカルボン酸成分単位(a−1)として、上記のような構成単位とともに、少量、例えば、10モル%以下程度の量の多価カルボン酸成分単位が含まれても良い。このような多価カルボン酸成分単位として具体的には、トリメリット酸およびピロメリット酸等のような三塩基酸および多塩基酸を挙げることができる。
【0025】
一方、脂環族骨格を有するジオールとしては、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノール、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類などの芳香族ジオールなどを原料として使用することができる。耐熱性や成形性の観点から、脂環族グリコールがさらに好ましい。
【0026】
脂環族グリコールの場合、シス、トランス構造などの異性体が存在するが、耐熱性の観点ではトランス構造のほうが好ましい。したがって、シス/トランス比は、好ましくは50/50〜0/100、さらに好ましくは、40/60〜0/100である。
【0027】
本発明では、前記の環状骨格を有するジオールのほかに、樹脂としての溶融流動性を高める目的などで、脂肪族ジオールを併用することもできる。具体的には、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどを挙げることができる。
【0028】
またポリエステル樹脂(A)は、ポリエステル樹脂(A)、無機充填材(B)および白色顔料(C)の合計量100質量%中に、30〜80質量%、好ましくは30〜70質量%、さらに40〜60質量%の割合となるように調整される。
【0029】
本発明で用いられるポリエステル樹脂(A)の、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)、もしくはガラス転移温度(Tg)は、250℃以上である。好ましい下限値は、270℃、さらに好ましくは290℃である。一方、好ましい上限値は350℃を例示でで、さらに好ましくは335℃である。前記の融点やガラス転移温度が250℃以上であると、リフローはんだ時の反射板の変形が抑制される。上限温度は原則的としては制限がないが、融点もしくはガラス転移温度が350℃以下であると、溶融成形に際してポリエステル樹脂の分解を抑制できるので好ましい。
【0030】
ポリエステル樹脂(A)の極限粘度[η]は、0.3〜1.0dl/gであることが好ましい。極限粘度がこのような範囲にある場合、反射板用熱可塑性樹脂組成物の成形時の流動性が優れるものとし得る。ポリエステル樹脂(A)の極限粘度の調整は、ポリエステル樹脂(A)の分子量を調整することなどでなし得る。ポリエステル樹脂の分子量の調整方法は、重縮合反応の進行度合いや単官能のカルボン酸や単官能のアルコールなどを適量加える等の公知の方法を採用することが出来る。
【0031】
上記極限粘度は、ポリエステル樹脂(A)をフェノールとテトラクロロエタンの50/50質量%の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を使用し、25℃±0.05℃の条件下で試料溶液の流下秒数を測定し、以下の算式で算出される値である。
[η]=ηSP/[C(1+0.205ηSP)]
[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:溶媒の流下秒数(秒)
ηSP=(t−t0)/t0
【0032】
また、本願発明においては必要に応じて、物性の異なるポリエステル樹脂(A)を複数併用しても良い。また、本発明の目的の範囲内であれば、他の熱可塑性樹脂を併用しても良い。
【0033】
[無機充填材(B)]
本発明で使用する無機充填材(B)は、公知の無機充填材を制限無く用いることが出来る。具体的には、繊維状、粉状、粒状、板状、針状、クロス状、マット状等の高いアスペクト比を有する形状の種々の無機補強材を使用することが好ましい。具体的にはガラス繊維、炭酸カルシウムなどの炭酸塩のウィスカー、ハイドロタルサイト、チタン酸カリウム等のチタン酸塩、ワラストナイト、ゾノトライトなどを挙げることができる。上記のような無機充填材の平均長さは10μm〜10mm、好ましくは10μm〜5mmの範囲にあり、アスペクト比(L平均繊維長/D平均繊維径)が、1〜500、好ましくは10〜350の範囲にある。このような範囲にある無機充填材を使用すると強度の向上や線膨張係数の低下などの面で好ましい。
【0034】
その中でも、ガラス繊維(BG)や、カルボニル構造を有する無機化合物(BW)であることが好ましい。これらの無機充填材は、シリコーン化合物等の公知の化合物で処理されていても良い。特にシリコーン化合物で処理されたガラス繊維は好ましい態様の一つである。
【0035】
また無機充填材(B)は、ポリエステル樹脂(A)、無機充填材(B)、白色顔料(C)の合計量100質量%中に、1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、さらに15〜35質量%の割合となるように用いられることが好ましい。
【0036】
本発明に用いられる無機充填材(B)は、異なる長さや異なるアスペクト比を有する二種以上の無機充填材を組み合わせて用いても良い。
【0037】
