(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5919584
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】入隅部における外壁材の接合構造及び接合用ジョイナー
(51)【国際特許分類】
E04F 13/073 20060101AFI20160428BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
E04F13/08 101Q
E04F13/08 101Y
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-114051(P2012-114051)
(22)【出願日】2012年5月18日
(65)【公開番号】特開2013-241735(P2013-241735A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】305003542
【氏名又は名称】旭トステム外装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】窪田 依容
(72)【発明者】
【氏名】田中 進
【審査官】
津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−106258(JP,A)
【文献】
実開平04−013743(JP,U)
【文献】
特開2009−097218(JP,A)
【文献】
特開2007−085062(JP,A)
【文献】
特開2003−097018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/073
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入隅部を構成する建物の外壁部に、それぞれ胴縁を介して外壁材を配置し、隣り合う外壁材の端部を突合せ状態で接合する、建物の入隅部における外壁材の接合構造において、
上記胴縁上に、一方の外壁材の小口に他方の外壁材の端部側面が対面するように取り付け、
隣り合う外壁材の目地の裏側には金属製のジョイナーを配置し、このジョイナーには、胴縁の外側面に当接して固定される平面状の固定縁と、各固定縁の入隅側の端部から直角に屈曲する小口受けとを形成し、2つの小口受けをL字形に連続形成し、
上記固定縁の上記目地と反対側の端部を外側に折り返して折返し部を形成するとともに、上記固定縁と小口受けとの間の内角部には弾性を有するパッキン材を固定し、
各パッキン材を上記外壁材の小口の裏側の角部に当接させ、上記固定縁の折返し部を外壁材の裏面に当接させ、上記折返し部とパッキン材との間には通気空間を形成したことを特徴とする建物の入隅部における外壁材の接合構造。
【請求項2】
上記パッキン材の上記目地側の端部は、上記隣り合う小口受けが連続するL字形の角部よりも裏側に後退した位置に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の建物の入隅部における外壁材の接合構造。
【請求項3】
上記ジョイナーは上下を逆にして上記外壁材の目地の裏側に配置可能としたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の外壁材の接合構造。
【請求項4】
入隅部を構成する建物の外壁部に、それぞれ胴縁を介して外壁材を配置し、隣り合う外壁材の端部を突合せ状態で接合する、建物の入隅部における外壁材の接合用ジョイナーにおいて、このジョイナーには、胴縁の外側面に当接して固定される平面状の固定縁と、各固定縁の入隅側の端部から直角に屈曲する小口受けとを形成し、2つの小口受けをL字形に連続形成し、上記固定縁の入隅側とは反対側の端部を外側に折り返して折返し部を形成するとともに、上記固定縁と小口受けとの間の内角部には弾性を有するパッキン材を固定したことを特徴とする建物の入隅部における外壁材の接合用ジョイナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の入隅部において隣り合う外壁材を接合する接合構造及び接合用ジョイナーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建物の外壁には外壁材が配設されている。そして、建物の入隅部には隣り合う外壁材が直角をなすように配置され、外壁材間の目地には雨水等が浸入しないように、外壁材間の目地にシーリング材を充填することによってシーリング処理が施されていた。
