(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例】
【0018】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1に電気ポットの全体断面図示し、
図2に電気ポットの蓋体の一部拡大断面図を示し、
図3に蓋体内に蒸気回収ユニットを組み付けた斜視図を示し、
図4に蓋下部材の下面の蒸気の流れを示し、
図5乃至
図8に蒸気回収ユニットの詳細を示し、
図9乃至
図12に蒸気並びに結露水の流れを示す。なお、給湯口側を前方側、給湯口側と反対側のヒンジ部側を後方側、前後方向に直交する側を左右側と呼ぶ。また、この例では蓋体にベローズポンプユニットを設けるものを用いて説明するがないものでもよい。
【0020】
電気ポットPは、貯湯用の内容器3を備えた容器本体1と、該容器本体1を開閉する蓋体2と、前記内容器3を加熱する加熱手段としての電気ヒータ4と、前記内容器3内の湯を給湯口5より給湯するための給湯通路6と、該給湯通路6を介して湯を送り出す電動ポンプ7等を備えて構成される。また、容器本体1の外周部には、該ポットを持ち運びするための取手9bが設けられている。
【0021】
前記容器本体1は、外周面を構成する合成樹脂製の外ケース8と、内周面を構成する前記内容器3と、前記外ケース8と内容器3とを結合する合成樹脂製の環状の肩部材9と、底面を構成する合成樹脂製の底部材10及び該底部材10の外周上に形成される溝内に収納され、容器本体1を回転する回転体11からなる。
【0022】
前記肩部材9のリング状の内壁部9aの後方側で、後記するシールパッキン49が当接する箇所には、蒸気センサ24が配置される。また、肩部材9には、略半円弧状の取手9bが設けられる。
【0023】
前記内容器3の底部には、雲母板に発熱体を保持させてなるマイカヒータ等の電気ヒータ4が取り付けられ、その底部中央には内容器3内の湯温を検出する湯温検出手段としての湯温センサー12が設けられ、加熱及び保温制御のために用いられる。
【0024】
前記給湯口5が設けられるポット前方側の上面には、図示しない表示部及び各種スイッチボタンが配置され、タイマー設定ならびに温度表示等の表示がなされる。また、前方側の下部空間には、転倒流出止水弁13が設けられ、電気ポットPが傾斜ならびに転倒した場合に、給湯通路6を閉鎖し、湯が外部に流出しないようにする。
【0025】
前記蓋体2は、合成樹脂製の蓋上部材14と該蓋上部材14に対して図示しないビス等により結合される合成樹脂製の蓋下部材15等とを有し、更に該蓋下部材15の下部には、内容器3の開口端に対向する金属製の内蓋部材21が設けられ、前記肩部材9の後部に設けられたヒンジ部20を介して開閉自在に支持される。
【0026】
前記蓋上部材14は、略矩形状の平板状の部材であり、その前方側の中央部には平面視矩形状のロック部材14aが設けられ、このロック部材14aの前方側を下方に押圧することにより係止片14aa(
図3参照)が後退し、蓋体2はヒンジ部20に設けられるばね力で開蓋される。
【0027】
前記蓋下部材15は、樹脂製の断面略お椀形状で、且つ平面視略矩形状の部材で、図示しないビス等により蓋上部材14に取り付けられる。蓋下部材15は、その底部に上方に突き出る形態で円筒状凹部17が設けられるとともに、その円筒状凹部17内には、円筒状凹部17の内径より小さい外径を有する円形リブ16が設けられる(
図4等参照)。
【0028】
図4に示すように、この円形リブ16の前方側には、矩形状の小さな切欠18が設けられるとともに、円形リブ16と円筒状凹部17との間の空間Sの後方側は、蒸気導出溝19aが連通し、この蒸気導出溝19aは蓋下部材15の後方端で上下方向に開口する蒸気導出口19に連通する。
【0029】
蓋下部材15の下方には、上記した内蓋部材21が設けられる。この内蓋部材21の内面には、前記空間S及び蒸気導出溝19aを囲む略円形状のシール部材22が設けられ、内蓋部材21が取付けられると前記空間S及び蒸気導出溝19aを閉鎖空間にする。
【0030】
前記内蓋部材21のシール部材22が取付けられる中央には、
図4で破線で示すように、蒸気口22aが設けられており、内容器3内の蒸気は、
図2及び
