(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排出ガイド部の前記領域は、円弧となるように設けられており、当該円弧の中心点は、前記領域よりも搬送方向の下流側であることを特徴とする請求項1に記載の錠剤取出し装置。
前記排出ガイド部の前記領域は、楕円の弧となるように設けられており、当該楕円の弧の中心点は、前記領域よりも搬送方向の下流側であることを特徴とする請求項1に記載の錠剤取出し装置。
前記領域を有する前記排出ガイド部の前記錠剤シートが搬送される方向と交差する方向である横方向の幅は、前記両側端部排出ガイド部の横方向の幅よりも狭いことを特徴とする請求項4に記載の錠剤取出し装置。
前記排出路の前記錠剤取出し装置の錠剤取出位置から前記排出路に向かう方向における前記排出路の幅は、前記錠剤シートの長手方向の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の錠剤取出し装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明の錠剤供給システム(
図1)について説明する。
【0017】
図1は、包装装置5と錠剤供給装置10を含む錠剤供給システム(分包システム)を示す図である。包装装置は、薬剤分包機、分包機ともいう。
【0018】
図1は、錠剤供給装置10、及び錠剤供給装置10から供給された錠剤を包装する包装装置5を含む錠剤供給システムを示す図である。
【0019】
1は、錠剤取出ユニットであり、錠剤シートから錠剤を取り出すユニットである。
【0020】
錠剤シートは、一般的にPTPシートと呼ばれており、錠剤シートのことをPTPシートとも言う。また、錠剤シートの並列する複数のポケットには、錠剤が封入されている。
【0021】
図1の3は、排出ポケット(廃棄ボックス)であり、錠剤取り出し装置から排出されたPTPシートが集合する部分である。装置前面で開口しており、排出されたPTPシートを容易に取り出すことができる。
【0022】
図1の4は錠剤投入口カバーであり、錠剤投入部のカバーである。錠剤投入口に埃や異物が入らないようにする為に、ヒンジ部によって、包装装置の上面に取り付けられており、開閉可能となっている。このカバーの下には錠剤投入口があり、使用者が手で錠剤を投入して、1回飲用分ずつに分包することが可能である。
【0023】
錠剤供給装置10には複数の錠剤取出ユニット1が収納されている。錠剤取出ユニット1は、幅方向(左右方向)に6つが並べられ、この6つの錠剤取出ユニット1からなる組が上下に3段に配置されている。すなわち、錠剤取出ユニット1は、左右6列、上下3段に配列されている。
【0024】
錠剤供給装置10は複数の錠剤取出ユニット1を備えているが、錠剤取出ユニット1の数は1でもよい。
【0025】
5は、包装装置であり、錠剤供給装置10の錠剤取出ユニット1から供給された錠剤を包装する装置である。
【0026】
103は、散薬投入部であり、分包される散薬が投入される部である。また、散薬投入部103に投入された散薬を投薬1回分に分けられて、分けられた1回分の散薬を後述するメインホッパー505に入れられ、1回分ずつに分包される。
【0027】
10は、錠剤供給装置であり、1または複数の錠剤取出ユニット1と、錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を供給する錠剤供給ユニット400とを備えている。
【0028】
錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1により錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して、錠剤供給ユニット400の供給経路を経て、包装装置5に供給する。錠剤供給装置10は、
図1に示す通り、複数の錠剤取出ユニット1を備えている。
【0029】
錠剤供給装置10は、1又は複数の錠剤を、それぞれ錠剤収容部に封入された錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して供給する。
【0030】
次に、
図2を用いて、錠剤供給装置10について説明する。
【0031】
図2は、錠剤供給装置10を示す図である。
【0032】
図2は、錠剤供給装置10を正面側から見た図である。
【0033】
203は、錠剤シートを錠剤取出ユニット1に投入する投入口である。
【0034】
次に、
図3を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
【0035】
図3は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。
【0036】
図3は、錠剤取出ユニット1を正面側から見た図である。
【0037】
なお、
図3は、錠剤取出ユニット1が、2つ並んでいる図を示している。
【0038】
錠剤取出ユニット1は、錠剤シート51を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送された錠剤シート51が載置される載置台と、載置台上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧して錠剤を取り出す押出し機構とを有している。
【0039】
錠剤シート51は、錠剤を収容する錠剤収容部を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が錠剤収容部に密封されたものである。
【0040】
錠剤シート51は、シート部上に凸状の錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて2列に並んだ形態である。各列をなす複数の錠剤収容部は錠剤シート51の長さ方向に沿って並んでいる。
【0041】
ここで、さらに、
図4を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
【0042】
図4は、錠剤取出ユニット1の内部構造(断面)を示す図である。
【0043】
図4は、錠剤シートの投入口203にPTPシートをセットし、PTPシートを除包位置(錠剤の取出位置)まで搬送を行った際の図である。
