(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、圧力開放機能を有する地下排水設備用蓋の用途が広がっており、例えば駐車場等のように、歩行者だけでなく自動車が通る場所においても利用可能であることが求められている。
【0008】
しかしながら、上記地下排水設備用蓋の場合、弁体の上に車輪が載った状態で自動車のハンドルを切ると、弁体に大きな回転力が加えられる結果、弁体が作動軸からねじ切れるおそれがある。弁体が作動軸からねじ切れることを防止するために、弁体を蓋本体に対して常時回転可能に構成することが考えられるが、それでは上述したように、歩行者が弁体を踏みつけた際にも弁体が回転してしまうため、歩行者が滑ってしまうという問題が生じる。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧力開放機能を有し、歩行者および自動車が通る場所においても設置可能な地下排水設備用蓋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る地下排水設備用蓋は、地中に埋設された地下排水設備に嵌め込まれ、地上に露出する蓋であって、上下に貫通する通気孔が設けられた蓋本体と、該蓋本体上に配置され、前記通気孔を覆う弁体と、前記弁体から下方に延び、横断面形状が非真円形状の作動軸と、を備えている。前記蓋本体には、前記作動軸が上下方向に摺動可能に挿入された軸孔が形成されている。そして、前記地下排水設備用蓋は、前記弁体に所定値未満の回転力が加えられたときには前記弁体の鉛直軸まわりの回転を規制し、前記弁体に所定値以上の回転力が加えられたときには前記弁体の鉛直軸まわりの回転を許容する機構を備えている。
【0011】
上記地下排水設備用蓋によると、地下排水設備の内部圧力が高くなると、弁体がその内部圧力を受けて蓋本体から浮き上がり、通気孔が開放される。よって、地下排水設備の内部圧力を開放することができる。歩行者が弁体を踏みつけたときには、弁体には所定値未満の小さな回転力しか加えられないので、弁体の鉛直軸まわりの回転を規制することができる。よって、歩行者が滑ってしまうことを防止することができる。一方、自動車の車輪が弁体を踏みつけたまま旋回したときには、弁体に所定値以上の大きな回転力が加えられ、弁体は鉛直軸まわりに回転する。よって、弁体が作動軸からねじ切れることを防止することができる。したがって、上記地下排水設備用蓋によれば、圧力開放機能を有しつつ、歩行者および自動車が通る場所にも設置することができる。
【0012】
また、ここで開示される地下排水設備用蓋の一態様では、前記蓋本体は、前記軸孔が形成された内側部材と、前記内側部材の半径方向の外側に設けられた外側部材と、を有している。前記機構は、前記弁体に所定値未満の回転力が加えられたときには前記内側部材の前記外側部材に対する回転を規制し、前記弁体に所定値以上の回転力が加えられたときには前記内側部材の前記外側部材に対する回転を許容するように構成されている。
【0013】
このことによって、上記弁体に所定値以上の回転力が加えられたときには、上記弁体と共に上記作動軸および内側部材が外側部材に対して回転する。よって、より好適に上記弁体の回転を規制したり許容したりすることができる。
【0014】
また、ここで開示される地下排水設備用蓋の他の一態様では、前記外側部材には、第1の摩擦面が形成されている。前記内側部材には、前記第1の摩擦面と接触し、前記弁体に所定値以上の回転力が加えられると前記第1の摩擦面に対して摺動する第2の摩擦面が形成されている。前記機構は、前記第1の摩擦面および前記第2の摩擦面によって構成されている。
【0015】
このことによって、上記第1の摩擦面と上記第2の摩擦面との間で摩擦力が発生する。弁体に加わる回転力が所定値未満の場合、弁体の回転は上記摩擦力によって規制される。弁体に加わる回転力が所定値以上になると、その回転力が上記摩擦力を上回り、弁体は回転する。このように摩擦力を利用することにより、比較的簡単な構成によって前記機構を構成することができる。
【0016】
また、ここで開示される地下排水設備用蓋の他の一態様では、前記第1の摩擦面は、前記外側部材の内周面からなる。前記第2の摩擦面は、前記内側部材の外周面からなる。前記外側部材の内周面の少なくとも一部または前記内側部材の外周面の少なくとも一部は、鉛直線から傾いている。
【0017】
このことによって、上記外側部材の内周面の少なくとも一部または上記内側部材の外周面の少なくとも一部は、鉛直線から傾いているため、上記内周面および上記外周面のすべてが鉛直線に沿っている場合に比べて、上記第1の摩擦面と上記第2の摩擦面との接触面積を減らすことができる。鉛直線から傾いている面の大きさを適宜に設定することにより、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の摩擦力を調整することができる。したがって、地下排水設備用蓋の設置場所等に応じて、弁体が回転するか否かの閾値となる回転力を適宜に調整することができる。
【0018】