図4で矢印(1)で示すように、蒸気口22aから円形リブ16内に入り、次いで矢印(2)で示すように前方側の切欠18から、円形リブ16と円筒状凹部17との間の空間Sに入り、矢印(3)で示すように空間Sを後方側に迂回し、蒸気導出溝19aを経て蒸気導出口19から後記蒸気回収ユニット30に流入する。
【0031】
また、蓋下部材15の後方側であって肩部材9の内壁部9aに対向する箇所には、矩形状開口15a(
図2参照)が設けられ、この矩形状開口15aには、矩形状のシールパッキン49が嵌合する。そして、矩形状のシールパッキン49の内周面には、蒸気回収ユニット30の下ケース32に形成される下傾斜部35a2が当接し、蓋体2の閉蓋時、シールパッキン49の外周面は、肩部材9の内壁部9aに当接して、シールパッキン49の内部にシール空間49aを形成する。
【0032】
前記蓋上部材14と前記蓋下部材15との間には、ベローズポンプユニット25が設けられる。このベローズポンプユニット25は、押圧部材26、ベローズ体27、バルブロッド28及びシール環状体29を有する。
【0033】
前記押圧部材26は、平面視円形状で下方が開口したハット状の部材で、蓋上部材14に一体形成される筒状体14bの内面に沿って摺動する。即ち、ベローズポンプユニット25は、筒状体14bの内面に形成される筒状空間R(
図2参照)内に配置される。
【0034】
前記ベローズ体27は、上板27aと、下板27bと、上板27aと下板27bとの間に介在するベローズ27cと、ベローズ27c内の上板27aと下板27bとの間に介在するばね力の大きい第1スプリング27dとを有する。そして、上板27aにはベローズ27cが下方に押圧されると閉じ、上方に伸びると開放する逆止弁が設けられる。
【0035】
前記バルブロッド28は、ベローズ体27の内部中央に配置され、上板27aとの間にばね力の弱い第2スプリング27eを介在し、その下端部より若干上方にはベローズ27cが下方に押圧されると開放し、上方に伸びると閉鎖する弁体27fが設けられるとともに、その下端部にはリング状のシール環状体29が設けられる。
【0036】
そして、
図2に示すベローズポンプユニット25の非作動時には、上板27aの逆止弁と、バルブロッド28の弁体27fは閉じ、シール環状体29は内蓋部材21の蒸気口22aに若干の隙間を有して対向する。
【0037】
ベローズ体27が上方から押されるベローズポンプユニット25の作動時には、逆止弁は閉じ、弁体27fは開放するとともに、シール環状体29は蒸気口22aの内周面に当接し、ベローズ体27内の空気を内容器3内に押し出す。その結果、内容器3内の湯は上方から押圧され、その一部は給湯通路6を介して給湯口5より外部に排出される。
【0038】
ベローズ体27を上方から押す力が解除されると、第1スプリング27dによりベローズ体27は伸び、逆止弁は開放し、弁体27fは閉じるとともに、シール環状体29は蒸気口22aの内周面から離れる。その結果、内容器3内の蒸気は蒸気口22aを介して上記空間Sに浸入可能になる。
【0039】
前記蓋上部材14と前記蓋下部材15との間であって、ベローズポンプユニット25の外周には、上方に蒸気回収ユニット30が入る空間を残して、発泡スチロール等の断熱材23が設けられ、蓋体2の断熱を行う。
【0040】
断熱材23の上方空間には、
図1乃至
図3に示すように蒸気回収ユニット30が配置される。この蒸気回収ユニット30を断熱材23の上方に配置するのは、蒸気回収ユニット30内の蒸気が上方への放熱により冷え易くして、できるだけ早く結露水にするためである。このように蓋上部材14と蒸気回収ユニット30との間に断熱材23は設けないが、上方への放熱が多いと火傷する恐れが生じるため、蓋上部材14と蒸気回収ユニット30との間に空気層14cを設ける。
【0041】
前記蒸気回収ユニット30は、蒸気を導入し、導入した蒸気を水にして回収する樹脂製の部材であり、蒸気の入口である蒸気導入パイプ40の蒸気導入口41と圧力が大気に抜ける出口である出口孔45を有するとともに、その内部に左右方向にジグザグ状に蛇行する複数の経路、この例では2経路を有しており、蒸気導入口41から導入する蒸気を内部のそれぞれの通路内で全て結露水にする。そのため、出口孔45まで蒸気が行くことはなく、出口孔45は圧力を外部に開放するための圧力開放口として機能する。なお、以下においては、入口及び出口近傍の通路は1経路で、途中の通路が複数経路、即ち2経路のものについて説明するが、出入口及び途中の通路が全て独立した経路からなるものでもよい。
