(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、図面に従い本発明の実施例について説明する。なお、実施例は発明の理解のためのものであり、発明の保護の範囲は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載のもの及びこれと等価なものにも本発明の保護は及ぶ。
【0033】
[アンケートシステムの構成]
本発明に従うアンケートシステムは、物理空間に集う複数の参加者あるいは出席者(アンケートに回答する者であって、以降回答者と称する)が、講演者、教員あるいは主催者等(アンケートを作成し、又アンケート回答を集計閲覧する者であって、以降出題者と称する)により提示されたアンケートに対して、ウェブブラウザ等のプログラムを用いてアンケート回答を行うこと可能とするシステムである。
【0034】
アンケートの目的は種々であるが、講演、講義内容について、回答者がどれだけの興味関心を持ち、あるいは理解度を有しているかを探るためであり、又同時に多くの回答者がいる場合、出席者数を容易に把握することも目的とすることができる。
【0035】
図1は、本発明に従うアンケートシステムの構成例を示す概略図である。かかるアンケートシステムの構成として、
図1に示す様に、出題者によりアンケートを出題するための端末である出題端末1、回答者によりアンケートに回答するための端末である回答端末2、及びアンケートサーバ3がインターネット等のネットワークNWを介して接続される。なお、出題端末1、及び回答端末2は、共に、回答フォーム等を表示するためにディスプレイ画面を有する。
【0036】
ここで、出題端末1として、インターネット接続機能を有するパーソナルコンピュータ(PC)を使用できる。また、回答端末2は、電話機能、インターネット接続機能及びデータの作成編集が可能なPC機能を併せ持つインテリジェント端末である、一例としてスマートフォンが使用できる。
【0037】
前記回答端末2は、一カ所の教室、講演会場、あるいは劇場等の共通の物理空間に集う複数の回答者の有するそれぞれの回答端末を意味し、更に例えば、サテライト授業の様に、それぞれ遠隔に離間して配置される複数の物理空間に居る回答者の回答端末をも意味する。そして、本発明において、これらの態様にある複数の回答端末を、物理空間に集う複数の端末と称する。
【0038】
さらに、アンケートサーバ3は、種々のデータベース3A〜3Cを備え、出題端末1及び回答端末2に対するデータサーバ機能を有する装置である。
【0039】
出題者及び回答者を対応する識別コードでそれぞれを識別可能にし、データベース3Aには、かかる識別コードと、対応する出題者及び回答者(即ち、物理空間に集う予定の複数の参加者あるいは出席者)を登録している。
【0040】
アンケート管理データベース3Bには、回答フォームとして規定の形式の定義済みアンケート回答フォーム(以降、単に定義済回答フォームという)、及び、出題者が自由な質問を記載できるアンケート回答フォーム(以降、自由質問回答フォームという)を有し、これら回答フォームが登録される。
【0041】
さらに回答者から送られたアンケートの回答データが回答者提出データ管理データベース3Cに登録される。
【0042】
回答端末2には、本発明に従うアンケートシステムによるアンケート処理を実現する制御プログラムがインストールされている。出題端末1は、ブラウザだけを用いて、サーバ3にアクセスし、回答フォームを作成し、アンケート回答を確認することができる。
【0043】
[アンケート処理の基本的な流れ]
図2は、本発明者らが、先に開発した従前のアンケートシステムにおけるアンケート処理の基本的な流れを示すフロー図である。かかる従前のアンケートシステムでは、出題端末1と回答端末2は、ブラウザだけを用いる。本発明の理解のために、かかる従前のアンケートシステムにおける処理の概略を先に説明する。
【0044】
なお、以下の実施例説明では、授業における教員から提示される回答フォームを例にするが、本発明の適用は、かかる授業におけるアンケートに限定されるものではない。
【0045】
出題者(教員)が、出題端末1を用いて回答フォームを作成する(ステップS1)。出題端末1は、実施例としてパーソナルコンピュータPCであって、出題者はウェブブラウザ等のプログラムにより作成作業を行う。
【0046】
出題者は、出題端末1からアンケートサーバ3にアクセスする。アンケートサーバ3は、出題者/回答者データベース3Aに登録されている出題者の識別IDにより、アクセスされた出題者の正当性を確認する。登録された出題者であれば、出題端末1とアンケートサーバ3間の接続リンクが確立する。
【0047】
出題端末1は、アンケートの回答フォームを作成し、アンケートサーバ3のアンケート管理データベース3Bに登録する(ステップS1)。この際、アンケートサーバ3によりアンケートを特定する「受付識別子」が付与される(ステップS2)。
【0048】
次に、出題者が、回答者(学生)のいる教室において、回答者に対してアンケートの回答に必要な情報として、先にアンケートサーバ3により付与された受付識別子、及び必要によりアンケート回答フォームを取得するため又は、回答データの返送のためのアクセス先(URL[Uniform Resource Locator])を伝える(ステップS3)。なお、回答の送信のためのアクセス先(URL[Uniform Resource Locator])は、既に回答者に周知である場合は、改めて伝えることは不要である。
