(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は実施の形態に係るワイヤーハーネス1を示す斜視図である。
図2は、ワイヤーハーネス1の延在方向に垂直な方向での当該ワイヤーハーネス1の断面構造を示す図である。本実施の形態に係るワイヤーハーネス1は、例えば、自動車等の車両内に配策される。
【0016】
図1,2に示されるように、ワイヤーハーネス1は、複数の電線が束ねられた電線束2と、電線束2を覆う被覆部材3とを備えている。被覆部材3の表面30(外側面)には、当該表面30に沿って配置される長尺物の経路を規制することが可能な複数の経路規制部4が設けられている。
【0017】
被覆部材3は、ワイヤーハーネス1が車両内等に配策された際の電線束2の経路を規制する機能と、ワイヤーハーネス1の周囲の干渉物から電線束2を保護する機能とを有している。被覆部材3は、ホットプレスされた不織部材(例えば不織布)で形成されている。ここで、ホットプレスとは、不織部材を金型間に挟み込み、加熱状態で金型に圧を加えて不織部材を成型加工することをいう。不織部材としては、加熱工程を経ることにより硬くなることが可能な不織部材を用いることができる。このような不織部材として、基本繊維と、これと絡み合う接着樹脂(バインダとも呼ばれる)とを含むものを用いることができる。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点(例えば、110℃〜115℃)を有する樹脂である。不織部材を基本繊維の融点よりも低くかつ接着樹脂の融点よりも高い加工温度に加熱すると、接着樹脂が溶融して基本繊維間に染み込む。その後、不織部材が接着樹脂の融点よりも低い温度になると、基本繊維同士を結合した状態で接着樹脂が固化する。これより、不織部材が加熱前の状態よりも硬くなり、加熱時の成形形状に維持される。
【0018】
基本繊維は、接着樹脂の融点で繊維状態を保ち得る繊維であればよく、樹脂繊維の他、各種繊維を用いることができる。また、接着樹脂としては、基本繊維の融点よりも低い融点を持つ熱可塑性樹脂繊維を用いることができる。接着樹脂は、粒状であっても繊維状であってもよい。また、芯繊維の外周に接着樹脂層を形成してバインダ繊維を構成し、これを基本繊維と絡み合わせるようにしてもよい。この場合の芯繊維としては、上記基本繊維と同材料のものを用いることができる。
【0019】
基本繊維と接着樹脂の組み合わせとしては、基本繊維をPET(ポリエチレンテレフタレート)の樹脂繊維とし、接着樹脂をPETとPEI(ポリエチレンイソフタレート)の共重合樹脂とした例が挙げられる。この場合、基本繊維の融点はおよそ250℃であり、接着樹脂の融点は110℃〜150℃である。このため、不織部材を110℃〜250℃の温度に加熱すると、接着樹脂が溶融し、溶融せずに繊維状を保つ基本繊維間に染み込む。そして、不織部材が接着樹脂の融点よりも低い温度になると、基本繊維同士を結合した状態で接着樹脂が固化し、不織部材は硬くなって加熱時の成形形状を維持する。
【0020】
不織部材によって電線束2の周囲を覆う方法としては、例えば、幅の狭い帯状かつシート状の不織部材を、電線束2に対して、一部重ねながら螺旋状に巻き付ける方法を採用してもよい。あるいは、電線束2における被覆部材3で覆う部分の長さと同じ幅を有する帯状かつシート状の不織部材を、電線束2に対して、幅方向の両端が揃うように1回あるいは複数回巻き付ける方法を採用してもよい。
【0021】
ホットプレスの際に使用する金型の形状は、ワイヤーハーネス1を車両内等に配策した後の電線束2の形状に合わせてもよいし、合わせなくてもよい。前者の場合には、ホットプレスが完了すると同時に、被覆部材3の形状が、ワイヤーハーネス1の配策後の電線束2の形状に合うように成形される。一方で、後者の場合には、ホットプレスが完了し、不織部材が硬くなる前に、ワイヤーハーネス1の配策後の電線束2の形状に合うように被覆部材3の形状を成形することになる。
【0022】
