(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヒドロキシ含有カルボン酸化合物が、グリコール酸(nおよびmが両方とも1に等しい)、リンゴ酸(n=2、m=1)、酒石酸(nおよびmが両方とも2に等しい)、クエン酸(n=3、m=1)、またはこれらの混合物から誘導される、前記請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
前記生成物が、(i)ヒドロキシ含有カルボン酸化合物と、硫黄不含のリン酸塩処理剤と、場合によりアルコールとを反応させる工程、および場合により(ii)(i)の生成物をアミンまたはその混合物と反応させる工程によって得られた/得ることが可能である、前記請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
前記(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物をヒドロキシ含有カルボン酸化合物(および場合により前記アルコール)と、該(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物からのリン1モルあたり1〜2.5モルのヒドロキシル基の比で反応させる、前記請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、上で開示したような、潤滑組成物、および内燃機関または動力伝達系装置を潤滑する方法を提供する。
【0035】
用いることができる(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物は、典型的に、五酸化リン、五硫化リン、またはこれらの反応性等価物である。五酸化リンおよび五硫化リン両方の分子が、少なくとも一部分はより複雑な分子、例えばP
4O
10またはP
4S
10、から成ると考えられるとしても、五酸化リンは、通常、その実験式であるP
2O
5と呼ばれ、および五硫化リンは、通常、その実験式であるP
2S
5と呼ばれる。両方のかかる材料は、リンをその+5酸化状態で有する。前記(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物としては、POCl
3、P
2O
5、P
4O
10、ポリリン酸、P
2S
5、もしくはP
4S
10、またはこれらの混合物を挙げることができる。1つの実施形態において、前記(チオ)リン酸化剤、またはその反応性等価物は、硫黄不含のリン酸塩処理剤、典型的には、POCl
3、P
2O
5、P
4O
10またはポリリン酸であり得る。
【0036】
前記ヒドロキシ含有カルボン酸化合物としては、式:
【0037】
【化1】
(これらの式中、
nおよびmは、独立して、1〜5の整数であってよく;
Xは、脂肪族もしくは脂環式の基、または炭素鎖内に酸素原子を含有する脂肪族もしくは脂環式の基、または置換されている前述のタイプの基であってよく、前記基は、6個までの炭素原子を含有し、およびn+m個の利用可能な結合点を有し;
各Yは、独立して、−O−、>NH、もしくは>NR
1であってもよく、または2つのYが一緒に、2つのカルボニル基間で形成されるイミド構造R−N<の窒素原子を表していてもよく;ならびに
少なくとも1つのRまたはR
1基がヒドロカルビル基であることを条件として、各RおよびR
1は、独立して、水素またはヒドロカルビル基であってよく;
さらに、少なくとも1つの−OR
2基が、−C(O)−Y−R基の少なくとも1つに対してαまたはβであるX中の炭素原子上に位置することを条件として、および少なくとも1つのR
2基が水素であってよいという条件付きで、各R
2は、独立して、水素、ヒドロカルビル基またはアシル基であってよい)
によって表されるヒドロキシ含有カルボン酸化合物から誘導される化合物を挙げることができる。
【0038】
前記ヒドロキシ−カルボン酸から誘導される化合物は、グリコール酸(nおよびmが両方とも1に等しい)、リンゴ酸(n=2、m=1)、酒石酸(nおよびmが両方とも2に等しい)、クエン酸(n=3、m=1)、またはこれらの混合物から誘導され得る。1つの実施形態において、前記ヒドロキシ−カルボン酸から誘導される化合物は、酒石酸またはグリコール酸、(典型的には酒石酸)、から誘導され得る。
【0039】
前記ヒドロキシ含有カルボン酸化合物から誘導される化合物は、部分エステル化ポリオール(例えばグリセロール)、またはその混合物から誘導され得る。前記部分エステル化ポリオールは、グリセロールモノオレアートまたはグリセロールジオレアートであり得る。1つの実施形態において、前記エステル化ポリオールは、グリセロールモノオレアートとグリセロールジオレアートの混合物であり得る。
【0040】
前記アルコールには、一価アルコールと多価アルコール両方が含まれる。前記アルコールの炭素原子は、直鎖状であってもよく、分岐していてもよく、またはこれらの混合物であってもよい。分岐しているとき、前記アルコールは、ゲルベアルコールまたはその混合物であり得る。分岐アルコールは、6〜40個、または6〜30個、または8〜20個の炭素原子(典型的には8〜20個の炭素原子)を含有することができる。
【0041】
ゲルベアルコールは、以下のものを含むアルキル基を有することができる:
1)C
15〜16ポリメチレン基を含有するアルキル基、例えば、2−C
1〜15アルキル−ヘキサデシル基(例えば、2−オクチルヘキサデシル)および2−アルキル−オクタデシル基(例えば、2−エチルオクタデシル、2−テトラデシル−オクタデシルおよび2−ヘキサデシルオクタデシル);
2)C
13〜14ポリメチレン基を含有するアルキル基、例えば、1−C
1〜15アルキル−テトラデシル基(例えば、2−ヘキシルテトラデシル、2−デシルテトラデシルおよび2−ウンデシルトリデシル)および2−C
1〜15アルキル−ヘキサデシル基(例えば、2−エチル−ヘキサデシルおよび2−ドデシルヘキサデシル);
3)C
10〜12ポリメチレン基を含有するアルキル基、例えば、2−C
1〜15アルキル−ドデシル基(例えば、2−オクチルドデシル)および2−C
1〜15アルキル−ドデシル基(2−ヘキシルドデシルおよび2−オクチルドデシル)、2−C
1〜15アルキル−テトラデシル基(例えば、2−ヘキシルテトラデシルおよび2−デシルテトラデシル);
4)C
6〜9ポリメチレン基を含有するアルキル基、例えば、2−C
1〜15アルキル−デシル基(例えば、2−オクチルデシル)および2,4−ジ−C
1〜15アルキル−デシル基(例えば、2−エチル−4−ブチル−デシル基);
5)C
1〜5ポリメチレン基を含有するアルキル基、例えば、2−(3−メチルヘキシル)−7−メチル−デシルおよび2−(1,4,4−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−オクチル基;ならびに
6)ならびに2つ以上の分岐アルキル基、例えばプロピレンオリゴマー(六量体〜十一量体)、エチレン/プロピレン(モル比16:1〜1:11)オリゴマー、イソ−ブテンオリゴマー(五量体〜八量体)、C
5〜17α−オレフィンオリゴマー(二量体〜六量体)に対応するオキソアルコールのアルキル残基、の混合物。
【0042】
好適な分岐一価アルコールの例としては、2−エチルヘキサノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラ−デカノール、イソ−トリデカノール、イソ−オクタノール、オレイルアルコール、ゲルベアルコール、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
一価直鎖状アルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、またはこれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態において、前記一価アルコールは、6〜30個、または8〜20個、または8〜15個の炭素原子(典型的には8〜15個の炭素原子)を含有する。
【0044】
前記アルコールとしては、市販の材料、例えば、MonsantoのOxo Alcohol(登録商標)7911、Oxo Alcohol(登録商標)7900およびOxo Alcohol(登録商標)1100;ICIのAlphanol(登録商標)79; Condea(現Sasol)のNafol(登録商標)1620、Alfol(登録商標)610およびAlfol(登録商標)810;Ethyl CorporationのEpal(登録商標)610およびEpal(登録商標)810;Shell AGのLinevol(登録商標)79、Linevol(登録商標)911およびDobanol(登録商標)25 L;Condea Augusta,MilanのLial(登録商標)125;Henkel KGaA(現Cognis)のDehydad(登録商標)およびLorol(登録商標)ならびにUgine KuhlmannのLinopol(登録商標)7−11およびAcropol(登録商標)91を挙げることができる。
【0045】
前記アミンは、直鎖状または分岐第一級、第二級もしくは第三級アミン、またはこれらの混合物であり得る。前記アミンは、モノアミンまたはポリアミン、典型的には直鎖状または分岐第二級または第三級モノアミンであり得る。1つの実施形態において、前記アミンは、分岐第二級もしくは第三級モノアミン、またはこれらの混合物であり得る。
【0046】
前記アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ビス−2−エチルヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、メチルエチルアミン、エチルブチルアミン、N−メチル−1−アミノ−シクロヘキサン、Armeen(登録商標)2Cおよびエチルアミルアミンを挙げることができる。第二級アミンは、環式アミン、例えば、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンであってもよい。
【0047】
