(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
足の外側を覆うように形成された外側施療部材と、前記外側施療部材の上方に配置され、且つ上下方向に移動しながらふくらはぎの前面を押圧する前押し施療部材と、前記外側施療部材及び前押し施療部材と左右方向で対面するように配置され、且つふくらはぎの内側から足の内側へ沿うように上下方向に沿って長尺とされた内側施療部材と、前記内側施療部材及び外側施療部材の基端側を左右方向に亘って、貫通するように設けられた回転軸と、前記回転軸を回転駆動させる駆動部と、前記回転軸の回転駆動力を、前記内側施療部材と外側施療部材による下肢への挟み込みマッサージ動作に変換する変換部と、を備えており、
対面するように配置された前記内側施療部材及び外側施療部材は、左右方向に一対設けられており、前記内側施療部材の内壁面には、前記前押し施療部材と対面する位置に配置された第1施療部と、前記外側施療部材と対面する位置に配置された第2施療部と、で構成されていて、
前記内側施療部材は、前記第1施療部から第2施療部に亘って一体に形成され、側面視でブーツ形状とされており、
前記内側施療部材の第2施療部の基端側から第1施療部の中途部へとつながるように配備され、且つ第2施療部の基端側に設けられている変換部を取り囲んでいる長尺の補強部材が備えられている
ことを特徴とする下肢用マッサージ機。
前記変換部は、前記内側施療部材及び外側施療部材のそれぞれの下部であって前後方向中央部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の下肢用マッサージ機。
前記変換部は、前記回転軸の回転駆動力を、前記第2施療部の前側と外側施療部材の前側とが互いに近接すると共に第1施療部の上部が前押し施療部材に近接するマッサージ動作に変換し、且つ前記第1施療部の上部が前押し施療部材から離反すると共に第2施療部の前側が外側施療部材から離反するマッサージ動作に変換することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の下肢用マッサージ機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に開示された従来のエアバッグ式の下肢用マッサージ機は、エア給排装置などを利用してエアバッグを膨張・収縮させて、使用者の施療部位に対して押圧するものであるため、使用者に必要な押圧力が得られないということがあった。エアバッグは、中央部の膨らみが最も大きく両端部に向かうほど膨らみが小さく楕円形状になっているので、使用者の施療部位に対して均等な押圧力が得られないということもあった。
【0007】
一方、特許文献3に開示された機械式の下肢用マッサージ機は、ふくらはぎから足先にかけて覆うように挟み込みつつ、接近・離反を繰り返しながらマッサージするものであるが、ふくらはぎから足先に沿った広範囲に対して指圧マッサージのような良好なマッサージ感を提供するものではなかった。
また、特許文献3の機械式の下肢用マッサージ機の施療部は、ふくらはぎをマッサージする施療部材と足をマッサージする施療部材とで構成されている。そのため、各施療部材には使用者の施療部位に対して押圧力を伝えるための駆動軸、動力伝達部材(ギヤ)や動力変換部がそれぞれ必要であり、部品点数が多く複雑な構成のマッサージ機となっている。つまり、特許文献3に開示された下肢用マッサージ機は、部品点数の増大に伴うコスト高などを避けられないものとなっている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、下肢用マッサージ機の施療部材をふくらはぎから足へ沿って長尺な形状にすることで、構成部品数を少なくしつつも、斬新で快適なマッサージ感が得られる下肢用マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る下肢用マッサージ機は、足の外側を覆うように形成された外側施療部材と、前記外側施療部材の上方に配置され、且つ上下方向に移動しながらふくらはぎの前面を押圧する前押し施療部材と、前記外側施療部材及び前押し施療部材と左右方向で対面するように配置され、且つふくらはぎの内側から足の内側へ沿うように上下方向に沿って長尺とされた内側施療部材と、前記内側施療部材及び外側施療部材の基端側を左右方向に亘って、貫通するように設けられた回転軸と、前記回転軸を回転駆動させる駆動部と、
前記回転軸の回転駆動力を、前記内側施療部材と外側施療部材による下肢への挟み込みマッサージ動作に変換する変換部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
