(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5919273
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】低塗布温度の非晶質ポリ−α−オレフィン接着剤
(51)【国際特許分類】
C09J 123/20 20060101AFI20160428BHJP
C09J 123/14 20060101ALI20160428BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20160428BHJP
C09J 11/08 20060101ALI20160428BHJP
C09J 7/04 20060101ALI20160428BHJP
D06M 17/04 20060101ALI20160428BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20160428BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20160428BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
C09J123/20
C09J123/14
C09J11/06
C09J11/08
C09J7/04
D06M17/04
B05D7/24 301P
B05D7/00 B
A41B13/02 Z
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-526124(P2013-526124)
(86)(22)【出願日】2011年8月24日
(65)【公表番号】特表2013-540843(P2013-540843A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】US2011048933
(87)【国際公開番号】WO2012027450
(87)【国際公開日】20120301
【審査請求日】2014年8月15日
(31)【優先権主張番号】61/377,433
(32)【優先日】2010年8月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100103115
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 康廣
(72)【発明者】
【氏名】フー・ユーフン
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ダブリュー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ダルシャク・デサイ
(72)【発明者】
【氏名】サルバドール・アルバラード
【審査官】
松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−001288(JP,A)
【文献】
特表2006−515893(JP,A)
【文献】
特開2000−226561(JP,A)
【文献】
特開平04−236288(JP,A)
【文献】
特開平02−298570(JP,A)
【文献】
特表2002−535453(JP,A)
【文献】
特表2003−533551(JP,A)
【文献】
特表2005−505679(JP,A)
【文献】
特表2006−503966(JP,A)
【文献】
特表2001−523285(JP,A)
【文献】
特開2009−242533(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0095383(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟化点が70〜105℃で粘度が190℃で1,900cP未満である非晶質ポリブテ
ンコポリマーを、接着剤基準で少なくとも45重量%の量で含むホットメルト接着剤であ
って、上記非晶質ポリブテンコポリマーのtanδ値が140℃で30より大きく、該ホ
ットメルト接着剤の粘度が150℃で6,000cP未満であるホットメルト接着剤。
【請求項2】
上記非晶質ポリブテンコポリマーがさらにプロピレンコモノマーを含む請求項1のホッ
トメルト接着剤。
【請求項3】
粘着性付与剤をさらに含み、該粘着性付与剤の軟化点が100℃以上である、請求項1
のホットメルト接着剤。
【請求項4】
さらに融点が60℃より高い結晶性ワックスを含む、請求項1のホットメルト接着剤。
