(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5919342
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】アンテナ支持部材
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
H01Q1/12 C
H01Q1/12 Z
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-163597(P2014-163597)
(22)【出願日】2014年8月11日
(65)【公開番号】特開2016-39595(P2016-39595A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2014年8月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】黒川 彰男
【審査官】
米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−085910(JP,U)
【文献】
実開昭63−125069(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを支持するアンテナ支持棒と、
前記アンテナ支持棒の下端に結合され、物体に踏み付けられることによって前記アンテナ支持棒を固定する固定板と、
前記アンテナ支持棒から前記物体の方向に突出し、前記物体に当接する当接部と
を備え、
前記当接部は、先端に、前記物体の側面に接触する側面接触部及び前記物体の上面に接触する上面接触部を含む先端部材を有する、アンテナ支持部材。
【請求項2】
アンテナを支持するアンテナ支持棒と、
前記アンテナ支持棒の下端に結合され、タイヤに踏み付けられることによって前記アンテナ支持棒を固定する固定板と、
前記アンテナ支持棒から前記タイヤの方向に突出し、前記タイヤに当接する当接部と
を備えるアンテナ支持部材。
【請求項3】
前記当接部は、前記アンテナ支持棒の上下方向に対して移動可能である、請求項1又は2に記載のアンテナ支持部材。
【請求項4】
前記アンテナ支持棒は、上下方向に伸縮可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ支持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ支持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
有線による公衆回線網や電話網を用いて回線を接続することが困難である地域に無線エントランス装置及びアンテナを配置して、当該アンテナと、当該アンテナに対向させたアンテナとの間に無線回線を構築することによって、当該地域における通信を実現できるようにする無線エントランスシステムが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2007−124474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
移動先に設置されたアンテナが風等により揺動してしまうことを防止できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、アンテナを支持するアンテナ支持棒と、アンテナ支持棒の下端に結合され、物体に踏み付けられることによってアンテナ支持棒を固定する固定板と、アンテナ支持棒から物体の方向に突出し、物体に当接する当接部とを備えるアンテナ支持部材が提供される。
【0005】
上記アンテナ支持部材において、当接部は、先端に、物体の側面に当接する側面当接部及び物体の上面に当接する上面当接部を含む先端部材を有してよい。上記アンテナ支持部材において、当接部は、アンテナ支持棒の上下方向に対して移動可能であってよい。上記アンテナ支持部材において、アンテナ支持棒は、上下方向に伸縮可能であってよい。上記アンテナ支持部材において、固定板は、タイヤに踏み付けられることによってアンテナ支持棒を固定してよく、当接部は、タイヤに当接してよい。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】アンテナ支持部材の外観の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態にかかるアンテナ支持部材100の外観の一例を概略的に示す。アンテナ支持部材100は、アンテナ支持棒110、固定板130及び当接部140を備える。固定板130は、アンテナ支持棒110の下端に結合されて、アンテナ支持棒110を固定する。アンテナ支持棒110は、上下方向に細長い形状を有し、アンテナを支持する。
【0010】
アンテナ支持棒110は、本体112、伸縮部114、マウント部116及び当接部保持部120を有する。本体112は、円柱形状を有する。なお、本体112は、長細い形状であれば、他の形状であってもよい。例えば、本体112は角柱形状を有してもよい。本体112の上端に伸縮部114及びマウント部116が配置される。
【0011】
マウント部116には、アンテナがマウントされる。マウント部116は、アンテナを回転可能に支持してよい。マウント部116は、アンテナを水平方向に回転可能に保持してよい。また、マウント部116は、アンテナを垂直方向に回転可能に保持してよい。
【0012】
伸縮部114は、上下方向に伸縮する。伸縮部114は、アンテナ支持棒110とマウント部116との間に配置され、伸縮部114が伸縮することによって、マウント部116にマウントされたアンテナが上下方向に移動する。
【0013】
なお、ここでは、アンテナ支持棒110が伸縮部114を有する場合を例に挙げて説明したが、アンテナ支持棒110は伸縮部114を有さなくてもよい。すなわち、本体112の上端に直接マウント部116が配置されてもよい。
【0014】
固定板130は、アンテナ支持棒110の下端に結合され、物体に踏み付けられることによってアンテナ支持棒110を固定する。固定板130は、
図1に示すように、アンテナ支持棒110を支持する骨組み及び物体に踏み付けられる部位のみを有してよい。これにより、固定板130が穴のない板形状を有する場合に比べて、固定板130を軽量化することができ、固定板130の持ち運びを容易にすることができる。なお、固定板130は他の形状を有してもよい。例えば、固定板130は、穴のない板形状を有してもよい。
