特許第5920094号(P5920094)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5920094
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】半導体単結晶の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/36 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
   C30B29/36 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-169797(P2012-169797)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-28715(P2014-28715A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2015年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 勉
(72)【発明者】
【氏名】本家 翼
(72)【発明者】
【氏名】西口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 伸介
【審査官】 塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−121815(JP,A)
【文献】 特開昭62−153200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 1/00−35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
種基板を準備する工程と、
準備された前記種基板をるつぼの一部である支持部材に固定する工程と、
前記支持部材に固定された前記種基板において、前記支持部材側とは反対側の面である主面の少なくとも一部を除去する工程と、
前記主面の少なくとも一部を除去する工程の後、前記るつぼ内で、前記支持部材に固定された前記種基板の前記主面側に半導体単結晶膜を成長させる工程とを備え、
前記主面の少なくとも一部を除去する工程では、前記主面が研磨されることにより前記主面の少なくとも一部が除去される、半導体単結晶の製造方法。
【請求項2】
前記種基板を準備する工程では、炭化珪素単結晶からなる前記種基板が準備され、
前記半導体単結晶膜を成長させる工程では、炭化珪素単結晶からなる前記半導体単結晶膜を成長させる、請求項1に記載の半導体単結晶の製造方法。
【請求項3】
前記主面は、CMPにより研磨される、請求項1または2に記載の半導体単結晶の製造方法。
【請求項4】
前記種基板を前記支持部材に固定する工程では、前記種基板は、接着剤により前記支持部材に固定される、請求項1からのいずれか1項に記載の半導体単結晶の製造方法。
【請求項5】
前記主面の少なくとも一部を除去する工程の後、前記半導体単結晶膜を成長させる工程の前に、
前記支持部材に固定された前記種基板を300℃以下の温度で加熱して、前記種基板および前記支持部材を乾燥させる工程と、
前記種基板および前記支持部材を乾燥させる工程の後に、前記支持部材に固定された前記種基板を1000℃以上の温度で加熱して、前記接着剤をアニールする工程とをさらに備える、請求項に記載の半導体単結晶の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体単結晶の製造方法に関するものであり、より特定的には、高品質な半導体単結晶を製造することが可能な半導体単結晶の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の高性能化や歩留まり向上のためには、より高品質な半導体基板が必要となる。半導体基板は、一般にインゴットなどの半導体バルク単結晶を切断することにより得られる。そのため、高品質な半導体基板を得るためには、半導体バルク単結晶を高品質化することが必要となる。
【0003】
半導体バルク単結晶の高品質化については種々の検討がなされている。たとえば、炭化珪素単結晶に関しては、炭化珪素からなる原料を昇華させて種結晶上に単結晶を成長させる昇華再結晶法において、種結晶を接着剤を介して単結晶成長用るつぼに接着する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。これにより、種結晶を単結晶成長用るつぼに接着させる際の接着不良によるマクロ欠陥の発生が抑制され、その結果成長する単結晶の品質低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−119098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において提案されている方法では、種結晶を単結晶成長用るつぼに接着させる際に、種結晶の単結晶を成長させるべき主面に傷が発生する場合や、上記主面側に接着剤が回り込むことにより上記主面に汚れが発生する場合がある。