(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したメール配信装置からユーザ(より詳細には、ユーザのメールアドレス宛て)に配信される電子メールには、開封した(閲覧した)ユーザを販売サイト(商品の販売ページ等)まで誘導し、商品の購入を促すという商目的がある。そのため、メール配信装置からは、ある程度多くの電子メールがユーザに配信されることになる。
【0006】
しかしながら、あまりにも多くの電子メールをユーザに配信してしまうと、それらの開封をあきらめて放置してしまうユーザも多かった。また、ユーザの利用するメーラ等によっては、同じ配信元から大量に送られた電子メールをスパムメールと認定し、その配信元から送られた電子メールをスパムフォルダ等に移動させてしまうものもある。
【0007】
このように、ユーザに開封されない電子メールは、本来の商目的を達成できないだけでなく、ネットワーク資源を無駄に消費することにもなる。そのため、配信する電子メールの数を適切に制御することのできる技術の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、配信する電子メールの数を適切に制御することのできるメール配信装置、メール配信方法、記録媒体、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るメール配信装置は、
ユーザへの配信を依頼された電子メールを蓄積する蓄積部、
前記蓄積部に蓄積されている電子メールの中から、所定条件を満たす電子メールを取り出す取出部、
前記取り出された電子メールの宛先となるメールアドレスに対する直近の所定期間内における配信数もしくは配信データ量が、当該メールアドレスに応じて設定された上限値に達しているか否かを判別する判別部、
前記判別部によって前記配信数もしくは前記配信データ量が前記上限値に達していないと判別された場合に、前記取り出された電子メールをユーザに向けて配信する配信部、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、上記観点に係るメール配信装置において、
各ユーザについて、メールアドレスと、当該メールアドレスに対して前記所定期間内に行われた配信数もしくは配信データ量と、当該メールアドレスに対して前記所定期間内に許されている配信の上限値とが含まれるユーザ管理情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記判別部は、前記ユーザ管理情報に基づいて、前記取り出された電子メールの宛先となるメールアドレスについて、前記配信数もしくは前記配信データ量が前記上限値に達しているか否かを判別するようにしてもよい。
【0011】
また、上記観点に係るメール配信装置において、
前記配信部が配信した電子メールの開封率をユーザ毎にそれぞれ集計し、集計した当該各開封率に基づいて、前記ユーザ管理情報における前記上限値を増減させる更新部、
を更に備えてもよい。
【0012】
また、上記観点に係るメール配信装置において、
前記配信部が電子メールを配信する度に、前記ユーザ管理情報における前記配信数もしくは前記配信データ量を増加させる更新部、
を更に備えてもよい。
【0013】
また、上記観点に係るメール配信装置において、
前記蓄積部は、前記依頼された電子メールを、配信の有効期間を規定する期間情報と対応付けて蓄積し、
前記取出部は、前記期間情報に基づいて、現在が前記有効期間内である電子メールを取り出すようにしてもよい。
【0014】
また、上記観点に係るメール配信装置において、
前記判別部によって前記配信数もしくは前記配信データ量が前記上限値に達していると判別された場合であっても、前記所定期間に続く次の所定期間の始期が前記有効期間内であれば、前記取り出された電子メールを前記蓄積部に再登録する再登録部、
を更に備えてもよい。
【0015】
また、上記観点に係るメール配信装置において、
前記蓄積部は、前記依頼された電子メールを、配信の優先度を規定する優先情報と対応付けて蓄積し、
前記取出部は、前記優先情報に基づいて、優先度の高い順に電子メールを取り出すようにしてもよい。
【0016】
また、上記観点に係るメール配信装置において、
前記配信部が配信した電子メールに対して、当該電子メールの開封、当該開封された電子メールに含まれるリンク情報を経由した販売ページの閲覧、及び、当該閲覧された販売ページにおける商品の購入を含むユーザの行動を検出する検出部、
前記行動が検出されたユーザのメールアドレスを宛先とした電子メールに対応付けられた前記優先情報の優先度を高くする設定更新部、
