【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る蓄電素子は、
発電要素と、
該発電要素を収容するケースと、
該ケースの外面に配置される
端子回り止め部材であって、該ケースの外面に対向する接合面を有する
端子回り止め部材と、
該
端子回り止め部材に支持され、前記発電要素と電気的に接続される外部端子とを備え、
前記ケースは、該ケースの外面の所定領域に、前記端子回り止め部材の前記接合面の少なくとも一部を受け入れ可能な非円形状の凹部を有し、
前記端子回り止め部材の前記ケースの凹部に嵌入される部位は、該凹部と対応する形状を有し、
前記
端子回り止め部材は、無機繊維を含む合成樹脂部材であり、少なくとも前記接合面に前記無機繊維が露出した状態で、前記ケースの外面に接着される。
【0015】
そのうち、第一態様に係る蓄電素子として、
ケースの外面に配置される封止部材であって、該ケースの外面に対向する接合面を有する封止部材と、
該封止部材に支持される補助端子であって、ケースの内外を貫通し、発電要素と電気的に接続されると共に、外部端子と電気的に接続される補助端子とをさらに備える。
【0018】
かかる構成によれば、
端子回り止め材は、外部端子の回り止めを行うため、外部端子から回転トルクを受けることになる。しかしながら、
端子回り止め部材は、少なくともケースとの接合面に無機繊維が露出した状態で、ケースの外面に接着される。これにより、
端子回り止め部材は、ケースとの接着強度が向上し、蓋板の外面に強固に固定され、外部端子からの回転トルクに打ち勝つことができる。その結果、
端子回り止め部材が外部端子と供回りするのを防止することができる
。
かかる構成によれば、端子回り止め部材は、外部端子の回り止めを行うため、外部端子から回転トルクを受けることになる。しかしながら、端子回り止め部材の接合面の少なくとも一部とケースの凹部とが凹凸嵌合することにより、端子回り止め部材は、外部端子からの回転トルクによって外部端子と供回りすることなく、確実に回り止めされる。そして、かかる効果は、端子回り止め部材が、少なくともケースとの接合面に無機繊維が露出した状態で、ケースの外面に接着することと併せると、さらに顕著となる。また、ケースの外面に凹部が形成されることにより、ケースの機械的強度を高めることができる。
【0019】
尚、樹脂部材とは別に封止部材が設けられる場合(第一態様に係る蓄電素子の場合)、
端子回り止め部材は、封止部材よりも硬度が高い材料を用いて形成される、のが好ましい。
【0020】
封止部材と
端子回り止め部材とが分離されていれば、外部端子に加わる回転トルクが補助端子や封止部材に伝達されることはない。従って、補助端子と集電体との接続強度の低下や封止部材の封止効果の低下といった事態は生じない。そして、封止部材と
端子回り止め部材とが分離されていれば、封止部材には、封止部材として適切な硬度の材質を選択し、
端子回り止め部材には、外部端子からの回転トルクに耐えるのに適切な硬度の材質を選択することが可能となる。通常、封止部材が弾性変形して導電性部材(ケース、補助端子)の表面と密着することにより、封止効果が高まる。そのため、封止部材には、ある程度の柔軟性が要求される。一方、
端子回り止め部材の柔軟性が強いと、外部端子からの回転トルクによって、外部端子との嵌合部が摩耗、欠損しやすくなり、それが進行すれば、外部端子の回り止め機能が機能しなくなる。そのため、
端子回り止め部材には、外部端子からの回転トルクに耐えるだけの剛性が要求される。そこで、
端子回り止め部材には、封止部材より硬度が高い合成樹脂材料やセラミック材料などの材料が用いられる。これにより、封止部材には、高い封止効果を、
端子回り止め部材には、摩耗、欠損しにくい剛性を、それぞれ独立的に付与することができる。
【0022】