長さやアスペクト比が大きな無機充填材として具体的には、前述のガラス繊維、ワラストナイト(珪酸カルシウム)等の珪酸塩、チタン酸カリウムウィスカーなどのチタン酸塩等を挙げることが出来る。これらの中でもガラス繊維が好ましい。
【0038】
このような長さやアスペクト比の大きな無機充填材の好ましい長さの下限値は、15μm、好ましくは30μm、より好ましくは50μmである。一方、好ましい上限値は10mm、より好ましくは8mm、さらに好ましくは6mm、特に好ましくは5mmである。特にガラス繊維の場合、好ましい下限値は500μm、より好ましくは700μm、さらに好ましくは1mmである。またこのような無機充填材のアスペクト比の好ましい下限値は20、より好ましくは50、さらに好ましくは90である。一方、好ましい上限値は500、より好ましくは400、さらに好ましくは350である。
【0039】
長さやアスペクト比が前述の無機充填材よりも相対的に小さい無機充填材の例としては、カルボニル基を有する無機充填材(BW)が好ましい例として挙げられ、具体的には炭酸カルシウムなどの炭酸塩のウィスカーを挙げることが出来る。前記のカルボニル基を有する無機充填材のアスペクト比は、好ましくは1〜300、より好ましくは5〜200、更に好ましくは10〜150である。
【0040】
これらの無機充填材を組み合わせるとベースポリマーへの無機充填剤成分の分散性が改良され、またベースポリマーと強化材との親和性が向上することにより、耐熱性、機械強度などを向上させるだけでなく、後述する白色顔料(C)の分散性を向上させることがある。
【0041】
[白色顔料(C)]
本発明で使用する白色顔料(C)としては、ポリエステル樹脂(A)と併用して該樹脂を白色化することで、光反射機能を向上できるものであれば良い。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、鉛白、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミナなどが挙げられる。これらの白色顔料は、単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。また、これらの白色顔料はシランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤などで処理して使用することもできる。たとえばビニルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのシラン系化合物で表面処理されていてもよい。
【0042】
白色顔料としては特に酸化チタンが好ましい。酸化チタンを使用することにより反射率、隠蔽性といった光学特性が向上する。酸化チタンはルチル型が好ましい。酸化チタンの粒子径は、0.1〜0.5μm、好ましくは0.15〜0.3μmである。
【0043】
これらの白色顔料は、反射率を均一化させるためなどの理由で、アスペクト比の小さい、すなわち球状に近いものが好ましい。
【0044】
また白色顔料(C)は、熱可塑性樹脂(A)、無機充填材(B)および白色顔料(C)の合計量100質量%中に、5〜50質量%、好ましくは10〜50質量%、さらに10〜40質量%の割合となるように調整することが好ましい。
【0045】
[オレフィン重合体]
本発明のオレフィン重合体(D)は、対応するオレフィン重合体100質量%に対して0.1〜1.8質量%の官能基構造単位を含んでいる。これらの官能基としては、ヘテロ原子を含む官能基であることが好ましい。より具体的には炭素、水素、酸素とを含む官能基が好ましい態様であり、更に具体的にはエステル基、カルボン酸基、アルデヒド基、ケトン基を挙げることが出来る。
【0046】
オレフィン重合体(D)のオレフィン重合体骨格部分は、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体やこれらのオレフィンの共重合体が等の公知の重合体骨格が好ましい例として挙げられる。特に好ましいオレフィン重合体骨格は、エチレンと炭素数3以上のオレフィンとの共重合体である。
【0047】
本発明のオレフィン重合体(D)は、例えば、対応する公知のオレフィン重合体と対応する官能基を有する化合物とを特定の割合で反応させることによって得ることが出来る。オレフィン重合体として好ましい例の一つがエチレン・α−オレフィン共重合体である。以下、オレフィン重合体としてエチレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合について記載する。
【0048】
前記のエチレン・α−オレフィン共重合体とは、エチレンと他のオレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体である。本発明における変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体としては具体的には、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体等を挙げることが出来る。これらのうちでは、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体が好ましい。