また、ここで開示される地下排水設備用蓋の他の一態様では、前記内側部材の外周面は、下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜している。また、他の一態様では、前記外側部材の内周面は、下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜している。
【0019】
このことによって、製造時等において上記内側部材を上記外側部材に嵌め込むとき、上から下に向かってより簡便に嵌め込むことができる。また、上記弁体の上から大きな力が加えられた場合、上記内側部材が落下することを防止することができる。
【0020】
また、ここで開示される地下排水設備用蓋の他の一態様では、前記外側部材の内側部分および前記内側部材の外側部分のいずれか一方には凹部が形成され、他方には前記凹部に係合した進退自在な凸部が形成され、前記機構は、前記凹部および前記凸部によって構成されている。
【0021】
このことによって、上記凸部と上記凹部とが係合したり離れたりすることにより、上記弁体の鉛直軸まわりの回転を規制したり許容したりすることができる。
【0022】
また、ここで開示される地下排水設備用蓋の他の一態様では、前記作動軸は、前記弁体に対して直接取り付けられまたは他の部材を介して間接的に取り付けられている。そして、前記機構は、前記弁体に所定値未満の回転力が加えられたときには前記弁体の前記作動軸に対する回転を規制し、前記弁体に所定値以上の回転力が加えられたときには前記弁体の前記作動軸に対する回転を許容するように構成されている。
【0023】
このように、予め作動軸に対して回転可能なように弁体を構成し、弁体に所定値未満の回転力が加えられたときには弁体の回転を規制し、弁体に所定値以上の回転力が加えられたときには弁体が作動軸に対して回転するようにすることにより、歩行者が弁体の上で滑ることや、自動車の車輪が弁体を踏みつけたまま旋回したときに弁体がねじ切れることを防止することができる。
【0024】
また、ここで開示される地下排水設備用蓋の他の一態様では、前記作動軸は、前記弁体に所定値以上の回転力が加えられると前記作動軸または前記弁体に対して摺動する継手を介して前記弁体に取り付けられ、前記機構は、前記継手によって構成されている。
【0025】
このことによって、上記作動軸は、上記継手を介して上記弁体に取り付けられているため、上記弁体に所定値以上の回転力が加えられると、上記弁体は作動軸に対して回転することができる。よって、自動車の車輪が弁体を踏みつけたまま旋回した場合であっても、弁体が作動軸からねじ切られるおそれはない。
【0026】
また、ここで開示される地下排水設備用蓋の他の一態様では、前記軸孔は、前記蓋本体を上下に貫通しており、前記作動軸の前記軸孔よりも下方の部分には、前記作動軸が前記軸孔の上方に抜けることを防止するためのストッパが設けられている。
【0027】
このことによって、上記蓋本体の下方から上方に向かって圧力が開放される際、弁体が上昇するが、上記ストッパにより、上記作動軸が上記軸孔から外れることを防止することができる。
【0028】
また、ここで開示される地下排水設備用蓋の他の一態様では、前記蓋本体は、前記通気孔および前記軸孔が形成された中心部と、前記中心部の半径方向の外側に位置する外周部とを有し、前記外周部の上面は、半径方向の外側に行くほど下方に向かうように傾斜している。
【0029】
このことによって、上記外周部の上面は、半径方向の外側に行くほど下方に向かうように傾斜しているので、圧力開放時に弁体が上昇したときに、上記外周部の上面に土砂などを含む排水が地下排水設備から溢れ出たとしても、排水は傾斜面を沿って地表面に向かって流れるため、上記外周部の上面に土砂などが滞留することを防止することができる。したがって、上記弁体と上記蓋本体との間に土砂等が挟まることが防止され、上記弁体と上記蓋本体との間に隙間が生じることが防止されるので、そこから臭気が漏れだすことを防止することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、圧力開放機能を有し、歩行者および自動車が通る場所においても設置が可能な地下排水設備用蓋を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0033】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る地下排水設備用の蓋1Aの一部切欠した平面図である。本実施形態に係る蓋1Aは、地中に埋設された雨水や汚水などの排水を処理するための地下排水設備に嵌め込まれ、地上に露出するように設置されるものである。地下排水設備の種類は特に限定されず、例えば、雨水ますまたは汚水ます等のますや、マンホール等であってもよく、その他の排水設備であってもよい。また、本実施形態に係る蓋1Aはいわゆる圧力開放蓋であり、地下排水設備の内部圧力が高くなると、その内部圧力を開放する機能を有している。
【0034】
本実施形態に係る蓋1Aは、蓋本体10と弁体20とを備えている。蓋本体10および弁体20の形状は略円盤状である。ただし、蓋本体10および弁体20の形状は特に限定されない。蓋本体10上に弁体20が上下移動可能に配置されている。
【0035】
図2は、