各経路規制部4は、例えば樹脂で形成されており、被覆部材3とは別体で設けられている。被覆部材3の表面30には、その全面にわたって複数の経路規制部4が互いに離れて設けられている。被覆部材3の表面30には、電線束2の延在方向に沿って互いに離れて配置された複数の経路規制部4(
図1の例では4つの経路規制部4)から成る列が、電線束2の周方向に沿って複数列設けられている。言い換えれば、被覆部材3の表面30には、電線束2の周方向に沿って互いに離れて配置された複数の経路規制部4から成る列が、電線束2の延在方向に沿って複数列設けられている。電線束2の延在方向を例えば行方向、電線束2の周方向を例えば列方向と見ると、被覆部材3の表面30上では複数の経路規制部4が行列状に配置されている。これにより、ワイヤーハーネス1では、電線束2の延在方向に沿って複数の経路規制部4が配置されるとともに、電線束2の周方向に沿って複数の経路規制部4が配置される。
【0023】
以後、電線束2の延在方向に並ぶ複数の経路規制部4(本例では4つの経路規制部4)から成る列を「延在方向経路規制部グループ」と呼ぶ。被覆部材3には、電線束2の周方向に沿って複数の延在方向経路規制部グループが設けられている。
【0024】
各経路規制部4は、被覆部材3の表面30に沿って配置される長尺物を保持することが可能な形状となっている。各経路規制部4は、板状部材がコ字状に曲げられた形状を成しており、被覆部材3に取り付けられる底板部40と、互いに対面するように当該底板部40の両端部に立設されている一対の側板部41とで構成されている。底板部40の裏面にはネジが取り付けられており、当該ネジが被覆部材3にねじ込まれることによって、当該底板部40が被覆部材3に取り付けられる。被覆部材3の表面30に沿って配置される長尺物は、経路規制部4の一対の側板部41によって挟み込まれることによって当該経路規制部4で保持される。
【0025】
各延在方向経路規制部グループでは、当該延在方向経路規制部グループを構成する、電線束2の延在方向に沿って並ぶ複数の経路規制部4が、当該複数の経路規制部4のそれぞれにおいて一対の側板部41が電線束2の周方向で対面するように配置されている。これにより、電線束2の延在方向に並ぶ複数の経路規制部4は、長尺物が電線束2の延在方向に沿って配置されるように当該長尺物を保持することができる。
【0026】
図3は、被覆部材3の表面30に沿って配置される長尺物10の経路が経路規制部4によって規制されている様子を示す図である。
図4は、
図3に示されるワイヤーハーネス1の延在方向に垂直な方向での当該ワイヤーハーネス1の断面構造を示す図である。
【0027】
長尺物10は、例えば、アンテナフィーダー線、トランクオープナーケーブル、あるいはウォッシャーチューブなどである。ワイヤーハーネス1の被覆部材3の表面30に沿って配置される長尺物10の経路は、当該ワイヤーハーネス1を車両等に配策した際に、当該長尺物10が周囲と干渉しないように当該被覆部材3に設けられた経路規制部4によって規制される。
【0028】
図3,4に示される例では、長尺物10は、一つの延在方向経路規制部グループによって保持されている。これにより、長尺物10の経路は、当該延在方向経路規制部グループを構成する4つの経路規制部4によって、電線束2の延在方向に沿うように規制されている。長尺物10において、電線束2における、被覆部材3で覆われていない部分の表面に沿って配置されている部分10aは、例えば接着テープ11によって電線束2に固定されている。
【0029】
ワイヤーハーネス1が配策される車両内での部品のレイアウト(車両レイアウト)が変更されたり、ワイヤーハーネス1の配策経路が変更されたりすると、ワイヤーハーネス1の被覆部材3の表面30に沿って配置される長尺物10が周囲と干渉するようになることがある。本実施の形態に係るワイヤーハーネス1では、このような場合に、長尺物10の経路を当該長尺物10が周囲と干渉しないような経路に簡単に設定することができるようになっている。
【0030】
図5は、
図3に示される、長尺物10が取り付けられたワイヤーハーネス1において、当該長尺物10の経路を変更した様子を示す図である。
