特許第5920718号(P5920718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5920718
(24)【登録日】2016年4月22日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】充水機能付きバタフライ弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/22 20060101AFI20160428BHJP
   F16K 47/02 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
   F16K1/22 Q
   F16K47/02 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-143949(P2012-143949)
(22)【出願日】2012年6月27日
(65)【公開番号】特開2014-5924(P2014-5924A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2014年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】真本 英光
(72)【発明者】
【氏名】丸田 康平
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−168380(JP,U)
【文献】 特開2003−254450(JP,A)
【文献】 特開2003−120829(JP,A)
【文献】 特開2003−329169(JP,A)
【文献】 特開2007−165628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/22
F16K 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁箱(1)と、その弁箱(1)を径方向に貫通する弁軸(2)と、その弁軸(2)を中心径方向に取付けた弁体(3)とからなり、前記弁体(3)の周縁径方向内側に、弁体の閉弁方向に延びる内外面に通じる通水孔(11)を有するテール部(10)設けられ、開弁初期は、前記テール部(10)が前記弁箱弁座(5)に対向して前記通水孔(11)から通水するバタフライ弁(V)において、
上記テール部(10)弁体(3)とが別部材となっており、前記弁体(3)の周縁径方向内側閉弁方向側に固定部材(13)設けられ、その固定部材(13)の外側に前記テール部(10)当てがわれ、前記固定部材(13)を貫通したビス(15)がそのテール部(10)にねじ込まれ、そのねじ込み量によって固定部材(13)に対するテール部(10)の離反度調節された前記固定部材(13)にその先端がテール部(10)の内面に当接する押しビス(7)ねじ込まれて、テール部(10)の調整位置固定されて、前記テール部(10)弁体(3)に対しその径方向任意の位置に調整・固定可能となっていることを特徴とするバタフライ弁。
【請求項2】
弁箱(1)と、その弁箱(1)を径方向に貫通する弁軸(2)と、その弁軸(2)を中心径方向に取付けた弁体(3)とからなり、前記弁体(3)の周縁径方向内側に、弁体の閉弁方向に延びる内外面に通じる通水孔(11)を有するテール部(10)設けられ、開弁初期は、前記テール部(10)が前記弁箱弁座(5)に対向して前記通水孔(11)から通水するバタフライ弁(V)において、
上記テール部(10)弁体(3)とが別部材となっており、前記弁体(3)の周縁径方向内側閉弁方向側に固定部材(13)設けられ、その固定部材(13)の外周面に上記テール部(10)シート材(14)を介在してビス(12)止めされており、その厚み調整されたシート材(14)よって前記テール部(10)弁体(3)に対しその径方向任意の位置に調整・固定可能となっていることを特徴とするバタフライ弁。
【請求項3】
弁箱(1)と、その弁箱(1)を径方向に貫通する弁軸(2)と、その弁軸(2)を中心径方向に取付けた弁体(3)とからなり、前記弁体(3)の周縁径方向内側に、弁体の閉弁方向に延びる内外面に通じる通水孔(11)を有するテール部(10)設けられ、開弁初期は、前記テール部(10)が前記弁箱弁座(5)に対向して前記通水孔(11)から通水するバタフライ弁(V)において、
上記テール部(10)弁体(3)とが別部材となっており、前記弁体(3)の周縁径方向内側閉弁方向側に固定部材(13)設けられ、その固定部材(13)の外側に上記テール部(10)位置し、前記固定部材(13)を貫通したビス(15)そのテール部(10)にねじ込まれ、そのねじ込み量によって固定部材(13)に対するテール部(10)の離反度が調節された前記固定部材(13)とテール部(10)の間の前記ビス(15)にねじ込んだ対のナットの一方(16a)ねじ込まれて固定部材(13)の外面に圧接しているとともに、他方(16b)ねじ込まれてテール部(10)の内面に圧接して、固定部材(13)にテール部(10)固定されて、前記テール部(10)弁体(3)に対しその径方向任意の位置に調整・固定可能となっていることを特徴とするバタフライ弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水道管等の配管への初期充水時に流体を供給する充水機能付きバタフライ弁に関する。