【0042】
蒸気回収ユニット30は、上ケース31及び下ケース32からなる。上ケース31及び下ケース32は、ほぼ同形であり、それぞれの外端部を当接して超音波溶着、またはパッキン等を介してシールする等の方法で一体化されるものであり、前方側の平面視略コ字状のコ字状部33と、そのコ字状部33の後方側に伸びる平面視略トンネル状のトンネル状部34と、そのトンネル状部34の後方側に伸びる矩形状の舌状部35とを有する。
【0043】
前記コ字状部33は、前方側の部分で、その中央の矩形状のくびれ部には平面視矩形状のロック部材14aが配置される。前記トンネル状部34は、中央より後方側にかけての部分であり、その中央には蓋上部材14の筒状体14bが入り込む嵌合孔30aが形成される。
【0044】
前記舌状部35は、トンネル状部34の中央から後方側に伸びる部分で、その後方端に傾斜部35aを有する。この傾斜部35aは、上ケース31に形成される上傾斜部35a1と、下ケース32に形成される下傾斜部35a2とを有し、上傾斜部35a1は、下傾斜部35a2の略半分の長さであり、下傾斜部35a2の上方に当接される。
【0045】
図8に示すように下傾斜部35a2は、1経路から複数、即ち2経路への分岐部であり、左右方向に3個の開孔、即ち、中央開孔36aと、左右開孔36b、36bを有している。中央開孔36aは、左右開孔36b、36bより小さく、蒸気導入口41に連通し、左右開孔36b、36bは、同形で中央開孔36aより大きく、下流側の2経路のそれぞれの通路に連通する。この場合、中央開孔36aが第1の蒸気孔に相当し、左右開孔36b、36bが第2の蒸気孔になる。
【0046】
そして、蒸気回収ユニット30は、蓋体2内の上部空間にその上部に空気層14cを有する形態で配置される。その配置形態を
図5に示す。蒸気回収ユニット30が配置されると、コ字状部33は水平状態になり、トンネル状部34及び舌状部35は、後方に向かって下がる傾斜状態になる。即ち、蒸気回収ユニット30の出口である出口孔45は、入口である蒸気導入口41より高く、且つ途中経路は、出口側から入口側に向かって高さが高くならないようにされる。
【0047】
なお、コ字状部33もトンネル状部34及び舌状部35と同様の傾斜状態にしてもよい。しかし、すべてを傾斜状態にすると、蒸気回収ユニット30の上下方向の長さが長くなるのでこのような形態を採用している。即ち、一部通路を水平にすることにより、結露水の戻りを低下することなく蓋体の上下方向の高さを低減することができる。
【0048】
次いで蒸気回収ユニット30の通路形状等について述べる。なお、上ケース31の通路形状は、下ケース32に形成されるものとほぼ同じであり、以下においては、
図6及び
図7(主として
図7)に示す下ケース32により説明する。なお、本実施例のものは、電気ポットPの前後方向の中心線C−Cに対して左右方向にほぼ同形状の通路を有する2経路のものであるが、左右方向の通路を更に複数経路に分割してもよい。
【0049】
下ケース32のトンネル状部34の後方側の中央には、蒸気の入口である蒸気導入口41を有する蒸気導入パイプ40が垂下されており、この蒸気導入パイプ40は、蓋下部材15の蒸気導出口19に接続され、蒸気導出口19から導出する蒸気を導入する。
【0050】
この蒸気導入口41は分岐部に設けられる中央開孔36aに連通する。この中央開孔36aは、同じく分岐部にある左右開孔36b、36bに上記したシールパッキン49の内部に形成されるシール空間49aを介して連通する。そして、左右開孔36b、36bは前後方向の中心線C−Cに対して左右方向に形成されるそれぞれの通路に連通する。
【0051】
なお、
図8に示すように中央開孔36aの底面は、矢印で示すように後方から前方に向かって降下する降下傾斜面36aaとされ、左右開孔36b、36bの底面は、同じく矢印で示すように後方から前方に向かって上昇する上昇傾斜面36bbとされており、結露水の蒸気導入口41方向への戻りを助ける。