好ましくは、対面するように配置された前記内側施療部材及び外側施療部材は、左右方向に一対設けられており、前記内側施療部材の内壁面には、前記前押し施療部材と対面する位置に配置された第1施療部と、前記外側施療部材と対面する位置に配置された第2施療部と、で構成されているとよい。
好ましくは、前記内側施療部材は、前記第1施療部から第2施療部に亘って一体に形成され、側面視でブーツ形状とされているとよい。
【0011】
好ましくは、前記内側施療部材の外壁面には、前記第1施療部に対応する位置から第2施療部に対応する位置へとつながる長尺の補強部材が備えられているとよい。
好ましくは、前記変換部は、前記内側施療部材及び外側施療部材のそれぞれの下部であって前後方向中央部に設けられているとよい。
好ましくは、前記変換部は、回転軸の軸方向中途部に当該回転軸に対して傾斜して設けられ且つ回転軸と一体回転するように固定された回転ボス部と、前記外側施療部材及び内側施療部材に設けられて前記回転ボス部を相対回転自在な状態で外嵌するハウジング部と、前記回転ボス部に対してハウジング部が供回りすることを規制する規制部とを備えているとよい。
【0012】
好ましくは、前記内側施療部材に備えられた変換部の回転ボス部には、軸受具が2個以上備えられているとよい。
好ましくは、前記変換部は、前記回転軸の回転駆動力を、前記第2施療部の前側と外側施療部材の前側とが互いに近接すると共に第1施療部の上部が前押し施療部材に近接するマッサージ動作に変換し、且つ前記第1施療部の上部が前押し施療部材から離反すると共に第2施療部の前側が外側施療部材から離反するマッサージ動作に変換するとよい。
なお、本発明にかかる下肢用マッサージ機の最も好ましい形態は、足の外側を覆うように形成された外側施療部材と、前記外側施療部材の上方に配置され、且つ上下方向に移動しながらふくらはぎの前面を押圧する前押し施療部材と、前記外側施療部材及び前押し施療部材と左右方向で対面するように配置され、且つふくらはぎの内側から足の内側へ沿うように上下方向に沿って長尺とされた内側施療部材と、前記内側施療部材及び外側施療部材の基端側を左右方向に亘って、貫通するように設けられた回転軸と、前記回転軸を回転駆動させる駆動部と、前記回転軸の回転駆動力を、前記内側施療部材と外側施療部材による下肢への挟み込みマッサージ動作に変換する変換部と、を備えており、対面するように配置された前記内側施療部材及び外側施療部材は、左右方向に一対設けられており、前記内側施療部材の内壁面には、前記前押し施療部材と対面する位置に配置された第1施療部と、前記外側施療部材と対面する位置に配置された第2施療部と、で構成されていて、前記内側施療部材は、前記第1施療部から第2施療部に亘って一体に形成され、側面視でブーツ形状とされており、前記内側施療部材の第2施療部の基端側から第1施療部の中途部へとつながるように配備され、且つ第2施療部の基端側に設けられている変換部を取り囲んでいる長尺の補強部材が備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る下肢用マッサージ機によれば、下肢用マッサージ機の施療部材をふくらはぎから足へ沿って長尺な形状にし、構成部品数を少なくしつつも、斬新で快適なマッサージを使用者に施術することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1〜
図8は、本発明に係る下肢用マッサージ機1の構成を示している。
この下肢用マッサージ機1は、使用者の左右両方の下肢を対象として、下肢を構成する
ふくらはぎLと足Fとの両方に、挟み込みのマッサージならびに直線的に移動するような指圧マッサージを同時に行えるように構成されたものを示してある。
【0016】
なお、本明細書において「ふくらはぎL」は、人間の下肢のうち、膝下であって且つ足首より上の部分を言うものとし、「足F」は足首より下の部分を言うものとする。また、
図1の矢示線Xで示す方向を前後方向、矢示線Yで示す方向を左右方向(幅方向)、矢示線Zで示す方向を上下方向と言う。
また、
図3の左側を説明での右側とし、
図3の右側を説明での左側としている。
図3での上下方向を説明での上下方向とし、
図3の紙面貫通方向を前後方向と呼ぶようにする。説明で用いる方向は、
図1のように下肢を差し入れた使用者から見た方向と一致するものとなっている。
【0017】
図1に示すように、この下肢用マッサージ機1は、正面視すると横長又は縦長の長方形或いは正方形であって側面視すると長靴型となるようなケーシング2を有したものとなっている。