を更に備えてもよい。
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るメール配信方法は、
ユーザへの配信を依頼された電子メールを蓄積する蓄積部を有するメール配信装置が実行するメール配信方法であって、
前記メール配信装置が、前記蓄積部に蓄積されている電子メールの中から、所定条件を満たす電子メールを取り出す取出ステップ、
前記メール配信装置が、前記取り出された電子メールの宛先となるメールアドレスに対する直近の所定期間内における配信数もしくは配信データ量が、当該メールアドレスに応じて設定された上限値に達しているか否かを判別する判別ステップ、
前記メール配信装置が、前記判別ステップによって前記配信数もしくは前記配信データ量が前記上限値に達していないと判別された場合に、前記取り出された電子メールをユーザに向けて配信する配信ステップ、
を備えることを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
ユーザへの配信を依頼された電子メールを蓄積する蓄積部を有するコンピュータを、
前記蓄積部に蓄積されている電子メールの中から、所定条件を満たす電子メールを取り出す取出部、
前記取り出された電子メールの宛先となるメールアドレスに対する直近の所定期間内における配信数もしくは配信データ量が、当該メールアドレスに応じて設定された上限値に達しているか否かを判別する判別部、
前記判別部によって前記配信数もしくは前記配信データ量が前記上限値に達していないと判別された場合に、前記取り出された電子メールをユーザに向けて配信する配信部、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録する。
【0019】
上記記録媒体は、非一時的な(non-transitory)記録媒体であってよく、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
ユーザへの配信を依頼された電子メールを蓄積する蓄積部を有するコンピュータを、
前記蓄積部に蓄積されている電子メールの中から、所定条件を満たす電子メールを取り出す取出部、
前記取り出された電子メールの宛先となるメールアドレスに対する直近の所定期間内における配信数もしくは配信データ量が、当該メールアドレスに応じて設定された上限値に達しているか否かを判別する判別部、
前記判別部によって前記配信数もしくは前記配信データ量が前記上限値に達していないと判別された場合に、前記取り出された電子メールをユーザに向けて配信する配信部、
として機能させることを特徴とする。
【0021】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、配信する電子メールの数を適切に制御することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態では、多くの店舗(仮想店舗)が集まって構成される販売サイト(ショッピングモールサイト等)に好適なメール配信装置を一例として説明する。このメール配信装置では、販売サイトの各店舗から配信が依頼された電子メール(メールマガジン等)を蓄積し、ユーザに配信する配信サービスを行っている。
また、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0025】
(全体構成)
本発明の実施形態に係るメール配信システム100は、
図1に示すように、メール配信装置200と各ユーザ端末300とがインターネット900を介して通信可能に接続されて構成される。
なお、各ユーザ端末300は、それぞれ、図示せぬISP(Internet Service Provider)を通じて、インターネット900に接続可能となっている。それらのISPには、メールサーバが含まれており、各ユーザには、メールアドレスが割り当てられている。そして、ISPのメールサーバは、ユーザのメールアドレス宛てに送られた電子メールを保存し、ユーザ端末300に供給可能となっている。
以下では、説明を容易にするために、このようなISPのメールサーバについては省略する。そして、メール配信装置200からユーザ端末300に、電子メールが配信されるものとして説明する。
【0026】
メール配信装置200は、例えば、サーバコンピュータ等からなり、配信が依頼された電子メールを蓄積し、適宜、ユーザ端末300に配信する。
例えば、メール配信装置200には、販売サイトの各店舗から、特売情報やお勧め情報等を含んだ電子メール(メールマガジン等)の配信が依頼される。そして、メール配信装置200は、依頼された電子メールを蓄積し、後述するように、ユーザへの配信数が上限値を超えないように、電子メールをユーザ端末300に配信する。