【0049】
本発明におけるエチレン・α−オレフィン共重合体では、エチレンから導かれる構造単位は70〜99.5モル%、好ましくは80〜99モル%、α−オレフィンから導かれる構造単位は0.5〜30モル%、好ましくは1〜20モル%であるのが望ましい。
【0050】
本発明におけるエチレン・α−オレフィン共重合体は、ASTM D1238による190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.01〜20g/10分、好ましくは0.05〜20g/10分であるものが望ましい。
【0051】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法は特に限定されず、例えばチタン(Ti)やバナジウム(V)系、クロム系(Cr)系、またはジルコニウム(Zr)系などの遷移金属触媒を用いて、公知の方法で調製することができる。より具体的にはV 化合物と有機アルミニウム化合物から構成されるチーグラー系触媒やメタロセン系触媒の存在下にエチレンと1 種以上の炭素数3 〜10のα-オレフィンとを共重合させることによって製造する方法を例示することができる。特にはメタロセン系触媒を用いて製造する方法が好適である。
【0052】
このような重合体を用いて本発明のオレフィン重合体(D)を得るには、前記エチレン・α−オレフィン共重合体を、官能基構造単位に対応する官能基含有化合物で、所謂グラフト変性して得る方法が一例である。
【0053】
上記官能基含有化合物としての特に好ましい例は、不飽和カルボン酸またはその誘導体であり、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプトー5−エンー2,3−ジカルボン酸(ナジック酸〔商標〕)等の不飽和カルボン酸、およびこれらの酸ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エステル等の誘導体などがあげられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸もしくはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸(商標)、またはこれらの酸無水物が好適である。
【0054】
前記エチレン・α−オレフィン共重合体のグラフト変性は公知の方法で行うことができ、例えば前記エチレン・α−オレフィン共重合体を有機溶媒に溶解し、次いで得られた溶液に不飽和カルボン酸またはその誘導体およびラジカル開始剤などを加え、通常60〜350℃、好ましくは80〜190℃の温度で、0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させる方法を例示することが出来る。
【0055】
上記の有機溶媒は、エチレン・α−オレフィン共重合体を溶解することができる有機溶媒であれば特に制限なく使用することができる。このような有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
【0056】
また別のグラフト変性方法としては、押出機などを使用し、好ましくは溶媒を併用せずに、エチレン・α−オレフィン共重合体と、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体とを反応させる方法が挙げられる。この場合の反応条件は、反応温度が通常エチレン・α−オレフィン共重合体の融点以上、具体的には100〜350℃、反応時間は通常0.5〜10分間である。
【0057】
前記の不飽和カルボン酸等の官能基含有化合物を効率よくグラフト共重合させるために、ラジカル開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。上記ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル、例えばベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルフェニルアセテート、t−ブチルペルイソブチレート、t−ブチルペル−sec−オクトエート、t−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびt−ブチルペルジエチルアセテート;アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが用いられる。これらの中ではジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。ラジカル開始剤は、変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、通常0.001〜1重量部の割合で用いられる。
【0058】
本発明で用いるオレフィン重合体(D)の好ましい態様の一つであるエチレン・α−オレフィン共重合体(D)は、好ましい密度が0.80〜0.95g/cm
3、より好ましくは0.85〜0.90g/cm
