特許第5919452号(P5919452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5919452
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】布紐把手搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B31B 19/86 20060101AFI20160428BHJP
   B31B 1/86 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   B31B19/86
   B31B1/86 321
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-15878(P2016-15878)
(22)【出願日】2016年1月29日
【審査請求日】2016年2月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029779
【氏名又は名称】ニューロング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】富樫 重忠
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
【審査官】 山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−287881(JP,A)
【文献】 特開平11−115075(JP,A)
【文献】 特公昭54−4317(JP,B1)
【文献】 特開昭50−122375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 19/86
B31B 1/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の手提げ用の布紐を帯紙に貼り付けて成る布紐把手連続体を、把手製造装置から製袋機へ搬送する布紐把手搬送装置であって、水平軸を中心として回転する垂直回転ガイドロールの下流側に、垂直軸を中心として回転する水平回転ガイドロールが配置され、前記垂直回転ガイドロールは前記布紐把手連続体を、布紐を側方に向けてガイドし、前記水平回転ガイドロールは前記布紐把手連続体を、布紐を下方に向けて前記製袋機へ送り込むことを特徴とする布紐把手搬送装置。
【請求項2】
搬送方向末端部に、前記帯紙を紐の両側で切断して把手部を形成するカッターが設置されると共に、該カッターの下流側に、前記把手部を前記製袋機で搬送される袋用紙上に供給する把手挿入部が設置されたことを特徴とする請求項1に記載の布紐把手搬送装置。
【請求項3】
それぞれ前記布紐把手連続体を搬送し、前記把手挿入部の両側に達する二つのルートを有することを特徴とする請求項2に記載の布紐把手搬送装置。
【請求項4】
前記把手挿入部は、互いに隣接されて逆回転する第1受渡シリンダー及び第2受渡シリンダーを備え、前記第2受渡シリンダーは、前記袋用紙を搬送しながら口折りを施す口折大シリンダーに隣接して逆回転し、前記第1受渡シリンダーは、布紐が下方へ向いた前記把手部を受け取って、布紐を回転方向の後方に向けて前記第2受渡シリンダーへ受け渡し、該第2受渡シリンダーは、前記把手部を前記口折大シリンダーで搬送される袋用紙の口部上面に、布紐を搬送方向の後方に向けて受け渡すことを特徴とする請求項2又は3に記載の布紐把手搬送装置。
【請求項5】
前記第1受渡シリンダーの外周面に、起伏自在で、起立時に前記把手部を把持可能な第1つかみ爪が設けられ、前記2受渡シリンダーの外周面に、起伏自在で、起立時に前記把手部を把持可能な第2つかみ爪が設けられ、前記第1つかみ爪は、第2受渡シリンダーと接した時に倒れて前記把手部を前記第2つかみ爪に受け渡し、前記第2つかみ爪は、前記口折大シリンダーと接した時に倒れて前記把手部を袋用紙の口部上に受け渡すことを特徴とする請求項4に記載の布紐把手搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コシの無い提げ手用布紐を帯状の補強紙に貼り付けて成る布紐把手連続体を、把手製造装置から製袋機へ搬送するのに好適な布紐把手搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
把手付き紙袋は、袋本体の上端部に一対の紐を取り付けて把手としてあるが、紙袋に収容した物品の重量で袋本体が破れるのを防ぐために、湾曲した紐の両端部を2枚の補強紙で挟んで成る把手部を袋本体に貼り付けることが多い。
一般的な把手製造装置は、紐を連続的に蛇行させて、湾曲した頂部が両側からはみ出すように帯紙に貼り付け、貼り付けたものを帯紙の中心線に沿って切断して帯状の把手連続体を形成する。この把手連続体は並設した製袋機に搬送され、製袋機の入口部分において紐の両側で適宜長さに切断され、得られた把手部が袋本体に貼り付けられる。
【0003】
従来の把手製造装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。このような従来の把手製造装置は、製造された帯状の把手連続体を、水平軸を中心として回転する複数のガイドロールに巻き付けて、紐が補強紙から側方へ張り出した状態で製袋機に搬送していた。