図1のII−II線断面図である。
図2(a)は通常時、すなわち、弁体20が自重により蓋本体10の上に載っており、蓋本体10と弁体20とが密着している時を示している。
図2(b)は圧力開放時、すなわち、地下排水設備の内部圧力を受けて弁体20が浮上し、蓋本体10と弁体20とが離れている時を示している。以下、蓋本体10と弁体20とが密着している時、すなわち、弁体20が蓋本体10の上に載っている時を「通常時」といい、蓋本体10と弁体20とが離れている時、すなわち、弁体20が蓋本体10から離れている時を「圧力開放時」という。
【0036】
図2に示すように、地中、すなわち、地面GLよりも下方には、立ち上がり管42および蓋枠44が埋設されている。立ち上がり管42および蓋枠44は、地下排水設備の一部を構成している。蓋枠44は、立ち上がり管42の上端に固定されており、蓋枠44の上端面45と地面GLとの高さ位置が一致するように配置されている。
【0037】
蓋枠44の上端部の内側には、段差を有する嵌め込み部46が設けられている。この嵌め込み部46の内側に位置するように、蓋本体10は蓋枠44に嵌め込まれている。また、蓋本体10の外周端部の上面と地面GLとが一致するようにして、蓋本体10は蓋枠44に嵌め込まれている。蓋枠44と蓋本体10との間には、環状のパッキン47が配置されている。パッキン47は、蓋本体10の下部外周を囲むようにして配置されている。パッキン47は、地下排水設備の臭気が蓋枠44と蓋本体10との間の隙間から地上に漏れることを防止している。
【0038】
図2に示すように、蓋本体10は内側部材13と外側部材14とから構成されている。外側部材14は内側部材13の半径方向の外側に設けられている。詳細は後述するが、内側部材13は外側部材14に嵌め込まれており、外側部材14に対して円周方向に摺動可能である。すなわち、内側部材13は外側部材14に回転可能に支持されている。
【0039】
図3は、蓋本体10の内側部材13と外側部材14の断面図である。
図3(a)は内側部材13が外側部材14から取り外されている状態を表す図である。
図3(b)は内側部材13が外側部材14に取り付けられている状態を表す図である。
図3に示すように、外側部材14は、中心部に孔が形成された略円盤状の外周部14aと、外周部14aの上記孔内に配置された円筒状の内周部14bと、外周部14aと内周部14bとをつなぐ平面視放射線状に延びる複数の架け渡し部14c(
図1参照)とを備えている。
【0040】
本実施形態では、4本の架け渡し部14cが設けられている。ただし、架け渡し部14cの本数は特に限定される訳ではない。外周部14aと内周部14bと架け渡し部14cとにより、上下に貫通する通気孔15が形成されている。通気孔15は、弁体20が開いたときに地下排水設備の内部圧力(以下、単に内圧という)を地上へ開放する役割を果たすものである。通気孔15の個数は架け渡し部14cの本数に応じて変更可能である。本実施形態では、4つの通気孔15が形成されている。ただし、通気孔15の個数は特に限定される訳ではない。かかる通気孔15は、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。また、通気孔15の形状も何ら限定されない。
【0041】
図3(a)に示すように、外側部材14の外周部14aの上面は、半径方向の外側に行くほど下方に向かうように傾斜している。内側部材13と外側部材14の内周部14bおよび架け渡し部14cとを蓋本体10の中心部11とし、外側部材14の外周部14aを蓋本体10の外周部12とすると、中心部11の上部は地面GLよりも上方に位置している(
図2(a)参照)。すなわち、中心部11は蓋本体10の外周縁よりも上方に位置している。また、外周部12の上面は、半径方向の外側に行くほど下方に向かうようにして傾斜している。言い換えると、外周部12の上面、すなわち、蓋本体10における中心部11から外周縁に至る上面は、半径方向の外側に向かって下降する傾斜面を形成している。
【0042】
また、外側部材14の外周部14aの上面には、環状のパッキン17が設けられている。パッキン17は、全て(本実施形態では4個)の通気孔15を囲むように配置されている。
【0043】
図3(a)に示すように、内側部材13は略円筒形状に形成されている。内側部材13の中心部には、軸孔16が形成されている。軸孔16は内側部材13を上下に貫通している。本実施形態では、
図1に示すように、軸孔16は平面視十字状に形成されている。
【0044】
図3(a)に示すように、本実施形態では、内側部材13の下部はテーパー状に形成され、下方に向かって先細るような形状に形成されている。内側部材13の外周面32の上端部34から中途部33までの部分は、水平方向に対して垂直の面である。外周面32の中途部33から下方の部分は、下方に行くほど半径方向の内側に向かうように、鉛直線から傾斜している。ただし、必ずしも外周面32の一部が傾斜面である必要はなく、外周面32の全てが鉛直線と平行であってもよい。また、外周面32の一部が傾斜面である場合に、その傾斜面の位置または大きさは特に限定されない。例えば、外周面32は、中途部33よりも上の部分から下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜していてもよいし、中途部33よりも下の部分から下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜していてもよい。また、外周面32の全てを傾斜面とすることができる。外周面32の一部または全部に凹凸が形成されていてもよい。