【0027】
ユーザ端末300は、例えば、パソコンやスマートフォン等からなり、ユーザに使用される。ユーザ端末300は、メール配信装置200から配信された電子メールを受信し、受信した電子メールをユーザが開封(閲覧)可能となっている。
また、ユーザ端末300は、ユーザが開封した電子メールに含まれるリンク情報をたどって、販売サイト(商品の販売ページ等)にアクセス可能となっている。
【0028】
(情報処理装置の概要構成)
本発明の実施形態に係るメール配信装置200、及び、ユーザ端末300が実現される典型的な情報処理装置400について説明する。
【0029】
情報処理装置400は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、NIC(Network Interface Card)404と、画像処理部405と、音声処理部406と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ407と、インターフェース408と、外部メモリ409と、コントローラ410と、モニタ411と、スピーカ412と、を備える。
【0030】
CPU 401は、情報処理装置400全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0031】
ROM 402には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、所定のプログラムをRAM 403に読み出してCPU 401による当該プログラムの実行が開始される。また、ROM 402には、情報処理装置400全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0032】
RAM 403は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0033】
NIC 404は、情報処理装置400をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 401との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)等により構成される。
【0034】
画像処理部405は、DVD−ROM等から読み出されたデータをCPU 401や画像処理部405が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部405が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、モニタ411に出力される。これにより、各種のページ表示が可能となる。
【0035】
音声処理部406は、DVD−ROM等から読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ412から出力させる。また、CPU 401の制御の下、情報処理装置400が行う処理の進行の中で発生させるべき音を生成し、これに対応した音声をスピーカ412から出力させる。
【0036】
DVD−ROMドライブ407に装着されるDVD−ROMには、例えば、実施形態に係るメール配信装置200等を実現するためのプログラムが記憶される。CPU 401の制御によって、DVD−ROMドライブ407は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 403等に一時的に記憶される。
【0037】
インターフェース408には、外部メモリ409、コントローラ410、モニタ411、及びスピーカ412が、着脱可能に接続される。
【0038】
外部メモリ409には、ユーザの個人情報に関するデータなどが書き換え可能に記憶される。
【0039】
コントローラ410は、情報処理装置400の各種の設定時などに行われる操作入力を受け付ける。情報処理装置400のユーザは、コントローラ410を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ409に記録することができる。
【0040】
モニタ411は、画像処理部405により出力されたデータを情報処理装置400のユーザに提示する。
【0041】
スピーカ412は、音声処理部406により出力された音声データを情報処理装置400のユーザに提示する。
【0042】