【0049】
ここでは、出題者と回答者が、共通の物理空間(教室)にいる場合は、口頭により、板書により、あるいは、サテライト教室等の遠隔に離間した地にいる場合等は、通信を通して該当する物理空間内のディスプレイ等に表示等して、前記のアンケートの回答に必要な情報を出題者から回答者に伝えることが可能である。
【0050】
回答者は、回答端末2にインストールされているウェブブラウザ等のプログラムを立ち上げ、出題者から伝えられたURLを用いて回答用のページにアクセスする(ステップS4)。これは、先に説明したアンケートサーバ3からアンケート情報を取得するために、回答端末2とアンケートサーバ3間の[重要な通信A]である。すなわち、ステップS4を実行するには、回答端末2とアンケートサーバ3間を繋ぐ通信接続[重要な通信A]が必須である。
【0051】
ここで、アンケート情報は、回答フォームとこれに付随する情報を有して構成される。回答フォームは、先に説明したように、定義済回答フォームと、自由質問回答フォームに区別され、かかる回答フォームに付随する情報は、出題者の情報(氏名)、アンケート作成日等であり、SNS等のグループウェア上のアンケートであればユーザ情報などをシステムが付与しても良い。
【0052】
回答端末2による出題者より知らされたURLによりアンケートサーバ3との通信の試みにおいて、通信接続[重要な通信A]に失敗すると、通信失敗の画面が回答端末2に表示される。
【0053】
一方、回答者2とアンケートサーバ3とが通信可能の環境であれば、回答者は、ユーザ識別情報(ユーザIDとパスワード)と、出題者から先に告知された受付識別子を入力して送信する。アンケートサーバ3は出題者/回答者識別データベース3Aに登録されている回答者の識別IDによりアクセスされた回答者の正当性を確認する。なお、かかる正当性の確認を省略して、データベース3Aに登録されていない人の提出(匿名の提出)を可能とする場合もある。
【0054】
出題者/回答者識別データベース3Aに登録された正当な回答者であれば、アンケートサーバ3から回答端末2に、先に出題者によりアンケート管理データベース3Bに登録されている、前記受付識別子で特定される回答フォームと、付随情報を含むアンケート情報が送られる。
【0055】
アンケートサーバ3から送られる回答フォームと付随情報を回答端末2に表示し、回答者は、前記回答フォームで回答を作成する(ステップS5)。
【0056】
次いで、回答者は、作成したアンケートの回答データをアンケートサーバ3に送る(ステップS6)。かかるアンケートサーバ3へのアンケートの回答の送信処理は、先に説明したアンケートサーバ3側にアンケートの回答を送信するための[重要な通信B]である。
【0057】
すなわち、ここでも回答端末2とアンケートサーバ3間の通信接続[重要な通信B]が必須である。アンケートサーバ3側へのアンケート回答の送信が成功すると、提出完了画面が回答端末2に表示される。
【0058】
一方、この通信接続[重要な通信B]に失敗すると、先の[重要な通信A]におけると同様に、通信失敗の画面が回答端末2に表示される。
【0059】
ここで、
図2において、ステップS6の[重要な通信B]により、回答端末2からアンケートサーバ3へのアンケートの回答送信が完了した時点のアンケートサーバ3の時刻が、「受信完了日時」となる。
【0060】
出題者は、出題端末1からアンケートサーバ3にアクセスしてアンケート受付を締切る処理を行わせる(ステップS7)。このアンケート受付の締切り時刻は、授業時間内、あるいは授業終了後であっても良い。
【0061】
アンケート受付を締切り処理後、出題者は、出題端末1からアンケートサーバ3にアクセスして、回答者提出データ管理データベース3Cに登録されている回答データを閲覧する(ステップS8)。
【0062】
この際、出題者は、出題端末1に回答データをダウンロードして、閲覧することが可能である。また、出題者は、アンケート受付を締切り処理前に、回答者提出データ管理データベース3Cに登録されている回答データを閲覧できる様にしても良い。
【0063】
ここで、回答データの内、特に「受信完了日時」に着目する。この「受信完了日時」は、アンケートサーバ3が、各回答者の回答データを受信した日時である。受信完了日時は、ステップS3で、教員から回答に必要なアンケート情報を口頭又は板書で学生に伝えた時間以降に成っているはずである。
【0064】
さらに、授業中に送信を促したのであれば、各学生の送信に対する「受信完了日時」は、授業時間内に収まっていることになる。
【0065】
この様に、アンケート回答が、出席確認を兼ねている場合、出題者(教員)と回答者(学生)が、同じ時間(授業時間)と同じ物理空間(教室:サテライト教室を含む)を共有するという特徴がある。すなわち、この制約の中で、ステップS3で回答に必要な情報を回答者に伝えることで、同じ時間と空間にいないと回答ができないという状況を形成する。
【0066】
上記に説明したように従前のアンケートシステムの処理フロー中で、ステップS2及びステップS6(
図2)において、それぞれ[重要な通信A],及び[重要な通信B]として、回答端末2がアンケートサーバ3にアクセス可能でなければいけない。
【0067】
しかし、コンサート会場等あるいは、地下の講義室等では、外部の通信が通信圏外とされ、又、多数の参加者、出席者が同じ物理空間を共有する場合は、無線リソースが不足し、良好な通信が行えないという状態になる。