【背景技術】
【0002】
水道管等の配管の新設時、更新時、点検時等における初期充水時において、急速な充水によって満管状態にすると、下流側配管に設置した空気弁から適切に配管内の空気を抜くことができず、ウオーターハンマや配管内空気の押出し(圧縮)によって安全弁が破損したり、配管そのものが破損したりすることがある。このため、配管途中にバタイフライ弁を介設し、そのバタフライ弁を小開度に開弁して小流量で下流側の管路に充水するようにしている。
その一般的なバタフライ弁は、弁箱を径方向に貫通する弁軸と、その弁軸を中心径方向に取付けた弁体とからなり、前記弁箱内周面に前記弁体先端縁が接離するゴム製弁箱弁座を形成し、弁軸を介して弁体3を回転することによって弁開閉する構造である。
【0003】
この一般的なバタフライ弁による上記小開度における流量制御は困難である。このため、弁体先端縁に閉弁方向(閉弁時、弁体が回転する方向)に延びるテール部を設け、そのテール部に通水孔を形成して、開弁初期、その通水孔を通って通水するようにし、その通水孔の開口面積(流通面積)等を所要値に設定することによって円滑な下流側配管の充水をし得るとするものがある(特許文献1請求項1、図1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−234071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記弁体にテール部を設けたものにおいては、充水時の通水量を小流量で一定とするために、テール部の通水孔を介して通水のほぼ全てを行うには、ゴム製弁箱弁座とテール部とを摺動させれば良いが、そのためには、弁箱弁座と摺動させるためのテール部摺動面(外周面)の正確な形成が煩雑であって、高コストのものとなっている。
また、弁箱弁座は配管を全閉する際の弁体先端縁の押圧により弾性変形される必要がある部分であり変形が許容される。このことから、テール部もその変形に対応して充水時に上記一定小流量を得るにはその弁箱弁座を撓ませて(押圧して)摺動させる必要があり、その摺動抵抗が大きく、開閉弁時に弁軸回転トルクが大きいものとなっている。
さらに、テール部は弁体に一体成形されているため、テール部と弁箱弁座との摺動(圧接)度合の調整も不可能であって、上記開閉弁時に弁軸回転トルクが大きいものとなっていることから、微調整の小回転制御が困難であり、円滑な流量制御を行えない問題がある。
【0006】
この発明は、以上の実状の下、充水時の弁体の回転トルクを少なくして円滑な流量制御を行ない得るようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、この発明は、上記テール部を弁体と別部材とするとともに弁体に対しその径方向任意の位置に調整・固定可能としたのである。
テール部が、別部材であれば、弁体に対しその径方向任意の位置に調整・固定とすることができる。さらに、その径方向任意の位置に調整・固定可能であれば、テール部を弁箱弁座に所要間隙をもって近接するようにし得ることが容易であって、近接であれば、弁座とテール部との摺動抵抗は無くなり、充水時の弁体の回転トルクを小さくして微調整の小回転制御が容易であって、円滑な流量制御を行ない得る。
その「近接」とは、テール部の下記通水孔11による充水に支障が出ない程度のテール部外周面と弁座との間隙をもって近づいている状態を言う。なお、この発明においては、テール部は弁箱弁座に必ずしも近接状態である必要はなく、摺動状態でも良い。
【0008】
この発明の構成としては、弁箱と、その弁箱を径方向に貫通する弁軸と、その弁軸を中心径方向に取付けた弁体とからなり、前記弁体の周縁径方向内側に、弁体の閉弁方向に延びる内外面に通じる通水孔を有するテール部を設け、開弁初期は、前記テール部が前記弁箱弁座に対向して前記通水孔から通水するバタフライ弁において、前記テール部を弁体と別部材とするとともに弁体に対しその径方向任意の位置に調整・固定可能とした構成を採用することができる。
【0009】
そのテール部を弁体に対しその径方向任意の位置に調整・固定する構成としては、従来周知の種々の手段が考えられるが、例えば、弁体の周縁径方向内側閉弁方向側に固定部材を設け、その固定部材の外側にテール部を当てがい、固定部材を貫通したビスをそのテール部にねじ込み、そのねじ込み量によって固定部材に対するテール部の離反度(テール部の弁箱弁座に対する近接度)を調節し、その調整後、前記固定部材にその先端がテール部材の内面に当接する押しビスをねじ込んで、テール部の調整位置を固定する構成を採用できる。この構成とすれば、その押しビスによってテール部の弁体に対する位置を安定して固定できる。
