(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、清掃性及びメンテナンス性に優れたクリーナー装置を備えた薬剤分包装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
円盤上に形成した環状溝に散薬を供給し、該散薬を掻出装置により1包分ずつ掻き出して分包するようにした薬剤分包装置において、
前記環状溝に残留する薬剤を清掃するクリーナー装置を設け、
前記クリーナー装置は、
吸引部を有する軸受部を形成され、前記円盤の上方に位置
し、ブラシ用駆動部を有するクリーナー本体と、
前記クリーナー本
体に支持され、前記吸引部に接続され
るブラシカバーと、
前記ブラシカバーに、軸部を中心として回転可能に支持され
、前記ブラシ用駆動部により回転して前記環状溝を摺接可能なブラシ部と、
を備え、
前記ブラシカバーは
、前記ブラシ部
を前記環状溝に摺接可能とする清掃位置と、前記
環状溝から離間させたブラシ部から落下する散薬を受け止め可能となる待機位置とに
位置決め可能であり、前記ブラシ部と共に前記クリーナー本体に着脱可能としたものである。
【0008】
この構成により、クリーナー本体からブラシ部とブラシカバーとを取り外すことができる。したがって、ブラシ部とブラシカバーとを別体として丸洗いすることができ、簡単かつ適切に清掃することができる。また、円盤の環状溝に摺接して劣化しやすいブラシ部の交換を簡単かつ迅速に行うことができる。
【0009】
前記クリーナー本体の吸引部は
、装着位置と押込位置の間を移動可能な伸縮ダクトと、伸縮ダクトを押込位置から装着位置へと付勢するスプリングとを備えるのが好ましい。
【0010】
この構成により、ブラシカバーの筒状部で、スプリングの付勢力に抗して伸縮ダクトを押し込むだけで、クリーナー本体に対してブラシカバーを装着することができる。
【0011】
前記ブラシカバーは、
吸引部側の外周面に、前記カバー用駆動部の駆動ギアに噛合するカバー用従動ギア部を有するのが好ましい。
【0012】
この構成により、モータの駆動力を駆動ギアを使用して伝達させる場合であっても、ブラシカバーには筒状部によって残留薬剤の排出ルートを確保することができる。
【0013】
前記ブラシカバーは中間ギアを設けられ、
前記ブラシ部の軸部は、前記ブラシカバーからの突出部分にブラシ用従動ギアを設けられ、
前記中間ギアは、前記ブラシ用駆動部の駆動ギアと、前記ブラシ部のブラシ用従動ギアとに噛合しているのが好ましい。
【0014】
この構成により、各ギアを大型化することなく、ブラシ用駆動部のモータの駆動力をスムーズにブラシ部へと伝達することができる。
【0015】
前記ブラシ部は、前記ブラシカバーに着脱可能であるのが好ましい。
【0016】
この構成により、ブラシカバー及びブラシ部の清掃をより簡単かつ確実に行うことが可能となる。
【0017】
前記カバー用駆動部の回転軸と、前記ブラシ用駆動部の回転軸の上下方向の位置を一致させるのが好ましい。
【0018】
この構成により、クリーナー本体に対してブラシカバーを着脱する際、各回転軸に設けた駆動ギアの上下方向の位置が一致しているため、一方の駆動ギアをブラシカバーのカバー用従動ギア部に、他方の駆動ギアをブラシ用従動ギアにそれぞれスムーズに噛合又は離間させることができる。つまり、クリーナー本体に対するブラシカバーの着脱作業をスムーズに行わせることが可能となる。
【0019】
前記ブラシ部は、軸本体の外周面に複数本の線材部を設けてなり、
前記線材部は、前記ブラシ部の回転により、前記線材部が円盤の環状溝から掻き取った薬剤を
吸引部側へと案内するように、軸本体の軸方向に沿って複数列で螺旋状に配置するのが好ましい。
【0020】
この構成により、ブラシ部を回転させるだけで、円盤の環状溝から掻き取った薬剤を筒状部へと導くことができる。したがって、筒状部からの吸引力とも相俟って薬剤をスムーズに排出することが可能となる。
【0021】
