(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
液体の内容物を収納する紙パック容器などで、プラスチック製の口栓キャップを注ぎ口として有するものがある。このプラスチック口栓キャップのセット品を製造する現場においては、品質保証の面からプラスチック口栓キャップセット品のスパウト部の破れ、漏れを検知する装置、方法が必要とされている。
【0003】
容器、フィルムなどの破れ、漏れの検査に関して、特許文献1には、超音波を用いて被検査物の孔の有無を検知する装置、方法が記載されている。また、特許文献2には、高周波・高圧電流を用いて紙とプラスチックフィルムからなる複合容器に発生するプラスチックフィルムの微少なピンホールを検知する検査方法が記載されている。
しかしながら、これらの技術を、プラスチック口栓キャップセット品の検査に適用することはできない。
【0004】
特許文献1の技術は、被検査物の検査対象領域から検査に充分な超音波を発生させるためには、被検査物の検査対象領域に対して超音波発信装置または圧縮気体供給装置である発信装置と超音波受信装置で挟み込む位置に配置する必要があるが、プラスチック口栓キャップセット品においてはスパウトにキャップがねじ込まれているためキャップが邪魔となりスパウトを発信装置と受信装置で挟み込んで配置することが出来ず十分な漏れ検査を行うことが出来ない。
【0005】
また、特許文献2の方法は被検査物である紙とプラスチックフィルムの複合容器の検査対象領域を放電用電極とアース電極で挟み込んで配置する必要があるが、プラスチック口栓キャップセット品においてはスパウトにキャップがねじ込まれているためキャップが邪魔となりスパウトを放電用電極とアース電極で挟み込んで配置することが出来ず検査を行うことが出来ない。
【0006】
特許文献1の技術は超音波法と呼ばれており、特許文献2の技術は差電圧法と呼ばれている代表的なリークテストの手法である。その他にプラスチック口栓キャップセット品の製造工程に求められる検査処理時間を達成するには差圧法と呼ばれるものもあるが、この手法においてスパウト面に加圧をしても加圧する面とは反対側にキャップが取り付いているため内圧が発生し充分な圧力差を得ることが出来ず検査を行うことが出来ない。
【0007】
またプラスチック口栓キャップセット品のスパウト面を画像取得し検査する手法においてはスパウトの下にキャップが付いているためそれらが透けて見える状態になる。このキャップは様々な色があり、画像取得を行う際にノイズとなり検査に充分な画像取得が行うことが出来ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、プラスチック口栓キャップセット品製造工程においてプラスチック口栓キャップセット品のスパウト部の破れを検知し、不良品と判定された製品を排出する検査装置および検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ハーフカット部およびスパウトプルリング支柱部を有するプラスチック口栓キャップセット品を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像して得た画像データを検査処理し前記プラスチック口栓キャップセット品が正常品かあるいは欠陥品であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段が欠陥品であると判定した場合、欠陥品を製造ライン外へ排出する排出手段と、
前記プラスチック口栓キャップセット品を保持し、撮像する位置に搬送するための保持・搬送手段を備え
、
前記保持・搬送手段は、円板の外周部に等間隔に形成されたポケット部を有する形状をなし、且つ、前記ポケット部の形成されている間隔に対応した回転角で間欠送り回転可能に構成されており、
前記撮像手段において撮像に用いる光源の波長が380nm以下であることを特徴とするプラスチック口栓キャップスパウト部破れ検査装置、である。
【0012】
また、請求項
2に係る発明は、
前記判定手段においては、
前記撮像手段で撮像された画像データを取得する画像データ取得処理と、
