特許第5920634号(P5920634)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5920634
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】プリント基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20160428BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20160428BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   H05K7/20 C
   H01R12/71
   H05K1/02 Q
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-84893(P2013-84893)
(22)【出願日】2013年4月15日
(65)【公開番号】特開2014-207370(P2014-207370A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】スン ホミン
(72)【発明者】
【氏名】釣谷 英彰
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−195525(JP,A)
【文献】 特開2003−273555(JP,A)
【文献】 特開昭61−046098(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0109617(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01R 12/71
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品が実装されてなるプリント基板において、
複数の接続端子を備えた基板用コネクタが実装されており、
前記発熱部品が、放熱用導体パターンに接続されている一方、
前記基板用コネクタの前記複数の接続端子が、前記放熱用導体パターンに接続されるが相手方コネクタ端子とは接続されない放熱用ダミー端子を含んでいる
ことを特徴とするプリント基板。
【請求項2】
前記基板用コネクタの前記複数の接続端子がアース用端子を含んでおり、該アース用端子が前記放熱用導体パターンに接続されることにより、前記放熱用導体パターンがアース用導体として用いられている請求項1に記載のプリント基板。
【請求項3】
前記放熱用ダミー端子が、銅と同等か銅よりも高い放熱性を有する金属を含んで構成されている請求項1又は2に記載のプリント基板。
【請求項4】
前記発熱部品と前記基板用コネクタが、間に他の実装部品を介在させることなく隣接配置されている請求項1〜3の何れか1項に記載のプリント基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱部品が実装されていると共に、発熱部品の放熱構造を備えたプリント基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車の電気接続箱等で用いられるプリント基板では、例えば、特開2005−260159号公報(特許文献1)に記載の如く、プリント基板に発熱部品が実装される際に、放熱用導体パターンをプリント基板の広い面積に配設することが行われている。また、アース用導体は、抵抗の低減や放熱性の改善が求められることから、アース用導体は、放熱用導体パターンを兼ねて、プリント基板の表面の広範囲に覆うように設けられる場合が多い。
【0003】
ところが、このように放熱用導体パターンやアース用導体をプリント基板上の広い範囲に設定すると、プリント基板の利用可能範囲が狭まり、設計自由度が低減される。特に、近年の小型化、省スペース化の要求に対して、放熱用導体パターン等を配設できるスペースも限られてきており、放熱用導体パターンの設定が困難になりつつあるという問題があった。
【0004】
この点を改善するため、例えば、グランドパターンの銅箔の厚さを厚くすることが考えられるが、コストの増加や微細加工の困難性などの点から、好ましい解決策ではなかった。また、例えば、特開2006−156503号公報(特許文献2)に記載の回路基板のように、発熱体とされる電子部品に、放熱フィン状の放熱のための部品を新たに取り付けることも考えられるが、これもコスト面や作業性の観点から、好ましい解決策とは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−260159号公報
【特許文献2】特開2006−156503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、放熱用導体パターンを大きくすることなく放熱効果の向上を図ることができる、新規な構造のプリント基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
【0008】
本発明の第一の態様は、発熱部品が実装されてなるプリント基板において、複数の接続端子を備えた基板用コネクタが実装されており、前記発熱部品が、放熱用導体パターンに接続されている一方、前記基板用コネクタの前記複数の接続端子が、前記放熱用導体パターンに接続されるが相手方コネクタ端子とは接続されない放熱用ダミー端子を含んでいることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、基板用コネクタにおいて相手方コネクタ端子とは接続されない接続端子を用い、接続端子を発熱部品に接続された放熱用導体パターンに接続することで、接続端子を放熱用ダミー端子として利用可能とする、従来にない全く新規な放熱構造を提供することができる。そして、放熱用ダミー端子が放熱用導体パターンに接続されることで、放熱用ダミー端子(接続端子)の放熱性を利用して放熱効果を向上させることができることから、その分放熱用導体パターンの配設面積を小さくでき、プリント基板のスペース効率等の向上も同時に達成することができるのである。