ケーシング2には、その前面の約上半部で前方及び上方へ向けて開放する左右一対の第1施療凹部4が、互いに左右に離れて並設されている。これら左右の第1施療凹部4に対して左右のふくらはぎLを嵌め入れることができる。
【0018】
また、ケーシング2には、その前面の約下半部で上方及び前方へ向けて開放する左右一対の第2施療凹部5が、互いに左右に離れて並設されている。これら左右の第2施療凹部5に対して左右の足Fを嵌め入れることができるようになっている。
第1施療凹部4にふくらはぎLを嵌め入れ、同時に第2施療凹部5に足Fを嵌め入れることができるように、第1施療凹部4及び第2施療凹部5は、左側配置のもの同士、及び右側配置のもの同士が連通するように構成されている。第1施療凹部4や第2施療凹部5の内部には、内張材6が設けられている。
【0019】
図2、
図3に示すように、左右の第1施療凹部4には、それぞれ、ふくらはぎLを正面側及び後面(裏面)側からマッサージする垂直マッサージ機構151が設けられている。
これに対し、左右の第2施療凹部5には、それぞれ、足を左右両側からマッサージする水平マッサージ機構150が設けられている。
なお、この下肢用マッサージ機1において、ケーシング2は、立てた状態と仰向け(前面を上向き)にして寝かせた状態とに使用向きを変更することが任意に選択可能である。
【0020】
図2、
図3に示すように、ケーシング2の内部には支持フレーム15が設けられている。この支持フレーム15は、下端位置で略水平に設けられた台フレーム部16と、この台フレーム部16の後端部から上方へ向けて略垂直に設けられた背フレーム部17とを有しており、側面視L型に一体形成されている。
そして、この支持フレーム15のうち、台フレーム部16に対して上記した水平マッサージ機構150が設けられており、背フレーム部17に対して前記した垂直マッサージ機構151が設けられている。この台フレーム部16の左右方向の両端部には、後述するが、水平マッサージ機構150に備えられた回転軸186を支える支持部304が設けられている。この支持部304は、軸受けが嵌め込まれるようになっており、回転軸186の両端を支持している。
【0021】
水平マッサージ機構150は、使用者の足の外側を覆うように形成された外側施療部材300と、外側施療部材300と左右方向で対面するように配置され、且つふくらはぎの内側から足の内側へ沿うように側面視で上下方向に沿って長尺とされた内側施療部材301とで構成されている。これら外側施療部材300及び内側施療部材301は、足の左右両側とふくらはぎ内側に対して揉みマッサージするようになっている。
【0022】
また、垂直マッサージ機構151は、外側施療部材300の上方に配置され、且つ上下方向に移動しながらふくらはぎの前面を押圧する前押し施療部材160(脛用の施療部材)と、裏押し施療部材161(ふくらはぎの背面用の施療部材)とで構成されている。これら両施療部材160,161は、ふくらはぎの前後両側に対して押圧マッサージするようになっている。
【0023】
まず、垂直マッサージ機構151について詳しく説明する。
この垂直マッサージ機構151は、ふくらはぎLの前面の斜め外方へずれた箇所を押す前押し施療部材160と、ふくらはぎLを介して前押し施療部材160と対峙する配置とされてふくらはぎLを裏側から支持する裏押し施療部材161と、これら前押し施療部材160及び裏押し施療部材161に対してふくらはぎへの押付状態を付与させる挟持機構162と、両施療部材160,161及び挟持機構162を上下動させる移動機構26とを有している。
【0024】
前押し施療部材160及び裏押し施療部材161は、互いに前後方向で対向する配置として構成され、この構成が使用者(身体)の左右の下肢に各対応させて左右一対に設けられている。当然に、挟持機構162は、各組を構成する施療部材160,161に対応させて、それぞれ個別に設けられている。
図2〜
図6に示すように、移動機構26は、背フレーム部17に設けられた左右一対の垂直レール21に対し、垂直動スライダ30の左右両端部に設けられたレール保持部163が上下動自在な状態に外嵌され、この垂直動スライダ30が昇降駆動部31によって上下駆動される構造となっている。また、この垂直動スライダ30に対して、左右両側に施療部材160,161及び挟持機構162が設けられている。
【0025】
昇降駆動部31を具体的に説明すれば、長手方向を上下方向へ向けた送りネジ軸32と、この送りネジ軸32を回転駆動するための正逆回転可能なモータ33及びこのモータ33の後部側に連結された減速ギヤ部34と、垂直動スライダ30に設けられ送りネジ軸32が串刺し状態で螺合するナット部材35とを有したものとしてある。モータ33及び減速ギヤ部34は、支持フレーム15内(台フレーム部16上の左右方向中央部)で固定されている。