3である。また変性エチレン・α−オレフィン共重合体(D1)中における官能基含有化合物の含有率は、通常0.1〜1.8重量%、好ましくは0.2〜1.5重量%である。さらにエチレン・α−オレフィン共重合体(D1)の135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)溶液中で測定した極限粘度〔η〕が、好ましくは1.5〜4.5dl/g、より好ましくは1.6〜3dl/gである。[η]が上記の範囲内であれば、本発明の樹脂組成物の靱性と溶融流動性とを高いレベルで両立することが出来る。
【0059】
尚、オレフィン重合体(D)の135℃、デカリン中の[η]は、常法に基づき以下の様にして測定される。
サンプル20mgをデカリン15mlに溶解し、ウベローデ粘度計を用い、135℃雰囲気にて比粘度(ηsp)を測定する。このデカリン溶液に更にデカリン5mlを加えて希釈後、同様の比粘度測定を行う。この希釈操作と粘度測定を更に2度繰り返した測定結果を基に、濃度(:C)をゼロに外挿したときの「ηsp/C」値を極限粘度[η]とした。
【0060】
特に好ましい官能基含有化合物としては、無水マレイン酸を挙げることが出来る。無水マレイン酸は、後述するオレフィン重合体との反応性が比較的高く、それ自身が重合等による大きな構造変化が少なく、基本構造として安定な傾向がある。このため、安定した品質のオレフィン重合体(D)を得られるなどの様々な優位点がある。
【0061】
本発明のオレフィン重合体(D)に含まれる官能基構造単位の含有率は、0.1〜1.8質量%、好ましくは0.2〜1.5質量%、更に好ましくは0.2〜1.2質量%である。官能基構造単位が少な過ぎると後述する樹脂組成物の靱性の改善効果が低い場合がある。これは、オレフィン重合体(D)とポリエステル樹脂(A)との相互作用が弱すぎ、オレフィン重合体(D)が凝集し易くなり、十分な靭性改善効果示し難くなるためであろう。一方、官能基構造単位が多過ぎると、熱可塑性樹脂(A)との相互作用が強くなり過ぎて溶融流動性が低下し、結果として成形性の低下を起こすことがある。また、この多過ぎる官能基が熱や光による変性などを受けて着色を引き起し、結果として反射率の経時安定性が低下する事がある。その他、官能基構造単位を多数オレフィン重合体に導入する場合、未反応の官能基含有化合物が残存しやすい傾向があり、これらの未反応化合物が前記の変性による問題を加速させる場合もある。
【0062】
これらの官能基構造単位の含有率は、オレフィン重合体と官能基含有化合物とをラジカル開始剤などの存在下に反応させる際の仕込み比や、
13C NMR測定や
1H NMR測定などの公知の手段で行うことが出来る。具体的なNMR測定条件としては、以下の様な条件を例示できる。
【0063】
1H NMR測定の場合、日本電子(株)製ECX400型核磁気共鳴装置を用い、溶媒は重水素化オルトジクロロベンゼンとし、試料濃度20mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は
1H(400MHz)、シーケンスはシングルパルス、パルス幅は5.12μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は7.0秒、積算回数は500回以上とする条件である。基準のケミカルシフトは、テトラメチルシランの水素を0ppmとするが、例えば、重水素化オルトジクロロベンゼンの残存水素由来のピークを7.10ppmとしてケミカルシフトの基準値とすることでも同様の結果を得ることが出来る。官能基含有化合物由来の
1Hなどのピークは、常法によりアサインした。
【0064】
13C NMR測定の場合、測定装置は日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒、測定温度は120℃、観測核は
13C(125MHz)、シングルパルスプロトンデカップリング、45°パルス、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値とする条件である。各種シグナルのアサインは常法を基にして行い、シグナル強度の積算値を基に定量を行うことが出来る。
【0065】
他の簡便な官能基構造単位の含有率の測定方法としては、官能基含有率の異なる重合体を前記のNMR測定で官能基含有率を決定しておき、これらの重合体の赤外分光(IR)測定を行い、特定のピークの強度比を基に検量線を作成し、この結果を基に、官能基含有率を決定する方法もある。この方法は前述のNMR測定に比して簡便ではあるが、基本的にはベース樹脂や官能基の種類により、それぞれ対応する検量線を作成する必要がある。このような理由からこの方法は、例えば商用プラントでの樹脂生産における工程管理等に好ましく用いられる方法である。
【0066】
これらのオレフィン重合体(D)は、(A)〜(D)成分の和を100質量%とした場合、0.1〜15質量%の割合で用いられる。好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜12質量%である。
【0067】
[その他の添加剤]