第三級アミンの例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−デシルアミン、トリ−ラウリルアミン、トリ−ヘキサデシルアミン、トリ−(2−エチルヘキシル)アミン、およびジメチルオレイルアミン(Armeen(登録商標)DMOD)が挙げられる。
【0048】
1つの実施形態において、前記アミンは、混合物の形態であり得る。アミンの好適な混合物の例としては、(i)第三級アルキル基上に約11〜約14個の炭素原子を有する第一級アミン、(ii)第三級アルキル基上に約14〜約18個の炭素原子を有する第一級アミン、または(iii)第三級アルキル基上に約18〜約22個の炭素原子を有する第一級アミンが挙げられる。第三級アルキル第一級アミンの他の例としては、tert−ブチルアミン、tert−ヘキシルアミン、tert−オクチルアミン(例えば、1,1−ジメチルヘキシルアミン)、tert−デシルアミン(例えば、1,1−ジメチルオクチルアミン)、tert−ドデシルアミン、tert−テトラデシルアミン、tert−ヘキサデシルアミン、tert−オクタデシルアミン、tert−テトラコサニルアミン、およびtert−オクタコサニルアミンが挙げられる。
【0049】
1つの実施形態において、アミンの有用な混合物は、「Primene(登録商標)81R」と「Primene(登録商標)JMT」である。Primene(登録商標)81RおよびPrimene(登録商標)JMT(両方ともRohm & Hass、またはDow Chemicalsによって製造および販売されている)は、それぞれ、C11〜C14第三級アルキル第一級アミンおよびC18〜C22第三級アルキル第一級アミンの混合物である。
【0050】
1つの実施形態では、前記ヒドロキシ含有カルボン酸化合物と、前記(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物と、前記アルコールとを、30℃〜100℃、または40℃〜70℃の範囲の温度で反応させることができる。この反応は、一または二リン酸エステルを形成することができる。
【0051】
工程(ii)におけるアミンの反応を30℃〜120℃、または40℃〜90℃の範囲の温度で行うことができる。
【0052】
前記ヒドロキシ含有カルボン酸化合物の前記アルコールに対する相対モル量は、1:0〜0.2:0.8、または0.9:0.1〜0.4:0.6であり得る。2つ以上のヒドロキシル基を有するヒドロキシ含有カルボン酸化合物のアルコール(典型的には一価アルコール)に対する1:1モル比で、ヒドロキシル基のリン原子に対するモル比は、>1:1になる。
【0053】
前記ヒドロキシ含有カルボン酸化合物(および場合により前記アルコール)と前記(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物との反応を、それによって形成される生成物混合物が(チオ)リン含有酸官能基を含有するような全体量で行う。すなわち、前記(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物は、そのエステル形態に完全に転化されるのではなく、少なくとも一部のP−OHまたはP−SH酸性官能基を保持することとなり、これは、前記ヒドロキシ含有カルボン酸化合物(および場合により前記アルコール)の当量と比較して十分な量の前記(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物を使用することによって果たされる。典型的に、これは、形成される生成物混合物が、有意な量の(チオ)リン含有酸トリエステルを含有しないことを意味する。詳細には、一定の実施形態では、前記(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物(五酸化リンを含むことがある)と、前記ヒドロキシ含有カルボン酸化合物(および場合により前記アルコール)とを、該(チオ)リン酸化剤またはその反応性等価物からのリン1モルあたり1〜2.5モル(または当量)(または1.25〜2モル、または1.5モル)のヒドロキシル基の比で反応させることができる。
【0054】
例証のためにP
2O
5を使用して1つの多少単純化しすぎた図式表現で前記リン酸塩処理剤とアルコール(単数または複数)の反応を次のように表すことができる:
3ROH+P
2O
5 → (RO)
2P(=O)OH+RO−P(=O)(OH)
2
(式中のROHは、(i)ヒドロキシ含有カルボン酸化合物または(ii)ヒドロキシ含有カルボン酸化合物とアルコール(典型的には一価アルコール)の混合物、のいずれかのヒドロキシル基を表す)。下文から分かるであろうが、この残留リン酸官能基を、少なくとも一部分、アミンと反応させることができる。
【0055】
前記生成物を溶剤の存在下または不在下で形成することができる。
【0056】
芳香族炭化水素溶媒の例としては、Shellsolv AB(登録商標)(Shell Chemical Companyから市販);およびトルエン抽出物、キシレンAromatic 200、Aromatic 150、Aromatic 100、Solvesso 200、Solvesso 150、Solvesso 100、HAN 857(登録商標)(すべてExxon Chemical Companyから市販)、またはこれらの混合物をはじめとする、芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。他の芳香族炭化水素溶媒としては、キシレン、トルエン、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
潤滑粘度の油
本潤滑組成物は、潤滑粘度の油を含む。かかる油としては、天然および合成油、水素化分解、水素化および水素化仕上げから得られる油、未精製、精製、再精製油、またはこれらの混合物が挙げられる。未精製、精製および再精製油のより詳細な説明は、国際公開第2008/147704号、段落[0054]〜[0056]に提供されている。天然および合成潤滑油のより詳細な説明は、それぞれ、国際公開第2008/147704号、段落[0058]〜[0059]に記載されている。合成油は、フィッシャー・トロプシュ反応によって製造されることもあり、典型的に水素異性化フィッシャー・トロプシュ炭化水素または蝋であり得る。1つの実施形態では、油をフィッシャー・トロプシュのガス液化合成手順によって調製できることはもちろん、油が他のガス液化油であってもよい。
【0058】
2008年4月版の「Appendix E − API Base Oil Interchangeability Guidelines for Passenger Car Motor Oils and Diesel Engine Oils」、セクション1.3、副題1.3.「Base Stock Categories」に明記されているように潤滑粘度の油を定義することもできる。1つの実施形態において、潤滑粘度の油は、APIグループII油またはAPIグループIII油であり得る。
【0059】
存在する潤滑粘度の油の量は、典型的に、本発明の化合物と他の性能添加剤の量の合計を100重量%から引いた後に残る残余である。
【0060】
本潤滑組成物は、濃縮物の形態であることもあり、および/または完全配合潤滑剤の形態であることもある。本発明の潤滑組成物(本明細書に開示する添加剤を含む)が、さらなる油と併せて、全部または一部、完成潤滑油を形成することができる濃縮物の形態である場合、これらの添加剤の、潤滑粘度の油に対するおよび/または希釈油に対する比としては、重量で1:99〜99:1、または重量で80:20〜10:90の範囲が挙げられる。
【0061】
他の性能添加剤
本明細書に記載する製法の生成物を潤滑粘度の油に、場合により他の性能添加剤(本明細書において下で説明するとおり)の存在下で、添加することによって、潤滑組成物を調製することができる。
【0062】
本発明の潤滑組成物は、場合により他の性能添加剤を含む。前記他の性能添加剤としては、金属不活性剤、粘度調整剤、清浄剤、摩擦調整剤、摩耗防止剤、腐食防止剤、分散剤、分散剤粘度調整剤、極圧剤、酸化防止剤、抑泡剤、乳化破壊剤、流動点硬化剤、シール膨潤剤のうちの少なくとも1つ、またはこれらの混合物が挙げられる。典型的に、完全配合潤滑油は、これらの性能添加剤のうちの1つ以上を含有するであろう。
【0063】
酸化防止剤としては、硫化オレフィン、ジアリールアミンもしくはアルキル化ジアリールアミン、ヒンダードフェノール、モリブデン化合物(例えば、ジチオカルバミン酸モリブデン)、ヒドロキシルチオエーテル、またはこれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態において、本潤滑組成物は、酸化防止剤、またはその混合物を含む。前記酸化防止剤は、本潤滑組成物の0重量%〜15重量%、または0.1重量%〜10重量%、または0.5重量%〜5重量%、または0.5重量%〜3重量%、または0.3重量%〜1.5重量%で存在することができる。
【0064】
前記ジアリールアミンまたはアルキル化ジアリールアミンは、フェニル−α−ナフチルアミン(PANA)、アルキル化ジフェニルアミン、もしくはアルキル化フェニルナフチルアミン、またはこれらの混合物であり得る。前記アルキル化ジフェニルアミンとしては、ジ−ノニル化ジフェニルアミン、ノニルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジ−オクチル化ジフェニルアミン、ジ−デシル化ジフェニルアミン、デシルジフェニルアミンおよびこれらの混合物を挙げることができる。1つの実施形態において、前記ジフェニルアミンには、ノニルジフェニルアミン、ジノニルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジオクチルジフェニルアミン、またはこれらの混合物を挙げることができる。1つの実施形態において、前記ジフェニルアミンには、ノニルジフェニルアミン、またはジノニルジフェニルアミンを挙げることができる。前記アルキル化ジアリールアミンとしては、オクチル、ジ−オクチル、ノニル、ジ−ノニル、デシルまたはジ−デシルフェニルナフチルアミンを挙げることができる。
【0065】