前記ブラシ部は、軸本体の軸心方向が前記円盤の径方向と一致するように配置され、前記ブラシ部の線材部は、両端部に向かうに従って徐々に軸本体からの突出寸法が小さくなって環状溝の径方向の断面形状に沿うように形成されているのが好ましい。
【0022】
この構成により、ブラシ部の各線材部を環状溝の形状に沿わせることができ、無理のないスムーズな掻き出しが可能となる。
【0023】
前記円盤は、円周方向に回転可能であり、
前記ブラシカバーは、前記円盤の回転方向下流側の掻寄位置に、着脱可能な掻寄部材を備えるのが好ましい。
【0024】
この構成により、ブラシ部を回転させたとしても、掻き出した薬剤が掻寄部材によって周囲に飛散することを防止することができる。また、円盤と摺接する掻寄部材は着脱可能であるので、摩耗により劣化しても簡単に交換することができる。
【0025】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、円盤上に形成した環状溝に散薬を供給し、該散薬を掻出装置により1包分ずつ掻き出して分包するようにした薬剤分包装置において、前記環状溝に残留する薬剤を清掃するクリーナー装置を設け、前記クリーナー装置は、軸受部を有し、前記円盤の上方に位置するクリーナー本体と、前記クリーナー本体の軸受部に軸心を中心として回転可能に支持され、カバー用従動ギア部を有するブラシカバーと、前記ブラシカバーに、軸部を中心として回転可能に支持され、ブラシ用従動ギアを有し、前記軸部を中心として回転することにより前記環状溝を摺接可能なブラシ部と、前記クリーナー本体に設けられ、前記ブラシカバーのカバー用従動ギア部を介して前記ブラシカバーを回転させるブラシカバー用駆動部と、前記クリーナー本体に設けられるブラシ用駆動部と、前記クリーナー本体に設けられ、前記ブラシ用駆動部からの駆動力を前記ブラシ用従動ギアに伝達する中間ギアと、を備え、前記ブラシカバーのカバー用従動ギア部と、前記中間ギアとは、前記ブラシカバーの軸心を中心とする円周上にそれぞれ配置し、前記ブラシカバーは、軸心を中心として、前記ブラシ部を覆う清掃位置と、前記ブラシ部を露出させる待機位置とに回転し、前記ブラシ部と共に前記クリーナー本体に着脱可能であるようにしたものである。
【0026】
この構成により、ブラシカバーをブラシ部と共にクリーナー本体に着脱すれば、ブラシカバーのカバー用従動ギア部とブラシカバー用駆動部との間、及び、ブラシ部のブラシ用従動ギアとブラシ用駆動部との間を同時に動力伝達又は遮断可能な状態とすることができる。しかも、カバー用従動ギア部とブラシ用従動ギアとは同一軸心上に配置されているので、着脱作業を容易に行うことができる。
【0027】
前記ブラシカバーは、前記カバー用従動ギア部が外周面に一体的に形成され、前記中間ギアは、前記ブラシカバーに回転自在に取り付けられ、前記ブラシカバー用駆動部によりカバー用従動ギア部を介して行うブラシカバーの回転と、前記ブラシ用駆動部により中間ギア及びブラシ用従動ギアを介して行うブラシ部の回転とを独立させるのが好ましい。
【0028】
この構成により、例えば、一連の清掃作業が終わった後に、ブラシカバーを待機位置に回転し、ブラシ部だけを回転させれば、円盤に散薬を落下させることなく、ブラシカバー内を清掃することが可能となる。
【0029】
前記クリーナー装置は、所定間隔で対向する一対の軸受部を有し、前記クリーナー本体は、前記両軸受部に回転可能に支持されるようにするのが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、クリーナー本体からブラシ部のみならずブラシカバーをも取り外すことができるので、簡単に、しかも全領域に亘って徹底的に清掃することができる。また、これらの部品が劣化した場合であっても簡単に交換することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る薬剤分包装置を示す。この薬剤分包装置は、薬剤供給部1、薬剤包装部2、及び、制御部3を備えている。
【0034】
薬剤供給部1は、
図1及び