【0026】
前押し施療部材160は、ふくらはぎLの前面(真正面)から左方又は右方の斜め外方にややずれて配置されている。具体的には、左側の施療部材160ではふくらはぎLの左寄りとなるような斜め外方であり右側の施療部材160ではふくらはぎLの右寄りとなるような斜め外方とされている。このような配置とされることで、この施療部材160は、ふくらはぎLの前面にある向こう脛(ムコウズネ)との直接的な当接を避け、そのうえで、向こう脛の左右外側に沿った横位置を押圧できるようになっている。
【0027】
この施療部材160は、移動機構26が具備する垂直動スライダ30のレール保持部163から、ふくらはぎLの左右方向外側を通って前方突出するように設けられたステー部165に対し、その前方の突出位置で支持されている。この施療部材160は、軸方向の中央部が膨らんだ円柱ローラ状(鼓状)に形成されたものであって、軸心となる部分に、前記ステー部165と連結する支軸166が設けられている。この施療部材160は、支軸166を中心に回転自在なものとしてもよいし、回転しないものとしてもよい。
【0028】
支軸166は、ステー部165との連結部分とされる根本側が左右方向の最外側となり、軸先端となるほど左右方向の内側へ入り込むように、斜めに前方突出して設けられている。このような支軸166の斜め突出状態により、施療部材160がふくらはぎLを外側から回り込むようになって、前面の斜め外方にだけ当接し、ふくらはぎLの外方側面などとの当接を回避している。
【0029】
これに対し、裏押し施療部材161は、前押し施療部材160によって後方へ押されるふくらはぎLをその裏面側中央で支え受けるようになっている。この施療部材161は、移動機構26が具備する垂直動スライダ30の前面に対し、ローラ軸を左右方向へ水平にして架設された円筒ローラとして形成されている。ローラ形状は、左右方向の内側が太く、左右方向の外側ほど細くなるテーパローラとしてある。
【0030】
これら前押し施療部材160と裏押し施療部材161とは、移動機構26の垂直動スライダ30が上下動するときに、互いに一体となって上下動するので、ふくらはぎLは、その斜め前面(向こう脛の横)と裏面との前後2カ所を効果的に指圧マッサージされるものとなっている。
ところで、本実施形態の垂直マッサージ機構151には、挟持機構162が備えられている。この挟持機構162は、前押し施療部材160と裏押し施療部材161との相互間にふくらはぎLが嵌め入れられたときに、前押し施療部材160が裏押し施療部材161
から一定距離を超えて開かない(離れない)状態に保持させると共に、両施療部材160,161によってふくらはぎLの前後両面を押圧する状態が維持されるようにするための機構である。また、本実施形態の垂直マッサージ機構151には、出退駆動部37が備えられている。この出退駆動部37は、移動機構26の垂直動スライダ30が所定の下限位置を超えて、更に下方へ移動するときに、前押し施療部材160が裏押し施療部材161から一定距離を超えて開く(離れる)ようにするためのものである。
【0031】
これら挟持機構162、出退駆動部37の具体的な機構としては、例えば、本願出願人が既に出願している「特願2011−230791」に開示された機構を採用することが可能である。
次に、下肢用マッサージ機1に備えられた水平マッサージ機構150を詳しく説明する。
【0032】
図2〜
図7に示すように、水平マッサージ機構150は、足の外側を覆うように形成された外側施療部材300と、この外側施療部材300と左右方向で対面するように配置され、且つふくらはぎの内側から足の内側へ沿うように側面視で上下方向に沿って長尺とされた内側施療部材301と、これら施療部材300,301に対して足Fへの揉み動作を付与させるための揉み機構185とを有している。
【0033】
外側施療部材300及び内側施療部材301は、足Fを挟んで対面するように構成され、使用者(身体)の左右の下肢に対応させるように一対設けられている。
外側施療部材300は、揉み機構185に備えられた回転軸186(詳細は後述)に対して、上方に設けられ且つ前後方向にそれぞれ突出した板状の部材である。外側施療部材300の上端は、レール部材171の下端と略同じ位置又はその近傍の位置に配置されている。また、外側施療部材300の前側上端は、側面視で下方に向かったアール状にカットされた形状であり、外側施療部材300の上端側は、左右方向で外側から内側に向かって回り込むように形成されている。