【0068】
かかる場合は、上記の処理フローにおいて、回答者は、[重要な通信A]により出題者からの回答に必要な情報を取得できないことになる(ステップS2)。さらに、回答者は、[重要な通信B]により作成したアンケート回答データをアンケートサーバ3に送信することができなくなる(ステップS5)。
【0069】
したがって、本発明は、かかる[重要な通信A],及び[重要な通信B]が、確保できない場合にどのように対処するかに特徴を有している。
【0070】
以下に、かかる本発明の特徴について詳細に説明する。
【0071】
図3A,
図3Bは、本発明に従うアンケートシステムにおけるアンケート処理の流れ(その1,その2)を示すフロー図である。
【0072】
図3Aにおいて、先ず出題者は、アンケートの一例である出席カードの作成を行う(ステップS01:
図3A)。
図4Aは、出題端末1に表示されるアンケートの一例である出席カードの発行画面の例である。この出席カードの発行画面は、出題端末1が、アンケーサーバ3にアクセスして、アンケート管理サーバ3Bから取得する。あるいは、アンケートシステムの立ち上げの際に、出題端末1に登録しておくことでも良い。
【0073】
出席カードの発行画面には、選択項目として、i)出席のみ実施するか、ii)出席時にクエスチョン(定義済みの選択問題と自由記入問題)も実施するか、iii)出席時にアンケート(自由に設定可能な問題)も実施するかの選択ボタンがある。上記選択項目i)及びii)に対しては、定義済回答フォームが使用され、選択項目iii)に対しては、自由質問回答フォームが使用される。
【0074】
以下に、それぞれの項目選択に対応して本発明に従うアンケートシステムの処理の流れを説明する。
【0075】
[i)出席のみ実施する]
図4Aは、出席カード発行画面であって、出席確認のみを行うために、「i )出席のみ実施する」の項目が選択されている状態を示している。
図4Aにおいて、「発行する」のボタン10を指定すると、アンケートサーバ3により
図4Bに示すように受付識別子が付与される。付与された受付識別子としての受付番号11を表示して、出席カードが発行されたことが確認できる(ステップS02:
図3A)。この際、アンケートサーバ3のアンケート管理サーバ3Bに、受付番号11に対応して、回答フォームが登録される。
【0076】
受付識別子は、数字、文字、記号、若しくはそれらを組併せて構成される。
図4Bに示す例では、受付識別子として数字のみで構成される受付番号11である。以下の説明において、かかる受付識別子は、実施例として数字のみで構成される「受付番号」として表示する。
【0077】
[事前配信]
ここで、回答を求めるアンケートを区別するために、アンケートを識別する受付番号を用いてアンケート情報の事前配信を行う(ステップS03:
図3A)。 すなわち、出題者が事前に作成した回答フォームとそれに付随する情報を有するアンケート情報を、付与した「受付番号」と対応づけてアンケートサーバ3のアンケート管理データベース3Bに登録する。
【0078】
回答フォームは、先に説明したように、形式が定義された定義済み回答フォームと、出題者が、自由に質問を作成できる自由質問回答フォームがある。
【0079】
さらに、これら回答フォームに付随する情報は、出題者が自分の意思で記入する場合もあれば、アンケートシステムが自動的に付与する場合もある。その内容は、例えば、出題者の情報(氏名)、アンケートの作成日などであり、SNSなどのグループウェア上のアンケートなら、ユーザ情報をシステムにより付与する場合がある。
【0080】
このアンケート管理データベース3Bに登録された回答フォームとそれに付随する情報は、回答者の回答端末2がアンケートサーバ3と通信可能な圏内にある時に、出題者/回答者識別データベース3Aに登録されている回答者の回答端末2に送信する。
【0081】
これにより、前記受付番号の通知より前に回答端末2のデータベース2Aに自動的にアンケート情報をダウンロードさせる。このダウンロードのタイミングは、回答者に知らせておく様にしても良い。かかる回答フォームとそれに付随する情報の事前の自動送信を「事前配信」と呼ぶ。
【0082】
回答者は、事前に受信して回答端末2のデータベース2Aに保持している回答フォームとそれに付随する情報を、前記の「受付番号」に対応して引き出して回答端末2のディスプレイ画面に表示することができる。
【0083】
すなわち、回答者はアンケートサーバ3との「重要な通信A」を実行することなく、「受付番号」を出題者から得ることにより回答端末2に回答フォームとそれに付随する情報を有するアンケート情報を表示することができる。
【0084】
かかる[事前配信]では、[重要な通信A]が不能な時であっても、事前の配信により、回答者は、回答フォームを得て、回答端末2にアンケート情報を表示することが可能である。この際、回答フォームの種類は問われない。すなわち、回答フォームを出題者が自由に作成した自由質問回答フォームであるか、複数種の定義された定義済回答フォームから選択されたフォームのいずれでもよい。
【0085】
ここで、出題者は、先に
図2において説明したように、出題者から回答者に受付番号とアンケートの回答に必要な情報を回答者に伝える(ステップS04:
図3A)。
【0086】
回答者は回答端末2に入力画面を表示する。この入力画面は、
図5Aに示す様であり、回答端末2にインストールされている制御プログラムにより形成し、表示される。