【0003】
ところが、このようなシーリング処理は面倒な作業であるとともに、経年劣化によりシーリング効果も低下するから、メンテナンス作業も必要となる。
【0004】
そこで、このような施工の負担を軽減するため、特許文献1の
図5〜
図8に示されるような工法が開発された。これは、隣り合う外壁材の突合せ部の裏側に、外壁材の小口を受ける金属製のジョイナーを配置し、この小口受け部分に弾性を有するパッキン材を取り付け、パッキン材を隣り合う外壁材の小口に密接させることにより、外壁材間の隙間から雨水等が浸入するのを防止しようとするものである。そして、ジョイナーの両側端部をコ字形に折り曲げることにより、外壁材と折り曲げ部との間に上下に通じる縦溝部を形成し、万一、雨水等がパッキン材と小口との隙間から浸入しても、縦溝部から下方に流下させ、外壁材の裏側には回らないようにしたものである。このようなシーリングレス工法によれば、従来のようなシーリング材による面倒な充填作業を必要とせず、メンテナンスも不要となるので、その分だけコスト負担を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−106258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示される実施形態のように、柱の入隅部の角を構成する2つの面と面一の補助下地材と外壁材との間の間隔が大きいときは、ジョイナーに縦溝部を構成するコ字形部分を折り曲げ形成することができるが、補助下地材の外側にさらに胴縁を固定する場合、胴縁と外壁材との間に特許文献1の実施形態と同じ間隔を設けると、補助下地材と外壁材との間に無駄な空間ができてしまうから、胴縁と外壁材との間にはほとんど間隔を設けることができない。胴縁と外壁材との間の間隔が小さいと、ジョイナーに縦溝を構成するコ字形部を形成することができないから、雨水がジョイナーと外壁材との間を通ってさらに外壁材の裏側に回ってしまうおそれがある。
【0007】
本発明は上記問題点を解消し、特に、補助下地材の外側にさらに胴縁を固定する場合であっても、単一のジョイナーによるシーリング工法を実施することができ、雨水等の目地からの浸入を良好に防止することができる、入隅部における外壁材の接合構造及び接合用ジョイナーを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、入隅部を構成する建物の外壁部に、それぞれ胴縁を介して外壁材を配置し、隣り合う外壁材の端部を突合せ状態で接合する、建物の入隅部における外壁材の接合構造において、上記胴縁上に、一方の外壁材の小口に他方の外壁材の端部側面が対面するように取り付け、隣り合う外壁材の目地の裏側には金属製のジョイナーを配置し、このジョイナーには、胴縁の外側面に当接して固定される平面状の固定縁と、各固定縁の入隅側の端部から直角に屈曲する小口受けとを形成し、2つの小口受けをL字形に連続形成し、上記固定縁の上記目地と反対側の端部を外側に折り返して折返し部を形成するとともに、上記固定縁と小口受けとの間の内角部には弾性を有するパッキン材を固定し、各パッキン材を上記外壁材の小口の裏側の角部に当接させ、上記固定縁の
折返し部を外壁材の
裏面に当接させ、上記
折返し部とパッキン材との間には通気空間を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記パッキン材の上記目地側の端部は、上記隣り合う小口受けが連続するL字形の角部よりも裏側に後退した位置に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、上記ジョイナーは上下を逆にして上記外壁材の目地の裏側に配置可能としたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、入隅部を構成する建物の外壁部に、それぞれ胴縁を介して外壁材を配置し、隣り合う外壁材の端部を突合せ状態で接合する、建物の入隅部における外壁材の接合用ジョイナーにおいて、このジョイナーには、胴縁の外側面に当接して固定される平面状の固定縁と、各固定縁の入隅側の端部から直角に屈曲する小口受けとを形成し、2つの小口受けをL字形に連続形成し、上記固定縁の
入隅側と
