特許第5919244号(P5919244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5919244
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】レール転倒防止装置
(51)【国際特許分類】
   E01B 29/16 20060101AFI20160428BHJP
   E01B 13/00 20060101ALI20160428BHJP
   E01B 9/60 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   E01B29/16
   E01B13/00
   E01B9/60
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-222064(P2013-222064)
(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公開番号】特開2015-83738(P2015-83738A)
(43)【公開日】2015年4月30日
【審査請求日】2015年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】391030125
【氏名又は名称】保線機器整備株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074192
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】細川 誠二
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−302604(JP,A)
【文献】 特開平11−269803(JP,A)
【文献】 特開2009−264008(JP,A)
【文献】 特開2010−203212(JP,A)
【文献】 実開平06−067502(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0000999(US,A1)
【文献】 米国特許第04770342(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールの転倒を防止するレール転倒防止装置であって、
板バネとボルト等を使用してレールを締結する板バネ式締結装置に固定可能な板バネ式用ベース部と、
パンドロールクリップを使用してレールを締結するパンドロール式締結装置に固定可能なパンドロール式用ベース部と、
パンドロール式用ベース部に取り付けられ、レールの腹部を横方向から押圧するレール押圧部と、
板バネ式用ベース部とパンドロール式用ベース部とを連結するための連結部材とを有し、
パンドロール型締結装置のレール転倒防止装置として使用する場合は、レール押圧部が取り付けられたパンドロール式用ベース部をパンドロール型締結装置に固定して使用する一方、
板バネ式締結装置のレール転倒防止装置として使用する場合は、板バネ式締結装置に板バネ式用ベース部を固定すると共に、その板バネ式用ベース部にレール押圧部が取り付けられたパンドロール式用ベース部を連結部材により連結して使用することを特徴とするレール転倒防止装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレール転倒防止装置において、
前記連結部材は、連結棒または連結ボルト等の棒状部材であり、
板バネ式用ベース部には、パンドロール式用ベース部と連結するための連結部材を通すための板バネベース部側連結孔が形成されている一方、
パンドロール式用ベース部は、板バネ式用ベース部の周囲を取り囲むようにコ字形状であって、その両側面には板バネ式用ベース部の板バネベース部側連結孔と同じ高さに前記連結部材を通すためのパンドベース部側連結孔が設けられており、
板バネ式締結装置のレール転倒防止装置として使用する場合は、板バネ式締結装置に板バネ式用ベース部を固定すると共に、その板バネ式用ベース部の上からパンドロール式用ベース部を被せ、板バネ式用ベース部の板バネベース部側連結孔とパンドロール式用ベース部のパンドベース部側連結孔の位置を合わせた後、それらの連結孔に棒状部材の連結部材を通すことにより板バネ式用ベース部とパンドロール式用ベース部とを連結して使用することを特徴とするレール転倒防止装置。
【請求項3】
請求項2に記載のレール転倒防止装置において、
パンドロール式用ベース部の両側面には、パンドベース部側連結孔の上方に、そのパンドベース部側連結孔と同径で、かつ、パンドロール型締結装置のパンドロールクリップが挿入されるクリップ挿入孔の上部側の高さに、前記連結部材を貫通させることによりパンドロール式用ベース部をパンドロール型締結装置に固定するためのパンドベース部用固定孔が設けられていることを特徴とするレール転倒防止装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載のレール転倒防止装置において、