ヒンダードフェノール酸化防止剤は、多くの場合、第二級ブチルおよび/または第三級ブチル基を立体障害基として含有する。そのフェノール基は、ヒドロカルビル基(典型的には直鎖状もしくは分岐アルキル)で、および/または第二級芳香族基に連結されている架橋基でさらに置換されていることがある。好適なヒンダードフェノール酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−エチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−プロピル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールもしくは4−ブチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、または4−ドデシル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを挙げることができる。1つの実施形態において、前記ヒンダードフェノール酸化防止剤は、エステルであってよく、例えば、CibaからのIrganox(商標)L−135を含むことができる。好適なエステル含有ヒンダードフェノール酸化防止剤化学のより詳細な説明は、米国特許第6,559,105号にて見つけられる。
【0066】
酸化防止剤として使用することができるジチオカルバミン酸モリブデンの例としては、Vanlube 822(商標)およびMolyvan(商標)Aなどの商品名でR.T.Vanderbilt Co.,Ltd.から販売されている商用材料、ならびにAdeka Sakura−Lube(商標)S−100、S−165、S−600および525などの商品名で販売されている商用材料、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0067】
1つの実施形態において、本潤滑組成物は、粘度調整剤をさらに含む。粘度調整剤は、当該技術分野において公知であり、それらとしては、水素化スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリメタクリラート、ポリアクリラート、水素化スチレン−イソプレンポリマー、水素化ジエンポリマー、ポリアルキルスチレン、ポリオレフィン、無水マレイン酸−オレフィンコポリマーのエステル(例えば、国際出願国際公開第2010/014655)に記載されているもの)、無水マレイン酸−スチレンコポリマーのエステル、またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0068】
分散剤粘度調節剤としては、官能化ポリオレフィン、例えば、アシル化剤、例えば無水マレイン酸およびアミン、で官能化されたエチレン−プロピレンコポリマー;アミンで官能化されたポリメタクリラート;またはアミンと反応したスチレン−無水マレイン酸コポリマーを挙げることができる。分散剤粘度調整剤のより詳細な説明は、国際公開第2006/015130号または米国特許第4,863,623号、同第6,107,257号、同第6,107,258号および同第6,117,825明細書に開示されている。1つの実施形態において、分散剤粘度調整剤としては、米国特許第4,863,623号に記載されているもの(第2欄15行〜第3欄52行参照)または国際公開第2006/015130号に記載されているもの(2頁、段落[0008]と、段落[0065]〜[0073]に記載されている調製例とを参照のこと)を挙げることができる。
【0069】
1つの実施形態において、本発明の潤滑組成物は、分散剤粘度調整剤をさらに含む。前記分散剤粘度調整剤は、本潤滑組成物の0重量%〜15重量%、または0重量%〜10重量%、または0.05重量%〜5重量%、または0.2重量%〜2重量%で存在することができる。
【0070】
本潤滑組成物は、分散剤またはその混合物をさらに含むことがある。前記分散剤は、スクシンイミド分散剤、マンニッヒ分散剤、スクシンアミド分散剤、ポリオレフィンコハク酸エステル、アミドもしくはエステル−アミド、またはこれらの混合物であり得る。1つの実施形態において、前記分散剤は、単一の分散剤として存在することがある。1つの実施形態において、前記分散剤は、2つまたは3つの異なる分散剤の混合物として存在することがあり、この場合、少なくとも1つはスクシンイミド分散剤であり得る。
【0071】
前記スクシンイミド分散剤を脂肪族ポリアミンまたはその混合物から誘導することができる。前記脂肪族ポリアミンは、脂肪族ポリアミン、例えばエチレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ブチレンポリアミン、またはこれらの混合物であり得る。1つの実施形態において、前記脂肪族ポリアミンは、エチレンポリアミンであり得る。1つの実施形態において、前記脂肪族ポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン、ポリアミン塔底残渣、およびこれらの混合物から成る群より選択することができる。
【0072】
1つの実施形態において、前記分散剤は、ポリオレフィンコハク酸エステル、アミド、またはエステル−アミドであり得る。例えば、ポリオレフィンコハク酸エステルは、ペンタエリスリトールのポリイソブチレンコハク酸エステル、またはその混合物であり得る。ポリオレフィンコハク酸エステル−アミドは、アルコール(例えば、ペンタエリスリトール)およびアミン(例えば、ジアミン(典型的にはジエチレンアミン)またはポリアミン(典型的にはテトラエチレンペンタアミン))と反応したポリイソブチレンコハク酸であり得る。
【0073】
前記分散剤は、N置換長鎖アルケニルスクシンイミドであってもよい。N置換長鎖アルケニルスクシンイミドの一例は、ポリイソブチレンスクシンイミドである。典型的に、ポリイソブチレンコハク酸無水物が誘導されるポリイソブチレンは、350〜5000、または550〜3000、または750〜2500の数平均分子量を有する。スクシンイミド分散剤およびそれらの調製は、例えば米国特許第3,172,892号、同第3,219,666号、同第3,316,177号、同第3,340,281号、同第3,351,552号、同第3,381,022号、同第3,433,744号、同第3,444,170号、同第3,467,668号、同第3,501,405号、同第3,542,680号、同第3,576,743号、同第3,632,511号および同第4,234,435号、米国再発行特許第26,433号、米国特許第6,165,235号および同第7,238,650号、ならびに欧州特許出願公開第0355895号に開示されている。
【0074】
前記分散剤を従来の方法により様々な薬剤のいずれかと反応させることによって後処理することもできる。これらの薬剤には、ホウ素化合物(例えば、ホウ酸)、尿素、チオ尿素、ジメルカプトチアジアゾール、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、例えばテレフタル酸、炭化水素で置換されている無水コハク酸、無水マレイン酸、エポキシド、およびリン化合物がある。1つの実施形態では、前記後処理分散剤をホウ素化する。1つの実施形態では、前記後処理分散剤をジメルカプトチアジアゾールと反応させる。1つの実施形態では、前記後処理分散剤をリン酸または亜リン酸と反応させる。
【0075】
前記分散剤は、本潤滑組成物の0.01重量%〜20重量%、または0.1重量%〜15重量%、または0.1重量%〜10重量%、または1重量%〜6重量%、または1〜3重量%で存在することができる。
【0076】
1つの実施形態において、本発明は、過塩基性金属含有清浄剤をさらに含む潤滑組成物を提供する。前記金属含有清浄剤の金属は、亜鉛、ナトリウム、カルシウム、バリウムまたはマグネシウムであり得る。典型的に、前記金属含有清浄剤の金属は、ナトリウム、カルシウムまたはマグネシウムであり得る。
【0077】
前記過塩基性金属含有清浄剤は、非硫黄含有フェナート、硫黄含有フェナート、スルホナート、サリキサラート(salixarate)、サリシラート、およびこれらの混合物、またはそれらのホウ素化された等価物から成る群より選択することができる。前記過塩基性清浄剤をホウ酸などのホウ素化剤でホウ素化することができる。
【0078】
前記過塩基性金属含有清浄剤は、例えば米国特許第6,429,178号、同第6,429,179号、同第6,153,565号および同第6,281,179号に記載されているような、フェナートおよび/またはスルホナート成分を含む混合界面活性剤系、例えばフェナート/サリシラート、スルホナート/フェナート、スルホナート/サリシラート、スルホナート/フェナート/サリシラート、を用いて形成された「ハイブリッド」清浄剤も含むことができる。例えば、ハイブリッドスルホナート/フェナート清浄剤を用いる場合、該ハイブリッド清浄剤は、同様の量のフェナートおよびスルホナート石鹸をそれぞれ導入することとなる別個のフェナートおよびスルホナート清浄剤の量と等価とみなされるであろう。
【0079】
典型的に、過塩基性金属含有清浄剤は、フェナート、硫黄含有フェナート、スルホナート、サリキサラートまたはサリシラートの亜鉛、ナトリウム、カルシウムまたはマグネシウム塩であり得る。過塩基性サリシラート、フェナートおよびサリシラートは、典型的に、180〜450の全塩基価、TBNを有する。過塩基性スルホナートは、典型的に、250〜600、または300〜500の全塩基価を有する。過塩基性清浄剤は当該技術分野において公知である。1つの実施形態において、前記スルホナート清浄剤は、米国特許出願公開第2005/065045号(米国特許第7,407,919号として特許付与)の段落[0026]〜[0037]に記載されているような、少なくとも8の金属比を有する主として直鎖状のアルキルベンゼンスルホナート清浄剤であり得る。この主として直鎖状のアルキルベンゼンスルホナート清浄剤は、省燃料性向上の補助に特に有用であり得る。
【0080】
典型的に、前記過塩基性金属含有清浄剤は、カルシウムまたはマグネシウム、過塩基性清浄剤であり得る。
【0081】