【0015】
当接部140は、当接部保持部120によって保持される。当接部保持部120は、本体112を取り囲む輪形状を有してよい。当接部保持部120は、本体112に対して上下方向に移動可能であってもよい。
【0016】
当接部140は、アンテナ支持棒110から固定板130を踏み付ける物体の方向に突出し、固定板130を踏み付ける物体に当接する。当接部140は、細長い形状を有してよい。当接部140は、アンテナ支持棒110側の一点を中心に、アンテナ支持棒110の上下方向に回転する構造を有してよい。
【0017】
当接部140は、先端部材142を有する。先端部材142は、当接部140の先端に配置される。先端部材142は、側面接触部144及び上面接触部146を含む。側面接触部144は、固定板130を踏み付ける物体の側面に接触する。上面接触部146は、固定板130を踏み付ける物体の上面に接触する。
【0018】
図2は、アンテナ支持部材100の使用例を概略的に示す。ここでは、アンテナ180を支持するアンテナ支持部材100が、車両200の近傍に配置された場合を例に挙げて説明する。
図2に示すように、固定板130は車両200のタイヤ204に踏み付けられてよい。
【0019】
固定板130がタイヤ204に踏み付けられることによって、アンテナ支持棒110が固定される。しかし、例えば、風などによってアンテナ支持部材100から車両200の方向への力がアンテナ180に加わると、固定板130の一部が浮き上がってしまい、アンテナ180を安定して支持できない場合がある。また、風などによってアンテナ180に力が加わることにより、本体112がしなることによって、アンテナ180を安定して支持できない場合もある。例えば、アンテナ支持部材100が指示するアンテナ180が、無線エントランスシステムに用いられる場合、アンテナ180が揺動してしまうことによって、アンテナ180に対向するアンテナとアンテナ180との間の通信品質が低下してしまう場合もある。
【0020】
そこで、本実施形態に係るアンテナ支持部材100は、固定板130を踏み付けている物体に当接する当接部140を備える。当接部140が、固定板130を踏み付けているタイヤ204に当接することによって、固定板130の一部が浮き上がることを防止でき、アンテナ180を安定させることができる。また、当接部140が、固定板130を踏み付けているタイヤ204に当接することによって、本体112がしなることによるアンテナ180の揺動を抑えることができる。
【0021】
ここで、当接部140は、先端部材142をタイヤ204に押し付ける構造を有してもよい。当接部140は、機械構造及び弾性力の少なくとも何れかによって先端部材142をタイヤ204に押し付けてよい。
【0022】
例えば、当接部140は、少なくとも一端にネジ構造を有する。そして、ネジ構造によって、当接部140は、先端部材142をタイヤ204に押し付けてよい。また、当接部140は、バネ構造を有することによって、先端部材142をタイヤ204に押し付けてよい。
【0023】
先端部材142の側面接触部144は、タイヤ204の側面に接触する。また、先端部材142の上面接触部146は、タイヤ204の上面に接触する。上面接触部146がタイヤ204の上面に接触することにより、重力等によって当接部140のタイヤ204に対する当接が解除されて、当接部140が下方向に外れてしまうことを防止できる。なお、ここでは、先端部材142が上面接触部146を含む場合を例に挙げて説明したが、先端部材142は、上面接触部146を含まなくてもよい。
【0024】
上述したように、アンテナ支持部材100は、車両200のタイヤ204に踏み付けられる固定板130と、当該タイヤ204に当接する当接部140とを備えてよい。これにより、アンテナ支持部材100を運搬する車両200によって、アンテナ支持部材100の安定的な固定をも行うことができ、別途アンテナ支持部材100を固定する物体を運搬したり、アンテナ支持部材100を固定する物体を探したりする手間を省くことができる。
【0025】
なお、ここでは、当接部140がタイヤ204に当接する場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。当接部140は、車体202に当接してもよい。ただし、車体202とタイヤ204とは相対的に移動してしまう場合があるので、固定板130を踏み付けるタイヤ204に当接部140を当接させる方が、車体202に当接させるよりも、アンテナ支持部材100を安定させることができる場合がある。このように、当接部140は、固定板130を踏み付ける物体のうち、固定板130を踏み付けている部位に対して相対移動しない部位に当接することが望ましい場合がある。
【0026】
また、ここでは、固定板130を踏み付ける物体が、車両200又はタイヤ204である場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。固定板130は、車両200又はタイヤ204以外の物体に踏み付けられてもよい。
【0027】
図3は、当接部保持部120の外観の一例を概略的に示す。当接部保持部120は、保持板122、ネジ部124及び回転部126を含む。
【0028】
ネジ部124は、保持板122に備え付けられ、当接部140が有するナット部148と嵌合する。ネジ部124及びナット部148によって、アンテナ支持棒110から固定板130を踏み付ける物体への方向に、当接部140を移動させることができる。これにより、先端部材142を物体に押し付けることができる。
【0029】
回転部126は、アンテナ支持棒110の上下方向に回転可能に保持板122を支持する。これにより、例えば、アンテナ支持部材100を移動させるときに当接部140を下方向に回転させた収納状態にし、アンテナ支持部材100を使用するときに当接部140を上方向に回転させて、タイヤ204等の物体に当接させることができる。
【0030】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0031】
100 アンテナ支持部材、110 アンテナ支持棒、112 本体、114 伸縮部、116 マウント部、120 当接部保持部、122 保持板、124 ネジ部、126 回転部、130 固定板、140 当接部、142 先端部材、144 側面接触部、146 上面接触部、148 ナット部、180 アンテナ、200 車両、202 車体、204 タイヤ