板バネ式締結装置は、直結8形締結装置であることを特徴とするレール転倒防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールの締結を外したり、レール緊張器などでレールを引っ張る際等に、レールが小返り(レールがこじれて倒れる)する等のレールの転倒を防止するレール転倒防止装置に関し、特に、直結8形締結装置等の板バネ式締結装置およびパンドロール型締結装置の双方に兼用可能なレール転倒防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レールの設定替え作業時等にレールが小返りする等のレールの転倒を防止するレール転倒防止装置として、本件出願人は、各種のレール転倒防止装置を出願して特許にしている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5225897号公報
【特許文献2】特許第4932780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、レール締結装置には、板バネとボルト等を使用してレールを締結する板バネ式締結装置に固定する直結8形(型)締結装置や3号5形締結装置、6号9形締結装置等の板バネ式締結装置と、パンドロールクリップと呼ばれる線バネと埋め込み式のタイショルダーやタイプレート等を使用してレールを締結するパンドロール型締結装置があり、上述の特許文献1,2に記載のレール転倒防止装置は、それらのレール締結装置の型式に合わせて製作されているため、レール締結装置の型式が変更されると、別のレール転倒防止装置を用意しなければならず、コストがかかると共に、保管スペース等が余分に必要であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、直結8形締結装置等の板バネ式締結装置およびパンドロール型締結装置の双方に兼用可能なレール転倒防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明のレール転倒防止装置は、レールの転倒を防止するレール転倒防止装置であって、板バネとボルト等を使用してレールを締結する板バネ式締結装置に固定可能な板バネ式用ベース部と、パンドロールクリップを使用してレールを締結するパンドロール式締結装置に固定可能なパンドロール式用ベース部と、パンドロール式用ベース部に取り付けられ、レールの腹部を横方向から押圧するレール押圧部と、板バネ式用ベース部とパンドロール式用ベース部とを連結するための連結部材とを有し、パンドロール型締結装置のレール転倒防止装置として使用する場合は、レール押圧部が取り付けられたパンドロール式用ベース部をパンドロール型締結装置に固定して使用する一方、板バネ式締結装置のレール転倒防止装置として使用する場合は、板バネ式締結装置に板バネ式用ベース部を固定すると共に、その板バネ式用ベース部にレール押圧部が取り付けられたパンドロール式用ベース部を連結部材により連結して使用することを特徴とする。
ここで、前記連結部材は、連結棒または連結ボルト等の棒状部材であり、板バネ式用ベース部には、パンドロール式用ベース部と連結するための連結部材を通すための板バネベース部側連結孔が形成されている一方、パンドロール式用ベース部は、板バネ式用ベース部の周囲を取り囲むようにコ字形状であって、その両側面には板バネ式用ベース部の板バネベース部側連結孔と同じ高さに前記連結部材を通すためのパンドベース部側連結孔が設けられており、板バネ式締結装置のレール転倒防止装置として使用する場合は、板バネ式締結装置に板バネ式用ベース部を固定すると共に、その板バネ式用ベース部の上からパンドロール式用ベース部を被せ、板バネ式用ベース部の板バネベース部側連結孔とパンドロール式用ベース部のパンドベース部側連結孔の位置を合わせた後、それらの連結孔に棒状部材の連結部材を通すことにより板バネ式用ベース部とパンドロール式用ベース部とを連結して使用するようにすると良い。
また、パンドロール式用ベース部の両側面には、パンドベース部側連結孔の上方に、そのパンドベース部側連結孔と同径で、かつ、パンドロール型締結装置のパンドロールクリップが挿入されるクリップ挿入孔の上部側の高さに、前記連結部材を貫通させることによりパンドロール式用ベース部をパンドロール型締結装置に固定するためのパンドベース部用固定孔が設けられているとさらに良い。