過塩基性清浄剤は当該技術分野において公知である。過塩基性材料は、他に過塩基性または超塩基性塩とも呼ばれ、一般に、金属とその金属(典型的には金属塩基)と反応する特定の酸性有機化合物との化学量論比に従って中和のために存在するであろう含有量より過剰な金属含有量を特徴とする単相の均一なニュートン系である。前記過塩基性材料は、酸性材料(典型的に無機酸または低級カルボン酸、好ましくは二酸化炭素)を、酸性有機化合物と、該酸性有機材料のための少なくとも1つの不活性有機溶剤(鉱物油、ナフサ、トルエン、キシレンなど)を含む反応媒質と、化学量論的過剰量の金属塩基と、促進剤、例えば塩化カルシウム、酢酸、フェノールまたはアルコール、との混合物と反応させることによって調製される。前記酸性有機金属は、通常、ある程度の油溶性をもたらすのに十分な数の炭素を有するであろう。過剰な金属の量は、一般に、金属比によって表現される。用語「金属比」は、金属の全当量の酸性有機化合物の当量に対する比である。中性金属塩は、1の金属比を有する。正塩に存在する金属の3.5倍の金属を有する塩は、3.5当量の金属過剰、または4.5の比を有することとなる。用語「金属比」は、R.M.MortierおよびS.T.Orszulikにより編集された「Chemistry and Technology of Lubricants」と題する標準的な教科書の第二版、著作権1997年、の中でも説明されている。
【0082】
1つの実施形態において、摩擦調整剤は、アミンの長鎖脂肪酸誘導体、長鎖脂肪エステル、または長鎖脂肪エポキシドの誘導体;脂肪イミダゾリン;アルキルリン酸のアミン塩;脂肪アルキルタルトラート;脂肪アルキル酒石酸イミド;脂肪アルキル酒石酸アミド;脂肪グリコラート;および脂肪グリコールアミドから成る群より選択することができる。前記摩擦調整剤は、本潤滑組成物の0重量%〜6重量%、または0.01重量%〜4重量%、または0.05重量%〜2重量%、または0.1重量%〜2重量%で存在することができる。
【0083】
摩擦調整剤に関連して本明細書において用いる場合の用語「脂肪アルキル」または「脂肪」は、10〜22個の炭素原子を有する炭素鎖、典型的には炭素直鎖を意味する。
【0084】
好適な摩擦調整剤の例としては、アミン、脂肪エステルまたは脂肪エポキシドの長鎖脂肪酸誘導体;脂肪イミダゾリン、例えば、カルボン酸とポリアルキレン−ポリアミンの縮合生成物;アルキルリン酸のアミン塩;脂肪アルキルタルトラート;脂肪アルキル酒石酸イミド;脂肪アルキル酒石酸アミド;脂肪ホスホナート;脂肪ホスファイト;ホウ素化リン脂質、ホウ素化脂肪エポキシド;グリセロールエステル;ホウ素化グリセロールエステル;脂肪アミン;アルコキシ化脂肪アミン;ホウ素化アルコキシ化脂肪アミン;第三級ヒドロキシ脂肪アミンを含む、ヒドロキシルおよびポリヒドロキシ脂肪アミン;ヒドロキシアルキルアミド;脂肪酸の金属塩;アルキルサリシラートの金属塩;脂肪オキサゾリン;脂肪エトキシ化アルコール;カルボン酸とポリアルキレンポリアミンの縮合生成物;または脂肪カルボン酸とグアニジン、アミノグアニジン、尿素またはチオ尿素からの反応生成物およびそれらの塩が挙げられる。
【0085】
摩擦調整剤は、硫化脂肪化合物およびオレフィン、ジアルキルジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン、ポリオールと脂肪族カルボン酸のヒマワリ油またはダイズ油モノエステルも包含し得る。
【0086】
1つの実施形態において、前記摩擦調整剤は、長鎖脂肪酸エステルであり得る。1つの実施形態では、前記長鎖脂肪酸エステルはモノエステルであり得、もう1つの実施形態では、前記長鎖脂肪酸エステルは(トリ)グリセリドであり得る。
【0087】
本潤滑組成物は、少なくとも1つの摩耗防止剤を場合によりさらに含む。好適な摩耗防止剤の例としては、チタン化合物、タルトラート、酒石酸イミド、リン化合物の油溶性アミン塩、硫化オレフィン、金属ジヒドロカルボキシチオリン酸塩(例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛)、ホスファイト(例えば、ジブチルホスファイト)、ホスホナート、チオカルバマート含有化合物、例えばチオカルバミン酸エステル、チオカルバミン酸アミド、チオカルバミン酸エーテル、アルキレンカップリングチオカルバマート、およびビス(S−アルキルジチオカルバミル)ジスルフィドが挙げられる。前記摩耗防止剤は、1つの実施形態では、国際公開第2006/044411号またはカナダ国特許第1 183 125号に開示されているようなタルトラートまたは酒石酸イミドを含み得る。前記タルトラートまたは酒石酸イミドは、アルキル基上の炭素原子の合計が少なくとも8であるアルキル−エステル基を含有し得る。前記摩耗防止剤は、1つの実施形態では、米国特許出願公開第2005/0198894号に開示されているようなシトラートを含み得る。
【0088】
摩耗防止添加剤のもう1つのクラスは、米国特許第7,727,943号および米国特許出願公開第2006/0014651号に開示されているような油溶性チタン化合物を含む。前記油溶性チタン化合物は、摩耗防止剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、堆積物抑制添加剤、またはこれらの機能の1つより多くのものとして機能することができる。1つの実施形態において、前記油溶性チタン化合物は、チタン(IV)アルコキシドである。前記チタンアルコキシドは、一価アルコール、ポリオールまたはこれらの混合物から形成される。前記一価アルコキシドは、2〜16個、または3〜10個の炭素原子を有することができる。1つの実施形態において、前記チタンアルコキシドは、チタン(IV)イソプロポキシドである。1つの実施形態において、前記アルコキシドは、チタン(IV)2−エチルヘキサオキシドである。1つの実施形態において、前記チタン化合物は、ビシナル1,2−ジオールまたはポリオールのアルコキシドを含む。1つの実施形態において、前記1,2−ビシナルジオールは、グリセロールの脂肪酸モノエステルを含み、多くの場合、この脂肪酸は、オレイン酸である。
【0089】
1つの実施形態において、前記油溶性チタン化合物は、カルボン酸チタンである。1つの実施形態において、前記カルボン酸チタン(IV)は、ネオデカン酸チタンである。
【0090】
1つの実施形態において、前記油溶性チタン化合物は、本潤滑組成物中に、重量で0ppm〜1500ppmのチタン、または重量で10ppm〜1500ppmのチタン、または重量で25ppm〜150ppmのチタンの準備に必要な量で存在することができる。
【0091】
前記油に可溶性である極圧(EP)剤としては、硫黄含有およびクロロ硫黄含有EP剤、分散剤(典型的にはスクシンイミド分散剤)のジメルカプトチアジアゾールまたはCS
2誘導体、塩素化炭化水素EP剤の誘導体およびリン含有EP剤が挙げられる。かかるEP剤の例としては、(米国特許第3,197,405号に記載されているように)塩素化ろう;硫化オレフィン(例えば、硫化イソブチレン)、ヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールまたはそのオリゴマー、有機スルフィドおよびポリスルフィド、例えばジベンジル−ジスルフィド、ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルトリスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、および硫化ディールス・アルダー付加物;ホスホ硫化(phosphosulphurised)炭化水素、例えば、硫化リンとテルペンチンまたはメチルオレアートの反応生成物;リン含有エステル、例えばジ炭化水素およびトリ炭化水素ホスファイト、例えばジブチルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジシクロヘキシルホスファイト、ペンチルフェニルホスファイト;ジペンチフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、ジステアリルホスファイトおよびポリプロピレン置換フェノールホスファイト;金属チオカルバミン酸塩、例えばジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛およびヘプチルフェノール二酸バリウム;アルキルおよびジアルキルリン酸のアミン塩または誘導体(例えば、ジアルキルジチオリン酸とプロピレンオキシドの、およびその後、続いてのP
2O
5とのさらなる反応の、反応生成物のアミン塩を含む);ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0092】
本発明の組成物において有用であり得る抑泡剤としては、ポリシロキサン;エチルアクリラートと2−エチルヘキシルアクリラートと場合によりビニルアセタートとのコポリマー;乳化破壊剤(フッ化ポリシロキサン、トリアルキルホスファート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよび(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ポリマーを含む)が挙げられる。
【0093】
本発明の組成物において有用であり得る流動点降下剤としては、ポリアルファオレフィン;無水マレイン酸−スチレンコポリマー、ポリ(メタ)アクリラート、ポリアクリラートまたはポリアクリルアミドのエステルが挙げられる。
【0094】
乳化破壊剤としては、トリアルキルホスファート、ならびにエチレングリコール、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはこれらの混合物の様々なポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0095】
金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール(典型的にはトリルトリアゾール)、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、2−アルキルジチオベンゾイミダゾールまたは2−アルキルジチオベンゾチアゾールまたはジメルカプトチアジアゾール(DMTD)が挙げられる。前記金属不活性剤は、腐食防止剤として記載されることもある。
