(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
A.第1の実施形態:
図1は、本発明に係る第1の実施形態としてのガスセンサ100の構成を表わす断面図である。ガスセンサ100は、
図1に示すように、軸線Oに沿って伸長する細長形状を有している。以下の説明では、軸線O方向であって
図1の下方側を先端側と呼び、
図1の上方側を後端側と呼ぶ。本実施形態のガスセンサ100は、酸素濃度センサであって、例えば、自動車の排気ガス中の酸素濃度を検出するために用いることができる。
【0022】
ガスセンサ100は、センサ素子10と、主体金具(ハウジング)20と、外筒40と、さらに、ガスセンサの内部配線の引き回しに係る構造(電極および電極に接続する配線)を、主要な構成要素として備えている。センサ素子10は、酸化物イオン伝導性(酸素イオン伝導性)の固体電解質体の両面に一対の電極を積層した酸素濃淡電池を構成し、酸素分圧に応じた検出値を出力する公知の酸素センサ素子である。詳細には、センサ素子10は、外径が先端に向かってテーパ状に縮径する有底筒状の固体電解質体11と、固体電解質体11の内表面と外表面にそれぞれ形成された内側電極(基準電極)10aおよび外側電極(検出電極)10bと、を備えている。そして、センサ素子10の内部空間を基準ガス雰囲気とし、センサ素子10の外表面に被検出ガスを接触させることで、ガスの検知を行う。ガスセンサ100の後端からは、上記センサ素子10の検出信号を取り出すための2本のリード線60が引き出されている。
【0023】
図2は、センサ素子10の外観を表わす斜視図である。センサ素子10には、軸線O方向の中ほどにおいて、外周方向に張り出した(突出した)鍔部12が形成されている。鍔部12よりも先端側には、先端側に向かって次第に縮径されて先端部が閉塞された有底部13が形成されている。本実施形態では、外側電極10bは、有底部13の外表面の一部を覆うように形成されている。さらに、外側電極10bは、外側電極10bを保護するための電極保護層14に覆われている。
【0024】
センサ素子10において、鍔部12よりも後端側には、略一定の外径を有し、後端に開口を有する略中空円筒状の基体部17が形成されている。また、鍔部12および基体部17の外表面には、外側電極10bと電気的に接続された外部リード部10cが設けられている。本実施形態の外部リード部10cは、外側電極10bの後端から、鍔部12を経由して、鍔部12よりも後端側へと、軸線O方向に線状に延出する縦リード部15と、縦リード部15の後端部に設けられたリングリード部16と、を備えている。リングリード部16は、基体部17において、センサ素子10の外周に沿って、センサ素子10の外表面の一部に伸長している。
【0025】
なお、既述したように、センサ素子10の内表面には内側電極10aが設けられている。有底円筒状の固体電解質体11の内部には、筒孔10dが形成されており(
図1参照)、内側電極10aは、後端近傍を除く筒孔10dの表面全体を覆うように形成されている。
【0026】
センサ素子10が備える固体電解質体11は、例えば酸化イットリウム(Y
2O
3)を添加した酸化ジルコニウム(ZrO
2)、すなわちイットリア安定化ジルコニアによって構成することができる。あるいは、酸化カルシウム(CaO)や酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)等から選択される酸化物を添加した安定化ジルコニア等の、他の固体電解質によってセンサ素子10を構成しても良い。
【0027】
センサ素子10の表面に形成される内側電極10aおよび外側電極10bは、白金(Pt)や白金合金等の、貴金属あるいは貴金属合金によって形成されることが好ましい。内側電極10aおよび外側電極10bは、例えば、無電解めっき等のめっき法により形成することができる。また、固体電解質体11を例えばイットリアを含有するジルコニア粉末等から成る成形体を焼成して製造する場合には、外部リード部10cは、上記成形体の外表面に貴金属ペーストを用いて所定のパターンで印刷を行なうことにより、成形体の焼成と同時に形成することができる。
【0028】
図1に戻り、センサ素子10は、主体金具20内に組み付けられている。主体金具20は、センサ素子10の軸線O方向の中ほどの部分を取り囲むように配置される金属部材である。主体金具20の内表面には、先端方向に向かって内径が縮径する段部20bが設けられている。この段部20bと、センサ素子10の鍔部12との間には、パッキン30が配置されている。主体金具20とセンサ素子10とを組み付ける際には、主体金具20の後端側から、センサ素子10を主体金具20内に挿入する。そして、鍔部12をパッキン30に当てることにより、間接的に段部20bにセンサ素子10の鍔部12を当接させる。
【0029】