このような場合に種結晶の上記主面上に単結晶を成長させると、上記主面に発生した傷や汚れに起因して成長する単結晶の品質が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高品質な半導体単結晶を製造することが可能な半導体単結晶の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体単結晶の製造方法は、種基板を準備する工程と、準備された種基板を支持部材に固定する工程と、支持部材に固定された種基板において、支持部材側とは反対側の面である主面の少なくとも一部を除去する工程と、上記主面の少なくとも一部を除去する工程の後、種基板の上記主面側に半導体単結晶膜を成長させる工程とを備えている。
【0008】
本発明の半導体単結晶の製造方法では、種基板が支持部材に固定された後、種基板の上記主面の少なくとも一部が除去される。そして、上記主面の少なくとも一部が除去された後、種基板の上記主面側に半導体単結晶膜を成長させる。そのため、本発明の半導体単結晶の製造方法では、種基板を支持部材に固定する際に上記主面に傷や汚れが生じた場合においても、半導体単結晶膜を成長させる前にこれらを予め除去することができる。その結果、半導体単結晶膜を成長させる際に、これらの傷や汚れに起因した半導体単結晶膜の品質の低下を抑制することができる。したがって、本発明の半導体単結晶の製造方法によれば、高品質な半導体単結晶を製造することができる。
【0009】
上記半導体単結晶の製造方法において、種基板を準備する工程では、炭化珪素単結晶からなる種基板が準備されてもよい。また、半導体単結晶膜を成長させる工程では、炭化珪素単結晶からなる半導体単結晶膜を成長させてもよい。
【0010】
このように、上記半導体単結晶の製造方法は、炭化珪素単結晶の製造において好適に採用することができる。
【0011】
上記半導体単結晶の製造方法において、上記主面の少なくとも一部を除去する工程では、上記主面が研磨されることにより上記主面の少なくとも一部が除去されてもよい。
【0012】
これにより、上記主面の少なくとも一部をより容易に除去することができる。
上記半導体単結晶の製造方法において、上記主面は、CMPにより研磨されてもよい。
【0013】
これにより、上記主面の少なくとも一部をさらに容易に除去することができる。
上記半導体単結晶の製造方法において、種基板を支持部材に固定する工程では、種基板は、接着剤により支持部材に固定されてもよい。
【0014】
これにより、種基板と支持部材との良好な接着状態を確保することができる。その結果、種基板と支持部材との接着不良に起因する半導体単結晶膜の品質の低下を抑制することができる。
【0015】
上記半導体単結晶の製造方法は、上記主面の少なくとも一部を除去する工程の後、半導体単結晶膜を成長させる工程の前に、支持部材に固定された種基板を300℃以下の温度で加熱して種基板および支持部材を乾燥させる工程と、種基板および支持部材を乾燥させる工程の後に、支持部材に固定された種基板を1000℃以上の温度で加熱して、接着剤をアニールする工程とをさらに備えていてもよい。
【0016】
このように接着剤をアニールすることにより、種基板と支持部材とのより良好な接着状態を確保することができる。また、接着剤をアニールする前に予め種基板および支持部材を乾燥させることにより、接着剤のアニールの際に種基板および支持部材に含まれる水分を気化して、種基板と支持部材との接着状態を悪化させることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上の説明から明らかなように、本発明の半導体単結晶の製造方法によれば、高品質な半導体単結晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施の形態の半導体単結晶の製造方法を概略的に示すフローチャートである。
図2】本実施の形態の半導体単結晶の製造方法を説明するための概略図である。
図3】本実施の形態の半導体単結晶の製造方法を説明するための概略図である。
図4】本実施の形態の半導体単結晶の製造方法を説明するための概略図である。
図5】本実施の形態の半導体単結晶の製造方法を説明するための概略図である。
図6】本実施の形態の半導体単結晶の製造方法を説明するための概略図である。
図7】比較例の半導体単結晶の製造方法を説明するための概略図である。
図8】比較例の半導体単結晶の製造方法を説明するための概略図である。
図9】比較例の半導体単結晶の製造方法を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0020】
まず、比較例の半導体単結晶の製造方法について説明する。図7を参照して、比較例の半導体単結晶の製造方法では、まず、炭化珪素(SiC)単結晶からなる種基板100が準備される。次に、種基板100において単結晶膜を成長させるべき主面100bが回転定盤600の研磨面600aに接触するように、種基板100が研磨装置500上に配置される。そして、ノズル700より研磨面600a上にスラリーを供給しつつ回転軸800を動作させることにより、種基板100の主面100bがCMP(Chemical Mechanical Polishing)により研磨される。