【請求項5】
ワックス及び/又は可塑剤を含まない請求項1のホットメルト接着剤。
【請求項6】
60%を越える量の上記非晶質ポリブテンコポリマーを含む請求項1のホットメルト接
着剤。
【請求項7】
23℃で引張速度が12in/分(30.48cm/分)での引張ピーク値が55psi(379211.8Pa)より大きい値を有する請求項1のホットメルト接着剤。
【請求項8】
個人ケア製品、健康製品、医療製品、家庭製品または工業製品である、請求項1の接着
剤を含む製品。
【請求項9】
150℃以下で請求項1の接着剤を、塗布量が0.1〜20g/m2で溶融吹き付け、
渦巻きパターニング、ランダム吹き付け及び/又はスロット塗布により第一の基材に塗布
し、該接着剤上に第二の基材を適用して結合させる方法であって、基材の少なくとも一つ
が不織フィルムである該方法。
【請求項10】
粘着性付与剤をさらに含み、該粘着性付与剤が、水素化C5樹脂、石油留分由来の炭化
水素、ポリテルペン、ロジン、水素化ロジンエステル、ロジンエステルおよびこれらの混
合物からなる群から選ばれる請求項1のホットメルト接着剤。
【請求項11】
さらに結晶性ワックスを含み、該結晶性ワックスが、フィッシャートロプシュワックス
、官能化ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスおよびこれらの混合
物からなる群から選ばれる請求項1のホットメルト接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願特許No.61/377,433(出願日、2010年8月26日)の利益を請求するものであり、同文書の内容を参照として本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、不織布製品上で使用するための低塗布温度の非晶質ポリ−α−オレフィン接着剤に関する。この接着剤は、不織布製品の製造に、例えば、おむつなどの使い捨て吸収性製品、婦人用衛生製品、成人用失禁製品、アンダーパッド、ベッドパッド、工業用パッドなどの製造に特に有用である。
【背景技術】
【0003】
ホットメルト接着剤は溶融状態で基材に塗布され、冷却されて接着層が硬化する。このような接着剤は、製品の組み立てや包装などのいろいろな商業的工業的用途で広く用いられ、不織布産業では不織布製品の製造に広く用いられている。これらの用途では、接着剤が少なくとも一種の基材を第二の類似の基材または異なる基材に結合させるためにその基材に塗布される。
【0004】
ホットメルト接着剤では、ベースポリマーが粘着力と弾性を与える。高分子量ポリマーまたは高い高分子含量を使用すると通常、粘着力が増加し接着が強くなる。しかし、これと共に溶融粘度が大きく増加する。高粘度のホットメルト接着剤は非常に高い加工温度を必要とすることがあり、この温度ではポリマーが劣化や炭化、ゲル化、また接着力の喪失を起こしやすい。また、高い加工温度はエネルギーコストを増加させ、安全上の問題を引き起こし、ポリマー基材フィルムを変形/変色させる。
【0005】
既存の塗布温度が低いホットメルト接着剤が、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン系やスチレン−イソプレン−スチレン系、メタロセンポリオレフィン系の接着剤が知られているが、非晶質ポリ−α−オレフィン接着剤系の接着剤は、接着剤粘度を低下させるために多量の低分子量希釈剤を添加しない限り低温で処理することはできない。希釈剤、例えば粘着性付与剤やワックスを高レベルで添加すると、接着剤の機械的強度が減少し、より重要なことには体温での流動に対する抵抗が小さくなる。また、接着剤中の低分子量希釈剤が時間と共に接着剤から移動・分離し、接着剤の強度と外観を損ねることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
低温で、即ち約150℃未満の温度で塗布可能なホットメルト接着剤で、接着剤の機械的強度と外観を低下させることなく少量の希釈剤を含んでいるものに対するニーズが存在している。このような性質があると、この接着剤は特に使い捨て吸収性製品の製造での使用に適すこととなる。本発明はこのニーズに答えるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要約
