特許第5919904号(P5919904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5919904
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20160428BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   H01M2/10 G
   B25F5/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-54555(P2012-54555)
(22)【出願日】2012年3月12日
(65)【公開番号】特開2013-191287(P2013-191287A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2014年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(72)【発明者】
【氏名】寺西 明
(72)【発明者】
【氏名】竹村 元
【審査官】 藤原 敬士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−050044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
B25F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具装着して使用する電池パックであって、
複数の円柱形状の電池を軸が平行となるように並設したセルユニットと、
前記セルユニットを収容するケース本体の開口部を蓋部材で塞いで構成される外殻体と、
前記蓋部材と前記セルユニットとの間に配設されるインナーカバーと、
複数のセルユニットを重ねたときに該複数のセルユニットの間に配設されるセパレータと、
を備え、
前記セパレータを使用したときには、前記インナーカバーの下側に配設したセルユニットの下部を前記セパレータで支持するとともに、前記セパレータの下側に別のセルユニットを配設して、当該別のセルユニットの下部を前記ケース本体で支持して2並列の電池パックを構成可能とし、
前記セパレータを使用しないときには、前記インナーカバーの下側に配設したセルユニットの下部を前記ケース本体で支持して1並列の電池パックを構成可能とし
前記インナーカバーの端部付近には、最上部のセルユニットを構成する複数の電池のうちの最も端に配置された電池の円柱面を保護するために下方に延出した支持壁が設けられ、
前記支持壁を前記外殻体の内側に当接させることで、セルユニットの位置決めを行うことを特徴とする、電池パック。
【請求項2】
前記支持壁の中間部にスリットを設けたことを特徴とする、請求項1記載の電池パック。
【請求項3】
前記支持壁は、セルユニットを構成する複数の電池が重なる方向に見たときに前記最上部のセルユニットの下端から突出していないことを特徴とする、請求項1又は2記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具等の電源として用いられる電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動工具等の電源として、複数の電池を直列あるいは並列に接続した電池パックが用いられている。こうした電池パックにおいては、直列に接続した電池の本数で電圧が決定されるとともに、並列数によって容量が決定される。
【0003】
このような電池パックにおいて、電圧が同じであっても、容量の異なる2以上の電池パックが求められるケースがある。例えば、容量を増やして長時間使用したい場合と、容量は小さくてもよいので軽量の電池パックを使用したい場合とで、電池パックを2種類用意したいケースなどである。
【0004】
容量の異なる2以上の電池パックを用意する場合、直列数を変えずに並列数を変えることになるので、電池パックの縦横を変えずに高さのみを変えた形状とすることが合理的である。
【0005】
ところで、こうした複数の電池を備えた電池パックにおいては、例えば特許文献1に示されるように、複数の電池の周囲を保護する部材(インナーカバー)が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−149560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した特許文献1記載の構成においては、このインナーカバーが複数の電池の周囲を囲んだ形状となっているため、電池の並列数を変えた場合にはインナーカバーの形状も変えざるを得ない。このため、容量の異なる2以上の電池パックでインナーカバーを共用化できなかった。
【0008】
そこで、本発明は、電池の並列数を変えた電池パックにおいてインナーカバーを共用可能とすることで、製造コストを削減することができる電池パックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0010】
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の電池パックは、電動工具装着して使用する電池パックであって、複数の円柱形状の電池を軸が平行となるように並設したセルユニットと、前記セルユニットを収容するケース本体の開口部を蓋部材で塞いで構成される外殻体と、前記蓋部材と前記セルユニットとの間に配設されるインナーカバーと、複数のセルユニットを重ねたときに該複数のセルユニットの間に配設されるセパレータと、を備え、前記セパレータを使用したときには、前記インナーカバーの下側に配設したセルユニットの下部を前記セパレータで支持するとともに、前記セパレータの下側に別のセルユニットを配設して、当該別のセルユニットの下部を前記ケース本体で支持して2並列の電池パックを構成可能とし、前記セパレータを使用しないときには、前記インナーカバーの下側に配設したセルユニットの下部を前記ケース本体で支持して1並列の電池パックを構成可能とし、前記インナーカバーの端部付近には、最上部のセルユニットを構成する複数の電池のうちの最も端に配置された電池の円柱面を保護するために下方に延出した支持壁が設けられ、前記支持壁を前記外殻体の内側に当接させることで、セルユニットの位置決めを行うことを特徴とする。