は反対側の端部を外側に折り返して折返し部を形成するとともに、上記固定縁と小口受けとの間の内角部には弾性を有するパッキン材を固定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、補助下地材の外側にさらに胴縁を固定する場合であっても、単一のジョイナーによるシーリング工法を実施することができるから、施工性がよく、シーリング材を使用しないので、シーリング材の劣化やメンテナンスという問題が生じない。
【0013】
また、小口受けと固定縁との間の内角部にそれぞれ設けたパッキン材を、外壁材の小口の裏側の角部に当接させる構成としたので、パッキン材による止水部が形成され、2つの外壁材の目地から浸入した雨水等は止水部で食い止められるから、止水性がよい。
【0014】
さらに、ジョイナーの固定縁の
折返し部を外壁材の裏面に当接させ、
折返し部とパッキン材との間には通気空間が形成されているので、たとえ雨水等がパッキン材による止水部を越えて浸入しても、上記通気空間に沿って下方に流下するので、ジョイナーを越えて浸入するのを良好に防止することができる。もちろん、パッキン材を通過した湿気も通気空間から排出させることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、パッキン材は通常は黒色のような暗色系であることが多く、外壁材が窯業系サイディングであるときは、表面に凹凸があるので、目地から奥の見え方が一定ではなく、凹みによって目地の比較的深い部分であってもジョイナーの一部やパッキン材が見える可能性がある。ジョイナーには外壁材と同系色の塗装をすることで目立たなくすることができる。また、2つのパッキン材の目地側の端部は、隣り合う小口受けが連続するL字形の角部よりも裏側に後退した位置に配置されているので、外壁材と外壁材との間の目地の開口端からパッキン材までの距離が長く、パッキン材は上記開口端から目地の奥にあるから視認しにくく、外観が損なわれることがない。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、上記ジョイナーは上下を逆にして上記外壁材の目地の裏側に配置可能としたので、2つの小口受けの幅を、接合させる外壁材の小口の大きさに対応させることにより、隣り合う外壁材の厚さが異なるときに、同じジョイナーで対応することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、ジョイナーには、胴縁の外側面に当接して固定される平面状の固定縁と、各固定縁の入隅側の端部から直角に屈曲する小口受けとを形成し、固定縁と小口受けとの間の内角部には弾性を有するパッキン材を固定したから、小口受けと固定縁との間の内角部にそれぞれ設けたパッキン材を、外壁材の小口の裏側の角部に当接させることにより、パッキン材による止水部が形成され、2つの外壁材の目地から浸入した雨水等は止水部で食い止められるから、止水性がよい。
【0018】
また、2つの小口受けをL字形に連続形成し、上記固定縁の上記目地と反対側の端部を外側に折り返して折返し部を形成したから、上記固定縁の
折返し部が外壁材の裏面に当接させることにより、
折返し部とパッキン材との間には通気空間が形成される。このため、たとえ雨水等がパッキン材による止水部を越えて浸入しても、上記通気空間に沿って下方に流下するので、ジョイナーを越えて浸入するのを良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る入隅部における外壁材の接合構造を示す横断面図
【
図3】留め金具による上下の外壁材の取り付け態様を示す縦断面図
【
図5】入隅部の縦胴縁のさらに他の構成を示す横断面図
【
図6】(a)(b)は入隅部を構成する外壁材の組み合わせの一態様を示す断面図
【
図7】(a)(b)は入隅部を構成する外壁材の他の組み合わせ態様を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は建物の入隅部における外壁材の接合構造の要部を示し、
図2はその要部の拡大図を示すもので、符号1は支柱を示す。支柱1の屋内側に隣り合う側面には内装材2、2が配設され、2つの内装材2、2によって出隅部が形成されている。内装材2、2の裏側にはグラスウール、ロックウール等による断熱材3、3が設けられている。
【0021】