【0010】
特に、プリント基板に実装される基板用コネクタの接続端子を放熱用ダミー端子として利用するだけで、本態様の放熱構造を実現できることから、既存の設備で対応でき、コストアップや作業性の悪化等の問題も発生しない。なお、放熱用ダミー端子は、基板用コネクタに専用に設けてもよいが、基板用コネクタには、未使用状態となる所謂空き端子が発生する場合が多い。従って、未使用の基板端子を放熱用ダミー端子として用いることで、更なるコストの低減やスペース効率の向上等を図ることもできる。
【0011】
また、放熱用ダミー端子の数は、空きスペース、未使用端子の数、要求される放熱特性等に応じて任意に設定可能であり、1本であっても複数本であってもよい。
【0012】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記基板用コネクタの前記複数の接続端子がアース用端子を含んでおり、該アース用端子が前記放熱用導体パターンに接続されることにより、前記放熱用導体パターンがアース用導体として用いられているものである。
【0013】
本態様によれば、比較的幅広に設定される放熱用導体パターンを用いて幅広のアース用導体を構成することができることから、アース用導体のインピーダンスの低減を有利に図ることができ、ノイズ対策の安定性等を有利に確保することができる。
【0014】
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記放熱用ダミー端子が、銅と同等か銅よりも高い放熱性を有する金属を含んで構成されているものである。
【0015】
本態様によれば、放熱用ダミー端子を、銅と同等か銅よりも高い放熱性を有する金属を含んで構成したことから、それら金属の放熱効果を利用した高い放熱効果を得ることができ、一層放熱用導体パターンの縮小を図ることができる。しかも、放熱用ダミー端子は、相手方コネクタ端子とは接続されないものであることから、強度はあまり必要とされない。それ故、放熱性を重視して、銅よりも柔らかいが放熱性が高い、銀を使用することもできるのである。
【0016】
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記発熱部品と前記基板用コネクタが、間に他の実装部品を介在させることなく隣接配置されているものである。
【0017】
本態様によれば、発熱部品と基板用コネクタの位置を近接させることにより、放熱用導体パターンを介して接続される発熱部品と放熱用ダミー端子の距離を短くでき、放熱用ダミー端子の高い放熱効果を一層有利に利用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明においては、基板用コネクタにおいて相手方コネクタ端子とは接続されない接続端子を用い、接続端子を発熱部品に接続された放熱用導体パターンに接続することで、接続端子を放熱用ダミー端子として利用可能とする、従来にない全く新規な放熱構造を提供することができる。それ故、放熱効果を向上でき、その分放熱用導体パターンの配設面積を小さくできることから、プリント基板のスペース効率等の向上も同時に達成できる。しかも、基板用コネクタの接続端子を放熱用ダミー端子として利用するだけで実現できることから、既存の設備で対応でき、コストアップや作業性の悪化等の問題も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態としてのプリント基板の平面図。
図2図1に示すプリント基板の下面図。
図3図1のIII−III断面拡大図。
図4図1のIV−IV断面拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
先ず、図1〜4に、本発明の一実施形態としてのプリント基板10を示す。プリント基板10は、ガラスエポキシ樹脂などの公知の絶縁材料で形成された略矩形平板状の絶縁基板12と、その表面14及び裏面16にそれぞれ設けられた導体パターンであるベタパターン18,20及び配線パターン22と、表面14及び裏面16に設けられた導体パターンを相互に接続するビアホール24及びスルーホール26と、を含んで構成されている。また、導体パターン上には、電子部品である集積回路28,チップ容量30,チップ抵抗32,電解コンデンサ34と、基板用コネクタ36と、が実装されている。なお、理解を容易とするために、図1及び図2では電子部品及び基板用コネクタ36は仮想線で描かれている一方、図1〜4では半田の図示を省略している。また、以下の説明において、上方とは、図1中の上方、下方とは、図1中の下方、また左方とは、図1中の左方、右方とは、図1中の右方を言うものとする。
【0022】
