【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、上記シランカップリング剤は、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである液晶滴下工法用シール剤である。
【0008】
本発明者は、シランカップリング剤として2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを配合することにより、接着性に優れ、かつ、硬化物の透湿性が低く、液晶汚染を引き起こすことがほとんどない液晶滴下工法用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、シランカップリング剤を含有する。
上記シランカップリング剤は、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。シランカップリング剤として2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを含有することにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、接着性に優れ、かつ、硬化物の透湿性が低いものとなる。
【0010】
上記シランカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、上記シランカップリング剤を含有することによる効果が充分に得られず、得られるシール剤が硬化物の耐湿性に劣るものとなることがある。上記シランカップリング剤の含有量が10重量部を超えると、シランカップリング剤が液晶を汚染してしまったり、得られる液晶滴下工法用シール剤の硬化物が耐湿性に劣るものとなったりすることがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
【0011】
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。上記イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及び/又は上記ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有することにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化物の耐湿性に特に優れるものとなる。
【0012】
上記イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、エトキシ化イソシアヌルトリアクリレート、エトキシ化イソシアヌルトリメタクリレート、カプロラクトン変性エトキシ化イソシアヌルトリアクリレート、カプロラクトン変性エトキシ化イソシアヌルトリメタクリレート等が挙げられる。なかでも、硬化物の耐湿性に優れ、硬化性も良好であることから、エトキシ化イソシアヌルトリアクリレートが好ましい。
【0013】
上記ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート等が挙げられる。なかでも、接着性が良好であることから、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートが好ましい。
【0014】
上記イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及び上記ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートの含有量は、上記硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及び上記ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートの含有量が0.1重量部未満であると、液晶滴下工法用シール剤の硬化物の耐湿性を向上させる効果が充分に発揮されないことがある。上記イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及び上記ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートの含有量が30重量部を超えると、液晶汚染性が増大してしまうことがある。上記イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及び上記ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートの含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は20重量部である。
【0015】
上記硬化性樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記エポキシ(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるものが挙げられる。なかでも、硬化物の耐湿性に優れることからエポキシメタクリレート樹脂が好適である。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
【0016】
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
【0017】
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(東都化成社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
【0018】
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、エベクリル860、エベクリル3200、エベクリル3201、エベクリル3412、エベクリル3600、エベクリル3700、エベクリル3701、エベクリル3702、エベクリル3703、エベクリル3800、エベクリル6040、エベクリルRDX63182(いずれもダイセルサイテック社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
【0019】
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化性樹脂として、エポキシ樹脂を含有してもよい。
上記エポキシ樹脂としては、エポキシ基が付与した樹脂なら特に限定無く使用することができ、上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂等が使用できる。
【0020】
また、上記エポキシ樹脂として、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂を含有してもよい。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味する。また、本明細書において上記(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味する。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
【0021】
上記硬化性樹脂全体における(メタ)アクリロイルオキシ基とエポキシ基との合計量に対するエポキシ基の比率の好ましい上限は50モル%である。上記エポキシ基の比率が50モル%を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の液晶に対する溶解性が高くなって液晶汚染を引き起こし、得られる液晶表示素子が表示性能に劣るものとなることがある。上記エポキシ基の比率のより好ましい上限は20モル%である。
【0022】
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、紫外線等の光が照射されたり加熱されたりすることでラジカルを生成するラジカル重合開始剤、又は、紫外線等の光が照射されたり加熱されたりすることでカチオンを生成するカチオン重合開始剤が挙げられる。上記重合開始剤は、上記硬化性樹脂の種類によって適当なものが選択される。
【0023】
上記ラジカル重合開始剤のうち、光が照射されることでラジカルを生成する光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等を好適に用いることができる。
また、上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、イルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア907、イルガキュア2959、イルガキュアOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(以上、いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。なかでも吸収波長域が広いことから、イルガキュア651、イルガキュア907、ベンゾインイソプロピルエーテル、及び、ルシリンTPOが好適である。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
上記ラジカル重合開始剤のうち、熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤は特に限定されず、過酸化物やアゾ化合物が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)、V−30、V−501、V−601、VPE−0201(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。これらの熱ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記カチオン重合開始剤は特に限定されず、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、オプトマーSP−150、オプトマーSP−151、オプトマーSP−170、オプトマーSP−171(いずれもADEKA社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、イルガキュア261(BASF Japan社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、UVIー6990(ユニオンカーバイド社製)、BBIー103、MPIー103、TPSー103、MDSー103、DTSー103、NATー103、NDSー103(いずれもミドリ化学社製)、サンエイドSI−100L(いずれも三新化学工業社製)、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2481(いずれも日本曹達社製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローヌ・プーラン社製)、CD−1012(サートマー社製)等が挙げられる。これらのカチオン重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じてアントラセン系、チオキサントン系等の増感剤を併用しても良い
【0026】
上記重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られるシール剤の重合が充分に進行しないことがある。上記重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、未反応の重合開始剤が多く残り、得られるシール剤の耐候性が悪くなることがある。上記重合開始剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
【0027】
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
【0028】
上記固形の有機酸ヒドラジドは特に限定されず、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボエチル−5−イソプロピルヒダントイン]、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、アミキュアVDH、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)、SDH、IDH、ADH(いずれも、大塚化学社製)等が挙げられる。
【0029】
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善、硬化物の耐湿性の更なる向上等を目的として充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。
【0030】
上記充填剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は5重量部、好ましい上限は40重量部である。上記充填剤の含有量が5重量部未満であると、充填剤を配合することによる効果が充分に得られないことがある。上記充填剤の含有量が40重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性や描画性に劣るものとなることがある。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は35重量部である。
【0031】
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサー、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤等の添加剤を含有してもよい。
【0032】
本発明の液晶滴下工法用シール剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、シランカップリング剤と、必要に応じて添加する添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
【0033】
本発明の液晶滴下工法用シール剤に導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような本発明の液晶滴下工法用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
【0034】
上記導電性微粒子は特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
【0035】
本発明の液晶滴下工法用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。