特許第5920550号(P5920550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5920550
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】据置型情報コード読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20160428BHJP
【FI】
   G06K7/10 380
【請求項の数】4
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-19897(P2016-19897)
(22)【出願日】2016年2月4日
(62)【分割の表示】特願2015-25612(P2015-25612)の分割
【原出願日】2015年2月12日
【審査請求日】2016年2月4日
(31)【優先権主張番号】特願2014-31702(P2014-31702)
(32)【優先日】2014年2月21日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 賢了
(72)【発明者】
【氏名】牛嶋 隆雄
【審査官】 福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−231437(JP,A)
【文献】 特開2011−60101(JP,A)
【文献】 特開2011−59973(JP,A)
【文献】 特開2011−141862(JP,A)
【文献】 特開2014−219796(JP,A)
【文献】 特開2014−219797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の上下方向の一方側に、光の出入口となる読取口が形成されたケースと、
照明光を照射する照明光源と、
前記ケースの内部において前記照明光源からの前記照明光が照射される位置に配置され、前記照明光源からの前記照明光が前記読取口の開口領域を通って前記ケースの外部に照射されるように導く導光部材と、
撮像部と、
前記撮像部で撮像可能となる視野範囲を定めると共に、前記ケースの外部から前記読取口を通過して入り込んだ光を前記撮像部に導く構成をなし、前記ケースの外部において前記視野範囲内に情報コードが配置されたときに当該情報コードの像を前記撮像部に結像させる結像部と、
前記視野範囲内に配置された前記情報コードが前記撮像部によって撮像された場合に、前記情報コードのコード画像を解読する解読部と、
を備え、
前記導光部材は、前記上下方向と直交する所定の第1方向において互いに対向する一対の第1反射部と、前記上下方向及び前記第1方向と直交する所定の第2方向において互いに対向する一対の第2反射部と、を備え、
前記一対の第1反射部において、一方の第1反射部の反射面は、前記第1方向において他方の第1反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、前記他方の第1反射部の反射面は、前記第1方向において前記一方の第1反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されており、
前記一対の第2反射部において、一方の第2反射部の反射面は、前記第2方向において他方の第2反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、前記他方の第2反射部の反射面は、前記第2方向において前記一方の第2反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されており、
前記照明光源は、前記一方の第1反射部、前記他方の第1反射部、前記一方の第2反射部、前記他方の第2反射部のいずれにも前記照明光を照射することを特徴とする据置型情報コード読取装置。
【請求項2】
前記照明光源は、前記第1方向において前記他方の第1反射部よりも前記一方の第1反射部に近い側に配置される一方側光源と、前記第1方向において前記一方の第1反射部よりも前記他方の第1反射部に近い側に配置される他方側光源と、を備え、
前記一方側光源からの前記照明光が前記他方の第1反射部及び前記一対の第2反射部に照射され、
前記他方側光源からの前記照明光が前記一方の第1反射部及び前記一対の第2反射部に照射されることを特徴とする請求項1に記載の据置型情報コード読取装置。
【請求項3】
前記照明光源は、前記上下方向と直交する平面方向において前記開口領域の外側の位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の据置型情報コード読取装置。
【請求項4】
前記ケースは、箱状であって、前記読取口が形成された上面部と前記上下方向の他方側となる下面部との距離が前記上面部の短辺よりも短くなるように形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の据置型情報コード読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、据置型情報コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、バーコードやQRコード(登録商標)等の情報コードを読み取る情報コード読取装置が広く提供されており、店舗や事業所などでは据置型の読取装置も用いられている。この据置型の情報コード読取装置は、一般的に、ケースに読取口が形成され、ケースの内部には、受光センサなどからなる撮像部と、撮像部で撮像可能となる視野範囲を定めるための結像レンズとが設けられている。この種の据置型の情報コード読取装置では、ケース外に設定された視野範囲内で読取口に向けて情報コードが翳された場合に、この情報コードが撮像部によって撮像され、その撮像されたコード画像が公知の解読方法で解読される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−123891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した据置型情報コード読取装置では、視野範囲を設定する光学系(結像レンズ等)の特性上、視野範囲から撮像部に入り込む光は、視野範囲の中心部よりも周縁部の方が相対的に小さくなることが多く、このような光の偏りが大きくなると、輝度不足によるデコード不良を招きやすくなる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、視野範囲を撮像して得られる撮像画像において、照明光の偏りを抑制することで読み取り性能を高め得る据置型情報コード読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定の上下方向の一方側に、光の出入口となる読取口が形成されたケースと、
照明光を照射する照明光源と、
前記ケースの内部において前記照明光源からの前記照明光が照射される位置に配置され、前記照明光源からの前記照明光が前記読取口の開口領域を通って前記ケースの外部に照射されるように導く導光部材と、
撮像部と、
前記撮像部で撮像可能となる視野範囲を定めると共に、前記ケースの外部から前記読取口を通過して入り込んだ光を前記撮像部に導く構成をなし、前記ケースの外部において前記視野範囲内に情報コードが配置されたときに当該情報コードの像を前記撮像部に結像させる結像部と、
前記視野範囲内に配置された前記情報コードが前記撮像部によって撮像された場合に、前記情報コードのコード画像を解読する解読部と、
を備え、
前記導光部材は、前記上下方向と直交する所定の第1方向において互いに対向する一対の第1反射部と、前記上下方向及び前記第1方向と直交する所定の第2方向において互いに対向する一対の第2反射部と、を備え、
前記一対の第1反射部において、一方の第1反射部の反射面は、前記第1方向において他方の第1反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、前記他方の第1反射部の反射面は、前記第1方向において前記一方の第1反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されており、
前記一対の第2反射部において、一方の第2反射部の反射面は、前記第2方向において他方の第2反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、前記他方の第2反射部の反射面は、前記第2方向において前記一方の第2反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されており、
前記照明光源は、前記一方の第1反射部、前記他方の第1反射部、前記一方の第2反射部、前記他方の第2反射部のいずれにも前記照明光を照射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明は、ケースの内部において照明光源からの照明光が照射される位置に、照明光源からの照明光が読取口の開口領域を通ってケースの外部に照射されるように導く構成で導光部材が配置されている。そして、この導光部材が、上下方向と直交する所定の第1方向において互いに対向する一対の第1反射部と、上下方向及び第1方向と直交する所定の第2方向において互いに対向する一対の第2反射部と、を備えている。そして、一対の第1反射部において、一方の第1反射部の反射面は、第1方向において他方の第1反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第1反射部の反射面は、第1方向において一方の第1反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。更に、一対の第2反射部において、一方の第2反射部の反射面は、第2方向において他方の第2反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第2反射部の反射面は、第2方向において一方の第2反射部に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。そして、照明光源は、一方の第1反射部、他方の第1反射部、一方の第2反射部、他方の第2反射部のいずれにも照明光を照射する構成となっている。