図1に示されているように、放熱用導体パターンたるベタパターン18,20は、プリント基板10のそれぞれ表面14と裏面16を、配線パターン22よりかなり大きい面積で覆うように形成された導体パターンのことであり、通常電源やアース或いは大電流回路用配線等に接続されて、抵抗の低減や放熱性の改善のために用いられている。また、ベタパターン18,20には、公称厚さ35μm又は70μmの銅箔が通常よく用いられるが、より厚い公称厚さ210μmの銅箔などが用いられる場合もある。この銅箔厚さは、所望の電流値等、ベタパターン18,20を除く導体パターンである配線パターン22の規格に応じて任意に設定されるものである。さらに、ベタパターン18,20同士は、プリント基板10に貫設された多数のビアホール24により、接続されている。ビアホール24は、その穴の中に半田等の導体が埋め込まれた構造とされており、ベタパターン18,20同士が低抵抗で接続されるようになっている。このように、本実施形態では、プリント基板10の表面14及び裏面16に、略同一形状とされるベタパターン18,20を設けると共に、相互に接続することにより、表面14あるいは裏面16のどちらか一方の面のみに設けた場合に比べて、抵抗の低減や放熱性の改善に対しておよそ2倍の効果が見込まれるようになっている。
【0023】
プリント基板10の表面14上に設けられたベタパターン18の一方の側38には、発熱部品たる集積回路28が実装されている。より詳細には、集積回路28は、集積回路本体40と複数の表面実装用端子42を備えて構成されており、集積回路本体40の裏面には、図3に示されているように、略全面に亘ってアース電極44が設けられている。そして、アース電極44がベタパターン18の一方の側38に半田付けにより接続されるのである。これにより、集積回路28で発生した熱を、裏面に設けられた広い面積のアース電極44を通して効率的にベタパターン18上に逃がすことができるようになっている。なお、集積回路本体40が半田付けされるベタパターン18の周辺部には、複数のサーマルギャップ部46が形成されている。このサーマルギャップ部46は、半田付けの際に熱が集積回路本体40の周辺のベタパターン18にまで広がって逃げることにより半田付けが困難になるという問題を防止するために設けられたものである。加えて、図3に示されているように、集積回路28に設けられた複数の表面実装用端子42は、集積回路本体40の右側面から垂直に外方に向かってクランク状に突設されており、その先端部が配線パターン22に設けられたパッド部48上に載置された構造となっている。図1に示されているように、パッド部48は、配線パターン22よりも幅広とされており、表面実装用端子42を載置するのに十分な面積を以て、構成されている。表面実装用端子42は、パッド部48に半田付されることにより、配線パターン22に接続されるようになっている。
【0024】
一方、図1に示されているように、プリント基板10の表面14上に設けられたベタパターン18の他方の側50には、複数の接続端子52を備えた基板用コネクタ36が実装されている。より詳細には、基板用コネクタ36は、8つの接続端子52を有しており、そのうち3つの接続端子52が、ベタパターン18上に設けられたスルーホール26に挿入されている一方、残りの5つの接続端子52が、ベタパターン18の領域外に設けられたスルーホール26に挿入されている。そして、接続端子52がスルーホール26に半田付けされることにより、3つの接続端子52がベタパターン18に、また残りの5つの接続端子52のうち2つの接続端子52がスルーホール26に繋がれた配線パターン22に、接続されるようになっている。なお、図1及び図2に示されるように、ベタパターン18,20と半田付けされるスルーホール26の周辺部にも、複数のサーマルギャップ部53が形成されている。このサーマルギャップ部53も、半田付けの際に熱がスルーホール26の周辺のベタパターン18,20にまで広がって逃げることにより半田付けが困難になるという問題を防止するために設けられたものである。
【0025】
図1及び図4に示されているように、基板用コネクタ36の右側に設けられた4つの接続端子52a,52b,52c,52dのうち、図1中、上側の3つの接続端子52a,52b,52cがベタパターン18に接続されている一方、一番下の接続端子52dが配線パターン22に接続されている。図1に示されているように、基板用コネクタ36は、上下方向に延びる略直方体形状とされており、8つの接続端子52に対応した8つの接続端子収容部54が略同一形状で設けられている。図3に示されているように、接続端子収容部54は、一方の側に開口する略有底筒体形状とされている。基板用コネクタ36の底部56の左右の端部には、下方に向かって突出する脚部58を有し、プリント基板10への実装状態において、脚部58がプリント基板10の表面14に当接することにより安定して固定されるようになっている。接続端子52は、両端が先細形状とされる棒状とされており、一方の側60が接続端子収容部54の開口部側から突出しないように収容されている一方、他方の側62が基板用コネクタ36の底部56を挿通してプリント基板10のスルーホール26に挿入されるようになっている。なお、基板用コネクタ36は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等の合成樹脂により、接続端子52をモールドして、射出成形等によって一体形成されている。また、接続端子52は、例えば銅や銅合金から構成されている。
【0026】
図4に示されているように、ベタパターン18に接続されている接続端子52a,52b,52cのうち、1つの接続端子52aには一方の側60から相手方コネクタ端子64が接続されている一方、残り2つの接続端子52b,52cは相手方コネクタ端子64が接続されていない放熱用ダミー端子となっている。相手方コネクタ端子64は、アース用電線66を一方の側に加締め固定した金属筒体とされており、開口部68を接続端子収容部54に収容された接続端子52aに嵌め入れることにより固定・接続されるようになっている。なお、本実施形態では、基板用コネクタ36の接続端子52aがアース用端子とされており、アース用端子が放熱用導体パターンたるベタパターン18に接続されることにより、ベタパターン18がアース用導体として用いられるようになっている。また、接続端子52dには一方の側60から、電源用電線70に接続された相手方コネクタ端子72が接続されている。