前記画像データからプラスチック口栓キャップセット品のハーフカット部中心位置を探索するハーフカット部中心探索処理と、
前記ハーフカット部中心探索処理により求められたハーフカット部中心位置と、予め用意されたプラスチック口栓キャップセット品の設計データからプルリング支柱部位置を探索するプルリング支柱部探索処理と、
前記ハーフカット部中心探索処理及び、前記プルリング支柱部探索処理とで得られた結果よりハーフカット部とプルリング支柱部をそれぞれ検査エリアと設定する検査エリア設定処理と、
前記検査エリア設定処理及び前記画像データによりハーフカット部とプルリング支柱部をそれぞれ所定の閾値によって2値化する2値化処理と、
前記2値化処理によって残った画素のまとまりに対して番号を付けるラベリング処理と、
前記ラベリング処理を行った画像データに対してノイズ成分の除去を行うフィルタ処理と、を行い、
前記判定手段においては、前記フィルタ処理を行った画像データにて残った前記画素のまとまりに対して予め設定された画素数を超えた場合、不良品と判定する判定処理を行い、
前記排出手段においては、前記判定処理によって不良品と判定されたプラスチック口栓キャップセット品を製造ライン外へ排出する排出処理を行うことを特徴とする請求項
1に記載のプラスチック口栓キャップスパウト部破れ検査装置、である。
【0013】
また、請求項
3に係る発明は、ハーフカット部およびスパウトプルリング支柱部を有するプラスチック口栓キャップセット品を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程で撮像して得た画像データを検査し前記プラスチック口栓キャップセット品が正常品かあるいは欠陥品であるかを判定する判定工程と、
前記判定工程が欠陥品であると判定した場合、欠陥品を製造ライン外へ排出する排出工程と、
前記プラスチック口栓キャップセット品を保持し、撮像する位置に搬送するための保持・搬送工程を備え
、
前記保持・搬送工程は、円板の外周部に等間隔に形成されたポケット部を有する保持・搬送部材により、前記ポケット部の形成されている間隔に対応した回転角で間欠送り回転することで保持・搬送を行なうものであり、
前記撮像工程において撮像に用いる光源の波長が380nm以下であることを特徴とするプラスチック口栓キャップスパウト部破れ検査方法、である。
【0014】
また、請求項
4に係る発明は、
前記判定工程においては、
前記撮像工程で撮像された画像データを取得する画像データ取得工程と、
前記画像データからプラスチック口栓キャップセット品のハーフカット部中心位置を探索するハーフカット部中心探索工程と、
前記ハーフカット部中心探索処理により求められたハーフカット部中心位置と、予め用意されたプラスチック口栓キャップセット品の設計データからプルリング支柱部位置を探索するプルリング支柱部探索工程と、
前記ハーフカット部中心探索工程及び、前記プルリング支柱部探索工程とで得られた結果よりハーフカット部とプルリング支柱部をそれぞれ検査エリアと設定する検査エリア設定工程と、
前記検査エリア設定工程及び前記画像データによりハーフカット部とプルリング支柱部をそれぞれ所定の閾値によって2値化する2値化工程と、
前記2値化工程によって残った画素のまとまりに対して番号を付けるラベリング工程と、
前記ラベリング工程を行った画像データに対してノイズ成分の除去を行うフィルタ工程と、を有し、
前記判定工程においては、前記フィルタ工程を行った画像データにて残った前記画素のまとまりに対して予め設定された画素数を超えた場合に、不良品と判定することを行い、
前記排出工程においては、前記判定工程によって不良品と判定されたプラスチック口栓キャップセット品を製造ライン外へ排出することを行うことを特徴とする請求項
3に記載のプラスチック口栓キャップスパウト部破れ検査方法、である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プラスチック口栓キャップセット品製造工程においてプラスチック口栓キャップセット品のスパウト部の破れの有無を区別し、破れが有るプラスチック口栓キャップセット品を排出することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の最良の形態について説明する。