軟化点が約70〜約105℃で粘度が190℃で約1,900cP未満である非晶質ポリ−α−オレフィン接着剤コポリマーが低塗布温度のホットメルト接着剤の製造で使用できることが明らかとなった。このような接着剤は建築用接着剤としての用途があり、また特に衛生ナプキン、失禁パッド、ベッドパッド、婦人用パッド、パンティーシールド、おむつインサート等の使い捨て吸収性製品の製造に好適である。
【0008】
ある実施様態においては、接着剤全体に対して少なくとも45%の環球式軟化点が約70〜約105℃で190℃の粘度が約1,900cP未満である非晶質ポリブテンコポリマーを含む低塗布温度のホットメルト接着剤を提供する。同じ非晶質ポリブテンコポリマーで製造したホットメルト接着剤は、150℃で約6,000cP未満の粘度をもつ。
【0009】
もう一つの実施様態は、tanδ値が140℃で30より大きな非晶質ポリブテンコポリマーでの低塗布温度のホットメルト接着剤に向けられている。
【0010】
他の実施様態においては、この低塗布温度のホットメルト接着剤の非晶質ポリブテンコポリマーが、エチレン、プロピレン、ヘキセン及び/又はオクテンコモノマーと共重合されている。
【0011】
もう一つの実施様態においては、この低塗布温度のホットメルト接着剤が軟化点が80℃以上である粘着性付与剤をさらに含む。
【0012】
さらにもう一つの実施様態は、本発明の低塗布温度の接着剤を用いて製造された製品を提供する。これらの製品には、衛生ナプキン、失禁パッド、ベッドパッド、婦人用パッド、パンティーシールド、おむつインサート、肉用トレーなどの使い捨て吸収性製品が含まれる。
【0013】
もう一つの実施様態は、150℃以下で第一の基材に本発明の低塗布温度の接着剤を塗布し、この接着剤上に第二の基材を乗せて結合を形成させる方法に向けられている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、非晶質ポリ−α−オレフィン接着剤コポリマーを含む接着剤組成物であって、従来のホットメルト接着剤より優れた性質を持ち及び/又は低コストであるものに関する。軟化点が約70〜約105℃で190℃の粘度が約1,900cP未満である非晶質ポリブテンコポリマーが望ましい性質をもち、使い捨て吸収性製品用の低塗布温度ホットメルト接着剤の製造に使用できることが明らかとなった。
【0015】
本明細書において、「ポリ−α−オレフィン」は、非晶質で低結晶性のアタクチックポリ−α−オレフィンコポリマーを意味する。
【0016】
この非晶質ポリブテンコポリマーは、約70〜約105℃の環球式軟化点(ASTM−E28により測定)をもつ。この環球式軟化点は、このコポリマーのブテン含量に関係している。コポリマー中のブテン含量を変えることにより、このコポリマーに所望の軟化点を与えることができる。好ましいポリブテンは、高1−ブテン含量のアタクチックポリ−α−オレフィンである。「高ブテン含量のポリ−α−オレフィン」は、通常、そのポリマーの40重量%を越える、好ましくは約50重量%を越える量が、1−ブテンモノマーであることを示す。ブテンと共重合される他のモノマーは、エチレン、プロピレン、ヘキセン、オクテン、またこれらの混合物である。通常、約40〜約70%の1−ブテンと約30〜約60%のプロピレンと少量の他のモノマーがこの非晶質ポリブテンコポリマー中に存在している。
【0017】
この非晶質ポリブテンコポリマーの、ASTM−D3236試験法によりブルックフィールド粘度計で求めた粘度は、190℃で約1,900cP未満である。この非晶質ポリブテンコポリマーの粘度は、そのコポリマーの分子量に依存する。コポリマーの分子量が増加すると粘度が増加する。
【0018】
この低塗布温度のホットメルト接着剤用のポリマーの選択の上で、コポリマーのtanδ値も重要な因子である。ポリマーのtanδは、損失弾性率(G”)の貯蔵弾性率(G’)に対する比(G’):(G”/G’)である。これは、損失エネルギーの保存エネルギーに対する比に比例する無次元量である。140℃でtanδ値が30より大きいコポリマーは、好ましくは40より大きい、より好ましくは50より大きいコポリマーは、流動可能であり150℃以下で従来のアプリケーターを用いて噴霧可能であるため、低塗布温度のホットメルト接着剤として好ましく使用できることが明らかとなった。tanδ値が140℃で30未満のコポリマーで製造した接着剤は、150℃以下の温度では噴霧不能であり、より高温での噴霧が必要である。
【0019】