また、板バネ式締結装置は、例えば、直結8形締結装置とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のレール転倒防止装置では、板バネ式用ベース部と、パンドロール式用ベース部と、レール押圧部と、連結部材とを有し、パンドロール型締結装置のレール転倒防止装置として使用する場合は、レール押圧部が取り付けられたパンドロール式用ベース部をパンドロール型締結装置に固定して使用する一方、板バネ式締結装置のレール転倒防止装置として使用する場合は、板バネ式締結装置に板バネ式用ベース部を固定すると共に、その板バネ式用ベース部にレール押圧部が取り付けられたパンドロール式用ベース部を連結部材により連結して使用するため、板バネ式締結装置およびパンドロール型締結装置の双方に兼用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置を構成するレール押圧部が取り付けられたパンドロール式用ベース部の平面図である。
図2】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置を構成するレール押圧部が取り付けられたパンドロール式用ベース部の正面図である。
図3】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置を構成するレール押圧部が取り付けられたパンドロール式用ベース部の左側面図である。
図4】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置を構成する板バネ式用ベース部の平面図である。
図5】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置を構成する板バネ式用ベース部の正面図である。
図6】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置を構成する板バネ式用ベース部の右側面図である。
図7図4におけるA−A線断面図である。
図8】(a),(b)それぞれ直結8形用固定ボルトの正面図、平面図である。
図9】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置をパンドロール型締結装置に取り付けた状態を示す正面図である。
図10】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置をパンドロール型締結装置に取り付けた状態を示す右側面図である。
図11】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置を直結8形締結装置に取り付けた状態を示す正面図である。
図12】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置をパンドロール型締結装置に取り付けた状態を示す平面図である。
図13】本発明に係る実施の形態のレール転倒防止装置をパンドロール型締結装置に取り付けた状態を示す左側面図である。
図14図13におけるB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るレール転倒防止装置の実施の形態について、図1図14を参照しながら説明する。
【0010】
実施形態のレール転倒防止装置1は、レールの設定替え作業時、例えば、レールの締結を取り外す時や、レール緊張器などでレールを引っ張る際等に、レールが小返り(レールがこじれて倒れる)する等のレールの転倒を防止するもので、板バネ式締結装置およびパンドロール型締結装置の双方に使用(兼用)可能なもので、図1図4に示すように、パンドロール式用ベース部11と、レール押圧部12と、板バネ式用ベース部13と、連結棒または連結ボルト等の棒状の連結部材14とを有している。なお、この実施形態では、板バネ式締結装置として、直結8形締結装置3を一例に説明する。
【0011】
パンドロール式用ベース部11には、後述するパンドロール型締結装置2に取り付けることができると共に、板バネ式用ベース部13を介して直結8形締結装置3にも取付け可能なもので、図1図3に示すようにその上部には後述するようにレールRの腹部を横方向からローラー12aによって押圧するレール押圧部12が、パンドロール式用ベース部11側の取付け板11cとレール押圧部12側の取付け板12bを介して固定ボルト12c,12c等によって固定されている。なお、レール押圧部12は周知のもので、その具体的な構成は上述の特許文献1や特許文献2等に開示されたものと同じであって、特別な特徴を有するものではないため、その説明は省略する。
【0012】
パンドロール式用ベース部11は、図1図3に示すように板バネ式用ベース部13の周囲を取り囲むように天板11aと両側面11b,11bからなるコ字形状であって、その両側面11b,11bにはそれぞれ後述する板バネ式用ベース部13の板バネベース部側連結孔13b1と同じ高さに棒状の連結部材14を通すため、連結部材14の外径より若干大きい内径のパンドベース部側連結孔11b1,11b1が設けられている。