図2に示すように、錠剤供給部4と散薬供給部5とからなる。 散薬供給部5は、
図2及び
図3に示すように、装置本体6の上面に、散薬フィーダ7と、円盤8と、掻出装置9とを備える。薬剤フィーダ7は、収容された散薬(顆粒を含んでもよい。)を一定量ずつ供給する。円盤8は略ドーナツ状で、上面外周部に環状溝10を有し、外周縁がさらに外径方向に延設された外周延設部11となっており、モータ12の駆動により一定速度で回転する。散薬フィーダ7から散薬を供給する際、円盤8を回転させながら行うことにより、環状溝10内には均等に散薬が収容される。掻出装置9は、円盤8の回転により環状溝10内の散薬を円周方向に掻き寄せた後、径方向に掻き出して、1包分のみがホッパー13へと排出される。薬剤包装部2は、ロール14に巻回した包装紙15を供給し、印刷部16にて所定の印刷を施した後、袋状として、ホッパー13から供給される錠剤又は散薬を、1包分ずつ収容してシール部17でシールする。
【0035】
前記散薬供給部5には、
図2に示すように、本発明の特徴部分であるクリーナー装置18が設けられている(
図2では、散薬フィーダ7及び掻出装置9を省略している。)。クリーナー装置18は、
図4に示すように、装置本体6の上面に固定した支持プレート19に設けた軸部材20の上端部に取り付けられている。
【0036】
クリーナー装置18は、
図6に示すように、クリーナー本体21と、ブラシ部22と、ブラシカバー23と、本体カバー24とを備える。クリーナー装置18は、円盤8に対して、装置本体6の正面から約90度回転した位置に設けられている。このため、薬剤供給部1を備えた上面カバーを開放させて円盤8を露出させた状態で、クリーナー装置18を前方側からメンテナンスしたり、清掃したりすることができる。
【0037】
クリーナー本体21は、
図7及び
図8に示すように、胴部25と、その両端部から側方に突出して所定間隔で対向する軸受部(第1軸受部26及び第2軸受部27)とで構成される中空構造のものである。具体的な構成部品としては、第1軸受部26及び胴部25の外壁を構成する略L字形の第1プレート28と、第2軸受部27の外壁を構成する第2プレート29と、それ以外を構成する本体ケース30とからなる。
【0038】
クリーナー本体21の内部には、
図10に示すように、ブラシ用モータ31とブラシカバー用モータ32とがそれぞれ配置されている。
【0039】
ブラシ用モータ31の回転軸にはブラシ用駆動ギア33が固定され、このブラシ用駆動ギア33にはブラシ用第1中間ギア34が噛合している。そして、ブラシ用第1中間ギア34には、後述するブラシ用第2中間ギア71が噛合し、このブラシ用第2中間ギア71からブラシ部22に固定したブラシ用従動ギア68を介してブラシ部22を回転駆動できるようになっている。ブラシ用従動ギア68には、磁性材料であるハイコレックスをリング状とし、インサート成形した被検出部68aが設けられている。この被検出部68aは、図示しない磁気センサによって検出され、ブラシカバー23が、後述するように、清掃位置又は待機位置のいずれに位置するのかを判別できるようになっている。被検出部68aはインサート成形されてブラシ用従動ギア68に一体化されているので、ブラシカバー23をクリーナー本体21から取り外したとしても、被検出部68aが脱落して紛失する等の不具合を発生させることもない。
【0040】
ブラシカバー用モータ32の回転軸にはブラシカバー用駆動ギア35が固定され、このブラシカバー用駆動ギア35にはブラシカバー用中間ギア36が噛合している。そして、ブラシカバー用中間ギア36には、後述するブラシカバー23のカバー用従動ギア部75が噛合し、ブラシカバー23を回転駆動できるようになっている。
【0041】
第2軸受部27の内壁には、
図9に示すように、内部空間へと突出する第1筒部37が形成されている。第1筒部37には、
図10に示すように、ブラシカバー23の一端側の第1軸部67(詳しくは、第1軸部67に外装した軸受リング38)が回転可能に支持されている。第2軸受部27の基部(胴部25との境界部分)には、