【0096】
シール膨潤剤としては、スルホレン誘導体Exxon Necton−37(商標)(FN 1380)およびExxon Mineral Seal Oil(商標)(FN 3200)が挙げられる。
【0097】
産業利用
本発明の潤滑組成物は、内燃機関、動力伝達系装置、油圧システム、グリース、タービン、または冷凍剤において有用であり得る。本潤滑組成物が、グリース組成物の一部である場合、該組成物は、増粘剤をさらに含む。この増粘剤としては、単純金属石鹸増粘剤、複合石鹸、非石鹸増粘剤、かかる酸官能化油の金属塩、ポリ尿素およびジ尿素増粘剤、カルシウムスルホナート増粘剤またはこれらの混合物を挙げることができる。グリース用の増粘剤は当該技術分野において周知である。
【0098】
1つの実施形態において、本発明は、内燃機関を潤滑する方法を提供する。エンジン部品は、鋼またはアルミニウムの表面を有することがある。
【0099】
アルミニウム表面は、共晶または過共晶アルミニウム合金(例えば、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、または他のセラミック材料から得られるもの)であり得るアルミニウム合金から得ることができる。前記アルミニウム表面は、アルミニウム合金またはアルミニウム複合材を有するシリンダボア、シリンダブロック、ピストンまたはピストンリング上に存在し得る。
【0100】
前記内燃機関は、排気ガス再循環システムを有することもあり、または有さないこともある。前記内燃機関は、排気浄化システムまたはターボチャージャーを備えていることがある。前記排気浄化システムの例としては、ディーゼル・パーティキュレート・フィルタ(DPF)、または選択触媒還元(SCR)を用いるシステムが挙げられる。
【0101】
1つの実施形態において、前記内燃機関は、ディーゼル燃料エンジン(典型的に、重量車用ディーゼルエンジン)、ガソリン燃料エンジン、天然ガス燃料エンジン、ガソリン/アルコール混合燃料エンジン、または水素燃料内燃機関であり得る。1つの実施形態において、前記内燃機関は、ディーゼル燃料エンジン、もう1つの実施形態ではガソリン燃料エンジンであり得る。1つの実施形態において、前記内燃機関は、重量車用ディーゼルエンジンであり得る。
【0102】
前記内燃機関は、2ストロークエンジンであってもよいし、または4ストロークエンジンであってもよい。好適な内燃機関としては、舶用ディーゼルエンジン、航空用ピストンエンジン、低負荷ディーゼルエンジン、および自動車およびトラックエンジンが挙げられる。前記舶用ディーゼルエンジンを、舶用ディーゼルシリンダ潤滑剤(典型的には2ストロークエンジンの場合)、システム油(典型的には2ストロークエンジンの場合)、またはクランクケース潤滑剤(典型的には4ストロークエンジンの場合)で潤滑することができる。
【0103】
内燃機関用の前記潤滑剤組成物は、硫黄、リンまたは硫酸灰分(ASTM D−874)に関係なく任意のエンジン潤滑剤に好適であり得る。前記エンジン油潤滑剤の硫黄含有量は、1重量%以下、または0.8重量%以下、または0.5重量%以下、または0.3重量%以下であり得る。1つの実施形態において、前記硫黄含有量は、0.001重量%〜0.5重量%、または0.01重量%〜0.3重量%の範囲内であり得る。前記リン含有量は、0.2重量%以下、または0.12重量%以下、または0.1重量%以下、または0.085重量%以下、または0.08重量%以下、またはさらに0.06重量%以下、0.055重量%以下、もしくは0.05重量%以下であり得る。1つの実施形態において、前記リン含有量は、0.04重量%〜0.12重量%であり得る。1つの実施形態において、前記リン含有量は、100ppm〜1000ppm、または200ppm〜600ppmであり得る。全硫酸灰分含有量は、前記潤滑組成物の0.3重量%〜1.2重量%、または0.5重量%〜1.1重量%であり得る。1つの実施形態において、前記硫酸灰分含有量は、前記潤滑組成物の0.5重量%〜1.1重量%であり得る。
【0104】
1つの実施形態において、本潤滑組成物は、エンジン油であることがあり、この場合の潤滑組成物は、該潤滑組成物の(i)0.5重量%以下の硫黄含有量、(ii)0.12重量%以下のリン含有量、および(iii)0.5重量%〜1.1重量%の硫酸灰分含有量のうちの少なくとも1つを有するものとして特徴づけることができる。
【0105】
エンジン潤滑組成物は、他の添加剤をさらに含むことがある。1つの実施形態において、本発明は、分散剤、摩耗防止剤、分散剤粘度調整剤(本発明の化合物以外)、摩擦調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、過塩基性清浄剤のうちの少なくとも1つまたはこれらの混合物をさらに含む潤滑組成物を提供する。1つの実施形態において、本発明は、ポリイソブチレンスクシンイミド分散剤、摩耗防止剤、分散剤粘度調整剤、摩擦調整剤、粘度調整剤(典型的にはオレフィンコポリマー、例えばエチレン−プロピレンコポリマー)、酸化防止剤(フェノール系およびアミン系酸化防止剤を含む)、過塩基性清浄剤(過塩基性スルホナートおよびフェナートを含む)のうちの少なくとも1つまたはこれらの混合物を含む潤滑組成物を提供する。
【0106】
1つの実施形態において、エンジン潤滑組成物は、モリブデン化合物をさらに含む潤滑組成物である。前記モリブデン化合物は、摩耗防止剤または酸化防止剤であり得る。前記モリブデン化合物は、ジアルキルジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン、モリブデン化合物のアミン塩、およびこれらの混合物から選択することができる。前記モリブデン化合物は、前記潤滑組成物に0〜1000ppm、または5〜1000ppm、または10〜750ppm、5ppm〜300ppm、または20ppm〜250ppmのモリブデンを備えさせることができる。
【0107】
エンジン潤滑組成物は、リンを含有する摩耗防止剤をさらに含むことがある。典型的に、前記リンを含有する摩耗防止剤は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ホスファイト、ホスフェート、ホスホナート、およびリン酸アンモニウム塩、またはこれらの混合物であり得る。ジアルキルジチオリン酸亜鉛は当該技術分野において公知である。前記摩耗防止剤は、前記潤滑組成物の0重量%〜3重量%、または0.1重量%〜1.5重量%、または0.5重量%〜0.9重量%で存在することができる。
【0108】
前記過塩基性清浄剤は、0重量%〜15重量%、または0.1重量%〜10重量%、または0.2重量%〜8重量%、または0.2重量%〜3重量%で存在することができる。例えば、重量車用ディーゼルエンジンの場合、前記清浄剤は、前記潤滑組成物の2重量%〜3重量%で存在することができる。乗用車エンジンについては、前記清浄剤は、前記潤滑組成物の0.2重量%〜1重量%で存在することができる。1つの実施形態において、エンジン潤滑組成物は、少なくとも3、または少なくとも8、または少なくとも15の金属比を有する少なくとも1つの過塩基性清浄剤をさらに含む。
【0109】
エンジン潤滑組成物に有用な腐食防止剤としては、国際公開第2006/047486号の段落5〜8に記載されているもの、オクタン酸オクチルアミン、ドデシルコハク酸または無水物および脂肪酸、例えばオレイン酸、とポリアミンの縮合生成物が挙げられる。1つの実施形態において、前記腐食防止剤は、Synalox(登録商標)腐食防止剤を含む。Synalox(登録商標)腐食防止剤は、プロピレンオキシドのホモポリマーまたはコポリマーである。Synalox(登録商標)腐食防止剤は、The Dow Chemical Companyによって発行されている型番118−01453−0702 AMSの製品パンフレットに、より詳細に記載されている。この製品パンフレットは、「SYNALOX Lubricants,High−Performance Polyglycols for Demanding Applications」と題する。
【0110】
1つの実施形態において、本発明の潤滑組成物は、分散剤粘度調整剤をさらに含む。前記分散剤粘度調整剤は、本潤滑組成物の0重量%〜5重量%、または0重量%〜4重量%、または0.05重量%〜2重量%、または0.2重量%〜1.2重量%で存在することができる。
【0111】
エンジン潤滑組成物は、種々の実施形態において、次の表に開示するような組成を有し得る:
【0112】
【表1】
動力伝達系装置
1つの実施形態において、本発明の方法および潤滑組成物は、動力伝達系装置に好適である。前記動力伝達系装置は、ギア油、車軸油、駆動軸油、トラクション油、手動変速機油、自動変速機油、またはオフハイウェイ車油(off highway oil)(例えば、農用トラクタ油)のうちの少なくとも1つを含む。1つの実施形態において、本発明は、同期システムを含有していてもよいし、していなくてもよい手動変速機を潤滑する方法を提供する。1つの実施形態において、本発明は、自動変速機を潤滑する方法を提供する。1つの実施形態において、本発明は、車軸を潤滑する方法を提供する。
【0113】
動力伝達系装置用の潤滑組成物は、該潤滑組成物の0.05重量%より多い、または0.4重量%〜5重量%、または0.5重量%〜3重量%、0.8重量%〜2.5重量%、1重量%〜2重量%、0.075重量%〜0.5重量%、または0.1重量%〜0.25重量%の硫黄含有量を有し得る。
【0114】
動力伝達系装置用の潤滑組成物は、100ppm〜5000ppm、または200ppm〜4750ppm、300ppm〜4500ppm、または450ppm〜4000ppmのリン含有量を有し得る。
【0115】
自動変速機としては、連続可変変速機(CVT)、無段変速機(IVT)、トロイダル変速機、連続滑りトルク変換クラッチ(CSTCC)、有段式自動変速機またはデュアルクラッチ変速機(DCT)が挙げられる。
【0116】
自動変速機は、連続滑りトルク変換クラッチ(CSTCC)、湿式発進および変速クラッチを含有する場合があり、場合によっては金属または複合材製同期装置を備えていることもある。
【0117】