【0034】
言い換えれば、外側施療部材300は、外側の足に向く配置とされ、足の高さ(床面から足の甲までの高さ)を超える程度に突出する板状に形成されている。外側施療部材300が足に向いている面(外側施療部材300の内壁面)は、外側の足の甲部分に沿う形状に形成され、複数の揉み突起が設けられている。外側施療部材300は、揉み機構185の揺動により外側の足に揉みマッサージを行っている。
【0035】
図4〜
図7に示すように、内側施療部材301は、揉み機構185に備えられた回転軸186に対して、上方に設けられ且つ前後方向にそれぞれ突出した板状の部材であって、内側施療部材301のやや後方の上端が上方に向かって長く突出した板状の部材である。また、内側施療部材301の前側上端は、側面視で下方に向かったアール状にカットされた形状であり、内側施療部材301の上端側は、内側から外側に向かって回り込むように形成されている。
【0036】
言い換えれば、外側施療部材300と前押し施療部材160とに対面するように配置され、内側の足から内側のふくらはぎに渡る領域(下肢の内側全体)を押圧可能な大きさで形成された板状のものである。すなわち、内側施療部材301を側面視すれば、ふくらはぎの下部まで伸びた長尺のブーツ形状(長靴形状)となっている。
下肢の内側全体に当接する内側施療部材301の内壁面には、内側のふくらはぎを押圧する第1施療部302と、内側の足を押圧する第2施療部303とが配置され、第1施療部302から第2施療部303に亘って一体に形成されている。
【0037】
第1施療部302は、前押し施療部材160と左右方向で対面する位置に配置され、前押し施療部材160と共にふくらはぎを挟み込む。第1施療部302は、前押し施療部材160と共にふくらはぎを上下方向に指圧するようなマッサージを行う。第1施療部302には、第2突起部305が複数備えられ、ふくらはぎに対しての指圧マッサージ感を高めている。
【0038】
第2施療部303は、外側施療部材300と左右方向で対面する位置に配置され、外側施療部材300と共に足を覆っている。第2施療部303は、外側施療部材300と共に足を挟み込むようなマッサージを行う。第2施療部303の後方には突出部306が備え
られ、この突出部306はかかとに対して揉みマッサージを行う。
一方、
図7に示すように、内側施療部材301の外壁面には、長尺で板状の補強部材308が備えられている。この補強部材308は、内側施療部材301の第2施療部303の基端側から第1施療部302の中途部へとつながるように配備され、第2施療部303の基端側に設けられている変換部188(詳細は後述)を取り囲んでいる。補強部材308は、ふくらはぎに対してマッサージを行っている内側施療部材301の変形及び破損を防ぐものである。また、揉み機構185(詳細は後述)で発生した揉みの力を減少させずにふくらはぎに伝える役割も担っている。補強部材308は、内側施療部材301の変形及び破損を防ぐため、鉄やステンレスなどで形成された硬質の板材で形成されている。
【0039】
なお、内側施療部材301及び外側施療部材300の形成素材は、ナイロンなど厚み方向に弾性を有するものが採用可能である。内側施療部材301及び外側施療部材300の内壁面には、足への接触感を和らげるゴムやウレタンなどで形成されたクッション材を配備しておくのが好適とされる。
この水平マッサージ機構150の揉み機構185には、内側施療部材301及び外側施療部材300の基端側(下端側)を左右方向に亘って、貫通するように設けられた回転軸186と、回転軸186を回転駆動させる駆動部309と、で構成されている。駆動部309は、垂直マッサージ機構151の移動機構26(昇降駆動部31)が装備する正逆回転可能なモータ33を駆動源とする。このモータ33の回転駆動軸は、前後方向に2本突出しており、前側の回転駆動軸は水平マッサージ機構150を駆動させ、後側の回転駆動軸は垂直マッサージ機構151を駆動させている。
【0040】
図2〜
図7に示すように、このモータ33の前部側にはギアボックス187が連結されており、このギアボックス187に内側施療部材301及び外側施療部材300の基端側(下端側)を左右方向に亘って貫通する1本の回転軸186が回転自在に支持されている。また、この回転軸186の両端側は、台フレーム部16に備えられた支持部304で支えられている。ゆえに、この回転軸186は、ギアボックス187と支持部304の3点で支持されている。
【0041】
ギアボックス187内には、ウォームギア及びウォームホイルが内蔵されていて、これらを介してモータ33の動力が回転軸186に伝えられるようになっている。