(検査対象物構成)
図1は、検査対象物であるプラスチック口栓キャップセット品の側面図である。
図1に示すようにプラスチック口栓キャップセット品3はキャップ1とスパウト2を組み合わせたものとなっている。キャップ1とスパウト2はそれぞれ別々に製造され、キャップ締付工程においてスパウト2にキャップ1をネジ込みプラスチック口栓キャップセット品3としている。
【0018】
図2は、検査対象物であるプラスチック口栓キャップセット品のスパウト2の底面図(
図1中の矢印Pの方向からみた図)である。すなわち、プラスチック口栓キャップセット品3をスパウト底面から観察すると
図2のように観察できる。
スパウトハーフカット部2aはスパウト2を開封する際に、スパウト2内部に設けられているプルリングを引っ張ることで円周状に切れるように薄肉にしてある箇所である。またスパウトプルリング支柱部2bは、スパウトハーフカット部2aの一部にかかるように形成されている。プルリングは、このスパウトプルリング支柱部2bの、キャップ1と同じ側の先端部に形成されているため、
図2では見えない。
【0019】
プラスチック口栓キャップセット品3において、スパウト2に破れ不良が生じる場合は、主にスパウトハーフカット部2aとスパウトプルリング支柱部2bに発生する。これはキャップ1とスパウト2をキャップ締付工程において組み立てる際に、所定値以上の力で締め付けられてしまうことがあり、そのような場合には、薄肉になっていて破れやすくなっているスパウトハーフカット部2aとスパウトプルリング支柱部2bが最初に破れるためと考えられる。
【0020】
本発明の検査手法は、
図2に示すプラスチック口栓キャップセット品3のスパウト底面の画像を用いて画像処理を行うものである。ここで、スパウトハーフカット部2aとスパウトプルリング支柱部2bを含むスパウト2は、透明または半透明な材質で形成されているので、画像中のスパウト2の領域にはキャップ1が透けて見える状態で写っており、その状態で画像取得を行うことになる。そのためスパウト2のみの情報を表す画像を取得することが出来ない。
【0021】
またキャップ1は様々な色のものが使用されており、キャップ1の色が異なるものでも同じ製造ラインにおいて製造を行うことがある。したがって、作業効率やメンテナンスの面からは、キャップ1の色によって照明やカメラなどの交換の必要がないことが求められる。
【0022】
(検査有効光源)
そこでプラスチック口栓キャップセット品3のスパウト底面の画像取得に適した光学系構築のために、スパウト2とキャップ1においてそれぞれの光学的特徴を求めた。測定波長領域は200〜700nmとした。
【0023】
図7は、検査対象であるプラスチック口栓キャップセット品を構成するスパウト2の分光透過率を示すグラフである。
3種類のスパウト2においてその透過率を光の波長を変えて測定したものであるが、どの種類のスパウト2についても300〜700nmの波長領域において50%以上の高い透過率を持っていることが分かる。
【0024】
図8は、検査対象であるプラスチック口栓キャップセット品を構成するスパウト2の分光反射率を示すグラフである。
3種類のスパウト2において320〜700nmの波長領域において波長が短いと高い反射率を示していることが分かる。プラスチック口栓キャップセット品3のスパウト2底面の状態のみを画像として生成したいので、スパウト2底面での反射率が高い波長の光を用いて画像取得することが好ましい。
【0025】
図9は、検査対象であるプラスチック口栓キャップセット品を構成するキャップ1の内、色が黒、白、赤、緑であるキャップの分光反射率を示すグラフである。
200〜380nmの領域においては各色とも低い反射率を示している。380nmよりも波長が長い領域については色が白のキャップ1において反射率が高い値を示す。また緑では520nmで、赤では650〜700nmにおいてそれぞれ高い反射率を示している。黒に関しては測定波長領域の全てにおいて低い反射率を示している。