【0044】
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートを搬送する錠剤シート搬送機構(搬送機構)と、錠剤シートが載置される載置台18と、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出機構(押出し機構)とを備えている。
【0046】
錠剤シート搬送機構は、錠剤シート51を進行方向に向け搬送するものであって、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた下部ローラ39と、進行方向に互いに間隔をおいて設けられた上部ローラとを備えている。
【0047】
搬送機構は、錠剤収容部の押圧を継続する前に載置台18上の押圧される位置から所定の距離だけ錠剤シート51をさらに搬送し、押出し機構が、錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)する。
【0048】
下部ローラ39は、駆動源により回転駆動可能であり、PTPシート部の下面に当接して錠剤シート51に進行方法への力を加えることができる。
【0049】
上部ローラは、駆動源により回転駆動可能であり、PTPシート部の上面に当接して錠剤シート51に進行方向への力を加えることができる。
【0050】
上部ローラの幅方向の位置は、2列の錠剤収容部の間に相当する位置であるため、上部ローラは錠剤収容部52に当接することはない。
【0051】
下部ローラ39と上部ローラは、錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シートを進行方向に搬送できる。さらに、下部ローラ39と上部ローラは錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シート51を進行方向とは逆の方向にも搬送できる。
【0053】
導入シュート24は、載置台の下面側に設けられており、錠剤シート51から取り出された錠剤を、後述する錠剤導入路401に導くものである。すなわち、導入シュート24は、載置台の下面側に排出口を有しており、錠剤シート51から取り出された錠剤はその排出口を通り、後述する錠剤導入路401に落ちていく。
【0054】
なお、この導入シュート24は、錠剤取出しホッパーとも言う。
【0055】
錠剤取出ユニット1は、載置台18上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧する速度を変更させる変更機構をさらに有している。
【0056】
押出し機構は、より高速に変更された速度で錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)する。
【0057】
押出し機構は、錠剤収容部の中央付近を押圧する内側押圧体83と、中央付近よりも外側の部分を押圧する外側押圧体84とを含んでいる。
【0058】
内側押圧体83と外側押圧体84とが独立して動作することでPTPシートの錠剤収容部を押圧して、PTPシートから錠剤を取り出す。
【0059】
押出し機構は、内側押圧体83よりも先に外側押圧体84により錠剤収容部を押圧させる。
【0060】
内側押圧体83の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が狭いので、内側押圧体83は錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シートに開いた穴から先端が突き出る。
【0061】
外側押圧体84の先端は、ほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が広いので、錠剤を取り出す場合(下降した場合)に、錠剤シート51に開いた穴から先端が突き出ない。つまり、錠剤シート51の錠剤収容部を押し潰すためのものである。
【0062】
錠剤取出機構(押出し機構)は、外側押圧体84を昇降させる第1昇降機構と、内側押圧体83を昇降させる第2昇降機構とを有する。
【0063】
第1昇降機構は、外側押圧体84が取り付けられた第1昇降体93と、回転駆動して第1昇降体93を昇降させるカム94と、第1昇降体93を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
【0064】
第1昇降体93は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に外側押圧体84が取り付けられている。カム94は、外側押圧体84の昇降動作を考慮して設計された形状の板状体であり、駆動機構によって回転駆動する軸部に固定されている。
【0065】
カム94は、第1昇降体93の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第1昇降体93を押圧することによって高さ位置を調整し、これによって外側押圧体84の高さ位置を調整する(外側押圧体84の昇降動作を行う)ことができる。第1昇降機構は、カムの回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、外側押圧体84の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
【0066】
第2昇降機構は、内側押圧体83が取り付けられた第2昇降体98と、回転駆動して第2昇降体98を昇降させるカム99と、第2昇降体98を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
【0067】
第2昇降体98は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に内側押圧体83が取り付けられている。カム99は、第2昇降体98の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第2昇降体98を押圧して高さ位置を調整し、これによって内側押圧体83の高さ位置を調整する(内側押圧体83の昇降動作を行う)ことができる。第2昇降機構は、カム99の回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、内側押圧体83の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