図5には、ワイヤーハーネス1の周辺に存在する干渉物であるパイプ15が示されている。
【0031】
車両レイアウトの変更あるいはワイヤーハーネス1の配策経路の変更によって、パイプ15が
図5のようにワイヤーハーネス1の近傍に位置するようになると、
図3に示される長尺物10の経路では、パイプ15と長尺物10とが干渉してしまう。したがって、
図5に示される長尺物10の経路は、当該長尺物10がパイプ15と干渉しないような経路に設定されている。
図5の例では、長尺物10が、ある一つの延在方向経路規制部グループを構成する4つの経路規制部4のうちの両端の2つの経路規制部4と、当該ある一つの延在方向経路規制部グループと電線束2の周方向で隣り合う別の一つの延在方向経路規制部グループを構成する4つの経路規制部4のうちの中央の2つの経路規制部4とで保持されている。これにより、長尺物10の経路が、
図3のような直線的な経路から、パイプ15を避けるように電線束2の周方向に迂回するような経路に変更されている。
【0032】
このように、本実施の形態に係るワイヤーハーネス1では、電線束2の延在方向及び周方向のそれぞれに沿って、被覆部材3の表面30に沿って配置される長尺物10の経路を規制することが可能な複数の経路規制部4が当該被覆部材3に設けられているため、当該長尺物10を、電線束2の延在方向及び周方向のそれぞれに沿って配置することが可能となる。したがって、長尺物10の経路の自由度が向上する。よって、ワイヤーハーネス1の周囲の状況に応じて長尺物10の経路を決定することができる。その結果、長尺物10が周囲と干渉することを確実に防止することができる。
【0033】
また、本実施の形態のように、電線束2の延在方向に沿って配置された複数の経路規制部4から成る列を、電線束2の周方向に沿って複数列設けることによって、言い換えれば、電線束2の周方向に沿って配置された複数の経路規制部4から成る列を、電線束2の延在方向に沿って複数列設けることによって、長尺物10の経路の自由度をさらに向上することができる。よって、長尺物10が周囲と干渉することをより確実に防止することができる。
【0034】
なお、経路規制部4については、その一対の側板部41の間の距離を、長尺物10の径よりも大きくして、一対の側板部41によって長尺物10が挟み込まれないようにしても良い。このような場合であっても、経路規制部4の一対の側板部41の間の空間に長尺物10を通すことによって、当該経路規制部4によって当該長尺物10の経路を規制することができる。
【0035】
また、長尺物10については、ワイヤーハーネス1を車両内に配策した後に当該ワイヤーハーネス1に取り付けも良いし、ワイヤーハーネス1を車両内に配策する前に当該ワイヤーハーネス1に取り付けも良い。
【0036】
<各種変形例>
<第1変形例>
図6は第1変形例に係るワイヤーハーネス1aを示す斜視図である。
図6では、長尺物10が取り付けられた状態でのワイヤーハーネス1aが示されている。本変形例に係るワイヤーハーネス1aは、上述の実施の形態に係るワイヤーハーネス1において、経路規制部4の代わりに経路規制部14を設けたものである。以下に、本変形例に係るワイヤーハーネス1aについて、ワイヤーハーネス1との相違点を中心に説明する。
【0037】
各経路規制部14は、被覆部材3と一体形成されており、表面形状が弓形(円弧とその両端を結ぶ弦とで囲まれた円の一部分)の板状部分となっている。各経路規制部14は、被覆部材3との間で長尺物10を狭持できるようになっている。
【0038】
各経路規制部14は、被覆部材3の表面30から起立した当該被覆部材3の一部で構成されている。各経路規制部14の起立角度は鋭角となっている。被覆部材3の表面30には、当該被覆部材3をその厚み方向に貫通する円弧状の切れ目14aが形成されており、当該被覆部材3における、当該切れ目14aの内側の部分が起立している。この起立した部分が経路規制部14となっている。したがって、各経路規制部14では、それが成す弓形の弦の部分が被覆部材3に繋がっている。
【0039】
