(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0019】
<1.第1の実施の形態>
[1−1.現金自動預払機の全体構成]
図1に外観を示すように、現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになされている。
【0020】
筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が斜めに切り落とされたような形状となっており、この部分に接客部3が設けられている。
【0021】
接客部3は、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7、及びレシート発行口8が設けられており、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになっている。
【0022】
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口4より筐体内側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。
【0023】
入出金口5は、顧客により入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。また入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになされている。
【0024】
操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチパネルとが一体化されている。
【0025】
テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられるようになされている。
【0026】
レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8より筐体内側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
【0027】
以下では、現金自動預払機1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
【0028】
筐体2内には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。
【0029】
主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等の種々の処理を行うようになされている。
【0030】
また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部9Aを有しており、この記憶部9Aに種々の情報を記憶させるようになされている。
【0031】
因みに筐体2は、前面側やその後面側等の一部の側面が開閉可能な扉により構成されている。すなわち筐体2は、顧客との間で現金に関する取引を行う取引動作時には、各扉を閉塞することにより、紙幣入出金機10内に収納している紙幣を保護する。一方筐体2は、保守作業者等が保守作業を行う保守作業時には、必要に応じて各扉を開放することにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせ得るようになされている。
【0032】
[1−2.紙幣入出金機の構成]
紙幣入出金機10は、
図2に模式的な側面図を示すように、紙幣入出金機筐体20の内部に紙幣の入金処理や出金処理に関する種々の機構が設けられている。紙幣入出金機10の各部分は、紙幣制御部11により制御される。
【0033】
紙幣入出金機10は、上側には上部フレーム22に囲まれた上部ユニット24が、下側には強固な金庫筐体26に囲まれた下部ユニット28がそれぞれ設けられている。
【0034】
上部ユニット24には、入出金部12、上部搬送路13、鑑別部14、一時保留部15及びリジェクト庫16等が組み込まれている。上部ユニット24は、紙幣入出金機筐体20に対し所定のロック部(図示せず)でロックされることにより、高い精度で紙幣入出金機筐体20に対し位置決めされている。
【0035】
下部ユニット28には、カセットフレーム30に収納された複数の紙幣カセット17、下部搬送路19及び回収庫18等が組み込まれている。
【0036】
下部ユニット28は、紙幣入出金機筐体20に固定された金庫筐体26に対しロック機構42及び支持部44からなるロック部40でロックされることにより、高い精度で金庫筐体26に対し位置決めされている。
【0037】
このように紙幣入出金機10は、上部ユニット24と下部ユニット28とを高い精度で互いに位置決めすることにより、紙幣詰まり等を防止しつつ、受渡部21において上部搬送路13と下部搬送路19とで紙幣を互いに受け渡すことができる。
【0038】
因みに、受渡部21における上部搬送路13と下部搬送路19との位置ずれは、3mm程度の誤差までが許容されている。
【0039】
紙幣制御部11は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送先を決定する処理等、種々の処理を行うようになされている。
【0040】
また紙幣制御部11は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部11A(
図1)を有しており、この記憶部11Aに種々の情報を記憶させるようになされている。
【0041】