【0068】
このため、カム94とカム99は、それぞれ第1昇降体と第2昇降体に対して互いに独立に動作可能であり、内側押圧体83と外側押圧体84は、互いに独立に昇降動作させることができる。
【0069】
錠剤取出機構における2つのカムの回転動作のタイミング等は、錠剤位置検出機構の検出部からの信号に基づいて定めることができる。具体的には、検出された錠剤収容部の位置に合わせて内側押圧体83と外側押圧体84を動作させることができる。
【0070】
錠剤取出ユニット1は、PTPシートの錠剤収容部の押圧をする前に、押圧される錠剤収容部の長さを検出する検出機構17をさらに有している。
【0071】
錠剤供給装置は、検出した錠剤収容部の長さに基づいて所定の距離を算出する算出手段をさらに有している。
【0072】
検出機構17は、押圧される錠剤収容部の長さを検出するとともに押圧される錠剤収容部の位置をさらに検知する。
【0073】
錠剤供給装置10は、検知されたPTPシートの錠剤収容部の位置に基づいて、押圧される位置までの搬送距離を算出する算出手段をさらに有する。
【0074】
搬送機構(下部ローラ39、上部ローラ)は、搬送距離により載置台18上の錠剤収容部が押圧される位置まで錠剤シートを搬送する。
【0075】
搬送機構は、所定の距離だけ前方または後方に錠剤シート51を搬送する。
【0076】
次に、
図5を用いて、錠剤供給装置10の内部構造について説明する。
【0077】
図5は、錠剤供給装置10の内部構造を示す図である。
【0078】
なお、
図5は、錠剤供給装置10を背面側(裏側)から見た図である。
【0079】
204は、光学センサ(ビームセンサ)であり、落下物を検知するものである。除包された錠剤が導入シュート24内を落下する際、除包された錠剤がビームセンサ上を通過し、ビームセンサを遮光する。このビームセンサが遮光された状態をON状態とし、遮光されていない状態をOFF状態とする。このON/OFF状態を用いて落下物の有無の判定を行う。錠剤落下検出機構は、光学センサ204と落下錠剤カウンタとを有する。
【0080】
錠剤供給装置10は、押圧により錠剤収容部から錠剤が取り出されたか否かを判定するべく、取り出された錠剤を検知する検知機構(光学センサ204)を有している。
【0081】
押出し機構は、取り出された錠剤が検知されない場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)し、取り出された錠剤が検知された場合には錠剤収容部の押圧を継続(リトライ)しない。
【0083】
錠剤導入路401は、導入シュート24と導通しており、錠剤シートから取り出され落下した錠剤を導入シュート24から第1集積ホッパーに中継する。
【0084】
次に、
図6を用いて、錠剤供給ユニット400の内部構造について説明する。
【0085】
図6は、錠剤供給ユニット400の内部構造を示す図である。
【0087】
第1集積ホッパー402は、錠剤取出ユニット1により、PTPシートから取り出された錠剤が導入シュート24を落下して通り、そして、導入シュート24から錠剤導入路401を通り、該錠剤が集積される部である。
【0088】
すなわち、錠剤導入路401は、第1集積ホッパー402と直接、導通している。
【0089】
501は、第2集積ホッパーである。第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402で集積された錠剤をさらに集積する。
【0090】
すなわち、第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402と導通している。
【0091】
そのため、第1集積ホッパー402に落ちてきた錠剤50は、第2集積ホッパー501に落ちて集積される。
【0092】
502は、第1の送り出し機構である。第1の送り出し機構502は、第2集積ホッパーに集積された錠剤50を第3の集積ホッパーに移動させる。
【0093】
503は、第3集積ホッパーである。第3集積ホッパー503は、第1の送り出し機構502により送り出(移動)された錠剤を集積する。
【0094】
504は、第2の送り出し機構である。第2の送り出し機構504は、第3集積ホッパーに集積された錠剤をメインホッパー505に移動させる。
【0095】
505は、メインホッパーである。メインホッパー505は、第2の送り出し機構504により送り出(移動)された錠剤(1回分)を集積し、包装シート(分包紙)の中に集積した錠剤を投入する。
【0096】
次に、
図7、
図8を用いて、包装ユニット701の内部構造について説明する。
【0097】
図7は、包装ユニット701の内部構造を示す図である。
【0098】
図8は、
図7に示す包装ユニット701の内部構造の一部(703、704、705)を拡大した図である。
【0099】
包装ユニット701は、包装装置5内のユニットである。
【0100】
702は、包装シートが連なるロール紙(分包紙がロール状になっている紙)を包装機構に送り出すロール紙送出機構である。
【0101】
703は、メインホッパー505内に集積された錠剤(1回分の錠剤803)が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
【0102】
704は、メインホッパー505内に集積された錠剤が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。
【0103】
すなわち、包装機構703と、包装機構704とで、包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する。
【0104】
705は、連なるロール紙を1包毎の包装シート(1つの包み802)に分断するための分断用ミシン目801を包装シートに形成する。(分断機構)
【0105】
706はプリンタであり、包装シートに、日付、患者データ、エラー情報を印字する(印字機構)。
【0106】