【0012】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0013】
すなわち、前記支持壁の中間部にスリットを設けたことを特徴とする
【0014】
(請求項3)
請求項に記載の発明は、上記した請求項1又2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0015】
すなわち、前記支持壁は、セルユニットを構成する複数の電池が重なる方向に見たときに前記最上部のセルユニットの下端から突出していないことを特徴とする
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記の通りであり、セパレータを使用するか否かによって2並列の電池パックと1並列の電池パックとを構成可能としたため、並列数の異なる2つの電池パックでインナーカバーを共用化することができ、製造コストを削減することができる。
【0017】
このとき、インナーカバーの支持壁がセルユニットを構成する複数の電池が重なる方向に見たときに最上部のセルユニットの下端から突出しないように構成することが望ましい。このような構成とすることで、インナーカバーを1並列の電池パックで使用した場合でも、インナーカバーの下端がケース本体等と干渉することを有効に防止できる。
【0018】
また、このインナーカバーの支持壁を外殻体の内側に当接させることで、セルユニットの位置決めを行うようにしてもよい。このような構成によれば、最上部のセルユニットを保護するインナーカバーの支持壁で位置決めを行うこととなるため、対象機器との接続部に近い位置で有効に接続部のガタを抑えることができる。そのため、電池パックと対象機器接続部との接点不良等を防止できて品質が向上し、安定した電源供給ができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】電池パックを取り付けた電動工具の外観斜視図である。
図2】2並列の電池パックの外観斜視図である。
図3】電池パックの平面図である。
図4】2並列の電池パックの分解図である。
図5】2並列の電池パックの内部ユニットを(a)前から見た斜視図(b)後から見た斜視図である。
図6】インナーカバーを(a)上から見た斜視図(b)下から見た斜視図である。
図7】セパレータを(a)上から見た斜視図(b)下から見た斜視図である。
図8】2並列用ケース本体を(a)前から見た斜視図(b)後から見た斜視図である。
図9】2並列の電池パックのA−A断面図である。
図10】1並列の電池パックの外観斜視図である。
図11】1並列の電池パックの分解図である。
図12】1並列の電池パックの内部ユニットを(a)前から見た斜視図(b)後から見た斜視図である。
図13】1並列用ケース本体を(a)前から見た斜視図(b)後から見た斜視図である。
図14】1並列の電池パックのA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図を参照しつつ説明する。
【0021】
本実施形態に係る電池パック10は、図1に示すように、電動工具100に着脱可能に形成されている。この図1の例においては、電動工具100としての電動回転工具を例にしているが、この電動工具100のグリップの下端部には、電池パック10を取り付けるための取付部101が形成されており、グリップの下端面と電池パック10の上端面とが接触するように電池パック10を取り付け可能となっている。
【0022】
本実施形態に係る電池パック10の上側部には、図2に示すように、電動工具100の取付部101に摺動案内されるガイドレール部21及び溝22が形成されており、このガイドレール部21及び溝22が設けられていることによって電池パック10を電動工具100の取付部101に対してスライドさせて着脱可能となっている。
【0023】
また、この電池パック10の上面には、電動工具100の取付部101に凹設された被係合部(図示せず)と係合するストッパ14が突出方向に付勢されている。このストッパ14は、ガイドレール部21及び溝22の延設方向と直交する方向に出没するように設けられている。これにより、ストッパ14と被係合部とが係合する方向に、電池パック10を所定の位置までスライドさせると、ストッパ14が被係合部に嵌り込み、電池パック10が取付部101にしっかりと固定されるようになっている。
【0024】
なお、取付部101に固定された電池パック10を取り外す際には、ラッチ操作部15を電池パック10の内方に押し込み操作すればよい。ラッチ操作部15を押し込み操作することで、ストッパ14と被係合部との係合を解除可能となっている。
【0025】
図4は、電池パック10の分解図である。この図4が示すように、電池パック10は、複数の電池13を直列に接続して形成したセルユニット12、このセルユニット12を収容するケース本体11、前記ケース本体11の上部を覆う蓋部材20、前記蓋部材20と前記セルユニット12との間に配設されるインナーカバー30、複数のセルユニット12を重ねたときに該複数のセルユニット12の間に配設されるセパレータ40、セルユニット12を制御するための制御回路基板50、を備えて構成されている。