【0013】
また、パンドロール式用ベース部11の両側面11b,11bのパンドベース部側連結孔11b1,11b1の上方には、そのパンドベース部側連結孔11b1,11b1と同径で、かつ、パンドロール型締結装置2のパンドロールクリップが挿入されるクリップ挿入孔21aの上部側の高さに、連結部材14を貫通させることによりパンドロール式用ベース部11をパンドロール型締結装置2に固定するためのパンドベース部用固定孔11b2,11b2が設けられている。
【0014】
一方、板バネ式用ベース部13は、板バネ式締結装置である後述する直結8形締結装置3に直8用固定ボルト131によって固定されるもので、図4図8に示すように、天板13aと両側面13b,13bと、天板13aの先端側に設けられ中心孔13c1が形成され、その中心孔13c1に直8用固定ボルト131を貫通させる直8用固定ネジ支持筒部13cとを有している。従って、天板13a先端側の直8用固定ネジ支持筒部13cの固定箇所には、直8用固定ボルト131が上下方向に進退可能なように直8用固定ネジ支持筒部13cの内径とほぼ同じ内径の挿通孔13aが設けられている。
【0015】
板バネ式用ベース部13の両側面13b1,13b1には、それぞれ、パンドロール式用ベース部11と連結するための連結部材14を通すための板バネベース部側連結孔13b1,13b1が形成されている。ここで、本実施形態では、板バネ式用ベース部13の両側面13b1,13b1の板バネベース部側連結孔13b1,13b1の内径は、パンドロール式用ベース部11の両側面11b,11bのパンドベース部側連結孔11b1,11b1の内径よりも僅か小さくしている。これにより、板バネベース部側連結孔13b1,13b1とパンドベース部側連結孔11b1,11b1の位置が多少ずれていても、外側のパンドベース部側連結孔11b1,11b1の方が内径が大きいので、連結部材14を簡単に挿入でき、作業性が向上する。ただし、板バネ式用ベース部13とパンドロール式用ベース部11とを連結できれば良いので、板バネベース部側連結孔13b1,13b1とパンドベース部側連結孔11b1,11b1の内径を同じにしても勿論良いし、その逆に板バネベース部側連結孔13b1,13b1の内径をパンドベース部側連結孔11b1,11b1の内径よりも大きくしても良い。
【0016】
なお、直8用固定ボルト131は、図8(a),(b)に示すように、上端部から中央の途中までは後述する直8用固定ナット132(図13図14等参照。)が螺合するネジ溝が形成されていると共に、下端部には直結8形締結装置3の直結8形結溝31に係止する係止部131aが設けられている。
【0017】
次に、以上のように構成された本実施形態のレール転倒防止装置1のパンドロール型締結装置2と直結8形締結装置3への取付けについて具体的に説明する。
【0018】
<パンドロール型締結装置2への取付け>
パンドロール型締結装置2のレール転倒防止装置として使用する場合は、レール押圧部12が取り付けられたパンドロール式用ベース部11を、図9および図10に示すようにパンドロール型締結装置2の埋込式横孔金具21の上に被せ、埋込式横孔金具21のクリップ挿入孔21aと、パンドロール式用ベース部11の両側面11b,11bのパンドベース部用固定孔11b2,11b2とを合わせて連結部材14を通す。
【0019】
その際、クリップ挿入孔21aの内径はパンドロールクリップが通るようにパンドベース部用固定孔11b2,11b2の内径より大きいが、パンドベース部用固定孔11b2,11b2は、パンドベース部側連結孔11b1,11b1と同径で、かつ、パンドロール型締結装置2のパンドロールクリップが挿入されるクリップ挿入孔21aの上部側の高さと同じである。
【0020】
そのため、パンドロール式用ベース部11のパンドベース部用固定孔11b2,11b2とパンドロール型締結装置2の埋込式横孔金具21のクリップ挿入孔21aに貫通させた連結部材14は、クリップ挿入孔21aの内周面とパンドベース部用固定孔11b2,11b2の内周面の上部に当接することになり、クリップ挿入孔21aの内径がパンドロールクリップが通るようにパンドベース部用固定孔11b2,11b2の内径より大きくても、確実にレール押圧部12が取り付けられたパンドロール式用ベース部11をガタ付きがないようにパンドロール型締結装置2に固定できる。
【0021】
よって、本実施形態のレール転倒防止装置1をパンドロール型締結装置2のレール転倒防止装置として使用する場合は、板バネ式用ベース部13を使用せずに、パンドロール式用ベース部11と、レール押圧部12と、連結部材14を使用することになる。
【0022】
<直結8形締結装置3への取付け>