【0087】
入力画面には、0から9までの数字キー12と受付番号の入力表示欄13を有する。さらに、回答者2とアンケートサーバ3との通信可能の環境か否かの表示14が現れる。なお、入力画面には、回答者(回答端末)を特定する、パスワード、ID等の入力欄が示されていないが、前記制御プログラムのインストールの際に、回答端末2にインストールしておくことにより、入力を省略できるようにしている。
【0088】
この入力画面において、回答者は、出題者から先に告知された受付番号11を入力する(ステップS05:
図3A)。ついで、
図5Aの入力画面において送信ボタン12Aにより送信指示をして、「重要な通信A」を試行する(ステップS06:
図3A)。
【0089】
この時、回答者2とアンケートサーバ3とが通信可能であれば(ステップS07,Y:
図3A)、アンケートサーバ3からアンケート情報を受信して
図5Bに示すように回答フォームが回答端末2に表示される(ステップS08:
図3A)。
【0090】
図5Bの回答フォームでは、出題者により出席のみ実施する出席カードが選択されているので、回答者は、表示される前記回答フォームに付随する情報である、講座名、担当教員名、アイコン、曜日・時限を確認して提出ボタン15を指示して、「重要な通信B」を試行する(ステップS09:
図3B)。
【0091】
この時、回答端末2とアンケートサーバ3間を繋ぐ通信[重要な通信B]が可能(ステップS10、Y:
図3B)であれば、アンケート回答データがアンケートサーバ3に送られる(ステップS11:
図3B)。この重要な通信Bに成功すると、回答端末2に
図5Cに示すように提出完了の表示が行われ、アンケート回答の完了が確認できる(ステップS12:
図3B)。
【0092】
ここで、
図3Aに戻り、回答端末2とアンケートサーバ3とが通信不能(ステップS07,N:
図3A)である場合、入力画面は、
図6Aに示す様であり、通信可能の環境か否かの表示14は、通信不能の圏外を示している。
【0093】
したがって、回答端末2は、事前配信されたアンケート情報のデータがデータベース2Aにある場合(ステップS13,Y:
図3B)、事前配信データを読み出し回答フォームを表示する(ステップS14:
図3B)。事前配信データにより
図6Bに示す様に表示された回答フォームは、先の「重要な通信A」が可能な時の回答フォームの表示(
図5B)と同様である。
【0094】
したがって、回答者は、表示される講座名、担当教員名、アイコン、曜日・時限を確認して提出ボタン15を指示して、「重要な通信B」を試行する(ステップS09:
図3B)。
【0095】
この時、回答端末2とアンケートサーバ3間を繋ぐ通信[重要な通信B]が可能(ステップS10、Y:
図3B)であれば、以降の処理は、先に説明したステップS11,12の処理と同様である。
【0096】
また、データベース2Aに事前配信データが無い場合(ステップS13、N:
図3B)は、回答フォームが予め定義されたものであれば(ステップS15、Y:
図3B)、データベース2Aからこれを読み出し、回答端末2に表示する(ステップS16)。
図6Dが、表示された定義済み回答フォームの例であり、データベース2Aに事前登録されている。先の
図6Bの表示と比較すると、事前配信データが無く、付属情報(講座名、担当教員名、アイコン、曜日・時限)の表示17が無いことが判る。
【0097】
さらに、重要な通信Bが不能(ステップS09,N:
図3B)である場合は、
図6C,
図6Eに示す様に遅延提出の表示がなされる(ステップS18)。
【0098】
遅延提出の表示の欄には、「通信状況が悪かったため、カードを保存しました。24時間以内に通信状況が良いところで送信してください。」等のメッセージが付記される。
【0099】
かかる遅延提出については、本発明の特徴として、後に更に説明する。
【0100】
[ii)出席時にクエスチョン(定義済みの選択問題と自由記入問題)も実施する]
図7Aは、出席確認の時に規定の質問事項に対して回答を求めるために実行する「ii)出席時にクエスチョン(定義済みの選択問題と自由記入問題)も実施する」の項目が選択されている出席カード発行画面である。
【0101】
「発行する」のボタン20を指定すると、
図7Bに示す様に、アンケートサーバ3により受付識別子として受付番号21が付与され、出席カードが発行されたことが確認できる(ステップS02:
図3A)。
【0102】
この際、アンケートサーバ3のアンケート管理サーバ3に、受付番号21に対応して、回答フォームが登録される。受付番号21は、先の[i)出席のみ実施する]の項目選択の場合と異なり、従って異なる回答フォームを識別する。
【0103】
図8A〜
図8Cは、重要な通信Aが可能(ステップS07,Y)な時のそれぞれ入力画面(
図8A)、回答フォーム(
図8B)及び回答を作成した画面(
図8C)である。この回答フォーム(
図8B)には、質問文の記載がないが、これは教員が口頭で質問することを想定している。例えば、教員が口頭でする質問に対して「YESと思うなら1をNoなら2を選択して、その理由を書いてください」と口頭で指示するように使用される。
【0104】
入力画面(
図8A)は、入力された受付番号のみが異なり、先の[i)出席のみ実施する]の項目選択の時の入力画面と同様である。
【0105】