各経路規制部14では、当該経路規制部14を構成する被覆部材3の一部が、電線束2の周方向に沿って起こされている。これにより、電線束2の延在方向に並ぶ複数の経路規制部14が、被覆部材3との間で、長尺物10が電線束2の延在方向に沿うように当該長尺物10を狭持することができるようになっている。
【0040】
図6の例では、長尺物10は、電線束2の延在方向に沿って配置された4つの経路規制部14で保持されている。これにより、長尺物10の経路は、当該4つの経路規制部14によって、電線束2の延在方向に沿うように規制されている。
【0041】
次に本変形例に係るワイヤーハーネス1aの製造方法について説明する。まず
図7に示されるように、被覆部材3となるシート状の不織部材100の表面100aに対して、行列状に複数の円弧状の切れ目101を設ける。各切れ目101は、不織部材100を厚み方向に貫通している。この切れ目101が、被覆部材3の表面30の切れ目14aとなる。
【0042】
次に
図8に示されるように、不織部材100のうち、各切れ目101で囲まれた弓形板状部分102を表面100aから起立させる。この弓形板状部分102が経路規制部14となる。
【0043】
次に、起立された複数の弓形板状部分102が外側に位置するように不織部材100を電線束2に巻き付ける。その後、不織部材100をホットプレスする。これにより、電線束2と、当該電線束2を覆う被覆部材3とを備えるワイヤーハーネス1aが完成する。
【0044】
なお、不織部材100に複数の切れ目101を設けた後、すぐに当該不織部材100を電線束2に巻き付けても良い。切れ目101が設けられた不織部材100を電線束2に巻き付けると、不織部材100における、切れ目101で囲まれた弓形板状部分102が自然と起立するようになるため、不織部材100を電線束2に巻き付ける前に弓形板状部分102を起立させる必要は必ずしも無い。
【0045】
車両レイアウトの変更あるいはワイヤーハーネス1の配策経路の変更によって、パイプ15がワイヤーハーネス1aの近傍に位置するようになって、当該パイプ15と、当該ワイヤーハーネス1aに取り付けられる長尺物10とが干渉するようになると、長尺物10の経路を
図6から
図9のように変更することができる。
図9の例では、長尺物10の経路が、
図6のような直線的な経路から、パイプ15を避けるように電線束2の周方向に迂回するような経路に変更されている。
【0046】
このように、本変形例に係るワイヤーハーネス1aでは、上述のワイヤーハーネス1と同様に、電線束2の延在方向及び周方向のそれぞれに沿って、被覆部材3の表面30に沿って配置される長尺物10の経路を規制することが可能な複数の経路規制部14が当該被覆部材3に設けられているため、長尺物10の経路の自由度を向上させることができる。よって、長尺物10が周囲と干渉することを確実に防止することができる。
【0047】
さらに、本変形例では、経路規制部14は、被覆部材3の表面30から起立した当該被覆部材3の一部であることから、上述のようにして、経路規制部14を被覆部材3に簡単に形成することができる。
【0048】
<第2変形例>
図10は第2変形例に係るワイヤーハーネス1bを示す斜視図である。
図10では、長尺物10が取り付けられた状態でのワイヤーハーネス1bが示されている。本変形例に係るワイヤーハーネス1bは、上述の実施の形態に係るワイヤーハーネス1において、経路規制部4の代わりに経路規制部24を設けたものである。以下に、本変形例に係るワイヤーハーネス1bについて、ワイヤーハーネス1との相違点を中心に説明する。
【0049】
図11は経路規制部24の拡大図である。各経路規制部24は、被覆部材3の一部が例えばH型に打ち抜かれて形成されている。各経路規制部24は、被覆部材3の表面30に設けられた平面視四角形の貫通穴24aと、当該貫通穴24aの側壁から、距離を空けて互い対向するように突出する一対の突起部24bとで構成されている。各経路規制部24の一対の突起部24bは、被覆部材3と一体形成されている。各経路規制部24では、一対の突起部24bの間の距離は、長尺物10の径よりも少し小さくなっており、当該一対の突起部24bは長尺物10を狭持できるようになっている。