【0026】
セルユニット12は、複数の円柱形状の電池13を軸が平行となるように並設したものであり、本実施形態においては図4に示すように4本の電池13を電気的に直列に接続して構成されている。図4に示すような2並列の電池パック10においてはセルユニット12は2つ使用され、図11に示すような1並列の電池パック10においてはセルユニット12は1つだけ使用される。複数のセルユニット12を使用する場合には、この複数のセルユニット12は電気的に並列に接続される。
【0027】
ケース本体11は、上部が開口した箱状部材である。このケース本体11は、電池パック10の並列数(容量)に応じて形状の異なる部材が使用される。具体的には、図4に示すような2並列の電池パック10においては2並列用ケース本体Aが使用され、図11に示すような1並列の電池パック10においては1並列用ケース本体Bが使用される。
【0028】
このケース本体11の内側面には、図8及び図13に示すように、前部において突出して設けられた前方支持部11aと、後部においてリブ状に突出して設けられた後方支持部11bと、が形成されている。この前方支持部11a及び後方支持部11bは、ケース本体11の底部付近から上端付近まで高さ方向にほぼ全長に渡って設けられている。なお、本実施形態の前方支持部11a及び後方支持部11bは、成型時の抜き勾配を考慮して上方に行くに従って外側に傾斜した形状となっている。
【0029】
蓋部材20は、電池パック10の上部を覆う部材であり、ケース本体11に対してネジ固定されることによってケース本体11の開口部を塞ぎ、ケース本体11と相俟って他部材を収容する外殻体を形成するものである。この蓋部材20の上面には、前述したストッパ14を突出させるためのラッチ口20bや、制御回路基板50上に実装された接続端子51をカバーする端子カバー部20cが形成されている。なお、この端子カバー部20cのスリットの内側に制御回路基板50上に実装された接続端子51が接続可能に半露出することで、電動工具100の端子と接続するための接続部20aが形成されている。これにより、端子カバー部20cのスリットから電動工具100の端子が入り込むことで、この端子が電池パック10の接続端子51と電気的に接続されるようになっている。
【0030】
インナーカバー30は、蓋部材20と最上部のセルユニット12との間に配設される部材であり、最上部のセルユニット12の上面及び側面を保護するものである。このインナーカバー30は、図5等に示すように上面に制御回路基板50を載置した状態で電池パック10の内部に収容される。
【0031】
このインナーカバー30は、図6に示すように、下面側が開口した複数の(本実施形態においては4つの)保持溝34を備えている。この保持溝34は、天面が半円弧状となっており、セルユニット12を構成する電池13の外周上面に接触することでセルユニット12を保持可能となっている。各保持溝34の間には中間保護壁33が下方に延出して設けられており、この中間保護壁33が各保持溝34に保持した各電池13の間に差し込まれることで、各電池13は接触しないように隔てられている。
【0032】
また、前端の保持溝34の前部には前方支持壁31が下方に延出して設けられており、最上部のセルユニット12を構成する複数の電池13のうちの最も前端に配置された電池13の円柱面を保護している。これにより、当該最も前端に配置された電池13の円柱面がケース本体11に接触しないように形成されている。
【0033】
また、後端の保持溝34の後部には後方支持壁32が下方に延出して設けられており、最上部のセルユニット12を構成する複数の電池13のうちの最も後端に配置された電池13の円柱面を保護している。これにより、当該最も後端に配置された電池13の円柱面がケース本体11に接触しないように形成されている。
【0034】
なお、前述した中間保護壁33及び後方支持壁32は、図6に示すように中間部にスリットが設けられている。このスリットは、充電器(図示せず)に装着したときに、充電器から送り出される冷却風を通すためのものである。
【0035】
セパレータ40は、重ねて設けられたセルユニット12の間に配設される部材であり、上部において上側のセルユニット12の下面を保護し、下部において下側のセルユニット12の上面を保護するものである。
【0036】
セパレータ40は、図7に示すように、上面側が開口した複数の(本実施形態においては4つの)上側保持溝43と、下面側が開口した複数の(本実施形態においては4つの)下側保持溝44を備えている。
【0037】
上側保持溝43は、底面が円弧状となっており、セルユニット12を構成する電池13の外周下面に接触することでセルユニット12を載置可能となっている。各上側保持溝43の間には上隔離壁41が上方に突出して設けられている。この上隔離壁41は、前述した中間保護壁33の中間部に設けられたスリットに挿入され、中間保護壁33と相俟って各電池13が接触しないように隔てている。
【0038】
また、下側保持溝44は、天面が半円弧状となっており、セルユニット12を構成する電池13の外周上面に接触することでセルユニット12を保持可能となっている。各下側保持溝44の間には下隔離壁42が下方に延出して設けられており、この下隔離壁42が各下側保持溝44に保持した各電池13の間に差し込まれることで、各電池13は接触しないように隔てられている。
【0039】
本実施形態に係る電池パック10は、このセパレータ40を使用するか否かによって2並列の電池パック10または1並列の電池パック10を選択的に構成可能となっている。
【0040】