この構成では、第1方向において対をなして配置される両第1反射部、及び第2方向において対をなして配置される両第2反射部のいずれの反射面も、平面方向において視野範囲の中心部の位置から遠い側が上位置となり、平面方向において視野範囲の中心部の位置に近い側が下位置となっている。このため、第1反射部及び第2反射部が全体的に明るく光ることから照明光の偏りが抑制されるので、読み取り性能をより確実に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る据置型情報コード読取装置を概略的に示す斜視図である。
図2図2は、図1の据置型情報コード読取装置を図1とは異なる方向から見た斜視図である。
図3図3は、図1の据置型情報コード読取装置の平面図である。
図4図4は、図3のA−A断面を概略的に示す断面概略図である。
図5図5は、図4のB−B断面を概略的に示す断面概略図である。
図6図6は、図4のC−C断面を概略的に示す断面概略図である。
図7図7は、図4のD−D断面を概略的に示す断面概略図である。
図8図8は、図4のE−E断面を概略的に示す断面概略図である。
図9図9は、図1の据置型情報コード読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図10図10は、図1の据置型情報コード読取装置で構成される高照度領域等を説明する説明図である。
図11図11は、第2実施形態に係る据置型情報コード読取装置を概略的に示す断面概略図である。
図12図12は、第3実施形態に係る据置型情報コード読取装置を概略的に示す断面概略図である。
図13図13は、第4実施形態に係る据置型情報コード読取装置を概略的に示す断面概略図である。
図14図14は、広角レンズの画角と視野範囲との関係を示す説明図である。
図15図15は、第5実施形態に係る据置型情報コード読取装置の平面図である。
図16図16(A)は、受光面の長手方向が上下方向に沿うように撮像部が基板に実装された状態を示す説明図であり、図16(B)は、受光面の長手方向が前後方向に沿うように撮像部が基板に実装された状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(光学的情報読取装置の全体構成)
図1図3等に示す据置型情報コード読取装置1(以下、単に読取装置1ともいう)は、机や棚などの上面を載置面(図4図5の載置面Fを参照)としてこの載置面上に載置される据置型装置として構成されており、バーコード等の一次元コードやQRコード(登録商標)等の二次元コードなど情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能を有している。
【0010】
読取装置1は、例えばABS樹脂等の樹脂材料によって構成されるケース3を備えている。このケース3は、図4図6等に示すように、上ケース4aと下ケース4bと備えており、これら上ケース4aと下ケース4bとが上下に組み付けられた構成で全体として箱状に形成されている。そして、ケース3の内部には、後述する反射部材29、結像部27、撮像部23、導光部材50などの各部品が収容されている。また、図3等に示すように、ケース3の上面部(読取側壁部3a)には光の出入口となる読取口5が形成されており、読取口5を介してケース外からの光がケース内に入り込み、ケース内からの光がケース外に放出されるようになっている。そして、反射部材29、結像部27、撮像部23によって構成される光学系は、この読取口5を介してケース外の情報コードを撮像するように機能している。
【0011】
また、箱状に構成されるケース3には、据置型情報コード読取装置1を載置するときの載置面側(図4の例では載置面F側)に設けられる底壁部3bと、読取口5が形成された読取側壁部3aとが対向して設けられている。そして、底壁部3bが載置面Fに支持されるように配置され、この底壁部3bと対向する読取側壁部3aが、情報コードCを翳す側の露出壁部として構成されている。なお、本構成では、底壁部3bと読取側壁部3aとの対向方向(即ち、ケース3の厚さ方向であり、図2に示す載置面Fと直交する方向)を上下方向とし、読取口5が形成された側(読取側壁部3a側)を上方側、それとは反対側(底壁部3b側)を下方側としている。また、この上下方向と直交する平面方向を水平方向としている。なお、プレート7の厚さ方向(即ち、プレート7の板面と直交する方向)も上下方向となっており、後述する第2視野範囲AR2の光軸L2の方向も上下方向となっている。
【0012】
ケース3の上面側には、上ケース4aの上端部に形成された開口部4cを閉じる構成でプレート7が配置されている。このプレート7は、所定の厚さの平坦な板として構成され、ケース3の外部からの光が透過可能となる光透過性の部材(例えば、透明なアクリル樹脂や透明ガラス等)によって構成されている。このプレート7は、防塵プレートとして機能しており、このようなプレート7が上ケース4aに形成された開口部4cを閉塞することで、ケース3を閉塞し、ケース3の内部(特に、反射部材29、結像部27、撮像部23などが収容された収容空間)にケース外からの異物(塵や埃など)が入り込みにくくなっている。また、プレート7の上面部(ケース外に露出する側の板面部)を部分的に覆う構成で光遮光性の塗料などからなる被覆層8が形成されている。この被覆層8は、プレート7の周縁部に沿って環状に形成されており、この被覆層8の内縁部によって構成される開口部が読取口5となっている。
【0013】
次に、読取装置1の電気的構成について説明する。図9に示すように、読取装置1は、主に、照明光源21、結像部27、撮像部23等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、図示しない電源部、電源スイッチ等の電源系とを備えている。
【0014】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光を照射可能な光源として機能するものであり、例えば、LEDなどによって構成されている。この照明光源21は、ケース3の長手方向一方側に配置される第1光源21a,21bと、ケース3の長手方向他方側に配置される第2光源21c,21dとを備えており、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのそれぞれがLEDなどの投光素子として構成され、上下方向に対して横向きに照明光を照射する機能を有している。
【0015】
また、図1図8で示すように、投光光学系は、照明光源21からの光を導く導光部材50を備えている。この導光部材50は、ケース3の内部において照明光源21からの照明光が照射される位置に配置され、照明光源21からの照明光が読取口5の開口領域γ(図4等参照)を通ってケース3の外部に照射されるように導く構成となっている。なお、導光部材50の詳細は後述する。
【0016】
図9で示すように、受光光学系は、撮像部23、結像部27、反射部材29(図1図2等)などによって構成されている。
【0017】
撮像部23は、例えばCCD素子やCMOS素子等の固体撮像素子(受光素子)が二次元的に配列された受光センサ(エリアセンサ)などによって構成されており、図4図9等に示すように、結像部27に面する側にケース外からの光を受光し得る受光面23aが配置されている。この撮像部23は、反射部材29で反射された光が結像部27を通過して受光面23aに入り込もうとする入射光を受光し得るように基板に実装されている。そして、例えば、図9のように、情報コードCが示された読取対象物Rが視野範囲内に配置されたとき(例えば、読取対象物Rにおける情報コードCを表示する側の面が開口領域γ内においてプレート7に接触又は近接するように配置されたとき)、この情報コードC及び読取対象物Rに照射されて反射した反射光Lr(図9参照)を受光する構成となっている。また、撮像部23は、受光面23aにおいて光を検出しうる領域(固体撮像素子が配置された領域)が「所定の受光領域」として設定されており、図4等では、撮像部23における受光領域の範囲を符号D1にて概念的に示している。即ち、受光面23aにおいて範囲D1に入射する光が撮像部23に検出されるようになっている。なお、図4等に示す例では、撮像部23における受光領域の範囲は、例えば受光面23aにおいて光軸L1を中心とする上下方向所定範囲となっており、且つ光軸L1を中心とする左右方向(幅方向)所定範囲となっている。なお、図4等に示す例では、受光面23aが前後方向とほぼ直交して配置されている。
【0018】
結像部27は、公知の結像レンズによって構成され、結像光学系として機能している。この結像部27は、撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定めると共に、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込んだ光(具体的には、当該入射光が反射部材29で反射した光)を撮像部23の受光領域に導く構成となっている。そして、結像部27は、ケース3の外部において視野範囲内に情報コードCが配置されたときに当該情報コードCの像を撮像部23の受光領域に結像させるように機能する。本構成では、照明光源21から照射され、導光部材50によってケース外に導かれた照明光を情報コードCに当てながら当該情報コードCを撮像し得るようになっており、結像部27は、情報コードCが視野範囲内(撮像エリア内)に配置されたときに、この情報コードCからの反射光Lrを集光し、撮像部23の受光面23aに情報コードCの像を結像させるように構成されている。なお、結像部27としては、例えば、焦点距離が短く画角の広い広角レンズを好適に用いることができる。