図8Bの回答フォームは、回答端末2がアンケートサーバ3と通信可能な時、入力された受付番号に対応してアンケートサーバ3のデータベース3Bから受信したものであり(ステップS08:
図3A)、1〜9,0の数字選択入力ボタン22Aと講座名、担当教員名、アイコン、曜日・時限の情報を有する付随情報23、更に自由記入欄22Bを有している。
【0106】
回答者は、重要な通信Bが可能であれば(ステップS10:
図3B)、
図8Cに示すように、例えば、教員が口頭でする質問に対する選択番号(例えば数字2)を入力し、また、同時に、自由記入欄22Bに文章を記入して回答を作成する。
【0107】
図8Dは、作成した回答の確認画面であり、提出ボタン25を指定して、アンケートサーバ3に回答データを送信する(ステップS11:
図3B)。ついで、アンケートサーバ3への送信が完了すれば、提出完了のメッセージが表示され(
図8E)、アンケートデータ送信の完了を確認する(ステップS12:
図3B)。
【0108】
図9A〜
図9Cは、重要な通信Aが不能(ステップS07,Y)な時のそれぞれ入力画面(
図9A)、回答フォーム(
図9B)及び回答を作成した画面(
図9C)である。
【0109】
入力画面(
図9A)では、入力画面(
図8A)と同様であるが、通信可能の環境か否かの表示14が通信不能である圏外を表示している。
【0110】
図9Bの回答フォームは、回答端末2がアンケートサーバ3と通信不能な時、事前配信がある場合(ステップS13,Y:
図3B)の回答フォームであり、回答端末2のデータベースに事前に配信され格納されている受信データに基づき作成表示される。
【0111】
回答者は、重要な通信Bが可能であれば(ステップS10:
図3B)、教員が口頭でする質問に対する選択番号(数字2)24を入力し、また、自由記入欄22Bに文章を記入して回答を作成する(
図9C)。
【0112】
図9Dは、作成した回答の確認画面であり、提出ボタン25を指定して、回答データをアンケートサーバ3に送信をする(ステップS11:
図3B)。ここで、重要な通信Bが不能であれば(ステップS10,N:
図3B)、
図9Eに示す様に、遅延提出の表示が成される(ステップS18:
図3B)。
【0113】
図10A、
図10Bは、重要な通信Aが不能(ステップS07,Y:
図3A)な時で、更に事前配信データがデータベース2Aにないときの事前登録された回答フォーム(
図10A)及び回答を作成した画面(
図10B)である。
【0114】
事前配信データがなく、回答フォームの表示領域23に付随情報(講座名、担当教員名、アイコン、曜日・時限)の表示がなく、現在時間のみが表示されている。かかる数字キー22を含むフォームは定義済フォームとして回答端末2のデータベース2Aに、例えば、制御プログラムを回答端末2にインストールする際に、併せてインストールされている。
【0115】
図10C、回答の確認画面であり、提出ボタン25を指定すると、重要な通信Bが不能(ステップS07,Y)であるので、
図10Dに示すように
図9Eと同様に遅延提出の表示が成される(ステップS18:
図3B)。
【0116】
[iii)出席時にアンケート(自由に設定可能な問題)も実施する]
図11は、出席確認の時に自由に設定可能な問題を作成してアンケートに対する回答を求めるために実行する「iii)出席時にアンケート(自由に設定可能な問題)も実施する」の項目が選択されている出題端末1に表示される出席カード発行画面である。
【0117】
「発行する」のボタン30を指定すると、
図12に示す様に、アンケート作成画面が表示される。アンケート作成画面には、複数の質問欄の作成が可能であり、
図12に示す例では、2つの質問作成欄31,32を作成して、出席カード発行ボタン33を指定する。これにより
図13に示す様に、アンケートサーバ3により受付識別子として受付番号34が付与され、出席カードが発行されたことが確認できる(ステップS02:
図3A)。
【0118】
この際、アンケートサーバ3のアンケート管理サーバ3Bに、受付番号34に対応して、回答フォームが登録される。受付番号34は、先の[i)出席のみ実施する]と[ii)出席時にクエスチョン(定義済みの選択問題と自由記入問題)も実施する]の項目選択の場合とそれぞれ異なり、従って異なる回答フォームを識別する。
【0120】
入力画面(
図14A)は、入力された受付番号のみが異なり、先の[i)出席のみ実施する]と[ii)出席時にクエスチョン(定義済みの選択問題と自由記入問題)も実施する]の項目選択の時の入力画面と同様である。
【0121】
図14Bの回答フォームは、回答端末2がアンケートサーバ3と通信可能な時、入力された受付番号に対応してアンケートサーバ3のデータベース3Bから受信したものであり(ステップS08:
図3A)、質問に対する回答記入欄35と講座名、担当教員名、アイコン、曜日・時限を有する付随情報36を有している。
【0122】
回答者は、重要な通信Bが可能であれば(ステップS10:
図3B)、質問に対する回答を記入する(
図14C)。
【0123】
図14Dは、作成した回答の確認画面であり、提出を指定して、アンケートサーバ3に回答データを送信する(ステップS11:
図3B)。ついで、アンケートサーバ3への送信が完了すれば、提出完了のメッセージが表示され(
図14E)、アンケート回答完了を確認する(ステップS12:
図3B)。
【0125】
入力画面(
図15A)では、重要な通信Aが可能な時の入力画面(
図14A)と同様であるが、通信可能の環境か否かの表示14が通信不能を表示している。