すなわち、2並列の電池パック10を構成する際には、図4及び図5に示すように、インナーカバー30の下側に配設したセルユニット12の下部をセパレータ40で支持するとともに、このセパレータ40の下側に別のセルユニット12を配設して、当該別のセルユニット12の下部を前記ケース本体11で支持する。なお、このとき使用するケース本体11は2並列用ケース本体Aであるため、図2に示すように2列分の高さの電池パック10が構成される。
【0041】
このとき、図9に示すように、インナーカバー30の前方支持壁31、後方支持壁32及び中間保護壁33は、セルユニット12を構成する複数の電池13が重なる方向に見たときに最上部のセルユニット12の下端から突出しない長さとなっている。
【0042】
また、図9に示すように、インナーカバー30の前方支持壁31が2並列用ケース本体Aの前方支持部11aに当接し、インナーカバー30の後方支持壁32が2並列用ケース本体Aの後方支持部11bに当接することで、セルユニット12の位置決めが行われる。このとき、最下部に配置されたセルユニット12が2並列用ケース本体Aと接触しないように設定されている。
【0043】
なお、図9に示すように、最下部に配置されたセルユニット12の底面にスポンジテープ16などを貼設し、セルユニット12を構成する電池13がばらけないように固定するとともに、2並列用ケース本体Aの底面との間で緩衝及び絶縁させるようにしてもよい。
【0044】
一方、1並列の電池パック10を構成する際には、図11及び図12に示すように、インナーカバー30の下側に配設したセルユニット12の下部をケース本体11で支持する。なお、このとき使用するケース本体11は1並列用ケース本体Bであるため、図10に示すように1列分の高さの電池パック10が構成される。
【0045】
このとき、既に説明したように、インナーカバー30の前方支持壁31、後方支持壁32及び中間保護壁33は、セルユニット12を構成する複数の電池13が重なる方向に見たときに最上部のセルユニット12の下端から突出しない長さとなっている。このため、ケース本体11の底面と干渉しない構造となっている。
【0046】
また、図14に示すように、インナーカバー30の前方支持壁31が1並列用ケース本体Bの前方支持部11aに当接し、インナーカバー30の後方支持壁32が1並列用ケース本体Bの後方支持部11bに当接することで、セルユニット12の位置決めが行われる。
【0047】
なお、図14に示すように、最下部に配置されたセルユニット12の底面にスポンジテープ16などを貼設し、セルユニット12を構成する電池13がばらけないように固定するとともに、1並列用ケース本体Bの底面との間で緩衝及び絶縁させるようにしてもよい。
【0048】
本実施形態は上記の通りであり、セパレータ40を使用するか否かによって2並列の電池パック10と1並列の電池パック10とを構成可能としたため、並列数の異なる2つの電池パック10でインナーカバー30を共用化することができ、製造コストを削減することができる。
【0049】
また、インナーカバー30の支持壁31,32がセルユニット12を構成する複数の電池13が重なる方向に見たときに最上部のセルユニット12の下端から突出しないように構成したため、インナーカバー30を1並列の電池パック10で使用した場合でも、インナーカバー30の下端がケース本体11等と干渉することを有効に防止できる。
【0050】
また、インナーカバー30の支持壁31,32をケース本体11の内側に当接させることでセルユニット12の位置決めを行うようにしたので、最上部のセルユニット12を保護するインナーカバー30の支持壁31,32で位置決めを行うこととなり、電動工具100との接続部20aに近い位置で有効に接続部20aのガタを抑えることができる。そのため、電池パック10と電動工具100との接続部20aとの接点不良等を防止でき、結果的に品質が向上し、安定した電源供給ができる。
【0051】
なお、上記した実施形態においては、電池パック10を1並列にした構成と2並列にした構成とについて説明したが、これに限らず、3並列以上の電池パック10を構成してもよい。
【0052】
例えば、3並列の電池パック10を構成する場合には、3並列用ケース本体を用意するとともに、セパレータ40を2つ使用する。すなわち、インナーカバー30の下側に1段目のセルユニット12を配設し、1段目のセルユニット12の下部を1段目のセパレータ40で支持し、1段目のセパレータ40の下側に2段目のセルユニット12を配設し、2段目のセルユニット12の下部を2段目のセパレータ40で支持し、2段目のセパレータ40の下側に3段目のセルユニット12を配設し、3段目のセルユニット12の下部をケース本体11で支持すればよい。
【0053】
このように、並列数に応じたケース本体11を用意するとともに、セパレータ40を並列数に応じて増減させれば、3並列以上の電池パック10を構成することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 電池パック
11 ケース本体
11a 前方支持部
11b 後方支持部
12 セルユニット
13 電池
14 ストッパ
15 ラッチ操作部
16 スポンジテープ
20 蓋部材
20a 接続部
20b ラッチ口
20c 端子カバー部
21 ガイドレール部
22 溝
30 インナーカバー
31 前方支持壁
32 後方支持壁
33 中間保護壁
34 保持溝
40 セパレータ
41 上隔離壁
42 下隔離壁
43 上側保持溝
44 下側保持溝
50 制御回路基板
51 接続端子
100 電動工具
101 取付部
A 2並列用ケース本体
B 1並列用ケース本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14