【0019】
図9で示すように、マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路34、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40等によって構成されており、例えば上述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号を信号処理するように構成されている。具体的には、視野範囲内に配置された情報コードCが撮像部23によって撮像されたときの撮像画像のデータをメモリ35に記憶可能に構成されており、制御回路40は、このような情報コードCの画像データを解析し、当該情報コードCに記録されたデータを公知の解読方法で解読するように構成されている。なお、制御回路40は、解読部の一例に相当し、視野範囲内に配置された情報コードCが撮像部23によって撮像された場合に、この情報コードCのコード画像を解読するように機能する。
【0020】
なお、図9等では図示を省略しているが、読取装置1には押圧ボタンなどの操作部が設けられていてもよく、この場合、ユーザが操作部を操作したときにその操作に応じた信号が制御回路に入力されることとなる。また、公知の通信インタフェースが設けられていてもよく、この構成では、読取装置1から図示しない外部装置に情報を送信したり、読取装置1が外部装置から情報を受信したりすることが可能となる。また、ランプや表示装置などの表示部が設けられていてもよい。
【0021】
読取対象となる情報コードCとしては、例えばQRコード(登録商標)などが挙げられ、公知のコードであれば、データマトリックスコードやマキシコードなどの他の二次元コードであってもよい。或いは、バーコードなどの公知の一次元コードであってもよい。また、読取対象となる情報コードCの形成方法は特に限定されず、印刷、ダイレクトマーキング、画像表示など様々な方法が想定される。また、読取対象物R(図9)の材質や構造も様々であり、金属材料、樹脂材料、紙など、様々な材料が対象となり、携帯端末(携帯電話機やスマートフォンなどの携帯型情報処理装置)やその他の情報処理装置などであってもよい。
【0022】
(撮像構造)
次に、撮像構造等について詳述する。
本構成では、ケース3の内部に反射部材29、結像部27、撮像部23、照明光源21、導光部材50が収容されている。以下では、これら反射部材29、結像部27、撮像部23、照明光源21、導光部材50等についてより詳細に説明する。
【0023】
なお、本明細書では、上下方向と直交する平面方向(水平方向)において、ケース3の長手方向を幅方向(左右方向)とし、その平面方向(水平方向)においてケース3の短手方向(上下方向及び幅方向と直交する方向)を前後方向とする。
【0024】
図4図6等に示すように、本構成では、ケース3の上面部(上壁部)として、板状且つ略矩形状(略長方形状)のプレート7が配置されており、このプレート7が読取側壁部3aに相当している。図3のように読取装置1を平面視したときのプレート7の長手方向中央部及び短手方向中央部には、略矩形状(略長方形状)の読取口5が形成されている。読取口5は、図3のように平面視したときに、当該読取口5の開口領域γ(図3に示す境界線P3の内側の領域であり、図4も参照)に反射部材29の反射領域(反射面の領域)が全て収まるようなサイズ及び位置で形成されている。即ち、図3に示す幅方向において、読取口5の幅方向一端部5aと幅方向他端部5bとの間に反射部材29の幅方向一端部と他端部が配置され、図3に示す前後方向において、読取口5の前後方向一端部5cと前後方向他端部5dとの間に反射部材29の前後方向一端部と他端部が配置されている。なお、読取口5の幅方向一端部5aと幅方向他端部5bの縁部は、いずれも前後方向に直線状に延びており、読取口5の前後方向一端部5cと前後方向他端部5dはいずれも幅方向(左右方向)に直線状に延びている。
【0025】
図4図6等に示すように、ケース3の底壁部3bは、ケース3の下面部として板状に構成されており、読取装置1が載置面Fに載置されるときに、当該底壁部3bの下面側が載置面Fに支持される構成となっている。この底壁部3bは、厚さ方向を上下方向とする構成で外面(下面)の大部分が略平坦面として構成されている。そして、箱状に構成されるケース3の底として機能している。なお、読取側壁部3a(上面部)と底壁部(下面部)との間には、ケース3内の収容空間(反射部材29、結像部27、撮像部23などが収容される空間)の周囲を取り囲むように側壁部3cが設けられている。この側壁部3cは、幅方向両側に配置される一対の側壁(いずれも前後方向に延びる側壁)と、前後方向両側に配置される一対の側壁(いずれも幅方向に延びる側壁)とを備えており、これら四方の側壁が環状に連結して配置されている。このように環状に配置された側壁部3c(周壁部)の上側を部分的に閉塞する構成(具体的には、側壁部3cの上端部によって構成される開口部4cを閉塞する構成)で読取側壁部3a(上面部)に相当するプレート7が配置され、側壁部3cの下側全体を閉塞する構成で底壁部3b(下面部)が配置されている。
【0026】
プレート7は、上ケース4aの上端部に形成された開口部を閉塞する構成で配置され、ケース3の上面部を構成しており、ケース3内部に収容される反射部材29、結像部27、導光部材50の上側を覆う構成で配置されている。そして、図3のように平面視したときには、プレート7の露出部分(図3で概念的に示す境界線P3の内側の領域である開口領域γ(図4)の部分)を介してケース内の反射部材29、結像部27、導光部材50が視認されるようになっている。プレート7は、例えば透明且つ平坦な板材として構成され、その板面(上面7a及び下面7b)と直交する方向が上下方向となるように略水平に配置されている。なお、プレート7は、透明部材の一例に相当し、被覆層8の内周部として構成される読取口5を閉塞するように機能する。つまり、読取口5は、光の出入りを許容する構成であるが、プレート7の閉塞によって水や埃等の侵入を許容しない構成となっている。
【0027】
反射部材29は、例えばミラーとして構成され、ケース3の内部に収容され、ケース3の外部から読取口5を介して入り込む光を反射させるように機能する。この反射部材29は、反射面29a(鏡面)が斜め上側且つ前後方向一方側(反射面29aに対し結像部27側)を向く構成で配置されており、ケース3の上方側から読取口5を通って入り込んだ光を前後方向一方側に反射するように構成されている。より具体的には、反射面29aが平坦に構成され、この反射面29aが、上下方向及び前後方向と平行な仮想平面と直交するように配置されており、例えば上下方向と反射面29aとのなす角度が45°となっており、上下方向と平行に入り込んだ光を水平に反射するように配置されている。
【0028】
また、反射部材29の反射面29a(上方側からの光を反射可能な鏡面領域であり、上方側に露出する面)の上端部29cは、上下方向においてプレート7寄りの位置に配置され、反射面29aの下端部29bは、上下方向において底壁部3b寄りに配置されている。また、反射部材29の反射面29aは、下端部29bの幅が最も狭く、上端部29cの幅が最も広くなるように、上方となるにつれて幅が広くなる構成となっている。
【0029】
結像部27は、上述したように広角レンズとして機能する結像レンズによって構成され、図4図6図7等に示すようにプレート7から離れた位置に配置されている。この結像部27は、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込み且つ反射部材29で反射した光を集光しつつ撮像部23の受光面23a(受光領域)に導く機能を有し、ケース3の内外において撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定める構成となっている。具体的には、図4に示すように、視野範囲として、当該結像部27と反射部材29との間に構成される第1視野範囲AR1と、当該第1視野範囲AR1に続くように反射部材29から上方側に構成される第2視野範囲AR2とを定めている。つまり、この第1視野範囲AR1及び第2視野範囲AR2を撮像エリアとするように、視野範囲からの光を撮像部23の受光領域に向けて集光し結像させている。なお、第1視野範囲AR1は、結像部27によって集光されて直接撮像部23に撮像される視野範囲であり、第2視野範囲AR2は、反射部材29に映り込んだ画像が撮像部23に撮像される視野範囲である。このように構成される結像部27は、ケース3の外部に設定された第2視野範囲AR2内に情報コードCが配置されたときに当該情報コードCの像を撮像部23の受光領域に結像させるように機能している。
【0030】