また、支柱1の屋外側に隣り合う側面にはそれぞれ補助下地材4、4が配置されている。補助下地材4、4の上下端は隣の支柱1間に設けられた間柱(図示せず)と同じ要領で建物躯体に固定されている。したがって、2つの補助下地材4、4の外側面は互いに直角をなすとともに、間柱の外側面と面一になるように配置され、左右の補助下地材4、4の外側には防水シートPを介して内外各1対の縦胴縁5、5が固定されている。縦胴縁5、5も補助下地材4、4と同じ要領で建物躯体に固定されている。図示はしないが、間柱の外側にも縦胴縁が固定されている。
【0022】
次に、上記左右の縦胴縁5、5の外側にはそれぞれ外壁材6、7が配置され、両外壁材6、7の外側面は直角に配置されている。このように、建物の外壁部に互いに直角を成す2つの外壁材6、7を配置することにより、入隅部が形成されている。なお、両側の外壁材6、7はそれぞれ複数枚が縦胴縁5、5に横張りされ、
図3に示されるように、上部の各外壁材6a、7aの下端面の合じゃくり部と下部の各外壁材6b、7bの上端面の合じゃくり部とは共通の留め金具8に係合している。留め金具8は、外側の縦胴縁5に所定の間隔をおいて固定されている。留め金具8によって、各外壁材6、7の裏面と縦胴縁5aとの間には空間Sが形成されるようになっている。
【0023】
なお、外壁材6、7は、ここでは窯業系のサイディングとする。この種の外壁材は、表面に凹凸が形成されている。
【0024】
ところで、入隅部で隣り合う外壁材6、7において、一方の外壁材6の小口に他方の外壁材7の端部側面が当接するように、いわゆる勝ち負けがつく関係となるように突合せられている。そして、これらの隣り合う外壁材6、7の目地の裏側には、縦胴縁5、5の長さと同じ程度に長い長尺の接合用金属製ジョイナー10が配置されている。
【0025】
ジョイナー10は、内側の縦胴縁5、5の外側面に当接して固定される平面状の固定縁11、12と、固定縁11、12の入隅側の端部からそれぞれ直角に屈曲する小口受け13、14とから構成されている。そして、小口受け13と小口受け14とはL字形に連続形成されている。また、固定縁11、12の目地と反対側の端部は外側に折り返されて折返し部15、15が形成されている。小口受け14の幅w1は、対応する外壁材7の厚さt1よりも、折返し部15の厚さh分だけ大きくなるように形成されている。したがって、小口受け14と折返し部15との間の間隔は、外壁材7の厚さt1と略同じになる。また、小口受け13の幅w2は、対応する外壁材6の厚さt2よりも小さくなるように形成されている。さらに、固定縁11、12と小口受け13、14との間の内角部には、それぞれ弾性を有するパッキン材16、17が固定されている。
【0026】
パッキン材16、17は、ゴムや樹脂などの弾性を有する材料によって構成されている。これにより、外壁材6、7の端面に凹凸やジョイナー10に撓みなどがあっても、弾性によって変形し、これら凹凸や撓みによってシール面に隙間が形成されるのを防ぐことができる。
【0027】
なお、
図2のパッキン材16、17に斜線で示した部分は、取り付け前の状態であり、外壁材6、7を取り付けた後は、パッキン材16、17は外壁材6、7の小口の裏側の角部に押圧されて縮小する。ジョイナー10の折返し部15の高さhはパッキン材16、17の厚さの2分の1以下であるのが好ましい。外壁材6、7が取り付けられたときに、パッキン材16、17は半分程度潰れることになり、良好な止水部が形成される。また、パッキン材16、17の目地側の端部は、それぞれ隣り合う小口受け13、14が連続するL字形の角部18よりも裏側に後退した位置に配置されている。
【0028】
ジョイナー10の固定縁11、12は縦胴縁5、5の外側面に当接し、木ビス20により縦胴縁5に固定されている。また、パッキン材16、17は外壁材6、7の小口の内側の角部に当接している。これにより、外壁材6、7の小口はパッキン材16、17を介して小口受け13、14に当接し、外壁材6の小口は外壁材7の端部側面に対面するように配置される。
【0029】
さらに、ジョイナー10の固定縁11、12において、それぞれ両側端のパッキン材16、17と折返し部15、15とは、それぞれ縦胴縁5、5の外側面から折返し部15、15の各高さh分だけ離間して浮くので、折返し部15、15とパッキン材16、17との間にはそれぞれ上下方向に連続する通気空間s1が形成される。
【0030】
なお、ジョイナー10は、金属などからなる板材を板金加工することによって、各部位を構成することとしているが、例えば金属を押出成形することによって形成するようにしてもよい。
【0031】