本発明では、発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じて、以下の添加剤、すなわち、酸化防止剤(フェノール類、アミン類、イオウ類、リン類等)、耐熱安定剤(ラクトン化合物、ビタミンE類、ハイドロキノン類、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、光安定剤(ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾフェノン類、ベンゾエート類、ヒンダードアミン類、オギザニリド類等)、他の重合体(ポリオレフィン類:エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体等のオレフィン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体等のオレフィン共重合体、ポリスチレン等)、難燃剤(臭素系、塩素系、リン系、アンチモン系、無機系等)蛍光増白剤、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、結晶核剤、種々公知の配合剤を添加することができる。
【0068】
これら添加剤は、その成分の種類によって異なるが、本願の熱可塑性樹脂100質量%に対して0〜10質量%が好ましく、より好ましくは0〜5質量%、さらに好ましくは0〜1質量%の割合で用いられる。
【0069】
[本発明の熱可塑性樹脂組成物]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記の各成分を、公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダ−などで混合する方法、あるいは混合後さらに一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法により製造することができる。
【0070】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)、無機充填材(B)および白色顔料(C)、オレフィン重合体(D)の合計量100質量%中にポリエステル樹脂(A)を、30〜80質量%、好ましくは30〜70質量%、さらに40〜60質量%の割合で含むことが好ましい。ポリエステル樹脂(A)が30質量%以上、80質量%以下であると、成形性を損なうことなく、はんだリフロー工程に耐え得る耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0071】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、無機充填材(B)を、1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは15〜35質量%の割合で含むことが好ましい。無機充填材(B)の量が5質量%以上であると、射出成形時やはんだリフロー工程で成形物が変形することが無く、また、反射率の経時安定性に優れる傾向がある。また60質量%以下であると、成形性および外観が良好な成形品を得ることができる。
【0072】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、白色顔料(C)を、5〜50質量%、好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%の割合で含む。白色顔料(C)の量が5質量%以上であると、反射率等の十分な光の反射特性を得ることができる。また50質量%以下であれば、成形性を損なうことがなく好ましい。
【0073】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、オレフィン重合体(D)を、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜12質量%の割合で含む。オレフィン重合体(D)の量が0.1質量%以上であると、靱性と耐熱性に加えて、高い反射率を経時安定的に発現させる易い傾向がある。また15質量%以下であれば、高い耐熱性や反射率の経時安定性を損なうことなく高い靱性を付与することが出来る。
【0074】
上記のような組成範囲にある本発明の反射材用熱可塑性樹脂組成物は、機械的特性、反射率および耐熱性に優れ、反射板用途に好適に使用することができる。
【0075】
[反射板、発光ダイオード素子用反射板]
反射板とは、少なくとも光を放射する方向の面が開放された、または開放されていないケーシングやハウジング一般を包括し、より具体的には、箱状または函状の形状を有するもの、漏斗状の形状を有するもの、お椀状の形状を有するもの、パラボラ状の形状を有するもの、円柱状の形状を有するもの、円錐状の形状を有するもの、ハニカム状の形状を有するもの等、光を反射する面として板状(平面、球面、曲面等の面)の面形状を有する三次元形状一般をも包含する。
【0076】
本発明の樹脂組成物を用いて得られる反射板は、耐熱性、反射率の経時安定性に優れ、更には靱性にも優れているので、薄肉形状でも十分な強度を持ち得る可能性が高いので、LED素子などの軽量化、小型化に寄与することが期待される。
【0077】
発光ダイオード(LED)素子用反射板は、通常ポリアミド樹脂、またはポリアミド樹脂と無機充填材を含む樹脂組成物を、射出成形、特にフープ成形等の金属のインサート成形、溶融成形、押出し成形、インフレーション成形、ブロー成形等の加熱成形により、所望の形状に賦形することで得られ、該反射板にLED素子とその他の部品を組み込み、封止用樹脂により封止、接合、接着等して使用される。