図4に示す第1視野範囲AR1は、結像部27と反射部材29との間の空間において撮像部23によって撮像される範囲であり、反射部材29の反射面29aに近づくにつれて徐々に広くなるように設定されている。また、第1視野範囲AR1の中心となる光軸L1は、水平方向(具体的には、前後方向)となっており、反射面29aとのなす角度が45°となっている。そして、図4のように、光軸L1を通り上下方向と平行な平面を切断面として読取装置1を切断した場合、当該切断面上において第1視野範囲AR1が上下に最も広がるようになっている。そして、図4に示す切断面(光軸L1を通り上下方向と平行な切断面)では、第1視野範囲AR1の下限の境界は、反射部材29の反射面29aに近づくにつれて低位置(下位置)となり、第1視野範囲AR1の上限の境界は、反射部材29の反射面29aに近づくにつれて高位置(上位置)となるように構成されている。そして、図4に示す切断面(図3に示すA−A位置の切断面であり、読取装置1を左右方向中心位置において左右方向と直交する方向に切断した切断面)において、第1視野範囲AR1の下限の境界が反射部材29の反射面29aに達した位置(その境界と反射面29aとが交わる位置)が第1視野範囲AR1の下端位置となっている。また、第1視野範囲AR1の上限の境界が反射部材29の反射面29aに達した位置(その境界と反射面29aとが交わる位置)が第1視野範囲AR1の上端位置となっている。
【0031】
図4のように、本構成では、反射部材29の反射領域(反射面29aが露出した領域)が、少なくとも第1視野範囲AR1の下端に位置しており、第1視野範囲AR1の下端から上端まで続いている。つまり、反射部材29は、図4のような切断面において第1視野範囲AR1の上下方向全領域を網羅するように反射面29aが配置されている。例えば、図4に示す切断面において、反射領域(反射面29aの領域)の上端部29cは、第1視野範囲AR1の上端位置と同位置又は当該上端位置よりも上位置であり、反射領域(反射面29aの領域)の下端部29bは、第1視野範囲AR1の下端位置と同位置又は当該下端位置よりも下位置となっている。より具体的には、撮像部23の受光領域の全領域に反射面29aが映り込むように配置されている。つまり、第1視野範囲AR1の反射部材29側の境界は、全て反射面29a上の位置となっており、撮像部23は、反射面29aの周囲に隣接する部分(反射面29a以外の部分)を撮像せず、第2視野範囲AR2の全体を撮像し得るようになっている。
【0032】
第2視野範囲AR2は、上述の第1視野範囲AR1に続くように反射部材29にて折り返された視野範囲であり、この第2視野範囲AR2に存在する物体等が反射部材29に映り、撮像部23によって撮像されるようになっている。逆に、第2視野範囲AR2の外側は、第1視野範囲AR1を除き、撮像部23に撮像されない。
【0033】
本構成では、反射面29aが水平方向に対して例えば45度の角度で傾斜した構成となっている。そして、反射部材29に対し、前後方向一方側に結像部27が配置されており、第1視野範囲AR1の光軸L1が前後に延びる構成となっている。従って、第2視野範囲AR2の中心となる光軸L2は上下方向に延びている。そして、第1視野範囲AR1が反射部材29にて折り返された第2視野範囲AR2は、上方となるにつれて範囲が広くなるように設定されており、図4のような断面(光軸L1、L2を通る断面)では、上方となるにつれて第2視野範囲AR2が前後に広がるようになっている。
【0034】
具体的には、光軸L2を中心として上方となるにつれて前後に範囲が広くなるように第2視野範囲AR2が設定されており、同様に、光軸L2を中心として上方となるにつれて左右に範囲が広くなるように第2視野範囲AR2が設定されている。なお、ケース外において第2視野範囲AR2を水平方向に切断した仮想面上での第2視野範囲AR2の境界形状は、例えば円形であってもよく、長方形、正方形等の矩形形状であってもよい。
【0035】
そして、結像部27は、第2視野範囲AR2から外れた位置に配置されている。具体的には、第2視野範囲AR2の前後方向一方側の境界B1よりも前後方向一方側に外れた位置に結像部27が配置されている。このように結像部27の一部が第2視野範囲AR2に入り込まないように構成されているため、結像部27の一部が反射部材29に映り込んで撮像部23に撮像されてしまうことがなく、このような映り込みに起因する撮像エリアの縮小が抑えられている。また、図4のように、結像部27のレンズ部分は、反射部材29の反射面29aの領域(反射領域)の下端部29bよりも上位置に配置され、上端部29cよりも下位置に配置されている。更に、結像部27の前後方向の一端部(反射部材29側の端部)は、前後方向において、読取口5の前後方向他端部5dと光軸L2との間に配置されている。このように配置することで、結像部27の映り込みを防ぎつつ、読取口5の下方側の領域を生かすことができる。
【0036】
また、図4に示すように、第1視野範囲AR1の中心となる光軸L1及び第2視野範囲AR2の中心となる光軸L1を通る平面を切断面とした断面において、第2視野範囲AR2の両境界B1、B2が読取口5の内周部寄りの位置(例えば、端部5d,5cの位置又は端部5d,5cに近い位置)を通る構成となっている。なお、図4の例では、第2視野範囲AR2の前後方向一方側の境界B1と前後方向他方側の境界B2とがいずれも、読取口5の内周部(端部5d,5c)よりも僅かに内側を通るようになっているが、これら境界B1、B2がいずれも内周部(端部5d,5c)を通る構成となっていてもよい。
【0037】
次に、照明光源21について説明する。図3図4図6図8に示すように、照明光源21は、上下方向と直交する平面方向において開口領域γ(図3に示す境界線P3の内側領域)の外側の位置に配置されている。なお、境界線P3は、平面方向における開口領域γの境界を概念的に示すものであり、実際は、読取口5の内縁が開口領域γの境界となる。照明光源21は、ケース3の長手方向一端寄り(幅方向一端寄り)に配置された第1光源21a,21bと、ケース3の長手方向他端寄り(幅方向他端寄り)に配置された第2光源21c,21dとを有している。これら第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dはいずれも、プレート7の板面に形成された被覆層8の下方に配置されており、図6図8のように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのいずれも、この被覆層8の下位置に配置される基板(基板91,92,93,94)の下面側に実装されている。なお、基板91と基板92は同一基板であってもよく、別々の基板であってもよい。また、基板93と基板94は同一基板であってもよく、別々の基板であってもよい。
【0038】
図4図6図8に示すように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dはいずれも、上下方向において、プレート7よりも下方位置且つ後述する導光部材50の上端位置付近に配置されており、図3のように、平面方向において開口領域γ(境界線P3の内側領域)から外側に離れた位置に配置されている。そして、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのいずれも、上下方向と直交する横方向(水平方向)及び横方向に対して傾斜した斜め横方向に照明光が照射されるように開口領域γに近づく側に照明光を照射する構成となっている。例えば、図6図8のように、左右方向(幅方向)一方側に配置された第1光源21a,21bの照射面(発光面)は、これら第1光源21a,21bの側面に相当すると共に左右方向他方側(第2光源21c,21d側)に向くように配置され、これら第1光源21a,21bからは、左右方向他方側に向けて照明光が照射されるようになっている。また、左右方向(幅方向)他方側に配置された第2光源21c,21dの照射面(発光面)は、これら第2光源21c,21dの側面に相当すると共に左右方向一方側(第1光源21a,21b側)に向くように配置され、これら第2光源21c,21dからは、左右方向一方側に向けて照明光が照射されるようになっている。なお、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dの照射面となる各側面は、例えば、幅方向と直交する面方向となっており、全ての第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dの照射面の上下方向の高さは、ほぼ同じ高さになっている。
【0039】
また、上下方向において照明光源21と読取口5の間の位置には、少なくとも照明光源21からの照明光の照射側において照明光源21の位置から平面方向に沿って読取口5側(第2視野範囲AR2側)に延びる構成の遮光部(遮光部91a,92a,93a,94a)が配置されている。そして、これら遮光部91a,92a,93a,94aにより、照明光源21から斜め上方側に向かおうとする照明光が遮られる構成となっている。
【0040】