【0021】
次に、図8を参照して、種基板100の接触面100aとるつぼ蓋部材200の支持面200aとが対向するように、種基板100が接着剤300によりるつぼ蓋部材200に貼り合わされる。次に、るつぼ蓋部材200に貼り合わされた種基板100がホットプレート400上に配置される。次に、図8中矢印に示すように、るつぼ蓋部材200の種基板100側とは反対側からるつぼ蓋部材200に対して荷重を加えつつ、ホットプレート400により接着剤300を硬化させる。このようにして、種基板100が蓋部材200に固定される。
【0022】
次に、図9を参照して、るつぼ蓋部材200に固定された種基板100を炉900内において加熱することにより接着剤300がアニールされる。そして、種基板100の主面100b上に炭化珪素単結晶膜(図示しない)を成長させることにより、炭化珪素単結晶からなるインゴットが製造される。
【0023】
このように、比較例の半導体単結晶の製造方法では、種基板100の主面100bを研磨した後に種基板100がるつぼ蓋部材200に固定される。そして、種基板100のるつぼ蓋部材200側とは反対側の主面100b上に炭化珪素単結晶膜を成長させる。そのため、比較例の半導体単結晶の製造方法では、種基板100をるつぼ蓋部材200に固定する際に主面100bに傷や汚れが発生し、これらに起因して主面100b上に成長させる炭化珪素単結晶膜の品質が低下するという問題がある。これに対して、本実施の形態の半導体単結晶の製造方法によれば、以下に説明するように、高品質な半導体単結晶を製造することができる。
【0024】
以下、本発明の一実施の形態の半導体単結晶の製造方法について説明する。図1を参照して、本実施の形態の半導体単結晶の製造方法では、まず、工程(S10)として、種基板準備工程が実施される。この工程(S10)では、図2を参照して、たとえば炭化珪素(SiC)単結晶からなる種基板10が準備される。種基板10は、炭化珪素(SiC)単結晶からなるものに限られず、たとえば窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)など、他の半導体単結晶からなるものであってもよい。
【0025】
次に、工程(S20)として、種基板固定工程が実施される。この工程(S20)では、以下のようにして、上記工程(S10)で準備された種基板10が、後述する単結晶成長用のるつぼ1(図6参照)に備えられる支持部材としてのるつぼ蓋部材2に固定される。まず、るつぼ1(図6参照)よりるつぼ蓋部材2が取り外される。るつぼ蓋部材2は、たとえばカーボン製である。
【0026】
次に、図3を参照して、るつぼ蓋部材2の支持面2a上に接着剤3が均一に塗布される。接着剤3は、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂にカーボン粉末が混合されたものであり、溶媒としてのフェノールおよびエチルアルコールを含んでいる(たとえば、日清紡ケミカル株式会社製、ST−201)。
【0027】
次に、種基板10の接触面10aとるつぼ蓋部材2の支持面2aが対向するように、種基板10が接着剤3を介してるつぼ蓋部材2に接着される。次に、種基板10の接触面10aとは反対側の主面10bがホットプレート4上に接触するように、るつぼ蓋部材2に接着された種基板10がホットプレート4上に配置される。次に、図3中矢印に示すように、るつぼ蓋部材2の種基板10側とは反対側からるつぼ蓋部材2に対して荷重を加えつつ、ホットプレート4により接着剤3を加熱する。これにより、接着剤3に含まれる溶媒が蒸発するとともにフェノール樹脂が硬化し、種基板10がるつぼ蓋部材2に固定される。そして、種基板10の加熱が完了した後、放冷により種基板10が冷却される。種基板10を加熱する際の温度、時間および雰囲気は、特に限定されるものではなく、たとえば種基板10は、大気中において、80℃で1時間保持し、120℃で1時間保持し、160℃で1時間保持し、さらに200℃で1時間保持することにより加熱されてもよい。
【0028】
次に、工程(S30)として、研磨工程が実施される。この工程(S30)では、図4を参照して、るつぼ蓋部材2に固定された種基板10において、るつぼ蓋部材2側とは反対側の主面10bがCMPにより研磨されることにより、主面10bの少なくとも一部が除去される。まず、種基板10の主面10bが回転定盤6の研磨面6aと接触するように、るつぼ蓋部材2に固定された種基板10が研磨装置5に配置される。研磨面6a上には、たとえばダイヤモンド砥粒を含む研磨布(図示しない)が配置されている。次に、ノズル7より研磨面6a上に二酸化珪素(SiO)スラリーを供給しつつ、回転軸8を所定の回転速度(たとえば、60rpm)で所定時間(たとえば、8時間)回転させることにより、種基板10の主面10bを研磨する。このとき、図4中矢印に示すように、るつぼ蓋部材2の種基板10側とは反対側から所定の荷重(たとえば、300g/cm)を加えつつ、種基板10の主面10bを研磨する。種基板10の研磨が完了した後、種基板10をたとえばフッ化水素酸(HF)などの酸溶液に浸漬することにより、種基板10に付着したスラリーを除去する。そして、スラリーの除去が完了した後、種基板10を水洗浄する。