【0045】
内側部材13は外側部材14の内周部14b内に嵌め込まれている。内側部材13の外周面32の一部は、外側部材14の内周部14bの内周面31(以下、単に外側部材14の内周面31という)と接触している。外側部材14の内周面31は、水平方向に対して垂直の面である。内側部材13の外周面32と外側部材14の内周面31の一部とが接触していることから、内側部材13が回転しようとすると、外周面32と内周面31の一部との間に摩擦力が発生する。外側部材14の内周面31は第1の摩擦面を構成し、内側部材13の外周面32の一部(詳しくは、外周面32の上端部34から中途部33までの面)は、第2の摩擦面37を構成している。内側部材13に加わる回転力が小さいと、その回転力は第1の摩擦面31と第2の摩擦面37との間の摩擦力よりも小さいので、内側部材13の回転は規制される。一方、内側部材13に加わる回転力が上記摩擦力よりも大きいと、内側部材13の回転は許容される。この第1の摩擦面31と第2の摩擦面37とによって、回転規制機構35が構成されている。
【0046】
図2(a)に示すように、弁体20は略円盤状に形成されており、弁体20の中央部には作動軸25が設けられている。
【0047】
弁体20は、少なくとも蓋本体10の通気孔15を覆う大きさに形成されている。本実施形態では、弁体20は、平面視において蓋本体10と略同一の大きさに形成されている。弁体20は、蓋本体10の上面18と密着しやすい形状に形成されている。すなわち、弁体20の下面21は、蓋本体10の上面18に適合した形状に形成されている。具体的には、弁体20の中央部の下面は、蓋本体10の内側部材13の上面、外側部材14の内周部14bの上面、および架け渡し部14cの上面と同様、水平面となっている。また、弁体20の外周部の下面は、蓋本体10の外側部材14の外周部14aの上面と同様、半径方向の外側に行くほど下方に向かうような傾斜面となっている。
【0048】
作動軸25は、弁体20の中央部から下方に延びている。本実施形態では、作動軸25は弁体20と一体的に形成されている。作動軸25と弁体20とは一体物である。作動軸25と弁体20とは、樹脂材料によって一体成形されている。ただし、作動軸25と弁体20とを別体に形成し、事後的に結合することも可能である。
【0049】
図2に示すように、作動軸25は、内側部材13の軸孔16に対して上下方向に摺動可能に挿入されている。一方、作動軸25は、内側部材13に対して相対回転不能となっている。本実施形態では、作動軸25は軸孔16に対応した形状に形成されている。前述の通り、軸孔16は平面視十字状に形成されているので、作動軸25は断面十字状に形成されている。このように、軸孔16および作動軸25が非真円形状に形成されていることにより、作動軸25は軸孔16内で上下移動が可能であるが、回転できないように構成されている。なお、作動軸25が軸孔16内で回転不能である限り、作動軸25の形状と軸孔16の形状とが必ずしも一致している必要はない。
【0050】
作動軸25の下方部分、すなわち、作動軸25の蓋本体10の軸孔16よりも下方の部分には、ストッパ26が設けられている。ストッパ26は、作動軸25が軸孔16の上方に抜けることを防止する部材である。ストッパ26は、弁体20が上昇したときに、ストッパ26の上面が内側部材13の下面に突き当たるように形成されている。ストッパ26は、軸孔16よりも一回り大きく形成されている。軸孔16の中心からストッパ26の外周縁との間の距離は、軸孔16の中心から内周面(内側部材13の内周面31)との間の距離よりも長くなっている。弁体10は、ストッパ26が内側部材13の下端面に当接する位置まで上昇可能である。
【0051】
次に、本実施形態に係る蓋1Aの作用について説明する。
【0052】
地下排水設備の内圧が高くない場合、弁体20に下方から上方に向かって加えられる圧力は弁体20の自重よりも小さいので、弁体20は蓋本体10の上に載った状態を保つ。すなわち、通常時には弁体20は閉じられる。詳しくは、通常時には、弁体20の下面21は、通気孔15以外の部分で蓋本体10の上面18と接触している。弁体20は蓋本体10に密着している。弁体20の下面21と蓋本体10の上面18との間にはパッキン17が配置されているため、通気孔15は閉鎖されている。このため、通常時は、立ち上がり管42から地上に臭気が漏れることはない。
【0053】
一方、
図2(b)に示すように、大雨等に起因して立ち上がり管42の内圧Pが高まると、弁体20が内圧Pによって上昇し、弁体20と蓋本体10とが離開する。これにより、通気孔15が開放され、立ち上がり管42内の圧力が地上へと開放される。蓋1Aの全体(すなわち、弁体20および蓋本体10の両方)が立ち上がり管42から外れてしまうことが防止される。