例えば、図6のように、平面方向において第1光源21aと読取口5の間の位置には、少なくとも第1光源21aからの照明光の照射側(幅方向における第2光源21c側)に、第1光源21aの位置から平面方向に延びるように遮光部91aが配置されている。この遮光部91aは、第1光源21aが実装される基板91において第1光源21aよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当する。そして、この遮光部91aにより、第1光源21aを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。なお、図6等に示す例では、基板91、92、93、94は、厚さ方向を上下方向とし、板面方向を水平方向(上下方向と直交する面方向)とするように構成され、基板91、92、93、94のそれぞれの下面(裏面)に発光素子として構成される第1光源21a、21b、第2光源21c、21dがそれぞれ実装されている。そして、例えば、基板91では、第1光源21aの実装面(基板91の下面)が、少なくとも平面方向において第1光源21aの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。このように構成されているため、第1光源21aから照射された直後の光が斜め上方側に向かおうとしても遮光部91aで遮られて多くが下方に反射することになり、第1光源21aからの光の多くは、第1光源21aよりも斜め上方側に向かいにくくなる。その結果、第1光源21aからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。同様に、図8のように、平面方向において第1光源21bと読取口5の間の位置には、少なくとも第1光源21bからの照明光の照射側において第1光源21bの位置から平面方向に延びるように(具体的には平面方向において読取口5側に延びるように)遮光部92aが配置されている。この遮光部92aは、第1光源21bが実装される基板92において第1光源21bよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当し、この遮光部92aにより、第1光源21bを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。より具体的には、第1光源21bの実装面(基板92の下面)が、少なくとも平面方向において第1光源21bの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。これにより、第1光源21bからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。なお、図8の説明図では、第1光源21bから照射される光を省略して示している。
【0041】
また、図6のように、平面方向において第2光源21cと読取口5の間の位置には、少なくとも第2光源21cからの照明光の照射側において第2光源21cの位置から平面方向に延びるように(具体的には平面方向において読取口5側に延びるように)遮光部93aが配置されている。この遮光部93aは、第2光源21cが実装される基板93において第2光源21cよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当し、この遮光部93aにより、第2光源21cを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。より具体的には、第2光源21cの実装面(基板93の下面)が、少なくとも平面方向において第2光源21cの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。これにより、第2光源21cからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。なお、図6の説明図では、第2光源21cから照射される光を省略して示している。同様に、図8のように、平面方向において第2光源21dと読取口5の間の位置には、少なくとも第2光源21dからの照明光の照射側において第2光源21dの位置から平面方向に延びるように(具体的には平面方向において読取口5側に延びるように)遮光部94aが配置されている。この遮光部94aは、第2光源21dが実装される基板94において第2光源21dよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当し、この遮光部94aにより、第2光源21dを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。より具体的には、第2光源21dの実装面(基板94の下面)が、少なくとも平面方向において第2光源21dの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。これにより、第2光源21dからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。このように構成されているため、各照明光源21からの光が直接使用者の目に入り込みにくく、且つ各照明光源21からの光を後述する導光部材50に効率的に当てやすくなる。
【0042】
そして、これらの照明光源21による照明光の照射先には、導光部材50が配置されている。図10で例示されるように、導光部材50は、読取口5の開口領域γ(図10に示す境界線P3の内側領域)において、視野範囲の中心部P1を通る照明光の照度よりも、視野範囲内の周縁部寄りに定められた所定の高照度領域βを通る照明光の照度のほうが大きくなるように照明光を導く構成となっている。なお、図4図10の例では、プレート7の上面の位置において読取口5の内縁部によって囲まれる領域(プレート7の上面において読取口5から露出する領域)が開口領域γに相当している。そして、図10の例では、この開口領域γにおいて視野範囲の周縁部に沿った環状領域が高照度領域βとなっており、この高照度領域βをハッチングで概念的に示している。
【0043】
導光部材50は、照明光源21からの照明光を反射する複数の反射部51,52,53,54を備えている。これら反射部51,52,53,54はいずれも、第2視野範囲AR2側の面が、照明光源21からの照明光を反射する反射面として構成されている。そして、各反射部51,52,53,54の各反射面はいずれも、上下方向と直交する平面方向において、読取口5の開口領域γにおける視野範囲の中心部P1の位置(即ち、プレート7と光軸L2が交わる位置)に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。なお、反射部51,52,53,54は、例えば、遮光性の部材によって構成されており、反射部51,52,53,54のいずれも、第2視野範囲AR2側の外面(即ち照明光を反射する反射面)が所定色(例えば、白色等の明色)であり、いずれも第2視野範囲AR2側の外面に入射する光を拡散反射させる構成となっている。
【0044】
図1図3図5図7等に示すように、導光部材50は、上下方向と直交する所定方向(幅方向)において互いに対向する一対の第1反射部53,54を備えている。そして、図5図7のように、これら一対の第1反射部53,54において、一方の第1反射部54の反射面は、所定方向(幅方向)において他方の反射部53に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の反射部53の反射面は、所定方向において一方の反射部54に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。
【0045】
より具体的には、図3図5図7のように、幅方向(上下方向と直交する所定の第1方向)において互いに対向する一対の第1反射部53,54と、図3図4のように、前後方向(上下方向及び第1方向と直交する所定の第2方向)において互いに対向する一対の第2反射部51,52とが設けられている。そして、導光部材50全体が、視野範囲の外側において、第2視野範囲AR2に沿って配置されており、下方位置となるにつれて孔の大きさ(開口領域)が狭くなるすり鉢状の構造となっている。このように、導光部材50は、第2視野範囲AR2の外側において第2視野範囲AR2を囲む構成で環状に配置されており、且つ上端部50aが読取口5の内縁部に近接して配置されている。導光部材50の上端部50aは、第2視野範囲AR2を囲む環状の端部構造となっており、このように環状に構成される上端部50aのいずれも、読取口5の内縁部の直下近傍に位置し、上端部50aのいずれの位置も、開口領域γの中心部よりも周縁部のほうが近くなっている。また、上端部50aのいずれの位置も、開口領域γでの視野範囲αの中心部P1よりも周縁部(境界線P2付近)のほうが近くなっている。
【0046】
図3図5図7のように、一対の第1反射部53,54において、一方の第1反射部54の反射面は、幅方向(第1方向)において他方の第1反射部53に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第1反射部53の反射面は、幅方向(第1方向)において一方の第1反射部54に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。更に、図3図4のように、一対の第2反射部51,52において、一方の第2反射部51の反射面は、前後方向(第2方向)において他方の第2反射部52に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第2反射部52の反射面は、前後方向(第2方向)において一方の第2反射部51に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。そして、照明光源21は、一方の第1反射部54、他方の第1反射部53、一方の第2反射部51、他方の第2反射部52のいずれにも照明光を照射する構成となっている。なお、図3では、一方の第1反射部54の領域を二点鎖線J11で概念的に示し、他方の第1反射部53の領域を二点鎖線J12で概念的に示している。また、一方の第2反射部51の領域を二点鎖線J21で示し、他方の第2反射部52の領域を二点鎖線J22で示している。第1反射部53の反射部は、ケース3の幅方向中心位置よりも幅方向一方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも幅方向一方側に配置されており、幅方向の端部(第1光源21a,21b寄りの端部)位置が、前後方向の長さが最も大きく、幅方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて前後方向の長さが次第に小さくなっている。第1反射部54の反射部は、ケース3の幅方向中心位置よりも幅方向他方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも幅方向他方側に配置されており、幅方向の端部(第2光源21c,21d寄りの端部)位置が、前後方向の長さが最も大きく、幅方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて前後方向の長さが次第に小さくなっている。第2反射部51の反射部は、ケース3の前後中心位置よりも前後方向一方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも前後方向一方側に配置されており、前後方向の端部(光軸L2とは反対側の端部)位置が、左右方向(幅方向)の長さが最も大きく、前後方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて左右方向(幅方向)の長さが次第に小さくなっている。第2反射部52の反射部は、ケース3の前後中心位置よりも前後方向他方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも前後方向他方側に配置されており、前後方向の端部(光軸L2とは反対側の端部)位置が、左右方向(幅方向)の長さが最も大きく、前後方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて左右方向(幅方向)の長さが次第に小さくなっている。