また、センサ素子10の鍔部12よりも後端側において、主体金具20との間の空隙には、滑石粉末が充填されて成るシール部31が配置されており、センサ素子10と主体金具20の隙間がシールされている。そして、シール部31の後端側には、筒状の絶縁部材(セラミックスリーブ)32が配置されている。さらに、絶縁部材32の後端側には、金属リング(ステンレス製の平ワッシャ)33が配置されている。金属リング33よりも後端側では、主体金具20の後端部が内側に屈曲されて、加締め部20aを形成している。主体金具20の後端部に加締め部20aを形成することにより、絶縁部材32が先端側に押し付けられてシール部31を押し潰し、絶縁部材32及びシール部31が加締め固定されるとともに、センサ素子10と主体金具20の隙間がシールされる。
【0030】
なお、主体金具20の中央付近には、六角レンチ等を係合するために、径方向外側に突出した形状に形成されている多角形の鍔部20cが設けられている。また、鍔部20cと、主体金具20の先端部である先端部20fとの間の外表面には、雄ねじ部20dが形成されている。主体金具20の雄ねじ部20dを、例えば自動車の排気管のネジ孔に取付けて、センサ素子10の先端を排気管内に露出させることにより、ガスセンサ100を用いた被検出ガス(排気ガス)中の酸素濃度の検知が可能になる。ガスセンサ100において、鍔部20cの先端面と雄ねじ部20dの後端との間の段部には、さらに、ガスセンサ100を排気管に取付けた際のガス抜けを防止するガスケットが嵌挿される(図示せず)。
【0031】
主体金具20の先端部20fには、金属製(ステンレスなど)で筒状のプロテクタ62が固定され、主体金具20から突出するセンサ素子10の先端がプロテクタ62で覆われている。このプロテクタ62は、排気ガスをプロテクタ62の内部に取り込むための複数の孔部を有している。
【0032】
一方、主体金具20の後端部には、金属製で筒状の外筒40が接合されて、センサ素子10の後端部を覆っている。外筒40は、例えば、SUS430、SUS304、SUS304L、SUS310S、SUS316、SUS316L等のステンレス鋼で形成することができる。外筒40は、主体金具20に接続する先端部40aと、先端部40aよりも縮径された後端部40bとを有し、先端部40aと後端部40bとの間には段部43が設けられている。
【0033】
外筒40の先端部40aの内側には、段差付きの略円柱状で絶縁性のセパレータ34が配置されている。セパレータ34には、セパレータ34を軸線O方向に貫通する2個の挿通孔34a、34bが形成されている。これらの挿通孔34a、34bには、それぞれ、第1接続端子70の板状基部71と、第2接続端子80の板状基部81が挿通されている。ここで、第1接続端子70および第2接続端子80は、それぞれ、内側電極10aあるいは外側電極10bと、リード線60とを接続するための部材である。各板状基部71、81の後端には、それぞれ、接続端部72、82が形成され、接続端部72、82には、それぞれ異なるリード線60が加締め接続されている。第1接続端子70および第2接続端子80は、導電性材料、例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅、およびコバルト合金等から選択される金属材料により形成することができる。ガスセンサ100内の使用環境において充分な耐腐食性を示す金属材料を用いることが望ましい。なお、第1接続端子70が、特許請求の範囲の「接続端子」に相当する。
【0034】
上記セパレータ34は、セパレータ34の後端面を外筒40の段部43に当接させつつ、セパレータ34の先端面をセパレータ34よりも先端側に配置した保持金具35に当接させることで、外筒40内に保持される。この保持金具35は、セパレータ34よりも先端側に配置され、外筒40の先端部40aが加締められることで外筒40内に固定されている。
【0035】
図3は、第1接続端子70の外観の概略を表わす斜視図である。既述したように、第1接続端子70は、リード線60が接続される接続端部72と、セパレータ34の挿通孔34a内に配置される板状基部71と、を備えている。板状基部71の中央部には、略コの字状に切れ目を形成してその内側部分を外周側へと折り曲げることによって形成された支持腕74が設けられている。この支持腕74は、板状基部71が軸線O方向に略平行となるように、セパレータ34の挿通孔34a内で板状基部71を支える。
【0036】
さらに、第1接続端子70において、板状基部71よりも先端側には、筒状部73が設けられている。この筒状部73は、軸線O方向に平行なスリット75を有して径方向に弾性変形可能であって、センサ素子10の筒孔10d内への非嵌め込み状態にあるときの筒状部73の内径は、センサ素子10の筒孔10dの内径よりも大きい。そのため、筒状部73の径を縮めつつセンサ素子10の筒孔10d内に挿入することで、筒状部73と内側電極10aとを接触させることができる。
【0037】
また、筒状部73の先端には、さらに先端側に突出するように、複数(