【0054】
前述したように、本実施形態に係る蓋1Aによれば、内側部材13は外側部材14に対して摺動可能であり、内側部材13に大きな回転力が加えられると、内側部材13は外側部材14に対して回転する。
図4は、蓋1Aの蓋本体10を下方から見た図である。
図4(a)は内側部材13が外側部材14に対して回転する前を表す図であり、
図4(b)は内側部材13が外側部材14に対して回転した後を表す図である。
図4(a)および(b)に示すように、内側部材13は外側部材14に対して回転可能である。一方、弁体20と内側部材13とは、相対回転不能に結合されている。そのため、弁体20に大きな回転力Rが加えられると、弁体20および内側部材13は一体となって、外側部材14に対して回転する。結果的に、弁体20の回転が許容されることになる。
【0055】
しかし、内側部材13と外側部材14との間には摩擦力が発生するので、弁体20に加えられる回転力Rが所定値未満の場合には、内側部材13は外側部材14に対して回転しない。そのため、弁体20の回転は規制される。例えば、歩行者が弁体20を踏みつけたときに弁体20に回転力Rが加えられる場合があるが、その場合の回転力Rは所定値未満であるため、弁体20の回転は規制される。したがって、歩行者が蓋1Aの上で滑ってしまうことは防止される。
【0056】
一方、自動車の車輪が蓋1Aを踏みつけ、その状態で自動車の乗員がハンドルを切ると、車輪が弁体20の上で旋回する。その場合には、弁体20に対して大きな回転力Rが加えられる。しかし、弁体20に加えられる回転力Rが所定値以上の場合には、内側部材13が外側部材14に対して回転するので、弁体20の回転が許容される。すなわち、弁体20と作動軸25とが共に回転する。したがって、弁体20が作動軸25からねじ切れることは防止される。
【0057】
以上のように、本実施形態に係る蓋1Aは、上下に貫通する通気孔15が設けられた蓋本体10と、蓋本体10の上面18に配置され、通気孔15を覆う弁体20と、弁体20の中央部から下方に延びている作動軸25とを備えている。このことによって、地下排水設備の内部圧力が高くなると、弁体20がその内部圧力を受けて蓋本体10から浮き上がり、通気孔15が開放されることで、地下排水設備の内部圧力を開放することができる。
【0058】
また、蓋1Aは、弁体20に所定値未満の回転力Rが加えられたときには弁体20の鉛直軸まわりの回転を規制し、弁体20に所定値以上の回転力Rが加えられたときには弁体20の鉛直軸まわりの回転を許容する機構35(
図3(b)参照)を備えている。このことによって、歩行者が弁体20を踏みつけたときには、弁体20には所定値未満の小さな回転力Rしか加えられないので、弁体20の鉛直軸まわりの回転を規制することができる。よって、歩行者が滑ってしまうことを防止することができる。一方、自動車の車輪が弁体20を踏みつけたまま旋回したときには、弁体20に所定値以上の大きな回転力Rが加えられ、弁体20は鉛直軸まわりに回転する。よって、弁体20が作動軸25からねじ切れることを防止することができる。したがって、上記地下排水設備用の蓋1Aによれば、圧力開放機能を有しつつ、歩行者および自動車が通る場所にも設置することができる。
【0059】
本実施形態の作動軸25は、横断面形状が非真円形状となっており、その形状に対応した形状をした軸孔16に作動軸25を挿入している。それによって、作動軸25は、軸孔16に対して鉛直軸まわりの回転を規制することができる。
【0060】
また、蓋1Aの蓋本体10は内側部材13と外側部材14とから構成されている。そして、内側部材13の軸孔16に弁体20の作動軸25を挿入することによって、弁体20に所定値以上の回転力Rが加えられたときには、弁体20と共に作動軸25および内側部材13が外側部材14に対して回転する。このことによって、より好適に弁体20の回転を規制したり許容したりすることができる。
【0061】
また、外側部材14の内周面31に第1の摩擦面36を形成し、内側部材13の外周面32に第2の摩擦面37を形成することで、第1の摩擦面36と第2の摩擦面37とが接触する。そして、第1の摩擦面36と第2の摩擦面37とが回転規制機構35となる。このことによって、摩擦力が生じ、弁体20に加わる回転力Rが所定値未満の場合、弁体20の回転は上記摩擦力によって規制される。一方、弁体20に加わる回転力Rが所定値以上になると、その回転力Rが摩擦力を上回り、弁体20は回転することができる。このように摩擦力を利用することにより、比較的簡単な構成によって回転規制機構35を構成することができる。
【0062】