【0078】
また、本発明のポリアミド樹脂組成物および反射板はLED用途のみならず、その他の光線を反射する用途にも適応することができる。具体的な例としては、各種電気電子部品、室内照明、天井照明、屋外照明、自動車照明、表示機器、ヘッドライト等の発光装置用の反射板として使用できる。
【実施例】
【0079】
[曲げ試験]
下記の射出成形機を用い、下記の成形条件で調製した長さ64mm、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を、温度23℃、窒素雰囲気下で24時間放置した。次いで、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で曲げ試験機:NTESCO社製 AB5、スパン26mm、曲げ速度5mm/分で曲げ試験を行い、強度、たわみ量、弾性率、およびその試験片を破壊するのに要するエネルギー(靭性)を測定した。
成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A
成形機シリンダー温度:融点(Tm)+10℃、金型温度:150℃。
【0080】
[融点(Tm)]
PerkinElemer社製DSC7を用いて、一旦330℃で5分間保持し、次いで10℃/分の速度で23℃まで降温せしめた後、10℃/分で昇温した。このときの融解に基づく吸熱ピ−クを融点とした。
【0081】
[
1H NMR測定]
日本電子(株)製ECX400型核磁気共鳴装置を用い、溶媒は重水素化オルトジクロロベンゼンとし、試料濃度20mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は
1H(400MHz)、シーケンスはシングルパルス、パルス幅は5.12μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は7.0秒、積算回数は500回以上とする条件である。基準のケミカルシフトは、重水素化オルトジクロロベンゼンの残存水素由来のピークを7.10ppmとした。官能基含有化合物由来の
1Hなどのピークは、常法によりアサインした。
【0082】
[初期反射率]
下記の成形機を用い、下記の成形条件で射出成形して調製した長さ30mm、幅30mm、厚さ0.5mmの試験片を得た。
【0083】
成形機: 住友重機械工業(株)社製、SE50DU
シリンダー温度:融点(Tm)+10℃、金型温度:150℃
得られた試験片をミノルタ(株)CM3500dを用いて、波長領域360nmから740nmの反射率を求めた。450nmと550nmの反射率を代表値として初期反射率を評価した。
【0084】
[加熱後反射率]
初期反射率測定に用いたサンプルを、150℃のオーブンに336時間放置した。このサンプルを初期反射率と同様の方法で反射率を測定し、加熱後反射率とした。
【0085】
[流動性]
幅10mm、厚み0.5mmのバーフロー金型を使用して以下の条件で射出し、金型内の樹脂の流動長(mm)を測定した。
射出成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A
射出設定圧力:2000kg/cm
2、シリンダー設定温度:融点(Tm)+10℃、金型温度:30℃。
【0086】
〔オレフィン重合体の密度〕
190℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cm
2の圧力で0.5mm厚のシートを成形し(スペーサー形状:240×240×0.5mm厚の板に45×45×0.5mm、9個取り)、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cm
2の圧力で圧縮することで冷却して測定用試料を作成した。熱板は5mm厚のSUS板を用いた。
このプレスシートを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて直線的に室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定した。
【0087】
(ポリエステル樹脂の製造方法例:)
ジメチルテレフタレートl06.2部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(シス/トランス比:30/70)94.6部にテトラブチルチタネート0.0037部を加え、150℃から300℃まで3時間30分かけて昇温した。(エステル交換反応)
前記エステル交換反応終了時に、1,4−シクロヘキサンジメタノールに溶解した酢酸マグネシウム・四水塩0.066部を加え、引き続きテトラブチルチタネート0.1027部を導入して重縮合反応を行った。
【0088】
重縮合反応は常圧から1Torrまで85分かけて徐々に減圧し、同時に所定の重合温度300℃まで昇温し、温度と圧力を保持して、所定の撹拌トルクに到達した時点で反応を終了して、生成した重合体を取り出した。また、得られた重合体を260℃、1Torr以下で3時間固相重合を行なった。得られた重合体(ポリエステル樹脂(A1))の[η]は0.6dl/g、融点は290℃であった。