【0047】
具体的には、図6図8図10に示すように、第1光源21a,21bは、幅方向においてこれら第1光源21a,21bとは反対側(ケース3の幅方向中心位置に対して第1光源21a,21bとは反対側)に設けられた一方の第1反射部54に向けて照明光を照射する構成となっており、第2光源21c,21dは、幅方向においてこれら第2光源21c,21dとは反対側(ケース3の幅方向中心位置に対して第2光源21c,21dとは反対側)に設けられた他方の第1反射部53に向けて照明光を照射する構成となっている。また、第1光源21a,21bは、幅方向(第1方向)において一方の第1反射部54よりも他方の第1反射部53に近い側に配置される他方側光源に相当し、第2光源21c,21dは、幅方向(第1方向)において他方の第1反射部53よりも一方の第1反射部54に近い側に配置される一方側光源に相当する。そして、第2光源21c,21d(一方側光源)からの照明光が、他方の第1反射部53及び一対の第2反射部51,52における第1反射部53側(読取口5の幅方向中心位置よりも第1反射部53側)の部分に対し、少なくともケース3の上下方向中心位置よりも上側の領域(望ましくは、各反射部のほぼ全体)に照射されるようになっている。また、第1光源21a,21b(他方側光源)からの照明光が、一方の第1反射部54及び一対の第2反射部51,52における第1反射部54側(読取口5の幅方向中心位置よりも第1反射部54側)の部分に対し、少なくともケース3の上下方向中心位置よりも上側の領域(望ましくは、各反射部のほぼ全体)に照射されるようになっている。なお、図10では、第1光源21aからの照明光の照射エリアを太線の破線で概念的に示しており、第1光源21bからの照明光の照射エリアを太線の実線で概念的に示しており、第2光源21cからの照明光の照射エリアを太線の二点鎖線で概念的に示しており、第2光源21dからの照明光の照射エリアを太線の一点鎖線で概念的に示している。
【0048】
このように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dから照射された照明光は、すり鉢状に構成された導光部材50の壁面(第1反射部53,54及び第2反射部51,52の第2視野範囲AR2側の外面)に照射されるため、図10のように平面視したときに、第1反射部53,54及び第2反射部51,52が全体的に明るく光ることになる。更に、図4図5図7のように、第1反射部53,54及び第2反射部51,52はいずれも、平面方向において視野範囲AR2の中心(光軸L2)側が下位置となる構成であり、光軸L2から遠い側が上位置となる構成となっている。このため、読取口5の開口領域γ(プレート7の上面において読取口5から露出する領域)において、この領域γ内の視野範囲α(図10において境界線P2に囲まれる領域)では、周縁部付近(境界線P2付近)に近い導光部材50の上端部50a付近(第1反射部53,54及び第2反射部51,52の上端部付近)からの反射光がその周縁部付近(境界線P2付近)に届きやすくなる。よって、開口領域γ内の視野範囲α(図10において境界線P2に囲まれる領域)では、当該視野範囲αの周縁部付近(境界線P2付近)の照度が当該視野範囲αの中心部P1付近の照度と比較して相対的に高くなる。一方、開口領域γにおける視野範囲αの中心部P1は、周縁部付近(境界線P2付近)と比較して第1反射部53,54及び第2反射部51,52からの距離が遠いため、第1反射部53,54及び第2反射部51,52で反射した照明光は、開口領域γにおいて視野範囲αの周縁部よりも中心部P1に届きにくくなる。よって、開口領域γ内の視野範囲α(図10において境界線P2に囲まれる領域)では、中心部P1付近の照度が周縁部付近(境界線P2付近)の照度と比較して相対的に低くなる。なお、図10では、開口領域γにおいて視野範囲αの中心部P1付近の照度よりも照度が高くなる高照度領域βをハッチング領域として概念的に示している。開口領域γでは、このように高照度領域βが構成されるため、開口領域γにおいてプレート7の上面に密着するように物体を配置した場合、この物体では、高照度領域βの位置の照度が相対的に大きく、中心部P1付近の照度が相対的に小さくなり、高照度領域βが中心部P1付近よりも相対的に明るくなる。
【0049】
(本構成の主な効果)
本構成では、ケース3の内部において照明光源21からの照明光が照射される位置に、照明光源21からの照明光が読取口5の開口領域γを通ってケース3の外部に照射されるように導く構成で導光部材50が配置されている。そして、この導光部材50は、開口領域γにおいて、視野範囲αの中心部P1を通る照明光の照度よりも、視野範囲α内の周縁部寄りに定められた所定の高照度領域βを通る照明光の照度のほうが大きくなるように照明光を導いている。
この構成によれば、少なくとも読取口5付近の視野範囲内において、周縁部寄りの領域の照度を中心部P1付近の照度よりも相対的に高めることができ、この視野範囲を撮像部23で撮像して得られた撮像画像では、周縁部付近の輝度の低下が抑えられる。従って、周縁部付近の輝度が中心部P1よりも大きく低下することに起因する問題(デコード不良等)を効果的に抑制することができ、読み取り性能をより確実に高めることができる。
【0050】
また、本構成では、導光部材50は、開口領域γにおいて視野範囲αの周縁部に沿った環状領域が高照度領域βとなるように照明光を導いている。この構成によれば、開口領域γにおいて視野範囲αの中心部P1を取り囲むように高照度領域βを構成することができるため、視野範囲を撮像して得られる撮像画像では、周縁部付近を環状に網羅した形で高輝度化が図られることになる。その結果、光学系に起因する画像周縁部の輝度不足や輝度ムラなどが、より抑制されやすくなる。
【0051】
また、本構成では、導光部材50が、照明光源21からの照明光を反射する複数の反射部を備えており、各反射部は、照明光を反射する反射面の少なくとも一部の領域が、上下方向と直交する平面方向において、開口領域γにおける視野範囲αの中心部P1の位置に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。
この構成では、各反射部の反射面は、平面方向において、視野範囲αの中心部P1の位置(即ち、光軸L2の位置)から遠い側が上位置となり、視野範囲αの中心部P1の位置(光軸L2の位置)に近い側が下位置となっている。このため、上側の位置で反射した照明光はそれほど減衰せずに開口領域γにおける視野範囲αの周縁部付近に到達しやすくなり、各反射部での反射位置が視野範囲αの中心部P1側(即ち、光軸L2側)に近づくほど、反射位置から開口領域γまでの距離が遠くなるため、開口領域γに至るまでに光が減衰しやすくなる。このような作用が生じるため、それほど複雑な部材や特殊な素材を用いなくても、開口領域γ付近において視野範囲αの周縁部付近の照度を中心部P1付近の照度よりも高めやすくなる。
【0052】
また、本構成では、導光部材50が、上下方向と直交する所定方向において互いに対向する一対の反射部(第1反射部53,54)を備え、これら一対の反射部において、一方の反射部54の反射面は、所定方向において他方の反射部53に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の反射部53の反射面は、所定方向において一方の反射部54に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。そして、照明光源21は、一方の反射部54に照明光を照射する第1光源21a,21bと、他方の反射部53に照明光を照射する第2光源21c,21dとを有している。
この構成では、対をなして配置される各反射部53,54のいずれの反射面も、平面方向において視野範囲αの中心部P1の位置(即ち、光軸L2の位置)から遠い側が上位置となり、平面方向において視野範囲αの中心部P1の位置(光軸L2の位置)に近い側が下位置となっている。このため、一方の反射部54及び他方の反射部53のいずれにおいても、上側の位置で反射した照明光はそれほど減衰せずに視野範囲αの周縁部付近に到達しやすくなり、各反射部53,54での反射位置が視野範囲αの中心部P1側に近づくほど、反射位置から開口領域γまでの距離が遠くなるため、開口領域γに至るまでに光が減衰しやすくなる。このような作用が生じるため、それほど複雑な部材や特殊な素材を用いなくても、所定方向の両側で視野範囲の周縁部の照度を強調することができ、読取口5付近において、より広い範囲に高照度領域βを構成することができる。
【0053】