【0126】
図15Bの回答フォームは、回答端末2がアンケートサーバ3と通信不能な時、事前配信がある場合(ステップS13,Y:
図3B)の回答フォームであり、回答端末2のデータベース2に事前に配信され格納されている受信データに基づき作成表示される。
【0127】
図15Cは、回答フォームに回答を作成した状態である。
図15Dは、作成した回答フォーム(
図15C)の確認画面であり、アンケートサーバ3にアンケート回答データとして送信する(ステップS11:
図3B)。ここで、重要な通信Bが不能であれば(ステップS10,N:
図3B)、
図15Eに示す様に、遅延提出の表示が成される(ステップS18:
図3B)。
【0128】
[チェック機能]
ここで、上記実施例説明において、回答者が、[重要な通信A]において、アンケートサーバ3と通信を行える環境である場合は、出題者から知らされた「受付番号」を用いて、アンケートサーバ3にアクセスして、アンケート管理データベース3Bから最新に登録されたアンケート情報を取得することが可能である。
【0129】
すなわち、回答者は、回答端末2により「受付番号」を入力して、アンケートサーバ3に送信する。この際、送信した「受付番号」に対応したアンケートが存在しなかった場合は、アンケートサーバ3は、回答端末2にエラー通知を返す。
【0130】
しかし、このように対応したアンケートが存在しないと判断される場合として、実際は回答者による「受付番号」のキー入力ミスにより数字を打ち間違えてエラーとなる場合が多くある。また、[重要な通信A]において、アンケートサーバ3と通信を行えない環境である場合は、回答者が入力した受付番号が正しいものであるか(数字の打ち間違えをしていないか、あるいは対応するアンケート情報があるか)を確認できない。
【0131】
かかる不都合に鑑みて、受付識別子である受付番号にチェック用識別子としてチェックディジットを埋め込んでおく。チェックディジットは所定のアルゴリズムに従って付加される数値である。すなわち、番号自体に簡易なチェック機能を入れて正しく入力したかを判定する。かかるチェックの判定は、オフラインで行う。これにより、100%ではないが、打ち込まれた受付番号が正しいものである可能性が高くなる。
【0132】
数字以外の文字列を使った受付識別子を利用する場合にあっては、その態様に適した正当性検査方法、たとえばチェック用識別子としてチェックサムを利用することができる。
【0133】
上記いずれによる場合も、受付番号(あるいは数字以外の文字列を使った受付識別子)を入力する際にチェック用識別子を生成し、この生成されるチェック用識別子と前記受付番号(あるいは受付識別子)に埋め込まれているチェック用識別子により、入力される受付識別子の正当性をチェックすることが可能である。
【0134】
[重要な通信Aの試行]
なお、上記実施例説明において、事前配信されたアンケート情報が回答端末2のデータベース2Aに保存されている場合(ステップS13,Y:
図3B)であっても、あるいは アンケートが「定義済」だったとしても[重要な通信A]を試みることが望ましい。
【0135】
その理由は、出題者の意図により、事前配信した時点のアンケートは削除若しくは、回答フォームが変更されている場合があるからである。
【0136】
また、アンケートが予め定義された定義済回答フォームであった場合で、且つ事前配信されたアンケート情報がデータベース2Aになかった場合(ステップS13,N:
図3B)も、[付随する情報]を得るために、[重要な通信A]を試みることは、好ましい。
【0137】
[受付番号への埋込]
上記実施例における事前配信を行う方法ではなく、別の実施例方法として、複数の種類の定義済回答フォームを用意する。そして、出題者が前記複数の種類の定義済回答フォームから任意の一の種類の定義済回答フォームを選択するようにすることも可能である。
【0138】
すなわち、複数の種類の回答フォームのそれぞれに対して、回答フォームの種類を示す情報(定型1,定型2等のフォームの形式を示す情報)を識別子としての「受付番号」の一部に埋め込んでおく。そして、前記の複数の種類の定義済回答フォームを事前に、出題者/回答者識別データベース3Aに登録されている回答者の回答端末2のデータベース2Aに保存させておく。このデータベース2Aの保存は、本発明のアンケートシステムを実行するための制御プログラムのインストールの際に行っても良い。
【0139】
出題者は、
図3Aの処理フローのステップS02において、回答者に「受付番号」を通知する。これにより、回答者は、回答端末2のデータベース2Aに保存されている複数の種類の定義済回答フォームから通知された「受付番号」を有する回答フォームを読み出し回答端末2に表示することができる。
【0140】
かかる場合も、アンケートサーバ3にアクセスすることなしに、即ち、重要な通信Aを実行することなく、該当の回答フォームを回答端末2に表示することができる。
【0141】
例えば、汎用性を高めるために、
図16Aに示したような文言を含まない回答フォームや、
図16Bに示す様な使用頻度が高い回答フォームを予め定義しておけば、利便性は高い。
図16Aに示す回答フォームは、0〜9までの数字キー40による単一選択と、自由記入欄41を有し、質問文などの表示はない。
【0142】
図16Bは、感想を求めるだけのフォームであり汎用性が高い。出題者が、多く利用する定義済回答フォームを予め数種類用意しておくことができる。