【0089】
( エチレン・1 -ブテン共重合体の調製例1)
[ 触媒溶液の調製]
十分に窒素置換したガラス製フラスコに、ビス( 1 , 3 -ジメチルシクロペンタジエニル) ジルコニウムジクロリドを0.63mg入れ、更にメチルアミノキサンのトルエン溶液(Al;0.13ミリモル/リットル)1.57ml、およびトルエン2.43mlを添加することにより触媒溶液を得た。
【0090】
[ エチレン/1−ブテン共重合]
充分に窒素置換した内容積2 リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン912ml および1−ブテン320mlを導入し、系内の温度を80℃に昇温した。引き続き、トリイソブチルアルミニウム0.9ミリモルおよび上記の如く調製した触媒溶液2.0ml(Zrとして0.0005ミリモル)をエチレンで圧入することにより重合を開始した。エチレンを連続的に供給することにより全圧を8.0kg/cm2-Gに保ち、80℃で30分間重合を行った。
【0091】
少量のエタノールを系中に導入して重合を停止させた後、未反応のエチレンをパージした。得られた溶液を大過剰のメタノール中に投入することにより白色固体を析出させた。この白色固体を濾過により回収し、減圧下で一晩乾燥し、白色固体(エチレン・1 − ブテン共重合体(D6))を得た。
密度=0.862g/cm
3
MFR(ASTM D1238規格、190℃:2160g荷重)=0.5g/10分
1−ブテン構造単位含有率:4モル%
【0092】
( エチレン・1 -ブテン共重合体の調製例2)
1−ブテンの使用量を290mlにした以外は、エチレン・1 -ブテン共重合体の調製例1と同様にして、下記の物性を有するエチレンブテン共重合体(D5)を得た。結果を表1にも示す。
密度=0.870g/cm
3
MFR(ASTM D1238規格、190℃:2160g)=0.5g/10分
【0093】
(エチレン・1−ブテン共重合体の変性例1)
上記で得たエチレン・1−ブテン共重合体(D6)100重量部に、無水マレイン酸1.0重量部と過酸化物[パーヘキシン25B、日本油脂(株)製、商標]0.04重量部とを混合し、得られた混合物を230℃に設定した1軸押出機で溶融グラフト変性することによって下記の物性を有する変性エチレン・1−ブテン共重合体(D1)を得た。
無水マレイン酸グラフト変性量は0.97重量%であった。また135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]は1.98dl/gであった。結果を表1にも示した。
【0094】
(エチレン・1−ブテン共重合体の変性例2)
エチレン・1−ブテン共重合体(D6)の代わりにエチレン・1−ブテン共重合体(D5)を用いた以外は前記変性例1と同様にして、変性エチレン・1−ブテン共重合体(D2)を得た。結果を表1に示した。
【0095】
(エチレン・1−ブテン共重合体の変性例3)
エチレン・1−ブテン共重合体(D6)の代わりにエチレン・1−ブテン共重合体(D5)、無水マレイン酸を0.5重量部、パーヘキシン25Bを0.02重量部用いた以外は前記変性例1と同様にして、変性エチレン・1−ブテン共重合体(D3)を得た。結果を表1に示した。
【0096】
(エチレン・1−ブテン共重合体の変性例4)
無水マレイン酸を2.0重量部、パーヘキシン25Bを0.08重量部用いた以外はを前記変性例1と同様にして、変性エチレン・1−ブテン共重合体(D4)を得た。結果を表1に示した。
【0097】
実施例1
前記ポリエステル樹脂(A1)、下記無機強化材(B1、B2)、下記白色顔料(C)、前記オレフィン重合体(D1)を表2に示す割合でタンブラーブレンダーを用いて混合し、二軸押出機(株)日本製鋼所製 TEX30αにてシリンダー温度310℃で原料を溶融混錬後、ストランド状に押出し、水槽で冷却後、ペレタイザーでストランドを引き取り、カットすることでペレット状組成物を得た。(すなわち良好なコンパウンド性を示した。)
得られたポリエステル樹脂組成物について各物性を評価した結果も表2に示した。
無機強化材(B1):ガラス繊維:長さ3mm、アスペクト比300(セントラルガラス(株)製ECS03−615、シラン化合物処理品)
無機充填材(B2)炭酸カルシウムウィスカー(長さ25μm、アスペクト比33)
白色顔料(C):酸化チタン(粉末状、平均粒径0.21μm)
【0098】
実施例2〜5、比較例1〜3
表2に示す条件とした以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を調製した。結果を表2に示した。
【0099】
[比較例4]
表2に示す配合割合で実施例と同様の方法を行なったが二軸押出機でのコンパウンド性が悪く良好なペレットを得ることができなかった。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
上記の様に本発明の樹脂組成物は、従来に比して曲げ試験で代表される機械強度と靱性と反射率および反射率の経時保持性とのバランスが、従来の構成に比して高いことが分かる。故に、例えば、反射板用の材料として適している。特に好ましい例として、高い耐熱性と反射保持率を要求されるLED反射板用の材料として適している事を示唆している。