この他、情報処理装置400は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 402、RAM 403、外部メモリ409、DVD−ROMドライブ407に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0043】
以下、上記情報処理装置400において実現されるメール配信装置200の構成等について、
図3〜
図5を参照して説明する。情報処理装置400に電源が投入されると、本実施形態に係るメール配信装置200として機能させるそれぞれのプログラムが実行され、本実施形態に係るメール配信装置200が実現される。
ユーザ端末300も同様に情報処理装置400において実現される。なお、ユーザ端末300の構成については省略し、本実施形態において最も特徴的なメール配信装置200について、以下説明する。
【0044】
(メール配信装置の概要構成)
図3は、本実施形態に係るメール配信装置200の概要構成の一例を示すブロック図である。図示するように、メール配信装置200は、通信部210と、ユーザ管理情報記憶部220と、メール蓄積部230と、制御部240とを備える。
【0045】
通信部210は、インターネット900を介して、図示せぬ店舗端末(販売サイトの各店舗にて使用される端末)から送られる配信依頼情報を受信する。この配信依頼情報は、詳細は後述するが、電子メールの配信を依頼するための情報である。つまり、通信部210は、販売サイトの各店舗における店舗端末から送られる配信依頼情報をそれぞれ受信する。
また、通信部210は、制御部240(後述する配信部244)に制御され、ユーザ端末300に電子メールを配信する。
上述したNIC 404等が、このような通信部210として機能しうる。
【0046】
ユーザ管理情報記憶部220は、販売サイトのユーザを管理するための情報を記憶する。
具体的に、ユーザ管理情報記憶部220は、
図4に示すようなユーザ管理情報221を記憶する。このユーザ管理情報221には、一例として、ユーザID222、ユーザ名223、メールアドレス224、配信数225、及び、上限値226が含まれている。
【0047】
ユーザID222は、ユーザ端末300のユーザ(販売サイトを利用するユーザ)を識別するための識別情報である。また、ユーザ名223は、ユーザの氏名やニックネームを示している。
【0048】
メールアドレス224は、ユーザに対応する固有のアドレスであり、ユーザ端末300にて電子メールを受信できるアドレスを示している。
なお、
図4に示されるユーザ名223における「ユーザA」〜「ユーザC」のメールアドレス224は、説明のために定めた架空のメールアドレスである。
【0049】
配信数225は、ユーザのメールアドレス224に対して所定期間内に配信した電子メールの数を示している。なお、所定期間は、例えば、1ヶ月や1週間などの一定期間であり、メール配信システム100におけるユーザ数や通信環境などに応じて、適宜定められている。
この配信数225は、メールアドレス224宛てに電子メールが配信される度に、制御部240(後述する更新部246)によって、値が1ずつ加算される。なお、配信数225は、直近(現在)の所定期間内における数であり、次の所定期間(例えば、翌月や翌週など)に切り替わる際に、ゼロクリアされる。
なお、
図4のユーザ管理情報221では、配信数225によって配信した電子メールを管理しているが、他の情報によって、配信した電子メールを管理してもよい。例えば、配信数225の代わりに、配信頻度や配信データ量によって、配信した電子メールを管理してもよい。
【0050】
上限値226は、ユーザのメールアドレス224に対して所定期間内に許されている配信の上限(上限数)を示している。なお、所定期間は、上記と同様に、例えば、1ヶ月や1週間などの一定期間である。
この上限値226は、メールアドレス224(ユーザ)に応じて値が異なっている。例えば、メール配信システム100における上限値226の初期値は一定であるが、制御部240(後述する更新部246)によって、配信した電子メールの開封率に応じて値が増減されるようになっている。
なお、配信数225の代わりに、上述した配信頻度や配信データ量が管理される場合、上限値226は、その配信頻度や配信データ量の上限を定める値が設定される。
【0051】
また、ユーザ管理情報記憶部220には、これらの他にも、ユーザの性別、年齢、住所、職業、及び、趣味などの属性情報も含まれている。これらの属性情報は、後述するように、電子メールの配信対象を選定する際などに使用される。
上述したRAM 403や外部メモリ409等が、このようなユーザ管理情報記憶部220として機能しうる。