【0026】
図10は、検査対象であるプラスチック口栓キャップセット品を構成するキャップ1の内、色が青、オレンジ、黄、アイボリーであるキャップの分光反射率を示すグラフである。
図9で示したキャップ1の色同様200〜380nmの領域においては各色とも低い反射率を示している。380nm以上の波長において各色とも反射率が上がり青のキャップ1においては450nm、オレンジでは590nm、黄色では550nm、アイボリーでは590nmの波長において高い反射率を示している。
【0027】
プラスチック口栓キャップセット品3において底面のスパウト2の画像データを用いて検査を行う場合、検査に適した画像を取得するにはスパウト2からの反射光のみをカメラで撮像するのが望ましい。
【0028】
図7〜10に示した結果より、可視光領域である380nm以上の波長領域では、スパウト2に照射された光は反射する光が僅かながらあるが、透過する光が多数を占める。また、スパウト2を通過した光はキャップ1の色と、波長にもよるがある程度反射をする。特に白のキャップ1に関してはどの可視光領域においても高い反射率を示す。そのためキャップ1からの反射光があるため、カメラに入る光はスパウト2からの反射光とキャップ1からの反射光になる。従ってスパウト2の状態のみを画像データにすることが出来ない。
【0029】
可視光領域の照明ではなく、紫外光領域である365nmの波長を持つ照明を使用すると、スパウト2に照射された紫外光の反射率は、可視光の反射率よりも高くなる。また通過する紫外光は可視光と同程度ある。加えて、スパウト2を通過した紫外光はキャップ1の色によらず低い反射率を示している。そのため光源に紫外光を用いるとスパウト2からの反射は増加、またキャップ1からの反射はなくなるため、カメラに入る光はスパウト2からの可視光のものより強い反射光のみとなる。そのためスパウト2の状態のみを示す画像データにすることが出来る。また取得された画像は正常部と欠陥部で高いコントラストを得ることが出来る。
【0030】
また光源として有効であるのは365nmのみの紫外光ではなく、キャップ1からの反射率が低くなる380nm以下であれば良い。本形態においては365nmをピーク波長とするUVリング照明を用いた。
【0031】
(構成の説明)
図3は、本実施形態の撮像・検査装置の概略構成を説明するブロック図である。
図3に示すように、撮像・検査装置10は、インデックス32、センサ11、カメラ12、UVリング照明13、PC(パーソナルコンピュータ)17及び排出装置21を有する。ここで、インデックス32は、プラスチック口栓キャップセット品3を保持して搬送する機構である。
【0032】
インデックス32によって間欠送りにされたプラスチック口栓キャップセット品3は、カメラ12とUVリング照明13の光軸上まで送られると撮像のため停止する。また、この時センサ11は、プラスチック口栓キャップセット品3が撮像位置にあるかどうかを検知する。
【0033】
センサ11は、撮像位置にプラスチック口栓キャップセット品3が送られてきた時のみ、カメラ12に対してトリガ信号を出力する。したがってインデックス32にプラスチック口栓キャップセット品3が無い状態にて撮像位置に達してもトリガ信号は出力されない。
【0034】
本実施形態では、カメラ12は、撮像位置でのプラスチック口栓キャップセット品3の中心と光軸が一致し、下方からスパウト面を撮像するように配置されている。また、その視野内にスパウトハーフカット部2aとスパウトプルリング支柱部2bが最大の画素数で撮像出来るようにWD(ワークディスタンス)及びレンズを調整してある。またカメラ12はモノクロカメラで画素数がXGA、また画像データ転送をUSBにて行うものを使用した。
【0035】
センサ11からトリガ信号を受けたカメラ12は信号入力のタイミングで露光(撮像)を開始する。同時にカメラ12はUVリング照明13に対してトリガ信号を出力する。またカメラ12は撮像結果を画像データとして出力を行う。
【0036】