本実施形態のプリンタは、カラー印字が出来ない。また、本実施形態の薬剤供給装置には、線引き装置は備えられていない。
【0107】
図7、
図8に示すように、包装ユニットにより、投薬1回分の錠剤が分包される。
【0108】
次に、
図9を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
【0109】
図9は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。
【0110】
901は、錠剤シートの投入口203のカバーである。
【0111】
カバー901を開けることにより、錠剤シート51を投入口203に入れることが出来るようになる。
【0112】
また、
図9に示す24は、導入シュートであり、既に、
図4などを用いて説明しているため、ここでは説明を省略する。
【0113】
次に、
図10を用いて、錠剤供給装置10について説明する。
【0114】
図10は、錠剤供給装置10を正面から見た図である。
【0115】
図10に示す1は、
図1にも示している通り、錠剤取出ユニットである。
【0116】
錠剤取出ユニット1で、PTPシートから取り出された錠剤は、導入シュート24を通り、そして、錠剤導入路401を通り、第1集積ホッパー402に落ちていく。
【0117】
次に、
図11を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。
【0118】
図11は、錠剤供給装置10を横(正面から見て右側)から見た図である。
【0119】
図10でも説明したが、錠剤取出ユニット1で、PTPシートから取り出された錠剤は、導入シュート24、錠剤導入路を通り、第1集積ホッパー402内に落ちてくる。
【0120】
そして、第1集積ホッパー402を通った錠剤は、第2集積ホッパー501を通り、第1の送り出し機構502に送られる。第1の送り出し機構は、第1の中継ユニットである。
【0121】
そして、第1の送り出し機構502は、錠剤を第3集積ホッパー503に送り、第3集積ホッパー503は、第2の送り出し機構504に錠剤を送る。第2の送り出し機構504は、第2の中継ユニットである。
【0122】
第2の送り出し機構504は、第2の送り出し機構504に送られた錠剤を、メインホッパー505に送る。
【0123】
次に、
図12を用いて、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤がどのように、導入シュート24、錠剤導入路401、第1集積ホッパー402を通るかについて説明する。
【0124】
図12は、
図10に示した錠剤供給装置10の一部を抜粋した図である。すなわち、
図10に示す錠剤取出ユニット1を2段分削除した図が、
図12である。
【0125】
図12に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
【0126】
また、
図12に示す通り、第1集積ホッパー402の左側の導管、及び真ん中の導管の幅は、直径が78mmである。
【0127】
次に、
図13を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。
【0128】
図13は、錠剤供給装置10の内部を横(正面から見て右側)から見た図である。
【0129】
図13に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。
【0130】
最上段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1401までの距離は、約460mmであり、中段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1401までの距離は、約265mmである。
【0131】
また、第1集積ホッパー402の長さは、約362mmである。すなわち、最下段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第2集積ホッパー501までの距離は、約362mmである。
【0132】
各段の錠剤取出ユニット1で、PTPシートから錠剤が取り出されると、錠剤は、導入シュート24を通り、導入シュート24の出口から、錠剤導入路401を通り、そして、第1集積ホッパー402に入り、第2集積ホッパー501に集積される。
【0133】
この時、錠剤供給装置10全体の分包時間を短縮させることを考慮すると、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めることが考えられる。
【0134】
しかしながら、最上段の錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めると、約876mmもあるため、錠剤が割れたり、欠けたりして破損してしまう可能性が高くなる。また、PTPシートから取り出される薬が、カプセルの場合は凹んだりして変形をしてしまう可能性が高くなる。
【0135】
このように、本実施形態の錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1が複数積み上げられて使用できるようになっているため、特に最上段の錠剤取出ユニット1から錠剤が落下する場合には、導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から第2集積ホッパーまでの距離が非常に長くなり、PTPシートから取り出される錠剤、又はカプセルが、破損してしまう可能性が高くなってしまう。
【0136】
そこで、第1集積ホッパー402の上部に、分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第1の傾斜部1401を設ける。すなわち、第1集積ホッパー402の上部の一部をオフセットさせる。
【0137】
本実施の形態では、重力方向から約32°の傾斜を有する第1の傾斜部1401としている。
【0138】
また、第2集積ホッパー501においても、第1集積ホッパー402から第2集積ホッパー501の下部にダイレクトに錠剤が到達しないように、第2集積ホッパー501も分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第2の傾斜部1402を設けている。