図3(a)に示すように、本実施形態では、内側部材13の外周面32の上端部34から中途部33までの面は水平方向に対して垂直の面であり、中途部33の下方の面は下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜している。そして、上端部34から中途部33までの面が第2の摩擦面37となる。このように、内側部材13の外周面32の少なくとも一部は、鉛直線から傾いているため、外周面32のすべてが鉛直線に沿っている場合に比べて、第1の摩擦面31と第2の摩擦面37との接触面積を減らすことができる。鉛直線から傾いている面の大きさを適宜に設定することにより、第1の摩擦面31と第2の摩擦面37との間の摩擦力を調整することができる。したがって、地下排水設備用の蓋1Aの設置場所等に応じて、弁体20が回転するか否かの閾値となる回転力Rを適宜に調整することができる。また、内側部材13の外周面32が、中途部33から下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜することで、製造時等において内側部材13を外側部材14に嵌め込むとき、上から下に向かってより簡便に嵌め込むことができる。また、弁体20の上から大きな力が加えられた場合、内側部材13が落下することを防止することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る蓋1Aにおいて、作動軸25の軸孔16よりも下方の部分には、作動軸25が軸孔16の上方に抜けることを防止するためのストッパ26が設けられている。弁体20が地下排水設備の内圧によって上昇したとしても、ストッパ26によって、弁体20が蓋本体10から外れることを防ぐことができる。
【0064】
本実施形態では、蓋本体10の外周部12の上面は、半径方向の外側に行くほど下方に向かうように傾斜している。このことによって、圧力開放時に弁体20が上昇したときに、外周部12の上面に土砂などを含む排水が地下排水設備から溢れ出たとしても、排水は傾斜面を沿って地表面に向かって流れるため、外周部12の上面に土砂などが滞留することを防止することができる。したがって、弁体20と蓋本体10との間に土砂等が挟まることが防止され、弁体20と蓋本体10との間に隙間が生じることが防止されるので、そこから臭気が漏れだすことを防止することができる。
【0065】
以上、第1実施形態に係る地下排水設備用の蓋1Aについて説明した。なお、本発明に係る地下排水設備用の蓋は、第1実施形態の蓋1Aに限らず、他に種々の形態で実施することができる。次に、蓋1Aの他の実施形態について簡単に説明する。
【0066】
<第2実施形態>
第1実施形態では、蓋本体10の内側部材13の外周面32は、上端部34から中途部33までの部分は水平方向に対して垂直の面であり、中途部33から下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜していた。蓋本体10の外側部材14の内周面31は、水平方向に対して垂直の面であった。しかし、本発明に係る地下排水設備用の蓋は、上記構成に限定されない。
【0067】
次に、第2実施形態に係る蓋について説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成箇所には同じ符号を付し、その説明は適宜省略する。
図5は第2実施形態に係る蓋本体10の内側部材13および外側部材14を示す断面図である。
図5(a)は内側部材13が外側部材14から取り外されている状態を表す図である。
図5(b)は内側部材13が外側部材14に取り付けられている状態を表す図である。
【0068】
第2実施形態に係る蓋1Bでは、
図5(a)に示すように、蓋本体10は、内側部材13および外側部材14から構成されており、内側部材13は外周面32を有しており、外側部材14は内周面31を有している。本実施形態に係る外周面32は、その全体が水平方向に対して垂直の面である。一方、本実施形態に係る内周面31は、上端部54から中途部53へ向かって下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜している面と、中途部53から下端部55までの面とによって形成されている。中途部53から下端部55までの面は、水平方向に対して垂直の面である。ただし、必ずしも内周面31の一部が傾斜面である必要はなく、内周面31の全てが鉛直線と平行であってもよい。また、内周面31の一部が傾斜面である場合に、その傾斜面の位置または大きさは特に限定されない。例えば、内周面31は、中途部33よりも上の部分が、下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜していてもよい。上端部54から中途部33よりも下の部分に亘る部分が、下方に行くほど半径方向の内側に向かうように傾斜していてもよい。また、内周面31の全てを傾斜面としてもよい。内周面31の一部または全部に凹凸が形成されていてもよい。
【0069】
図5(b)に示すように、第1実施形態と同様に、内側部材13は外側部材14の内周部14b内に嵌め込まれている。内側部材13の外周面32は、外側部材14の内周面31の一部と接触している。内側部材13の外周面32と外側部材14の内周面31の一部とが接触していることから、内側部材13が回転しようとすると、外周面32と内周面31の一部との間に摩擦力が発生する。外側部材14の内周面31の一部(詳しくは、内周面31の中途部53から下端部55までの面)は第1の摩擦面36を構成し、内側部材13の外周面32は、第2の摩擦面を構成している。内側部材13に加わる回転力が小さいと、その回転力は第1の摩擦面36と第2の摩擦面32との間の摩擦力よりも小さいので、内側部材13の回転は規制される。一方、内側部材13に加わる回転力が上記摩擦力よりも大きいと、内側部材13の回転は許容される。この第1の摩擦面36と第2の摩擦面32とによって、回転規制機構35が構成されている。