図3では2つ)の板状の延出片76が設けられている。これら複数の延出片76は、全体として延出部79を構成している。各々の延出片76は、筒状部73との接続部近傍の後端部において、屈曲部77を有している。この屈曲部77によって、延出片76は、センサ素子10の軸線(軸線O)に近づくように、自身の板厚方向に屈曲している。これにより、2つの延出片76において、屈曲部77よりも先端側の部分の外接円の径は、筒状部73の内接円の径よりも小さくなっている。また、2つの延出片76において、屈曲部77よりも先端側の部分の外接円の径は、センサ素子10に設けられた筒孔10dの開口部における内接円の径よりも小さくなっている。
【0038】
2つの延出片76の先端近傍には、延出片76同士を接続する先端接続部78が設けられている。先端接続部78は、2つの延出片76の先端近傍同士を繋ぎつつ、センサ素子10の軸線(軸線O)に近づくように折り込まれた形状を有する折り込み部として形成されている。また、この先端接続部78は、2つの延出片76の先端近傍同士を固定する先端固定部ということもできる。このように、2つの延出片76の先端近傍同士を固定することにより、延出部79の剛性、特に延出部79の先端近傍部分の剛性を高めることができる。そのため、先端接続部78は、剛性付与部ということもできる。このような延出部79に係る構造は、第1接続端子70の先端側をセンサ素子10の筒孔10d内に嵌め込む動作を容易にするための構造である。第1接続端子70をセンサ素子10内に嵌め込む動作については、後に詳しく説明する。
【0039】
図4は、第1接続端子70を形成するための板状部材の概略形状を表わす平面図である。第1接続端子70は、例えば、平板状部材を打ち抜き加工して、
図4に示す形状の板状部材を形成し、この板状部材を曲げ加工することにより作製することができる。
【0040】
図5は、第2接続端子80の外観を表わす斜視図である。既述したように、第2接続端子80は、リード線60が接続される接続端部82と、セパレータ34の挿通孔34b内に配置される板状基部81と、を備えている。板状基部81の中央部には、略コの字状に切れ目を形成してその内側部分を外周側へと折り曲げることによって形成された支持腕84が設けられている。この支持腕84は、板状基部81が軸線O方向に略平行となるように、セパレータ34の挿通孔34b内で板状基部81を支える。
【0041】
さらに、第2接続端子80において、板状基部81よりも先端側には、筒状部83が設けられている。この筒状部83は、センサ素子10の後端部外表面に嵌め込まれることにより、外側電極10bと電気的に接続される。より具体的には、筒状部83は、略長方形状の板体を折り曲げた略中空円筒状に形成されており、軸線O方向に平行なスリット85を有している。筒状部83は、このスリット85の幅を伸縮させることにより、径方向に弾性変形可能となっている。センサ素子10の後端部外表面への非嵌め込み状態にあるときの筒状部83の内径は、センサ素子10の後端部の外径よりも小さい。そして、上記スリット85を広げることにより、筒状部83は、センサ素子10に嵌め込み可能となる。
【0042】
また、筒状部83の先端には、筒状部83の先端を成す円周に沿って、複数のフレア片86が突出して設けられている。各々のフレア片86は、筒状部83先端との接続部において、外周側に折り曲げられており、複数のフレア片86全体は、筒状部83の先端から放射状に広がっている。そのため、これら複数のフレア片86の内表面に接触する円を想定すると、フレア片86の先端部ほど、上記接触する円の径が大きくなる。すなわち、複数のフレア片の内径は、先端側ほど大きくなっており、フレア片86の先端における内接円は、センサ素子10の後端の外径よりも大きくなっている。これら複数のフレア片86は、筒状部83をセンサ素子10の後端部に嵌め込む動作を容易にするための構造である。筒状部83をセンサ素子10に嵌め込む動作については、後に詳しく説明する。
【0043】
図1に戻り、ガスセンサ100の外筒40の後端部40bの内側には、略円柱状のグロメット36が内挿されて加締め固定されている。このグロメット36には、グロメット36を軸線O方向に貫通する2個の挿通孔が形成されており、これら2個の挿通孔の各々から、リード線60が外部に引き出されている。グロメット36の後端側はフランジ状に拡径している。グロメット36を外筒40の後端から外筒40内へと挿入し、上記した拡径部分を外筒40の後端に当接させることにより、グロメット36の位置決めがなされる。グロメット36は、例えば、シリコンゴムやフッ素ゴム等のゴム材料によって形成することができる。
【0044】
さらに、外筒40の後端部40bの側面のうち、グロメット36よりも先端側の位置には、周方向に等間隔で4個(
図1では3個のみ図示)の第1通気孔41が開口している。そして、外筒40の後端部40bの径方向外側には、第1通気孔41を覆うように、環状の通気性のフィルタ37が被せられ、さらに、フィルタ37を径方向外側から金属製筒状の保護外筒38が囲んでいる。この保護外筒38は、例えば、SUS430、SUS304、SUS304L、SUS310S、SUS316、SUS316L等のステンレス鋼によって形成することができる。保護外筒38の側面には、周方向に等間隔で4個(