図8に示すように、前記ブラシ用第1中間ギア34の一部を突出させるための切欠穴39が形成されている。胴部25には、回転するブラシカバー23との干渉を回避するための凹部25aが形成されている。
【0042】
第1軸受部26には、
図8に示すように、開口部40が形成されている。開口部40には伸縮ダクト41が支持されている。
【0043】
伸縮ダクト41は、
図13に示すように、ダクト本体42と、スリーブ43と、カップリング44と、接続部45とを備え、接続部45が図示しない吸引装置へとつながっている。
【0044】
ダクト本体42は円筒状で、一端側から約1/3の第1ダクト部46に比べて、残る約2/3の第2ダクト部47での外径寸法が若干小さくなるように形成されている。
【0045】
第1ダクト部46には、第2ダクト部47に連なる部分の外径寸法がさらに大きくなった環状突出部48が形成されている。第1ダクト部46内には、後述するブラシカバー23の接続筒部73が接続されるようになっている。
【0046】
第2ダクト部47の外周面にはコイルスプリング49が配置される。コイルスプリング49の一端側は、第1ダクト部46の環状突出部48の段部に当接し、他端側は接続部45の内端面に当接する。これにより、ダクト本体42が第1軸受部26から内側、すなわち第2軸受部27側へと付勢される。但し、環状突出部48が第1軸受部26の内壁に形成した開口縁部に当接し、第1ダクト部46は内壁から所定寸法突出した位置で停止する。
【0047】
スリーブ43は円筒状で、第1スリーブ部50と、この第1スリーブ部50よりも大径の第2スリーブ部51と、その一端側に形成される鍔部52とで構成されている。
【0048】
第1スリーブ部50の先端には、所定間隔で一対のスリット53が3組形成されることにより、周方向に3箇所等分で舌片54がそれぞれ形成されている。各舌片54の先端縁には外径側に突出する係止突部55がそれぞれ形成されている。
【0049】
第2スリーブ部51は、第1スリーブ部50との境界部分に段部を有する。この段部は、第1スリーブ部50の係止突部55との間に後述するカップリング44を保持するために使用する。
【0050】
鍔部52の外周2箇所には突起52aがそれぞれ形成されている。鍔部52は、第2軸受部27の開口縁部に当接し、スリーブ43が第2軸受部27から脱落することを防止する。突起52aは、第2軸受部27の外壁を構成する第2プレート29の開口縁部の対応する箇所に形成した係止凹部29b(
図18参照)にそれぞれ係止し、第2軸受部27に対するスリーブ43の回転方向の位置ずれを防止する。
【0051】
カップリング44は円筒状で、第1カップリング部56と、この第1カップリング部56よりも大径の第2カップリング部57とからなる。第1カップリング部56には、径方向に3箇所等分で凹部56aが形成され、そこには係合突部56bがそれぞれ形成されている。
【0052】
接続部45は、筒状装着部58と、そこから屈曲して斜めに延びるパイプ部59とで構成されている。
【0053】
筒状装着部58は、開口縁部から周方向に3箇所等分で、軸心方向に向かって係合孔60aを有する係合受片60が突出している。パイプ部59は、筒状装着部58の内径寸法よりも小さく、筒状装着部58とパイプ部59との境界部分には当接面61が形成される。筒状装着部58は、カップリング44の第1カップリング部56の外周に配置され、その端面が当接面61に当接した時点で、係合受片60に形成した係合孔60aが第2カップリング部57の係合突部56bに係合することにより装着されるようになっている。
【0054】
ところで、前記構成の伸縮ダクト41は、次のようにして組み立てる。 まず、
図14に示すように、ダクト本体42の第2ダクト部47の外周部分にコイルスプリング49を配置する。そして、