この回転軸186がこれら施療部材300,301の下方を貫通している貫通部分には、回転軸186の回転駆動力を内側施療部材301と外側施療部材300による下肢への挟み込みマッサージ動作に変換する変換部188が設けられている。
【0042】
変換部188は、内側施療部材301及び外側施療部材300の前後方向中央部の下側に一対設けられている。変換部188の構成を内側施療部材301を例にとり、説明する。
変換部188は、内側施療部材301の下端側(下部)であって、第1施療部302の前側端面よりも若干前側で、第2施療部303の下側端面(基端側)よりも下側に配置されている。すなわち、変換部188の外周面上側が、足の土踏まず(足の前後方向中央部)に対応するようになっている。これら変換部188に回転軸186が貫通すると共に、変換部188に対してこの回転軸186が回転自在に保持されている。なお、外側施療部材300の変換部188についても内側施療部材301の変換部188と対面する位置に配置されている。外側施療部材300の変換部188と内側施療部材301の変換部188とが左右方向に並んだ状態で配置されている。
【0043】
この変換部188は、回転軸186の軸方向中途部に回転軸186と一体回転するように固定された回転ボス部189と、外側施療部材300及び内側施療部材301に設けられて前記回転ボス部189を相対回転自在な状態で外嵌するハウジング部190と、回転ボス部189に対してハウジング部190が供回りすることを規制する規制部191とを備えている。
【0044】
回転ボス部189は、回転軸186に対して傾斜して設けられた円盤であって、その外周部には、ベアリングなどの軸受具307が装着されている。
特に、内側施療部材301は上下方向に長尺であるため、マッサージ中の内側施療部材
301に大きなモーメント(揉み動作に伴うモーメント)が発生する。その大きなモーメントによって、内側施療部材301の下方に配備されている変換部188(回転ボス部189)や回転軸186に大きな負担がかかる。その結果、内側施療部材301を破損させてしまうこととなる。この問題を防ぐため、
図8に示すように、内側施療部材301の回転ボス部189の外周部には、軸受具307が複数個(例えば、2個)備えられている。
【0045】
回転ボス部189の傾きは、外側施療部材300及び内側施療部材301間において相対逆向きとなっている。
規制部191は、ハウジング部190から下向きに突出する係合突起を有したもので、この係合突起が、支持フレーム15の台フレーム部16に形成された左右に延びる摺動ガイド溝に係合するようになっている。
【0046】
これらのことにより、回転軸186の回転時には、摺動ガイド溝に係合した係合突起が左右方向へのみ摺動を許容される状態となって、ハウジング部190の供回りは阻止され、外側施療部材300及び内側施療部材301は前後動と左右動とが所定角度範囲に規制された状況下で前後・左右に揺動するものとなる。前記したように、左右の外側施療部材300及び内側施療部材301間において、回転軸186に対する回転ボス部189の傾きは相対逆向きとなっているので、外側施療部材300及び内側施療部材301の前側が互いに近接している状態では、外側施療部材300及び内側施療部材301の後側が離反した状態となる。即ち、外側施療部材300及び内側施療部材301は平面視して略逆V字状となる。
【0047】
そして、回転軸186が回転するに従い、第2施療部303の前側と外側施療部材300の前側とが互いに近接する動作を生じ、これに伴って第1施療部302の上部が前押し施療部材160に近接する動作を生じる。その後は、第1施療部302の上部が前押し施療部材160から離反すると共に第2施療部303の前側が外側施療部材300から離反する。以後、これら施療部材160,300,301は前記したサイクル動作を繰り返すことになる。
【0048】
なお、回転軸186には、外側施療部材300及び内側施療部材301の相互間を渡る部分に対応するようにして、足裏マッサージローラ200が串刺し状に貫通して設けられている。この足裏マッサージローラ200は、足Fの土踏まずを面接触状に支えることができる程度の外径で、且つ、回転軸186と同心又は僅かに偏心した外周面を有しており、この外周面には、周方向及び回転軸186の軸方向に間隔をおいて複数の第1突起部201が設けられている。
【0049】
この足裏マッサージローラ200は、外側施療部材300及び内側施療部材301が前記したサイクル動作を繰り返すときに、これらと連動して回転する。