図1では2個のみ図示)の第2通気孔39が開口し、フィルタ37を介して外筒40内部へ外気を導入可能になっている。なお、第2通気孔39の先端側と後端側で外筒40及び保護外筒38を加締めることで、外筒40と保護外筒38の間にフィルタ37を保持している。フィルタ37は、例えばフッ素系樹脂等の撥水性樹脂の多孔質構造体によって構成することができ、撥水性を有しているため外部の水を通さずにセンサ素子10の内部空間に基準ガス(大気)を導入可能となっている。
【0045】
保護外筒38は、後端部がグロメット36の後端面上に設けられるように径方向内側に折り曲げられてなり、後端部の中央に開口63が形成され、開口63から2本のリード線60が外部に引き出されている。さらに、保護外筒38の後端側は、外筒40の後端部40bに設けられた加締め部に加締め固定されている。つまり、グロメット36は、保護外筒38及び外筒40の両者を同時に加締めることで、外筒40内に配置されている。
【0046】
図6は、ガスセンサ100の組み立ての概要を示す説明図である。ガスセンサ100の組み立て時には、ガスセンサ100の後端側の構造を備える後端側アセンブリAと、先端側の構造を備える先端側アセンブリBとを組み立て、アセンブリAおよびBの組み付けが行なわれる。
図6では、アセンブリAをアセンブリBの後端に被せる組み付け動作を、断面図によって示している。
【0047】
ガスセンサ100の製造に際しては、まず、先端側アセンブリBの組み立てが行なわれる。具体的には、主体金具20の後端側から、センサ素子10を主体金具20内に挿入し、センサ素子10を、主体金具20内に配置されたパッキン30上に配置する。これにより、センサ素子10の鍔部12を、間接的に段部20bに当接させる。その後、主体金具20とセンサ素子10との間隙に筒状のシール部31を配置し、絶縁部材32、金属リング33を順にシール部31上に配置する。そして、主体金具20の後端側を内側に屈曲させて加締め部20aを形成することにより、絶縁部材32が先端側に押し付けられてシール部31を押し潰し、絶縁部材32及びシール部31が加締め固定される。このようにして、アセンブリBを作製する。
【0048】
一方で、後端側アセンブリAの組み立てが行なわれる。すなわち、外筒40内に、第1接続端子70及び第2接続端子80を組み付けたセパレータ34をグロメット36と共に配置し、アセンブリAを組み立てる。具体的には、リード線60に接続された第1接続端子70および第2接続端子80を、セパレータ34の挿通孔34a、34b内に挿入し、その後、セパレータ34を外筒40の段部43に当接させる。その後、セパレータ34と外筒40との間隙に保持金具35を挿入して、外筒40の先端部40aを加締めることで、保持金具35を固定する。さらに、グロメット36を外筒40の後端から挿入すると共に、外筒40の後端部40bにフィルタ37、保護外筒38をそれぞれ配置し、フィルタ37、グロメット36をそれぞれ加締め固定することにより、アセンブリAを作製する。
【0049】
そして、アセンブリAとアセンブリBとの軸線を合わせ、アセンブリAの外筒40の先端部を、アセンブリBの主体金具20の後端部に被せることにより、ガスセンサ100の組み立てが行なわれる。
【0050】
図6に示すように、後端側アセンブリAでは、外筒40の先端から、さらに先端側へと、第1接続端子70の延出片76の先端部分が突出している。ここで、第1接続端子70の筒状部73は、外筒40の先端よりも後端側に位置し、後端側アセンブリA内に収納されている。また、先端側アセンブリBでは、主体金具20の後端から、センサ素子10の後端部が突出している。アセンブリAとアセンブリBとを組み付ける際には、まず、アセンブリAから突出する延出片76を、アセンブリBのセンサ素子10内に形成される筒孔10dに挿入しつつ、外筒40の先端部を、主体金具20の後端部に被せる。
【0051】
ここで、既述したように、延出片76は後端部に屈曲部77を有しており、2つの延出片76の外接円の径は、センサ素子10の筒孔10dの内接円の径よりも小さくなっている。また、2つの延出片76の先端近傍には先端接続部78が設けられており、延出片76全体の剛性が高められているため、延出片76は変形し難い性質を有している。第1接続端子70を筒孔10d内へと挿入すると、やがて、第1接続端子70の屈曲部77の外表面が筒孔10dの内表面に接触し、さらに第1接続端子70を押し込むことで、第1接続端子70と内側電極10aとが電気的に接続される。
【0052】
また、上記のように外筒40の先端部を主体金具20の後端部に被せると、アセンブリA,Bの内部では、アセンブリAが備える第2接続端子80の筒状部83先端から突出するように設けられたフレア片86が、センサ素子10の後端に当接する。その後、さらにアセンブリAとアセンブリBとの嵌め込みを行なうと、センサ素子10の後端が、各フレア片86の内表面によって筒状部83内へと導かれて、筒状部83を内側から押し広げる。このとき、筒状部83は、スリット85(