しかし、布紐のようにコシが無い紐の場合には、補強紙から不規則な姿勢で垂れ下がって形状が安定しないため、帯状の補強紙を適宜長さに切断する際に紐も切ってしまったり、切断された補強紙と共に紐の先端部までも袋本体に接着してしまうなどのトラブルが発生し易かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−076581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、多数の提げ手用布紐を帯紙に貼り付けて成る布紐把手連続体を把手製造装置から製袋機へ、布紐を安定した形状・姿勢で搬送できる布紐把手搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、多数の手提げ用の布紐を帯紙に貼り付けて成る布紐把手連続体を、把手製造装置から製袋機へ搬送する布紐把手搬送装置に関し、水平軸を中心として回転する垂直回転ガイドロールの下流側に、垂直軸を中心として回転する水平回転ガイドロールが配置され、前記垂直回転ガイドロールは前記布紐把手連続体を、紐を側方に向けてガイドし、前記水平回転ガイドロールは前記布紐把手連続体を、紐を下方に向けて前記製袋機へ送り込む。
【0007】
搬送方向末端部に、前記帯紙を布紐の両側で切断して把手部を形成するカッターが設置されると共に、該カッターの下流側に、前記把手部を前記製袋機で搬送される袋用紙上に供給する把手挿入部が設置されることがある。
この場合、それぞれ前記布紐把手連続体を搬送し、前記把手挿入部の両側に達する二つのルートを有してもよい。
【0008】
前記把手挿入部は、互いに接して逆回転する第1受渡シリンダー及び第2受渡シリンダーを備え、前記第2受渡シリンダーは、前記袋用紙を搬送しながら口折りを施す口折大シリンダーに接して逆回転し、前記第1受渡シリンダーは、布紐が下方へ向いた前記把手部を受け取って、布紐を回転方向の後方に向けて前記第2受渡シリンダーへ受け渡し、該第2受渡シリンダーは、前記把手部を前記口折大シリンダーで搬送される袋用紙の口部上面に、布紐を搬送方向の後方に向けて受け渡すことがある。
前記第1受渡シリンダーの外周面に、起伏自在で、起立時に前記把手部を把持可能な第1つかみ爪が設けられ、前記2受渡シリンダーの外周面に、起伏自在で、起立時に前記把手部を把持可能な第2つかみ爪が設けられ、前記第1つかみ爪は、第2受渡シリンダーと接した時に倒れて前記把手部を前記第2つかみ爪に受け渡し、前記第2つかみ爪は、前記口折大シリンダーと接した時に倒れて前記把手部を袋用紙の口部上に受け渡してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自立性の無い柔らかい布紐を用いた把手連続体であっても、重力によって規則的な姿勢及び形状で製袋機へ送り込むことができるので、把手連続体を短く分断する際に布紐を切断したり、布紐の先端部を袋用紙に接着する等のトラブルを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例に係る把手製造装置及び製袋機の平面図である。
図2】本発明の実施例に係る布紐把手連続体の平面図である。
図3】本発明の実施例を示す布紐把手搬送装置の側面図である。
図4】本発明の実施例を示す布紐把手搬送装置の正面図である。
図5】本発明の実施例に係る把手挿入部の斜視図である。
図6】本発明の実施例に係る把手挿入部の正面図である。
図7】本発明の実施例に係る把手挿入部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る把手製造装置A及び製袋機Eを示す。
把手製造装置Aは、製袋機に並設され、紐引出し装置aと、紐掛部bと、接着部cと、切断部dと、把手紐保留装置eとを備える。
紐引出し装置aは、ロール状に巻いた提げ手用の布紐Bを引き出して紐掛部bへ送り込み、紐掛部bは、布紐Bを連続して蛇行した状態で接着部cへ案内する。接着部cは、長手方向に沿って搬送される2枚の帯紙Cの間に蛇行した布紐Bを挟んで接合し(図2参照)、切断部dは、帯紙Cを中心線Lに沿って切断して、湾曲した多数の布紐Bを半幅とした帯紙Cに貼り付けて成る布紐把手連続体Dを形成する。布紐把手連続体Dは、把手紐保留装置eにストックしておき、製袋機Eの生産速度に合わせて、布紐把手搬送装置fにより把手紐保留装置eから製袋機Eの把手挿入部gへ搬送される。製袋機Eへ搬送された布紐把手連続体Dは、把手挿入部gの直前において、布紐Bの両側の位置Wで所定の長さに切断されて把手部Fが形成され、この把手部Fが袋本体に取り付けられる。
【0012】
布紐把手搬送装置fは、長手方向に沿って切断された2条の布紐把手連続体Dを個別に搬送する二つのルートを有し、二つのルートは製袋機Eの両側に達する。布紐把手搬送装置fの二つのルートは、図3及び図4に示すように、水平軸1aを中心として回転する垂直回転ガイドロール1と、その下流側に配置され、垂直軸2aを中心として回転する水平回転ガイドロール2とを備える。
垂直回転ガイドロール1は、把手紐保留装置eの把手排出部から製袋機Eの把手挿入部gの高さまで布紐把手連続体Dを揚送する部分であり、両者の高さの差に応じて適宜数設置される。