【0139】
本実施の形態においては、第2の傾斜部1402は、水平方向より約40°の傾斜としている。
【0140】
ここで、第1の傾斜部1401、第2の傾斜部1402の角度は、例として、それぞれ、約32°、約40°としているが、落下してくる錠剤がバウントして(落下スピードを落として)、その後の経路に移動可能な角度(次の供給部に落下により供給可能な角度の傾斜)であれば、どのような角度であってもよい。
【0141】
このように、第1集積ホッパー402に、第1の傾斜部1401を備え、第2集積ホッパー501に第2の傾斜部1402を備えることにより、錠剤取出ユニット1の導入シュート24(錠剤取り出しホッパー)出口から、第2集積ホッパー501の下部までダイレクトに錠剤を落下させず、錠剤の落下向きを変えつつ錠剤が破損、変形しない程度のクッションを与えることができる。その結果、落下してくる錠剤が第2集積ホッパー501の下部に到達した時の衝撃を和らげることができ、錠剤が破損、変形する可能性を低減させることが出来るようになる。
【0142】
第1の傾斜部は、錠剤取出し装置から落下してきた錠剤が接触する位置に設けられており、第2の傾斜部は、第1の傾斜部に接触した錠剤がさらに落下して接触する位置に設けられている。
【0143】
また、第1の傾斜部1401、第2の傾斜部1402に、ゴムなどの、衝撃を吸収する材料(衝撃吸収材)を更に設けることにより、錠剤の衝撃をさらに抑えることが可能となる。
【0144】
次に、
図14、
図15、
図16を用いて、錠剤シート51の搬送と、錠剤が取り出された錠剤シート51の排出プロセスについて、説明する。
【0145】
図14、
図15、
図16は、それぞれ、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す断面傾斜図である。
【0146】
図14、
図15、
図16の39は、下部ローラであり、錠剤シート51を搬送するものである。
図14、
図15、
図16の99、94は、カムであり、100°ずらして配置し回転することによって、第1昇降体93、第2昇降体98をそれぞれ独立したタイミング上下運動させるためのものである。
【0147】
錠剤取出ユニット1の内部構造については、既に、
図4を用いて説明しているように、
図14、
図15、
図16の84は、外側押圧体であり、PTPシートのアルミ箔を破る為のものである。また、
図14、
図15、
図16の83は、押し出し板であり、PTPシートのポケットから錠剤を取り出す為のものである。
【0148】
図14、
図15、
図16に示す2401は、多重搬送防止板であり、複数枚積まれたPTPシートを複数枚、搬送しないようにする為のものである。
【0149】
図14、
図15、
図16に示す2402は、排出されるPTPシートの両端部をガイドし、両端部排出ガイドとして機能するPTPシート排出ガイド部(両側端部排出ガイド部ともいう)であり、除包後のPTPシートを、排出路2601に排出するためのブロックである。
【0150】
PTPシート排出ガイド部2402は、PTPシートの搬送方向に対して両側で、PTPシートと接触する位置に備えられている。
【0151】
なお、PTPシート排出ガイド部2402は、錠剤シートの搬送方向に対して両側に備えられる、前記錠剤シートを前記排出路に排出するための排出ガイド部の一例である。
【0152】
除包後のPTPシートは、排出路2601を通して(並列する複数のポケットに錠剤が封入されている錠剤シートから当該錠剤を取り出して、当該錠剤が取り出された当該錠剤シートの排出路に当該錠剤シートを排出して)、排出路2601と導通している排出BOXに集積される。錠剤が取り出された当該錠剤シートの排出路に当該錠剤シートを排出する。
【0153】
PTPシート排出ガイド部2402は、錠剤取出し装置から排出される錠剤シートが接触する位置に逆R形状部2701(領域)が設けられている。
【0154】
図14に示すように投入口203にセットされたPTPシートが、
図15に示すように下部ローラ39、上部ローラにより搬送され、PTPシートから錠剤が取り出され、
図16に示すように、錠剤が取り出されたPTPシートが排出路2601に排出される。
【0155】
排出路2601は、錠剤供給装置10の後ろ側に配置されており、錠剤供給装置10を小型化するために、排出路2601の奥行は、PTPシートの長さよりも狭くなっている。また、PTPシートは、プラスチックで構成されており、硬いため、錠剤取出ユニット1の、錠剤が取り出されたPTPシートが排出される口に、排出ガイドを設けなければ、PTPシートが排出路2601にあたって、引っかかってしまい、錠剤が取り出されたPTPシートが排出路2601に詰まってしまうおそれがある。そこで、従来は、錠剤が取り出されたPTPシートが排出路2601に引っかからないように、錠剤供給装置10の、錠剤が取り出されたPTPシートが排出される口(錠剤が取り出された錠剤シートが錠剤供給装置から排出される排出口)に、PTPシートが重力方向に曲がるように、PTPシート排出ガイド部2402を設けていた。
【0156】
しかしながら、錠剤取出装置から排出されるPTPシートを重力方向押し込むために、PTPシート排出ガイド部2402を設けたとしても、排出路に引っかかってしまい、確実に排出できないという現象が生じていた。
【0157】
このような現象を
図26のPTPシートをPTPシート排出ガイド部2402でガイドして搬出様子を説明する切断面図を用いて説明する。従来のPTPシート排出ガイド部は、
図26(a)に示すように、PTPシートの両端部しガイドしていなかった。そのため、PTPシートが変形しているような場合には、
図26(b)に示すように、PTPシートが排出ガイド部2402から外れてしまうことになる。そのため、このような場合には排出路に排出することができず、シートつまりが発生してしまっていた。
そこで、本実施形態においては、PTPシート排出ガイド部2402に加え、PTPシートの中央部(隣接する錠剤収容部の間)を抑えられる位置に、中央部排出ガイド部を設けることにより、PTPシートが排出路に引っかかることを防止している。