紙幣制御部11は、例えば顧客が紙幣を入金する入金取引を行う場合、操作表示部6を介して所定の操作入力を受け付けた後、入出金口5のシャッタを開いて上部ユニット24に設けられた入出金部12内へ紙幣を投入させる。
【0042】
入出金部12は、紙幣が投入されると、入出金口5のシャッタを閉じてから紙幣を1枚ずつ繰り出し、上部搬送路13へ受け渡す。上部搬送路13は、長方形の紙葉状に構成された紙幣を短辺方向に沿って進行させ、鑑別部14へ搬送する。
【0043】
鑑別部14は、その内部で紙幣を搬送しながら、光学素子や磁気検出素子等を用いて当該紙幣の金種及び真偽、並びに損傷の程度等を鑑別する。そして鑑別部14は、紙幣の鑑別結果を紙幣制御部11へ通知する。これに応じて紙幣制御部11は、鑑別部14から取得した紙幣の鑑別結果に基づいて当該紙幣の搬送先を決定する。
【0044】
このとき上部搬送路13は、鑑別部14において正常紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部15へ搬送する等して一時的に保留させる。一方で上部搬送路13は、取引すべきでないと鑑別されたリジェクト紙幣を入出金部12へ搬送して顧客に返却する。
【0045】
その後紙幣制御部11は、操作表示部6を介して顧客に入金金額を確定させ、一時保留部15に保留している紙幣を上部搬送路13により鑑別部14へ搬送し、その金種及び損傷の程度等を鑑別させ、その鑑別結果を取得する。
【0046】
そして紙幣制御部11は、紙幣の損傷の程度が大きければ、これを再利用すべきでない紙幣として上部搬送路13によりリジェクト庫16へ搬送して収納する。また紙幣制御部11は、損傷の程度が小さければ、これを再利用すべき紙幣として上部搬送路13により鑑別部14に搬送し、当該鑑別部14により再び紙幣を鑑別する。
【0047】
上部搬送路13は、鑑別部14において正常紙幣と鑑別された紙幣を、下部ユニット28の下部搬送路19へ受け渡し、その金種に応じた紙幣カセット17に収納させる。一方で上部搬送路13は、取引すべきでないと鑑別された紙幣を回収庫18に搬送する。
【0048】
ところで金庫筐体26は、
図3(B)に示すように内部に空間が形成されると共にその後側に当該空間と外部とを連通させる連通孔32が形成されており、当該空間内に下部ユニット28を収納している。下部ユニット28のカセットフレーム30は、
図3(A)及び(B)に示すように、スライドレール34を介して金庫筐体26に取り付けられている。
【0049】
スライドレール34は、前後方向に延長されたレール状の部品や複数のローラ等(図示せず)の組み合わせにより構成されており、金庫筐体26に対し下部ユニット28を前方向又は後方向へ直線的に且つ円滑に移動させるようになされている。
【0050】
またスライドレール34は、金庫筐体26に対する下部ユニット28の移動範囲を規定しており、
図3(A)及び(B)に示した位置の間で当該下部ユニット28を移動させる。
【0051】
紙幣入出金機10は、顧客との間で取引処理が行われる場合や下部ユニット28の保守作業が行われない場合、
図3(A)に示したように下部ユニット28を金庫筐体26の内部に収納することにより、当該下部ユニット28内の各部や紙幣等を保護する。以下これを下部ユニット28の収納状態と呼ぶ。
【0052】
この収納状態において、下部ユニット28は金庫筐体26に対し所定の収納位置に位置決めされる。
【0053】
一方紙幣入出金機10は、保守作業者や金融機関の係員等により下部ユニット28の保守作業や紙幣の充填作業が行われる場合、
図3(B)に示したように下部ユニット28を後方向へ移動させて、当該下部ユニット28のほぼ全体を金庫筐体26の外部に引き出した状態とする。
【0054】
以下では、下部ユニット28が金庫筐体26からほぼ全体が引き出されているか否かにかかわらず、当該下部ユニット28が収納位置から後側に引き出された状態を引出状態と呼ぶ。
【0055】
ところで、カセットフレーム30の前側面には、金庫筐体26の内側面に向かって(すなわち前方に向かって)突設する突起36が形成されている。また金庫筐体26の内側面には、当該突起36と嵌合するインターロックスイッチ38が設けられている。
【0056】
下部ユニット28の収納状態においては、
図3(A)に示すように突起36がインターロックスイッチ38に嵌合することにより、当該インターロックスイッチ38は、オン信号を紙幣制御部11へ送信する。
【0057】
一方下部ユニット28の引出状態においては、
図3(B)に示すように、突起36がインターロックスイッチ38から離脱することにより、当該インターロックスイッチ38は、オフ信号を紙幣制御部11へ送信する。
【0058】
これにより紙幣制御部11は、下部ユニット28が引出状態にあることを認識すると、下部ユニット28に対する電源の供給を遮断することにより、当該下部ユニット28の動作を停止させる。
【0059】
このため紙幣制御部11は、例えば搬送不良を起こした紙幣を保守作業者が下部ユニット28に手を入れて取り出す際に、誤ってモータやローラが回転してしまい、保守作業者が怪我をしてしまうことを防止するようになされている。すなわち本実施の形態において、インターロックスイッチ38は安全装置として機能している。
【0060】
インターロックスイッチ38は、収納状態ではオンするものの、当該収納状態から下部ユニット28がやや後側に引き出された状態であってもオンのままとなることがある。このため紙幣入出金機10は、ロック部40をロックさせることにより、下部ユニット28を確実に収納位置に位置させる。
【0061】
[1−3.ロック部の構成]
図4に示すように金庫筐体26の左壁の内側面には、スライドレール34の近傍に支持部44が取り付けられている。