この構成において、上記押しビスのテール部の固定に代えて、上記ビスのねじ込み量によって固定部材に対するテール部の離反度(離反距離)を調節した後、前記固定部材とテール部の間の上記ビスにねじ込んだ対のナットの一方をねじ込んで固定部材の外面に圧接するとともに、他方をねじ込んでテール部の内面に圧接して、固定部材にテール部を固定するようにすることもできる(図8参照)。
【0010】
また、他の手段としては、上記固定部材の外周面にテール部をシート材を介在してビス止めし、そのシート材の厚み変更(厚み調整)によって前記テール部を弁体に対しその径方向任意位置に調整・固定可能とすることができる。このとき、前記固定部材に上記押しビスをねじ込むようにすれば、その押しビスによってテール部の弁体に対する位置を安定して固定できる。
さらに、他の調整手段として、上記テールをそのテール部の弁体径方向に長い長孔を介して前記弁体にビス止めし、その長孔内の前記ビスの位置調整によって前記テール部を弁体に対しその径方向任意位置に調整・固定可能とした構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、以上のように構成し、テール部を弁体と別部材とするとともに弁体に対しその径方向任意位置に調整・固定可能としたので、テール部を弁箱弁座に対して所要間隙をもって容易に近接等することができ、充水時の弁体の回転トルクを少なくして円滑な流量制御を行ない得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明に係るバタフライ弁の一実施形態の要部切欠き断面斜視図
図2】同実施形態の図1の作用説明用要部切断平面図
図3】同実施形態の図1右側のテール部材の斜視図であり、(a)は裏面側、(b)は表面側
図4】同実施形態の充水時の作用説明用要部切断平面図であり、(a)は開弁の途中、(b)は開弁時
図5】他の実施形態の要部切断平面図
図6】他の実施形態の要部切断平面図
図7】他の実施形態の要部切断側面図
図8】他の実施形態の要部切断平面図
図9】他の実施形態の要部切断平面図
図10】他の実施形態の要部切断平面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明に係るバタフライ弁Vの一実施形態を図1図4に示し、この実施形態も、従来と同様に、弁箱1と、その弁箱1を径方向に貫通する弁軸2と、その弁軸2を中心径方向に取付けた弁体3とからなり、弁軸2を介して弁体3を、図1矢印の如く約90度正逆転することによって弁開閉する。同図では、矢印右回転が開弁(図2矢印方向)、同左回転が閉弁となる。
【0014】
このバタフライ弁Vの弁箱1及び弁体3は鋳鋼等の金属からなり、その弁箱1の円筒状本体1aの軸方向中程内周囲にクロロプレンゴム等のゴムからなる弁座シート4が金型を用いた加硫接着によって設けられている。
弁座シート4の内周面中央部は盛り上がって弁体3の先端縁が接離する弁箱弁座5となっており(図2参照)、金属製弁体3が閉止方向(図2反矢印方向)に回転してゴムからなる弁箱弁座5に徐々に食い込み、中心線c上で予め設定された最大の食い込み代となって閉弁する。
【0015】
上記弁体3の周縁径方向内側に、弁体3の閉弁方向に延びる内外面に通じる通水孔11を有するテール部10が設けられ、このテール部10は、図3に示すように、半円弧状をして弁軸2の左右に位置してその端は弁体の軸部に接している(特許文献1図7参照)。テール部10の内周縁には、その縁長さ方向に等間隔で前記通水孔11が形成され、その外周縁には、その通水孔11の間にねじ孔12が形成されている(図3参照)。通水孔11の数、間隔は、充水時の流通量等を考慮して適宜に設定する。
弁体3の周縁径方向内側のテール部10の同径方向内側には弁体3と一体成形の固定部材13が設けられており、この固定部材13にも、前記通水孔11に通じる透孔11aが形成されているとともに、前記ねじ孔12に通じる透孔12aが形成されている。この固定部材13は、図1では省略しているが、テール部10と同様に弁体3の周縁全長円弧状に形成したり、ねじ孔12に対応した位置に突出する突片としたりすることができる。その突片は周方向等間隔とし得る。
【0016】
テール部10は固定部材13にシート材14を介在して重ねられ、固定用ボルト(ビス)15を透孔12aを通してねじ孔12にねじ込み、前記シート材14の厚みを適宜に選択することによって、テール部10の円弧状外周面10aが弁箱弁座5の内周面に所要の間隙をもって近接するようにする。そのシート材14の素材としては、ゴム等の弾性体が考えられ、その厚み調整は、シート材14そのものの厚みを変えたり、介在枚数を適宜に選択したりして行なう。所要の間隙は、その間隙によって適切な通水aが行なわれて、上記安全弁が破損したり、配管そのものが破損したりすることがないように実験などによって適宜に設定する。
【0017】