【0052】
前記トンネル状部34に形成される2経路の通路形状はほぼ同じであり、嵌合孔30aを形成している内周壁42の外面には、複数、例えば3個の内リブ42a・・・が外周壁43方向に張り出すとともに、所定距離離れて一体(別体であってもよい。)に設けられ、外周壁43の内面には、複数、例えば3個の外リブ43a・・・が内周壁42方向に張り出すとともに、3個の内リブ42a・・・と交互に並ぶように所定距離離れて一体(別体であってもよい。)に設けられている。
【0053】
そのため、左右開孔36b、36bより導入する蒸気は、3個の内リブ42a・・・と3個の外リブ43a・・・との間をジグザク状に蛇行して流れ、冷やされ途中で結露水になる。なお、ジグザク状に蛇行して流れるとは、少なくとも1個の内リブ42aまたは外リブ43aと他のリブの一部を続けて流れるとの意味である。
【0054】
また、上記内リブ42a・・・及び外リブ43a・・・の全ては、平面視でその先端部が根本部より後方側になるように傾斜して設けられる。また
図5について説明したように底面も前方から後方に向かって下方に傾斜しており、
図9に矢印で示すように、蓋体2が後方側に傾斜、転倒或いは開蓋された場合、矢印で示すように結露水の内容器3方向への戻りを良好にする。なお、
図12に蓋体2を開蓋した時の結露水の戻りを示す。即ち、蒸気回収ユニット30内に溜まった結露水は矢印で示すような経路で内容器3内に戻る。
【0055】
前記コ字状部33には、その前方の右側に圧力が大気に抜ける出口であって、給湯口5の近傍で大気に連通する出口孔45と、前後方向の中心線C−Cを挟んで出口孔45の反対側、即ち左側に貯水部46(第1の溜まり部)を有し、さらに出口孔45及び貯水部46より後方側には、前後方向の中心線C−Cを跨いで左右方向に伸びる一本の合流通路47を有する。
【0056】
この合流通路47の入口部47aは、外周壁43近傍まで伸びており、この入口部47aは蒸気導入口41に連通し、入口部47aと反対側は出口孔45に連通する。そして、電気ポットPが
図10で示すように右側に倒れた場合、内容器3内の湯が蒸気導入口41から蒸気回収ユニット30内に浸入し、前後方向の中心線C−C近傍まで至ったとしても入口部47aはそれより上方に位置するため、浸入した湯が出口孔45から外部に流出することはない。この合流通路47の入口部47aの位置は、蒸気回収ユニット30内に浸入する湯の高さより上方になるように設けることになる。このような形態にすることにより、蓋体2内に転倒流水防止用の止水バルブや貯湯空間を設ける必要がなくなるため、軽量化が図れ、コストダウンになる。
【0057】
なお、出口孔45は、蓋体2の前後いずれか一方側で、且つ前記蓋体2の左右いずれか一方側、即ち、蓋体2の4隅のいずれかであればよく、前記蒸気導入口41である入口は、蓋体2の前後方向において前記出口孔45と反対側のいずれか、即ち、中央部或いは左右側であればよい。
【0058】
前記合流通路47は、上流側通路47b及び下流側通路47cを有する全体としてく字状に折れ曲がった通路である。即ち、前後方向の中心線C−Cを境にした上流側の上流側通路47bは平面視で入口部47a側が後方になるように傾斜し、同じく下流側の下流側通路47cは平面視で前後方向の中心線C−Cに直交する方向である。そのため、
図9に矢印で示すように、蓋体2が後方側に傾斜、転倒或いは開蓋された場合、合流通路47内の結露水は矢印で示すように自重で入口部47a方向に戻り、他の結露水も矢印で示すように蒸気導入口41方向へ戻る。
【0059】
また、合流通路47の底面は水平であるが、入口部47a側に向かって下がるように傾斜させてもよい。このように傾斜させることにより蓋体2が水平な通常状態時、結露水の蒸気導入口41方向への戻りがよくなる。なお、合流通路47の平面視形状は、く字状に限らず、全て傾斜していても、円弧状及び曲線状で傾斜していてもよい。要は平面視で入口部47a側が出口である出口孔45に連通する側より入口である蒸気導入口41に近づくように傾斜していればよい。
【0060】
このように、合流通路47は、く字状に折れ曲がった通路であり、
図11に示すように電気ポットが前方側に傾斜或いは転倒した場合、く字状に折れ曲がった上側になる壁面で上方から流下する結露水を溜めるための貯留部50(第2の溜まり部)を形成する。