【0062】
また、下部ユニット28の左側面には、支持部44とほぼ同等の高さにおいて、スライドレール34の近傍にロック機構42が設けられている。以下では、ロック機構42と支持部44とをまとめてロック部40とも呼ぶ。
【0063】
下部ユニット28が金庫筐体26内部の前方に押し込まれ、ロック機構42が支持部44に掛止することにより、下部ユニット28が金庫筐体26に対しロックされ、位置決めされる。
【0064】
一方ロック機構42と支持部44との掛止が外れロックが解除されると、下部ユニット28は後方に引き出されることができる。
【0065】
[1−3−1.支持部の構成]
図5に示すように、支持部44は支持ベースブラケット46、ロックピン48及びロックピン軸50により構成されている。
【0066】
支持ベースブラケット46は、金属板により形成され金庫筐体26の内側に固定されており、ロックピン48が挿嵌される孔部(図示せず)が左右方向に穿設されている。
【0067】
ロックピン軸50は、略円筒形状に形成された軸部50Aの左端部分が、支持ベースブラケット46の孔部に嵌め込まれて固定されていると共に、軸部50Aの右端には、当該軸部50Aの外径よりも大きい外径を有する軸フランジ50Bが形成されている。
【0068】
ロックピン48は、左右方向に亘って同一の外径を有する円筒形状でなり、内径が軸部50Aの外径よりも僅かに大きく形成されて当該軸部50Aに遊嵌されることにより、当該軸部50Aを中心に回動自在に設けられている。
【0069】
またロックピン軸50の軸フランジ50Bの外径は、ロックピン48の外径よりも大きく形成されている。これにより、ロック機構42(
図4)がロックピン48の外周面に掛止した際に右方向に位置ずれしたとしても、軸フランジ50Bは、ロック機構42がロックピン48から外れてしまうことを防止することができる。
【0070】
さらに、ロックピン48が軸部50Aを中心に回動自在であるため、ロック機構42が係脱する際に当該ロックピン48が回転する。これにより、ロックピン48とロック機構42との摩擦を軽減すると共に、ロック機構42がロックピン48の特定の部分にのみ係合することを防止し、ロックピン48にかかる物理的な負荷を軽減することができる。
【0071】
[1−3−2.ロック機構の構成]
図4に示すように、ロック機構42は、カセットフレーム30の一部でありスライドレール34の上方において前後方向に面状に延在する取付板52に取り付けられている。
【0072】
図6(B)に示すように、ロック機構42は主に、取付板52に固定されたロックベースブラケット54と、当該ロックベースブラケット54の一部を支点として回動するロックブラケット56とにより構成されている。
【0073】
ロックブラケット56は、所定の厚みを有する金属板が、正面視において下方が開口するコの字形に曲げられた形状となっている。ロックブラケット56の後端上部には、上方へ向かって伸びた後に後方へ折り曲げられた取手58が設けられている。
【0074】
ロックブラケット56における後方やや下側であり、且つ取手58の前方下側には、ロック軸60が左右方向に挿通し、当該ロック軸60におけるロックブラケット56左外側面の位置にはロック軸固定部材62が取り付けられている。当該ロック軸60は、ロックベースブラケット54にも挿通している。
【0075】
これによりロックブラケット56は、ロック軸60を中心として
図6(B)中右回り及び左回りに回動可能に構成されている。
【0076】
また、ロックブラケット56におけるロック軸60の前方上部には、下端がロックベースブラケット54に取り付けられた圧縮スプリング64の上端が取り付けられている。
【0077】
これによりロックブラケット56は、ロック軸60を中心として
図6(B)中右回りに付勢力が加えられている。
【0078】
また、ロックブラケット56は、保守作業者により取手58に対し圧縮スプリング64の付勢力よりも大きな力で後側下方向に力を加えられると、ロック軸60を支点としてロックベースブラケット54に対し
図6(B)中左回りに回動する一方、当該力が外されると、圧縮スプリング64の付勢力により右回りに回動する。
【0079】
ロックブラケット56における前後方向のほぼ中央部分には、下から上に向かってロックブラケット56の一部がコの字形に切り欠かれた凹部66が設けられている。
【0080】
またロックブラケット56における凹部66から前端にかけては、前方に向かって下端が上方へ削れた略三角形状でなる掛止部68が形成されている。このため、掛止部68における後側下端には、凸部70が形成されている。
【0081】
ロックブラケット56には、右側面から左側へ伸びた後に前方へ折り曲がり、上下及び前後方向に面状に延びる遮断板82が形成されている。
【0082】
凹部66の前部分であって、ロック軸60と高さがほぼ同じ位置には、ロックベースブラケット54に固定された、フォトインタラプタでなるロックセンサ80が設けられている。
【0083】
ロックセンサ80は、
図6(A)に破線で示すように、左右方向に対向して設けられた発光部と受光部とを有し、発光部からの光を物体が遮断したことを受光部で検出することにより、物体の有無を検知する。
【0084】
ロックセンサ80には、発光部及び受光部からそれぞれ紙幣制御部11(
図2)へコード(図示せず)が接続されている。紙幣制御部11は、発光部に対し所定の電圧を印加して当該発光部を発光させ、受光部の電圧を検出することにより、物体を検知した状態である暗状態と、物体を検知していない状態である明状態とを判定する。
【0085】
具体的にはロックセンサ80は、