以上のように、補助下地材4、4の外側にさらに胴縁を固定する場合であっても、単一のジョイナー10によるシーリング工法を実施することができるから、施工性がよい。シーリング材を使用しないので、シーリング材の劣化やメンテナンスという問題が生じない。
【0032】
また、小口受け13、14と固定縁11、12との間の内角部にそれぞれ設けたパッキン材16、17を、外壁材6、7の小口の裏側の角部に当接させる構成としたので、パッキン材16、17による止水部が形成され、2つの外壁材6、7の目地から浸入した雨水等は止水部で食い止められるから、止水性がよい。さらに、ジョイナー10の固定縁11、12の
折返し部15、15を、外壁材6、7の裏面に当接させ、
折返し部15、15とパッキン材16、17との間には通気空間s1が形成されているので、たとえ雨水等がパッキン材16、17による止水部を越えて浸入しても、上記通気空間s1に沿って下方に流下するので、ジョイナー10を越えて浸入するのを良好に防止することができる。もちろん、パッキン材16、17を通過した湿気も通気空間s1から排出させることができる。
【0033】
さらに、パッキン材16、17は通常は黒色のような暗色系であることが多く、外壁材6、7が窯業系サイディングであるときは、表面に凹凸があるので、目地から奥の見え方が一定ではなく、凹み具合によって目地の比較的深い部分であっても、ジョイナー10の一部やパッキン材16、17が見える可能性がある。これに対し、ジョイナー10には外壁材6、7と同じ色の塗装をすることで目立たなくすることができる。また、2つのパッキン材16、17の目地側の端部は、隣り合う小口受け13、14が連続するL字形の角部18よりも裏側に後退した位置に配置されているので、外壁材6と外壁材7との間の目地の開口端からパッキン材16、17までの距離が長く、パッキン材16、17は上記開口端から目地の奥にあるから見えにくい。このため、外観が損なわれることはない。
【0034】
外壁材6、7の裏側の面は固定縁11、12に確実に当接しているのが望ましい。しかし、外壁材6、7は、
図3に示されるように、その上下端が留め金具8によって固定されているだけであり、補助下地材4、4上に縦胴縁5、5が当接し、さらに縦胴縁5、5上にジョイナー10が当接しているので、補助下地材4、4や縦胴縁5、5に取付誤差があると、外壁材6、7が所定の位置よりも縦胴縁5、5から離れたり、近づいたりするので、留め金具8に留めにくい状態が発生したり、ガタつきが発生したりする可能性がある。しかし、固定縁11、12に対してパッキン材16、17を介して当接する構成であるから、上記のような誤差は弾性を有するパッキン材16、17に吸収される。したがって、外壁材6、7は確実に留め金具8に固定することができるとともに、固定縁11、12に対してガタつきが発生することも良好に防止することができる。
【0035】
また、縦胴縁5、5は上述の実施態様に限定されない。例えば、
図4のように、留め金具8を取り付けるための幅広の縦胴縁5aとジョイナー10を固定するための幅狭の縦胴縁5bとを、互いの間隔を少しあけて配置する構成でもよく、また、
図5のように、留め金具8は直接に補助下地材4、4に取り付け、ジョイナー10のみを縦胴縁5、5に取り付ける構成としてもよい。
【0036】
さらに、入隅部を構成する左右の外壁材6、7は、勝ち負けの状態になっていればよく、両側で同じものを使用する必要はない。ジョイナー10の一方の小口受け14は勝ち状態の外壁材7の小口に合わせて形成する必要はあるが、他方の小口受け13に当接する外壁材6の小口の寸法は、特に限定されない。例えば、
図6(a)(b)及び
図7(a)(b)に示されるように、ジョイナー10の一方の小口受け14は、外壁材7の小口に合わせて形成しなければならないが、これに対し、他方の小口受け13に当接する外壁材6の小口の寸法は、
図6(a)のように、外壁材7のそれより小さくてもよく、
図6(b)、
図7(b)のように、外壁材7のそれと同じでもよく、あるいは
図7(a)のように、外壁材7のそれよりも大きくてもよい。
【0037】
さらに、上述の実施形態の胴縁は縦胴縁とし、外壁材を横張りとするものであるが、胴縁を横胴縁とし、外壁材を縦張りとする構成にも適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 支柱
4 補助下地材
5 縦胴縁
6、7 外壁材
10 ジョイナー
11、12 固定縁
13,14 小口受け
15 折返し部
16、17 パッキン材
18 角部