この足裏マッサージローラ200の前方には、外側施療部材300及び内側施療部材301の相互間に挟まれる配置で、足Fのつま先裏を支える足支持部材195aが配置され、足裏マッサージローラ200の後方には、外側施療部材300及び内側施療部材301の相互間に挟まれる配置で、足Fの踵裏を支える足支持部材195bが配置されている。
【0050】
次に、
図2〜
図7に示した下肢用マッサージ機1を使用する状況に基づいて、その作用を説明する。
下肢用マッサージ機1は、電源スイッチ又は運転操作スイッチがオフの状態にあるときには、
図2に示すように、垂直マッサージ機構151における前押し施療部材160及び裏押し施療部材161は、最も下方位置で停止している。
【0051】
そこでまず、使用者は、左右のふくらはぎLを前押し施療部材160及び裏押し施療部材161の間にそれぞれ嵌め入れると共に、左右の足Fを、水平マッサージ機構150の外側施療部材300及び内側施療部材301の間にそれぞれ嵌め入れる。
この状態で電源スイッチ又は運転操作スイッチをオン操作すると、モータ33が作動し、垂直マッサージ機構151では、昇降駆動部31の減速ギヤ部34を介して移動機構26が垂直動スライダ30を上方へ向けて移動開始させる。また、水平マッサージ機構150では、揉み機構185のギアボックス187を介して回転軸186が回転を始める。
【0052】
垂直マッサージ機構151において、垂直動スライダ30が上方へ移動し始めると、前
押し施療部材160によってふくらはぎLの斜め前面(向こう脛の横)が押圧されると共に、裏押し施療部材161によってふくらはぎLの裏面が押圧され、効果的に指圧マッサージされる状態となる。
この状態のまま、垂直動スライダ30は、所望に応じて複数サイクルにわたり、上下往復動を繰り返すようになっている。
【0053】
一方、水平マッサージ機構150においては、回転軸186の回転によって内側施療部材301の第2施療部303及び外側施療部材300が互いの前側を近接すると、その近接に追従するように内側施療部材301の第1施療部302が前押し施療部材160に近接する。また反対に、内側施療部材301の第2施療部303及び外側施療部材300が互いの前側を離反すると、その離反に追従するように内側施療部材301の第1施療部302が前押し施療部材160から離反する。このような繰り返しの揉みマッサージを、足Fに対して左右両側から施すことになる。
【0054】
同時に、回転軸186に設けられた足裏マッサージローラ200が回転軸186と一緒に回転して、この足裏マッサージローラ200の外周面に設けられた複数の第1突起部201が、足Fの足裏を後方から前方へ向け、又は後方から前方へ向けて指圧するようにマッサージする。
また、本発明に係る下肢用マッサージ機1では、垂直マッサージ機構151において、移動機構26による一対の施療部材(前押し施療部材160及び裏押し施療部材161)の移動と足Fとの干渉を防ぐための干渉防止機構250を有した構成としている。
【0055】
下肢用マッサージ機1に備えられた干渉防止機構250は、規制部材251と背面部材252と緩衝部材253とを有している。
規制部材251は、移動機構26が一対の施療部材160,161を膝から足Fへ向けて移動させた際に、裏押し施療部材161(ふくらはぎの背面用の施療部材)が到達する到達位置(下方到達位置)へ足Fが入り込まないように規制するためのものである。
【0056】
これに対して、背面部材252は、垂直動スライダ30及びこの垂直動スライダ30に取り付けられた裏押し施療部材161が、上下に移動する際の移動経路上に足Fが入ったり、この移動経路から裏側へ足Fが後方に通り抜けないように規制するためのものである。
また、緩衝部材253は、裏押し施療部材161が移動機構26によって膝から足Fへ向けて移動(下降)して万が一にも足Fと当接したときに、裏押し施療部材161を移動方向の後方や上方へ移動可能(逃げ可能)とさせるためのものである。
【0057】
加えて、停電時などの対応として、水平マッサージ機構150によるふくらはぎLの拘束状態や、垂直マッサージ機構151による足Fの拘束状態を、使用者が手で強制的に解除できるような機構(脱出用の機構)を装備させることも可能である。
以上述べた下肢用マッサージ機によれば、下肢用マッサージ機の施療部材をふくらはぎから足へ沿って長尺な形状にすることで、構成部品数を少なくしつつも、斬新で快適なマッサージ感を使用者に付与することが可能となる。
【0058】
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、本発明に係る下肢用マッサージ機1は、椅子型マッサージ機の座部前方に設けることで、フットレストとして兼用可能に設けることも可能である。