図6(B)に示すロックセンサ80における丸印部分に位置する光軸を検出領域SAとし、当該検出領域SAにおいて光軸を物体が遮断したか否かを検出する。
【0086】
ところで、例えば下部ユニット28の製造工程において、当該下部ユニット28を組み立てる際に、ロックセンサ80のコードが金属製でなるカセットフレーム30(
図4)等に挟み込まれてしまう場合がある。
【0087】
そのようなときに、ロックセンサ80の発光部から伸びるコードと受光部から伸びるコードとがショートしてしまう場合がある。
【0088】
そのような場合、紙幣制御部11は、発光部に印加した電圧をそのまま受光部において検出するため、明状態を検知する。
【0089】
一方、例えば経年劣化等によりロックセンサ80のコードが断線してしまう場合がある。そのような場合、紙幣制御部11は、発光部に電圧を印加できないか、若しくは受光部の電圧を検出できないため、暗状態を検知する。
【0090】
[1−4.ロック部の状態]
[1−4−1.ロック状態]
ロック機構42が支持部44にロックしたロック状態では、
図6(B)においてロックピン48の位置を破線で示すように、凹部66における前側上部分のコーナーにロックピン48が位置する。
【0091】
ロックセンサ80は、凹部66の前側上部分であって、且つロック状態におけるロックピン48の右端部の右側、すなわちロックブラケット56がロックピン48に掛止する位置の近傍に設けられている。
【0092】
このときロックブラケット56は、圧縮スプリング64の付勢力により、ロックピン48に向かって下方向に押し付けられる共にそれ以上の下方向への移動が規制される。
【0093】
またこのロック状態においては、ロックブラケット56に対し後方向の力が加えられた場合、掛止部68がロックピン48に当接することにより、当該ロックブラケット56の後方への移動が規制される。
【0094】
遮断板82は、ロック状態において、ロックセンサ80の検出領域SAに位置し、発光部から受光部への光を遮断するように形成されている。このとき紙幣制御部11は、暗状態を検出する。
【0095】
このようにロックブラケット56は、ロック状態において、掛止部68がロックピン48に掛止する。これにより下部ユニット28は、金庫筐体26に対し収納位置に位置決めされる。
【0096】
またこのロック状態においては、下部ユニット28は金庫筐体26の収納位置に位置しているため、インターロックスイッチ38はオンとなっている。
【0097】
このようにロック状態において紙幣制御部11は、
図9に示すように、インターロックスイッチ38のオン状態を、ロックセンサ80の暗状態を検出する。
【0098】
[1−4−2.引出状態]
上述したように、ロック状態において取手58が圧縮スプリング64の付勢力よりも大きな力で後側下方向に力を加えられると、ロックブラケット56はロック軸60を支点としてロックベースブラケット54に対し
図6(B)中左回りに回動する。
【0099】
ここで、下部ユニット28を金庫筐体26から引き出す際、凸部70の下端がロックピン48の上端を越えるまでロックブラケット56を回動させると共に、下部ユニット28を後方向へ引くと、ロックブラケット56の掛止部68は、ロックピン48から外れる。
【0100】
この引出状態においてロックブラケット56は、
図7(B)に示すように、圧縮スプリング64の付勢力によりロック状態よりも右回りに回動するものの、凸部70が取付板52に当接することで回動が規制される。
【0101】
これに伴い、遮断板82もまたロック軸60を中心にロック状態よりも右回りに回動し、ロックセンサ80に対し下方向へ移動するものの、依然として当該遮断板82は、ロックセンサ80の検出領域SAを遮断するよう位置している。
【0102】
このため紙幣制御部11は、引出状態においてもロック状態と同様に暗状態を検出する。
【0103】
またこの引出状態においては、下部ユニット28は金庫筐体26から引き出された状態であるため、インターロックスイッチ38はオフとなっている。
【0104】
因みに、この引出状態から下部ユニット28が金庫筐体26に対し押し込まれると、ロックブラケット56の掛止部68の下端面がロックピン48を摺動することで、当該ロックブラケット56がロック軸60を中心に左回りに回動し、凸部70がロックピン48を乗り越えると、当該ロックピン48が凹部66に入り込み、ロック状態となる。
【0105】
このように引出状態において紙幣制御部11は、
図9に示すように、インターロックスイッチ38のオフ状態を、ロックセンサ80の暗状態を検出する。
【0106】
[1−4−3.ハーフロック状態]
一方、例えば引出状態から下部ユニット28を金庫筐体26に押し込む際に、押し込みが不十分であった場合、
図8に示すように、凸部70がロックピン48に引っかかった状態である、ハーフロック状態になる可能性がある。
【0107】
このハーフロック状態においては、ロック状態のように下部ユニット28が金庫筐体26に対し適切に位置決めされてはいないものの、ロック状態にほぼ近い状態であるため、インターロックスイッチ38はオンになっている。
【0108】
このハーフロック状態においてロックブラケット56は、
図8(B)に示すように、圧縮スプリング64の付勢力により右回りに付勢されるものの、凸部70がロックピン48に引っ掛かっている。
【0109】
このためロックブラケット56は、ロック状態よりも左回りに回動した状態となっている。これに伴い、遮断板82もまたロック軸60を中心にロック状態よりも左回りに回動した位置となり、ロックセンサ80に対し上方向へ移動する。
【0110】