そして、垂直回転ガイドロール1には、布紐把手連続体Dが布紐Bを側方に向けて巻き付けられる(図3)。
【0013】
また、水平回転ガイドロール2は、把手紐保留装置eの把手排出部から製袋機Eの把手挿入部gまで布紐把手連続体Dを水平方向に搬送する部分であり、両者の距離に応じて適宜数設置される。
水平回転ガイドロール2には、布紐把手連続体Dが布紐Bを下方に向けて巻き付けられ(図4)、布紐把手連続体Dはこの状態で製袋機Eの把手挿入部gへ送り込まれる。
把手挿入部gの直前には、帯紙Cを所定長さに切断する図示しないカッターが設置される。このカッターは、外周面に切断刃が設けられた切断ローラと、切断ローラに対向する受けローラとから成る圧接ローラ等の従来周知のものなので、詳細な説明は省略する。
【0014】
把手挿入部gは、図5図7に示すように、それぞれ左右一対の第1受渡シリンダー3及び第2受渡シリンダー4から成り、第1受渡シリンダー3及び第2受渡シリンダー4は口折大シリンダー5の上方の両側に設置される。左右の第1受渡シリンダー3及び第2受渡シリンダー4は同じ構造なので、図には一方のみを示す。
口折大シリンダー5の外周面には、折り畳み前の袋用紙Gが、口部を搬送方向後方に向けて送り込まれる(図5)。
第1受渡シリンダー3と第2受渡シリンダー4とは、上下に配置されて相互に接しており、等速で逆回転する。第2受渡シリンダー4は、口折大シリンダー5に接して、口折大シリンダー5と逆回転する。
【0015】
図7に示すように、第1受渡シリンダー3の外周面には起伏自在の左右一対の第1つかみ爪6が設けられ、第2受渡シリンダー4の外周面には起伏自在の左右一対の第2つかみ爪7が設けられる。
第1つかみ爪6は、内角側が第1受渡シリンダー3の回転方向前方を向くよう屈曲したL字状をなし、帯紙Cに下から引っ掛かって把手部Fを把持する。また、第1つかみ爪6は、第2受渡シリンダー4に接した時に圧力により倒れて、第1受渡シリンダー3内に格納される。
第2つかみ爪7は、内角側が第2受渡シリンダー4の回転方向前方を向くよう屈曲したL字状をなし、帯紙Cを上から押えて把手部Fを把持する。また、第2つかみ爪7は、口折大シリンダー5に接した時に圧力により倒れて、第2受渡シリンダー4内に格納される。なお、第1つかみ爪6と第2つかみ爪7とは、出没動作を阻害し合わないよう、幅方向にずれた位置に配置される。
【0016】
布紐把手連続体Dを所定長さに切断して形成された把手部Fは、順次、第1受渡シリンダー3の外周面に布紐Bを下に向けて側方から受け渡される。第1受渡シリンダー3の第1つかみ爪6は、第1受渡シリンダー3の回転に伴って把手部Fの帯紙Cを下方から把持し、把手部Fは布紐Bを後方に向けて回転(図7の時計回り方向の回転)する。
第1つかみ爪6は、第2受渡シリンダー4と接すると倒れて第1受渡シリンダー3内に格納され、把手部Fを解放する。
すると、第2受渡シリンダー4の第2つかみ爪7が、第1受渡シリンダー3との接触による圧力で把手部Fの帯紙Cを上から押さえつけて把持し、第2受渡シリンダー4の回転に伴って、把手部Fは布紐Bを後方に向けて回転(図7の反時計回り方向の回転)する。
【0017】
第2つかみ爪7は、口折大シリンダー5に接すると倒れて第2受渡シリンダー4内に格納され、把手部Fを解放する。
口折大シリンダー5は、折り畳む前の袋用紙Gが口部を後方に向けて搬送しており、第2つかみ爪7が解放した把手部Fは、口折大シリンダー5上の袋用紙Gの口部上面に、布紐Bを搬送方向後方に向けて受け渡される。これにより、布紐Bは、製袋機E中での搬送中にも形状・姿勢が不規則になり難い。
【0018】
袋用紙Gの口部上面には、口折大シリンダー5よりも上流側において接着剤が塗布されており、第2つかみ爪7から受け渡された把手部Fは、口折大シリンダー5の下流側に位置する接着ロール(図示せず)で押圧されて、袋用紙Gの口部両側にそれぞれ貼り付けられる。
把手部Fが貼付された袋用紙Gは、折り畳み工程に搬送されて袋状に折り畳まれる。この結果、袋用紙Gの口部両側に貼り付けられた把手部Fは、袋の前面側の把手部Fと後面側の把手部Fとなる。
【符号の説明】
【0019】
A 把手製造装置
B 布紐
C 帯紙
D 布紐把手連続体
E 製袋機
F 把手部
G 袋用紙
a 紐引出し装置
b 紐掛部
c 接着部
d 切断部
e 把手紐保留装置
f 布紐把手搬送装置
g 把手挿入部
1 垂直回転ガイドロール
1a 水平軸
2 水平回転ガイドロール
2a 垂直軸
3 第1受渡シリンダー
4 第2受渡シリンダー
5 口折大シリンダー
6 第1つかみ爪
7 第2つかみ爪
【要約】
【課題】多数の提げ手用布紐を帯紙に貼り付けて成る布紐把手連続体を把手製造装置から製袋機へ、布紐を安定した形状・姿勢で搬送できる布紐把手搬送装置を提供すること。
【解決手段】水平軸1aを中心として回転する垂直回転ガイドロール1の下流側に、垂直軸2aを中心として回転する水平回転ガイドロール2が配置され、垂直回転ガイドロール1は布紐把手連続体Dを、布紐Bを側方に向けてガイドし、水平回転ガイドロール2は布紐把手連続体Dを、布紐Bを下方に向けて製袋機へ送り込む。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7