【0052】
図3に戻って、メール蓄積部230は、ユーザへの配信を依頼された電子メールを蓄積する。例えば、メール蓄積部230は、制御部240(後述する登録部241)によって登録された電子メールを蓄積する。
より詳細にメール蓄積部230は、依頼された電子メールを、配信の有効期間を規定する期間情報と対応付けて蓄積する。具体的に、メール蓄積部230には、電子メールと共に、
図5に示すような設定情報231が蓄積される。この設定情報231には、一例として、メールID232、及び、有効期間233が含まれている。
【0053】
メールID232は、メールを識別するための識別情報である。このメールID232は、対応付けられた電子メールにおけるメール蓄積部230内の保存場所等も示している。
【0054】
有効期間233は、電子メールを配信すべき期間(始期と終期)を示す期間情報である。この有効期間233は、制御部240(後述する取出部242)によって参照され、現在(取り出し時点)がこの有効期間233内である電子メールだけが、メール蓄積部230から取り出されるようになっている。
【0055】
図3に戻って、制御部240は、メール配信装置200全体を制御する。この制御部240は、登録部241、取出部242、判別部243、配信部244、再登録部245、及び、更新部246を含んでおり、電子メールをユーザ端末300に適宜配信する。
【0056】
登録部241は、通信部210が図示せぬ店舗端末(販売サイトにおける各店舗の端末)から送られた配信依頼情報(配信を依頼するための情報)を受信すると、受信した配信依頼情報に基づいて電子メールを生成して、メール蓄積部230に登録する。
配信依頼情報には、メール本文となる文章等の他に、例えば、「女性」、「30代」、「ジャンル○○の以前の購入者」などのような配信対象の属性を指定する情報が含まれている。そのため、登録部241は、ユーザ管理情報記憶部220に記憶されているユーザ管理情報221から、指定された属性に合致するユーザを検索し、検索したユーザのメールアドレスを宛先とした電子メールを生成して、メール蓄積部230に登録する。
なお、配信依頼情報には、電子メールの配信を希望する期間(始期と終期)も含まれており、登録部241は、上述した
図5に示す設定情報231に有効期間233等をセットして、メール蓄積部230に登録する。
【0057】
取出部242は、メール蓄積部230に蓄積されている電子メールの中から、所定条件を満たす電子メールを取り出す。つまり、取出部242は、上述した
図5に示す設定情報231に基づいて、現在(取り出し時)が有効期間233の範囲内である電子メールを取り出す。
具体的に、現在が「2014/11/21」である場合、取出部242は、
図5に示す設定情報231の中で、メールID232が「DEF2345」と「EFG3456」の電子メールだけを取り出す。つまり、有効期間233が「2014/11/23-2014/11/28」であるメールID232が「CDE1234」の電子メールは、範囲外であるため、取り出されない。
取出部242は、このような電子メールの取り出しを、例えば、1日に数回(予め決められた配信時刻)に行う。一例として、配信時刻が、午前(AM10:00)と午後(PM5:00)に定められている場合に、取出部242は、それらの配信時刻に電子メールの取り出しを行う。そのため、配信時刻よりも前にメール蓄積部230に蓄積された電子メール(より詳細には、有効期間内の電子メール)が取り出し対象となる。
なお、配信時刻(配信回数やその時刻)は、任意である。また、曜日等に応じて、配信時刻を変更するようにしてもよい。
【0058】
判別部243は、取出部242によって取り出された電子メールの宛先となるメールアドレスに対する直近の所定期間内における配信数が、当該メールアドレスに設定された上限値に達しているか否かを判別する。
すなわち、判別部243は、上述した
図4に示すユーザ管理情報221のメールアドレス224の中から、電子メールの宛先と一致するユーザを特定し、そのユーザの配信数225及び上限値226を読み出す。そして、判別部243は、読み出した配信数225が上限値226に達しているか否かを判別する。
具体的に、
図4に示すユーザ管理情報221におけるユーザ名223の「ユーザA」が宛先の場合、判別部243は、配信数225の「63」が上限値226の「100」に達していないと判別する。一方、ユーザ管理情報221におけるユーザ名223の「ユーザC」が宛先の場合、判別部243は、配信数225の「40」が上限値226の「40」に達していると判別する。