図15に示すように、第2ダクト部47の外周に配置したコイルスプリング49のさらに外周にスリーブ43を配置する。続いて、スリーブ43の第1スリーブ50側を第2プレート29の内側から開口部29aに挿通し、鍔部52に形成した突起52aを係止凹部29bに係止することにより回転方向に位置決めする。次いで、第2プレート29の外面側に突出するスリーブ43の第1スリーブ部50にカップリング44を外装する。このとき、
図16に示すように、第1スリーブ部50の舌片54の先端に形成した係止突部55をカップリング44の開口端面に係止する。これにより、前記各部材は第2プレート29に仮固定される(
図16では、第2プレート29を省略)。その後、
図17に示すように、係合孔60aに係合突部56bを係合させることによりカップリング44に接続部45を装着する。これにより、伸縮ダクト41が組み立てられると共に、第2プレート29への組み付けが完了する。
【0055】
ブラシ部22は、
図19(a)、(b)に示すように、円筒状の軸本体62と、その外周面に取り付けた複数本の線材部63とで構成されている。ブラシ部22は、軸本体62の軸方向の向きが円盤8の径方向の向きと一致するように配置される。
【0056】
軸本体62の一端面中心部には筒状軸受部64が設けられ、他端面中心部には嵌合穴65が形成されている。筒状軸受部64には、後述するブラシカバー23の第2軸部74が挿入され、回転可能に支持される。他方の嵌合穴65には、後述するブラシ用
従動ギア68の支
軸が嵌合一体化される。
【0057】
線材部63は、弾性を有する合成樹脂材料で形成された髭状のもので、軸本体62の軸方向に沿って複数列で螺旋状に配置されている。また、線材部63は、両端部に向かうに従って徐々に軸本体62からの突出寸法が小さくなり、各線材部63の先端が円盤8の環状溝10の径方向の断面形状に沿うように形成されている。これにより、ブラシ部22を円盤8の環状溝10内に配置すると、各線材部63の先端が、環状溝10の表面に沿うか、あるいは、均等に接触又は圧接した状態となる。また、軸本体62に取り付けた各線材部63の螺旋方向の配置は、ブラシ部22の回転方向に対して、円盤8の環状溝10内の散薬を一端側から他端側へと搬送可能とするものである(散薬の搬送方向下流側に吸引ダクト83が配置される。)。
【0058】
ブラシカバー23は、
図10及び
図11に示すように、下方側を除いてブラシ部22を覆うことができるように、合成樹脂材料を成形加工することにより形成されている。
【0059】
ブラシカバー23の一端面には、筒状部66と、第1軸部67とがそれぞれ形成されている。筒状部66には、ブラシ用従動ギア68の支軸が挿通し、この支軸はブラシカバー23内に配置されたブラシ部22の嵌合穴65に嵌合一体化されるようになっている。第1軸部67は、所定間隔で突出する一対のガイド片69で構成されている。各ガイド片69の先端部には外径側に突出する係止部69aが形成されている。第1軸部67には、円筒状で一端側に鍔部70aを備えた第1ガイドリング70を介してブラシ用第2中間ギア71が回転可能に装着される。第1ガイドリング70及びブラシ用第2中間ギア71は、同じく第1軸部67に装着される第2ガイドリング72によって抜け止めされる。そして、第1軸部67の先端部は第2ガイドリング72を介して
第2軸受部27の第1筒部37に回転可能に支持される。
【0060】
ブラシカバー23の他端面には、前記伸縮ダクト41の第1ダクト部46内に挿入されて接続される接続筒部73が形成されている。接続筒部73の中心軸と、前記第1軸部67の中心軸とは一致しており、ブラシカバー23は、この中心軸を中心として回転可能となっている。また、接続筒部73の下方側の内面からは第2軸部74が突出し、前記ブラシ部22の筒状軸受部64に挿入され、ブラシ部22を回転可能に支持する。
【0061】