【0070】
本実施形態においても、蓋1Bは回転規制機構35を備えているので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
<第3実施形態>
第1実施形態では、蓋1Aの蓋本体10に、内側部材13と外側部材14とを設け、内側部材13が外側部材14に対して回転することで、弁体20に所定値以上の回転力Rが加えられたときには、弁体20の鉛直軸まわりの回転を許容した。しかし、本発明に係る地下排水設備用の蓋は、上記構成に限定されず、下記に示す第3実施形態のような構成の地下排水設備用の蓋でもよい。
【0072】
次に、第3実施形態に係る地下排水設備用の蓋について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成箇所には同じ符号を付し、その説明は適宜省略する。
図6は、第3実施形態に係る地下排水設備用の蓋1Cの断面を示している。
図6(a)は通常時を示す図である。
図6(b)は圧力開放時を示す図である。
図7は弁体20、作動軸25および継手62を示す断面図である。
図7(a)は、弁体20と作動軸25と継手62とが取り外されている状態を表す図である。
図7(b)は、弁体20と作動軸25と継手62とが取り付けられている状態を表す図である。
【0073】
図7(a)に示すように、第3実施形態に係る蓋1Cに係る弁体20は、継手62を介して作動軸25に取り付けられている。弁体20の下面中心部には、取付部61が設けられている。作動軸25の形状は、横断面形状が非真円形状である。継手62は、略円筒状であり、中心部に軸孔63が構成されている。なお、継手62の形状は、略円筒状でなくてもよく、例えば角状であってもよいし、三角柱状であってもよく、その形状は特に限定されない。また、継手62の構成部材は、特に限定するものではないが、弾性体であることが好ましい。例えば、継手62の構成部材としては、ゴムやエラストマーを用いることができる。
【0074】
図7(b)に示すように、弁体20の取付部61は継手62の軸孔63の上端部に取り付けられており、継手62の下端部には作動軸25が取り付けられている。言い換えると、弁体20は、継手62を介して作動軸25に間接的に取り付けられている。本実施形態では、継手62によって回転規制機構35が構成されており、弁体20は作動軸25に対して円周方向に回転する。回転規制機構35は、弁体20に所定値未満の回転力が加えられたときには弁体20の作動軸25に対する回転を規制し、弁体20に所定値以上の回転力が加えられたときには、弁体20の作動軸25に対する回転を許容する。なお、本実施形態では、弁体20と作動軸25とは、継手62を介して間接的に取り付けられているが、所定値以上の回転力が弁体20に加わることで弁体20が作動軸25に対して円周方向に回転するように構成されていれば、弁体20と作動軸25とは直接的に取り付けられていてもよい。
【0075】
本実施形態に係る蓋1Cの軸孔16は、継手62が嵌め込まれるような大きさであるとよい。本実施形態では、軸孔16の上下方向に亘って継手62が嵌め込まれるような大きさであるが、通常時に蓋本体10と弁体20とが密着し、かつ、作動軸25が軸孔16内で回転不能であれば、軸孔16の大きさは特に限定されない。例えば、軸孔16の継手62が嵌め込まれる部分のみ、継手62が嵌め込まれるような大きさにしてもよい。
【0076】
本実施形態では、継手62によって、弁体20が作動軸25に対して鉛直軸まわりに回転する構成であり、この継手62による摩擦力によって、弁体20の鉛直軸まわりの回転を規制したり許容したりすることで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0077】
<第4実施形態>
第1実施形態および第2実施形態では、蓋1A、1Bにおける蓋本体10に内側部材13と外側部材14とを設け、内側部材13が外側部材14に対して円周方向に摺動可能としていた。外側部材14の内周面31と内側部材13の外周面32とに、それぞれ第1の摩擦面と第2の摩擦面とを形成することで、回転規制機構35を構成していた。そして、回転規制機構35によって、弁体20に所定値以上の回転力Rが加えられたときに、弁体20の鉛直軸まわりの回転を許容することとした。しかし、本発明に係る地下排水設備用の蓋は、上記のような摩擦面を形成するような構成に限定されず、下記に示すような構成の地下排水設備用蓋でもよい。
【0078】
次に、第4実施形態に係る地下排水設備用の蓋について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成箇所には同じ符号を付し、その説明は適宜省略する。
図8は、第4実施形態に係る地下排水設備用の蓋1Dの断面図を示している。
図8(a)は通常時を示す図である。
図8(b)は圧力開放時を示す図である。
【0079】