また、本構成では、導光部材50が、上下方向と直交する所定の第1方向(幅方向)において互いに対向する一対の第1反射部53,54と、上下方向及び第1方向と直交する所定の第2方向(前後方向)において互いに対向する一対の第2反射部51,52と、を備えている。そして、一対の第1反射部53,54において、一方の第1反射部54の反射面は、第1方向(幅方向)において他方の第1反射部53に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第1反射部53の反射面は、第1方向(幅方向)において一方の第1反射部54に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。更に、一対の第2反射部51,52において、一方の第2反射部51の反射面は、第2方向(前後方向)において他方の第2反射部52に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第2反射部52の反射面は、第2方向(前後方向)において一方の第2反射部51に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。そして、照明光源21は、一方の第1反射部54、他方の第1反射部53、一方の第2反射部51、他方の第2反射部52のいずれにも照明光を照射する構成となっている。
この構成では、第1方向(幅方向)において対をなして配置される両第1反射部53,54、及び第2方向(前後方向)において対をなして配置される両第2反射部51,52のいずれの反射面も、平面方向において視野範囲αの中心部P1の位置(光軸L2の位置)から遠い側が上位置となり、平面方向において視野範囲αの中心部P1の位置に近い側が下位置となっている。このため、四方に配置される一方の第1反射部54、他方の第1反射部53、一方の第2反射部51、他方の第2反射部52のいずれにおいても、上側の位置で反射した照明光はそれほど減衰せずに視野範囲の周縁部付近に到達しやすくなり、反射部での反射位置が視野範囲の中心部P1側に近づくほど、反射位置から開口領域γまでの距離が遠くなるため、開口領域γに至るまでに光が減衰しやすくなる。このような作用が生じるため、それほど複雑な部材や特殊な素材を用いなくても、第1方向の両側及び第2方向の両側で、視野範囲の周縁部の照度を強調することができ、読取口5付近の視野範囲周縁部近傍において、より一層広い範囲に、より万遍なく高照度領域βを構成することができる。
【0054】
また、本構成では、照明光源21が、第1方向(幅方向)において他方の第1反射部53よりも一方の第1反射部54に近い側に配置される一方側光源(第2光源21c,21d)を備える。更に、照明光源21は、第1方向(幅方向)において一方の第1反射部54よりも他方の第1反射部53に近い側に配置される他方側光源(第1光源21a,21b)をも備える。そして、一方側光源からの照明光が他方の第1反射部53及び一対の第2反射部51,52に照射され、他方側光源からの照明光が一方の第1反射部54及び一対の第2反射部51,52に照射される構成となっている。
この構成によれば、一方側光源と他方側光源とによって四方の反射部に光を照射することができ、高照度領域βをより広い範囲に効率的に生じさせることができる。
【0055】
また、本構成では、各照明光源21が、上下方向と直交する平面方向において開口領域γの外側の位置に配置されている。この構成によれば、照明光源21がケース3の外部から直接目視されにくく、且つ照明光源21からの直接光など、照明光に起因する強い光が撮像部23に映り込みにくくなる。
【0056】
また、本構成では、読取口5を閉塞する構成でプレート7(透明部材)が配置されており、照明光源21が、平面方向において開口領域γから離れた位置に配置され、且つ少なくとも上下方向と直交する横方向に照明光が照射されるように開口領域γに近づく側に照明光を照射する構成となっている。そして、上下方向において各照明光源21と読取口5の間の位置には、少なくとも各照明光源21からの照明光の照射側において各照明光源21の位置から読取口5側に延びる構成で遮光部91a,92a,93a,94aが配置されている。そして、これら遮光部91a,92a,93a,94aにより、各照明光源21から斜め上方側に向かおうとする照明光が遮られる構成となっている。
この構成では、照明光源21から斜め上方側に向かおうとする照明光が遮光部91a,92a,93a,94aによって遮られるため、照明光源21からの直接光がプレート7(透明部材)で鏡面反射しにくくなり、鏡面反射光が撮像部23に映り込むことを抑制することができる。また、各照明光源21からの照明光の向きを横方向及び斜め下方向に絞りやすくなるため、上側に漏洩する光を抑えて効率的に導光部材50に照明光を照射することができる。
【0057】
また、本構成では、ケース3の内部に収容され、ケース3の外部から読取口5を介して入り込む光を反射させる反射部材29(ミラー)を備えており、結像部27は、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込み且つ反射部材29で反射した光を撮像部23に導く構成となっている。そして、撮像部23で撮像可能となる視野範囲として、結像部27と反射部材29との間に構成される第1視野範囲AR1と、当該第1視野範囲AR1に続くように反射部材29から上方側に構成される第2視野範囲AR2とを定める構成となっている。
このように、ケース3内に反射部材29を介在させ、結像部27からケース3の外部まで続く視野範囲の経路(即ち、読取口5から入り込んだ光を結像部27に導く経路)をケース3の内部において折れ曲がるように構成することで、ケース3の厚さをそれほど大きくしなくても、光学系から読取口5での距離(読取口5から入り込んだ光が結像部27に入り込むまでの経路の長さ)を大きく確保しやすくなる。これにより、ケース3の厚さを低減して小サイズ化を図ることができる。
【0058】
また、本構成では、導光部材50が、視野範囲の外側において、第2視野範囲AR2に沿って配置されている。この構成によれば、視野範囲外における視野範囲近傍のスペースを有効に利用して導光部材50を配置することができ、大きな配置スペースを割くことなく且つ視野範囲に入り込まない構成で導光部材50を効率的に配置することができる。
【0059】
また、本構成では、導光部材50は、視野範囲の外側において第2視野範囲AR2を囲む構成で環状に配置されており、且つ上端部50aが読取口5の内縁部に近接して配置されている。この構成によれば、環状の導光部材50を視野範囲外に効率的に配置することができ、視野範囲の周縁部を全体的に高照度化し得る構成を簡易に実現できる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光学的情報読取装置について、図11を用いて説明する。
上記第1実施形態では、導光部材として、照明光を反射する反射部51,52,53,54によって構成される導光部材50を例示したが、読取口での視野範囲において、中心部付近の照度よりも周縁部付近の照度を相対的に高めることが可能な構成であれば他の様々な構成を適用できる。例えば、図11の読取装置200では、結像部27によって視野範囲ARが定められており、ケース203の内部には、この視野範囲ARに沿って光透過性の拡散部材250a,250bが設けられている。そして、拡散部材250a,250bの下方には、照明光源として、各拡散部材250a,250bに対して光を照射する照明光源221a,221bが設けられており、照明光源221a,221bからの照明光は、各拡散部材250a,250bを透過し、拡散しつつ読取口205側に照射されるようになっている。なお、この例では、ケース203の上端の開口部によって読取口205が構成されており、この読取口205を閉塞するように、透明なプレート207が設けられている。そして、プレート207の上面領域全体が開口領域となっている。この構成では、各拡散部材250a,250bから上方側に光が放出されるようになっており、各拡散部材250a,250bに近い読取口205の内縁部付近(開口領域の周縁部付近)では照度が大きくなり、各拡散部材250a,250bから遠い読取口205の中心部付近(開口領域の中心部付近)では照度が小さくなる。従って、読取口205の開口領域では、視野範囲の中心部よりも、視野範囲内の周縁部寄り領域(高照度領域)のほうが照度が大きくなる。なお、図11は、読取装置200の中心を上下方向及び上下方向と直交する所定の幅方向に沿って切断した切断面を示しているが、読取装置200の中心を上下方向及び上下方向と直交する所定の前後方向に沿って切断した切断面においても同様の構成となっており、前後方向の切断面でも、各拡散部材250a,250bと同様の各拡散部材が前後に配置されており、照明光源221a,221bと同様の照明光源によってこれら拡散部材に照明光が照射されるようになっている。これにより、読取口の開口領域では、視野範囲の周縁部付近の照度が相対的に大きくなるように環状の高照度領域が構成され、視野範囲の中心部付近の照度が相対的に小さくなる。
【0061】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る光学的情報読取装置について、図12を用いて説明する。
本第3実施形態では、結像部27および反射部材29に代えて結像部61および反射部材62が採用される点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
本実施形態では、結像部61は、広角レンズとして構成される結像部27よりも画角が狭い通常の結像レンズとして構成されている。本実施形態では、結像部61として、上下方向における垂直画角(以下、単に画角ともいう)が、例えば、30度である結像レンズが採用されている。