図5)を広げることにより径を拡大する。このように、筒状部83がセンサ素子10の後端部に嵌め込まれると、筒状部83の内表面がリングリード部16(
図2参照)に接することにより、第2接続端子80と外側電極10bとが電気的に接続される。
【0053】
上記のように、アセンブリAとアセンブリBの嵌め込みが終了する時には、第1接続端子70の筒状部73の外表面と内側電極10aとが接触する。また、第2接続端子80の筒状部83の内表面とセンサ素子10のリングリード部16とが接触して、各フレア片86の先端は、主体金具20の後端から離間しつつ、主体金具20の後端近傍に到達する。第1接続端子70あるいは第2接続端子80とセンサ素子10との位置関係を所望の重なり具合にするためには、各々のアセンブリ内におけるセンサ素子10、第1接続端子70、および第2接続端子80の組み付け位置と、アセンブリAとアセンブリBとの間の組み付け位置とを、上記所望の重なり具合に応じて予め設定しておけばよい。
【0054】
主体金具20の所定の位置まで外筒40が覆うように、アセンブリAとBの組付けを行なった後には、外筒40の先端部の外周面をレーザ溶接等によって主体金具20の後端部に接続することにより、ガスセンサ100が得られる。
【0055】
以上のように構成された本実施形態のガスセンサ100によれば、第1接続端子70が、外筒40の先端よりもさらに先端側の位置に到るまで延出する延出部79を備えている。そのため、ガスセンサ100の組み立ての際に、延出部79を、センサ素子10の筒孔10d内へと第1接続端子70を挿入する動作のガイドとして用いることができる。したがって、後端側アセンブリA内に収納された第1接続端子70の筒状部73を、筒孔10d内に容易に嵌め込むことができる。このように、ヒータを有しないガスセンサ100の組み立て動作を容易化することができる。
【0056】
また、本実施形態では、第1接続端子70の延出片76は、筒状部73との接続部近傍の後端部において、センサ素子10の軸線Oに近づくように自身の板厚方向に屈曲する屈曲部77を有している。そのため、延出片76が筒孔10d内に挿入されたときには、延出片76の先端部と筒孔10dの内壁との間の、軸線Oに垂直方向の距離を、より長く確保することが可能になる。したがって、ガスセンサ100の組み立て時に、延出片76の先端部によって内側電極10aが損傷されることを抑制できる。
【0057】
ここで、本実施形態では、センサ素子10は先端ほど細く形成されており、センサ素子10の筒孔10dの内径(軸線Oに垂直な断面の径)は、先端側ほど短くなっている。そのため、第1接続端子70をセンサ素子10内に嵌め込んだときに、延出片76が、その先端まで内側電極10aから離間するように、延出片76の屈曲部77における屈曲量を設定することが望ましい(
図1参照)。これにより、延出片76を設けることに起因する内側電極10aの損傷を抑える効果を高めることができる。また、延出片76は、ガスセンサ100の組み付け時に外筒40から突出する長さであればよく、組み付け時に延出片76の先端が内側電極10aから離間するように、屈曲部77の屈曲量とのバランスを考慮して延出片76の長さを設定すればよい。
【0058】
また、本実施形態では、第1接続端子70は、延出片76の後端側に筒状部73を有し、筒状部73は、センサ素子10の筒孔10d内への非嵌め込み状態にあるときの内径が、センサ素子10の筒孔10dの内径よりも大きく形成されている。そのため、延出片76にガイドされつつ第1接続端子70をセンサ素子10内に嵌め込むことで、容易に、第1接続端子70と内側電極10aとの電気的な接続を確保することができる。
【0059】
このようなガスセンサ100の組み立て時には、延出片76が内側に屈曲されているため、筒状部73がセンサ素子10の筒孔10dの内壁に接触するまでは、第1接続端子70とセンサ素子10とはほとんど接触しない。このように第1接続端子70とセンサ素子10とが接触するまでは、第1接続端子70とセンサ素子10との間に抵抗が生じないため、第1接続端子70を挿入する動作を低い荷重で行なうことができる。そのため、外筒40から第1接続端子70にかけての構造に挿入時の荷重が伝えられて、第1接続端子70の板状基部71に支えられるセパレータ34や保持金具35、外筒40等の構造に負荷がかかることによる損傷を抑制できる。
【0060】
さらに、本実施形態では、2つの延出片76の先端近傍同士を接続する先端接続部78が設けられており、延出部79全体の剛性が高められている。そのため、ガスセンサ100の組み立て時に、細長い薄板形状である延出片76の変形を抑制することができる。延出部79の変形を抑制することで、製造途中の第1接続端子70の取り扱いを容易にし、製造中に延出部79が望ましくない変形を起こして不良品となるなどの不具合を抑制できる。また、延出部79の変形を抑制することで、延出部79が内側電極10aに接触することを抑制できる。そのため、ガスセンサ100の組み立て時における内側電極10aの損傷を抑えることができる。