また、ブラシカバー23の他端側には、接続筒部73の外周面にカバー用従動ギア部75が形成されている。カバー用従動ギア部75は、ブラシカバー23の回転中心を中心とする同一円周上に配置され、そこにはブラシカバー用中間ギア36が噛合している。これにより、ブラシカバー用モータ32を駆動すると、ブラシカバー用駆動ギア35、ブラシカバー用中間ギア36、及び、カバー用従動ギア部75を介して、ブラシカバー23が、前記中心軸を中心として回転する。詳しくは、ブラシカバー23は、180度の範囲で回転し、ブラシ部22を覆うと共に円盤8の環状溝10に接近させて、線材部63を環状溝10の表面に沿うか、あるいは、均等に接触(圧接)させる清掃位置と、ブラシ部22を環状溝10から上方へと離間させて、その下方側でブラシ部22から落下する散薬を受け止め可能な待機位置とに位置決めされる。
【0062】
ブラシカバー23の一方の側縁部は、円盤8の環状溝10の径方向の断面形状に沿って円弧状に形成されている。ブラシカバー23の他方の側縁側では、側縁部から所定寸法上方側が迫り出した突条部76が形成され、その下方側は側縁部に向かって真っ直ぐに延び、ブラシカバー23の軸心方向に対して円弧状に湾曲した側面部77となっている。側面部77の中央部分には、押込可能で、先端表面に係止突部78aを有する弾性片78が形成され、両側部分には下方側に突出する係止片79が突設されている。側面部77には掻寄部材80が着脱可能となっている。
【0063】
掻寄部材80は、取付プレート81と、この取付プレート81に貼着等により固定された掻寄片82とで構成されている。取付プレート81は合成樹脂材料からなり、掻寄片82はゴム材料で構成されている。取付プレート81及び掻寄片82の一端側は円盤8の外周延設部11に沿って延設され、この部分に飛散した散薬をも掻き寄せることができるようになっている。
【0064】
取付プレート81には、前記ブラシカバー23の弾性片78及び係止片79に対応する位置に係止穴81a、81bがそれぞれ形成されている。両側の係止孔81bを係止片79に引っ掛けながら、弾性片78の弾性力に抗して中央の係止孔81aに弾性片78の係止突部55を係止し、上縁部を突条部76に沿わせることにより、簡単にブラシカバー23に掻寄部材80を装着することができるようになっている。また、取り外す場合は、係止突部78aを押し込んで弾性片78を変形させた状態で、掻寄部材80を下方側にスライドさせるだけでよい。
【0065】
掻寄片82の先端形状は、円盤8の環状溝10の径方向に於ける断面形状に沿って円弧状に形成され、環状溝10の表面に圧接可能となっている。これにより、円盤8が回転すると、掻寄片82が環状溝10の表面を摺接し、残留する散薬を確実に掻き寄せることが可能である。
【0066】
ブラシカバー23の内面は、ブラシ部22を回転させたときの線材部63の先端位置の軌跡に沿ってほぼ均一な間隔を有する。これにより、ブラシ部22を回転駆動し、図示しない吸引装置を駆動すると、円盤8の環状溝10内に残留する散薬は、ブラシ部22によって掻き取られ、スムーズに吸引・除去される。
【0067】
本体カバー24は、透光性を有する合成樹脂材料からなり、本体カバー23に取外可能に装着される。この装着状態では、クリーナー本体21のみならず、ブラシ部22を覆うブラシカバー23も完全に覆われた状態となる。
【0068】
なお、83は、吸引ダクトを示す。この吸引ダクト83は、
図20及び
図21に示すように、吸引機構(図示せず)へと続く排気ダクト84に接続される接続部85と、この接続部85から延びる蛇腹状のホース86と、このホース86の先端に接続されるノズル部87とで構成されている。
【0069】
接続部85は、ホース86に連結される内筒部88と、その外周側に位置する外筒部89とからなり、これらは可撓性を有する樹脂材料で構成されている。外筒部89は先端側の内径寸法が大きくなった段付き形状に形成され、内筒部88と外筒部89の隙間に排気ダクト84が圧入により接続されるようになっている。
【0070】
ノズル部87は、支軸87aを中心として回動可能となっており、一端側内周面には、ホース86の蛇腹形状に対応した雌ねじ部が形成されている。これにより、ノズル部87にはホース86を螺合により簡単に接続することが可能である。ノズル部87の先端部分は、薬剤分包装置の側面部分に設けたノズルガイド90に支持される。
【0071】