なお、ユーザ管理情報221において、配信数225の代わりに、上述した配信頻度や配信データ量が管理される場合、判別部243は、配信頻度や配信データ量が上限値226(その場合、配信頻度や配信データ量の上限を定める値)に達しているか否かを判別する。
【0059】
配信部244は、判別部243によって配信数(配信数225)が上限値(上限値226)に達していないと判別された場合に、取出部242によって取り出された電子メールをユーザに向けて配信する。つまり、配信先となるメールアドレスに対する配信数が上限値未満であるため、配信部244は、通信部210を制御して、電子メールをユーザ端末300(配信先のユーザ端末300)に配信する。
なお、
図4に示すユーザ管理情報221において、配信数225の代わりに、上述した配信頻度や配信データ量が管理される場合、配信部244は、判別部243によって配信頻度や配信データ量が上限値226(その場合、配信頻度や配信データ量の上限を定める値)に達していないと判別された場合に、取出部242によって取り出された電子メールをユーザに向けて配信する。
【0060】
再登録部245は、判別部243によって配信数(配信数225)が上限値(上限値226)に達していると判別された場合であっても、次の所定期間の始期が電子メールの有効期間内であれば、その電子メールをメール蓄積部230に再登録する。
具体的に、所定期間が1週間であり、現在の所定期間が「2014/11/16-2014/11/22」である場合を一例として説明すると、次の所定期間は「2014/11/23-2014/11/29」であり、その始期は「2014/11/23」となる。
この場合において、配信数が上限値に達していると判別された電子メールが、上述した
図5に示す設定情報231におけるメールID232が「EFG3456」に対応付けられていれば、次の所定期間の始期である「2014/11/23」が、有効期間233である「2014/11/21-2014/11/30」の範囲内であるため、再登録部245は、その電子メールをメール蓄積部230に再登録する。
一方、配信数が上限値に達していると判別された電子メールが、設定情報231におけるメールID232が「DEF2345」に対応付けられていれば、次の所定期間の始期である「2014/11/23」が、有効期間233である「2014/11/16-2014/11/22」の範囲外であるため、再登録部245は、その電子メールを破棄する。
【0061】
更新部246は、配信部244が電子メールを配信する度に、上述した
図4に示すユーザ管理情報221における配信数225(配信先のユーザの配信数225)の値を増加させる(1つずつ増加させる)。
なお、ユーザ管理情報221において、配信数225の代わりに、上述した配信頻度や配信データ量が管理される場合、更新部246は、その配信頻度や配信データ量の値を増加させる。
また、更新部246は、例えば、所定期間の変わり目(一例として、翌月や翌週の初め等)に、配信部244が配信した電子メールの開封率をユーザ毎にそれぞれ集計し、集計したこの各開封率に基づいて、ユーザ管理情報221における上限値226を増減させる。具体的に更新部246は、電子メールの開封率が基準値よりも高いユーザの上限値226を増加させ、また、開封率が基準値よりも低いユーザの上限値226を減少させる。
なお、電子メールが開封されたか否かは、例えば、電子メールがHTMLメールの場合に、電子メールにリンクされた固有のオブジェクト(電子メール毎に異なるリンク先の画像データ等)へのアクセスの有無から判別されるようになっている。なお、他の手法によって、電子メールが開封されたか否かを判別してもよい。
【0062】
制御部240は、これらの他にも、電子メールを開封した(閲覧した)ユーザの行動内容等も収集する。例えば、開封した電子メールには、ユーザを販売サイト(商品の販売ページ等)まで誘導するリンク等も含まれており、ユーザによってそのようなリンクが選択(クリック等)された場合に、制御部240は、ユーザが誘導先の販売サイトを閲覧した旨の行動内容を収集する。また、販売サイトからの販売実績情報等を受けて、制御部240は、ユーザが誘導先の販売サイトにて商品を購入した旨の行動内容を収集する。
上述したCPU 401等が、このような構成からなる制御部240として機能しうる。
【0063】
(メール配信装置の動作)
以下、このような構成のメール配信装置200の動作について
図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係るメール配信処理の流れを示すフローチャートである。