【0143】
かかる
図16A,
図16Bに示す様な定義済回答フォームであっても、出題者と回答者が同じ場所(物理空間)にいる場合は、その場で口頭により伝えて補うことで、アンケートとしての有効性を高めることができる。
【0144】
また、前記回答端末において事前に配信されたアンケート情報がなく、且つ前記アンケートサーバとの通信が不能の時、
図16Bに示す様に定義済回答フォームとして自由に記入できるテキストエリアのみのフォームにより回答を作成する様にしても良い。
【0145】
なお、先に説明した回答アンケートに付随する情報として、アンケートの出題形式や設問などの情報までを予め「受付番号」に埋め込み、定義済回答フォームを区別するようにすることは、受付番号の桁数が大きくなり有利ではない。
【0146】
[遅延提出における対応]
ここで、先に説明したように、回答端末2とアンケートサーバ3間の無線接続が行われない環境では、回答端末2からアンケートサーバ3にアンケート回答を送るための[重要な通信B]を行うことができない。したがって、回答端末2には、遅延提出の表示と「通信状況が悪かったため、カードを保存しました。24時間以内に、通信状態が良いところで送信して下さい。」等のメッセージが表示される(
図6C等)。
【0147】
本発明はかかる点に関して、更に特徴として、かかる[重要な通信B]が不能な時の特有の対応に特徴を有する。
【0148】
すなわち本発明においては、回答端末2のデータベース2Aに作成した回答情報を保存しておき、[重要な通信B]が可能と成る環境が得られた時に、アンケートサーバ3に回答データを送信することで解決する。かかる処理自体は、既存のメール送信における「未送信」を通信可能な時に「送信」を行うことと同じである。
【0149】
しかし、アンケート回答の期限に遅れて送信する遅延提出をした場合は、出題端末1側で「回答に付随する情報」を正しく取得できないという新たな問題が発生する。これに対して、本発明により遅延提出で失われる情報の補完を行うことに特徴を有する。
【0150】
仮に、A君とB君という学生二人が、「出席を目的としたアンケート」を提出する場合を想定する。授業時間内の略同時刻(仮に12時)に提出したにも拘わらず、A君は通常提出(期限内に提出が完了している場合である)、B君は[重要な通信B]に失敗し、その5時間後に通信圏内の場所から遅延提出を行った。
【0151】
かかるケースにおいて、教員が、アンケート結果を見ると、アンケートサーバ3の受信日時は、A君に対しては12時であり、B君に対しては17時になる。アンケートサーバ3の受信日時だけでは、B君がA君と同じ時刻に提出したという情報は判らない。
【0152】
上記は、「出席を目的としたアンケート」であるが、これは締め切りを13時とするアンケートの場合においても同様の問題が発生する。B君は締め切り前に提出を試みているが、実際にアンケートサーバ3に置ける受信日時は、17時であり、かかる情報のみではアンケート提出締め切後に提出した扱いになってしまう。
【0153】
従って、本発明は、次の様な解決策を講じる。
【0154】
[ローカル提出時刻の送信]
回答端末2として大凡のスマートフォンは、時計機能を有している。
【0155】
最初に提出を試みた時刻を回答端末自身で取得し、それを回答情報に追加してアンケートサーバ3に送信する。先に示した例では、B君の場合は、12時という情報を送信する。この回答端末2が取得した時刻を「ローカル提出時刻」と呼ぶ。これにより、その時刻に送信をしようとしたことが記録となって送信される。
【0156】
[締め切り後の受付]
上記の[ローカル提出時刻の送信]と併せて付加される機能である。一般的なアンケートシステムでは、出題者が回答を締め切った後に受信した回答情報は、受付の対象としない。これに対し、本発明では、出題者が締め切った後でも一定期間は、遅延提出を受け付ける様にする。
【0157】
例えば、出題者が、13時に締め切った後に、ローカル提出時刻が13時よりも前の回答が、遅延提出により送信されてくる場合の受信時刻を遅延提出時刻と呼ぶ。
【0158】
なお、締め切り後の遅延提出を許容する場合であっても、無制限に受け付けるのではなく、アンケート集計を開始したい期日や、遅延提出が完了すると予想される範囲の時間で終了する様に一定期間を設定する。
【0159】
なお、遅延提出受付期間中に受信した回答が、締め切り時刻とローカル提出時刻が同じ、もしくは締め切り時刻よりもローカル提出時刻が後である場合であっても受信をするが、締め切り後に提出したことをアンケートサーバ3のデータベース3Cに保存する。反対に、締め切り時刻よりもローカル提出時刻が前である場合には重要な通信Bが可能でなかったとして、そのまま受信する。
【0160】
[ローカル提出時刻の正当性]
アンケートサーバ3と異なり、回答端末2は、時刻の変更機能を有することが一般であり、従って、ユーザにより端末時刻が任意に設定可能である。そのためにローカル時刻が正しいという保証がない。
【0161】
かかる不都合を解決するために、ローカル提出時刻を取得するタイミングで、GPS(Global Positioning System)情報の取得を試みる。GPS情報には、時刻情報が含まれており、ユーザが変更することができないので、この時刻とローカル提出時刻を比較することにより、該当の端末2の時計の正確性を保証できる。
【0162】