中央部排出ガイド部を設けることによる効果を、
図26のPTPシートの簡略切断面図に対応する
図23を用いて説明する。
図23は、PTPシートがPTPシート排出ガイド部及び中央部排出ガイド部でガイドされている様子を示す簡略切断図である。
図23(a)は変形していない場合のPTPシートがガイドされている際の様子である。
図23(b)は変形しているPTPシートがガイドされている際の様子である。このように、PTP排出ガイド部に加え、中央部排出ガイド部を設けることにより、PTPシートがガイド部から外れてしまうということを防止することができる。
すなわち、PTPシートが変形した場合は、シート排出時に錠剤シート51(a)がPTPシート排出ガイド部2402から外れる場合があるが、PTPシート排出ガイド部2402から外れてしまったとしても、中央部排出ガイド部2011が錠剤シート51(a)の中央位置で支持しているため、錠剤シート51(a)は、排出されるシートの向きを適切に下向きに矯正させることが出来る。これにより、排出路に排出できないという現象を防止することができる。
【0158】
次に、搬送時に確実に排出されることができるPTP排出ガイド部2402及び中央部排出ガイド部の形状について詳細に説明する。
図16は、PTPシート排出ガイド部2402の後述する逆R形状部2701に、錠剤が取り出されたPTPシートの配送方向の先端があたり、PTPシート排出ガイド部2402の形状に従って、PTPシートが下方向へと搬送されている様子を示している。
【0159】
PTPシート排出ガイド部2402は、PTPシートを重力方向に倒しこむ働きがあり、特に倒しこむ部分(PTPシートの配送方向の先端があたる部分)を逆R形状にすることで、PTPシートにかかる負荷を最小限に抑えることができる。また、重力方向に倒しこむ際に問題となる、PTPシート排出ガイド部2402での搬送時のPTPシートの引っかかりを減らすことができる。
【0160】
次に、PTPシートがPTPシート排出ガイド部2402及び中央部排出ガイド部に支持されて搬送される際に、PTPシートがこれらの排出ガイドに引っかからないように設けたガイド部の逆R形状について
図17、
図18、
図19を用いて詳細に説明する。なお逆R形状は、PTPシート排出ガイド部2402と中央部排出ガイド部とを同様な形状とすることができるため、以下の説明においてはPTPシート排出ガイド部2402を用いて説明を行う。
【0161】
図17は、錠剤取出ユニット1のPTPシートの排出される口に設けられたPTPシート排出ガイド部2402のR形状と逆R形状の違いを説明するための図である。
【0162】
図17のPTPシート排出ガイド部(a)は、PTPシートを最初に倒しこむ部分に逆R形状部2701を用いている。
【0163】
図17のPTPシート排出ガイド部(b)は、PTPシートを最初に倒しこむ部分にR形状部2702を用いている。
【0164】
図17のPTPシート排出ガイド部(c)は、PTPシート排出ガイド部(a)と、PTPシート排出ガイド部(b)とを重ね合わせた図である。
【0165】
図17のPTPシート排出ガイド部(c)に示す斜線部2703は、PTPシート排出ガイド部(a)と、PTPシート排出ガイド部(b)とを重ね合わせた時にでる形状の違いの部分を示している。
【0166】
図17の2702はR形状を示している。2703の斜線部で表しているように2701と2702とでは、形状に違いがある。
【0167】
そのため、PTPシート排出ガイド部(a)の形状部2701(逆R形状部)に、PTPシートの配送方向の先端があたる部分が当たると、PTPシート排出ガイド部(b)の形状部2702(R形状部)に、PTPシートの配送方向の先端があたる部分が当たるのに比べて、力学的に、PTPシートが重力方向に倒しこみ易く、PTPシート排出ガイド部に、PTPシートが排出時に引っかかりにくくなる。
【0168】
また、PTPシートが排出路2601への進行する方向に対して、PTPシートが同じ距離だけ搬送した場合、
図17の(a)の形状部2701の方が
図17の(b)のR形状部2702よりも先に、PTPシートを重力方向に倒れませることができる。
【0169】
先に倒れこませることができると、PTPシートにかかる負荷はそれだけ軽減できる。反対に
図17の(b)のR形状部2702は、
図17の(a)の形状に対してPTPシートにかかる負荷は大きい。
【0170】
このように、
図17の(a)の形状のほうが
図17の(b)の形状よりPTPシートを先に倒れこませることができる為、PTPシートを倒れこませる時に発生する引っかかりを防止することができる。
【0171】
図17の(b)の形状の場合は、倒れこませる距離が短いとPTPシートを無理やり倒し込ませなければならず、PTPシートの引っかかり等の搬送トラブルが発生する可能性が高くなる。
【0172】
すなわち、排出路2601の奥行が短いため、PTPシート排出ガイド部2402のR形状部の傾斜角が大きくしなければならず、
図17の(b)の形状のように、R形状部2702にしてしまうと、PTPシートがR形状部2702に引っかかり、搬送トラブルが発生する可能性が高くなってしまう。
【0173】
次に、
図18を用いて、PTPシート排出ガイド部2402の形状について、説明する。
図18は、PTPシート排出ガイド部2402の形状を示す図である。
【0174】
図18に示す通り、PTPシート排出ガイド部2402の先端の直線部(直線形状の直線部)の長さは、約21mmであり、PTPシート排出ガイド部2402の先端の直線部と、重力方向との間の各は約42°である。なお、直線部は、逆R形状部2701よりも搬送方向下流側に設けられている。
【0175】
また、PTPシート排出ガイド部2402の逆R形状部2701の弧の長さは約21mmであり、逆R形状部2701の弧の中心点の接線と、重力方向との間の角は約60°である。このように、PTPシート排出ガイド部2402の逆R形状部2701は、錠剤取出し装置(錠剤取出ユニット1)から排出されるPTPシートを下方向(重力方向)に曲げられる角度で設けられている。より具体的には、PTPシート排出ガイド部2402の逆R形状部は、PTPシートが搬送されるにつれて、錠剤シートの先端とPTPシート排出ガイド部2402との接する角度が小さくなるように、重力方向に関して下側に凸となるように設けられている。このよう設けることにより、PTPシート排出ガイド部とPTPシートとの間に生じる摩擦力を低減することができ、PTPシートがPTP排出ガイド部に引っかかるということを防止することができる。