このメール配信処理は、制御部240によって実行される処理であり、例えば、予め決められた配信時刻になる度に開始される。なお、メール蓄積部230には、ユーザへの配信を依頼された電子メールが既に蓄積されているものとする。
【0064】
まず、制御部240は、メール蓄積部230から電子メールを取り出す(ステップS11)。
すなわち、取出部242は、メール蓄積部230に蓄積されている電子メールの中から、所定条件を満たす電子メールを取り出す。具体的に取出部242は、上述した
図5に示す設定情報231に基づいて、現在(取り出し時)が有効期間233の範囲内である電子メールを全て取り出す。
【0065】
制御部240は、取り出したn番目の電子メールの宛先ユーザを特定し、宛先ユーザについての配信数及び上限値を取得する(ステップS12)。
すなわち、判別部243は、上述した
図4に示すユーザ管理情報221のメールアドレス224の中から、n番目の電子メールの宛先と一致するユーザを特定し、そのユーザの配信数225及び上限値226を読み出す。
【0066】
制御部240は、配信数が上限値に達しているか否かを判別する(ステップS13)。
すなわち、判別部243は、n番目の電子メールの宛先となるユーザの配信数225が上限値226に達しているか否かを判別する。
制御部240は、配信数が上限値に達していると判別すると(ステップS13;Yes)、後述するステップS16に処理を進める。
【0067】
一方、配信数が上限値に達していないと判別した場合(ステップS13;No)に、制御部240は、n番目の電子メールを配信する(ステップS14)。
すなわち、配信先となるメールアドレスに対する配信数が上限値未満であるため、配信部244は、通信部210を制御して、n番目の電子メールをユーザ端末300(配信先のユーザ端末300)に配信する。
【0068】
制御部240は、配信数を更新する(ステップS15)。
すなわち、更新部246は、上述した
図4に示すユーザ管理情報221における配信数225(配信先のユーザの配信数225)の値を1つ増加させる。
【0069】
上述したステップS13にて、配信数が上限値に達していると判別した場合に、制御部240は、後に配信できる可能性があれば、n番目の電子メールを再登録する(ステップS16)。
すなわち、再登録部245は、判別部243によって配信数(配信数225)が上限値(上限値226)に達していると判別された場合であっても、次の所定期間の始期がn番目の電子メールの有効期間内であれば、その電子メールをメール蓄積部230に再登録する。一方、次の所定期間の始期がn番目の電子メールの有効期間外であれば、再登録部245は、その電子メールを破棄する。
【0070】
制御部240は、メール蓄積部230から取り出した全ての電子メールについて処理が完了したか否かを判別する(ステップS17)。
制御部240は、全ての電子メールについて処理が完了していないと判別すると(ステップS17;No)、上述したステップS12に処理を戻す。
一方、全ての電子メールについて処理が完了したと判別すると(ステップS17;Yes)、制御部240は、メール配信処理を終える。
【0071】
このようなメール配信処理によって、ユーザ(メールアドレス)への配信数が上限値に達している場合には、そのユーザへの電子メールの配信を行わない。なお、配信された電子メールの開封率に基づいて、ユーザ毎に上限値が設定(更新)されているため、配信された電子メールの開封率の高いユーザに対しては、より多くの電子メールが配信され、逆に、開封率の低いユーザに対しては、より少なめの電子メールが配信されることになる。
この結果、配信する電子メールの数を適切に制御することができる。
【0072】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、取出部242が、有効期間内の電子メールをメール蓄積部230から一様に取り出す場合について説明したが、メール蓄積部230から取り出す際に、所定の優先度が高い順に電子メールを取り出すようにしてもよい。
以下、優先度が高い順に電子メールを取り出すことを特徴とする他の実施形態について簡単に説明する。
【0073】
図7は、他の実施形態に係るメール配信装置500の概要構成の一例を示すブロック図である。図示するように、メール配信装置500は、通信部210と、ユーザ管理情報記憶部220と、メール蓄積部530と、制御部540とを備える。
なお、通信部210、及び、ユーザ管理情報記憶部220は、上述した
図3に示すメール配信装置200と同じ構成である。
【0074】
メール蓄積部530は、ユーザへの配信を依頼された電子メールを蓄積する。