このポリマーは、オープンタイムや剪断強さ、引張強度、粘着性、粘度などの重要な接着剤特性を与える。この接着剤はその中に、多数の有用なポリマーのうちの一つを含んでいても複数のポリマーのブレンドを含んでいてもよく、あるいはこの接着剤が、少なくとも一種のポリマーと他成分との混合物からなるホットメルト接着剤を含んでいてもよい。このポリマーを、粘着性付与剤または接着剤特性を変化させるための添加物と組み合わせてもよい。
【0020】
もう一つの実施様態においては、この低塗布温度ホットメルト接着剤が更なる成分を含んでいる。これらの成分には、強度付与のための粘着性付与剤、粘度調整のためのワックスまたは可塑剤/油、及び/又は酸化防止剤や他の安定剤などの他の添加物が含まれる。
【0021】
好適な粘着性付与剤の軟化点は80℃以上である。好適な粘着性付与剤の例が、Paul C.W. (2002) Hot Melt Adhesives, Chaudhury M and Pocius AV (ed) Surfaces, Chemistry and Applications: Adhesion Science and Engineering, Elsevier Science B.V., The Netherlands pp 711−757にあげられているが、この中には、ピペリレンまたはジシクロペンタジエン(DCPD)に由来する、完全飽和または実質的に飽和した(例えば水素化)C5樹脂が含まれる。他の適当な粘着性付与剤には、石油留分由来の炭化水素、ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル、木材由来のポリテルペン、合成化学物質由来のポリテルペン、またこれらのいずれかの組合せが含まれる。市販の適当な粘着性付与剤の一例は、エクソンモービル社のEscorez
登録商標5340粘着性付与剤である。ESCOREZ
登録商標5340の軟化点は140℃であり、粘度は177℃で5000cPsである。もう一つの適当な粘着性付与剤であるESCOREZ
登録商標5320の軟化点は122℃であり、177℃で1,500cPsと比較的低い粘度をもつ。もう一つの適当な粘着性付与剤のESCOREZ
登録商標5415の軟化点は118℃であり、177℃で900cpsと低い粘度をもつ。接着剤組成物中の粘着性付与剤の量は、接着剤の総重量に対して0〜約55重量%である
【0022】
この接着剤組成物はさらに酸化防止安定剤を、接着剤に所望の性質を維持させるのに十分な量で含んでいてもよい。十分な量の酸化防止安定剤は当業界の熟練者には明らかであろう。例えばこの接着剤組成物が、酸化防止安定剤を接着剤組成物の1重量%以下で含んでいてもよい。適当な酸化防止剤の一例が、チバスペシャルティケミカルズからIRGANOX
登録商標1010という商品名で販売されている。
【0023】
また必要ならこの接着剤中にワックスが存在していてもよい。適当なワックスには、パラフィンワックス、微結晶ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、副生成物ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、酸化フィッシャートロプシュワックス、およびヒドロキシステアルアミドワックスや脂肪酸アミドワックスなどの官能化ワックスが含まれる。当分野では、「合成高融点ワックス」という用語は、通常、高密度低分子量ポリエチレンワックス、副生成物ポリエチレンワックスおよびフィッシャートロプシュワックスを含めて使用している。AC−400(ハネウェル社)やMC−400(マーカスオイル社)などの酢酸ビニル変性ワックスや、エポレンC−18(イーストマンケミカル社)やAC−575AとAC−575P(ハネウェル社)などの無水マレイン酸変性ワックス、酸化ワックスなどの変性ワックスを、本発明を実施するのに用いることができる。使用する場合、このワックスは通常、接着剤の総重量に対して最大で約15重量%の量で存在している。
【0024】
更なる添加物には、可塑剤/油、色顔料あるいは染料、香料、充填剤、ポリマー相溶化剤、及び/又は低軟化点の添加物が含まれる。適当な可塑剤/油の例には、ベンゾエート、フタレート、パラフィン油、鉱油、ポリイソブチレン、塩化パラフィン等が含まれる。適当な色顔料と充填剤の例には、TiO
2、カーボンブラックおよび炭酸カルシウムが含まれる。適当なポリマー相溶化剤の例には、ポリプロピレン−b−ポリエチレン、ポリプロピレン−b−ポリブテンジブロックコポリマーが含まれる。
【0025】