図8(a)に示すように、外側部材14の内側部分には、凸部57が形成されている。内側部材13の外側部分には、凸部57に係合した凹部58が形成されている。凸部57は進退自在に形成されている。例えば、凸部57は、弾性変形することによって凹部58に対して進退するように形成されていてもよい。本実施形態では、凸部57および凹部58によって回転規制機構35が構成されている。
図8(a)および
図8(b)に示すように、通常時および圧力開放時でも、外側部材14および内側部材13は上下方向に移動することはない。
【0080】
図9は
図8のIX−IX線断面図である。
図9(a)は内側部材13が外側部材14に対して円周方向に回転する前を表す図である。
図9(b)は内側部材13が外側部材14に対して円周方向に回転した後を表す図である。
【0081】
凸部57と凹部58との係合を解除するためには、内側部材13に対して、凸部57が凹部58から乗り上げる程度の大きな回転力を加える必要がある。
図9(a)に示すように、弁体20に所定値未満の回転力が加えられたときには、凸部57と凹部58とが係合し続けることによって、内側部材13の外側部材14に対する回転は規制される。これにより、弁体20の鉛直軸回りの回転が規制される。一方、
図9(b)に示すように、弁体20に所定値以上の回転力が加えられたときには、凸部57と凹部58との係合が解除され、内側部材13の外側部材14に対する回転は許容される。これにより、弁体20の鉛直軸回りの回転が許容される。
【0082】
図9(a)に示すように、蓋1Dにおける回転規制機構35は、4個の凸部57および4個の凹部58によって形成されている。4個の凸部57および4個の凹部58は、それぞれ円周方向に等間隔で配置されている。ただし、凸部57および凹部58の個数および間隔は、特に限定されない。弁体20に所定値以上の回転力が加えられたときにのみ弁体20が鉛直軸まわりに回転する限り、3個以下の凸部57および凹部58によって構成される回転規制機構35でもよいし、5個以上の凸部57および凹部58によって構成される回転規制機構35であってもよい。また、凸部57および凹部58の個数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、本実施形態の複数の凸部57および凹部58は、それぞれ同一水平面内に配置されているが、それらは必ずしも同一水平面内に配置されていなくてもよい。本実施形態では、外側部材14の内側部分に凸部57を形成し、内側部材13の外側部分に凹部58を形成しているが、外側部材14の内側部分に凹部58を形成し、内側部材の外側部分に凸部57を形成してもよい。外側部材14の内側部分、内側部材13の外側部分にそれぞれ凸部57、凹部58を形成すると共に、外側部材14の他の内側部分、内側部材13の他の外側部分にそれぞれ凹部58、凸部57を形成してもよい。
【0083】
本実施形態では、凸部57と凹部58とを係合したり離したりすることによって、弁体20の鉛直軸まわりの回転を規制したり許容したりしている。このことによって、弁体20の鉛直軸まわりの回転を規制したり許容したりすることができる。よって、本実施形態においても、歩行者が蓋1Dを踏みつけたときに、弁体20が回転して歩行者が滑ってしまうことを防止することができる。また、自動車の車輪が蓋1D上で旋回したときに、弁体20と作動軸25とがねじ切れることを防止することができる。
【0084】
<変形例>
本発明は上述した各実施形態に限らず、他に種々の形態にて実施することができる。以下、いくつかの変形例について簡単に説明する。
【0085】
上述した各実施形態では、回転規制機構35は、摩擦面(第1〜第3実施形態)、または、凹凸部(第4実施形態)によって構成されていた。しかし、上記構成に限定されず、例えば、回転規制機構35は、トルクリミッタやトルク制御部材によって構成することもできる。
【0086】
また、上述した各実施形態における作動軸25の横断面形状は、十字状の非真円形状であった。しかし、作動軸25の横断面形状は十字状に限定されず、非真円形状であればよい。
図10は、本発明の変形例に係る作動軸25の横断面形状を表す図である。
図10に示すように、例えば(a)〜(d)のいずれかの横断面形状を作動軸25の横断面形状とすることができる。このとき、作動軸25の横断面形状を
図10(a)〜(d)のいずれかにすると共に、作動軸25が挿入される蓋本体10の軸孔16を
図10(a)〜(d)のいずれかの横断面形状の外形に対応させた形状とすることが好ましい。このように、軸孔16および作動軸25が非真円形状に形成されていることにより、作動軸25は軸孔16内で上下移動が可能であるが、回転できないように構成される。なお、作動軸25が軸孔16内で回転不能である限り、作動軸25の形状と軸孔16の形状とが必ずしも一致している必要はない。
【0087】
また、第1実施形態および第2実施形態では、内側部材13の外周面32、または、外側部材14の内周面31の一部が傾斜していた。しかし、上記傾斜に限定されず、内側部材13の外周面32の少なくとも一部が第2の摩擦面37を形成し、外側部材14の内周面31の少なくとも一部が第1の摩擦面36を形成していればよい。上記条件を満たしていれば、外周面32または内周面31は、共に傾斜していてもよい。