一方、直結8形締結装置3に取り付ける場合は、まずは、図11図14に示すように直結8形締結装置3に板バネ式用ベース部13を設置して、直結8形用固定ボルト131と直結8形用固定ナット132により直結8形用固定ボルト131下端の係止部131aを直結8形締結装置3の係止溝31に係止させて、パンドロール式用ベース部11を直結8形締結装置3に固定する。
【0023】
次に、直結8形締結装置3に固定された板バネ式用ベース部13に、その上方からレール押圧部12が取り付けられたパンドロール式用ベース部11を被せ、板バネ式用ベース部13の板バネベース部側連結孔13b1と、パンドロール式用ベース部11のパンドベース部側連結孔11b1,11b1の位置を合わせた後、それらの連結孔に棒状部材の連結部材14を貫通させることにより板バネ式用ベース部13とパンドロール式用ベース部11とを連結する。
【0024】
よって、本実施形態のレール転倒防止装置1を直結8形締結装置3のレール転倒防止装置として使用する場合は、パンドロール式用ベース部11と、レール押圧部12と、板バネ式用ベース部13と、連結部材14の全てを使用することになる。
【0025】
従って、本実施形態のレール転倒防止装置1は、板バネ式用ベース部13と、パンドロール式用ベース部11と、レール押圧部12と、連結部材14とを有し、パンドロール型締結装置2のレール転倒防止装置として使用する場合は、レール押圧部12が取り付けられたパンドロール式用ベース部11をパンドロール型締結装置2に固定して使用する一方、板バネ式締結装置のレール転倒防止装置として使用する場合は、板バネ式締結装置に板バネ式用ベース部13を固定すると共に、板バネ式用ベース部13とパンドロール式用ベース部11とを連結部材14により連結して使用するため、直結8形締結装置3およびパンドロール型締結装置2の双方に使用することができる。その結果、このレール転倒防止装置1を兼用することが可能となるので、コストの上昇を抑制できると共に、作業性が向上する。
【0026】
特に、本実施形態のレール転倒防止装置1では、連結部材14は、連結棒または連結ボルト等の棒状部材であり、板バネ式用ベース部13には、連結部材14を通すための板バネベース部側連結孔13b1,13b1が形成されている一方、パンドロール式用ベース部11は、板バネ式用ベース部13の周囲を取り囲むようにコ字形状であって、その両側面11b,11bには板バネ式用ベース部13の板バネベース部側連結孔13b1と同じ高さに連結部材14を通すためのパンドベース部側連結孔11b1,11b1が設けられており、直結8形締結装置3のレール転倒防止装置として使用する場合も、パンドロール型締結装置2として使用する場合も、共通の連結部材14で連結する。そのため、この点でも、部品点数が増大せず、コストの上昇を抑制できると共に、作業性が向上する。
【0027】
また、本実施形態のレール転倒防止装置1では、パンドロール式用ベース部11の両側面11b,11bには、パンドベース部側連結孔11b1,11b1の上方に、そのパンドベース部側連結孔11b1,11b1と同径で、かつ、パンドロール型締結装置2のパンドロールクリップが挿入されるクリップ挿入孔21aの上部側の高さに、連結部材14を貫通させることによりパンドロール式用ベース部11をパンドロール型締結装置2の埋込式横孔金具21に固定するためのパンドベース部用固定孔21aが設けられている。そのため、パンドロール式用ベース部11のパンドベース部用固定孔11b2,11b2とパンドロール型締結装置2の埋込式横孔金具のクリップ挿入孔21aに貫通させた連結部材14はクリップ挿入孔21aの内周面とパンドベース部用固定孔11b2,11b2の内周面に当接することになり、クリップ挿入孔21aの内径はパンドロールクリップが通るようにパンドベース部用固定孔11b2,11b2の内径より大きくても、確実にレール押圧部12が取り付けられたパンドロール式用ベース部11をガタ付きがないように確実にパンドロール型締結装置2に固定できる。
【0028】
なお、上記実施形態の説明では、板バネ式締結装置として、直結8形(型)締結装置3を一例に説明したが、本発明では、これに限定されず、3号5形(型)締結装置や、6号9形締結装置、102形締結装置等、各種の板バネ式締結装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0029】
1 レール転倒防止装置
11 パンドロール式用ベース部
11a 天板
11b,11b 側面
11b1,11b1 パンドベース部側連結孔
11b2,11b2 パンドベース部用固定孔
12 レール押圧部
13 板バネ式用ベース部
13a 天板
13b,13b 側面
13c 直8用固定ネジ支持筒部
13b1,13b1 板バネベース部側連結孔
14 連結部材
2 パンドロール型締結装置
3 直結8形締結装置(板バネ式締結装置)
R レール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14