【0061】
また、先端接続部78は、2つの延出片76の先端近傍同士を繋ぎつつ、センサ素子10の軸線(軸線O)に近づくように折り込まれた形状を有している。そのため、先端接続部78が延出部79から径方向外側に張り出すことを抑えることができ、ガスセンサ100の組み立て時に、先端接続部78が内側電極10aを損傷することを抑制できる。先端接続部78の折り込み量は、先端接続部78の内側電極10aへの接触を十分に抑制可能となるように設定すればよい。例えば、先端接続部78が延出部79の内接円の内側に収まるように、先端接続部78を折り込むことが望ましい。
【0062】
さらに、本実施形態では、第1接続端子70は、
図4に示した1枚の板状部材を曲げ加工することにより製造されているため、製造工程を簡素化することができる。すなわち、先端接続部78は、第1接続端子70を成形するための曲げ加工時に同時に形成できるため、製造工程を複雑化することなく先端接続部78を形成することができる。また、屈曲部77も、第1接続端子70を成形するための曲げ加工時に同時に形成できるため、筒状部73よりも内接円が小さい延出部79を形成するために、例えば絞り加工のような複雑な工程を採用する必要がない。
【0063】
B.第2の実施形態:
図7は、第2の実施形態のガスセンサが備える第1接続端子170の外観の概略を表わす斜視図である。第2の実施形態のガスセンサは、第1接続端子70に代えて第1接続端子170を備える以外は、第1の実施形態のガスセンサと同様の構成を有するため、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
【0064】
第1接続端子170には、延出部79に代えて、2つの延出片176を備える延出部179が設けられている。また、第1接続端子170には先端接続部78は設けられておらず、各々の延出片176には、折り曲げ部178が形成されている。
【0065】
折り曲げ部178は、各々の延出片176において、延出方向(軸線O方向)に平行な折り線にて、屈曲部77との境界近傍から先端まで、延出片176の一部を折り曲げることにより形成されている。折り曲げの方向は、折り曲げにより形成される折り曲げ部178が、軸線Oに近づく方向となっている。延出片176の板厚方向に対する折り曲げの角度は、特に限定されない。例えば、略直角として、延出片176の横断面をL字形状としてもよく、鈍角あるいは鋭角として、延出片176の横断面をくの字形状としてもよい。また、折り線部分を曲面にして、延出片176の横断面を例えば半円の周形状としてもよい。また、折り曲げの方向は
図7とは逆向きであってもよいが、
図7の方向に折り曲げる方が、折り曲げ部178が内側電極10aに接触し難くなるため望ましい。このような折り曲げ部178は、例えば、延出片176を曲げ加工することにより形成できる。なお、延出片176においては、板厚方向とは、折り曲げ部178以外の、筒孔10dの内壁面に面している部分の板厚を指す。
【0066】
第2の実施形態によれば、延出片176に折り曲げ部178を設けているため、各々の延出片176および延出部179全体の剛性を高めることができる。そのため、ガスセンサ100の組み立て時に、細長い薄板形状である延出片176の変形を抑制することができる。延出部179の変形を抑制することで、製造途中の第1接続端子170の取り扱いを容易にし、製造中に延出部179が望ましくない変形を起こして不良品となるなどの不具合を抑制できる。また、延出部179の変形を抑制することで、延出部179が内側電極10aに接触することを抑制できる。そのため、ガスセンサ100の組み立て時における内側電極10aの損傷を抑えることができる。
【0067】
C.第3の実施形態:
図8は、第3の実施形態のガスセンサが備える第1接続端子270の外観の概略を表わす斜視図である。第3の実施形態のガスセンサは、第1接続端子70に代えて第1接続端子270を備える以外は、第1の実施形態のガスセンサと同様の構成を有するため、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
【0068】
第1接続端子270には、延出部79に代えて、2つの延出片276を備える延出部279が設けられている。また、第1接続端子270には先端接続部78は設けられておらず、各々の延出片276には、凸条部278が形成されている。凸条部278は、各々の延出片276において、延出方向(軸線O方向)に平行な方向に延出すると共に、軸線Oに近づく側に凸(裏面側に凹)となるように設けられた線状の凸部である。このような凸条部278は、例えば、延出片276をプレス加工することにより形成できる。
【0069】