デュアルクラッチ変速機または自動変速機は、ハイブリッド駆動を提供するための電動モーターユニットを含むこともある。
【0118】
手動変速機潤滑剤は、同期しないこともありまたは同期機構を含有することもある手動ギアボックスにおいて使用することができる。前記ギアボックスは、自蔵式であることもあり、または手動変速機作動油によって潤滑することができるトランスファギアボックス、遊星ギアシステム、差動装置、差動制限装置またはトルクベクタリング装置のいずれかをさらに含有することもある。
【0119】
ギア油または車軸油は、遊星ハブ・リダクション・アクスル、作業車両の機械式ステアリングおよびトランスファ・ギア・ボックス、シクロメッシュ・ギア・ボックス、動力取り出しギア、スリップ制限式後車軸、ならびに遊星ハブ・リダクション・ギア・ボックスにおいて使用することができる。
【0120】
本発明の潤滑組成物が動力伝達系装置に好適である場合、前に一般的に説明したようなスクシンイミド分散剤を使用することができる。1つの実施形態において、前記スクシンイミド分散剤は、N置換長鎖アルケニルスクシンイミドであり得る。前記長鎖アルケニルスクシンイミドは、ポリイソブチレンスクシンイミドであって、それが誘導されるポリイソブチレンが350〜5000、または500〜3000、または750〜1150の範囲の数平均分子量を有するポリイソブチレンスクシンイミドを含むことができる。
【0121】
1つの実施形態において、動力伝達系装置用の分散剤は、後処理分散剤であってもよい。この分散剤をジメルカプトチアジアゾールで、場合によってはリン化合物、芳香族化合物のジカルボン酸、およびホウ素化剤のうちの1つ以上のものの存在下で、後処理することができる。
【0122】
1つの実施形態では、アルケニルスクシンイミドまたはスクシンイミド清浄剤をリン含有エステルおよび水と共に加熱して、該エステルを部分的に加水分解することによって、後処理分散剤を形成することができる。このタイプの後処理分散剤は、例えば米国特許第5,164,103号に開示されている。
【0123】
1つの実施形態では、分散剤とジメルカプトチアジアゾールの混合物を調製し、その混合物を約100℃より上に加熱することによって、後処理分散剤を製造することができる。このタイプの後処理分散剤は、例えば米国特許第4,136,043号に開示されている。
【0124】
1つの実施形態では、(i)分散剤(典型的にはスクシンイミド)と、(ii)2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールもしくはヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、またはこれらのオリゴマーと、(iii)ホウ素化剤(上記のものと同様)と、(iv)場合により、1,3−二酸および1,4−二酸(典型的にはテレフタル酸)から成る群より選択される芳香族化合物のジカルボン酸、または(v)場合により、リン含有酸化合物(リン酸または亜リン酸を含む)とを含む生成物であって、これらを一緒に加熱することによって調製される生成物を形成するように分散剤を後処理することができ、前記加熱は、潤滑粘度の油に可溶性である、(i)、(ii)、(iii)および場合により(iv)または場合により(v)の生成物を生じさせるために十分なものである。このタイプの後処理分散剤は、例えば国際公開第2006/654726号に開示されている。
【0125】
好適なジメルカプトチアジアゾールの例としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールまたはヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールが挙げられる。幾つかの実施形態において、前記ヒドロカルビル置換基上の炭素原子の数としては、1〜30、2〜25、4〜20、または6〜16が挙げられる。好適な2,5−ビス(アルキル−ジチオ)−1,3,4−チアジアゾールの例としては、2,5−ビス(tert−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−デシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−ウンデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−ドデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−トリデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−テトラデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−ペンタデシル−ジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−ヘキサデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−ヘプタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−オクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(tert−ノナデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールもしくは2,5−ビス(tert−エイコシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、またはこれらのオリゴマーが挙げられる。
【0126】
1つの実施形態において、前記油溶性リン含有アミン塩摩耗防止剤には、リン含有酸エステルのアミン塩またはその混合物が含まれる。前記リン含有酸エステルのアミン塩には、リン酸エステルおよびこれらのアミン塩;ジアルキルジチオリン酸エステルおよびこれらのアミン塩;ホスファイト;ならびにリンを含有するカルボン酸エステル、エーテルおよびアミドのアミン塩;リン酸またはチオリン酸のヒドロキシ置換ジまたはトリエステルおよびこれらのアミン塩;リン酸またはチオリン酸のリン酸化ヒドロキシ置換ジまたはトリエステルおよびこれらのアミン塩;ならびにそれらの混合物が含まれる。前記リン含有酸エステルのアミン塩を単独で使用してもよいし、併用してもよい。
【0127】
1つの実施形態において、前記油溶性リン含有アミン塩には、部分アミン塩−部分金属塩化合物またはこれらの混合物が含まれる。1つの実施形態において、前記リン化合物は、分子内に硫黄原子をさらに含む。
【0128】
前記摩耗防止剤の例としては、非イオン性リン化合物(典型的に、+3または+5の酸化状態を有するリン原子を有する化合物)を挙げることができる。1つの実施形態において、前記リン化合物のアミン塩は、(他の成分との混合前)無灰、すなわち金属不含であり得る。
【0129】
前記アミン塩としての使用に好適であり得るアミンには、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、およびこれらの混合物が含まれる。前記アミンは、少なくとも1つのヒドロカルビル基、または一定の実施形態では2つまたは3つのヒドロカルビル基を有するものを含む。前記ヒドロカルビル基は、2〜30個の炭素原子、または他の実施形態では8〜26個、または10〜20、または13〜19個の炭素原子を含有することができる。
【0130】
第一級アミンとしては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、およびドデシルアミンはもちろん、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミンおよびオレイルアミン(oleyamine)のような脂肪アミンも挙げられる。他の有用な脂肪アミンとしては、市販の脂肪アミン、例えば、「Armeen(登録商標)」アミン(イリノイ州シカゴのAkzo Chemicalsから入手できる製品)、例えばArmeen C、Armeen O、Armeen OL、Armeen T、Armeen HT、Armeen SおよびArmeen SDが挙げられ、これらの文字記号は、脂肪基、例えばココ、オレイル、タロー、またはステアリル基に関係している。
【0131】
好適な第二級アミンの例としては、ビス−2−エチルヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、メチルエチルアミン、エチルブチルアミン、およびエチルアミルアミンが挙げられる。第二級アミンは、環式アミン、例えばピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンであってもよい。
【0132】
前記アミンは、第三級脂肪族第一級アミンである場合もある。この場合の脂肪族基は、2〜30個、または6〜26個、または8〜24個の炭素原子を含有するアルキル基であり得る。第三級アルキルアミンとしては、モノアミン、例えばtert−ブチルアミン、tert−ヘキシルアミン、1−メチル−1−アミノ−シクロヘキサン、tert−オクチルアミン、tert−デシルアミン、tert−ドデシルアミン、tert−テトラデシルアミン、tert−ヘキサデシルアミン、tert−オクタデシルアミン、tert−テトラコサニルアミン、およびtert−オクタコサニルアミンが挙げられる。
【0133】
1つの実施形態において、前記リン含有酸アミン塩は、C11〜C14第三級アルキル第一級基またはこれらの混合物を有するアミンを含む。1つの実施形態において、前記リン含有酸のアミン塩は、C14〜C18第三級アルキル第一級アミンまたはこれらの混合物を有するアミンを含む。1つの実施形態において、前記リン含有酸のアミン塩は、C18〜C22第三級アルキル第一級アミンまたはこれらの混合物を有するアミンを含む。
【0134】
アミンの混合物もこの自由選択の摩耗防止剤に使用することができる。1つの実施形態において、アミンの有用な混合物は、「Primene(登録商標)81R」と「Primene(登録商標)JMT」である。Primene(登録商標)81RおよびPrimene(登録商標)JMT(両方ともRohm & Hass、またはDow Chemicalsによって製造および販売されている)は、それぞれ、C11〜C14第三級アルキル第一級アミンおよびC18〜C22第三級アルキル第一級アミンの混合物である。