ノズルガイド90は、ノズル部87の先端部分を挿入可能な矩形筒状の挿通路91を備える。挿通路91を構成する底面部分は、ノズル部87の挿入方向手前側に延び、そこには凸部92が形成されている。この凸部92と天井面とにより挿入したノズル部87の先端部分が支持され、脱落が防止される。また、ノズルガイド90の下面からは前記排気ダクト84が突出している。
【0072】
次に、前記薬剤包装機の動作について説明する。薬剤の包装動作は、従来同様であるので、以下の説明では、円盤8の清掃作業にのみ言及する。
【0073】
すなわち、円盤8の環状溝10に収容した散薬を掻出装置9によって掻き出す間は、ブラシカバー23を待機位置に位置決めする。そして、環状溝10の散薬が全て掻き出されると、ブラシカバー23を回転させ、清掃位置に位置決めする。
【0074】
このとき、ブラシ部22の軸心方向が円盤8の径方向と合致し、各線材部63の先端が環状溝10の表面に沿った状態で圧接する。また、掻寄部材80の先端縁部も、環状溝10の表面に沿った状態で圧接する。そこで、図示しない吸引機構を駆動し、伸縮ダクト41を介してブラシカバー23内を吸引する。また、ブラシ用モータ31を駆動し、各ギアを介してブラシ部22を回転させる。さらに、円盤8を回転させ、前記掻寄部材80により環状溝10内に残留する散薬を周方向へと掻き寄せる。
【0075】
ところで、ブラシ部22の回転方向は、円盤8の中心側から外径方向を見て時計回り方向であり、ブラシ部22の各線材部63の螺旋方向と合致している。したがって、環状溝10に残留する散薬が各線材部63によって掻き出されて搬送される方向と吸引方向とが一致し、散薬はスムーズに吸引機構側へと排出される。
【0076】
以上のようにして、円盤8の環状溝10内に残留する散薬を掻き出すが、クリーナー装置自体に散薬が残留する恐れがある。そこで、次のようにしてクリーナー装置18の清掃を行う。
【0077】
すなわち、装置本体6の上面カバー6aを開放し、クリーナー装置18を露出させる。クリーナー装置18は、装置本体6の正面に対して左側の他の部品が近くにない比較的広い空間に位置している。このため、作業性に優れ、清掃を容易に行うことができる。
【0078】
続いて、本体カバー24を開放し、ブラシカバー23を露出させる。そして、ブラシカバー23を把持して伸縮ダクト41側へと押し込む。これにより、伸縮ダクト41のダクト本体42がコイルスプリング49の付勢力に抗して第1軸受部26の開口部40内へと押し込まれ、ブラシカバー23の第1軸部67が第2軸受部27の第1筒部37から脱落する。この結果、クリーナー本体21からブラシカバー23及びブラシ部22を取り外すことができる。また、ブラシカバー23からブラシ用従動ギア68を取り外すことにより、ブラシカバー23からブラシ部22を取り外すことができる。さらに、掻寄部材80は、係止突部55を押し込んで弾性片78を変形させ、下方側にスライドするだけで、ブラシカバー23から簡単に取り外すことができる。
【0079】
また、クリーナー本体21から取り外したブラシカバー23及びブラシ部22は、次のようにしてクリーナー本体21に装着することができる。すなわち、ブラシカバー23にブラシ部22を組み付けた状態で、接続筒部73をダクト本体42の第1ダクト部46に挿入し、スプリング49の付勢力に抗して押し込む。そして、ブラシカバー23を軸心方向に移動させ、第2ガイドリング72を外装した第1軸部67を第2軸受部27の貫通孔に挿入する。ブラシカバー23の軸心を中心とする円周上にカバー用従動ギア部75とブラシ用第2中間ギア71がそれぞれ位置している。そして、これらに噛合可能にブラシカバー用中間ギア36とブラシ用第1中間ギア34の一部を露出させている。したがって、前述の通り、ブラシカバー23を軸心方向に移動させるだけで、カバー用従動ギア部75がブラシカバー用中間ギア36に、ブラシ用第2中間ギア71がブラシ用第1中間ギア34にスムーズに噛合させることができる。
【0080】