第3の実施形態によれば、延出片276に凸条部278を設けているため、各々の延出片276および延出部279全体の剛性を高めることができる。そのため、ガスセンサ100の組み立て時に、細長い薄板形状である延出片276の変形を抑制することができる。延出部279の変形を抑制することで、製造途中の第1接続端子270の取り扱いを容易にし、製造中に延出部279が望ましくない変形を起こして不良品となるなどの不具合を抑制できる。また、延出部279の変形を抑制することで、延出部279が内側電極10aに接触することを抑制できる。そのため、ガスセンサ100の組み立て時における内側電極10aの損傷を抑えることができる。
【0070】
第3の実施形態では、凸条部278は、軸線Oに近づく側に凸となるように形成したが、軸線Oから離間する側に凸となるように形成しても良い。いずれの場合であっても、延出部279の剛性を高める効果が得られる。ただし、軸線Oに近づく側に凸にする方が、凸条部278が内側電極10aに接触し難くなるため望ましい。
【0071】
また、
図8では、各延出片276において、凸条部278を、屈曲部77との境界近傍から延出片276の先端近傍まで延出するように形成したが、異なる構成としてもよい。例えば、凸条部278は、屈曲部77に跨って、延出片276から筒状部73まで延出するように設けてもよい。このような構成とすれば、延出片276と筒状部73との接続部を含む領域の強度を高め、延出片276の変形を抑制する効果を高めることができる。
【0072】
D.第4の実施形態:
図9は、第4の実施形態のガスセンサが備える第1接続端子370の外観の概略を表わす斜視図である。第4の実施形態のガスセンサは、第1接続端子70に代えて第1接続端子370を備える以外は、第1の実施形態のガスセンサと同様の構成を有するため、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
【0073】
第1接続端子370には、延出部79に代えて、2つの延出片376を備える延出部379が設けられている。また、第1接続端子370には先端接続部78は設けられておらず、各々の延出片376には補強部378が形成されている。補強部378は、各々の延出片376の一方の面上に固着された、延出片376よりも幅が狭く軸線O方向に平行に延出する形状の部材である。補強部378の構成材料および補強部378の固着方法は特に制限が無く、ガスセンサ100の使用環境に耐えればよい。例えば、金属部材を延出片376上に溶接することにより、補強部378を形成することができる。
【0074】
第4の実施形態によれば、延出片376に補強部378を設けているため、各々の延出片376および延出部379全体の剛性を高めることができる。そのため、ガスセンサ100の組み立て時に、細長い薄板形状である延出片376の変形を抑制することができる。延出部379の変形を抑制することで、製造途中の第1接続端子370の取り扱いを容易にし、製造中に延出部379が望ましくない変形を起こして不良品となるなどの不具合を抑制できる。また、延出部379の変形を抑制することで、延出部379が内側電極10aに接触することを抑制できる。そのため、ガスセンサ100の組み立て時における内側電極10aの損傷を抑えることができる。
【0075】
第4の実施形態では、補強部378は、延出片376において、内側電極10aに対向する面上に形成したが、内側電極10aに対向する面の裏側の面に形成しても良い。補強部378が内側電極10aに接触し難くなる観点からは、上記裏側の面に形成することが好ましい。ただし延出部379の剛性を高めるためには、補強部378は、延出片376の少なくとも一方の面上に固着されていればよい。
【0076】
また、第4の実施形態では、
図9に示すように、補強部378を、屈曲部77に跨って、延出片376から筒状部73まで延出するように設けているため、延出片376と筒状部73との接続部の強度を高め、延出片376の変形を抑制する効果を高めることができる。ただし、補強部378は、延出片376のみに設け、筒状部73側には設けないこととしてもよい。
【0077】
E.第5の実施形態:
図10は、第5の実施形態のガスセンサが備える第1接続端子470の外観の概略を表わす斜視図である。第5の実施形態のガスセンサは、第1接続端子70に代えて第1接続端子470を備える以外は、第1の実施形態のガスセンサと同様の構成を有するため、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
【0078】
第1接続端子470には、延出部79に代えて、2つの延出片476を備える延出部479が設けられている。また、第1接続端子470には先端接続部78は設けられておらず、2つの延出片476の先端が固定されて先端固定部478が形成されている。延出片476の先端の固定方法は特に制限が無く、ガスセンサ100の使用環境に耐えればよい。例えば、2つの延出片476の先端部同士を溶接することにより、先端固定部478を形成することができる。
【0079】