これにより遮断板82は、ロックセンサ80よりも上方に位置し、当該ロックセンサ80の検出領域SAを遮断しない位置へ移動する。
【0111】
このため紙幣制御部11は、ハーフロック状態においては、ロック状態及び引出状態とは異なり、発光部からの光が遮断されていないことを示す明状態を検出する。
【0112】
これによりハーフロック状態において紙幣制御部11は、
図9に示すように、インターロックスイッチ38のオン状態を、ロックセンサ80の明状態を検出する。
【0113】
このようロック部40は、正常な状態であるロック状態及び引出状態においては暗状態が、異常な状態であるハーフロック状態においては明状態がそれぞれ得られるように、ロックブラケット56の遮断板82の形状、ロックセンサ80及び各種部材の位置関係が設定されている。
【0114】
[1−5.動作及び効果]
以上の構成において、紙幣入出金機10は、掛止部68の近傍にロックセンサ80を設け、ロックブラケット56と一体に形成した遮断板82により、ロックセンサ80の検出領域SAを遮断又は非遮断するようにした。
【0115】
このため紙幣入出金機10は、正常な状態である暗状態とは異なる明状態を検知したとき、ハーフロック状態であると判定することができる。
【0116】
このハーフロック状態においては、下部ユニット28が金庫筐体26に対し適切に収納された収納位置に位置決めがされていない。
【0117】
従来は、インターロックスイッチ38がオンになるときは、下部ユニット28が収納位置か、又は収納位置に近い状態であるため、紙幣入出金機10は、保守の状態ではなく収納状態であるとみなして、電源を下部ユニット28に供給し紙幣を搬送していた。
【0118】
しかしながらインターロックスイッチ38がオンになったことを検出するだけでは、下部ユニット28が金庫筐体26に対し収納位置に位置決めされているとは言えず、不十分であった。
【0119】
このためハーフロック状態においても紙幣を搬送していたために、振動等が加わると、支持部44からロック機構42が外れ金庫筐体26に対する下部ユニット28の位置がずれてしまい、紙幣詰まりが発生してしまう可能性があった。
【0120】
これに対し紙幣入出金機10は、インターロックスイッチ38とは異なるロックセンサ80により下部ユニット28の状態を検知することにより、インターロックスイッチ38はオン状態であったしてもハーフロック状態を検出し、当該ハーフロック状態を検出した場合、上部ユニット
24と下部ユニット28とで紙幣を受け渡ししないようにした。
【0121】
これにより紙幣入出金機10は、下部ユニット28の位置精度を高めることができ、紙幣詰まりを防止することができる。
【0122】
一方紙幣入出金機10は、インターロックスイッチ38がオンであり、且つロックセンサ80が暗状態である場合は、ロック状態であるため下部ユニット28が収納状態にあると判定し、下部ユニット28に対し電源を供給することにより、当該下部ユニット28に設けられた各種部品を可動し得る状態とするようにした。
【0123】
また
図9に示したように、ロック状態においてはロックセンサ80が暗状態、インターロックスイッチ38がオンである一方、引出状態においてはロックセンサ80が暗状態、インターロックスイッチ38がオフである。
【0124】
このため紙幣入出金機10は、インターロックスイッチ38のオンオフを検出することにより、ロック状態と引出状態とを判別することができる。
【0125】
また、ロックセンサ80のコードがショートすることにより故障が発生している場合、ロックセンサ80はハーフロック状態と同様に明状態となる。
【0126】
ここで、下部ユニット28を金庫筐体26から引き出した状態においては、故障が発生していない場合、ロックセンサ80は暗状態となる。
【0127】
それにもかかわらず、ロックセンサ80が明状態であった場合、紙幣入出金機10は、ショートによる故障状態であると判別することができる。
【0128】
また、ロックセンサ80のコードが断線することにより故障が発生している場合、ロックセンサ80はロック状態及び引出状態と同様に暗状態となる。
【0129】
ここで、断線状態でない場合、ロック状態にある下部ユニット28を金庫筐体26から引き出すと、ハーフロック状態、引出状態へ変化するに伴い、ロックセンサ80は暗状態、明状態、暗状態と順に変化する。すなわち、ロック状態から引出状態へ変化する際、ハーフロック状態を介するので、そのときに紙幣入出金機10は明状態を検出する。
【0130】
それにもかかわらず、ロックセンサ80が常時暗状態であった場合、紙幣入出金機10は、断線状態であると判別することができる。
【0131】
このように紙幣入出金機
10は、ロックセンサ80のショート状態に起因する故障であるのか、断線状態に起因する故障であるのかを判別することができる。
【0132】
かくして紙幣入出金機10は、ロックセンサ80の状態と、インターロックスイッチ38の状態とを組み合わせることにより、ロック状態、ハーフロック状態、引出状態、ショートによる故障及び断線による故障の5つの状態を判別することができる。
【0133】
また紙幣入出金機10は、掛止部68の近傍にロックセンサ80を設けるようにしたため、精度高く遮断板82を検出することができる。
【0134】
ところで、遮断板82を形成せずに、凸部70の近傍にロックセンサ80を設け、凸部70がロックセンサ80の検出領域SAを遮断したか否かを判定することも可能である。
【0135】
しかしながらその場合、ロックブラケット56が前後方向に移動する際にロックピン48を乗り越えてロックするという、凸部70本来の機能に加えて、さらにロックセンサ80を遮断するという機能も凸部70に加えてしまうため、設計の自由度が低くなってしまう。