ホットメルト処理可能であるとは、接着剤組成物が約38〜235℃での加熱で液化可能であることを意味する。一般的には、塗布の時点で、実質的に液化した接着剤組成物が単一のノズルまたは複数の並んだノズルを通過し、スロットなどのいくつかの他の機械要素を通過する。環球式軟化点が約70〜約105℃で粘度が190℃で約1,900cP未満である非晶質ポリブテンコポリマーで作られたホットメルト接着剤は、150℃以下の温度で処理可能である。この非晶質ポリブテンコポリマーで作られたホットメルト接着剤の粘度は150℃で約6,000cP未満であり、従来のノズルを用いて噴射し、移動するウェブ上に所望パターンで所望量の接着剤を与えることができる。適当なノズルがノードソン社やイリノイ・ツール・ワークス社から市販されている。
【0026】
140℃でのtanδ値が30より大きな非晶質ポリブテン共重合体系接着剤が、150℃以下の温度で好適に噴射可能であることが明らかとなった。好ましくは140℃でのtanδ値が40より大きい非晶質ポリブテン共重合体系接着剤、より好ましくは140℃で50より大きい非晶質ポリブテン共重合体系接着剤が、150℃以下の温度で噴射可能である。
【0027】
この接着剤組成物を、非晶質ポリブテンコポリマーを加熱混合し、必要なら更なる成分と混合して処理する。押出機またはホットメルト加工装置を用いて、これを加熱したり加熱/混合できる。加熱と混合の方法については、いろいろな方法が考えられる:(1)非晶質ポリブテンコポリマーを加熱し、コポリマーの加熱後に任意成分を添加できるし、(2)任意成分を加熱し、任意の成分の加熱後にコポリマーを添加できるし、(3)加熱の前に非晶質ポリブテンコポリマーと任意成分を混合することもできる。得られる接着剤は直接製品の結合に使用することもできるし、あるいはこれを冷却加工して固体状として(例えば、板状や枕状にしたり、金型またはドラム中への流延等)、保存及び/又は出荷することもできる。この固形状のブレンドを加熱して粘着性接着剤組成物を実質的に液化させて、貼り合せ品を作るのに使用する。
【0028】
貼り合せ品を作る方法の一つは、この非晶質ポリブテンコポリマー接着剤を約150℃の温度に加熱し、この接着剤を第一の基材に塗布し、塗布された接着剤組成物の一部または全部が第一の基材と第二の基材の間に位置するようにして第二の基材を貼り合せ、この接着剤を冷却して結合を形成する方法である。
【0029】
代表的な基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまたはセルロースの繊維に基づく不織布フィルム状材料であり、通常その目付が約10〜25gsm(g/m
2)の範囲であるものである。また典型的な基材は、ポリエチレンまたはポリプロピレンフィルムなどの軟質シート状フィルムである。本発明の接着剤は、同じ基材材料の結合に用いても、異なる基材材料の結合に用いてもよい。
【0030】
この貼り合せ品は、低塗布レベルでも少なくとも50グラム/インチの動的剥離強度をもつ。本発明の接着剤は、従来のホットメルト接着剤(例えば、メタロセンポリオレフィン系やゴム系の接着剤)より大きな剥離強度を示す。本発明の接着剤が高い剥離強度をもつため、基材に十分な接着強度を達成するのにより低量の接着剤塗布量が使用でき、例えば20gsm以下の塗布量が使用でき、または10gsm以下、好ましくは5gsm以下、より好ましくは3gsm以下の塗布量が使用できる。また、この非晶質ポリブテンコポリマーで製造した接着剤は、しばしばポリマーより価格の高い粘着性付与剤を多量に必要とする従来の接着剤より安価である。
【0031】
この非晶質ポリ−α−オレフィン共重合体系接着剤は、150℃以下で噴射可能である。本発明の接着剤は低温で低塗布量で塗布可能であるため、ポリマー基材フィルムの変形や変色の可能性が小さくなる。
【0032】
本発明の貼り合せ品が適当な用途には、おむつ、おむつパンツ、赤ちゃん用ぬれペーパータオル、トレーニングパンツ、吸収パンツ、育児用パンツ、水着および他の使い捨て衣料などの吸収性製品や;衛生ナプキン、ワイプ、生理パッド、パンティーライナー、パンティーシールド、タンポンおよびタンポンアプリケーターなどの女性用ケア製品;ワイプ、パッド、容器、失禁製品および尿漏れシールドなどの成人用ケア製品;衣料用構造材;運動及びレクレーション用品;温熱または寒冷療法用の製品、医療用ガウン(即ち、保護ガウン及び/又は手術ガウン)、手術用被布、キャップ、手袋、フェースマスク、包帯、創傷被覆材、ワイプ、カバー、容器、フィルター、使い捨て衣料とベッドパッド、医療用吸収衣料、アンダーパッド;建築用及び包装用補給品、肉用パッドーなどの工業用パッド;洗浄殺菌用製品、ワイプ、カバー、フィルター、タオル、浴用ティッシュ、顔用ティッシュ、不織布ロール製品、枕やパッド、クッションなどの家庭用品、マスク、皮膚の洗浄または処理用製品などのボディケア製品、白衣、カバーオール等が含まれる。