また、本発明に係る蓄電素子の他態様として、ケースは、該ケースの外面の所定領域に、封止部材の接合面の少なくとも一部を受け入れ可能な非円形状の凹部を有する、ようにすることができる。
【0023】
かかる構成によれば、
封止部材は、外部端子の回り止めを行うため、外部端子から回転トルクを受けることになる。しかしながら、
封止部材の接合面の少なくとも一部とケースの凹部とが凹凸嵌合することにより、
封止部材は、外部端子からの回転トルクによって外部端子と供回りすることなく、確実に回り止めされる。そして、かかる効果は、
封止部材が、少なくともケースとの接合面に無機繊維が露出した状態で、ケースの外面に接着することと併せると、さらに顕著となる。また、ケースの外面に凹部が形成されることにより、ケースの機械的強度を高めることができる。
【0024】
尚、封止部材と絶
縁部材とが分離されている場合(第一態様に係る蓄電素子の場合)、上述のとおり、外部端子に加わる回転トルクが補助端子や封止部材に伝達されることはない。そのため、封止部材に対する回り止め対策として、ケースの外面に凹部を形成する積極的な理由はない。しかしながら、ケースの外面に凹部が形成されることにより、ケースの当該所定領域における断面モーメントが上がる。そのため、ケースの機械的強度を高めることができる。
【0025】
この場合、
端子回り止め部材と封止部材とは、近接配置され、封止部材用の凹部の面積は、
端子回り止め部材用の凹部の面積よりも大きい、ようにすることができる。
【0026】
例えば、封止部材用の凹部が、封止部材の対向面全面を受け入れ可能な大きさに形成され、また、
端子回り止め部材用の凹部が、
端子回り止め部材の対向面全面を受け入れ可能な大きさに形成されると、両凹部が接近し、相互に影響を与えるおそれがある。しかしながら、一方が小さく形成されることにより、両凹部を離間させることができる。しかも、
端子回り止め部材用の凹部ではなく、封止部材用の凹部が大きく形成されることにより、封止部材用の凹部の平坦性及び機械的強度が向上する。そのため、封止部材の封止効果及び耐久性を向上させることが可能となる。
【0027】
また、本発明に係る蓄電素子の別の態様として、
端子回り止め部材は、周回状の外壁部と、該外壁部内の凹部とを備え、
外部端子は、
端子回り止め部材の凹部内に挿入される大きさに形成された頭部と、該頭部の一面から突出する軸部とを備え、
端子回り止め部材の外壁部は、
端子回り止め部材の凹部が外部端子の頭部を全体的ないし略全体的に収容する高さに形成される、
ようにすることができる。
【0028】
かかる構成によれば、蓄電素子が、結露などで発生する水滴や導電性雰囲気(静電気やダスト)に晒された場合であっても、
端子回り止め部材の外壁部がカバー(あるいは遮断壁)となる。これにより、ケースと外部端子との間の短絡を好適に防止することができるようになる。
【0029】
また、本発明に係る蓄電素子のさらなる別の態様として、外部端子は、頭部と、該頭部の一面から突出する軸部とを備え、該軸部は、雄ネジ部を有する、ようにすることができる。
【0030】
かかる構成によれば、例えば、外部機器のリード線の圧着端子が外部端子の軸部に嵌められ、該軸部にナットが締め付けられて、外部機器と外部端子とが電気的に接続される。従って、外部端子は、ナットが締め付けられる際、回転トルクを受けることになる。また、これに伴い、
端子回り止め部材は、外部端子から回転トルクを受けることになる。しかしながら、上述のとおり、
端子回り止め部材は、蓋板の外面に強固に固定されているため、外部端子と供回りすることはない。
【0031】
また、本発明に係る蓄電素子の別の態様として、
端子回り止め部材は、接着剤によってケースの外面に接着される、ようにすることができる。
また、端子回り止め部材は、エポキシ樹脂系の接着剤によってケースの外面に接着されてもよい。
また、端子回り止め部材は、導電性の物質を含んでもよい。