【0136】
これに対しロック機構42は、ロックセンサ80を遮断するという機能を、凸部70には行わせず、遮断板82に行わせるようにしたため、設計の自由度を高めることができる。
【0137】
また下部ユニット28においては、後端近傍にロックブラケット56の取手58が設けられている。このため紙幣入出金機10は、外部から下部ユニット28を引き出す際の保守作業者の操作性を向上することができる。
【0138】
以上の構成によれば、紙幣入出金機10は、金庫筐体26内の所定の収納位置に収納されたときに所定の処理を実行し金庫筐体26の外部に引き出されたときに所定の作業がなされる下部ユニット28が、金庫筐体26から引き出されたか否かをインターロックスイッチ38により検知し、ロック部40により、収納位置に下部ユニット28をロックすると共に、ロックを解除し金庫筐体2
6から下部ユニット28を引き出し可能にし、ロック部40がロックしているロック状態と、ロック部40が不完全にロックしているハーフロック状態と、ロック部40のロックが解除されている引出状態とのうち、少なくとも2の状態をロック部40近傍に設けられたロックセンサ80により検知し、インターロックスイッチ38による検知結果と、ロックセンサ80による検知結果とに基づき、紙幣制御部11により、ロック状態と、ハーフロック状態と、引出状態との3の状態を判別するようにした。
【0139】
これにより紙幣入出金機10は、金庫筐体26に対する下部ユニット28の状態を検出すると共に、金庫筐体26に対する下部ユニット28の位置精度を高めることができる。
【0140】
<2.第2の実施の形態>
図1に示す第2の実施の形態による現金自動預払機101は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比べて、
図2に示す紙幣入出金機110におけるロック部140が、紙幣入出金機10におけるロック部40と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
【0141】
また第2の実施の形態によるロック部140は、第1の実施の形態によるロック部40と比べて、
図10(B)に示すロック機構142の遮断板182の形状がロック機構42の遮断板82(
図6(B))と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
【0142】
図10(B)に示すように、遮断板182は、遮断板82と比べ、下端部が下方へ延びており、全体として遮断板82よりも縦長に形成されている。
【0143】
また遮断板182は、ロック状態において側面視でロックセンサ80と重なる部分が、コの字形に切り欠かれた切欠部84が形成されている。
【0144】
このため遮断板182は、ロック状態において、ロックセンサ80の検出領域SAに切欠部84が位置し、発光部から受光部への光を遮断しないように形成されている。このとき紙幣制御部11は、
図13に示すように明状態を検出する。
【0145】
一方引出状態においては、
図11(B)に示すように遮断板182はロックセンサ80の検出領域SAを遮断するように位置している。このとき紙幣制御部11は、
図13に示すように暗状態を検出する。
【0146】
またハーフロック状態においては、
図12(B)に示すように遮断板182は引出状態と同様に、ロックセンサ80の検出領域SAを遮断するように位置している。このとき紙幣制御部11は、
図13に示すように暗状態を検出する。
【0147】
このようにロック部140は、ロック状態においては明状態が、引出状態及びハーフロック状態においては暗状態がそれぞれ得られるように、ロックブラケット156の遮断板182の形状、ロックセンサ80及び各種部材の位置関係が設定されている。
【0148】
これにより紙幣入出金機110は、ロックセンサ80の状態と、インターロックスイッチ38の状態とを組み合わせることにより、ロック状態、ハーフロック状態、引出状態、ショートによる故障及び断線による故障の5つの状態を検出することができる。
【0149】
すなわち、紙幣入出金機110は、インターロックスイッチ38がオン且つロックセンサ80が明状態の場合はロック状態と、インターロックスイッチ38がオン且つロックセンサ80が暗状態の場合はハーフロック状態と、インターロックスイッチ38がオフ且つロックセンサ80が暗状態の場合は引出状態と判定できる。
【0150】
さらに紙幣入出金機110は、インターロックスイッチ38のオンオフにかかわらずロックセンサ80が常時明状態の場合はショートによる故障と、インターロックスイッチ38のオンオフにかかわらずロックセンサ80が常時暗状態の場合は断線による故障と判定できる。
【0151】
<3.第3の実施の形態>
図1に示す第3の実施の形態による現金自動預払機201は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比べて、
図2に示す紙幣入出金機210におけるロック部240が、紙幣入出金機10におけるロック部40と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
【0152】
また第3の実施の形態によるロック部240は、第1の実施の形態によるロック部40と比べて、
図14に示すロック機構242の遮断板282の形状がロック機構42の遮断板82(
図6(B))と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
【0153】