より詳細にメール蓄積部530は、依頼された電子メールを、配信の優先度を規定する優先情報と対応付けて蓄積する。具体的に、メール蓄積部530には、電子メールと共に、
図8に示すような設定情報531が蓄積される。この設定情報531には、一例として、メールID232、有効期間233、メールアドレス534、及び、優先度535が含まれている。
なお、メールID232、及び、有効期間233は、上述した
図5に示す設定情報231と同じ構成である。
【0075】
メールアドレス534は、対応付けられた電子メールの宛先を示している。このメールアドレス534は、制御部540(後述する設定更新部548)によって、以下に説明する優先度535を更新する際に参照される。
【0076】
優先度535は、電子メールを配信すべき優先度を示す優先情報である。この優先度535は、制御部540(後述する取出部542)によって参照され、この優先度535の高い順に、メール蓄積部530から電子メールが取り出されるようになっている。
なお、
図8に示す設定情報531において、優先度535を「高」、「中」、「低」と示しているが、これらは説明を容易にするためであり、実際には、数値などで示されているものとする。
また、優先度535は、制御部540(後述する設定更新部548)によって、適宜更新される。
【0077】
図7に戻って、制御部540は、メール配信装置500全体を制御する。この制御部540は、登録部241、取出部542、判別部243、配信部244、再登録部245、更新部246、検出部547、及び、設定変更部548を含んでおり、電子メールをユーザ端末300に適宜配信する。
なお、登録部241、及び、判別部243〜更新部246は、上述した
図3に示す制御部240と同じ構成である。
【0078】
取出部542は、メール蓄積部530に蓄積されている電子メールの中から、所定条件を満たす電子メールを取り出す。つまり、取出部542は、上述した
図8に示す設定情報531に基づいて、優先度535の高い順に電子メールを取り出す。
具体的に取出部542は、設定情報531に基づいて、現在(取り出し時)が有効期間233内である電子メールを絞り込んだ後に、優先度535の高い順に電子メールを取り出す。
【0079】
検出部547は、配信した電子メールに対して、電子メールの開封、開封された電子メールに含まれるリンク情報を経由した販売ページの閲覧、及び、閲覧された販売ページにおける商品の購入を含むユーザの行動を検出する。
【0080】
設定更新部548は、検出部547によって上記の行動が検出されたユーザのメールアドレスを特定し、上述した
図8に示す設定情報531内に特定したメールアドレスと合致するメールアドレス534があれば、対応する優先度535の値を高くする。
【0081】
このようなメール配信装置500では、メール蓄積部530から、優先度の高い順に電子メールを取り出す。そして、上述した
図6に示すメール配信処理と同様の処理によって、ユーザ(メールアドレス)への配信数が上限値に達している場合には、そのユーザへの電子メールの配信を行わない。なお、配信された電子メールの開封率に基づいて、ユーザ毎に上限値が設定(更新)されているため、配信された電子メールの開封率の高いユーザに対しては、より多くの電子メールが配信され、逆に、開封率の低いユーザに対しては、より少なめの電子メールが配信されることになる。
また、電子メールの優先度は、配信した電子メールに対して、電子メールの開封、開封された電子メールに含まれるリンク情報を経由した販売ページの閲覧、及び、閲覧された販売ページにおける商品の購入を含むユーザの行動に従って、高くなる。
この結果、配信する電子メールの数を適切に制御することができる。
【0082】
上記の実施形態では、多くの店舗(仮想店舗)が集まって構成される販売サイト(ショッピングモールサイト等)に好適なメールサーバを一例として説明したが、メールマガジンサイトなど、種々のサイトであっても適宜適用可能である。
メール蓄積部(230)は、ユーザ(ユーザ端末)への配信を依頼された電子メールを蓄積する。取出部(242)は、メール蓄積部(230)に蓄積されている電子メールの中から、所定条件を満たす電子メールを取り出す。判別部(243)は、取出部(242)によって取り出された電子メールの宛先となるメールアドレスに対する直近の所定期間内における配信数もしくは配信データ量が、当該メールアドレスに応じて設定された上限値に達しているか否かを判別する。そして、配信部(244)は、判別部(243)によって配信数もしくは配信データ量が上限値に達していないと判別された場合に、取出部(242)によって取り出された電子メールをユーザに向けて配信する。