本実施形態では、UVリング照明13に365nmのピーク波長を有するLED素子を搭載し、外径が60mm、内径が30mmのものを使用した。配置としては撮像位置におけるプラスチック口栓キャップセット品3の中心がUVリング照明の中心と一致しスパウトハーフカット部2aとスパウトプルリング支柱部2bを充分に照射するためLWD(ライトワークディスタンス)を14mmとしている。
【0037】
PC17は、カメラ12が得た画像データを取り込む。PC17は、その画像データを元に、撮像位置におけるプラスチック口栓キャップセット品3が正常品か欠陥品かを判定する。そのためPC17は、判定部18、記憶部19、及び排出制御部20を有する。
【0038】
記憶部19には、PC17が各種処理で使用するプログラム19aや各種データが記憶されている。各種データには、予め用意されたプラスチック口栓キャップセット品3の設計データや検査閾値などがある。
【0039】
判定部18は、カメラ12から入力された画像データと、記憶部19に記憶されているプラスチック口栓キャップセット品3の設計データや検査閾値などからプログラム19aの検査処理によって正常品か欠陥品かを判定する。排出制御部20は、判定部18が欠陥品であると判定する時には、排出装置21を駆動して、プラスチック口栓キャップセット品3の排出を行う。
【0040】
図4(A)は、本実施形態の搬送・撮像装置の概略構成を示す平面図である。
また
図4(B)は、
図4(A)のQ−Q線での断面図である。
図4(A)(B)に示すように、搬送・撮像装置30は、受取コンベア31、インデックス32、排出口33、セレクタ34、下流受け流しコンベア35、分岐下流受け流しコンベア36、カメラ12、及びUVリング照明13を有する。
【0041】
搬送・撮像装置30の上流に配置してあるキャップ締付工程においてキャップ1とスパウト2を一体としたプラスチック口栓キャップセット品3を受取コンベア31にて受け取り、搬送・撮像装置30に検査対象物として受け入れる。この時キャップ締付工程から流れてくるプラスチック口栓キャップセット品3はスパウト2の面を下の状態として搬送される。
【0042】
受取コンベア31により搬送されてきたプラスチック口栓キャップセット品3は、インデックス32のポケットのうちの一つに入り保持される。
インデックス32は、円板形状をしていて、プラスチック口栓キャップセット品3を保持可能なポケット8個を有している。またインデックス32は、1/8周回転を150msで行い、150ms停止することを繰り返す間欠送り回転をしている。これによって、搬送されてくるプラスチック口栓キャップセット品3を整列させ、撮像のための充分な露光時間を得る役割を果たしている。
【0043】
インデックス32のポケットに入ったプラスチック口栓キャップセット品3は、インデックス32によって1/8周回転を2回繰り返し、撮像位置40において停止した際に撮像される。このとき撮像されたプラスチック口栓キャップセット品3の画像データに対して、所定の一連の処理を行い、正常品であるか否かを判定する。
【0044】
撮像位置40において撮像が行われたプラスチック口栓キャップセット品3は、インデックス32によって1/8周回転を行い、排出口33を有する位置に搬送される。このとき、判定部18が欠陥品と判定した場合は、排出制御部20が排出装置21を駆動し排出口33に排出を行う。正常品である場合にはここで排出が行われることはなく、インデックス32による搬送が継続される。
【0045】
正常品であると判定された場合は、排出口33の位置から更に1/8周回転が行われ、プラスチック口栓キャップセット品3はセレクタ34を有する位置に搬送される。セレクタ34はインデックス32と機械的に同期をしておりインデックス32が1/8周回転毎に開閉を繰り返すように動作を行う。したがってセレクタ34の状態は開状態と閉状態が半数ずつとなる。
【0046】
セレクタ34を有する位置にインデックス32によって搬送されたプラスチック口栓キャップセット品3は、セレクタ34が開状態である場合には下流受け流しコンベア35に搬送される。また閉状態ではインデックス32に残りさらに間欠搬送が行われる。
【0047】