この実施形態は、以上の構成であり、水道管等の配管に介設され、その配管の新設時、更新時、点検時等の初期充水時、図2の状態から、矢印の如く弁軸2(弁体3)を回転させて、図4(a)から同(b)に示すように、弁体3が小開度すると、テール部10の円弧状外周面10aが弁座5内周面に近接した状態で、一方の配管から通水孔11、透孔11a及び弁座5とテール部10の間隙を通って他方の配管に流通する。
この充水時、テール部10は弁座5(弁座シート4)に近接した状態であるため、弁軸2の回転に不要の摺動(接)トルクを与えない。このため、弁体3の回転は円滑である。
他方の配管内が水充満すれば、弁軸2をさらに回転させて弁体3を全開とする(開弁する)。
【0018】
この実施形態は、テール部10が弁体3と別部材であるため、弁箱本体1aの材質や製作精度に影響されずにそのテール部10を形成することができる。このため、通水孔11の開口面積精度や弁体先端縁とテール部10内周面との近接度合の加工精度を向上することができ、円滑な流量制御を行ない得る。
【0019】
この実施形態においては、固定部材13を弁体3と一体成型品としたが、図5に示すように、テール部10の弁体側縁に弁体側面に沿うフランジ13aを設け、そのフランジ13aを弁体3にビス15aでねじ止めすることによって、テール部10を弁体3に取付けることもできる。
また、通水孔11の形状、流通断面積は、充水時の最適な流通量が得られるように、実験などによって適宜に設定し、例えば、図6に示す形状等とし得る。図6の実施形態は、テール部10の内面側に突部10bを設け、その突部10bと固定部材13との間にシート材14を介在している。
【0020】
上記各実施形態において、図7に示すように、固定部材13にねじ込んだ押しビス(ボルト)16の先端をシート材14又はテール部10に圧接する(押し付ける)ことによって固定部材13に対するテール部10の移動を固定し得る(テール部10の調整位置の固定を行なうことができる)。押しボルト16の位置は、テール部10を固定部材13に固定し得る限りにおいて、テール部10の周方向の適宜位置に設けることができるが、例えば、各ねじ孔12の中間などの同周方向等間隔が好ましい。
この押しボルト16によってテール部10を固定する場合、シート材14が無くても、固定部材13を貫通したボルト15のテール部10へのねじ込み量によって固定部材13に対するテール部10の離反度を調節し、その調整後、前記押しボルト16を固定部材13にねじ込み、その先端をテール部材10の内面に当接することによって、テール部10の調整位置を固定することができる。
【0021】
これらの各実施形態において、図8に示すように、上記押しボルト16によるテール部10の固定に代えて、固定部材13とテール部10の間の固定用ボルト15に対のナット16a、16bをねじ合わせ、固定用ボルト15のテール部10へのねじ込み量でテール部外周面10aと弁箱弁座5とを所要の間隙に調整した後、一方(同図において上側)のナット16aをねじ込んで固定部材13の外面に圧接するとともに、他方のナット16bをねじ込んでテール部10の内面に圧接して、固定部材13にテール部10を固定することもできる。このとき、固定用ボルト15のテール部10へのねじ込みによってボルト15に対するテール部10の固定が十分であれば、前記下側のナット16bは省略し得る。
【0022】
図9図10の実施形態は、図6の突部10bを有するテール部10において、その突部10bを弁体3側面に沿うフランジ10cとし、そのフランジ10cに弁体径方向に長い長孔17を形成し、フランジ10cを弁体3の側面に当てがい、ビス(ボルト)15をその長孔17を介して弁体3にビス止めし、その長孔17内のビス15の位置調整によってテール部10を弁体3に対しその径方向任意位置に調整・固定可能として、そのテール部10外周面を弁座5に近接した状態とし得るようにしたものである。このとき、通水孔11の態様は、図9図10等のように適宜に設定する。
【0023】
この各実施形態において、シート材14に代えて弁体3と一体成形した固定部材としたり、図5に示す弁体3にビス15a止めした固定部材としたりすることもできる。このとき、その固定部材とフランジ10cの間にシート材14を介在することもできる。また、この各実施形態においてはシート材14を省略することができ、さらに、図7に示す押しビス(ボルト)16をフランジ10cの適宜位置にねじ込み、その先端をシート材14又は弁体3に圧接する(押し付ける)ことによってテール部10の移動を固定し得るようにし得る。
【0024】
上記各実施形態は、テール部10(通水孔11)を、弁軸2に対して左右両側に設けたが、弁体3の開弁方向の一方、例えば、図1において右側のみでも良く、さらに、両側又は一側のどちらにおいても、その全周(長さ)又は一部でも良い。要は、円滑な充水が行なわれれば良い。
【符号の説明】
【0025】
1 弁箱
2 弁軸
3 弁体
4 弁座シート
5 弁箱弁座
10 テール部
11 通水孔
13 固定部材
14 シート材
15 ビス(ボルト)
16 押しビス(ボルト)
16a、16b 対の固定ナット
17 長孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10