遮断板282は、ロック状態において側面視でロックセンサ80と重なる部分の上側及び下側において矩形状でなる上側孔部86及び下側孔部88が穿設されており、全体として日の字形になっている。また上側孔部86と下側孔部88との間には、中央板部90が形成されている。
【0154】
このため遮断板282は、ロック状態において、
図14に示すようにロックセンサ80の検出領域SAに中央板部90が位置し、発光部から受光部への光を遮断するように形成されている。このとき紙幣制御部11は、
図17に示すように暗状態を検出する。
【0155】
一方引出状態においては、
図15に示すように遮断板282の上側孔部86がロックセンサ80の検出領域SAに位置している。このとき紙幣制御部11は、
図17に示すように明状態を検出する。
【0156】
またハーフロック状態においては、
図16に示すように遮断板282の下側孔部88がロックセンサ80の検出領域SAに位置している。このとき紙幣制御部11は、
図17に示すように明状態を検出する。
【0157】
このようにロック部240は、ロック状態においては暗状態が、引出状態及びハーフロック状態においては明状態がそれぞれ得られるように、ロックブラケット256の遮断板282の形状、ロックセンサ80及び各種部材の位置関係が設定されている。
【0158】
かくして紙幣入出金機210は、ロックセンサ80の状態と、インターロックスイッチ38の状態とを組み合わせることにより、ロック状態、ハーフロック状態、引出状態、ショートによる故障及び断線による故障の5つの状態を判別することができる。
【0159】
<4.第4の実施の形態>
図1に示す第4の実施の形態による現金自動預払機301は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比べて、
図2に示す紙幣入出金機310におけるロック部340が、紙幣入出金機10におけるロック部40と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
【0160】
図18(A)に示すように、ロック部340の支持部344は、前後方向に延びる金属板が後端で下方向に折り曲げられた形状でなるロック受けブラケット92が、金庫筐体(図示せず)の内側に固定されることにより構成されている。
【0161】
またロック受けブラケット92には、平面視(
図18(B))において前後方向に延びる長方形状の受け孔94が上下方向に貫通するよう穿設されている。
【0162】
ロック受けブラケット92の受け孔94の後端の下方には、検出領域SAが上方に設けられたロックセンサ80が設けられている。
【0163】
ロック機構342のロックブラケット356は、ロックブラケット56(
図6)と比べて、掛止部368の前部分の下端部が前後方向に沿って形成されている。因みに
図18及び
図19においては、ロック機構342におけるロックベースブラケット等は図示せず省略する。
【0164】
引出状態(
図18(A))においては、凸部370はロックセンサ80の検出領域SAを遮断しない位置にある。このため紙幣制御部11は、
図17に示すように明状態を検出する。
【0165】
引出状態からロックブラケット356が前方へ移動すると、凸部370がロック受けブラケット92の後端部分を乗り越えて受け孔94に掛止され、
図19に示すようにロック状態となる。
【0166】
このとき凸部370はロックセンサ80の検出領域SAを遮断するように位置している。このため紙幣制御部11は、
図17に示すように暗状態を検出する。
【0167】
一方図
20に示すように、凸部370が受け孔94の後端に引っ掛かってしまったハーフロック状態においては、凸部370はロックセンサ80の検出領域SAを遮断しなくなる。このとき紙幣制御部11は、
図17に示すように明状態を検出する。
【0168】
このように紙幣入出金機310は、ロックセンサ80の状態と、インターロックスイッチ38の状態とを組み合わせることにより、ロック状態、ハーフロック状態、引出状態、ショートによる故障及び断線による故障の5つの状態を検出することができる。
【0169】
またロック機構342においては、ロック機構42(
図6)のように遮断板82を設ける必要がないため、構成を簡易なものにすることができる。
【0170】
<5.他の実施の形態>
なお上述した実施の形態においては、左右方向に亘って外径が同じであるロックピン48(
図5)について述べた。本発明はこれに限らず、
図21に示すロックピン448のように、中央部分から左右両端に向かうにつれて外径が大きくなるピンフランジ96が形成されていても良い。
【0171】
この場合、ロックブラケット56がロックピン448に掛止する際に左右方向に位置ずれしていたとしても、当該ロックブラケット56はピンフランジ
96の外周面に沿ってロックピン448の左右中央部分に位置が矯正される。
【0172】
下部ユニット28は非常に重量があり、さらに金庫筐体26に対し出し入れが繰り返されるため、カセットフレーム30が歪む可能性がある。このため下部ユニット28は、金庫筐体26に対し左右方向に位置がずれる可能性がある。
【0173】
そのような場合においてもロックピン448は、金庫筐体26に対する下部ユニット28の左右の位置ずれを防ぎ、位置精度をより向上させることができる。
【0174】
また上述した第4の実施の形態のようにロック受けブラケットを用いる場合においても、下部ユニット28の左右方向の位置ずれを矯正しても良い。
【0175】
具体的には、
図22及び
図23に示すように、支持部444のロック受けブラケット492は、前後方向に延びる金属板が前後端部で下方向に折り曲げられたコの字形状でなり、金庫筐体(図示せず)の内側に固定されている。