【0061】
蒸気回収ユニット30の取付けは、蓋体2内に形成される空間に蒸気回収ユニット30を嵌合し、下ケース32の舌状部35に左右に張り出して形成されるビス穴48、48にビスを挿入し、そのビスを蓋下部材15に螺合することにより行われる。
【0062】
上記したように前記舌状部35の傾斜部35aが対向する箇所の蓋下部材15には、下傾斜部35a2に設けられる3個の開孔36a、36b、36bを合わせた面積より大きい面積の矩形状開口15a(
図2参照)が設けられるとともに、この矩形状開口15aには、略同じ大きさの矩形且つリング状のシールパッキン49がその外周を矩形状開口15aの内周端に嵌合する形態で取り付けられる。
【0063】
そして、蒸気回収ユニット30が蓋体2内に配置されると、傾斜部35aは、シールパッキン49の一方の面に水密状に当接し、蓋体2の閉蓋時には、シールパッキン49の他端は、蒸気センサ24が配置される肩部材9のリング状の内壁部9aに蒸気センサ24がシールパッキン49の中に入る形態で水密状に当接され(
図2等参照)、シールパッキン49内のシール空間49aで蒸気を反転する。
【0064】
このように、シールパッキン49内のシール空間49aを蒸気が反転する室とする理由は、蒸気センサ24をできるだけ内容器3近傍の蒸気通路に設けるためであり、この位置に蒸気センサ24を設けることにより、水が沸騰したら直ちに蒸気を検知することができ、その結果、発生する蒸気量を低減することができるようになる。
【0065】
そのため、本発明の電気ポットは、蒸気センサ24が蒸気を検知したら直ちに電気ヒータ4への通電量を低減するか、或いはオフする制御機能を有している。別言すれば、本発明は、内容器3内の水を沸騰させるが沸騰検知を早く行って蒸気量を減らし、少ない蒸気を蒸気回収ユニット30の複数経路で回収することにより電気ポットPの蒸気レス機能を高める。このように沸騰検知が早く蒸気が出る時間を少なくすることにより、それだけ省エネに資することができる。
【0066】
蒸気の流れについて、
図2、
図4、
図7及び
図8により説明する。内容器3内で発生する蒸気は、矢印(1)で示すように内蓋部材21の蒸気口22aより円形リブ16内の空間に入り、次いで、円形リブ16の切欠18より矢印(2)で示すように空間Sに入り、次いで、矢印(3)で示すように空間Sから蒸気導出口19を経て、矢印(4)で示すように蒸気回収ユニット30の蒸気導入口41に至る。
【0067】
矢印(4)で示すように蒸気導入口41から蒸気回収ユニット30に導入される蒸気は、中央開孔36aよりシール空間49aに入り、シール空間49aで反転し、左右開孔36b、36bから矢印(5)、(6)で示すようにトンネル状部34のそれぞれのジグザク状に蛇行する通路に至る。そして、それらの通路内をジグザク状に蛇行する間に全ての蒸気は結露水になる。
【0068】
矢印(7)〜(9)は圧力の流れを便宜的に示すものであり、蒸気がない状態での昇圧された圧力は、矢印(7)〜(9)で示すように流れ、出口孔45を介して大気に放出される。
【0069】
蒸気回収ユニット30の内部の通路形状は、
図5に示すように、通常の状態ではその多くが後方側に向かって傾斜しているため、通路内の結露水は、所定量になると重力で
図7で説明した蒸気の流れと逆向きに後方側に向かって流れ、
図8に示す分岐部を経て蒸気導入口41から内蓋部材21上に落下し、蒸気口22aより内容器3内に戻る。
【0070】
電気ポットPが通路の出口である出口孔45側、即ち前方側に傾斜したり、或いは転倒した場合の状態を
図11に基づいて説明する。このような状態は、図に示すように入口である蒸気導入口41が高い位置になるため内容器3内の湯が流出し続けることはなく、出口孔45に向かって流れるものは、傾斜等した時の初期に蒸気導入口41から導入するであろう内容器3内の一部の湯と、蒸気回収ユニット30で結露して通路内に残っている結露水になる。即ち、出口孔45が下になると、蒸気回収ユニット30の通路内の結露水等は、矢印で示すように流下する。
【0071】