【0135】
1つの実施形態において、リン化合物の油溶性アミン塩には、アミンと(i)リン酸のヒドロキシ置換ジエステルまたは(ii)リン酸のリン酸化ヒドロキシ置換ジもしくはトリエステル、いずれかとを反応させる工程を含む製法によって得られ得る/得ることが可能であり得る、リンを含有する化合物の硫黄不含アミン塩が含まれる。このタイプの化合物のより詳細な説明は、国際出願PCT/US08/051126(すなわち米国出願第11/627405号の対応特許)に開示されている。
【0136】
1つの実施形態において、アルキルリン酸エステルの前記ヒドロカルビルアミン塩は、C14〜C18アルキル化リン酸と、C11〜C14第三級アルキル第一級アミンの混合物であるPrimene 81R(商標)(Rohm & Hass、またはDow Chemicalsによって製造および販売されている)との反応生成物である。
【0137】
ジアルキルジチオリン酸エステルのヒドロカルビルアミン塩の例としては、イソプロピル、メチル−アミル(4−メチル−2−ペンチルもしくはその混合物)、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチルまたはノニルジチオリン酸とエチレンジアミン、モルホリンまたはPrimene 81R(商標)との反応生成物(単数または複数)、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0138】
1つの実施形態では、前記ジチオリン酸をエポキシドまたはグリコールと反応させることができる。この反応生成物をリン含有酸、無水物または低級エステルとさらに反応させる。前記エポキシドには、脂肪族エポキシドまたはスチレンオキシドが含まれる。有用なエポキシドの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテンオキシド、オクテンオキシド、ドデセンオキシドおよびスチレンオキシドが挙げられる。1つの実施形態において、前記エポキシドは、プロピレンオキシドであり得る。前記グリコールは、1〜12個、または2〜6個、または2〜3個の炭素原子を有する脂肪族グリコールであり得る。前記ジチオリン酸、グリコール、エポキシド、無機リン試薬およびそれらを反応させる方法は、米国特許第第3,197,405号および同第3,544,465号に記載されている。次に、結果として生じた酸をアミンで塩化することができる。好適なジチオリン酸誘導体の一例は、58℃で45分間かけて五酸化リン(約64グラム)を514グラムのO,O−ジ(4−メチル−2−ペンチル)ホスホロジチオ酸ヒドロキシプロピル(25℃でジ(4−メチル−2−ペンチル)−ホスホロジチオ酸と1.3molのプロピレンオキシドを反応させることによって調製したもの)に添加することによって調製する。この混合物を75℃で2.5時間加熱し、珪藻土と混合し、70℃で濾過してもよい。この濾液は、11.8重量%リン、15.2重量%硫黄、および87の酸価(ブロモフェノールブルー)を有する。
【0139】
前記ジチオカルバマート含有化合物は、ジチオカルバミン酸または塩と不飽和化合物とを反応させることによって調製することができる。前記ジチオカルバマート含有化合物は、アミンと二硫化炭素と不飽和化合物とを同時に反応させることによって調製することもできる。一般に、この反応を25℃〜125℃の温度で行う。
【0140】
硫化して硫化オレフィンを形成することができる好適なオレフィンの例としては、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、ヘキサン、ヘプテン、オクタン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ウンデシル、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン(octadecenene)、ノナデセン(nonodecene)、エイコセンまたはこれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態において、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン、ノナデセン(nonodecene)、エイコセンまたはこれらの混合物ならびにそれらの二量体、三量体および四量体は、特に有用なオレフィンである。あるいは、前記オレフィンは、1,3−ブタジエンなどのジエンとブチルアクリラートなどの不飽和エステルとのディールス・アルダー付加物であってもよい。
【0141】
硫化オレフィンのもう1つのクラスには、脂肪酸およびそれらのエステルが含まれる。脂肪酸は、多くの場合、植物油または動物油から得られ;典型的に、4〜22個の炭素原子を含有する。好適な脂肪酸およびそれらのエステルの例としては、トリグリセリド、オレイン酸、リノール酸、パルミトオレイン酸またはこれらの混合物が挙げられる。多くの場合、前記脂肪酸は、ラード油、トール油、落花生油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油またはこれらの混合物から得られる。1つの実施形態では、脂肪酸および/またはエステルをオレフィンと混合する。
【0142】
動力伝達系装置に有用な腐食防止剤としては、1−アミノ−2−プロパノール、アミン、トリアゾール誘導体(トリルトリアゾールを含む)、ジメルカプトチアジアゾール誘導体、オクタン酸オクチルアミン;ドデセニルコハク酸または無水物および/または脂肪酸、例えばオレイン酸、とポリアミンの縮合生成物が挙げられる。
【0143】
動力伝達系装置潤滑組成物は、ホウ素化されていることもありまたはされていないこともある過塩基性清浄剤を含有することがある。例えば、前記潤滑組成物は、ホウ素化過塩基性カルシウムもしくはマグネシウムスルホナート清浄剤、またはこれらの混合物を含有することがある。
【0144】
動力伝達系装置潤滑組成物は、種々の実施形態において、次の表に開示するような組成を有し得る:
【0145】
【表2】
脚注:
上の表中の粘度調整剤を潤滑粘度の油の代替品と見なすこともできる。
縦列Aは、自動車または車軸ギア潤滑剤を代表するものであり得る。
縦列Bは、自動車変速機潤滑剤を代表するものであり得る。
縦列Cは、オフハイウェイ車潤滑剤を代表するものであり得る。
縦列Dは、手動変速機潤滑剤を代表するものであり得る。
【0146】
以下の実施例は、本発明の実例を与えるものである。これらの実施例は、包括的でなく、また本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【実施例】
【0147】
調製例1(Prep1):500mLフラスコにグリセロールモノオレアート(356.54g)およびイソ−オクタノール(1130g)を投入する。フラスコにフランジ蓋およびクリップ、PTFE攪拌機グランド、棒およびオーバーヘッド攪拌機、熱電対、水冷式冷却器、窒素導入口ならびに粉末添加漏斗を装着する。そのフラスコを350rpmで撹拌しながら50℃に加熱する。五酸化リン(141.9g)をN
2下で添加漏斗に投入し、その後、1時間かけてフラスコに投入する。温度を60℃未満に保つ。フラスコを50℃で18時間撹拌する。真空(2〜4kPa、20〜40mbar)を反応混合物に2時間付与して揮発成分を除去し、そのホスフェート中間体を室温に冷却する。
【0148】
調製例2(Prep2):250mLフラスコに調製例1の生成物(30g)およびビス−2−エチルヘキシルアミン(19.6g)を投入する。フラスコにフランジ蓋、PTFE攪拌機グランド、撹拌棒およびオーバーヘッド攪拌機、水冷式冷却器、窒素入口ならびに熱電対を装着する。そのフラスコを200rpmで撹拌しながら70℃に加熱し、2時間保持する。その後、フラスコを周囲温度に冷却する。黄色/橙色の粘性の液体を得る。
【0149】
調製例3(Prep3):500mLフラスコに293.3gのアルキルタルトラートを投入する(この場合のアルキルタルトラートは、(i)直鎖状C
12〜14アルコールと(ii)イソトリデカノールの90部対10部の比での混合物で酒石酸をエステル化することによって得る)。フラスコにフランジ蓋およびクリップ、PTFE攪拌機グランド、棒およびオーバーヘッド攪拌機、熱電対、水冷式冷却器、窒素導入口ならびに粉末添加漏斗を装着する。そのフラスコを350rpmで撹拌しながら50℃に加熱する。P
2O
5(50g)をN
2下で添加漏斗に投入し、その後、温度を60℃未満に保ちながら1時間かけてフラスコに投入する。フラスコを50℃で18時間撹拌する。その後、生成物を真空蒸留し、その後、周囲温度に冷却する。暗褐色の液体を得る。
【0150】
調製例4(Prep4):調製例3の30gの生成物を、11.9gのビス−2−エチルヘキシルアミンが入っている250mLフラスコに投入する。フラスコにフランジ蓋、PTFE攪拌機グランド、撹拌棒およびオーバーヘッド攪拌機、水冷式冷却器、窒素入口ならびに熱電対を装着した。そのフラスコを200rpmで撹拌しながら70℃に加熱し、2時間保持する。黄色/橙色の粘性の液体を得る。
【0151】
調製例5(Prep5):マグネッチックスターラと、熱電対と、窒素パージラインおよびバブラが付いている二又アダプタを備えた固体添加ホッパとを500mL3つ口丸底フラスコに装着して、この系を一定の窒素ブランケット下で保持する。オレイルグリコラート(200.21g)をそのフラスコに投入し、撹拌しながら60℃に加熱する。窒素ブランケット下で五酸化リン(58.76g)を固体添加ホッパに添加して下方に充填する。その後、55℃と65℃の間に反応温度を保つように発熱を制御しながら3時間かけてゆっくりとその五酸化リンを添加する。その後、窒素パージしながら一晩、反応を放置して冷却する。翌日、その混合物を撹拌しながら5時間、70℃に加熱し、室温に冷却する。暗褐色の液体を得る。
【0152】