これは、回答端末2におけるアプリケーションプログラムによりチェックしても良いし、ローカル提出時刻とGPSより取得した時刻の両方をアンケートサーバ3に送って、出題者に判断させるようにしても良い。
【0163】
[時刻変更の検出]
回答端末2で起動中のアプリケーションが一定時間毎(例えば10秒毎)に時刻を取得する。そして、収集した時刻を例えば、以下のように順番にセットして保存する。
例)収集した時刻 [順番]
2014-08-11 18:00:10 [1]
2014-08-11 18:00:20 [2]
この手続きは、回答端末2においてアプリケーションが起動しているとき、常に時刻を収集し続け、アンケートサーバ3との通信が可能になった時に、収集した時刻情報をアンケートサーバ3に送信する。
【0164】
時計が操作されていなかったならば、[順番]に従って時刻をソートすれば、時刻が過去に遡ることはない。もし、遡っていた場合は、ユーザ即ち回答者が端末の時計を操作したと見なし、提出データを無効とする等の措置が考えられる。
【0165】
また、前記収集した時刻情報をアンケートサーバ3に送信することでは無く、回答端末2において、アプリケーションプログラムにより、判断して警告を発する様にすることも可能である。
【0166】
[「出席確認」を目的とした場合の追加機能]
次に、アンケートを「出席確認」を目的とした場合の追加機能について考察する。
【0167】
出席を目的としたアンケートの場合、回答者は、出題者から通知される受付番号を知らないとアンケート回答ができない。そのため、受付番号を知るためには、出題者と回答者が、同じ時間(=授業時間)に同じ物理空間(=教室)にいることが必要である。また、先に説明した、受信完了日時が重要になる。なぜなら、その時間は 出題者が受付番号を告知した時間から、出題者が受付を締め切るまでの間の時間となっているはずであり、そうなっていることが、回答者が出題者と同じ時間(=授業時間)を共有しているひとつの証明となるためである。
【0168】
受信完了日時が、遅延提出により正しく取得できない場合は、その代替がローカル時刻の提出である。これにより回答者が、同じ時間に出題者と同じ物理空間にいるか否かの判定が可能である。
【0169】
しかし、受付番号を知っていれば、何処でもアンケートの提出が可能であるので、他の手段で受付番号を漏洩することにより、本来出席していない者が、出席者として取り扱われてしまう可能性がある。
【0170】
したがって、回答端末2としてスマートフォンを使用する場合、これに搭載されているセンサー機能を使用してより正確に、同時間に同じ物理空間にいるという情報を収集することを検討する。
【0171】
上記の本来出席していない者が、出席者として取り扱われてしまうかかる不都合に対処する手段として次の様な態様が考えられる。
【0172】
[GPS]
GPSは、ネットワークとは無関係であるので、回答時刻と、その時刻のGPSデータを保持することにより、回答者同士がごく近い場所で回答したことを担保できる。
【0173】
[Wi-Fi]
回答端末2の周辺に飛んでいるWi-FiのSSIDを収集し、各提出者のSSIDの共通項を見つけ出すことにより、出題者と回答者が、近傍にいるか否かの検出が可能である。
【0174】
また、Wi-Fiアクセスポイントを建物・教室毎に異なるものにした上で、回答端末が接続中のWi-FiのSSIDとIPアドレスの組をアンケートサーバ3に送信することで、出題者と回答者が、近傍にいるか否かの検出が可能である。
【0175】
[ビーコン]
ビーコンを出題者が持ち、あるいは、出題する部屋の内部に適切に配置することで、ブルートゥースを介してビーコンデータを取り入れることで、共通の場所にいることを把握できる。
【0176】
[出題者へ開示する情報]
上記[GPS]、[Wi-Fi]、[ビーコン]のいずれか、若しくは全ての情報を取得した後に、出題者へ開示する情報は、「この提出者(回答者)は他の提出者と同じ場所にいた」か「いなかった」か、あるいは、「測定不可」であるかを伝える。
【0177】
例えば、教室ではなく、自宅から提出した場合は、GPS情報を送信すると、結果として回答者の自宅の場所が出題者に伝わってしまう。同じ場所にいたか否かのみを伝えることで、個人情報の開示を回避出来る。
【0178】
教室でアンケートを実施した場合、他の回答者と同じ場所にいたのならば;
・GPS情報をプロットすれば同じ地点に集中する。
・Wi-Fi情報は他のユーザと少なくとも一部が共通するものを取得している。
・ビーコン情報は他のユーザと少なくとも一部が共通するビーコンデータを取得している。
のいずれかであるはずである。
一又は、複数の物理空間にそれぞれ集う複数の端末に対して、アンケートを実行するアンケートシステムであって、アンケートを出題する出題端末と、前記物理空間に集う複数の端末であって、前記アンケートに回答する回答端末と、ネットワークを通して、前記出題端末と前記回答端末に接続し、前記出題端末により作成されるアンケート情報を前記回答端末に送信するアンケートサーバを有し、前記出題端末は、アンケート情報を作成し、前記アンケートサーバは、前記アンケート情報を特定する受付識別子を付与し、更に前記回答端末とアンケートサーバとが通信可能な圏内にある時に、前記受付識別子が前記回答端末に通知されるより事前に、前記アンケート情報を前記回答端末に配信する。通信環境が得られない場合であっても、回答端末においてアンケート質問内容の取得ができること、並びに回答端末からアンケートサーバへのアンケートの回答することを可能とする。