このように、散薬が付着する可能性のある、ブラシカバー23及びブラシ部22をクリーナー本体21から簡単に取り外し、両者を分解することができる。しかも、ブラシカバー23からは掻寄部材80をも簡単に取り外すことができる。したがって、これらの部材の清掃を簡単に行うことができる。ブラシカバー23及びブラシ部22の清掃では、丸洗いすることも可能であり、劣化してくれば、その部品(特に、ブラシ部22や掻寄部材80)を交換することも可能である。
【0081】
また、適宜、円盤8以外に飛散した散薬は、吸引ダクト83を使用して吸引する。吸引ダクト83は、使用により蛇腹状のホース86が痛みやすい。そこで、ホース86が損傷した場合には、ノズル部87との螺合状態を解除し、ノズルガイド90から離脱させることにより、ホース86のみを取り外して交換する。このため、ホース86に比べて高価なノズル部86を交換せずに済むため、安価に対応することが可能となる。
【0082】
なお、前記実施形態では、クリーナー本体21に所定間隔で対向する一対の軸受部(第1軸受部26及び第2軸受部27)を形成するようにしたが、軸受部を伸縮ダクト41等を有する一方のみの片持ち構造とすることも可能である。この場合、ブラシ部22の軸本体62を軸受部に回転可能に支持し、その位置で中間ギア(前記ブラシ用第2中間ギア71)と噛合させるように構成すればよい。また、軸受部には、装着したブラシカバー23が脱落しないような抜止機構を設けるようにすればよい。この構成によれば、クリーナー装置18をより一層コンパクトな構成とすることが可能となる。
【0083】
また、前記クリーナー装置18は、次のようにして単一の軸受部に回転可能に支持する片持ち構造とすることも可能である。すなわち、
図22に示すように、ブラシカバー23の一端壁に、
接続筒部73を形成し、この
接続筒部73に図示しない可撓性を有するホースを接続する。また、前記ブラシカバー23の一端壁には、カバー用従動ギア部75が一体的に形成され、このカバー用従動ギア部75と同軸上にブラシ用第2中間ギア71が回転可能に取り付けられている。さらに、前記ブラシカバー23の一端壁には、ブラシ部22の軸部材に一体化したブラシ用従動ギア68が露出し、前記ブラシ用第2中間ギア71に噛合されている。そして、前記実施形態と同様に、前記カバー用従動ギア部75にはブラシカバー用中間ギア36を介してブラシカバー用駆動ギア35が噛合し、ブラシカバー用モータ32からの駆動力がブラシカバー23に伝達されるようになっている。また、前記ブラシ用第2中間ギア71には、ブラシ用第1中間ギア34を介してブラシ用駆動ギア33が噛合し、ブラシ用モータ31からの駆動力がブラシ部22に伝達されるようになっている。この構成によれば、
接続筒部73とは関係なく、ブラシカバー23とブラシ部22を駆動させる機構を設けることができ、加工性及び組立性に優れている。
【0084】
他の実施例を以下に説明する。
図23(a)に示すように、R円盤8は外周延設部11より外側に位置しかつ外側延設部11より下方または上方に位置した鍔部94を有してもよい。なお、外周延設部11に代えて、環状溝10の内側に内周延設部が形成される場合は鍔部94も内側に位置させる。鍔部94は支持ローラー93により支持される。この鍔部94を有した場合、外周延設部11を支持ローラー93で支持する場合に比べて支持ローラー93への散薬の進入が軽減される。したがって、R円盤8の回転動作に支障がでない。
図23(b)では、ブラシカバー23を鍔部94の上方まで延長させている。そして、清掃時のR円盤8の回転方向下流側(ブラシ部22より下流側)で外周延設部11と環状溝10の散薬をせき止める働きをする掻寄片82と、鍔部94の上方に形成された鍔部用掻寄片95とが示されている。この鍔部用掻寄片95により鍔部94の散薬も確実にせき止めることができ、せき止めた散薬を吸引することができる。また、鍔部94を清掃する他の実施例として、鍔部94から伸縮ダクト41(吸引部)、または、鍔部94から接続筒部73まで散薬が吸引されやすくするための通路を設けてもよい。なお、
図23(b)では取付プレート81は省略している。