【0050】
各経路規制部24は、その一対の突起部24bが電線束2の周方向で対向するように被覆部材3に設けられている。これにより、電線束2の延在方向に並ぶ複数の経路規制部24は、長尺物10が電線束2の延在方向に沿うように当該長尺物10を保持することができる。
【0051】
図10の例では、長尺物10は、電線束2の延在方向に沿って配置された4つの経路規制部24で保持されている。これにより、長尺物10の経路は、当該4つの経路規制部24によって、電線束2の延在方向に沿うように規制されている。
【0052】
次に本変形例にワイヤーハーネス1bの製造方法について説明する。まず
図12に示されるように、被覆部材3となるシート状の不織部材200の一部を、その厚み方向にH型の金型300を使用して打ち抜いて、当該不織部材200の表面200aに平面視H型の貫通穴201(以後、「H型貫通穴201」と呼ぶ)を形成する。これにより、不織部材200には、その厚み方向に貫通する平面視四角形の貫通穴210と、当該貫通穴210の側壁から、距離を空けて互い対向するように突出する一対の突起部211とが形成される。この貫通穴210及び一対の突起部211が、それぞれ、経路規制部24の貫通穴24a及び一対の突起部24bとなる。不織部材200に対しては、複数のH型貫通穴201を行列状に形成する。
【0053】
次に、複数のH型貫通穴201が形成された不織部材200を電線束2に巻き付ける。そして、不織部材200をホットプレスする。これにより、電線束2と、当該電線束2を覆う被覆部材3とを備えるワイヤーハーネス1bが完成する。
【0054】
車両レイアウトの変更あるいはワイヤーハーネス1の配策経路の変更によって、パイプ15がワイヤーハーネス1bの近傍に位置するようになって、当該パイプ15と、当該ワイヤーハーネス1bに取り付けられる長尺物10とが干渉するようになると、長尺物10の経路を
図10から
図13のように変更することができる。
図13の例では、長尺物10の経路が、
図10のような直線的な経路から、パイプ15を避けるように電線束2の周方向に迂回するような経路に変更されている。
【0055】
このように、本変形例に係るワイヤーハーネス1bにおいても、電線束2の延在方向及び周方向のそれぞれに沿って、被覆部材3の表面30に沿って配置される長尺物10の経路を規制することが可能な複数の経路規制部24が当該被覆部材3に設けられているため、長尺物10の経路の自由度を向上させることができる。よって、長尺物10が周囲と干渉することを確実に防止することができる。
【0056】
さらに、本変形例では、経路規制部24は、被覆部材3の一部が打ち抜かれて形成されていることから、上述のようにして経路規制部24を被覆部材3に簡単に形成することができるとともに、経路規制部24が周囲と干渉することを抑制することができる。
【0057】
<第3変形例>
図4は第3変形例に係るワイヤーハーネス1cを示す斜視図である。
図14では、長尺物10が取り付けられた状態でのワイヤーハーネス1cが示されている。本変形例に係るワイヤーハーネス1cは、上述の実施の形態に係るワイヤーハーネス1において、経路規制部4の代わりに経路規制部34を設けたものである。
【0058】
各経路規制部34は、被覆部材3の表面30に立設された突起部で構成されている。各経路規制部34は、例えば長方形の板状突起部であって、その長手方向が電線束2の延在方向と平行となるように設けられている。経路規制部34は、被覆部材3と一体形成しても良いし、被覆部材3とは別体で設けても良い。
【0059】
このような複数の経路規制部34を備えるワイヤーハーネス1cにおいては、
図14に示されるように、長尺物10を経路規制部34(突起部)に対して引っ掛けながら被覆部材3の表面30に這わせることによって、当該長尺物10の経路を規制しつつ当該長尺物10を被覆部材3の表面30に沿って配置することができる。
【0060】
このように、上述の実施の形態及び第1及び第2変形例とは異なり、経路規制部34自体が長尺物10を保持できない場合であっても、経路規制部34によって長尺物10を規制することができる。