【0029】
次に、工程(S40)として、乾燥工程が実施される。この工程(S40)では、図5を参照して、るつぼ蓋部材2に固定された種基板10を炉9内(大気中)において300℃以下の温度(たとえば、200℃)で所定時間(たとえば、1時間)加熱することにより、種基板10およびるつぼ蓋部材2を乾燥させる。これにより、上記工程(S30)において種基板10およびるつぼ蓋部材2に付着した水分が除去される。
【0030】
次に、工程(S50)として、アニール工程が実施される。この工程(S50)では、図5を参照して、るつぼ蓋部材2に固定された種基板10を炉9内において1000℃以上の温度(たとえば、1100℃)で、所定時間(たとえば、1時間)加熱することにより、種基板10とるつぼ蓋部材2とを接着する接着剤3がアニールされる。この工程(S50)では、るつぼ蓋部材2に固定された種基板10は、所定圧力(たとえば、80kPa)のヘリウム(He)などの不活性ガス中において加熱される。
【0031】
次に、工程(S60)として、結晶成長工程が実施される。この工程(S60)では、以下のようにして、種基板10の主面10b側において炭化珪素単結晶からなる単結晶膜12を成長させる。まず、図6を参照して、種基板10が固定されたるつぼ蓋部材2が、炭化珪素からなる原料粉末11が収納されたるつぼ1のるつぼ本体1Aに設置される。そして、るつぼ1内を所定の圧力にまで減圧し、結晶成長温度にまで昇温させる。これにより、昇華した原料粉末11が種基板10の主面10b上に析出して単結晶膜12が形成される。このようにして、炭化珪素単結晶からなるインゴット13が製造され、本実施の形態の半導体単結晶の製造方法が完了する。
【0032】
以上のように、本実施の形態の半導体単結晶の製造方法では、工程(S20)において種基板10がるつぼ蓋部材2に固定された後に、工程(S30)において種基板10のるつぼ蓋部材2側とは反対側の面である主面10bが研磨される。そして、種基板10の主面10bが研磨された後に、工程(S60)において種基板10の主面10b側に炭化珪素単結晶からなる単結晶膜12を成長させる。そのため、本実施の形態の半導体単結晶の製造方法では、工程(S20)において種基板10をるつぼ蓋部材2に固定する際に、主面10bがホットプレート4と接触することにより主面10b上に傷が生じた場合や、接着剤3が主面10b側に回り込むことにより主面10b上に汚れが生じた場合においても、単結晶膜12を成長させる前に予めこれらの傷や汚れを研磨により除去することができる。その結果、工程(S60)における単結晶膜12の成長において、主面10b上に生じ得る傷や汚れに起因した単結晶膜12の品質の低下を抑制することができる。したがって、本実施の形態の半導体単結晶の製造方法によれば、高品質な炭化珪素単結晶であるインゴット13を製造することができる。
【0033】
また、上述のように、本実施の形態の半導体単結晶の製造方法では、種基板10は、接着剤3によりるつぼ蓋部材2に固定されてもよい。これにより、種基板10とるつぼ蓋部材2とのより良好な接着状態を確保することができる。その結果、種基板10とるつぼ蓋部材2との接着不良に起因する単結晶膜12の品質の低下を抑制することができる。
【0034】
また、上述のように、本実施の形態の半導体単結晶の製造方法では、研磨工程(S30)の後、結晶成長工程(S60)の前に、種基板10およびるつぼ蓋部材2を乾燥させる工程(S40)と、工程(S40)の後に接着剤3をアニールする工程(S50)とが実施される。これらの工程(S40)および(S50)は、本発明の半導体単結晶の製造方法において必須の工程ではないが、工程(S50)を実施することにより、接着剤3がガス抜きされて、種基板10とるつぼ蓋部材2とのより良好な接着状態を確保することができる。また、接着剤3をアニールする前に種基板10およびるつぼ蓋部材2を乾燥させることにより、接着剤3のアニールの際に工程(S30)において種基板10およびるつぼ蓋部材2に付着した水分が気化して、種基板10とるつぼ蓋部材2との接着状態を悪化させることを抑制することができる。
【0035】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の半導体単結晶の製造方法は、高品質な半導体単結晶を製造することが要求される半導体単結晶の製造方法において、特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0037】
1 るつぼ、1A るつぼ本体、2 蓋部材、2a 支持面、3 接着剤、4 ホットプレート、5 研磨装置、6 回転定盤、6a 研磨面、7 ノズル、8 回転軸、10 種基板、10a 接触面、10b 主面、11 原料粉末、12 単結晶膜、13 インゴット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9