【0176】
またロック受けブラケット492には、平面視(
図23(C))において前後方向中央部分から前端部へ向かって延びる略長方形状の受け孔494が上下方向に貫通するよう穿設されている。さらに受け孔494は、正面視において下端部に亘って穿設されている。
【0177】
図23(B)に示すように、正面視において受け孔494の上部には、上方から下方に向かうにつれて左右の幅が徐々にテーパー形状に狭くなる位置矯正部98が形成されている。
【0178】
この場合、ロックブラケット356が受け孔494に掛止する際に左右方向に位置ずれしていたとしても、当該ロックブラケット356は位置矯正部98に沿ってロック受けブラケット492の左右中央部分に位置が矯正される。
【0179】
これにより掛止部368は、ロック状態において、ロックセンサ80の検出領域SAの左右方向の中央部分に位置ずれすることなく配置される。
【0180】
これによりロック受けブラケット492は、金庫筐体26に対する下部ユニット28の左右方向の位置ずれを防ぎ、位置精度をより向上させることができる。
【0181】
さらに上述した実施の形態においては、インターロックスイッチ38を金庫筐体26に、突起36をカセットフレーム30に設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インターロックスイッチ38をカセットフレーム30に、突起36を金庫筐体26に設けても良い。
【0182】
さらに上述した実施の形態においては、下部ユニット28を金庫筐体26にロックする際に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上部ユニット24を紙幣入出金機筐体20にロックする際に適用しても良い。
【0183】
さらに上述した第1の実施の形態においては、ロックベースブラケット54にロックセンサ80を設け、当該ロックベースブラケット54に対し可動するロックブラケット56に遮断板82を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ロックベースブラケット54に遮断板82を設け、ロックブラケット56にロックセンサ80を設けても良い。第2の実施の形態乃至第4の実施の形態においても同様である。
【0184】
但しロックセンサ80は可動せずに固定され、遮断板82が可動する方が、安定的にロックを検出できると考えられる。
【0185】
さらに第1、第2又は第3の実施の形態に対し第4の実施を組み合わせる等、適宜実施の形態を組み合わせても良い。
【0186】
さらに金庫筐体26に下部ユニット28をロックする際、他の種々の方式でなるロック部によりロックし、ロック状態、ハーフロック状態及び引出状態を検出しても良い。
【0187】
さらに上述した実施の形態においては、下部ユニット28を金庫筐体26の後側へ移動させることにより、その殆どを金庫筐体26の外部へ引き出した引出状態とするようにした場合について述べた。
【0188】
本発明はこれに限らず、例えば下部ユニット28を金庫筐体26の左側や右側へ移動させることにより引出状態とするようにしても良い。
【0189】
さらに上述した実施の形態においては、下部ユニット28が金庫筐体26の内部に収納され又はその外部へ引き出される紙幣入出金機に本発明を適用するようにした場合について述べた。
【0190】
本発明はこれに限らず、例えば紙幣入出金機や硬貨処理部(図示せず)等の各部が筐体2の内部に収納され又はその外部へ露出される現金自動預払機1に本発明を適用しても良い。
【0191】
さらに上述した実施の形態においては、紙幣等の現金を取引する現金自動預払機1の紙幣入出金機において、媒体としての紙幣について搬送処理及び収納処理等の各処理を行うようにした場合について述べた。
【0192】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば商品券や金券、入場券等のような薄い紙状の媒体を搬送処理及び収納処理等の各処理を行う種々の装置に適用するようにしても良い。
【0193】
さらに上述した実施の形態においては、筐体としての金庫筐体26と、引出としての下部ユニット28と、インターロックスイッチとしてのインターロックスイッチ38と、ロック部としてのロック部40と、ロック検知センサとしてのロックセンサ80と、制御部としての紙幣制御部11とによって引出装置としての紙幣入出金機10を構成する場合について述べた。
【0194】
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる筐体と、引出と、インターロックスイッチと、ロック部と、ロック検知センサと、制御部とによって引出装置を構成するようにしても良い。
【0195】
さらに上述した実施の形態においては、筐体としての金庫筐体26と、受付部としての接客部3と、搬送部としての上
部搬送路13及び下
部搬送路19と、引出としての下部ユニット28と、インターロックスイッチとしてのインターロックスイッチ38と、ロック部としてのロック部40と、ロック検知センサとしてのロックセンサ80と、制御部としての紙幣制御部11とによって媒体取引装置としての現金自動預払機1を構成する場合について述べた。
【0196】
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる筐体と、受付部と、搬送部と、インターロックスイッチと、ロック部と、ロック検知センサと、制御部とによって媒体取引装置を構成するようにしても良い。