なお、逆R形状部2701は、円弧、または楕円の弧となるように設けられていることが好ましく、円の中心点、または楕円の焦点は、逆R形状部2701よりも搬送方向の下流側に位置している。このように設けることにより、PTPシートが搬送されるにつれて、PTPシートの先端とPTPシート排出ガイド部2402との接する角度が小さくなるようにPTPシートを搬送することができる。
【0176】
次に、
図19を用いて、PTPシート排出ガイド部2402の逆R形状部2701に、錠剤が取り出されたPTPシートが、配送されるにつれて、配送方向の先端があたり、PTPシート排出ガイド部2402の形状に従って、PTPシートが下方向(重力方向に関して下側)へと搬送されることについて、説明する。
【0177】
図19は、PTPシート排出ガイド部2402の形状に従って、PTPシートが下方向(重力方向)へと搬送される様子を示した図である。
【0178】
図19の(1)に示すように、PTPシート排出ガイド部2402の逆R形状部2701に、錠剤が取り出されたPTPシートの先端が初めに当たる(接触する)。つまり、錠剤シートにおいて初めに接触する位置に逆R形状部2701が設けられている。
【0179】
そして、さらに、PTPシートが配送されると、
図19の(2)に示すように、配送方向のPTPシートの先端部が、PTPシート排出ガイド部2402の逆R形状部2701に当たり、PTPシートが下方向(重力方向)へ倒しこまされる。
【0180】
そして、さらに、PTPシートが配送されると、
図19の(3)に示すように、PTPシートの先端部が既に倒しこまれているので、PTPシート排出ガイド部2402にPTPシートが引っかかることなく、排出されたPTPシートの部分が逆R形状部2701で倒しこまされて、下方向(重力方向)へと搬送される。
【0181】
図20は錠剤取出ユニット1の後部が分かるようにした概略斜視図である。
図20の2011は中央部排出ガイド部で、排出されるPTPシートを排出路2601へ向かって搬送方向を矯正させる部品である。中央部排出ガイド部2011は、本発明における、前記並列する複数のポケットの間で前記錠剤シートと接触する位置に、前記錠剤シートを前記排出路に排出するための排出ガイド部の一例である。
【0182】
PTPシート排出ガイド部2402はPTPシートの両サイドの縁をガイドしていて、排出される錠剤シートを下方向に矯正する働きと、PTPシートの搬送排出に際し横(左右)方向への錠剤シートの位置ずれを防ぐようガイドしている。
【0183】
中央部排出ガイド部2011は、錠剤シートの中央部、つまりPTPシートの錠剤収容部と錠剤収容部の間の錠剤収容部が無い部分(錠剤シートが搬送される方向と交差する方向に関して隣接する錠剤封入部の間)を押さえ込むために、PTPシート排出ガイド部2402と比べて左右(横方向)の幅が狭くなっており(約1.5mm)、それによって、PTPシートの錠剤収容部と錠剤収容部の間の錠剤収容部が無い部分で、PTPシートを下方向に矯正する働きを持っている。なお、PTPシートの錠剤収容部と錠剤収容部の間の錠剤収容部が無い部分は、錠剤取出ユニット1に取り付けられた錠剤シートの幅を検出し、位置を調整する装置(不図示)により、適切に中央部排出ガイド部2011の位置を通過するよう制御されている。
【0184】
図21は中央部排出ガイド部2011の形状を説明するための錠剤取出ユニット1の簡略断面である。
2012の破線は、PTPシート排出ガイド部2402の下部の形状を表している。上述のように中央部排出ガイド部2011とPTPシート排出ガイド部2402の逆R形状は同様の形状となっている。一方中央部排出ガイド部2011とPTPシート排出ガイド部2402の始点は異なっており、中央部排出ガイド部2011の始点位置はPTPシート排出ガイド部2402の始点位置より上方に位置している(排出ガイド部は、両側の排出ガイド部よりも、上の位置で錠剤シートと初めに接触する)。これは、
図25に示すように、中央部排出ガイド部2011の始点位置をPTPシート排出ガイド部2402と同じ高さに設けてしまうと、PTPシート排出ガイド部2402からPTPシートが外れた際に、PTPシートの先端が中央部排出ガイド部2011の下に入らずに上部ローラに沿って搬送されてしまい、巻き込まれてしまう可能性があるためである。
【0185】
なお、中央部排出ガイド部2011をPTPシート排出ガイド部2402と同じ長さにすることにより、PTPシートを中央部排出ガイド部2011に入り込ませることも考えられるが、それを実現しようとすると、上部ローラと中央部排出ガイド部2011がぶつかってしまうため、同じ長さにすることは出来ない。
【0186】
そのため、中央部排出ガイド部2011の始点位置をPTPシート排出ガイド部2402の始点位置より上方に位置させることで、確実にPTPシートを中央部排出ガイド部2011の下に潜り込ませている。
【0187】
図25は、中央部排出ガイド部2011が分かるようにした錠剤取出ユニット1の簡略断面であり、中央部排出ガイド部2011の始点位置がPTPシート排出ガイド部2402と同じ高さの場合の図である。
【0188】
図22は中央部排出ガイド部2011の斜視図であり、中央部排出ガイド部2011の形状に従って、PTPシートが下方向(重力方向)へと搬送される様子を示した図である。このようにPTPシートが中央部排出ガイド部に引っかからないように設けられた逆R形状部については、
図27を用いて後述する。
【0189】
図24は錠剤供給装置10の内部が分かるようにした簡略断面図である。
【0190】
図24の51(b)は上段の錠剤取出ユニット1から排出されたPTPシートである。
【0191】
図24の51(c)は下段の錠剤取出ユニット1から排出されたPTPシートである。
【0192】
図24のように、例えば中央部排出ガイド部2011が無い場合には、PTPシートが変形したり、何らかのアクシデントによって、排出されるPTPシートがPTPシート排出ガイド部2402から外れて、PTPシートが概水平姿勢を保ったまま搬送されると、