調製例6(Prep6):マグネチックスターラと、熱電対と、窒素パージラインが付いている均圧添加漏斗とを装着した500mL3つ口丸底フラスコを準備する。228.5gの調製例5をそのフラスコに投入し、撹拌しながらホットプレートで70℃に加熱する。155.65gのビス−2−エチルヘキシルアミンを投入し、その後、均一な材料が得られるまでスパチュラを用いて手で混合する。反応温度を90℃にする20℃の発熱量が観察される。フラスコの内容物を10分間撹拌した後、冷却し、窒素パージしながら一晩放置する。その反応混合物を撹拌しながら6時間、70℃に加熱する。その後、生成物を5時間、フィルタエイドにより真空濾過する。
【0153】
調製例7(Prep7):2Lフラスコにn−ブタノール(222g)およびジエチルマラート(295g)を投入する。フラスコにフランジ蓋およびクリップ、PTFE攪拌機グランド、棒およびオーバーヘッド攪拌機、熱電対、水冷式冷却器、窒素導入口ならびに粉末添加漏斗を装着する。そのフラスコを350rpmで撹拌しながら50℃に加熱する。五酸化リン(220g)をN
2下で添加漏斗に投入し、その後、1時間20分かけてフラスコに投入する。温度を60℃未満に保つ。フラスコを50℃で24時間撹拌する。真空(2〜4kPa、20〜40mbar)を反応混合物に1時間付与して揮発成分を除去し、その後、そのホスフェート中間体を室温に冷却する。
【0154】
調製例8(Prep8):2Lフラスコに調製例7の生成物(402g)を投入する。フラスコにフランジ蓋、PTFE攪拌機グランド、撹拌棒およびオーバーヘッド攪拌機、水冷式冷却器、窒素入口、熱電対ならびに添加漏斗を装着する。そのフラスコを48℃に加熱する。添加漏斗にビス−2−エチルヘキシルアミン(532g)を投入し、その後、それを2時間かけて添加する。そのフラスコを200rpmで撹拌しながら70℃に加熱し、1.5時間保持する。その後、フラスコを周囲温度に冷却する。黄色の粘性の液体を得る。
【0155】
調製例9(Prep9):2Lフラスコにブタノール(288.5g)およびブチルグリコラート(294g)を投入する。フラスコにフランジ蓋およびクリップ、PTFE攪拌機グランド、棒およびオーバーヘッド攪拌機、熱電対、水冷式冷却器、窒素導入口ならびに粉末添加漏斗を装着する。そのフラスコを350rpmで撹拌しながら50℃に加熱する。五酸化リン(293g)をN
2下で添加漏斗に投入し、その後、1時間50分かけてフラスコに投入する。温度を60℃未満に保つ。フラスコを50℃で24時間撹拌する。その後、そのホスフェート中間体を室温に冷却する。
【0156】
調製例10(Prep10):3Lフラスコに調製例9の生成物(679g)を投入する。フラスコにフランジ蓋、PTFE攪拌機グランド、撹拌棒およびオーバーヘッド攪拌機、水冷式冷却器、窒素入口、熱電対ならびに添加漏斗を装着する。そのフラスコを48℃に加熱する。添加漏斗にビス−2−エチルヘキシルアミン(595g)を投入し、その後、それを2時間かけて添加する。そのフラスコを200rpmで撹拌しながら70℃に加熱し、2時間保持する。その後、フラスコを周囲温度に冷却する。黄色の粘性の液体を得る。
【0157】
調製例11(Prep11):2Lフラスコに4−メチルペンタン−2−オール(408g)およびブチルグリコラート(264g)を投入する。フラスコにフランジ蓋およびクリップ、PTFE攪拌機グランド、棒およびオーバーヘッド攪拌機、熱電対、水冷式冷却器、窒素導入口ならびに粉末添加漏斗を装着する。そのフラスコを350rpmで撹拌しながら50℃に加熱する。五酸化リン(293g)をN
2下で添加漏斗に投入し、その後、1時間15分かけてフラスコに投入する。温度を60℃未満に保つ。フラスコを50℃で19時間撹拌する。真空(2〜4kPa、20〜40mbar)を反応混合物に2時間付与して揮発成分を除去し、その後、そのホスフェート中間体を室温に冷却する。
【0158】
調製例12(Prep12):3Lフラスコに調製例11の生成物(800g)を投入する。フラスコにフランジ蓋、PTFE攪拌機グランド、撹拌棒およびオーバーヘッド攪拌機、水冷式冷却器、窒素入口、熱電対ならびに添加漏斗を装着する。そのフラスコを48℃に加熱する。添加漏斗にビス−2−エチルヘキシルアミン(821g)を投入し、その後、それを3.5時間かけて添加する。そのフラスコを200rpmで撹拌しながら70℃に加熱し、2時間保持する。その後、フラスコを周囲温度に冷却する。黄色の粘性の液体を得る。
【0159】
酸化防止剤(ヒンダードフェノールとアルキル化ジフェニルアミンの混合物)、過塩基性カルシウムスルホナート清浄剤、スクシンイミド分散剤を含有し、さらにリン源を含有する一連のSAE 5W−30エンジン潤滑剤を調製する。リンは、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)または本発明の生成物のいずれかにより供給される。調製する潤滑剤のための、リンを含有する添加剤を、次のとおり要約する:
【0160】
【表3】
脚注:
*は、0.5重量%のオレイルタルトラートをさらに含有していた潤滑剤を示す。
【0161】
SAE 5W−30潤滑剤をPCS Instrumentsから入手できる昇温(programmed temperature)高周波往復動リグ(HFRR)で境界潤滑摩擦性能および摩耗について評価する。評価のためのHFRR条件は、荷重200g、所要時間75分、ストローク1000マイクロメートル、周波数20ヘルツ、および40℃で15分、その後2℃/分の速度で160℃に温度を上昇させる温度プログラムであった。上部試験片と下部試験片間に小さな電位を印加することにより、接触電位差を測定する。試験片は、鋼エンジンパーツまたは商標Alusil(登録商標)で市販されているケイ酸アルミニウムエンジンパーツのいずれかである。計器が、印加した全電位を測定した場合、これは上部試験片と下部試験片間の電気絶縁層を示し、これは通常はそれらの表面での化学的保護膜の形成と解釈される。保護膜が形成されなかった場合、上部試験片と下部試験片間で金属と金属が接触し、測定される電位はゼロに降下する。中間的な値は、部分的または不完全な保護膜を示す。前記接触電位は、多くの場合、印加電位の百分率として表され、膜厚率と呼ばれる。得られた摩耗、および接触電位(C.o.F)結果を下の表に提示する:
【0162】
【表4】
脚注:
C.o.F=摩擦係数
Al=商標Alusil(登録商標)で市販されているエンジンパーツ
上の結果は、本発明の生成物が、ZDDPを含有する対照潤滑剤と比較して、摩耗および摩擦の少なくとも一方を低減できることを示している。
【0163】
オレイルアミン、過塩基性カルシウムスルホナート清浄剤を含有し、さらにリン源を含有する一連のSAE 80W−90ギア油潤滑剤を調製する。リンは、本発明の生成物により供給される。調製する潤滑剤のための、リンを含有する添加剤を、次のとおり要約する:
【0164】
【表5】
SAE 80W−90潤滑剤を、PCS Instrumentsから入手できる高周波往復動リグ(HFRR)を使用して摩耗について評価する。評価のためのHFRR条件は、荷重100g、所要時間60分、ストローク1000マイクロメートル、周波数20ヘルツであり、100℃の温度で等温状態(isothermal regime)で実行する。得られた摩耗結果を次の表に提示する:
【0165】
【表6】
上の結果は、本発明の生成物がギア油に用いられたときに摩耗を低減できることを示している。
【0166】
上記の材料の一部は最終配合物中で相互作用することがあり、そのため最終配合物の成分が最初に添加したものと異なることがあることは公知である。本発明の潤滑剤組成物をその所期の用途で用いて形成される製品を含めて、それらによって形成される製品を簡単に説明することはできない。それにもかかわらず、すべてのかかる変更形態および反応生成物が本発明の範囲に含まれる;本発明は、上記の成分を混合することによって調製される潤滑剤組成物を包含する。
【0167】
本明細書において用いる場合、用語「アルカ(エン)イル」は、アルキルおよびアルケニルを含む。
【0168】
上で言及した各文献は、参照により本明細書に援用されている。実施例の場合または明確な指示がある場合を除き、材料、反応条件、分子量、炭素原子数およびこれらに類するものの量を指定する本明細書中のすべての数値量は、「約」という語によって修飾されていると解さなければならない。別の指示がない限り、本明細書中で言及する各化学物質または組成物は、商用グレード材料であって、該商用グレード中に存在すると一般に了解されている異性体、副生成物、誘導体および他のかかる材料を含有し得るものであると解釈すべきである。しかし、別の指示がない限り、商用材料中に慣例上存在し得る一切の溶剤または希釈油を除いて各化学成分の量を提示する。本明細書に示す量、範囲及び比率の上限および下限を独立して組み合わせることができることは理解されるはずである。同様に、本発明の各要素についての範囲および量を、他の任意の要素範囲または量と一緒に用いることができる。
【0169】
本明細書において用いる場合、用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」は、当業者に周知である、これらの用語の通常の意味で用いる。具体的には、これらの用語は、分子の残部に直接付いている炭素原子を有する基であって、主として炭化水素の性質を有する基を指す。ヒドロカルビル基の例としては、脂肪族、脂環式および芳香族置換基を含む、炭化水素置換基;置換炭化水素置換基、すなわち、本発明の状況下で該置換基の主となる炭化水素性を改変しない非炭化水素基を含有する置換基;およびヘテロ置換基、すなわち、同様に主として炭化水素の性質を有するが、環または鎖内に炭素以外のものを含有する置換基、が挙げられる。用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」のより詳細な定義は、国際公開第2008/147704号の段落[0118]〜[0119]に記載されている。
【0170】
本発明をその好ましい実施形態に関連して説明したが、本明細書を読むと当業者には本発明の様々な変更形態が明らかになるだろう。したがって、本明細書に開示する本発明を、添付の特許請求の範囲の中に入るかかる変更形態を包含することを意図したものであると解さなければならない。