ところで、上述したように、前後方向の中心線C−Cを挟んで出口孔45の反対側、即ち左側に貯水部46(第1の溜まり部)を形成する。また、合流通路47はく字状に折れ曲がっており、電気ポットが
図11のように出口孔45側に傾斜或いは転倒した場合、く字状に折れ曲がった上側になる壁面で上方から流下する結露水等を溜める貯留部50(第2の溜まり部)を形成する。
【0072】
さらに上述したように、内リブ42a・・・及び外リブ43a・・・の全ては、平面視でその先端部が根本部より後方側になるように傾斜しており、電気ポットが出口孔45側に傾斜或いは転倒した場合、内リブ42a・・・及び外リブ43a・・・の上側になる壁面で上方から流下する結露水等を溜める貯留部55(第3の溜まり部)を形成する。
【0073】
そのため、各通路壁を伝わって流下したり落下したりする結露水等は、
図11で示すように複数の貯留部55、貯留部50及び貯水部46のいずれか或いは全てで溜められる。その結果、例え、電気ポットPが出口孔45側に傾斜したり、或いは転倒したとしても結露水等が出口孔45より外部に排出されることはない。なお、この場合結露水等の多くを溜める箇所は貯水部46である。
【0074】
図11の状態の場合、貯留部50の結露水等が内周壁42の接触点Mにまで至り、図の左側の通路が遮断されると左側の通路内の圧力が高まり、貯留部50内に溜まった結露水等を合流通路47の入口部47a方向に押し出そうとする。しかし、右側の通路は出口孔45に連通しており左側の通路内で圧力が高まることはない。そのため、結露水等が合流通路47の入口部47a方向に押し出される自然吐出の弊害は生じない。即ち、複数経路設けることにより、例え一部の経路が結露水等で詰まったとしても他の経路が出口孔45に連通するため、結露水等が押し出される自然吐出は防止される。
【0075】
なお、上記接触点M近傍は、複数経路の合流部に相当する。即ち、この接触点Mは、蒸気導入口41からできるだけ離れた位置で、出口孔45にできるだけ近い位置に設けられる。接触点Mをこのような位置に設けることにより、複数の経路をより長くすることができる。
【0076】
次いで、
図13に蒸気回収ユニット30の他の例を示す。この例は、ベローズポンプユニット25がない蓋体に適用可能なものである。なお、上記した例のものと同じものは同じ符号を付し、詳細な説明は省略し主として異なる箇所を説明する。
【0077】
この例の蒸気回収ユニット30は、トンネル状部34の中央にベローズポンプユニット25が嵌合するための円形の内周壁42はなく、その代わり前後方向の中心線C−Cに沿うように区画壁60が設けられる。
【0078】
そして、区画壁60の外面には、複数、例えば4個の内リブ42a・・・が外周壁43方向に張り出すとともに、所定距離離れて一体(別体であってもよい。)に設けられ、外周壁43の内面には、複数、例えば4個の外リブ43a・・・が区画壁60方向に張り出すとともに、4個の内リブ42a・・・と交互に並ぶように所定距離離れて一体(別体であってもよい。)に設けられている。
【0079】
そのため、左右開孔36b、36bより導入する蒸気は、4個の内リブ42a・・・と4個の外リブ43a・・・との間をジグザク状に蛇行して流れ、冷やされ途中で結露水になる。また、この例のものにおいても内リブ42a・・・及び外リブ43a・・・の全ては、平面視でその先端部が根本部より後方側になるように傾斜して設けられ、また
図5で上記したように底面もその多くは前方から後方に向かって下方に傾斜しており、
図9に矢印で示すように、蓋体2が後方側に傾斜、転倒或いは開蓋された場合、結露水の蒸気導入口41方向への戻りを良好にする。なお、
図12に蓋体2を開蓋した時の結露水の戻りを示す。即ち、蒸気回収ユニット30内に溜まった結露水は矢印で示すような経路で内容器3内に戻る。
【0080】
さらに合流通路47の形状等は上記した例のものと同じであり、電気ポットPが通路の出口である出口孔45側、即ち前方側或いは右側に傾斜したり、或いは転倒した場合等の機能も同じである。なお、この例のものは
図7で示すものに比べて各経路内の通路形状を長くすることができるため蒸気レス効果をより高めることができる。
【0081】
本願発明は、上記実施の態様の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。