【0063】
図12に示すように、反射部材62は、反射面として結像部側に凸となる凸面部62aを有する凸面鏡として構成されている。この反射部材62は、凸面部62aにてケース3内に入り込む光を結像部61に向けて反射させるように配置されている。特に、凸面部62aは、その反射領域の上端部62cが、第1視野範囲AR1の上端位置と同位置又は当該上端位置よりも上位置であり、当該反射領域の下端部62bが、第1視野範囲AR1の下端位置と同位置又は当該下端位置よりも下位置となるように形成されている。そして、凸面部62aは、第2視野範囲AR2が開口領域γにおける視野範囲αに関して上記第1実施形態とほぼ同等となるように形成されている。
【0064】
ここで、凸面部62aを有する反射部材62の作用効果について、以下説明する。
撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定める結像部として、広角レンズを採用することで、撮像部23の視野範囲を広くすることができる。これにより、ケース3の厚さを低減しても、必要な視野範囲が確保されるので、読取装置1の小サイズ化を図ることができる。その一方で、結像部として単に広角レンズを採用すると、その光学的特性上、撮像画像における周縁部付近の輝度低下がより顕著となってしまう。
【0065】
そこで、本実施形態では、凸面部62aにてケース3内に入り込む光を結像部61に向けて反射する。これにより、より広範囲の光が結像部61に向けて反射されるので、広角レンズよりも画角が狭い通常の結像レンズを採用する場合でも、撮像画像における周縁部付近の輝度低下を招くことなく視野範囲(第2視野範囲AR2)を広くすることができる。すなわち、反射部材62の反射面として結像部側に凸となる凸面部62aを採用することで、撮像画像において周縁部付近の輝度が中心部付近よりも大きく低下することを抑制しつつ読取装置1の小サイズ化を図ることができる。
【0066】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る光学的情報読取装置について、図13および図14を用いて説明する。なお、図13では、画角50度での第1視野範囲AR1aおよび第2視野範囲AR2aを二点鎖線にて示し、画角60度での第1視野範囲AR1bおよび第2視野範囲AR2bを一点鎖線にて示す。また、図14では、画角50度での第1視野範囲AR1aおよび第2視野範囲AR2aを二点鎖線にて示し、画角40度での第1視野範囲AR1cおよび第2視野範囲AR2cを破線にて示し、画角30度での第1視野範囲AR1dおよび第2視野範囲AR2dを実線にて示す。また、図14では、同じ開口領域γに対して、画角50度での視野範囲をαa、画角40度での視野範囲をαc、画角30度での視野範囲をαcとして図示している。
【0067】
上記第1実施形態の構成では、読取装置1の小サイズ化を図るために結像部27として広角レンズを採用することで撮像画像における周縁部付近の輝度が低下しても、照明光源21からの照明光を反射させる導光部材50によりその周縁部付近の輝度の低下を抑えることができる。
【0068】
その一方で、より画角の広い広角レンズ、例えば、画角60度の広角レンズを結像部27として採用すると、図13に示すように結像部27の一部が第2視野範囲AR2に入り込んでしまい(図13の第2視野範囲AR2b参照)、その結像部27の一部が反射部材29に映り込んで撮像部23に撮像されてしまう。
【0069】
さらに、上述したより画角の広い広角レンズを結像部27として採用することで、反射部材29における反射面29aの上端部29cが高くなってしまい、ケース3の厚さが大きくなってしまう。これに対して反射面29aの上端部29cを低くするために広角レンズを反射部材29に近づけると、上述した結像部27の一部の反射部材29への映り込みがさらに悪化してしまう。
【0070】
そこで、本実施形態では、結像部27の一部が第2視野範囲AR2に入り込まない程度に画角の広い広角レンズとして、例えば画角50度の広角レンズが結像部27として採用されている。これにより、結像部27の一部が反射部材29に映り込んで撮像部23に撮像されてしまうことを防止でき(図13の第2視野範囲AR2a参照)、反射部材29における反射面29aの上端部29cも画角60度の場合ほど高くならないので、読取装置1の小サイズ化が妨げられることもない。
【0071】
その一方で、図14からわかるように、広角レンズの画角が小さくなると、開口領域γでの視野範囲αが小さくなることから、開口領域γにて必要な広さの視野範囲αを確保するためには、広角レンズの画角が小さくなるほどケース3の厚さを大きくする必要があり、小サイズ化の妨げとなる。40度の広角レンズを結像部27として採用する構成では、50度の広角レンズを結像部27として採用する構成と比較して、ある程度ケース3の厚さを大きくするだけで必要な広さの視野範囲αを確保することができる。これに対して、30度の広角レンズを結像部27として採用する構成では、50度の広角レンズを結像部27として採用する構成と比較して、必要な広さの視野範囲αを確保するためにケース3の厚さを十分に大きくする必要がある。
【0072】
このため、結像部27として画角が40度以上60度未満の広角レンズを採用することで、必要な広さの視野範囲αを確保しつつ、読取装置1の小サイズ化を図ることができる。
【0073】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る光学的情報読取装置について、図15および図16を用いて説明する。
本第5実施形態ではケース3に対する撮像部23の相対位置を変更している点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施形態では、撮像部23は、ケース3に対して、撮像方向が前後方向に沿う第1実施形態と異なり、図15に示すように、その撮像方向が幅方向に沿うように配置されている。さらに、撮像部23は、図16(A)に示すように、受光面23aの長手方向が上下方向に沿うように基板20に実装されている。このようにしても、導光部材50が、開口領域γにおいて、視野範囲αの中心部P1を通る照明光の照度よりも、視野範囲α内の周縁部寄りに定められた所定の高照度領域βを通る照明光の照度のほうが大きくなるように照明光を導くように構成されることで、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0075】
なお、撮像部23は、図16(B)に示すように、受光面23aの長手方向が前後方向に沿うように基板20に実装されてもよい。
【0076】
また、撮像部23の撮像方向が前後方向に沿う第1実施形態において、撮像部23は、受光面23aの長手方向が上下方向に沿うように基板に実装されてもよいし、受光面23aの長手方向が前後方向に沿うように基板に実装されてもよい。
【0077】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0078】
第1実施形態では、第1視野範囲AR1の中心となる光軸L1が水平方向となり、第2視野範囲AR2の中心となる光軸L2が上下方向となる例を示したが、このような例に限られない。例えば、光軸L1が水平方向に対して傾いていてもよく、光軸L2が上下方向に対して傾いていてもよい。
【0079】
上記実施形態では、読取口5を挟んでケース3の長手方向両側に照明光源がそれぞれ配置された例を示したが、読取口5を挟んでケース3の短手方向両側に照明光源がそれぞれ配置されていてもよい。また、照明光源は、読取口5よりもケース3の長手方向一方側のみに設けられていてもよく、読取口5よりもケース3の短手方向一方側のみに設けられていてもよい。
【0080】
上記実施形態では、据置構造として、載置面に載置する例を示したが、読取作業を行う者が手に持たずに設置場所に設置して使用可能であればよく、例えば、机などに埋め込んで固定するような据置構成であってもよく、壁などに固定するような据置構造であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…据置型情報コード読取装置
3…ケース
5…読取口
21…照明光源
21a,21b…第1光源(他方側光源)
21c,21d…第2光源(一方側光源)
23…撮像部
27,61…結像部
29,62…反射部材
40…制御回路(解読部)
50…導光部材
50a…導光部材の上端部
51,52…一対の第2反射部(一対の反射部)
51…一方の第2反射部
52…他方の第2反射部
53,54…一対の第1反射部(一対の反射部)
53…他方の第1反射部
54…一方の第1反射部
62a…凸面部
91a,92a,93a,94a…遮光部
AR1,AR1a〜AR1d…第1視野範囲(視野範囲)
AR2,AR2a〜AR2d…第2視野範囲(視野範囲)
β…高照度領域
γ…開口領域
C…情報コード
P1…中心部
P2…周縁部
【要約】
【課題】視野範囲を撮像して得られる撮像画像において、照明光の偏りを抑制することで読み取り性能を高め得る据置型情報コード読取装置を提供する。
【解決手段】据置型情報コード読取装置1は、ケース3の内部において照明光源21からの照明光が照射される位置に、照明光源21からの照明光が読取口5の開口領域γを通ってケース3の外部に照射されるように導く構成で導光部材50が配置されている。そして、この導光部材50は、開口領域γにおいて、視野範囲ARの中心部P1を通る照明光の照度よりも、視野範囲AR内の周縁部寄りに定められた高照度領域を通る照明光の照度のほうが大きくなるように照明光を導いている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16