【0027】
図1に示されているように、集積回路28と基板用コネクタ36は隣接配置されている一方、その間には他の実装部品は介在されない構成とされている。また、図1及び図2に示されているように、集積回路28以外の電子部品である,チップ容量30やチップ抵抗32や電解コンデンサ34は、いずれも配線パターン22に設けられたパッド部48上に両端部を載置された構造となっており、パッド部48に半田付されることにより、配線パターン22に接続されるようになっている。なお、チップ抵抗32は、プリント基板10の裏面16に設けられた配線パターン22に接続されるようになっており、例えば同じチップ抵抗32を配設し、チップ抵抗32の数を選択することにより、所望の回路性能がでるように調整することなどが可能とされている。
【0028】
最後に、このような構成とされたプリント基板10における半田付けの方法の一例について簡単に説明する。まず、半田付けするプリント基板10の表面14の導体パターン上に半田を印刷し、その半田上に集積回路28やチップ容量30や電解コンデンサ34を載置する。そして、リフロー方式により、半田を融かして半田付けを行う。次に、裏面16に実装されるチップ抵抗32を接着剤により所定の位置に固定する。さらに、基板用コネクタ36をスルーホール26に挿入して固定する。この状態で、プリント基板10の表面14を部品実装面、裏面16を半田付け面とし、フロー方式によりスルーホール26へ半田を充填して接続端子52とベタパターン18,20を半田付けすると共に、チップ抵抗32と配線パターン22のパッド部48を半田付けする。以上の作業により、半田付けが完了する。
【0029】
このような構造とされたプリント基板10によれば、相手方コネクタ端子64と接続されていない接続端子52b,52cを、発熱部品たる集積回路28に接続された放熱用導体パターンたるベタパターン18,20に接続することにより、接続端子52b,52cを放熱用ダミー端子として利用可能とするという、従来にない全く新規な放熱構造を提供することができるのである。しかも、接続端子52b,52cがベタパターン18,20に接続されていることから、接続端子52b,52cの放熱性を利用して放熱効果を向上させることができる。それ故、その分ベタパターン18,20の配設面積を小さくでき、プリント基板10のスペース効率等の向上も同時に達成することができる。
【0030】
特に、プリント基板10に実装されている基板用コネクタ36の接続端子52を放熱用ダミー端子として利用するだけで、本実施形態の放熱構造を実現できる。それ故、既存の設備で対応でき、コストアップや作業性の悪化等の問題も発生しない。特に、本実施形態では、放熱用ダミー端子として、未使用の接続端子52b,52cを利用していることから、何らの追加部品を必要とすることなく、放熱用ダミー端子を設けることができ、コストの低減やスペース効率の向上等を図ることができる。なお、未使用の接続端子52が無い場合は、別途、放熱用ダミー端子を専用に設けてもよい。
【0031】
また、比較的大きな面積で構成される放熱用導体パターンを用いてアース用導体を構成することができることから、アース用導体のインピーダンスの低減を有利に図ることができ、ノイズ対策の安定性等を有利に確保することができる。さらに、発熱部品たる集積回路28と基板用コネクタ36が近接配置されていることから、放熱用導体パターンたるベタパターン18,20を介して接続される集積回路28と接続端子52の距離を短くできるので、接続端子52の高い放熱効果を一層有利に利用することができる。
【0032】
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0033】
例えば、本実施形態においては、放熱用ダミー端子の数は2つとされていたが、空きスペース、未使用端子の数、要求される放熱特性等に応じて任意に設定可能であり、1つであっても3つ以上であってもよい。
【0034】
また、本実施形態では、放熱用導体パターンを構成するベタパターン18,20は、プリント基板10の表面14と裏面16の両方に設けられていたが、小型化あるいはコスト低減等の要求に応じて任意に設定可能であり、表面14あるいは裏面16の一方だけに設けられていてもよいし、3層以上の多層配線プリント基板の3つ以上の層に設けられていてもよい。
【0035】
さらに、本実施形態においては、放熱用ダミー端子を構成する接続端子52は、銅等で構成されていたが、銅と同程度に放熱性が高い金や、銅よりも放熱性が高い金属を含んで構成されていてもよい。これにより、より一層高い放熱効果を得ることができることから、放熱用導体パターンを構成するベタパターン18,20のより一層の縮小を図ることができる。しかも、放熱用ダミー端子は、相手方コネクタ端子64に接続されないことから、強度はあまり必要とされない。それ故、銅よりも柔らかいが放熱性が高い、銀が使用可能となるのである。
【0036】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
10:プリント基板、18,20:ベタパターン(放熱用導体パターン)(アース用導体)、28:集積回路(発熱部品)、36:基板用コネクタ、52:接続端子、52a:接続端子(アース用端子)、52b,52c:接続端子(放熱用ダミー端子)、64:相手方コネクタ端子
図1
図2
図3
図4