第5の実施形態によれば、第1接続端子470に先端固定部478を設けているため、延出部479の剛性を高めることができる。そのため、ガスセンサ100の組み立て時に、細長い薄板形状である延出片476の変形を抑制することができる。延出部479の変形を抑制することで、製造途中の第1接続端子470の取り扱いを容易にし、製造中に延出部479が望ましくない変形を起こして不良品となるなどの不具合を抑制できる。また、延出部479の変形を抑制することで、延出部479が内側電極10aに接触することを抑制できる。そのため、ガスセンサ100の組み立て時における内側電極10aの損傷を抑えることができる。
【0080】
第5の実施形態では、第1〜第4の実施形態と同様の屈曲部77を設けたが、異なる構成としてもよい。例えば、延出片476における筒状部73との境界近傍のみに、屈曲部77となる特別な段差を設けるのではなく、延出片476において、筒状部73との境界から先端固定部478までの領域全体を、屈曲部としてもよい。
【0081】
なお、第2〜第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、延出部を設けることによりガスセンサ100の組み立てを容易化できる効果や、屈曲部を設けることにより内側電極10aと延出部との間の距離を確保できる効果を得ることができる。また、
図4に示すような板状部材(ただし、先端接続部78に対応する部分は有しない部材)を用いて第1接続端子を製造するならば、製造工程を簡素化する同様の効果が得られる。
【0082】
第1の実施形態では、先端接続部78は、2つの延出片76の先端近傍に設けた。第2の実施形態では、折り曲げ部178は、各々の延出片176において、屈曲部77との境界近傍から延出片176の先端まで設けた。第3の実施形態では、凸条部278は、各々の延出片276において、屈曲部77との境界近傍から延出片276の先端近傍まで設けた。第4の実施形態では、補強部378は、筒状部73から各々の延出片376の先端近傍まで屈曲部を跨いで設けた。第5の実施形態では、先端固定部478は、延出部479の先端を含む領域に設けた。これらの剛性付与部は、
図7および
図10に示すように、延出片の先端を含むように設けることで、延出片の先端までの剛性(強度)を高めて変形を抑制することができる。ただし、これらの剛性付与部が設けられる位置は、
図3、
図8、および
図9に示すように、延出片の先端から若干離間していても、延出部全体の剛性を高める効果を得ることができる。ただし、延出片の先端から離間して剛性付与部を設ける場合には、延出片における剛性付与部よりも先端側の部分が変形したとしても、変形した延出片の先端が筒孔10d内で内側電極10aに接触しない位置に、剛性付与部を設けることが望ましい。本願において、剛性付与部が延出片の先端まで設けられているとは、上記のように内側電極10aへの延出片の接触を抑制できる範囲で、延出片の先端から離間している場合を含むものとする。
【0083】
F.変形例:
F1.変形例1:
第1〜第5の実施形態では、延出部は2つの延出片を備えることとしたが、1つまたは3つ以上の複数の延出片を備えることとしてもよい。延出片が1つの場合には、延出片同士の固定を伴わない構成を適用すればよい。また、延出部は、1つまたは複数の延出片を備える構成とは異なる構成を採用してもよい。例えば、延出部を、板状以外の形状により形成しても良い。延出部が、筒状部の先端の一部から外筒の先端よりもさらに先端側の位置に到るまで延出し、また、筒状部との接続部近傍の後端部においてセンサ素子の軸線に近づくように屈曲する屈曲部を有するならば、内側電極の損傷を抑えつつ組み立て動作を容易化する同様の効果が得られる。
【0084】
F2.変形例2:
また、第1接続端子に設ける剛性付与部を、第1〜第5の実施形態で説明した構成を複数組み合わせて構成してもよい。例えば、延出部の先端近傍に、延出片同士を接続する先端接続部(
図3参照)を設けると共に、各々の延出片には凸条部278(
図8参照)を設けることとしてもよい。あるいは、各々の延出片の屈曲部を跨いで、少なくとも各々の延出片の後端側の領域から筒状部まで延出するように補強部(
図9参照)を設けると共に、延出部の先端近傍には延出片同士を接続する先端接続部(
図3参照)を設けてもよい。複数の構成を組み合わせることで、延出部に剛性を付与する効果を高め、あるいは、延出部の変形を抑制する効果を調節することができる。
【0085】
F3.変形例3:
また、第1〜第5の実施形態では、接続端子は剛性付与部を備えることとしたが、剛性付与部を有しないこととしてもよい。内側電極と接続する接続端子が、屈曲部を有する延出部を備えるならば、内側電極の損傷を抑えつつ組み立て動作を容易化する同様の効果が得られる。
【0086】
F4.変形例4:
第1〜第5の実施形態では、ガスセンサは酸素濃度センサとしたが、異なる構成としても良い。イオン伝導性を有する固体電解質の両面に積層された一対の電極を有し、各電極上の特定ガス成分の濃度差(分圧差)により起電力を生じる濃淡電池を備えるセンサであれば、本願発明を適用することにより、同様の効果が得られる。
【0087】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。