図24の51(c)のようにPTPシートはPTPシートの排出路2601に落下せず、錠剤取出ユニット1奥の壁に突き当たり行き場を無くし、シート詰りを起こしてしまう。
【0193】
その状態において、上段の錠剤取出ユニット1からPTPシートが排出されると、
図24の錠剤シート51(b)のように上段から排出されたPTPシートは下段の錠剤取出ユニット1から排出され、詰まっているPTPシートに進路を塞がれ、錠剤シート排出BOXに排出されず、錠剤供給装置内にとどまることになる。そのため、中央部排出ガイド部2011は、シート詰りを防ぐために、重要なものである。
【0194】
なお、PTPシートの排出ガイドを左右や中央だけでなく、全面に取り付けることも考えられる。しかし、PTPシートの排出ガイドを全面に取り付けた場合、PTPシートのスリット部での断裂等が発生してしまう可能性がある。
【0195】
その理由は、PTPシートのポケット高さに起因している。通常は除包動作を行った場合、PTPシートのポケットは押出し動作をすることで、押しつぶされた状態となる。しかしながら、錠剤を押し出さない場合(必要な分の錠剤を取出し、PTPシートに錠剤が余った等場合)、PTPシートのポケット高さは除包動作する前の状態を維持する。その状態で、PTPシートの排出ガイドを全面に取り付けると、PTPシートの排出ガイドに接触するのは、PTPシートのポケットの最上高部である。ポケットの最上高部にてPTPシートを重力方向に曲げると、PTPシート下部面で曲げるよりも、PTPシートが急激に湾曲する。その為、PTPシートに過度な負荷がかかり、PTPシートのスリット部での断裂等が発生してしまう。よって、PTPシートの排出ガイドを全面に取り付けるよりも、PTPシート排出ガイド部2402や中央部排出ガイド部2011を備えるほうが、より適切にPTPシートを排出できる。
【0196】
次に、
図27を用いて、中央部排出ガイド部2011の形状及び上部ローラとの位置関係について、詳細に説明する。
図27は、中央部排出ガイド部2011を側面から見た形状を説明するための切断面図である。
【0197】
図27に示す通り、中央部排出ガイド部2011の2711の直線部(直線形状の直線部)の長さは、約13mmであり、2711の直線部と、重力方向との間の各は約42°である。排出路に排出される錠剤シートは前方側から後方側に向けて搬送され、直線部2711は、逆R形状部2701の位置よりも搬送方向下流側に設けられている。
【0198】
また、中央部排出ガイド部2011の2712の直線部(直線形状の直線部)の長さは、約14mmである。なお、2712の直線部は、逆R形状部2701よりも搬送方向上流側に設けられている。
【0199】
また、中央部排出ガイド部2011の逆R形状部2701の弧の長さは約21mmであり、逆R形状部2701の弧の中心点の接線と、重力方向との間の角は約60°である。このように、中央部排出ガイド部2011の逆R形状部2701は、錠剤取出し装置(錠剤取出ユニット1)から排出されるPTPシートを下方向(重力方向)に曲げられる角度で設けられている。より具体的には、中央部排出ガイド部2011の逆R形状部は、PTPシートが搬送されるにつれて、錠剤シートの先端と中央部排出ガイド部2011との接する角度が小さくなるように、重力方向に関して下側に凸となるように設けられている。
なお、中央部排出ガイド部2011は、円弧、または楕円の弧となるように設けられていることが好ましく、円の中心点、または楕円の焦点は、逆R形状部2701よりも搬送方向の下流側に位置している。このように設けることにより、PTPシートが搬送されるにつれて、PTPシートの先端と中央部排出ガイド部2011との接する角度が小さくなるようにPTPシートを搬送することができる。
【0200】
中央部排出ガイド部2011の搬送方向の上流側の端は、上部ローラと接触しない程度の隙間が設けられている。なお、隙間の幅については、PTPシートが隙間に入らないようにするために、好ましくはPTPシートの錠剤収容部を含む厚さよりも狭いほうが良い。
【0201】
図28は、中央部排出ガイド部2011と、PTPシート排出ガイド部2402との逆R形状の位置関係がわかるように並べて示した図である。
図28の2801および2802からわかるように、中央部排出ガイド部2011と、PTPシート排出ガイド部2402それぞれの逆R形状の上端および下端の位置は重力方向に関して同じ高さであり、かつ搬送方向に関して同じ位置となるように設けられている。
また、中央部排出ガイド部2011と、PTPシート排出ガイド部2402それぞれの逆R部分の中心角、重力方向と逆R部分までの中心角、重力方向と逆R部分の弧の中心点の接線との間の角は、同じとなるように設けられている。中央部排出ガイド部2011とPTPシート排出ガイド部2402との逆R形状の位置関係をこのように設けることにより、変形しているPTPシートであっても、ガイド部にひっかかることなく排出路へと搬送させることができる。
【0202】
すなわち、本発明によれば、PTPシート排出ガイド部2402に加え、中央部排出ガイド部2011を備える為、両サイドのPTPシート排出ガイド部2402の一方又は両方から排出されるPTPシートが外れても、中央部排出ガイド部2011により排出シートの向きを下向きに矯正させることが出来るので、錠剤取出ユニット内でPTPシートが変形したり、何らかのアクシデントによって、PTPシートがいずれかのPTPシート排出ガイド部2402から外れて、概水平姿勢を保ったまま搬送された後、行き場を無くしシート詰りを起こすことを低減させることが出来る。
【0203】
なお、本実施例では、錠剤供給装置10が、PTPシート排出ガイド部2402に加え、中央部排出ガイド部2011を併せて有する例を説明したが、他の実施例として、PTPシート排出ガイド部2402を錠剤供給装置10が有することなく、中央部排出ガイド部2011のみを錠剤供給装置10が有しても良い。なぜなら、中央部排出ガイド部2011のみであっても、PTPシートの中央部を中央部排出ガイド部2011が押さえることで、排出されたPTPシートの向きを下向きに矯正させることが出来るという効果を獲ることが可能だからである。