下流受け流しコンベア35に搬送されたプラスチック口栓キャップセット品3は後工程へと受け渡しが行われる。またセレクタ34が閉状態にてインデックス32に残ったプラスチック口栓キャップセット品3は1/8周回転を2回繰り返し分岐下流受け流しコンベア36へと搬送され、後工程へと受け渡しが行われる。
【0048】
正常品であるプラスチック口栓キャップセット品3の半数を下流受け流しコンベア35へ、残り半数を分岐下流受け流しコンベア36へとそれぞれ搬送を行っているが、これは上流工程であるキャップ締付工程のタクトタイムに対して後工程でその倍のタクトタイムがかかる工程があるため同様の工程を2ラインにして製造を行っているためである。
【0049】
(動作等)
図5は、本発明の撮像・検査装置10の一連の動作の例を示すフローチャートである。
図5に示すように、先ずステップS1で動作を開始し、ステップS2においてセンサ11がプラスチック口栓キャップセット品3を検出する。するとステップS3において、カメラ12がプラスチック口栓キャップセット品3のスパウト面を撮像し、その撮像タイミングに同期して、UVリング照明13が発光して画像データを取得する。
【0050】
続くステップS4において、撮像・検査装置10では、判定部18が、カメラ12が撮像して得た画像データと記憶部19に記憶されているプラスチック口栓キャップセット品3の設計データや検査閾値などを用いてプログラム19aの検査処理を行い、ステップS5において判定部18が正常品か欠陥品かを判定する。
判定部18が欠陥品であると判定した時、ステップS6において排出制御部20が排出装置21を動作させ排出口33よりプラスチック口栓キャップセット品3の排出を行う。正常品であった場合には排出は行われず、下流受け流しコンベア35または36に送られることになる。
【0051】
図6は、本発明の検査装置において
図5に示されている検査処理(ステップS4)の詳細フローチャートである。
図6に示すように、先ずステップS11ではPC17の判定部18がカメラ12より送られてきた画像データの取得を行う。この画像データと記憶部19に記憶されているプラスチック口栓キャップセット品3の設計データから、ステップS12において
図2に示しているスパウト2のスパウトハーフカット部2aの中心探索を行う。
【0052】
続くステップS13ではスパウト2のスパウトプルリング支柱部2bの探索を行う。これとステップ12により探索済みのハーフカット部中心によりステップS14で検査エリア設定を行う。検査エリアとして設定をするのはスパウトハーフカット部2aとスパウトプルリング支柱部2bであるがそれぞれ検査閾値が異なるため別々に設定を行う。
【0053】
ステップS15ではカメラ12より送られてきた画像データとステップS14で設定した検査エリアにより2値化処理を行う。この時、スパウトハーフカット部2aとスパウトプルリング支柱部2bではそれぞれ2値化閾値が異なる。
【0054】
続くステップS16ではステップS15で2値化して残った画素領域に対してラベリング処理を行う。またステップS17においてフィルタ処理を行い、2値化して残っている画素領域が小さいものなどに対してはノイズ除去として使用している。ここで残っている画素がある場合にはそれを破れの欠陥とみなしステップS18において欠陥品として判定を下す。
【0055】
以上のように、本実施形態では、撮像・検査装置10及び搬送・撮像装置30は、上流工程より製造・搬送されてくるプラスチック口栓キャップセット品3を撮像位置において検出して撮像を行い、取得された画像データと設計データや検査閾値などからプログラム19aの検査処理によって正常品か欠陥品かを判定する。欠陥品であると判定した場合は排出制御部20より排出装置21を駆動させ排出口33へと排出を行っている。
【0056】
これにより、撮像・検査装置10及び搬送・撮像装置30は、プラスチック口栓キャップセット品3が正常品であるか欠陥品であるかを区別し、欠陥品のプラスチック口栓キャップセット品3を製造工程から排出することができる。この結果、撮像・検査装置10及び搬送・撮像装置30は、スパウト面に破れ欠陥が存在するプラスチック口栓キャップセット品3を出荷してしまうことを防ぐことができる。