【0033】
当業界の熟練者には明らかなように、本発明の精神と範囲を外れることなく多くの本発明の修正や変更が可能である。本明細書中で説明した具体的な実施様態は、例としてのみ提供されたものであり、本発明は、添付の請求の範囲の条件および請求の範囲の権利が及ぶ均等物の全範囲によって制限されるものである
【実施例】
【0034】
粘度は、190℃または150℃で、サーモセル加熱装置とスピンドル27を備えたブルックフィールド粘度計を用いて測定した。
【0035】
環球式軟化点は、ASTM−E28により報告された値である。
【0036】
貯蔵弾性率と損失弾性率は、温度傾斜法(ARES−LS)でレオメトリックサイエンティフィック社製のARES−Mレオメーターで測定し、またtanδ値はこれから計算した。試料を、2mmの間隙をもつ平行板(幾何径:25mm)内に入れた。振動数10rad/秒で冷却速度が5℃/分で150℃から0℃への動的温度スイープを試験した。貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)は、トルクと歪データから計算した。これらの比率(G”/G’、tanδとも呼ばれる)を計算した。
【0037】
金型中で引張ピーク試験用のダンベル状試料を作製した。この試料を、1”x1”の両端部を1/2”x1/2”のコネクターで繋いだ形全長が21/2”)とした。試料の厚みは1/8”である。次いで試料を23℃で50%の相対湿度で少なくとも72時間調湿した後、23℃で50%の相対湿度でシンテック1/D機械試験機上で試験した。ダンベルの両末端(1”x1”領域)で試料を保持し、12”/分のクロスヘッド速度で試料が裂かれるまであるいは切断するまで引っ張った。この試験を3〜4回繰り返し、その平均引張ピーク値を計算し報告した。
【0038】
剥離強度は23℃/50%相対湿度でシンテック1/D機械試験機で測定した。不織布フィルムとプリアントポリフィルム(プリアント社製)の間にこの接着剤を塗布して被覆積層試料を作り、室温で少なくとも72時間放置した。ピーク剥離強度の測定には、3インチ幅の積層試料を試験した。180°の角度で12インチ/分の速度で各フィルムをT形にそれぞれ剥ぎ取り、得られた剥離強度をg/inで報告した。
【0039】
表1に、いろいろな非晶質ポリブテンコポリマーとこれらの粘度と軟化点とtanδ値を示す。この種のコポリマーは、レックスタック、エボニクまたはイーストマン社から購入可能であり、あるいは先行技術から公知の方法で製造可能である。
【0040】
【表1】
【0041】
本発明に有用なコポリマーの190℃での粘度は1,900cP未満であり、環球式軟化点は70〜105℃の範囲であり、140℃でのtanδ値は30より大きい。コポリマー1と2のみが3つの基準の全てを満たし、比較用コポリマーA〜Gは少なくとも一つの基準で有効範囲を外れる。
【0042】
表2に、コポリマー2といろいろな種類と量の粘着性付与剤とで作った接着剤試料を示す。表2に示す接着剤と樹脂/粘着性付与剤は、均一な溶融体となるまで共に熱溶融した(140℃以上)。得られた試料の接着剤特性を試験した。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
上記接着剤試料は全て、150℃で6,000cP未満の粘度を有していた。上述のように、これらの接着剤配合物は、広い範囲のコポリマーと樹脂量を含むことができ、また主にコポリマーからなっていてもよい。
【0045】
異なるベースポリマーから数種の接着剤試料を製造し、その性能性質を本発明の接着剤と比較した(表3)。ベースポリマーの種類と含量を表3に示す。加熱下(>140℃)で各試料を粘着性付与剤とを混合して均一な溶融体を形成した。接着剤特性を測定した。その結果を表3に示す。次いで各接着剤を不織布とポリフィルム基材の間に特定の塗布量で塗布した。得られた剥離強度を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
表3の比較試料XとYでは、このベースポリマーが組成物全体の20重量%未満である。比較試料Z(コポリマーEを使用して製造)は80重量%の非晶質ブテンコポリマーを用いているが、この塗布温度は、試料4(コポリマー2で製造)の塗布温度より高い。また、試料4の接着剤中でベースコポリマー2を使用した結果、より大きな剥離強度が得られた。